特許第5997203号(P5997203)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997203
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】枚葉ワークの除塵装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/02 20060101AFI20160915BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20160915BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20160915BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   B08B5/02 A
   B65H5/00 B
   B65G49/06 Z
   H01L21/68 A
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-108093(P2014-108093)
(22)【出願日】2014年5月26日
(65)【公開番号】特開2015-223532(P2015-223532A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2014年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】500469109
【氏名又は名称】有限会社タクショー
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】宇澤 啓
(72)【発明者】
【氏名】添本 和彦
【審査官】 栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−058032(JP,A)
【文献】 特開2007−250671(JP,A)
【文献】 特開2003−124181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
B08B 5/02
B65G 49/06
B65H 5/00
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型枚葉ワーク(W1 )に付着した塵を取り除くために上除塵ヘッド(1)・下除塵ヘッド(2)を上下対向状に配置し、さらに、上記下除塵ヘッド(2)が、上流側吸入口(3)とエアー噴出用吐出口(4)と下流側吸入口(5)とを、ワーク対応上面(6)に順次備えた枚葉ワークの除塵装置に於て、
上記吐出口(4)の前後各近傍に、上流側フリーローラ(7)と下流側フリーローラ(8)を設けると共に、上記下除塵ヘッド(2)の上流側近傍に設けられた上流側駆動回転体(9)と上記上流側フリーローラ(7)に、第1ワーク搬送ベルト(10)を懸架し、さらに、上記下除塵ヘッド(2)の下流側近傍に設けられた下流側駆動回転体(11)と上記下流側フリーローラ(8)に、第2ワーク搬送ベルト(20)を懸架し
上記下除塵ヘッド(2)の上記ワーク対応上面(6)を形成する上壁部(12)に、上記上流側吸入口(3)の一部を構成する第1貫孔(21)を形成して上記上流側フリーローラ(7)を該第1貫孔(21)に装入配設すると共に上記第1ワーク搬送ベルト(10)を該第1貫孔(21)を介して上記下除塵ヘッド(2)の上流側負圧室(13)に侵入させて、かつ、該上流側負圧室(13)の上流側壁(14)の貫通孔(15)に挿通して上記第1ワーク搬送ベルト(10)を外部の上記上流側駆動回転体(9)に懸架し、
かつ、上記上壁部(12)に上記下流側吸入口(5)の一部を構成する第2貫孔(22)を形成して上記下流側フリーローラ(8)を該第2貫孔(22)に装入配設すると共に上記第2ワーク搬送ベルト(20)を該第2貫孔(22)を介して上記下除塵ヘッド(2)の下流側負圧室(16)に侵入させて、かつ、該下流側負圧室(16)の下流側壁(17)の貫通孔(18)に挿通して上記第2ワーク搬送ベルト(20)を外部の上記下流側駆動回転体(11)に懸架したことを特徴とする枚葉ワークの除塵装置。
【請求項2】
上記上流側フリーローラ(7)と下流側フリーローラ(8)の搬送方向間隔寸法(E)を、搬送される上記小型枚葉ワーク(W1 )の搬送方向寸法(G)の半分以下に設定した請求項1記載の枚葉ワークの除塵装置。
【請求項3】
上記小型枚葉ワーク(W1 )の送り速度を一定にするための変速手段(31)を備え、該変速手段(31)は、上記上流側駆動回転体(9)又は下流側駆動回転体(11)の近傍に設けられた基本回転体(38)と、該基本回転体(38)と径又は歯数が異なる変速用回転体(39)と、上記基本回転体(38)及び変速用回転体(39)に懸架された無端可撓部材(44)を、有し、
上記変速用回転体(39)を、上記上流側駆動回転体(9)又は下流側駆動回転体(11)と一体状に回転するように構成した請求項1又は2記載の枚葉ワークの除塵装置。
【請求項4】
上記下除塵ヘッド(2)、上流側フリーローラ(7)、下流側フリーローラ(8)、上流側駆動回転体(9)、下流側駆動回転体(11)、第1ワーク搬送ベルト(10)、第2ワーク搬送ベルト(20)を、ユニット(U)とした請求項1,2又は3記載の枚葉ワークの除塵装置。
【請求項5】
幅方向中央部に、小型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ(7a)及び下流側フリーローラ(8a)を設けるとともに、幅方向外側に、大型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ(7b)及び下流側フリーローラ(8b)を設けて、大型枚葉ワーク(W0 )及び小型枚葉ワーク(W1 )のいずれも搬送・除塵可能に構成した請求項1,2,3又は4記載の枚葉ワークの除塵装置。
【請求項6】
上記上流側フリーローラ(7)と下流側フリーローラ(8)の間に支持フリーローラ(19)を設けて、上記上流側フリーローラ(7)から上記下流側フリーローラ(8)へ小型枚葉ワーク(W1 )がスムーズに乗り移るように構成した請求項1,2,3,4又は5記載の枚葉ワークの除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉ワークの除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枚葉ワークに付着した塵を取り除くために上除塵ヘッド・下除塵ヘッドを上下対向状に配置し、さらに、各除塵ヘッドが、上流側吸入口とエアー噴出用吐出口と下流側吸入口とを、ワーク対応面に順次備えた枚葉ワークの除塵装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年スマートフォンに代表される小型携帯端末機の普及で小型液晶、小型有機ELが多く出回るようになった。これらに用いられる小型枚葉ワーク(基板40)を生産ライン上で搬送するためには、搬送手段がローラ式の場合、ローラの配置ピッチ(図5の間隔寸法C)を少なくとも基板40の搬送方向長さ寸法Bの半分以下にする必要がある。
【0004】
上下除塵ヘッド近傍に於ては、基板が除塵ヘッド前後の駆動ローラと常に接していなければ搬送はできない。従って基板40の搬送方向長さ寸法B(図5参照)の半分以下の間隔寸法Cに対応するローラ間距離(図5の間隔寸法D)内に納まる除塵ヘッドが必要となってくる。しかし、除塵ヘッドの構造上、搬送方向長さ寸法を小さくすることには限界がある。
そして、図5に示すように従来の除塵装置に於て、基板40の搬送方向長さ寸法Bと、クリーナ近傍の上流側駆動ローラ41・下流側駆動ローラ42の間隔寸法Aが、B≦Aの場合、基板40が上流側駆動ローラ41を離れた際に下流側駆動ローラ42に到達していないため、上流側駆動ローラ41と下流側駆動ローラ42の間で基板40は停止してしまう。なお、図5では、フリーローラ43,43を吸入口近傍に設けた場合を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3559256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、小型枚葉ワークをスムーズに搬送しつつ除塵することができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る除塵装置は、小型枚葉ワークに付着した塵を取り除くために上除塵ヘッド・下除塵ヘッドを上下対向状に配置し、さらに、上記下除塵ヘッドが、上流側吸入口とエアー噴出用吐出口と下流側吸入口とを、ワーク対応上面に順次備えた枚葉ワークの除塵装置に於て、上記吐出口の前後各近傍に、上流側フリーローラと下流側フリーローラを設けると共に、上記下除塵ヘッドの上流側近傍に設けられた上流側駆動回転体と上記上流側フリーローラに、第1ワーク搬送ベルトを懸架し、さらに、上記下除塵ヘッドの下流側近傍に設けられた下流側駆動回転体と上記下流側フリーローラに、第2ワーク搬送ベルトを懸架し、上記下除塵ヘッドの上記ワーク対応上面を形成する上壁部に、上記上流側吸入口の一部を構成する第1貫孔を形成して上記上流側フリーローラを該第1貫孔に装入配設すると共に上記第1ワーク搬送ベルトを該第1貫孔を介して上記下除塵ヘッドの上流側負圧室に侵入させて、かつ、該上流側負圧室の上流側壁の貫通孔に挿通して上記第1ワーク搬送ベルトを外部の上記上流側駆動回転体に懸架し、かつ、上記上壁部に上記下流側吸入口の一部を構成する第2貫孔を形成して上記下流側フリーローラを該第2貫孔に装入配設すると共に上記第2ワーク搬送ベルトを該第2貫孔を介して上記下除塵ヘッドの下流側負圧室に侵入させて、かつ、該下流側負圧室の下流側壁の貫通孔に挿通して上記第2ワーク搬送ベルトを外部の上記下流側駆動回転体に懸架したものである。
【0008】
また、上記上流側フリーローラと下流側フリーローラの搬送方向間隔寸法を、搬送される上記小型枚葉ワークの搬送方向寸法の半分以下に設定したものである。
【0009】
また、上記小型枚葉ワークの送り速度を一定にするための変速手段を備え、該変速手段は、上記上流側駆動回転体又は下流側駆動回転体の近傍に設けられた基本回転体と、該基本回転体と径又は歯数が異なる変速用回転体と、上記基本回転体及び変速用回転体に懸架された無端可撓部材を、有し、上記変速用回転体を、上記上流側駆動回転体又は下流側駆動回転体と一体状に回転するように構成したものである。
また、上記下除塵ヘッド、上流側フリーローラ、下流側フリーローラ、上流側駆動回転体、下流側駆動回転体、第1ワーク搬送ベルト、第2ワーク搬送ベルトを、ユニットとしたものである。
【0010】
また、幅方向中央部に、小型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ及び下流側フリーローラを設けるとともに、幅方向外側に、大型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ及び下流側フリーローラを設けて、大型枚葉ワーク及び小型枚葉ワークのいずれも搬送・除塵可能に構成したものである。
また、上記上流側フリーローラと下流側フリーローラの間に支持フリーローラを設けて、上記上流側フリーローラから上記下流側フリーローラへ小型枚葉ワークがスムーズに乗り移るように構成したものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の除塵装置によれば、小型枚葉ワークをスムーズに搬送しつつ除塵することができる。言い換えると、本発明の除塵装置によれば、枚葉ワークが小型の場合にも適用できるよう最適化することができる。また、搬送ベルトやフリーローラが吐出口から吐出されるエアーの風力を妨げることなく、除塵効果を妨げない。また、搬送ベルトやフリーローラに付着した粉塵を除去できる。また、小型枚葉ワークを確実に搬送しつつ除塵することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す全体構成説明図である。
図2】平面図である。
図3】第2の実施の形態を示す全体構成説明図である。
図4】平面図である。
図5】従来例を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。この除塵装置は、小型液晶、小型有機EL等の小型枚葉ワークW1 に付着した塵を取り除くために上除塵ヘッド1・下除塵ヘッド2が上下対向状に配置されている。なお、本発明に於て、小型枚葉ワークW1 の「小型」とは、送り方向寸法が、 250mm以下のものを言う。小型枚葉ワークW1 としては、例えば、スマートフォン用の枚葉ワークがある。下除塵ヘッド2が、上流側吸入口3とエアー噴出用吐出口4と下流側吸入口5とを、ワーク対応上面6に順次備える。小型枚葉ワークW1 は上除塵ヘッド1と下除塵ヘッド2の間を図1図2の矢印Y方向に搬送される。すなわち、矢印Yは、ワーク搬送方向(送り方向)を示す。
【0014】
吐出口4の前後各近傍に、上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8を設ける。下除塵ヘッド2の上流側近傍に設けられた上流側駆動回転体9と上流側フリーローラ7に第1ワーク搬送ベルト10が懸架される。さらに、下除塵ヘッド2の下流側近傍に設けられた下流側駆動回転体11と下流側フリーローラ8に第2ワーク搬送ベルト20が懸架される。第1ワーク搬送ベルト10及び第2ワーク搬送ベルト20は、例えば、Oリングから成る。Oリングは軽快に走行して耐久性にも優れ、基板等のワークWをソフトに支えつつ送りを付与するので好ましい。さらに、ゴム製Oリングを用いることで、摩擦抵抗力が大きく、ワークがスリップしないで確実に送りが与えられる。
【0015】
下除塵ヘッド2のワーク対応上面6を形成する上壁部12に、上流側吸入口3の一部を構成する第1貫孔21が形成されて上流側フリーローラ7が第1貫孔21に装入配設されると共に第1ワーク搬送ベルト10が第1貫孔21を介して下除塵ヘッド2の上流側負圧室13に侵入して、かつ、上流側負圧室13の上流側壁14の貫通孔15に挿通して第1ワーク搬送ベルト10が外部の上流側駆動回転体9に懸架される。上流側駆動回転体9は、ローラから成る。なお、上流側吸入口3の具体的形状・配置は、図2では、矩形状第1貫孔21と、一対の細長状スリット孔3A,3Aとを、交互に配設して構成されている。
【0016】
上壁部12に下流側吸入口5の一部を構成する第2貫孔22が形成されて下流側フリーローラ8が第2貫孔22に装入配設されると共に第2ワーク搬送ベルト20が第2貫孔22を介して下除塵ヘッド2の下流側負圧室16に侵入して、かつ、下流側負圧室16の下流側壁17の貫通孔18に挿通して第2ワーク搬送ベルト20が外部の下流側駆動回転体11に懸架される。下流側駆動回転体11は、ローラから成る。なお、下流側吸入口5の具体的形状・配置は、図2では、矩形状第2貫孔22と、一対の細長状スリット孔5A,5Aとを、交互に配設して構成されている。
【0017】
上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8の搬送方向間隔寸法Eを、搬送される小型枚葉ワークW1 の搬送方向寸法Gの半分以下に設定する。これによって、確実にワークWがベルト10からベルト20に乗り移ることが可能となる。
【0018】
下除塵ヘッド2、上流側フリーローラ7、下流側フリーローラ8、上流側駆動回転体9、下流側駆動回転体11、第1ワーク搬送ベルト10、第2ワーク搬送ベルト20を、ユニットUとする(ユニット化される)。
【0019】
上流側駆動回転体9及び下流側駆動回転体11は、ローラから成る。複数の上流側駆動回転体9は(共通の)回転軸23に固着され、かつ、回転軸23にはプーリ24が固着されて、タイミングベルトや平ベルト等のベルトやチェーン等の駆動用エンドレス部材25が、このプーリ24と、図外の駆動用プーリに、懸架される。図外の駆動用プーリとは、一例としては、図1の上流側搬送ローラ30を回転駆動させるプーリを用いる。または、エンドレス部材25を、複数の上流側搬送ローラ30を回転させるように懸架したエンドレス部材を、前記エンドレス部材25に兼用しても良い。
【0020】
また、複数の下流側駆動回転体11は(共通の)水平状の回転軸33に固着され、かつ、回転軸33にはプーリ34が固着されて、タイミングベルトや平ベルト等のベルトやチェーン等の駆動用エンドレス部材35が、このプーリ34と、図外の駆動用プーリに、懸架される。図外の駆動用プーリとは、一例としては、図1の下流側搬送ローラ36を回転駆動させるプーリを用いる。または、エンドレス部材35を、複数の下流側搬送ローラ36を回転させるように懸架したエンドレス部材を、前記エンドレス部材35に兼用しても良い。
このようにして、ベルト10,20のワーク送りスピードと、搬送ローラ30,36によるワーク送りスピードとを、同等とする。
【0021】
図3図4は、第2の実施の形態を示す。上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8の間に支持フリーローラ19を設けて、上流側フリーローラ7から下流側フリーローラ8へ小型枚葉ワークW1 がスムーズに乗り移るように構成される。特に、搬送方向寸法Gが搬送方向間隔寸法Eと等しい小型枚葉ワークW1 を、途中で停止することなく搬送することができる。
【0022】
幅方向中央部に、小型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ7a及び下流側フリーローラ8aを設けるとともに、幅方向外側に、大型枚葉ワーク用のベルトが懸架されていない上流側フリーローラ7b及び下流側フリーローラ8bを設けて、大型枚葉ワークW0 及び小型枚葉ワークW1 のいずれも搬送・除塵可能に構成される。大型枚葉ワークW0 としては、例えば、テレビ用の枚葉ワークがある。
【0023】
上流側駆動回転体9が、第1ワーク搬送ベルト10を懸架するための溝付きシャフトから成る。下流側駆動回転体11が、第2ワーク搬送ベルト20を懸架するための溝付きシャフトから成る。
【0024】
小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にするための変速手段31を備える。変速手段31は、上流側駆動回転体9又は下流側駆動回転体11の近傍に設けられた(既設又は新設の)基本回転体38と、基本回転体38と径又は歯数が異なる変速用回転体39と、基本回転体38及び変速用回転体39に懸架された(タイミングベルトやチェーン等の)無端可撓部材44を、有する。基本回転体38が、上流側搬送ローラ30又は下流側搬送ローラ36と一体状に回転するように構成される。変速用回転体39が、上流側駆動回転体9又は下流側駆動回転体11と一体状に回転するように構成される。上流側駆動回転体9の径(厳密には第1搬送ベルト10が懸架された外周面の径)D1 が、上流側搬送ローラ30の径D0 と異なる場合に、小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にすることができる。下流側駆動回転体11の径(厳密には第2搬送ベルト20が懸架された外周面の径)D2 が、下流側搬送ローラ36の径D3 と異なる場合に、小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にすることができる。
その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0025】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、スリット孔3A,3Aを一対毎とせずに、一本ずつ配設しても自由である。また、ベルト10,20としては、Oリング以外に、横断面I型や角型とすることも好ましい。
【0026】
以上のように、本発明は、小型枚葉ワークW1 に付着した塵を取り除くために上除塵ヘッド1・下除塵ヘッド2を上下対向状に配置し、さらに、上記下除塵ヘッド2が、上流側吸入口3とエアー噴出用吐出口4と下流側吸入口5とを、ワーク対応上面6に順次備えた枚葉ワークの除塵装置に於て、上記吐出口4の前後各近傍に、上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8を設けると共に、上記下除塵ヘッド2の上流側近傍に設けられた上流側駆動回転体9と上記上流側フリーローラ7に第1ワーク搬送ベルト10を懸架し、さらに、上記下除塵ヘッド2の下流側近傍に設けられた下流側駆動回転体11と上記下流側フリーローラ8に第2ワーク搬送ベルト20を懸架したので、小型枚葉ワークW1 をスムーズに搬送しつつ除塵することができる。また、吐出口4上には第1ワーク搬送ベルト10、第2ワーク搬送ベルト20、上流側フリーローラ7、下流側フリーローラ8のいずれもが配置されていないので、吐出口4から吐出されるエアーの風力を妨げることなく、除塵効果を妨げない。
【0027】
また、上記下除塵ヘッド2の上記ワーク対応上面6を形成する上壁部12に、上記上流側吸入口3の一部を構成する第1貫孔21を形成して上記上流側フリーローラ7を該第1貫孔21に装入配設すると共に上記第1ワーク搬送ベルト10を該第1貫孔21を介して上記下除塵ヘッド2の上流側負圧室13に侵入させて、かつ、該上流側負圧室13の上流側壁14の貫通孔15に挿通して上記第1ワーク搬送ベルト10を外部の上記上流側駆動回転体9に懸架し、かつ、上記上壁部12に上記下流側吸入口5の一部を構成する第2貫孔22を形成して上記下流側フリーローラ8を該第2貫孔22に装入配設すると共に上記第2ワーク搬送ベルト20を該第2貫孔22を介して上記下除塵ヘッド2の下流側負圧室16に侵入させて、かつ、該下流側負圧室16の下流側壁17の貫通孔18に挿通して上記第2ワーク搬送ベルト20を外部の上記下流側駆動回転体11に懸架したので、第1ワーク搬送ベルト10、第2ワーク搬送ベルト20、上流側フリーローラ7、下流側フリーローラ8が、負圧空間に設置されており、第1ワーク搬送ベルト10、第2ワーク搬送ベルト20、上流側フリーローラ7、下流側フリーローラ8に付着した粉塵を除去できる。あるいは、ゴム製等のベルト10,20から発生する摩耗粉等は負圧室13,16へ巧妙に吸引除去されてゆく。
【0028】
また、上記上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8の搬送方向間隔寸法Eを、搬送される上記小型枚葉ワークW1 の搬送方向寸法Gの半分以下に設定したので、ベルト10の下流端からベルト20の上流端へ、小型枚葉ワークW1 が乗り移って、小型枚葉ワークW1 を確実に搬送しつつ除塵することができる。例えば、E=45mmとすると、従来送りが至難であったG=90mmの小型枚葉ワークW1 に(一旦停止することなく)スムーズに送りを与え得て、能率良く除塵を行うことができる。
【0029】
また、上記小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にするための変速手段31を備え、該変速手段31は、上記上流側駆動回転体9又は下流側駆動回転体11の近傍に設けられた基本回転体38と、該基本回転体38と径又は歯数が異なる変速用回転体39と、上記基本回転体38及び変速用回転体39に懸架された無端可撓部材44を、有し、上記変速用回転体39を、上記上流側駆動回転体9又は下流側駆動回転体11と一体状に回転するように構成したので、上流側駆動回転体9の径D1 が、上流側搬送ローラ30の径D0 と異なる場合に、小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にすることができる。下流側駆動回転体11の径D2 が、下流側搬送ローラ36の径D3 と異なる場合に、小型枚葉ワークW1 の送り速度を一定にすることができる。
【0030】
また、上記下除塵ヘッド2、上流側フリーローラ7、下流側フリーローラ8、上流側駆動回転体9、下流側駆動回転体11、第1ワーク搬送ベルト10、第2ワーク搬送ベルト20を、ユニットUとしたので、(既設又は新設の)上流側搬送ローラ30の最下流端のもの30Aと下流側搬送ローラ36の最上流端のもの36Aの間に、容易かつ確実に設置することができる。
【0031】
また、幅方向中央部に、小型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ7a及び下流側フリーローラ8aを設けるとともに、幅方向外側に、大型枚葉ワーク用の上流側フリーローラ7b及び下流側フリーローラ8bを設けて、大型枚葉ワークW0 及び小型枚葉ワークW1 のいずれも搬送・除塵可能に構成したので、大型枚葉ワークW0 及び小型枚葉ワークW1 の製造に共用することができる。特に、大型枚葉ワークW0 及び小型枚葉ワークW1 が混在して搬送される場合にも使用することができる。
【0032】
また、上記上流側フリーローラ7と下流側フリーローラ8の間に支持フリーローラ19を設けて、上記上流側フリーローラ7から上記下流側フリーローラ8へ小型枚葉ワークW1 がスムーズに乗り移るように構成したので、小型枚葉ワークW1 を確実にスムーズに搬送して除塵することができる。特に、搬送方向寸法Gが搬送方向間隔寸法Eと等しい小型枚葉ワークW1 を、途中で停止することなく搬送することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 上除塵ヘッド
2 下除塵ヘッド
3 上流側吸入口
4 (エアー噴出用)吐出口
5 下流側吸入口
6 ワーク対応上面
7 上流側フリーローラ
7a 小型枚葉ワークの上流側フリーローラ
7b 小型枚葉ワークの下流側フリーローラ
8a 大型枚葉ワークの上流側フリーローラ
8b 大型枚葉ワークの下流側フリーローラ
8 下流側フリーローラ
9 上流側駆動回転体
10 第1ワーク搬送ベルト
11 下流側駆動回転体
12 上壁部
13 上流側負圧室
14 上流側壁
15 貫通孔
16 下流側負圧室
17 下流側壁
18 貫通孔
19 支持フリーローラ
20 第2ワーク搬送ベルト
21 第1貫孔
22 第2貫孔
31 変速手段
38 基本回転体
39 変速用回転体
44 無端可撓部材
E 搬送方向間隔寸法
G 搬送方向寸法
U ユニット
0 大型枚葉ワーク
1 小型枚葉ワーク


図1
図2
図3
図4
図5