特許第5997251号(P5997251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997251
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】分析デバイスの液体試薬貯蔵および操作
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20160915BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20160915BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20160915BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20160915BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20160915BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   G01N35/08 A
   B01J4/00 103
   G01N35/00 D
   B65D75/36
   B65D75/58
   G01N37/00 101
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-501804(P2014-501804)
(86)(22)【出願日】2012年4月2日
(65)【公表番号】特表2014-515822(P2014-515822A)
(43)【公表日】2014年7月3日
(86)【国際出願番号】IB2012051591
(87)【国際公開番号】WO2012137122
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年3月23日
(31)【優先権主張番号】105607
(32)【優先日】2011年4月2日
(33)【優先権主張国】PT
(73)【特許権者】
【識別番号】511102240
【氏名又は名称】バイオサーフィット、 ソシエダッド アノニマ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】アルブケルク、カルロタ
(72)【発明者】
【氏名】テンレイロ、タニア
(72)【発明者】
【氏名】レイス、ヌノ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ダ フォンセカ、ジョアオ
(72)【発明者】
【氏名】マルケス カレイロ カベカ、リカルド マニュエル
【審査官】 山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−025776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0183216(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/077159(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 37/00
B81B 1/00 − 7/00
B81C 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部液体ハンドリング構造を画成する本体であって、その外面に第1開口を画成して前記液体ハンドリング構造への入口ポートを提供する、本体と、
前記外面に固定され、前記第1開口と部分的に重なる第2開口を画成する接着層であって、前記第1開口の第1側面では前記外面が前記接着層から露出しており、前記第1側面とは反対の第2側面では前記第1開口を部分的に覆っている、接着層と、
前記第1開口と重なる前記接着層に固定される液体貯蔵装置であって、該液体貯蔵装置にしきい値圧力を超える圧力が付加されたとき、前記露出している外面と接触して再現可能なかたちで破れ、前記第1開口を通して液体を分配する、液体貯蔵装置と、
を備え
前記接着層の第1開口との重なりが、その領域における望ましくない破裂に対する緩衝材となっていることを特徴とする液体ハンドリングデバイス。
【請求項2】
内部液体ハンドリング構造を画成する本体であって、その外面に第1開口を画成して前記液体ハンドリング構造への入口ポートを提供する、本体と、
前記外面に固定される液体貯蔵装置であって、該液体貯蔵装置にしきい値圧力を超える圧力が付加されたとき前記第1開口を通して液体を分配する、液体貯蔵装置と、
を備え、
前記第1開口の一部分は、前記液体貯蔵装置を破るための鋭いエッジを前記外面と同じ高さに画成し、
前記第1開口の残りの部分は、前記鋭いエッジを画成していないことを特徴とする液体ハンドリングデバイス。
【請求項3】
前記エッジは前記開口内に延びるスパイクを備え、該スパイクは前記外面と同じ高さであることを特徴とする請求項に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項4】
前記第1開口は、液体貯蔵装置を破るための鋭いエッジを外面と同じ高さに画成しており、
前記鋭いエッジは前記第1開口の第1側面に形成される、請求項1に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項5】
前記エッジは前記開口内に延びるスパイクを備え、該スパイクは前記外面と同じ高さであることを特徴とする請求項4に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項6】
前記液体貯蔵装置は、前記外面に固定されたフォイルと、該フォイルに固定されたカバーとを備え、該カバーとフォイルの間に液体貯蔵チャンバを画成する、請求項1に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項7】
前記液体貯蔵装置は、前記外面に固定されたフォイルと、該フォイルに固定されたカバーとを備え、該カバーとフォイルの間に液体貯蔵チャンバを画成する、請求項2ないし5のいずれかに記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項8】
前記フォイルが前記接着層に固定される、請求項に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項9】
回転軸の周りに回転されるとき、遠心力によって前記液体ハンドリング構造を通して液体の流れが駆動されるように構成された、請求項1ないしのいずれかに記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項10】
前記液体ハンドリング構造は、前記第1開口から液体を受け取るとともに出口導管に接続された出口ポートを有する液体受入チャンバを備え、前記出口導管は、前記出口ポートから屈曲部に向けて半径方向内側に延びるとともに屈曲部から半径方向外側に延び、前記屈曲部は、前記液体受入チャンバの充填面よりも半径方向外側にあることを特徴とする請求項に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項11】
前記第1開口では、前記液体受入チャンバの一方の端部における半径方向外側の面が他方の端部における半径方向外側の面よりも半径方向内側にあることを特徴とする請求項9または10に記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項12】
デバイスの回転中に分配されるべき液体が半径方向内側にあるような場所で、前記液体貯蔵装置の破裂を容易にするように前記第1開口が構成されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の液体ハンドリングデバイス。
【請求項13】
請求項1または2に記載のデバイス内に液体を導入する方法であって、
前記デバイスを回転させて導入された液体から気体を分離し、
続けて前記デバイスを回転させて、該デバイスの前記液体ハンドリング構造を通して液体を流す
ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を貯蔵しハンドリングするデバイス、および、例えばブリスターパックなどの液体貯蔵容器を使用して、貯蔵された液体をデバイス内に導入する方法に関する。より詳細には、本発明は遠心力マイクロ流体デバイスに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
分析過程を実行するためのシステムが、使い捨てカートリッジを読み取るように設計された分析器などの装置を用いる多くの状況がある。液体を使用する分析過程を実行する既知のシステムおよびデバイスは、分析器によって処理される液体試薬を収容する。多くの場合、コスト、複雑度およびメンテナンスを削減するために、分析器が液体ハンドリング機能を用いないようにすることが好ましい。その結果、使い捨てカートリッジ内に液体貯蔵機能を含ませることが望ましい。
【0003】
WO2008057000に記載されているような、ディスク型カートリッジを使用するいくつかの種類の分析システムが過去に開発されている。カートリッジ上の貯蔵容器内に液体を貯蔵し、分析を実行すべきときにそれらの貯蔵容器を開くための様々な実装法が開発されている。これらの実装法のうちの一つが、US5457053に記載されている。他の実装法は、光学的放射の作用により液体貯蔵容器を開く能動素子を利用する。それらの実装法のうちの一つが、WO2010084190に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの実装法の全てが、その本質的な複雑さのために、製造過程においてまたはユーザインタラクションの要求レベルにおいて、かなりの制約がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は独立項に規定されている。さらなる選択的な特徴は従属項に規定されている。
【0006】
一部の実施形態では、内部液体ハンドリング構造を画成する本体を備える液体ハンドリングデバイスが提供される。本体は、その外面に第1開口を画成して液体ハンドリング構造への入口ポートを提供する。接着層が外面に固定され、第1開口と部分的に重なる第2開口を画成する。第1開口の第1側面では外面が露出しており、第1側面とは反対の第2側面では接着層が第1開口を部分的に覆っている。第1開口と重なる接着層に液体貯蔵装置が固定され、液体貯蔵装置にしきい値圧力を超える圧力が付加されたときに第1開口を通して液体を分配する。
【0007】
液体貯蔵装置に付加されているしきい値圧力を超える圧力に応答して、第1開口の第1側面の領域で液体貯蔵装置が再現可能に破裂するように、液体貯蔵装置、接着層および外面の材料特性が選択される。
【0008】
有利なことに、一方の側で外面が露出し他方の側で外面が接着層によって覆われるように液体貯蔵装置と外面との間に接着層を配置することによって、露出している外面と接触して再現可能なかたちで液体貯蔵装置を破ることが容易になる。同時に、接着層の第1開口との重なりが、その領域における望ましくない破裂に対する緩衝材を提供する。
【0009】
一部の実施形態では、内部液体ハンドリング構造を画成する本体を備える液体ハンドリングデバイスが提供される。本体は、その外面に第1開口を画成して液体ハンドリング構造への入口ポートを提供する。液体貯蔵装置が外面に固定され、液体貯蔵装置にしきい値圧力を超える圧力が付加されたとき第1開口を通して液体を分配する。第1開口は、液体貯蔵装置を破るための鋭いエッジを外面と同じ高さに画成している。
【0010】
有利なことに、外面と同じ高さの鋭いエッジを第1開口に設けることによって、デバイスの製造が容易になる。例えば、スタンピングなどの開口プロセスによって第1開口(およびエッジ)を簡単に形成することができる。一部の実施形態では、鋭いエッジは開口内に延びるスパイクを備え、このスパイクは外面と同じ高さである。スパイクの存在が、液体貯蔵装置の再現可能な破裂をさらに助ける。
【0011】
一部の実施形態では、液体ハンドリングデバイスは、内部液体ハンドリング構造を画成する本体を備える。本体は、外面に第1開口を画成して液体ハンドリング構造への入口ポートを提供する。液体貯蔵装置が外面に固定され、液体貯蔵装置にしきい値圧力を超える圧力が付加されたときに破裂して第1開口を通して液体を分配する。液体ハンドリング構造は、液体貯蔵装置の破裂時に、第1開口を通して液体貯蔵装置から液体を受け取る液体受入チャンバを備える。液体貯蔵装置の破裂による液体受入チャンバの液体出口、通気口またはその両方への液体の浸入を防止するかまたは軽減するために、第1開口と、液体受入チャンバの液体出口、通気ポートまたはその両方との間で液体受入チャンバ内に流れ抵抗装置が配置される。
【0012】
有利なことに、液体貯蔵装置の破裂時に高圧下で液体貯蔵装置から液体受入チャンバ内に液体を導入するにも関わらず、流れ抵抗装置は、デバイスの動作が開始するまで、出口および/または通気ポートから実質的に液体を遠ざけて保持する。この目的のために、流れ抵抗装置は、液体受入チャンバ内に配置された一つまたは複数の構造特徴を備え、液体の流れ抵抗を高めるか、および/または、通気ポートおよび/または出口から離して液体を保持する表面ポテンシャルエネルギー障壁を提供する。
【0013】
一部の実施形態では、流れ抵抗装置は、液体受入チャンバ内に配置される、外面と液体受入チャンバの間の壁の構造強度を高める支持構造を含む。他の実施形態は、流れ抵抗機能を有しない支持構造を代わりに使用する。支持構造は、液体受入チャンバの壁と露出面との間に延びる少なくとも一つの柱を含んでもよいし、一部の実施形態では柱のアレイを含んでもよい。一つの特定の形態では、各列において間隔を空けた支柱を間隔を空けて並べるように、柱のアレイが構成されてもよい。この形態では、各列が流れ抵抗装置を提供し、流れ断面積の減少によって流れの抵抗を増大するとともに、各列を通過する液体の前面に表面張力障壁を提供する。他の装置を使用して同様の効果を挙げてもよい。例えば、液体受入チャンバを横切り、液体を通過可能にするオリフィスを有する一つまたは複数の壁を備える支持構造および/または流れ抵抗構造を使用してもよい。
【0014】
さらなる実施形態は、例えば再現可能な破裂のための液体貯蔵装置およびその配置に関連する構成と、液体受入チャンバ内の流れ抵抗および/または構造的完全性の強化構造と、の組み合わせなどの、上述した実施形態の組み合わせを含む。
【0015】
一部の実施形態では、液体貯蔵装置はブリスターパックを含んでもよい。一部の特定の実施形態では、液体貯蔵装置は、外面に固定されたフォイルと、フォイルに固定されたカバーとを備え、カバーとフォイルの間に液体貯蔵チャンバを画成する。液体貯蔵装置と外面との間に接着層が設けられる実施形態では、接着層にフォイルが固定されてもよい。
【0016】
一部の実施形態では、デバイスが回転軸の周りに回転されるとき、遠心力によって液体ハンドリング構造を通して液体の流れが駆動されるようにデバイスが構成される。一部のこのような遠心力実施形態では、液体ハンドリング構造は、第1開口から液体を受け取るとともに出口導管に接続された出口ポートを有する液体受入チャンバを備える。出口導管は、出口ポートから屈曲部に向けて半径方向内側に延びるとともに屈曲部から半径方向外側に延びる。屈曲部は、液体受入チャンバの充填面(fill level)よりも半径方向外側にある。
【0017】
有利なことに、この構成により、屈曲部の径方向位置に対応するしきい値液面を液体が超えた場合、回転の下で液体ハンドリング構造から液体のみが分配される。これにより、最小の液面に到達した場合、液体のみが確実に分配される。代替的な実施形態では、液体受入チャンバの充填面よりも半径方向内側に屈曲部が配置される。この実施形態では、毛管力により出口導管内に液体が引き込まれ、回転中に液体ハンドリング構造を空にするサイフォンとして出口が実質的に機能するほど液体が十分に前進するようにデバイスが減速されるまで、初期回転の下で液体ハンドリング構造内に液体が保持される(典型的に「毛管サイフォン」と呼ばれる構成)。
【0018】
一部の実施形態では、液体受入チャンバは、反対側の端部における液体受入チャンバの半径方向外側の面よりも半径方向内側にある半径方向外側の面を第1開口では有している。例えば、半径方向外側の面は、第1開口に隣接する端部から反対側の端部までらせん状の軌跡をたどってもよい。この構成の結果、液体受入チャンバ内の全ての液体が回転によって反対側の端部に向けて駆動され、その端部に配置された出口ポートを通して下流液体ハンドリング構造に液体を流すことが可能になる。
【0019】
一部の実施形態では、デバイスの回転中に分配されるべき液体貯蔵装置内部の液体が半径方向内側にあるような場所で、液体貯蔵装置の破裂を容易にするように第1開口が構成されている。例えば、上述した鋭いエッジが第1開口よりも半径方向外側の面に配置されてもよいし、および/または、重なる接着層領域が、第1開口よりも半径方向内側の面に配置されてもよい。この構成により、液体貯蔵装置の効率的な放出が実現される。上記の場所が実質的に第1開口の半径方向最外面になるように第1開口が配置される一つの特定の実施形態では、液体貯蔵装置内の液体のほぼ全てを回転により放出することができる。例えば、この目的のために、上述した鋭いエッジおよび/またはスパイクを第1開口の半径方向最外面に配置してもよいし、および/または、第1開口の半径方向最内面に接着層の重なりを配置してもよい。
【0020】
一部の実施形態では、液体ハンドリング構造と、デバイスに固定されデバイス内に液体を進ませるための入口ポートと重なる液体貯蔵装置と、を備えるデバイス内に液体を導入する方法が提供される。この方法は、液体貯蔵装置に圧力を与えて液体貯蔵装置を破り、デバイス内に液体を導入することを含む。続いて、デバイスを回転させて導入された液体から気体を分離する。その後、デバイスをさらに回転させて、デバイスの液体ハンドリング構造を通して液体を流す。
【0021】
加えて、以下の実施形態が開示される。
【0022】
1.回転により動作する流体ハンドリングデバイスに、ある体積の液体を供給する方法であって、
前記流体ハンドリングデバイスに連通ポート入口を設け、該連通ポート入口の外周から外側に延びる接着層によって液体貯蔵パッケージを前記流体ハンドリングデバイスに取り付けるステップを含み、
前記接着層は、前記連通ポート入口の異なる外形の厚さを貫通する穴を画成し、該接着層の穴の内部に少なくとも部分的に画成される前記連通ポート入口のエッジに液体貯蔵パッケージを機械的に押し付けて該液体貯蔵パッケージの破裂を促進し、
カートリッジを回転させて前記液体貯蔵パッケージから前記流体ハンドリングデバイスに液体内容物を引き出し、破裂時に導入される気泡を排除するステップを含む方法。
【0023】
2.前記流体ハンドリングデバイスは、回転時に前記液体貯蔵パッケージから液体を受け取り、その後少なくとも一つの隣接構造に液体を分配する受入構造を前記連通ポートに隣接して有していることを特徴とする項目1に記載の方法。
【0024】
3.前記カートリッジは、前記液体貯蔵パッケージから液体を受け取る受入構造を前記連通ポートに隣接して有しており、前記受入構造は、回転の前に隣接構造へと液体が流れるのを防止する少なくとも一つの障壁を有していることを特徴とする項目1または2に記載の方法。
【0025】
4.前記流体ハンドリングデバイスは、前記液体貯蔵パッケージから液体を受け取るとともにサイフォン状の出口導管によって隣接構造に接続される受入構造を有しており、所定の体積に到達した後にのみ、回転により隣接構造に液体を分配することを特徴とする項目1ないし3のいずれかに記載の方法。
【0026】
5.前記流体ハンドリングデバイスは、前記液体貯蔵パッケージから液体を受け取るとともにサイフォン状の導管によって隣接構造に接続される受入構造を有しており、第1回転数で前記受入構造内に液体を保持し、前記第1回転数に対する少なくとも一つの変化を必要とする後続ステップで隣接構造に液体を分配することを特徴とする項目1ないし4のいずれかに記載の方法。
【0027】
6.前記受入構造は、回転時に前記液体貯蔵パッケージから受け取った液体を該受入構造から逃がす第2出口を有し、これによって、隣接構造への分配の前に前記受入チャンバ内に計量された体積を残すことを特徴とする項目5に記載の方法。
【0028】
7.前記所定の液面は、隣接構造への分配のために最少体積の液体が前記受入構造に確実に入るように設定されることを特徴とする項目4に記載の方法。
【0029】
8.前記流体ハンドリングデバイスは、前記液体貯蔵パッケージから液体を受け取り隣接構造に液体を分配する分配構造を有し、隣接構造に液体が分配されている間、気体の循環を可能にしてシステム内の気体圧力を維持する、隣接構造に接続された追加導管が設けられることを特徴とする項目1ないし7のいずれかに記載の方法。
【0030】
9.前記流体ハンドリングデバイスは、前記液体貯蔵パッケージから内容物を受け取り隣接構造に前記内容物を分配する受入構造を有し、前記液体が分配される出口導管内で終わるらせん状の半径方向最外面を持つように構成されることを特徴とする項目1ないし8のいずれかに記載の方法。
【0031】
ブリスターパックなどの封止された液体貯蔵パッケージを備える分析回転カートリッジがさらに記載される。封止された液体貯蔵パッケージは流体ハンドリングデバイスに取り付けられる。流体ハンドリングデバイスは、液体貯蔵パッケージがハンドリング中にその封止の完全性を保持するが、機械的に押圧されたときに流体連通ポート入口の外形の所定の位置で破裂するように設計された流体連通ポートを有している。この結果、液体内容物がデバイスに進み、回転時に液体貯蔵パッケージから流体ハンドリングデバイス内に画成された構造へと液体が流れる
【0032】
開示される実施形態は、貯蔵および操作時には安定を維持するが、オペレータまたは自動化手段による押圧時には容易に破裂するように、所定の範囲の機械力以内で押圧されたときにブリスターパックを破裂可能にする液体貯蔵部品、構造、配置およびカートリッジの動作に関連する。実施形態は、破裂時に制御された態様で液体貯蔵パッケージから液体を受け取るとともに、デバイスの回転を介して破裂時に生じた気泡を除去するための、流体ハンドリングデバイスの連通ポート入口および隣接する流体構造にも関連する。
【0033】
図面を参照して、限定でなく例示および図解を目的として、特定の実施形態について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】ブリスターパック形式の液体収容パッケージを備える、カートリッジ形式の流体ハンドリングデバイスを示す図である。
図1B図1Aをさらに詳細に示す図である。
図1C】液体収容ブリスターパックを備える、回転により作動するカートリッジを示す図である。
図2A】ブリスターパックの破裂および液体の分配に適した外形を画成する流体連通ポートを有するカートリッジの一部を示す図である。
図2B図2Aのカートリッジの一部を液体収容ブリスターパック用の接着層とともに示す図である。
図2C】接着層に接着された液体収容ブリスターパックを有する、図2Aおよび図2Bのカートリッジの上面図である。
図3A】ブリスターパックの破裂に適した流体構造と、分析過程用の液体ハンドリング機能と、を有するカートリッジの一部を示す図である。
図3B図3Aのカートリッジの動作を示す図である。
図3C図3Aのカートリッジの動作を示す図である。
図3D図3Aのカートリッジの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1Aは、一実施形態に係るブリスターパックを備えるカートリッジを示す。カートリッジ10は、液体内容物23を収容するブリスターパック20を備える。ブリスターパックは様々な材料で作成され、典型的に外側材料21を有している。外側材料21は、収納中、および機械的圧力の付加によりブリスターから液体を放出する(後述する)ときに、その表面から破れる危険性を最小化するのに十分な強度である。この材料は、機械的特性および浸透特性を損なうことなくその形状を保持することができる、アルミニウムフォイル、冷間成形フォイル、プラスチックフォイル、または任意の種類の変形可能な材料であってもよい。
【0036】
長期の収納が要求されるほとんどの用途では、材料21が耐湿性および気密性を有することが好ましい。ブリスターパック20は接着材料24によってカートリッジ10に接着される。この材料は、接着テープ、アクリル接着剤、または任意の種類の粘着性物質、または、光、温度、圧力、時間などの任意の処理によって部品を接着可能である材料であってもよい。外側材料21と接着材料24との間には、封止材料22が配置され、ブリスターパック20を封止している。外側材料21は、貯蔵チャンバ25と、貯蔵チャンバ25を取り囲むフランジ26と、を形成する。封止材料22は、フランジ26を封止して貯蔵チャンバ25内に液体23を密閉する。封止材料22は、ブリスターパックの完全性を維持する十分な強度を持つが、所与の範囲の機械力によるブリスターパックの押圧時に破れるように十分に弱くもある。
【0037】
一部の実施形態では、カートリッジ10は、典型的に下部33、接着層32、上部31の三層で構成される。これらの層は、例えば流体および液体のハンドリング、光学機能または生物学的な機能などの異なる機能を有していてもよい。しかしながら、説明される方法および機構は、単層構造から多層構造まで他の構造についても機能するので、他の実施形態は三層よりも多いかまたは少ない層を有するデバイスに関する。カートリッジは異なる厚さであってもよい。一部の実施形態では10mm未満であり、好ましくは2mm未満である。
【0038】
図1Bは、図1Aの詳細図である。カートリッジは、領域110においてブリスターパックの破裂を促進するように設計され構成されている。ブリスターパック20の少なくとも一部の下方で、カートリッジ10内に切り込み領域40が設けられている。切り込み領域40の上方でブリスターパックが自立するような切り込みを上部31が有しており、外側材料21への機械力の付与の下、領域110内で切り込み領域40の外形または外縁に接触させて封止材料22を引き裂きまたは破裂させることができる。多くの用途では、領域40が1mm未満の深さであることが好ましい。
【0039】
接着材料24は、その厚みを貫通する開口を画成しており、封止材料22が破れたときに、ブリスターパック20とカートリッジ10との間での流体連通を可能にしている。接着材料24は領域40の外縁の輪郭から外側に広がり、ブリスターパック20をカートリッジ10に確実に封止している。この接着領域の外側への広がりは、採用される材料およびプロセスによって得られる接着強度によって決まり、ブリスターパックの破裂に必要な機械力に特に依存している。
【0040】
一部の実施形態では、接着材料24の開口の外形は、自立領域40の外縁とは異なるパターンである。一部の実施形態では、接着材料24は、領域120内の切り込み領域40の外縁により画成される外周の内側に延びるとともに、切り込み領域40の外縁により画成される外周の外側に広がり、領域110内で上部31のエッジを露出させている。領域110内では上部31の鋭いエッジを露出させつつ、領域120内では接着層がこのエッジのクッションとなるので、この構成は、領域110における封止材料22の破裂に有利である。このように、この構成は破裂位置の再現性を高め、パッケージからの液体の引き出しの再現性を高めることができる。加えて、ブリスターパックの液体と気体の比率とともに、接着材料24の開口の外形を調節して、材料を破裂させるのに必要な機械力の範囲を調整することができる。
【0041】
図1Aおよび図1Bを参照して上述したカートリッジは、追加の破裂部を導入することなく動作させることが可能であり、したがって実装が簡単であり製造が容易である。より詳細には、軸4の周りに回転動作される分析デバイスの場合、図1Cに示すように(明瞭さのために、ブリスターパック20のフランジ26を省略している)、ブリスターパック20の半径方向最外面、具体的には貯蔵チャンバ25の最外面に破裂領域110を配置して、破裂後に貯蔵チャンバ25内に収容されている残留液体の取り込みを防止し、ブリスターパック20内の全ての液体を放出するようにすると有利である。
【0042】
材料22が接触して破裂する切り込み領域40の形状、特に外縁の外形は、再現可能なブリスターパックの破裂およびカートリッジへの液体の流入のために、重視すべき事項である。図2Aないし図2Cを参照して、これについて以下で詳細に説明する。
【0043】
図2Aないし図2Cは、再現可能なブリスターパックの破裂および液体の分配を容易にするために設計された切り込み領域40を有する、一実施形態に係るカートリッジ10の一部を示している。切り込み領域40が小さすぎると、機械力が非常に大きいときにのみブリスターパックの破裂が生じることになるので、多くの用途では実用的に使用できない。領域40が大きすぎる場合も同様である。なぜなら、この場合、ブリスターパック材料21、22が局所的に破れることなく、形状変化または弾性変形により、付加された機械力を吸収してしまう傾向があるからである。この後者の効果は、切り込み領域40の深さが減少すると重要度を増す。そのため、厚さが2mm未満のカートリッジを有し、1mm未満の切断領域40の真下に選択された高さがある用途では特に、再現可能なブリスターパック20の破裂を開始させるための追加の機構を設けると有利である。
【0044】
図2Aおよび図2Bは、一実施形態に係るカートリッジの一部とブリスターパックとを示す。カートリッジ10は、回転軸4の周りに回転動作させるために使用され、ブリスターパック20の局所的な破裂を容易にする不規則な輪郭形状を有する切り込み領域40を有している。より詳細には、切り込みは、カートリッジ10、特に上部31の外面と同じ高さである、内側に延びるスパイク41を提供する不規則な形状である。接着材料24が外面上に配置され、切り込み領域40の外形により画成される外周の内部に接着材料24の一部を配置させる。この結果、領域120に関して上述したように、その領域内ではブリスターパック20は破裂しない。不規則な外形形状は上述した領域110内に設けられ、破裂をさらに容易にしている。
【0045】
図2Cは、接着材料24の上部の適所にブリスターパック20を有するカートリッジの上面図である。一部の用途では、ブリスターパック20の大きさおよび形状を、手で押圧するように最適化してもよい。貯蔵および操作時には完全性を保持する一方、オペレータまたは自動化手段によって機械的に押圧されたときには容易に破裂するように、別の素子、切り込み領域40、接着材料24およびブリスターパック20の配置、寸法および向きを最適化することができる。
【0046】
当然なことに、図2Aないし図2Cを参照して説明した上記の考慮は、遠心力以外の液体推進メカニズムが適用される非回転の実施形態にも等しく適用される。
【0047】
図3Aは、一実施形態に係るカートリッジの一部と液体ブリスターパック20とを示す図である。カートリッジは、ブリスターパックの破裂、液体の分配および分析の実行を容易にするように構成された流体構造と連通ポートとを有している。図解のために、カートリッジは外層が取り除かれて下部構造を露わにした状態で描かれており、取り除かれた層の上のブリスターパック20の下部構造に対する位置が点線で示されている。
【0048】
カートリッジ10は、軸4の周りの回転によって操作される。ブリスターパック20は上述のようにカートリッジ10に接着され、切り込み領域40(図3Aでは見えない)に重なっている。液体ハンドリング機能のために最適化された液体受入構造50が切り込み領域40の領域内に設けられ、ブリスターパック20から液体を受け取る。(多くの異なる用途、特に分析デバイスおよびシステムで、カートリッジ10を使用することができる。)
【0049】
液体受入構造50の出口ポートに液体出口53が接続され、液体受入構造50から下流液体ハンドリング構造に液体を流す。さらに、液体受入構造50を大気圧または気体配管系に接続するように通気導管52が設けられ、カートリッジ10周りの圧力を釣り合わせている。
【0050】
出口53を毛管サイフォンとして構成してもよい。液体受入構造50から液体を吸い込ませるさらなる回転のために毛管作用が出口内に十分に液体を引き込まない限り、毛管サイフォンは回転時に液体の流れを塞ぐ。この目的のために、回転によって液体23が圧縮された後の受入構造50内の液面よりも半径方向内側に、出口53の半径方向最内面、例えばサイフォンの屈曲部の頂点が配置される。この液面は、ブリスターパック20によって保持される液体の量と、受入構造50の形状および寸法とによって決まる。
【0051】
代替的に、チャンバ50内の液面が出口53の半径方向最内点に対応する液面を越えたときにプライミングを行うサイフォンとして出口を構成してもよい。これは、出口53の半径方向最内面を、液体23が圧縮された後の液面よりも半径方向外側に配置することによって達成することができる。
【0052】
一部の実施形態では、液体受入構造50は、例えば厚さが10mm未満、好ましくは1mm未満であるカートリッジ10の上部31の中に収容されてもよい。同様に、液体受入構造またはチャンバ50は、部分31、32、33のうちの一つまたは複数を個別にまたは組み合わせて形成されてもよい。液体受入構造50は、以下の二つの目的のために、棒または支柱51などの物理障壁を含んでいてもよい。
(i)カートリッジ10が操作されブリスターパック20が機械的に押圧されるとき、液体受入構造50の構造的な完全性を維持する。
(ii)破裂時に液体受入構造50に液体が進入し、これが望ましくなる前(例えば回転前)に隣接構造に流れ込むリスクを最小化する。
【0053】
第2の目的は、回転により動作する複数の流体構造をカートリッジ10が有しており毛管効果が重要な役割を演じる多くの用途にとって最高に重要なものとなり得る。より詳細に述べると、ブリスターパック20が押圧され破裂するとき、液体内容物23のうちの少なくとも一部が受入構造50内に移動する。付加される機械力とブリスターパック内に含まれる気体とに起因して、受入構造50に進入する液体内容物23が気泡を含むことがある。この気泡は後続のカートリッジ動作に障害を来すことがある。加えて、受入構造50に進む液体23の一部が回転の前に出口53に到達した場合、回転の初期段階よりも前に毛管作用によって液体が流れ、カートリッジの設計された液体機能に障害を来すことがある。
【0054】
さらに、多くの用途およびデバイスは、液体と気体の両方を流すために閉鎖回路の使用を必要とする。この事実は、血液分析の用途や、サンプルからのまたはサンプルへの汚染が望ましくない他の処理または分析用途に関係する。このような状況では、液体の流れに影響を与える気体圧力の変動を避けるために、液体が流れる間の気体の変位がデバイスの適切な動作にとって重要な意味を持つ。例えば、一部の実施形態では、動作中にデバイス内の気体圧力の変動を避けるために、液体23が流れる隣接構造に接続する通気導管52が液体受入構造50に設けられる。通気導管52が液体プラグによって塞がれる場合、これは損なわれる。
【0055】
したがって、支柱51などの液体の流れに対する障壁が液体受入構造の中に設けられ、最初の回転前に液体がブリスターパックから出口53に進むことを防止するとともに、回転前の制御されない液体の流れを制限することによって、液体が通気導管52内に浸入することを防止する。一つの特定の実施形態では、図3Aないし図3Dに示すように、複数の間隔を空けた行のかたちで支柱51のアレイが液体受入構造50の中に設けられる。
【0056】
図3Bないし図3Dを参照して、デバイスの動作を以下で説明する。
【0057】
図3Bは、ブリスターパックの破裂後で回転前の状態を示している。ブリスターパック20は機械的に押圧され破裂している。破裂時にブリスターパックから気体61が放出されるとともに、液体23が受入構造50の一部を満たしている。支柱51が、出口53および通気導管52に液体が到達するのを防止する。
【0058】
図3Cは、回転の初期段階の間の状態を示す図である。遠心力の作用によって受入構造50の半径方向最外面に向けて液体23が駆動され、その結果、気体61が内側に移動して受入構造50内に圧縮された気体23を残す。破裂時に生じる流体連通がブリスターパック内の液体位置を半径方向で越えている場合、破裂後にブリスターパック内に保持されている液体も、遠心力の作用により受入構造50に流れ込む。一部の実施形態では、受入構造50の半径方向最外面に対して液体の圧縮62を形成することによって、隣接構造および下流回路への液体の分配が、液体内容物23から気体61が除去されるのに十分な時間だけ遅延される。一部の実施形態では、受入構造50の出口ポートよりも半径方向内側にその長さの一部があり、出口の半径方向の最内位置から半径方向外側に延びる別の部分がその後に続くように出口53を設計することによって、上述のようにこれを実現することができる。一部の実施形態では、最少量の液体23が受入チャンバ50に必ず進むか、または液体がさらなる構造に分配されないように、出口53が設計される。これらの実施形態は、例えば、ブリスターの液体内容物または破裂メカニズムの効率を制御して、デバイスの適切な動作のために必要な最少量の液体をブリスターパック20から受け取れなかったデバイスを最終的に破棄するために有用である。
【0059】
上述したように、一部の実施形態では、所定の液体体積がチャンバに進むまで受入構造50内に液体23を保持するために、出口53がサイフォン状の形状を有している。代替的に、一部の実施形態では、第1の回転数において、任意の望ましい期間だけブリスターパック20から進んだ全ての液体が受入チャンバ50内に保持される毛管サイフォンとして、この流路が構成されてもよい。この期間の後、少なくとも一回の回転数の変化の後、液体が隣接構造に分配され、毛管作用によって液体が出口53へと進み、その後この回転数または別の回転数で液体を分配する。上述した毛管サイフォン出口構成を使用する他の実施形態では、所定の体積を超える液体が第1回転中に構造50から逃げ出し、後続のステップで計量された液体体積を分配するための第2出口を受入構造50が有している。十分に定義されまたは計量された液体体積の使用は、例えば、希釈率や濃度が液体体積に依存するような多くの分析手順にとって極めて重要なものとなり得る。
【0060】
図3Dは、さらなる回転および液体分配中の状態を示す図である。出口導管53の半径方向最内位置によって画成される特定の面に液体23が到達すると、液体23が隣接する下流構造へと流れ始める(代替的に、出口53を通る液体の流れの開始を、上述したように回転数によって制御することができる)。一部の実施形態では、その体積に閉じ込められたままになる液体の量を最小化するように、受入構造50が成形される。詳細には、例えば最も外側の外周がらせん状の軌跡をたどるようにすることで、その角度範囲に沿った受入構造50の半径方向最外面が、出口53が始まる出口ポート53に向けた半径方向の広がりを増加させる。
【0061】
上述したように、通気導管52によってカートリッジ10内の気体圧力の釣り合いが確保され、したがって気体圧力の変動による液体流れへの影響が防止される。通気導管52が始まる液体受入構造50の通気ポートは、液体受入チャンバ50の半径方向内側の面に配置されており、破裂時の液体の存在とそれに続くデバイスの回転とによって通気導管52が塞がれる危険性を軽減している。これは圧力平衡の維持にも役立ち得る。
【0062】
出口ポートよりも半径方向内側に通気導管52を配置することによって、回転中に半径方向外側に駆動される液体によって目詰まりする危険性が減少する。
【0063】
ブリスターパックから隣接する下流構造への液体受入構造50を介した液体の分配が生じた後に、液体受入構造50は図3Aに示したように再び空の状態になる。続いて、後続の用途に固有の液体ハンドリング機能にしたがって、デバイス10を動作させることができる。
【0064】
一部の実施形態では、受入構造50は、アリコーティング機能などの追加機能を提供してもよい。この目的のために、液体ブリスターパック20から異なる下流構造へと複数の液体体積が分配されるように配置された複数の出口53を持つ液体受入構造50をカートリッジ10が有していてもよい。加えて、液体が残らなくなるまで、液体が構造に進む瞬間に再懸濁される(re-suspended)固定試薬が受入構造50内に組み込まれてもよい。実施形態は、異なる液体試薬を包含し単一のカートリッジに接着される二つ以上の液体貯蔵パッケージを有していてもよい。これらは、同時にまたは分析過程(または回転プロトコル)の異なる段階で破られてもよいし、または特定の過程に必要なパッケージのみを破裂させ、それぞれ異なる試薬を必要とする用途に合わせて同一のカートリッジを使用できるようにしてもよい。
【0065】
実施形態についての上記説明は実例であり、限定を目的とするものではない。特に、「ブリスターパック」という用語でなされている上記の説明は、そのように限定されず、機械的圧力によって液体を放出可能である任意の他の適切な液体貯蔵構成についても等しく適用される。上述した特徴の多くの変形、修正および並置が当業者には想定され、本発明の一部を形成する。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D