(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997188
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】金属部品を保護するために多層システムに熱バリアを製造するプロセス、およびこのような保護システムを備える部品
(51)【国際特許分類】
C23C 24/08 20060101AFI20160915BHJP
B32B 15/04 20060101ALI20160915BHJP
F01D 5/28 20060101ALI20160915BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20160915BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20160915BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
C23C24/08 C
B32B15/04 B
F01D5/28
F01D9/02 102
F02C7/00 D
F02C7/00 C
F01D25/00 L
F01D25/00 X
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-557157(P2013-557157)
(86)(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公表番号】特表2014-514437(P2014-514437A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】FR2012050470
(87)【国際公開番号】WO2012120235
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年2月17日
(31)【優先権主張番号】1151836
(32)【優先日】2011年3月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505277691
【氏名又は名称】スネクマ
(73)【特許権者】
【識別番号】594016872
【氏名又は名称】サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス)
(73)【特許権者】
【識別番号】513225095
【氏名又は名称】アンステイテユ・ナシオナル・ポリテクニーク・ドウ・トウールーズ(イ・エヌ・ペ・テ)
(73)【特許権者】
【識別番号】513225017
【氏名又は名称】ユニベルシテ・ポール・サバテイエ−トウールーズ・トロワ(ユ・ペ・エス)
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユゴー,ジユリエツト
(72)【発明者】
【氏名】ボワド,マテユー
(72)【発明者】
【氏名】モンソー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オカブ,ドジヤ
(72)【発明者】
【氏名】エストウールヌ,クロード
【審査官】
宮本 靖史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−182631(JP,A)
【文献】
国際公開第2001/063006(WO,A1)
【文献】
国際公開第2002/081768(WO,A2)
【文献】
特開平09−067662(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/092298(WO,A1)
【文献】
国際公開第2008/037765(WO,A2)
【文献】
Proto−TGO formation in TBC systems fabricated by spark plazma sintering,Surface & Coating Technology,2010年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/00 − 6/00
C23C 24/00 − 30/00
B32B 1/00 − 43/00
C04B 35/00 − 35/84
F01D 1/00 − 11/24
F01D 13/00 − 15/12
F01D 23/00 − 25/36
F02C 1/00 − 9/58
F23R 3/00 − 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超合金製金属部品を保護するために多層システム(24)に熱バリア(23)を製造する方法であって、前記方法は、SPS機械筐体(1)内の前記金属部品上に重ねられた層内の保護材料(24)をフラッシュ焼結することにより熱処理を生じるステップからなり、前記熱バリア(23)は、超合金基材(22)の上に金属副層(21)を形成する金属シートのアセンブリを備え、前記金属副層(21)の上に設けられかつ前記基材(22)と化学的および熱的に適合する内層(2a)である第一セラミック層(2a)を有し、前記内層(2a)の上に設けられる、外層である最終セラミック層(2b)において、前記外層(2b)は、前記内層(2a)よりも高い、CMASタイプの汚染物質に関する物理化学的耐性、および/または耐熱性を有し、
前記内層(2a)および前記最終外層(2b)のセラミックがそれぞれ、以下のペアの中から選択され、前記ペアが、xYSZ/LZ、ここでイットリアの質量パーセンテージxは7質量%以上、xYSZ/LZCおよびxYSZ/GYSZであり、「YSZ」が、イットリアによって部分的に安定化されたジルコニアの化合物であり、「GYSZ」が、酸化ガドリニウムがドープされたYSZの化合物であり、「LZ」が、ジルコン酸ランタン(La2Zr2O7)の化合物であり、かつ「LZC」が、部分的にセリウム化されたジルコン酸ランタンの化合物であり、
前記筐体(11)が、加圧手段および通電手段(16a、16b)、ならびに前記筐体(11)にパルス電流を流すための電気接点(12a、14a;12b、14b)を備えており、熱処理を生じるステップにおいて、前記熱バリア(23)が、一方では前記金属副層(21)との固着のため、他方では保護および/または外部平滑化のための組成勾配(G2)および気孔率勾配(G1)ならびに機能勾配を有するように、1,100℃から1,400℃の間の温度閾値(P2)、および15MPaから150MPaの間、好ましくは10MPaから100MPAの間の圧力閾値(P3)で、温度、圧力、および時間制御されたフラッシュ焼結サイクル(DT、DP)にしたがって、加圧およびパルス電流の同時印加が実行されることを特徴とする、熱バリア製造方法。
【請求項2】
前記内層(2a)が、前記最終外層(2b)よりもかなり高い熱膨張係数を有する、請求項1に記載の熱バリア製造方法。
【請求項3】
前記外層(2b)の物理化学的耐性が、焼結、腐食、浸食、および/または空気力学に関し、前記物理化学的耐性が、前記外層(2b)が前記内層(2a)に対して、低熱膨張率、高硬度、低熱伝導率、かなり高い焼結温度、低開放気孔率、および/または低粗度の中から選択された少なくとも1つの特性を有するように、それぞれが適切であってSPS機械の熱処理によって強化される、熱伝導率、気孔率、硬度、および/または粗度に関するセラミックの選択によって実現される、請求項1に記載の熱バリア製造方法。
【請求項4】
熱バリアを含む保護システムを備える超合金製金属部品であって、前記金属部品は、ニッケルベースの超合金によって構成される基材(22)と、白金富化ベータ−(Ni,Pt)Alおよび/またはアルファ−NiPtAl相を有する金属副層(21)と、フラッシュ焼結による前記金属部品の製造中に熱成長によって形成されるTGO酸化物層(25)と、少なくとも2つの化学的および熱機械的に適合するジルコニウムベースのセラミック層(2a、2b)から形成されて外面(2e)を有する熱バリア(23)と、を含み、前記熱バリア(23)が、内層と称される第一セラミック層(2a)を備え、前記内層が、前記金属副層(21)に可能な限り近接して前記金属副層(21)の上に設けられ、かつ前記金属副層(21)と化学的および熱的に適合しており、前記熱バリア(23)がさらに、最終セラミック外層(2b)を備え、前記最終セラミック外層(2b)が、前記熱バリア(23)の前記外面(2e)に可能な限り近接して設けられ、かつ前記最終セラミック外層(2b)が、内層(2a)よりも高い物理化学的耐性および/または熱耐性を有するように設計されており、
前記内層(2a)および前記最終セラミック外層(2b)のセラミックがそれぞれ、以下のペアの中から選択され、前記ペアが、xYSZ/LZ、ここでイットリアの質量パーセンテージxは7質量%以上、xYSZ/LZCおよびxYSZ/GYSZであり、「YSZ」が、イットリアによって部分的に安定化されたジルコニアの化合物であり、「GYSZ」が、酸化ガドリニウムがドープされたYSZの化合物であり、「LZ」が、ジルコン酸ランタン(La2Zr2O7)の化合物であり、かつ「LZC」が、部分的にセリウム化されたジルコン酸ランタンの化合物であり、
前記熱バリア(23)が、一方では前記金属副層(21)と固着するため、そして他方では前記外面(2e)を保護および/または平滑化するための、前記金属副層(21)から前記外面(2e)への組成および気孔率勾配(3)、ならびに機能勾配を有することを特徴とする、超合金製金属部品。
【請求項5】
前記内層(2a)が、前記最終セラミック外層(2b)よりも高い熱膨張係数を有し、前記最終セラミック外層(2b)が、前記内部セラミック(2a)よりもかなり低い熱伝導率、ならびに前記内層(2a)よりもかなり高い自然焼結温度および/または最大動作温度を有する、請求項4に記載の金属部品。
【請求項6】
LZC化合物はLZyC(1−y)、ここでy=70%、yおよび1−yはジルコニウムおよび部分的にセリウム化されたジルコン酸セリウムの追加パーセンテージを表し、そしてドープYSZ化合物はtGvYSZであって、酸化ガドリニウムの質量パーセンテージtは2%に等しく、YSZの質量パーセンテージvは8%に等しい、請求項5に記載の金属部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超合金製金属部品を保護するために多層システムに熱バリアを製造する方法に関する。本発明はさらに、このような保護システムを備える超合金製金属部品にも関する。
【0002】
本発明の分野は、熱機械的部品、特にロータブレードまたはディストリビュータなどのHP(高圧)タービン部品を構成することが可能な、耐熱材料の開発である。
【0003】
現代のガスタービンの性能に対する現在進行中の改良は、ますます高いタービン入力温度の使用、ならびにこのためさらに高い耐熱特性を有する材料の使用を必要とする。
【背景技術】
【0004】
このため、等軸超合金、次に指向性凝固超合金、最後に単結晶超合金など、ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)ベースの超合金が開発されてきた。しかしながら、これらの超合金の開発は、寿命に関して高温部品のますます高まる需要に応えるには、現時点では不十分である。通常、超合金の最大動作温度はおよそ1,100℃であるが、その一方で燃焼吸入ガスまたはタービン排ガスの温度は1,600℃をはるかに超える可能性がある。
【0005】
これに関連して、これらの超合金向けの断熱被膜が出現し、減少する内部対流によって部品中の金属の温度を冷却させた。熱バリアまたはTBと称されるこれらの断熱被膜は主に、金属結合副層上に堆積された、イットリア化ジルコニアとも称される、酸化イットリウム(またはイットリア)によって安定化された外部酸化ジルコニウム(またはジルコニア)ベースのセラミック層によって、構成される。副層は、酸化および腐食から部品の金属を保護しながら、セラミック層との接着を提供するように設計されている。
【0006】
金属副層は、白金のガルバニック堆積と、その後の気相アルミメッキによって形成可能である。次にイットリア化ジルコニアの絶縁セラミック層が、材料の溶射によって(この場合、結果的に得られる堆積物の微細構造は薄板状タイプである)、または電子ビーム蒸発によって(この場合、結果的に得られる堆積物の微細構造は柱状タイプである)、この副層上に堆積される。
【0007】
高温における酸化/腐食の耐性に関してTB被膜の性能を改良するために、Ni
(1−x)Pt
xAl(ニッケル−白金−アルミニウム)タイプの組成物の副層など、金属副層組成物が開発されてきた。白金は電気分解によって部品上に堆積され、アルミニウムは化学蒸着(CVD)によって、または物理蒸着(PVD)によって、堆積される。
【0008】
その他の開発は、セラミック層の改良、特にゾル−ゲル法または低温プラズマ処理を用いるイットリア化ジルコニア層の形成に、焦点を当ててきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの開発によって提供されたTB被膜は、性能および寿命に関して、特に酸化/腐食耐性に関して、限定的なままである。さらに、使用される方法の再現性は、特にNi
(1−x)Pt
xAl副層を備える被膜の製造に関して、保証されていない。加えて、実現される方法は、非常に多くの繊細で長時間の作業を必要とする。
【0010】
本発明の具体的な目的は、さらに優れた耐熱特性、ならびに酸化および腐食に対する実質的により優れた耐性を備える、改良型TB組成物を製造する方法を提案することによって、これらの不都合を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これを実現するために、本発明による方法は、各層が、層ごとに異なり、互いに反対ですらある固有の特性および機能を有する、特定セラミック層の積み重ねから、電界活性化焼結技術(Field Assisted Sintering Technology:FAST)、この場合はスパークプラズマ焼結(SPS)技術を適用することによって、一段階で被膜の層を製造する。
【0012】
SPS技術は、制御された環境(真空または特定のガス)において、一軸圧力およびDCパルスの印加を同時に組み合わせる。この技術は、圧縮および焼結によって、粉末から金属部品または酸化物を製造させるので、粉末冶金の分野において知られている。具体的には、SPS技術の使用により、粒度および気孔率に関して制御された、微細構造の部品が製造され得る。
【0013】
より具体的には、本発明の目的は、超合金製金属部品を保護するために多層システムに熱バリアを製造する方法である。方法は、SPS機械筐体内の重ねられた層内の保護材料をフラッシュ焼結することにより、熱処理を生じるステップからなる。これらの層は、超合金基材の上に、ジルコニウムベースの耐熱セラミックの少なくとも2つの層、すなわち基材と化学的および熱的に適合する、内層と称される第一セラミック層と、他の層の上に設けられる、外層と称される最終セラミック層とを含む。この外層は内層よりも高い、CMASタイプの外部汚染物質に関する物理化学的耐性、および/または耐熱性を有する。
【0014】
物理化学的耐性の効果は、具体的には、外層上で溶融した汚染物質の拡散および浸透を防止するのに十分な、汚染物質と外層との間の濡れ係数である。有利なことに、外層は、汚染物質との化学的相互作用の場合にその溶融温度を上昇させる、特に希土類から選択されるセシウムまたはその他の元素を含むことができる。
【0015】
好ましくは、材料は、膨張係数が最低温度のままの超合金の膨張に十分ついて行けるほど高いように選択される。
【0016】
有利なことに、金属副層を形成する金属シートのアセンブリは、超合金基材とセラミック層との間に設けられてもよい。
【0017】
好ましくは、内層は、最終セラミック層よりもかなり高い熱膨張係数、具体的には基材と最終セラミック層との間の熱膨張係数を有することができ、熱バリアの外層は、内層よりもかなり高い自然焼結温度、ならびに最大動作温度を有することができる。
【0018】
より具体的には、外層の物理化学耐性は、焼結、腐食、浸食、および/または空気力学に関し、これらの特性は、それぞれが適切であってSPS機械の熱処理によって強化される、熱伝導率、気孔率、硬度、および/または粗度に関するセラミックの選択によって実現される。このため外層は、内層と比較して、下記の中から選択される特性のうちの少なくとも1つを有する:低熱膨張率、高硬度、低熱伝導率、かなり高い焼結温度、低開放気孔率、および/または低粗度。
【0019】
具体的には、外層の気孔率が15%未満で、15%から25%の間の熱バリア気孔率が好ましい。外層の粗度は好ましくは10マイクロメートル未満である。
【0020】
実際、熱バリアは、組成物の形成および気孔率勾配のため、セラミック層の各々がそれぞれ関連する特性に関連づけられることによって及ぼされる機能の間の通路の勾配を有する。内層は、副層およびアルミナ層の熱的特性と一致する膨張係数のため、金属副層、特に金属副層の表面上に形成されるアルミナ層との固着を好む。その結果、副層、アルミナ層、およびセラミック内層の間の拘束が適応する。外層は、内層よりも耐熱性が高いため、ならびに耐焼結製および最大動作温度が高いため、動作条件において、特にタービンにおいて、より優れた熱的保護を提供する。
【0021】
その他の耐性(浸食、腐食)および外層の平滑化による空気力学的改良もまた、外層または適切な追加層の材料の選択によって実現されることが可能である。具体的には、より硬い材料は浸食に対してより良い耐性を提供する。開放気孔率の低い材料は、高温腐食に対して(たとえばCMAS(カルシウム−マグネシウム−アルミニウム−ケイ酸塩酸化物)タイプへの汚染に対して)より良い耐性を提供する。小粒径材料は低い粗度を提供し、従って空気力学特性を改善する。
【0022】
特定の実施形態によれば、加圧手段およびパルス電流を通すための電気的手段を備える筐体を用いて、熱バリアが、一方では金属副層との固着のため、そして他方では外部保護および/または平滑化(言い換えると、粗度)のための組成、気孔率、および機能勾配を有するように、1,000℃から1,600℃の間、好ましくは1,100℃から1,400℃の間の温度閾値、および15Mpaから150Mpaの間、好ましくは10Mpaから100MPaの間の圧力閾値で、温度、圧力、および時間制御されたフラッシュ焼結サイクルにしたがって、加圧およびパルス電流の印加が製造ステップ中で実行される。
【0023】
本発明はさらに超合金製金属部品に関し、これは熱バリアを含む保護システムを備えており、上述の焼結方法にしたがって製造される。このため金属部品は、ニッケルベースの超合金によって構成される基材と、白金富化ベータ−(Ni,Pt)Alおよび/またはアルファ−NiPtAl相を有する金属副層と、部品がフラッシュ焼結によって製造されるときに熱成長またはTGO(「熱成長酸化物:Thermally Grown Oxide」)によって形成される酸化アルミニウム層と、少なくとも2つの化学的および熱機械的に適合するジルコニウムベースのセラミック層から前記方法によって形成されて外面を有する熱バリアとを含む。金属副層に可能な限り近接して設けられた、内層と称される第一セラミック層は、この副層と化学的および熱的に適合しており、バリアの外面に可能な限り近接して設けられた最終セラミック外層は、内層よりも高い物理化学的および/または耐熱特性を有するように設計されている。
【0024】
好ましくは、内部セラミックは、バリアの外面に可能な限り近接して設けられた外部セラミックよりもかなり高い膨張係数を有するように設計されている。この外部セラミックは有利なことに、内部セラミックよりもかなり低い熱伝導率と、内部セラミックよりもかなり高い自然焼結温度および/または最大動作温度を有する。熱バリアは、金属副層から外面への組成および気孔率勾配と、一方では金属副層との固着のため、そして他方では外面の保護および/または平滑化のための機能勾配を有する。
【0025】
これらの条件において、熱バリアは、等方性気孔率を有するその粒状微細構造、浸食に対する耐性、および良好な空気力学的特性、ならびにTGO層との良好な接着により、熱的安定特性に加えて、低熱伝導率、基材に近い熱膨張係数、および焼結に対する良好な耐性、ならびにカルシウム−、マグネシウム−、アルミニウム−ケイ酸塩−酸化物に関連する化学慣性による腐食に対する耐性を、有する。
【0026】
より具体的に、ただし限定的ではなく、対象とされる金属部品は、タービン部品またはガスタービン圧縮機部品、具体的にはドレッサ、ディストリビュータ、または燃焼チャンバブレードである。
【0027】
具体的な態様によれば、
セラミックは、イットリア(Y
2O
3)によって部分的に安定化されたジルコニウムの「YSZ」化合物(ZrO
2)、酸化ガドリニウムがドープされたYSZの「GYSZ」化合物(Gd
2O
3)、ジルコン酸ランタンの「LZ」化合物(La
2Zr
2O
7)、および部分的にセリウム化されたジルコン酸ランタンの「LZC」化合物の中から選択され、
内部/外部セラミックは、以下のペアの中から有利に選択され:xYSZ/LZ、ここでイットリアの質量パーセンテージxは7質量%以上、xYSZ/LZCおよびxYSZ/GYSZ、具体的にはx=7およびx=8であり、
LZC化合物はLZyC(1−y)、ここでy=70%、yおよび1−yはジルコニウムおよび部分的にセリウム化されたジルコン酸セリウムの追加パーセンテージを表し、そしてドープYSZ化合物はtGvYSZであって、酸化ガドリニウムの質量パーセンテージは2%に等しく、YYSZのパーセンテージvは8%に等しい。
【0028】
本発明のさらなる特徴および利点は、一実施形態に関する以下の説明を読み、以下の添付図面を参照すると、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】フラッシュ焼結を完了するために、本発明による金属部品のサンプルの層のアセンブリの実施例が導入された、マトリクスおよびピストンを含むSPS工具の部分概略断面図である。
【
図2】上述のアセンブリのフラッシュ焼結のための時間関数としての、温度および圧力調整サイクルのグラフの実施例である。
【
図3】フラッシュ焼結の完了後の、
図1によるサンプルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
「垂直」および「水平」、「上部」および「下部」という用語、ならびにこれらの派生語は、図中に示される、すなわち動作モードの間の要素に関する。
【0031】
図1は、使用中に真空内に配置されたSPS工具1の部分的な垂直断面を示す。工具1は、円筒形のチャンバ11を包囲する、中空の黒鉛マトリクス10を含む。本発明による金属部品のサンプルの層2のアセンブリは、フラッシュ焼結が実行されるためにこのチャンバ内に導入されている。ここに図示される層は、焼結後に得られる構造を強調するために、ピンを形成する円形である。本発明は、適切な形状を有するチャンバまたは金型を使用することによる、その用途に適合した幾何形状を有するいずれのタイプの部品の製造にも及ぶ。
【0032】
電気接点12a、12b、および14a、14bは、チャンバ11内でアセンブリ2の両側に配置されている。接点12aおよび14a、ならびに12bおよび14bのそれぞれは、この場合はアルミナ粉末によって構成された、電気的バリア13aまたは13bの両側にそれぞれ設けられている。これらの接点は、たとえばPapyex(R)などの可撓性黒鉛で作られている。この材料は、金型の汚染を防止し、金型からの取り外しを容易にする。電気的バリアは、アセンブリ2を通る電流の流れを制限するが、この電流は主に金型10を流れる。
【0033】
工具は、通電のために、垂直長手軸を備える黒鉛端子16a、16bをさらに含む。これらの端子はまた、外部荷重を印加することによって(矢印F)アセンブリ2の両側の接点14aおよび14bを圧縮する、ピストンの役割も果たす。
【0034】
アセンブリ2は、より具体的には金属シートの積み重ねによって構成されており、超合金基材22とセラミック層2a、2bとの間の金属副層21、および基材22を保護するためのシステム24を形成するように副層21を構成するシート上にセラミック粉末として堆積された熱バリア23を、構成する。
【0035】
実施例において、基材22は「AM1」Niベース超合金であり、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、およびチタン(Ti)を含む。この基材上で、金属副層21は、5μm厚白金シートおよび2μm厚アルミニウムシートの連続によって構成されている。熱バリア23は、粉末の形態で副層21に連続的に添加される2つのセラミック層2aおよび2bによって構成される。
【0036】
実施例において、内層と称される層2aは、8YSZセラミック粉末、すなわち8質量%のイットリアで安定化されたジルコニアによって構成されている。外層と称される層2bは、2G8YSZセラミック粉末、すなわちイットリア(8質量%)で部分的に安定化されて2質量%の酸化ガドリニウム(GdO2)またはGdがドープされたジルコニア(ZrO2)によって構成されている。
【0037】
別の実施例において、層2aおよび2bは、それぞれ7YSZ/LZおよび7YSZ/LZ7C3(すなわち70%のジルコニアおよび補完的に30%のセリウム)のセラミック粉末によって構成される。
【0038】
フラッシュ焼結作業の間、時間「t」の関数としての温度「T」および圧力「P」調整サイクルが、
図2のグラフをたどる。温度グラフD
Tは、毎分100℃の傾斜の温度上昇T1の後に700℃の第一閾値P1に到達する。第一閾値P1はおよそ10分間継続し、その後同じ傾斜の第二温度上昇T2がおよそ10分間続く。
【0039】
この第二上昇の後に、第二閾値または主閾値P2に到達するように、低ピッチ(50℃/分)および継続時間(およそ5分)の第三上昇T3が続く。この第二閾値P2は、1,100から1,200℃の区間に位置し、およそ15分間継続する。温度制御冷却R1は、およそ500℃に到達するために、毎分20℃程度のピッチでおよそ30分間実行される。このサイクルはおよそ1時間継続する。この第一温度降下の後には、周囲温度に到達するための第二自然冷却段階が続く。
【0040】
圧力グラフD
Pは、実施例において0.1Mpaの大気圧から100Mpaに到達する、極端に速い圧力上昇A1を示している。圧力閾値P3は、たとえば40から50分など、作業の大部分にわたって維持され継続する。圧力降下A2は、大気圧に戻るために、非常に短時間で操作される。
【0041】
フラッシュ焼結によって提供される、本発明による、保護システムで被覆された金属部品の三次元サンプルが、
図3の断面図に示されている。これは、連続層において、金属副層21、「TGO」層と称されるアルミナ層25、および最初はフラッシュ焼結作業の前に分離された層で作られる、内部2aおよび外部2bセラミックからなる熱バリア23を含む保護システムで被覆された超合金基材22からなる。
【0042】
外部セラミック2bは、圧密の前は0.8から1.7Wm
−1K
−1、そして加工後には0.8未満の、比較的低い熱伝導率を有する。
【0043】
加えて、セラミック2bおよび2aの最大動作温度は、それぞれ1,200℃および1,600℃以上に等しい。さらに、外部セラミック2bは温度1,600℃以上になるまで自然焼結しない。
【0044】
また、外部セラミック2bは有利なことに、内部セラミック2aよりもかなり高い膨張係数を有しており、これは10.4.10
−6K
−1である。これらの膨張係数の差は、アセンブリの寿命、特にSPS焼結中に形成されるTGO酸化物とのセラミックの接着に影響を及ぼす。
【0045】
さらに、2つのセラミックの初期粉末の粒度分布は、内層が最終的に外層よりも低密度になるように選択されている。外層の密度が高い方が、前記外層に浸透できないCMAS(カルシウム−マグネシウム−アルミニウム−ケイ酸塩酸化物)タイプの汚染物質をより容易に阻止することができる。このため内層の密度が低い方が、基材および副層の変形により容易に適応する。
【0046】
加えて、外部セラミック2bの熱的特性は、動作条件において、特にガス温度が1,600℃以上に到達する可能性のあるタービンにおいて、良好な抵抗を提供する。
【0047】
図3はまた、外面2aからTGO層に向かって熱バリア23の層の孔3のサイズを増加させる、熱バリア23の気孔率勾配G1も示している。バリア23の中間領域でのセラミック2aおよび2bの初期層の相互浸透を伴う、バリア23のセラミック組成物勾配G2も示されている。これらの勾配は、特性が初期内層2aのものであるTGO層と、特性が初期層2bのものである外面2eとの間の2つのセラミックの初期特性の変動の漸進的勾配を生じる。これに熱バリア23の特性の、ひいては機能の漸進的勾配が続き、これは金属副層との適合性から外面2e上の熱的保護機能にまで及ぶ。
【0048】
本発明は、本明細書に記載および図示された実施例に限定されるものではない。たとえば2つ以上のセラミック初期層、たとえば化学的および熱機械的に適合可能なセラミックの3つまたは4つの層を組み合わせることが、可能である。有利なことに、これらの層は、金属副層に最も近接している第一内層と、その他の層の上に設けられた外層との間で、同じ方向に変化する、特性および熱的機能を有する。第一内層は金属副層と適合する熱機械的特性を有し、最終外層は、およそ1,600℃以上の温度条件での使用に関して、最も耐性のある熱的特性を有する。CMASからの腐食に対してアセンブリを保護するように、および/または熱バリアを平滑化することによって空気力学を改善するようにのみ設計された層を追加することも、可能である。