特許第5997157号(P5997157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5997157バックロード可能な光学形状検知ガイドワイヤ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997157
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】バックロード可能な光学形状検知ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20160915BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   A61M25/09
   A61M25/092
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-526578(P2013-526578)
(86)(22)【出願日】2011年8月29日
(65)【公表番号】特表2013-540466(P2013-540466A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】IB2011053774
(87)【国際公開番号】WO2012029013
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】61/378,967
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】マンズケ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】チャン レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス ルイス フェリペ
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2001/0021843(US,A1)
【文献】 特開2004−251779(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0123111(US,A1)
【文献】 特開2008−190910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
A61M 25/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ガイドワイヤシステムであって、
光ガイドワイヤの遠位端に対して標的領域へカテーテルを進めるための光ガイドワイヤであって、前記光ガイドワイヤの形状を示す符号化光信号を生成するための少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアを含む、光ガイドワイヤと、
前記光ガイドワイヤの形状を再構成するために前記符号化光信号に応答する光ガイドワイヤコントローラと、
前記光ガイドワイヤコントローラに光学的に結合する少なくとも一つのインターフェースファイバコアを含むガイドワイヤインターフェースと、
光コネクタとを有し、
前記光コネクタが前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアから前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを通じて前記光ガイドワイヤコントローラへ前記符号化光信号を光学的に伝達するために前記光ガイドワイヤを前記ガイドワイヤインターフェースへ接続するように動作可能であり、
前記ガイドワイヤインターフェースへの前記光ガイドワイヤの接続後、前記光コネクタがさらに前記ガイドワイヤインターフェースから前記光ガイドワイヤを切断し前記光ガイドワイヤの近位端で前記カテーテルをロードするように動作可能であり、
前記ガイドワイヤインターフェースからの前記光ガイドワイヤの切断及び前記光ガイドワイヤの近位端での前記カテーテルのローディングの後、前記光コネクタがさらに前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアから前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを通じて前記光ガイドワイヤコントローラへ前記符号化光信号を再伝達するために前記ガイドワイヤインターフェースへ前記光ガイドワイヤを再接続するように動作可能である、
光ガイドワイヤシステム。
【請求項2】
前記光ガイドワイヤが、
少なくとも一つのファイバコア延長部をさらに含み、各ファイバコア延長部が前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアの一つと一体である、
請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項3】
前記光ガイドワイヤが、
少なくとも一つのフェルールをさらに含み、各フェルールが前記少なくとも一つのファイバコア延長部の一つを少なくとも部分的に囲む、
請求項2に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項4】
前記光ガイドワイヤが、
前記少なくとも一つのファイバコア延長部を少なくとも部分的に囲むフェルールをさらに含む、
請求項2に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項5】
前記ガイドワイヤインターフェースが、
少なくとも一つのファイバコア延長部を含み、各ファイバコア延長部が前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアの一つと一体である、
請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項6】
前記ガイドワイヤインターフェースが、
少なくとも一つのフェルールをさらに含み、各フェルールが前記少なくとも一つのファイバコア延長部の一つを少なくとも部分的に囲む、
請求項5に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項7】
前記ガイドワイヤインターフェースが、
前記少なくとも一つのファイバコア延長部を少なくとも部分的に囲むフェルールをさらに含む、
請求項5に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項8】
前記ガイドワイヤインターフェースが少なくとも一つのフェルールをさらに含み、各フェルールが前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアの一つを少なくとも部分的に囲み、
前記光コネクタが前記少なくとも一つのフェルールを少なくとも部分的に囲むインターフェースコネクタを含む、
請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項9】
前記ガイドワイヤインターフェースが前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを少なくとも部分的に囲むフェルールをさらに含み、
前記光コネクタが前記フェルールを少なくとも部分的に囲むインターフェースコネクタを含む、
請求項5に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項10】
前記光コネクタが前記光ガイドワイヤの近位端を囲むガイドワイヤコネクタと、前記ガイドワイヤインターフェースを少なくとも部分的に囲むインターフェースコネクタとを含む、請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項11】
前記ガイドワイヤコネクタと前記インターフェースコネクタが前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアと前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアの光学配列に応じてかみ合うように動作可能である、請求項10に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項12】
前記ガイドワイヤインターフェースが、
前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアと前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを微細配列するように動作可能な微小電気機械システムを含む、
請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項13】
前記ガイドワイヤインターフェースが、
前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアと前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアの適切な微細配列を示すように動作可能なインジケータをさらに含む、
請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項14】
前記光ガイドワイヤが円形断面を持つ、請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項15】
前記光ガイドワイヤが非円形断面を持つ、請求項1に記載の光ガイドワイヤシステム。
【請求項16】
光ガイドワイヤの形状を示す符号化光信号を生成するための少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアを含む光ガイドワイヤの遠位端に対して標的領域へカテーテルを進めるための方法であって、
前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアから少なくとも一つのインターフェースファイバコアを通じて光ガイドワイヤコントローラへ前記符号化光信号を光学的に伝達するために前記光ガイドワイヤをガイドワイヤインターフェースへ接続するステップであって、
前記ガイドワイヤインターフェースが前記光ガイドワイヤコントローラに光学的に結合する前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを含み、
前記光ガイドワイヤコントローラが前記光ガイドワイヤの形状を再構成するために前記符号化光信号に応答する、
ステップと、
前記ガイドワイヤインターフェースへの前記光ガイドワイヤの接続後、前記ガイドワイヤインターフェースから前記光ガイドワイヤを切断し、前記光ガイドワイヤの近位端で前記カテーテルをロードするステップと、
前記ガイドワイヤインターフェースからの前記光ガイドワイヤの切断及び前記光ガイドワイヤの近位端での前記カテーテルのローディングの後、前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアから前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを通じて前記光ガイドワイヤコントローラへ前記符号化光信号を再伝達するために前記光ガイドワイヤを前記ガイドワイヤインターフェースへ再接続するステップと、
を有する方法。
【請求項17】
前記ガイドワイヤインターフェースへの前記光ガイドワイヤの接続及び再接続の少なくとも一つの際、前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアと前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアを微細配列するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも一つのガイドワイヤファイバコアと前記少なくとも一つのインターフェースファイバコアの微細配列成功の表示を与えるステップをさらに有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ガイドワイヤインターフェースへの前記光ガイドワイヤの接続及び再接続の少なくとも一つの際、前記光ガイドワイヤの少なくとも一部の形状を再構成するステップをさらに有する、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記再構成された光ガイドワイヤの少なくとも一部の形状を表示するステップをさらに有する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して最小侵襲インターベンション中に標的領域へカテーテルを進めるためのガイドワイヤ(例えば最小侵襲心臓血管インターベンション中に心臓へカテーテルを進めるためのガイドワイヤ)に関する。本発明は特にガイドワイヤの近位端の上でカテーテルのバックローディングを促進するための光コネクタを持つ光学形状検知ガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの最小侵襲心臓血管インターベンションは、診断若しくは治療ペイロード(例えば造影剤、圧力変換器、バルーン、ステントなど)とともに血管を通して進められることができる細長い管である、カテーテルで実行される。様々な理由(例えば血管形状のねじれ若しくは血管閉塞)のために、診断若しくは治療カテーテルの導入前にインターベンションの標的領域へガイドワイヤが進められ得る。ガイドワイヤは典型的には、ガイドワイヤの近位端の上での診断若しくは治療カテーテルのローディング、及び標的領域に達するようガイドワイヤを経たカテーテルの前進を促進する、特別に設計された材料特性を持つ細いワイヤである。
【0003】
これらの手順は一般に、カテーテルのガイドワイヤの二次元("2D")投影像を描くリアルタイムX線イメージングでガイドされる。しかしながら、X線イメージングに伴う課題はイメージングの2D性及び患者と医師への電離放射線を含む。より実行可能な代替案は光学形状検知技術であり、これはいかなる有害な放射線も必要なく医療機器の完全三次元("3D")形状情報を提供し得る。この技術は米国特許出願公開2006/0013523 A1及び2007/0065077 A1に記載されており、米国特許出願公開US 2008/0285909 A1において医療機器(例えばガイドワイヤ及びカテーテル)への統合を提案されている。
【0004】
この技術に基づいて、光ファイバを用いて空間的に検知する屈曲及びねじれ検出を実現する一つの方法は、距離にわたって特定の幾何学方向においてファイバブラッググレーティング("FBG")ファイバの多重コアを組み合わせることである。一つの可能性のある設定は、らせん中心に追加FBGファイバを含むらせん構造に配向した三つ以上のFBGファイバであり得る。医療ガイドワイヤを作るために、こうしたマルチコアファイバは生体適合性及び機械的特性の点で医学的要件を満たすように設計される被覆材料と一体化される必要があり得る。
【0005】
カテーテルを進める前にガイドワイヤが標的領域に達する必要がある多くの場合においては、カテーテルのバックローディングの前のガイドワイヤフェーズ中に形状検知能力を使用することが望ましい。しかしながら、形状検知能力を持つガイドワイヤを実現するためには、バックローディングが通常起こり得る点で光学システムに接続される必要がある。勿論、ガイドワイヤはバックローディング中に光学システムから一時的に切断され得るが、現在の光コネクタはあまりにも大き過ぎてカテーテルがそれらを通過することができない。代替的に、ガイドワイヤがコネクタと接触する点はバックローディングを可能にするように完全に設けられ得るが、その場合もはやガイドワイヤで形状検知が実行されることができず、そのようなガイドワイヤの切断は多くのインターベンションにおいて望ましくない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、可逆的にプラグを抜かれることができながら、ガイドワイヤの連続形状検知のために光学接続を再構築する前に標準カテーテルをガイドワイヤへバックロードすることを可能にするほど十分に小さいガイドワイヤのための光コネクタを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態は、光ガイドワイヤ、光ガイドワイヤコントローラ、ガイドワイヤインターフェース、及び光コネクタを利用する光ガイドワイヤシステムである。光ガイドワイヤは光ガイドワイヤの遠位端に対して標的領域へカテーテルを進めるためのものである。このために、光ガイドワイヤは光ガイドワイヤの形状を示す符号化光信号を生成するための一つ以上のガイドワイヤファイバコアを含む。光ガイドワイヤコントローラは光ガイドワイヤの形状を再構成するために符号化光信号に応答し、ガイドワイヤインターフェースは光ガイドワイヤコントローラに光学的に結合する一つ以上のインターフェースファイバコアを含む。動作中、光コネクタはガイドワイヤファイバコアからインターフェースファイバコアを通じて光ガイドワイヤコントローラへ符号化光信号を光学的に伝達するためにガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの接続を促進する。ガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの接続後、光コネクタはガイドワイヤインターフェースからの光ガイドワイヤの切断と光ガイドワイヤの近位端でのカテーテルのローディングを促進する。ガイドワイヤインターフェースからの光ガイドワイヤの切断と光ガイドワイヤの近位端でのカテーテルのローディングの後、光コネクタはガイドワイヤファイバコアからインターフェースファイバコアを通じて光ガイドワイヤコントローラへ符号化光信号を再伝達するためにガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの再接続を促進する。
【0008】
本発明の別の形態は光ガイドワイヤの形状を示す符号化光信号を生成するための一つ以上のガイドワイヤファイバコアを含む光ガイドワイヤの遠位端に対して標的領域へカテーテルを進めるための方法である。方法はガイドワイヤファイバコアから一つ以上のインターフェースファイバコアを通じて光ガイドワイヤコントローラへ符号化光信号を光学的に伝達するためのガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの接続を含む。ガイドワイヤインターフェースは光ガイドワイヤの形状を再構成するために符号化光信号に応答する光ガイドワイヤコントローラに光学的に結合するインターフェースファイバコアを含む。ガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの接続後、光コネクタはガイドワイヤインターフェースからの光ガイドワイヤの切断と光ガイドワイヤの近位端でのカテーテルのローディングを促進する。ガイドワイヤインターフェースからの光ガイドワイヤの切断と光ガイドワイヤの近位端でのカテーテルのローディングの後、光コネクタはガイドワイヤファイバコアからインターフェースファイバコアを通じて光ガイドワイヤコントローラへ符号化光信号を再伝達するためにガイドワイヤインターフェースへの光ガイドワイヤの再接続を促進する。
【0009】
本発明の前述の形態及び他の形態、並びに本発明の様々な特徴と利点は添付の図面と併せて読まれる本発明の様々な実施形態例の以下の詳細な説明からさらに明らかとなる。詳細な説明と図面は限定ではなく単に本発明の例示であり、本発明の範囲は添付の請求項とその均等物によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明にかかる例示的な光ガイドワイヤ法を図示する。
図1B】本発明にかかる例示的な光ガイドワイヤ法を図示する。
図1C】本発明にかかる例示的な光ガイドワイヤ法を図示する。
図2】本発明にかかる光ガイドワイヤ法の実施形態例をあらわすフローチャートを図示する。
図3A図2に示すフローチャートにかかる最小侵襲インターベンションの実施例を図示する。
図3B図2に示すフローチャートにかかる最小侵襲インターベンションの実施例を図示する。
図3C図2に示すフローチャートにかかる最小侵襲インターベンションの実施例を図示する。
図4A】本発明にかかる光ファイバの実施形態例を図示する。
図4B】本発明にかかる光ファイバの実施形態例を図示する。
図5A】本発明にかかる光コネクタの実施形態例を図示する。
図5B】本発明にかかる光コネクタの実施形態例を図示する。
図5C】本発明にかかる光コネクタの実施形態例を図示する。
図6A図4Aに示す光コネクタを組み込む図5Aに示す光ガイドワイヤの一実施形態の遠位端を図示する。
図6B図4Aに示す光コネクタを組み込む図5Aに示す光ガイドワイヤの一実施形態の近位端を図示する。
図7A】本発明にかかる光コネクタを組み込む光ガイドワイヤの第2の実施形態例の遠位端を図示する。
図7B】本発明にかかる光コネクタを組み込む光ガイドワイヤの第2の実施形態例の近位端を図示する。
図8A】本発明にかかる光コネクタを組み込む光ガイドワイヤの第3の実施形態例の遠位端を図示する。
図8B】本発明にかかる光コネクタを組み込む光ガイドワイヤの第3の実施形態例の近位端を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示す通り、本発明の光ガイドワイヤシステムは光ガイドワイヤ10、光ガイドワイヤコントローラ12、ガイドワイヤインターフェース13、及び光コネクタ15を利用する。
【0012】
光ガイドワイヤ10はシース(鞘)によって囲まれる光ファイバを利用し、光ファイバは一つ以上のガイドワイヤファイバコア11を支えるクラッディングを含む。図示していない代替的実施形態において、光ガイドワイヤ10は二つ以上のシングルコア光ファイバ、二つ以上のマルチコア光ファイバ、若しくはそれらの任意の組み合わせを利用し得る。
【0013】
本発明の目的のために、光ファイバとはファイバコアを介して連続内部光反射を用いて光を透過するように構造的に構成される任意の品目若しくは装置と本明細書で広く定義され、ファイバコアとは光の特定波長を反射しながら光の他の全波長を透過するように構造的に構成され、それによって反射波長が光ファイバに加わる外部刺激の関数としてシフトされ得る任意の品目と本明細書で広く定義される。光ファイバとファイバコアの実施例は、限定されないが、従来技術で既知の通りファイバの長さに沿って統合されるファイバブラッググレーティングのアレイを組み込む柔軟で光学的に透明なガラス若しくはプラスチックファイバを含み、柔軟で光学的に透明なガラス若しくはプラスチックファイバは従来技術で既知の通りファイバの長さに沿ってあらわれるその光学的屈折率に必然的にばらつきを持つ。
【0014】
従来技術で既知の通り最小侵襲インターベンション中に光ガイドワイヤ10の遠位端10aが手動で若しくは機械的に標的領域へナビゲートされガイドされている動作中、光ガイドワイヤ10は従来技術で既知の通りガイドワイヤファイバコア11を介して符号化光信号16を生成し、これは光ガイドワイヤ10の任意の瞬間形状サンプリングにおける、及びより具体的には複数の形状サンプリングの間の光ガイドワイヤ10の形状を示し、符号化光信号16は光ガイドワイヤ10の遠位端が標的領域へナビゲートされている際に生じる光ガイドワイヤ10の形状への各変化を示す。
【0015】
光ガイドワイヤコントローラ12は符号化光信号16を処理しそれによって光ガイドワイヤ10の一部若しくは形状全体を周期的に再構成するために光インターフェース(不図示)と形状再構成器(不図示)を組み込む。本発明の目的のために、光インターフェースとはガイドワイヤファイバコア11を介して透過光の連続内部反射によって生成される符号化光信号16を受信するように光ガイドワイヤ10を通じて光を透過するために構造的に構成される任意の装置若しくはシステムと本明細書で広く定義される。光インターフェースの実施例は、限定されないが、光ガイドワイヤ10を通じて光を透過するため及びガイドワイヤファイバコア11を介して透過光の連続内部反射によって生成される符号化光信号16を受信するための従来技術で既知の光結合器、広帯域基準反射器、及び周波数領域反射率計の配置を含む。
【0016】
本発明の目的のために、形状再構成器とは、光ガイドワイヤ10の形状を部分的に若しくは完全に再構成するように符号化光信号16を処理するため、及びイメージングシステム(例えばX線システム、MRIシステム、CTシステム、USシステム若しくはIVUSシステム)が光ガイドワイヤ10の瞬間位置及び方向、並びにより具体的には光ガイドワイヤ10の動き追跡を視覚的に表示することを可能にする適切な形式でファイバ形状データを生成するために構造的に構成される任意の品目若しくは装置と広く定義される。形状再構成器の実施例は、限定されないが、既知の形状再構成技術を実現するための任意のタイプのコンピュータにソフトウェア及び/又はファームウェアとしてインストールされる再構成エンジンを含む。(特に、符号化光信号16を光ガイドワイヤ10の形状に統合される歪み/屈曲測定に関連付けるための既知の形状再構成技術。)実際には、再構成エンジンはイメージングシステムに一体化されてもされなくてもよい。
【0017】
本発明の目的のために、ガイドワイヤインターフェースとは光ガイドワイヤ10に接続されるときに光ガイドワイヤ10と光ガイドワイヤコントローラ12を光学的に結合するために構造的に構成される任意の品目若しくは装置と広く定義される。例えば、図1A及び1Cに示す通り、ガイドワイヤインターフェース13は光コネクタ15から伸びて光ガイドワイヤコントローラ12に光学的に結合する光ファイバを利用し得る。光ファイバは保護層によって囲まれるクラッディングであり、光ガイドワイヤコントローラ12に光学的に結合する一つ以上のインターフェースファイバコア14を支持する。図示していない代替的実施形態において、ガイドワイヤインターフェース13は光コネクタ15から伸びて光ガイドワイヤコントローラ12に光学的に結合する一つ以上のシングルコア光ファイバ、一つ以上のマルチコア光ファイバ、若しくはそれらの任意の組み合わせを利用し得る。さらなる代替的な実施形態において、ガイドワイヤインターフェース13は各々がシングルコア若しくはマルチコアである、光コネクタ15内に完全に埋め込まれ光ガイドワイヤコントローラ12に光学的に結合する一つ以上の光ファイバを含み得る。
【0018】
光コネクタ15はガイドワイヤ10に結合するガイドワイヤコネクタ15aとガイドワイヤインターフェース13に結合するインターフェースコネクタ15bとを利用する。本発明の目的のために、光コネクタ15とは本発明の光ガイドワイヤとガイドワイヤインターフェースを選択的に接続及び切断するための任意の品目若しくは装置と広く定義される。
【0019】
図1Aに示す通り、光コネクタ15はファイバコア11及び14を光学的に結合するためにガイドワイヤインターフェース13への光ガイドワイヤ10の接続を促進し、それによって符号化光信号16がガイドワイヤファイバコア11からインターフェースファイバコア14を通じて光ガイドワイヤコントローラ12へ伝達される。結果として、光ガイドワイヤコントローラ12は光ガイドワイヤ10の遠位端10aが標的領域へナビゲートされると光ガイドワイヤ10の形状を部分的に若しくは完全に再構成する。
【0020】
図1Bに示す通り、遠位端10aが標的領域に対して配置されると、光コネクタ15はガイドワイヤインターフェース13から光ガイドワイヤ10の切断を促進し、それによってカテーテル20が光ガイドワイヤ10の近位端10bでロードされ得る。実際には、カテーテル20は光ガイドワイヤ10の上にロードされると部分的に若しくは完全に光ガイドワイヤ10に沿って伸び得る。
【0021】
図1Cに示す通り、光コネクタ15は再度ファイバコア11及び14を光学的に結合するためにガイドワイヤインターフェース13への光ガイドワイヤ10の再接続を促進し、それによって符号化光信号16が再度ガイドワイヤファイバコア11からインターフェースファイバコア14を通じて光ガイドワイヤコントローラ12へ伝達される。結果として、光ガイドワイヤコントローラ12はカテーテルがその上にロードされている光ガイドワイヤ10の形状を部分的に若しくは完全に再構成し得る。
【0022】
本発明のさらなる理解を促進するために、図2は本発明の光学ガイド法をあらわすフローチャート30を図示する。
【0023】
フローチャート30のステージS32は光ガイドワイヤとガイドワイヤインターフェースの整列光学接続、及び標的領域への光ガイドワイヤのナビゲーションの光検出及び表示を包含する。
【0024】
例えば、図3Aに示す通り、ガイドワイヤインターフェースはマルチコアインターフェース光ファイバ52と従来技術で既知の微小電気機械システム("MEMS")53(例えば半導体内の熱膨張に基づくマイクロアクチュエータ、Vernierラッチなど)を含み、光コネクタはマルチコア光ガイドワイヤ40に結合するスナッププラグ41とインターフェース光ファイバ52に結合するスナッププラグ54を含む。ステージS32中、プラグ41及び52は光ガイドワイヤ40とインターフェース光ファイバ52のファイバコアを光学的に結合するためにかみ合わされ、MEMS 53はファイバコアの適切な光学配列を促進するよう動作する。その後、光ガイドワイヤ40の遠位端が手動で若しくは機械的に組織60を通って血管61を介して標的領域62に対してナビゲートされる。例えば、光ガイドワイヤ40の遠位端は動脈内の任意の点に置かれるよう動脈を介して皮膚組織を通して手動で若しくは機械的にナビゲートされ、それによってカテーテルが位置付けられ、心臓に達するよう必要に応じてさらにナビゲートされ得る。光ガイドワイヤ40がナビゲートされると、光ガイドワイヤコントローラ51は光ガイドワイヤ40の形状を部分的に若しくは完全に再構成するよう動作し、それによってイメージングシステム70(例えばX線システム、MRIシステム、CTシステム、USシステム若しくはIVUSシステム)が標的領域62のスキャン画像内に光ガイドワイヤのオーバレイを表示し得る。
【0025】
フローチャート30のステージS33は光ガイドワイヤへのカテーテルのバックローディングを促進するためのプラグ41及び52の切断、光ガイドワイヤとガイドワイヤインターフェースの整列光学再接続、及び光ガイドワイヤの上にロードされるカテーテルの光検出及び表示を包含する。
【0026】
例えば、図3Bに示す通り、カテーテル80は切断された光ガイドワイヤ40の上にバックロードされ、それによってカテーテル80の遠位端80bが標的領域62に達し、カテーテル80の近位端80aがプラグ41から離されてプラグ54へのプラグ41の再接続を可能にする。その後、図3Cに示す通り、プラグ41と52が再度かみ合わされて光ガイドワイヤ40とインターフェース光ファイバ52のファイバコアを光学的に結合し、MEMS 53はファイバコアの適切な光学配列を促進するように動作する。光ガイドワイヤ40は事前に標的領域62に対して配置されているので、光ガイドワイヤコントローラ51は光ガイドワイヤ40の形状を部分的に若しくは完全に再構成するように動作し、それによってイメージングシステム70は標的領域62のスキャン画像内にカテーテルをロードした光ガイドワイヤ40のオーバレイを表示し得る。
【0027】
実際には、光ガイドワイヤ、ガイドワイヤインターフェース及び光コネクタの構造配置のばらつきは限定も制限もされない。従って、図4‐8に示す光ガイドワイヤ、ガイドワイヤインターフェース及び光コネクタの以下の記載は、光ガイドワイヤ、ガイドワイヤインターフェース及び光コネクタの構造配置の実施形態例として提供される。
【0028】
図4Aに示す通り、光ファイバ90aは光ガイドワイヤ若しくはガイドワイヤインターフェースへの組み込みに適している。具体的に、光ファイバ90aはらせん中心に追加FBGファイバコア92aを含むらせん構造に配向した三つのFBGファイバコア93a‐95aを囲むクラッディング91を持つ。クラッディング91と垂直にファイバコア延長部96を保持するセラミック、プラスチック若しくはステンレス鋼である各フェルール96a‐96dによって囲まれる各ファイバコア延長部92b‐95bはファイバコア92a‐95aと一体である。
【0029】
図4Bに示す通り、相補的な光ファイバ90bは代替的にファイバコア延長部92c‐95cを囲むスロットフェルール97を持ち、ファイバコア延長部92c‐95cは各スロット98a‐98dを介して光学的にアクセス可能である。
【0030】
図5Aと5Bは光ガイドワイヤ及びガイドワイヤインターフェースと組み合わされる光ファイバ90a(図4A)及び光ファイバ90b(図4B)をそれぞれ図示する。
【0031】
具体的に、図5Aに示す通り、光ファイバ90a(図4A)のクラッディング91はシース99によって囲まれ、ガイドワイヤコネクタ100はクラッディング91の近位端91bに結合する。ガイドワイヤコネクタ100はばね107を介してクラッディング91にばねで留められるメスプラグ101、並びにクラッディング91に結合する三角ポストのペア103及び106を含む。ポスト103及び106はメスプラグ101をクラッディング91に取り付け、各チャネル102及び105内でスライド可能である。メスプラグ101はウェッジコネクタ104をさらに含む。
【0032】
図5Bに示す通り、MEMS 54は光ファイバ90b(図4B)を囲み、ファイバコア延長部92c‐95cとフェルール97は、メスプラグ101のチャネル102(図5A)内に受け入れ可能なビーム112とウェッジコネクタ113とを持つオスプラグ111であるインターフェースコネクタ110の中へ伸びる。
【0033】
図5Cに示す通り、チャネル102内のスライディングビーム112はプラグ101と111を整列させ、それによってファイバコア延長部92b‐95bがスロットフェルール97内をスライドして各ファイバコア延長部92c‐95cに光学的に結合する。ウェッジコネクタ104及び113はプラグ101と111を結びつけるためにかみ合う。MEMS 54が必要に応じてファイバコア延長部の光学配列を実行し、ファイバコア延長部の適切な光学配列によってインジケータ55が駆動される。
【0034】
図6Aと6Bはガイドワイヤコネクタ100がそこに結合する光ガイドワイヤ90aの遠位端と近位端をそれぞれ図示する。重要なことはガイドワイヤコネクタ100の直径dである。実際には、光ガイドワイヤ90へのカテーテルのバックローディングを促進するために直径dの最大値は2mmである。
【0035】
また実際には、ガイドワイヤコネクタ断面の代替的実施形態は、光学配列がはめ合い界面においてコネクタ形状によって保障される、登録された若しくは適合された挿入を可能にする、非円形の対称若しくは非対称のアングルファセット形状を含み得る。
【0036】
例えば、図7Aと7Bはらせん中心に追加FBGファイバコア122aを含むらせん構造に配向した三つのFBGファイバコア123a‐125aを支持するクラッディング121を持つ光ガイドワイヤ120の三角断面の遠位端と近位端をそれぞれ図示する。フェルールによって囲まれる各ファイバコア延長部122b‐125bはファイバコア122a‐125aと一体である。シース129がクラッディング121を囲む。図7Bに示す遠位端で、ガイドワイヤコネクタ130はチャネル132とウェッジコネクタ134を持つメスプラグ131を含む。
【0037】
例えば、図8Aと8Bはらせん中心に追加FBGファイバコア142aを含むらせん構造に配向した三つのFBGファイバコア143a‐145aを支持するクラッディング141を持つ光ガイドワイヤ140の矩形断面の遠位端と近位端をそれぞれ図示する。フェルールによって囲まれる各ファイバコア延長部142b‐145bはファイバコア142a‐145aと一体である。シース149がクラッディング141を囲む。図8Bに示す遠位端で、ガイドワイヤコネクタ150はチャネル152とウェッジコネクタ154を持つメスプラグ151を含む。
【0038】
図1‐8の説明から、当業者は光ガイドワイヤを介した標的領域へのカテーテルの前進を含む任意のタイプの最小侵襲インターベンションのために、本発明の発明の原理にかかる光ガイドワイヤ、ガイドワイヤインターフェース及び光コネクタを構成する方法をさらに応用するだろう。
【0039】
本発明の様々な実施形態例が図示され記載されているが、本明細書に記載の本発明の実施形態例は例示であり、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更と修正がなされてもよく、均等物がその要素と置き換えられてもよいことが当業者によって理解される。例えば、本発明はFBGに関して本明細書で論じられるが、一般に、例えばFBG若しくは他の光学の存在の有無を問わず、後方散乱、光ファイバ力検出、ファイバ位置センサ若しくはレイリー散乱を用いるファイバ内の一つ以上の断面におけるばらつきの検出からの検知若しくは位置特定を含む、形状検知若しくは位置特定のための光ファイバを含むことが理解される。加えて、本発明の教示を適応させるようにその中心範囲から逸脱することなく多くの修正がなされ得る。従って、本発明は本発明を実行するために最良の形態と考えられる開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の請求項の範囲内にある全実施形態を含むことが意図される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B