(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モバイル装置と通信している少なくとも1台のサーバコンピュータを備え、視覚的作物データをモバイル装置に提供するシステムであって、前記少なくとも1台のサーバコンピュータが、
前記モバイル装置から前記モバイル装置の地理的位置に関係するロケーションデータを受信し、
少なくとも1つの地形データソースから前記ロケーションデータの少なくとも一部分に関連付けられた地形データを取り出し、
少なくとも部分的に前記地形データに基づいて形状データを生成し、
少なくとも1つの形状が前記モバイル装置に表示された地図画像の少なくとも一部分に視覚的に表示されるように、前記形状データの少なくとも一部分を前記モバイル装置に送信し、前記少なくとも1つの形状が前記形状データの少なくとも一部分に少なくとも部分的に基づいているように構成され、
前記少なくとも1つの形状が土壌領域、作物領域、水領域、地理的領域、又はこれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの領域を少なくとも部分的に示す、
少なくとも1つのバッファ領域は、前記少なくとも1つの領域に関連して表示される、システム。
前記少なくとも1つの土壌領域に関連した前記少なくとも1つのバッファ領域のロケーションは、規制要件、水源、作物タイプ、作物処理用途、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つによって少なくとも部分的に決定される、請求項1に記載のシステム。
前記地形データの少なくとも一部分は、拡張マークアップ言語(XML)データを含み、前記XMLデータの少なくとも一部は、マーク、画像、多角形、3次元モデル、テキスト記述、地理座標、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に表現する、請求項1に記載のシステム。
少なくとも1つのバッファ領域は、保護地域、水源、動物生息地、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つに関連して表示される、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つのバッファ領域のサイズ、形状、及びロケーションのうちの少なくとも1つは、風速データによる影響を受け、前記風速データが前記モバイル装置及び外部データソースのうちの少なくとも一方から取り出される、請求項1に記載のシステム。
前記少なくとも1つの地形データソースがハーモナイズド世界土壌データベース、土壌調査地理(SSURGO)データベース、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体を備え、前記コンピュータ読み取り可能な媒体が、プロセッサ及び少なくとも1台の表示ユニットを有する装置によって実行されるとき、前記装置に、
地理的ロケーションを表現するロケーションデータを少なくとも1台のホストに送信させ、
土壌領域、作物領域、水領域、地理的領域、又はこれらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの領域に少なくとも部分的に対応する、少なくとも1つの形状を表現する形状データを受信させ、前記少なくとも1つの領域の少なくとも一部分が地理的領域の少なくとも一部分に含まれ、
前記少なくとも1台の表示ユニットの内部で活性状態である地理的領域の少なくとも一部分の視覚的表現と組み合わせて、前記少なくとも1つの形状の少なくとも一部分を表示させるプログラムを備え、
前記プログラムが前記装置に前記少なくとも1つの形状に関連して少なくとも1つのバッファ領域をさらに表示させる、コンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記少なくとも1つのバッファ領域のロケーション、サイズ、及び、形状のうちの少なくとも1つは、規制要件、水源、作物タイプ、作物処理用途、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つによって決定される、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記少なくとも1つの領域が土壌組成、作物タイプ、鉱物レベル、標高、指定された幾何学的境界、塩分、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つによって分類された少なくとも1つの土壌領域を含む、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
少なくとも1つの選択された作物タイプは、最良作物データベース、地理的ロケーション、土壌タイプもしくは前記地理的領域の少なくとも一部分に関連付けられた組成、前記地理的領域の少なくとも一部分に関連付けられた雨量データ、前記地理的領域の少なくとも一部分に関連付けられた温度データ、前記地理的領域の少なくとも一部分に関連付けられた塩分レベル、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つから少なくとも部分的に決定される、請求項12に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記プログラムが前記装置に、少なくとも1つの遺伝子組み換え作物が前記地理的ロケーションに関連付けられた土地の少なくとも一部分に与えることになる推定影響を表現するように構成されている影響データをさらに表示させる、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記推定影響が前記少なくとも1つの遺伝子組み換え作物を成長させることができる前記土地の少なくとも一部分の量から少なくとも部分的に決定され、前記推定影響が前記少なくとも1つの遺伝子組み換え作物を前記土地の少なくとも一部分で成長させる作物生産影響、前記少なくとも1つの遺伝子組み換え作物を前記土地の少なくとも一部分で成長させる収益性影響、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に含む、請求項15に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記プログラムが前記装置に、ズームツール、検索ツール、指向性移動ツール、スコープ、コンパス、ポイント配置ツール、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むグラフィカル・ユーザ・インターフェースをさらに表示させる、請求項8に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記グラフィカル・ユーザ・インターフェースが前記ポイント配置ツールを含み、前記ポイント配置ツールがユーザ入力を受け取り、前記ユーザ入力に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの地理座標と前記少なくとも1つの地理座標に関連付けられた特性とに関連付けられた少なくとも1つのポイントを前記装置に表示させる、請求項17に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
前記少なくとも1つのバッファ領域の位置、形状、及び、サイズのうちの少なくとも1つは、規制要件、水源、作物タイプ、作物処理用途、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つによって少なくとも部分的に決定される、請求項19に記載の方法。
前記少なくとも1つのバッファ領域のサイズ、形状、及び、ロケーションのうちの少なくとも1つは、風速データによる影響を受け、前記風速データが前記モバイル機器及び外部データソースのうちの少なくとも一方から受信される、請求項19に記載の方法。
前記地形データの少なくとも一部分を拡張マークアップ言語(XML)データに変換するステップをさらに備え、前記XMLデータの少なくとも一部分は、マーク、画像、多角形、3次元モデル、テキスト記述、地理座標、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に表現する、請求項19に記載の方法。
前記モバイル機器、前記少なくとも1つの地形データソース、ローカル・データ・ソース、リモート・データ・ソース、又は、これらのいずれかの組み合わせのうちの少なくとも1つから、前記モバイル装置の前記地理的位置に関係する現場地域データを受信するステップと、
規制データ及び前記現場地域データに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの作物地域が少なくとも1つの規制を遵守しているかどうかを示す前記少なくとも1つの作物地域に関係する規制遵守データを決定するステップと、をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では説明の目的のため、添付図面に例示され、以下の明細書中に記載される具体的なシステム、プロセス、機能、及びモジュールは、本発明の単なる典型的な実施形態であることが理解されるべきである。それ故に、本明細書に開示された実施形態に関連している具体的な特性は、限定としてみなされるべきではない。さらに、発明は、そうではないと明記されない限り、様々な代替的な変形及びステップ系列を仮定してもよいと理解されるべきである。
【0017】
以下の説明では、発明の実施形態を完全に理解するため、ネットワーク構造、データ構造、コンピューティング装置、及びプログラム命令のような多数の具体的な詳細が提示される。しかし、当業者は、発明が具体的な詳細の1つ以上を用いることなく、又は、その他の方法、コンポーネント、物質などを用いて実施できることを認識するであろう。その他の例では、周知の構造、物質、方法又は動作は、発明の態様を曖昧にすることを避けるため、記載されていない、又は詳細に示されていない。
【0018】
次に、
図1aを参照すると、作物を監視する視覚情報システム1が本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態によって表示される。システムは、ウェブページ又は他の形式のコンテンツをモバイルコンピュータ4のようなクライアントコンピュータに提供するホストモジュール2を含む。様々な形式のデータが、モバイルコンピュータ4のロケーション及び/又は移動に、又は、ユーザ(例えば、散布監視者、現場作業者、農業者、又はその他の個人)によってモバイルコンピュータ4上で行われた行為に少なくとも部分的に基づいて、ホストモジュール2からモバイルコンピュータ4へストリーミングフォーマットで提供される。
【0019】
モバイルコンピュータ4は、推奨された手続きに従って、農薬の散布、遺伝子組み換え作物の植え付け、又はその他の取り組みを行うため、例えば、柑橘類果樹園のような作物の検査中に、散布監視者又はその他の現場作業者によって使用されてもよい。視覚的情報システム1は、選択地域内の土壌情報を計算することによって目標とされたマッピング情報を提供する。情報を選択された地域に絞ることによって、システム1は、モバイル装置4にモバイル装置4が必要とするデータを提供するために必要である帯域幅要件を低減する。視覚情報システム1のモバイルコンピュータ4は、散布監視者による使用に限定されないことが理解されるべきである。マーケティング責任者、販売員、製品責任者、散布者、又はその他の個人のようなその他のユーザがシステム1を使用することもあり得る。
【0020】
引き続き
図1aを参照すると、ホストモジュール2は、XML変換モジュール3、形状決定モジュール5、及び、地形データソース10のような外部データソースと通信している。ホストモジュール2は、インターネット又は何らかのその他の形式の通信ネットワークのようなネットワーク環境7とさらに通信している。モバイル装置4は、ネットワーク7、及び、1台以上のGPS衛星8と通信している。ホストモジュール2及び/又はモバイル装置4は、衛星画像データ又はその他の地形特徴を提供するため、地図画像サービス9のようなその他の外部データソースにアクセスしてもよい。
【0021】
次に
図1bを参照すると、作物を監視する視覚的情報システム1を示すさらなる図が本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態により示される。ホストモジュール2は、個別の形状ファイル12を格納している形状ファイルデータベース11と通信している。ホストモジュール2は、地理データソース10及び地図画像サービス9のような外部データソースとさらに通信している。モバイル装置4は、インターフェース300を含む。インターフェース300は、1つ以上の形状ファイル12に対応する土壌形状14a及び14bを表示する。
【0022】
本明細書中で使用されるようなモバイル装置4は、通信能力を持っているコンピューティング装置を指す。モバイル装置4は、例えば、タブレット及びラップトップコンピュータ、携帯電話機、システムと共に用いるため特別に設計された電子装置、又はコンピューティング装置のようなその他のものを含んでもよい。
【0023】
本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態では、モバイル装置4は、ホストモジュール2と通信するモビリティアプリケーションが設けられている。「モビリティアプリケーション」は、モバイル装置で動くコンピュータプログラムであると理解され、例えば、独立型アプリケーション、対話型ウェブページ、又は、その他のタイプのコンピュータプログラム及び/又はコンパイルされたプログラム命令を含んでもよい。モバイル装置4に表示される地図情報は、地図画像サービス9、マッピングホストによって提供され、又は、そうでなければ、ホストモジュール2によって提供される地図情報の部分集合でもよい。地図画像サービス9又はマッピングホストは、モビリティアプリケーションによって供給されるか、又は、ホストモジュール2を介して間接的に供給された位置座標から、ホストによって提供される地図情報を決定し、限定された地図情報の集合をモバイル装置4に送信する。モビリティアプリケーションは、モバイル装置上での地図情報の閲覧を可能にする。
【0024】
地図情報は、地形データソース10又はその他のデータソースから取り出された領域についての位相情報の視覚化を含んでもよい。位相情報は、例えば、関心のある地形特徴(例えば、飲料水井戸、動物の巣、絶滅危惧種生息地、その他の作物など)と、これらの地形特徴の周辺のバッファ地域(すなわち、セットバック距離)とを含んでもよい。バッファ地域は、関心のある地形特徴、作物領域、又はその他の形状、及び/又は、農薬の散布、遺伝子組み換え作物の植え付け、又は、その他の取り組みが内部で回避されるべき地形特徴の周辺の領域を定義する。交差するバッファ地域は疑わしい領域を提示し、これらの疑わしい領域もモビリティアプリケーションを介してモバイル装置4上に視覚化されてもよい。
【0025】
モビリティアプリケーションは、モバイル装置4の位置が変化すると共に変化することがある座標を電子的に報告する。地図情報データは、ホストモジュール2が座標の変化に応答して新しい地図情報データを送信するように、モバイル装置4の座標が変化したときに変化する。座標は、リアルタイムで報告されてもよい。モビリティアプリケーションは、例示として、農薬の散布及び遺伝子組み換え作物が回避されるべき領域の検出を支援するため、現場作業者、散布監視者、又はその他のユーザによって使用されてもよい。検出された領域は、散布システム又はその他のエンティティに送信されてもよい。
【0026】
1つの好ましい非限定的な実施形態では、
図1a及び1bに示された視覚情報システム1は、モバイル装置4への送信のためのマッピングデータ(例えば、地形データ又はその他のデータ)を作成及び/又は処理する。例えば、ホストモジュール2は、作物又は果樹園のような地域に基づいて、空間データの部分集合を計算してもよい。地図と組み合わされた空間データのこの組み合わせは、散布監視者に地域の有用な視覚化を提供し、散布監視者が地域の地形特徴に関連して飲料水井戸、水源、種、果樹園、作物領域及び/又は土壌領域のような関連情報を閲覧することを可能にする。視覚情報システム1は、所望のデータを見つけるため空間ファイルを処理する異なった方法を使用してもよい。これらの技術は、形状ファイル12が必要とされる地域を決定するため使用されてもよい。
【0027】
図1a及び1bを参照すると、システム1は、地形データソース10(例えば、地理情報システム(GIS)サーバ、又は、システムに局部的な、又は、システムの外部にあるその他の空間ファイルアーカイブ)のような外部データソースから受信された空間ファイルを変換することによって、形状ファイル12を作成するように構成されてもよい。例えば、土壌調査地理(SSURGO)データベースは、アメリカ合衆国内における土壌タイプに関する郡別の詳細な土壌地理データを提供する。しかし、これらの空間ファイルは、大規模になることがあり得る。例えば、フロリダ州ポーク郡(Polk County Florida)では、空間ファイルは、およそ27000件のファイルを含む。1つの好ましい非限定的な実施形態では、システム1によって取り出された空間ファイルは、拡張マークアップ言語(XML)変換モジュール3を使用して、キーホール・マークアップ言語(KML)ファイル6に変換されてもよい。
【0028】
XML変換モジュール3は、入力として、空間データ又はその他の関連データを取得し、XMLフォーマットデータと、具体的には、KMLデータを作成し、出力する。KMLファイル6は、グーグルアース(Google Earth)、モビリティアプリケーション、又は、KML符号化を実施するその他の3Dアースブラウザ(例えば、ジオブラウザ)に表示するためのプレイスマーク、画像、多角形、3Dモデル、もしくは、テキスト記述のような特徴の集合を指定するため使用される。各エントリは、経度及び緯度と、例えば、「カメラビュー」を一体となって定義する傾き(tilt)、方位(heading)、及び標高(altitude)のような見え方をより具体的にするためのデータとを有している。KMLデータ6は、緯度及び経度座標に変換された空間ファイルを表現してもよい。KMLファイル6は、次に、個別の形状ファイル12に分離される。
【0029】
引き続き
図1a及び1bを参照すると、KMLファイル6は、形状決定モジュール5によって形状ファイル12の形に作られ、この形状ファイルは、次に、形状ファイルデータベース11に記憶されてもよい。形状決定モジュール5は、入力として、1つ以上のKMLファイル6を受け取り、そして、形状ファイルデータベース11をホストモジュール2に、又は、形状ファイルを間接的にモバイルコンピュータ4に出力する。形状ファイルデータベース11又は形状決定モジュール5から、個別の形状ファイルが作成される。形状ファイル12は、地図上の1つの個別の形状に関する情報である。形状ファイル12は、緯度及び経度に基づいてもよい。例えば、1つの形状ファイル12は、特有の関心のある地域に対するある程度の数の他の土壌タイプのうちで特有の土壌タイプを表現する地
図13上の座標の範囲内に成形された土壌の多角形を記述してもよい。データは、この地域の地質構造を記述する情報を含む。これらの個別の形状ファイル12は、後述されるように、緯度/経度ポイントまでの最大距離を指定することによって動的に選択されてもよい。一実施形態では、モバイルコンピュータ4上のモビリティアプリケーションは、データの部分集合を処理し、現場散布監視者によって携行されたモバイル装置4にデータを表示することができる。
【0030】
形状ファイル12は、土壌タイプに関する情報を含んでもよく、作物保護薬品がより容易に移動又は浸透することができるタイプの土壌であると考えられるとき、この土壌は、「影響を受けやすい」として指定されてもよい。一実施形態では、土壌、又は土壌のグループは、この土壌をその他の土壌から区別するため、影響を受けやすい(vulnerable)としてマークを付けられるか、又は、別の識別子を与えられてもよい。
【0031】
形状ファイルデータベース11は、地域の内部の物体を定義する特有の形状ファイル12についてホストモジュール2によって問い合わせされてもよい。形状ファイル12の小さい部分集合だけが次に指定地域に基づいてモバイルコンピュータ4に提供されてもよい。例えば、散布監視者が特有の果樹園の中での化学的処理を検査している場合、ホストモジュール2は、この果樹園の具体的な半径の範囲内のデータだけを提供してもよい。一実施形態では、この半径は、果樹園の地理的中心に基づいて定義されてもよい。ホストモジュール2は、次に、選択地域の指定半径の範囲内にある物体を決定し、これらの物体を定義するこれらの形状ファイル12を送信するだけでもよい。この情報の部分集合(subset)は、郡地図の一部、複数の郡地図、郡地図の1ブロック、又は、散布監視者の活動範囲内にあるデータだけでもよい。最終結果は、関心のある地域だけを示す地図データのより大きい集合の部分集合である。必要とされるデータの量は、このように、一例として、100kbから100mbのデータの範囲に至るまでフィルターダウンすること(filterd down)が可能である。
【0032】
引き続き
図1a及び1bを参照すると、個別の形状ファイル12に加えて、ホストモジュール2は、視覚情報システム1のためのデータベース15又はその他の形式のデータ構造体に記憶されたその他の情報を利用してもよい。例えば、(散布監視者のような)現場作業者に役立つステート及びセッション情報は、データベース15に記憶されてもよい。このような情報の例は、土壌タイプデータ、土壌形状データ、井戸データ、果樹園データ、及び監視データを含んでもよい。
【0033】
次に
図8を参照すると、本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態に係る、データベース15に記憶され、ホストコンピュータ2(同図では図示せず)が利用できるようにされてもよい土壌タイプテーブル例が示される。
図8の情報は、米国ヒルズボロ郡に関している。土壌番号は、郡に固有であり、土壌名を決定するため相互参照としてシステムによって使用される。例えば、ホストモジュール2が特有の形状ファイル12を使用しているとき、システムは、ある特定の土壌タイプに対する識別子を調べるため土壌タイプテーブルを使用してもよい。
【0034】
図9を参照すると、本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態に係る個別の形状を表現するデータのテーブルが示される。
図9のデータによって表現されるように、形状ファイルは、特有の形状を形成するため使用される多数のポイントを含んでもよい。
図10は、システムに記憶された地下水井戸を表現するデータのテーブルを表す。
図11は、農業者又は監視者が農薬を散布する準備ができている作物(例えば、果樹園)、すなわち、システムによって監視される準備ができている作物を表現するデータのテーブルを表す。
図12は、現場に居る間に散布監視者によって収集されたデータを表す散布監視データのテーブルを表す。種々のデータ構造体に記憶された、多数の異なったタイプのデータが利用されてもよいことが分かるであろう。
【0035】
動作中に、ホストモジュール2は、散布監視者のモバイルコンピュータ4とのセッションに入る。このセッションは、例えば、セッション中に行き来する通信の状態でHTTP要求及び応答のようなメッセージを含む。その上、セッションに非同期的に、最新版が散布監視者のモバイルコンピュータ4からホストモジュール2に継続的に送信され、データベース15に記憶される。視覚情報システム1に送信された最新版は、モバイルコンピュータ4で散布監視者によって取られた行動を定義する。最新版は、セッションを再生するため、又は、散布監視者の作物調査を監査するため使用することができる。
【0036】
一実施形態では、ログインを容易にするため、モバイルコンピュータ4は、認定されたユーザを認証するため選択されてもよい承認済みの散布監視者の名前の一覧を有するログイン画面を提供してもよい。散布監視者が認証されると、観察すべき作物が選択されてもよい。散布監視者は、次に、モバイルコンピュータ4を使用して作物を調査してもよい。例えば、散布監視者が果樹園を動き回るとき、モバイル装置4のロケーションは、GPS衛星8と通信しているコンピュータ4の中のGPSセンサによって追跡される。視覚情報システム1は、数秒毎に、又は、その他の所定の間隔で散布監視者のGPSロケーションを同期させる。
【0037】
視覚情報システム1は、農薬の散布が許可されるべき場所と散布が回避されるべき場所とを決定するため、散布監視者によって使用されてもよい。バッファ、すなわち、「セットバック」の方式は、これらの制限地域を見つけることを容易にする。柑橘類果樹園に対する一実施形態では、バッファが決定され、形状ファイル12を使用することによって果樹園の周りに描画される。ホストモジュール2は、果樹園を取り囲むバッファを形成するポイントを計算する。バッファ内の各ポイントは、果樹園内のポイントから300フィートであるように計算され、バッファは、果樹園を表現する内側の多角形から300フィートを表現する外側の多角形を定義する。散布監視者は、自分の注意を限定域内のポイントに絞るためこの表現を使用できる。散布監視者がバッファ区域の内部に地下水井戸のような関心のある地形特徴を見つけた場合、散布監視者は、この地形特徴を回避するため農薬の散布を変更することができる。本発明は、どんなバッファサイズでも使用できることが理解されるべきである。
【0038】
付加的に、ホストモジュール2は、可変セットバック距離を有する可変バッファを提供してもよい。例えば、システムは、農薬が特有の地形特徴から正確な距離だけ遠ざけられることを保証するため、(風速センサを使用して)風速を計算し、バッファ多角形を動的に変形させるための情報を提供することができる。バッファは、システム内の所望のどのような物体の周りでも使用されてもよい。交差する果樹園バッファと井戸バッファとを見つけると、農業者及び散布者は、農薬、遺伝子組み換え作物、又はその他の活動が適用されるべきではない地域を提供される。視覚情報システム1を使用すると、地図及び地質データは、同時に、かつ、リアルタイムで表示され得る。
【0039】
本発明の別の非限定的な実施形態では、バッファは、農薬を散布できる地域に制限する野生生物生息地からの正確な距離を決定するため使用される。この機能性は、作物のため使用される土地に関連して、絶滅のおそれのある種、すなわち、絶滅危惧種の生息地を特定するため、政府データベース又はその他のデータベースを使用してもよい。本発明の1つの非限定的な実施形態では、視覚情報システムは、遺伝子組み換え作物の植え付けが許可されるべき場所とこのような作物が回避されるべき場所とを決定するため、散布監視者によって使用されてもよい。
【0040】
視覚情報システム1は、特有の散布監視者が以前に訪れたロケーションを表すようなワークフローを提供する。システム1は、視覚情報システムにアクセスするため認証されている(権限を付与されている)散布監視者に関する情報を提供してもよく、散布監視者の現場での活動を示すことができる。このようにして、マネージャ又は散布監視者は、具体的な作物の進捗状況を閲覧することが可能であり、モバイルコンピュータ4は、散布監視者が閲覧できるように現場での情報を追加するため使用できる。このワークフローは、セットバック距離を必要とするある特定の地下水井戸構造とその他の地形特徴とを配置するのに役立つ。
【0041】
最初に、セットバック距離は、システム内の地下水井戸に対して存在しなくてもよい。散布監視者は、井戸に関する情報をシステムに入力できるようにされてもよい。一部の実施形態では、システムは、地下水井戸又はその他の地形特徴に対して、セットバック距離と未だ関連付けられていない標準設定のセットバックを使用するようにプログラムされてもよい。調査又は観察された井戸又は何らかの目印の写真が入力情報に含まれてもよい。マネージャは、特有の地下水井戸がより少ない(すなわち、より小さい)セットバックにふさわしいかどうかを決定することなどを目的として、システム、又は、間接的に散布監視者のいずれかにフィードバックするため写真を閲覧できる。視覚情報システム1は、モバイルコンピュータ4に監督及び検証能力を設けることができる。システム内の移動及び活動の記憶は、システム内の情報を変更した人及び時に関する監査能力を提供する。視覚情報システム1は、様々なタイプの土壌データ及びその他の関連データを使用して、ある特定の作物が1エーカー当たりに何ブッシェルを生産するかを計算するようにさらに構成されてもよい。この情報は、この地域で特有の製品散布を使用しないことに関連付けられた推定コストがいくらになるかを決定するため使用することができる。
【0042】
引き続き
図1a及び1bを参照すると、モバイルコンピュータ4は、移動データを獲得する。モバイルコンピュータ4の移動が生じるとき、位置の最新版がホストモジュール2に送信され、データベース15に記憶される。散布監視者のコンピュータ4のGPSロケーションは、数秒毎に提供することができる。いかなる時間間隔でも情報をホストモジュール2に提供するため使用できることが理解されるべきである。一実施形態では、この移動情報は、記憶され、セッションを再現するため使用されてもよい。
【0043】
次に
図3aを参照すると、1つの好ましい非限定的な実施形態に係る、視覚情報システムのモバイル・コンピュータ・インターフェース300が示される。インターフェース300は、作物を観察するため使用されてもよい。インターフェース300上に、地図は、土地の面積及び様々な土壌形状を示す。システム1は、衛星画像と混合された、
図3aに示されたマッピング情報を有するハイブリッド地図をさらに提供することができる。本例では、視覚情報システムは、果樹園の調査のため使用される。果樹園302は、タグ304a〜304dの集合によって輪郭が描かれている。果樹園は、果樹園を形成する多角形の輪郭を描くタグをいくつでも有することができる。どんなタイプの作物地域又はその他の領域でも本システムとの関連でタグの集合によって輪郭を描かれることが分かるであろう。
【0044】
引き続き
図3aを参照すると、特有の地域及び果樹園領域が示される。視覚情報システム1は、散布監視者に水井戸又はその他の地形特徴及び/又は領域を取り囲む土壌タイプのグラフィカルビューを提供する。モバイル・コンピュータ・インターフェース300の地図層は、異なった陰影又はその他の視覚的表示によって表現された土壌タイプを示す。1つの非限定的な実施形態では、モバイル・コンピュータ・インターフェース300は、土壌タイプに名前及び識別情報をタグ付けし、土壌データをホストモジュール2と通信しているデータベース15に記憶する機能を提供する。
【0045】
引き続き
図3aを参照すると、モバイル・コンピュータ・インターフェース300は、スコープ308を取り囲むアイコンの集合を有する移動可能なカスタマイズできるメニュー306を含んでもよい。図示されたメニュー306は、コンテキストメニューである。メニュー306は、散布監視者に適切な薬品散布を可能にするため必要とする能力を提供し、地図と作物に関する情報とを表示するためモバイル・コンピュータ・インターフェース300上の効率的な空間の最大化も行う。好ましい非限定的な実施形態では、メニュー306は、手動又は自動のいずれかで地図の周りを移動させられることがある。スコープ308は、地図内の指定地域に焦点を当ててもよい。モバイルコンピュータがスコープ308を移動させるとき、サブメニューがスコープと共に移動してもよい。メニュー306及びスコープ308は、現場でのモバイルコンピュータ及び散布監視者の移動に応答して自動的に移動することもある。モバイルコンピュータ4が移動するにつれて、モバイルコンピュータのロケーションは、装置内のGPSセンサによって追跡され、見ることができる地域及び地図は、モバイルコンピュータ4の移動に対応するように自動的に更新する。
【0046】
インターフェース300は、土壌及び土地条件データのような様々なタイプのデータをモバイル装置4のユーザに表示してもよい。このようなデータは、例えば、pHバランス、テクスチャ、密度、傾斜、組成、塩分濃度などを含んでもよい。このデータは、地方規模、国家規模又は世界規模でもよいシステム1の外部又は内部にある多数のデータベースから取得されてもよい。1つのこのようなデータベースは、ハーモナイズド世界土壌データベース(Harmonized World Soil Database)であり、経度及び緯度座標によってインデックス付けされた土壌情報の世界的資源を提供する。モバイル装置4は、情報がロケーションに従って精密に地図に書き込まれ、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを介してインデックス付けされるように、このようなデータベースから取り出された土壌情報の地理的ビューを表示してもよい。
【0047】
1つのタイプのセットバックは、水井戸を取り囲む地域である。飲料水は、異なる色、強調表示、陰影、ピンポイント、又はクロスハッチのような様々な視覚的技術を使用して地図上に示されることができ、特有のセットバック距離範囲に関連付けられている。モバイル・コンピュータ・インターフェース300は、地域の図の中で水井戸を示す強調表示された地域を有してもよい。井戸情報は、形状ファイル12として記憶されてもよく、その後の地域の調査で使用されてもよい。過去の調査からの水井戸深度は、井戸の深度に基づいてセットバック距離を定式化するため使用されてもよい。
【0048】
メニュー306の各アイコンは、特有の機能を実行するようにプログラムされてもよい。メニュー306は、各レベルが、例えば、「最良作物」機能のような様々な機能に対応するアイコンの集合を有しているメニューの階層集合を含むようにさらにプログラムされてもよい。一例として、アイコン315は、検索ウィンドウ又は機能を提供してもよい。アイコン316は、物体を移動させるジョイスティックウィンドウを提供するジョイスティック・オン/オフ・ボタンである。ジョイスティックは、スコープを移動させるため動作可能とすることができる。ジョイスティックは、地図上の座標を微調整するため散布監視者に柔軟性を提供することができる。ジョイスティックは、スコープを移動させ、次に、地図のズームレベルに基づいてスコープのx及びy画面ロケーションを緯度及び経度に変換する。視覚情報システム1は、地図の外側境界及びズームレベルを使用することができる。ズームレベルは、地図データから決定することができる。
【0049】
アイコン317は、果樹園のような作物に関係する機能を提供する作物サブメニューにアクセスしてもよい。作物サブメニューは、例示として、ピン、井戸、住宅、及びその他の関心のあるポイントを追加する機能性を有するアイコンをユーザに提供してもよい。関心のあるポイントは、何らかの理由でさらなる調査を行うことを必要とするポイントを定義してもよい。ピンは、散布監視者がこの地域をさらに再調査すべきことを示すため地図にプロットされてもよい。ピンは、具体的な緯度及び経度を有する座標を表現する。果樹園メニューは、果樹園の文書管理をさらに提供してもよい。管理された文書は、特有の果樹園に関連付けられ、製品散布、写真、及びチェックリストのような具体的な情報を含む文書にアクセスできるようにしてもよい。
【0050】
作物サブメニューは、土壌情報をオン及びオフするためスイッチ又はその他の手段を使用して土壌情報を視覚的に表示する機能をさらに提供してもよい。
図3bを参照すると、
図3aの土壌情報は、例えば、衛星画像、道路地図、及び様々な地理特徴を含む対応する土地情報に重畳させて表示される。作物(例えば、果樹園)情報も同様に示される。土壌及び影響を受けやすい土壌は、表示されてもよく、情報ポップアップ・ウィンドウは、システムが土壌形状に関して記憶する全ての情報を示してもよい。作物サブメニューは、バッファ区域と、システム内で計算されたようなバッファの面積とを表示する機能をさらに提供してもよい。その上、作物エーカー数を表示することが可能である。
【0051】
図3a及び3bを参照すると、アイコン318は、マッピング機能サブメニューを提供する。マッピングサブメニューは、現在のスコープロケーションの中心にズームイン又はズームアウトするズーム機能を提供してもよい。その上、視覚情報システムは、選択された果樹園又は作物の中心にズームする作物ズーム機能を提供する。視覚情報システムは、モバイルコンピュータ4の現在のロケーションに焦点を当たるためさらにズームを行うことがあるが、追跡は、このズーム機能を使用するためオンであることが必要とされてもよい。地図サブメニューは、地図タイプの選択肢をさらに示す。例えば、ハイブリッド又は道路地図のような異なる地図タイプが利用できるようにされてもよい。作物をインターフェース300上の中心にする機能が設けられてもよい。追跡機能は、現在の地図ビューに関連してモバイルコンピュータ4の位置を提供してもよい。追跡モードでは、装置4が動き回ると、ドットのような視覚表現がモバイル・コンピュータ・インターフェース300上に表示され、作物領域の内部の装置4の移動に対応して地図上を移動してもよい。散布監視者は、自分の周囲に関連して、表示された地図上で自分の経路を辿るため、この機能を使用することができる。
【0052】
アイコン319は、地図データにポイントを追加し、地図データを修正するため測定メニューを提供してもよい。測定メニューは、システムが果樹園内の現在のロケーションに標準設定している状態で、ポイントへの走行方向をさらに示してもよい。距離測定の機能は、ポイント「A」からポイント「B」までの距離を提供する。これらのポイントは、これらのポイントが実際にどの程度離れているかを決定、又は、視覚的に示すため、ジョイスティックを用いて地図にプロットされてもよい。メニューは、スクラッチから新しい作物ロケーションを開始するため作物ポイントのリセットを行う作物デザイナモードをさらに提供してもよい。この機能性は、散布監視者が地域内に付加的な作物を見つけ、散布監視者が調査すると共に作物ロケーションを作成する必要があるとき、使用されてもよい。
【0053】
メニュー306は、住所オン/オフ機能のためのアイコン320をさらに含んでもよい。住所オン/オフ機能は、マウス又はタッチスクリーンのような入力装置を用いて指示された特有のポイントに最も近い住宅、住居、又はその他のロケーションを見つけ、この住所の正確なロケーションを地図上に表示してもよい。アイコン321は、入力された住所へ「ジャンプ」(すなわち、直行)する機能を提供してもよい。アイコン322は、視覚情報システム1の地図上にポイント・トゥー・ポイントからの情報を表示する情報オン/オフ機能である。
【0054】
ある程度の数の異なる土壌タイプがインターフェース300上に描画された陰影付き形状によって
図3aに表現される。例えば、土壌タイプ312aは、この特有の形状に一意である陰影付きで表示され、全く異なった陰影が設けられた土壌形状312bと区別することができる。土壌のタイプは、異なった色、異なった灰色の陰影、又は異なったパターンによって表現される。しかし、当業者は、その他のパターン、方法、又は表現が異なったタイプの土壌を示すため使用できることを認めるであろう。スコープ308は、異なった土壌を強調表示し、特有の土壌形状313に対応する土壌情報ポップアップ・ウィンドウ314を作動させるため使用されてもよい。図示されるように、土壌313は、「土壌第47番 セフナー細粒砂」という説明が付けられたヒルズボロタイプである。
【0055】
図4を参照すると、モバイル・コンピュータ・インターフェース400は、作物領域(例えば、果樹園領域)402を含む視覚的地図を表示する。作物領域402は、バッファ(例えば、セットバック)404によって取り囲まれて示される。その上、井戸406にマークを付けるポイントが示される。井戸406は、この井戸を取り囲むセットバック領域408を有している。前述の機能を有するメニュー410がこのスクリーンにさらに表示される。その上、引き続き
図4を参照すると、ポイントAからBまで形成された線分412は、ポイントAからポイントBまでの距離を測定するため使用することができる。本例では、線分412は、距離ボックス414に示されるように、945フィートという距離を有している。最後に、1つ1つがセットバック領域420及び422を有している地下水井戸416及び418が示される。一実施形態では、セットバック距離は、この地域内の土壌タイプ又はその他の具体的な物体に基づいて調整することができる。
【0056】
図5を参照すると、本発明の1つの好ましい非限定的な実施形態に係る、作物領域502を有するモバイル・コンピュータ・インターフェース500が示される。作物領域502は、ロケーションピン504a〜504dによって表現されるようにポイントで形成される。ロケーションピン504a〜504dは、具体的な緯度及び経度を提供する。地下水井戸504の実施例は、1000フィートのセットバック・バッファ領域508を有するロケーションピン504a〜504dから形成された作物領域502の外側に見える。その上、100フィートのセットバック512を有する地下水井戸510が示される。地下水井戸510は、住宅514に属しているように見える。100フィートのセットバック・バッファ518を有する地下水井戸516は、隣接する住宅520に属しているように見える。井戸522は、住宅に隣接している、又は、セットバック・バッファに関連付けられているようには見えない。ポイントAからポイントBで形成される直線524は、距離ボックス526に示されるように、2208フィートの距離を有する。
【0057】
散布監視者は、地下水井戸のバッファ地域が果樹園のバッファ地域と交差する地域を再調査する。これは、農業製品の散布が規制されることがある地域である。散布を規制するため、散布監視者は、散布が停止すべき場所でフラグを使用してポイントを特定することができる。これらのフラグは、この地域に到達したときに処置が停止すべきことを農業者又は散布者に示すことになる。その上、農薬の自動散布及びその他の処置は、自動散布設備に直接的に供給された位置決め座標を使用して規制することができる。
【0058】
本発明は、視覚情報システムを使用する方法をさらに含む。情報とログイン起動セクションとを示すスプラッシュ(例えば、導入)画面を有するモバイルコンピュータが用意される。ログインセクションは、選択可能な散布監視者名又はユーザを認証するテキストボックスを提供してもよい。1つの好ましい非限定的な実施形態では、スプラッシュ画面は、現在のロケーション又は指定住所から選択された作物領域への走行方向をさらに提供してもよい。一旦認証されると、作物領域は、作成されるか、又は、開かれるかのどちらかである。作物デザイナモードでは、ユーザは、ユーザが調査している作物のポイントをプロットすることによって新しい作物領域を作成することができる。例えば、散布監視者は、果樹園のパラメータを歩き回り、モバイルコンピュータ4からホストモジュール2にポイントを送信するため視覚情報システム1を使用することもあり得る。その上、ポイントは、例えば、スコープ308を動かすためジョイスティックを使用して、又は、モバイルアプリケーションのモバイル・コンピュータ・インターフェース300内の多角形の内側を選択することによってスコープを位置決めして、画面から直接的に構成することができる。
【0059】
代替的に、散布監視者は、以前に記憶された作物領域を開くこともあり得る。作物領域が選択されたとき、土壌形状ファイル12は、ホストモジュール2から散布監視者のモバイルコンピュータ4に送信される。形状ファイル12は、選択された作物領域の周りの特有の距離(例えば、半径3マイル)に表示される。分断がある場合、視覚情報システムは、地図を自動的に更新してもよい。セットバック、バッファ、及び活性地域のため設けられた距離がある特定の実施形態の特性であり、異なったロケーション、作物、土壌、又は土地に関係するその他の地形特徴を扱うように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0060】
1つの好ましい非限定的な実施形態では、視覚情報システム1は、編集モードを提供してもよい。編集モードでは、ユーザは、ユーザが調査中に見つけた表示中の物体にタグ付けできるようにされてもよい。例えば、果樹園、井戸、又は土地に関係するその他の地形特徴は、ピンによって示されてもよい。視覚システム1は、果樹園に関する情報を有している情報ウィンドウを含んでもよい。この情報が不正確であることが判明した場合、システムは、ユーザがこの情報を編集することを許可する。
【0061】
編集モードにあるとき、メニュー及びスコープは、ドラッグ・アンド・ドロップをするためタッチスクリーン、又はその他の入力装置を使用することによって、自由に移動させられてもよい。画面はロックモードに入れられてもよく、ジョイスティックは、画面に触れることなくピンを移動させるため使用されてもよい。散布監視者が作物情報の全部を入力し、ユーザが編集モードを終了した後、ユーザは、この情報をホストモジュール2と通信しているデータベース15に保存するように促されてもよい。
【0062】
散布監視者が作物領域を調査すると共に、視覚情報システム1は、作物領域のバッファの地域に接近した考えられる地下水井戸のような散布監視者が調査すべき項目を一覧化するためチェックリストメニューを提供してもよい。
【0063】
視覚情報システムは、地域内の住宅をチェックし、色分けするため使用されてもよい。住宅情報は、例えば、納税記録データベースに基づいて地図に書き込まれてもよい。システムは、住宅又はその他の関連情報を自動的に表示するため、グーグル(Google)のような外部情報又はデータソースを使用してもよい。
【0064】
図4を参照すると、散布監視者は、作物領域402を取り囲むバッファ404によって画定された地域を観察してもよい。作物バッファは、作物領域402のコーナーと相対的な実際のバッファ距離を示すため丸みを帯びたコーナーを有する。バッファ・トグル・メニューがバッファ距離を選択するため使用されてもよい。標準設定バッファは、1000フィートにすることができる。しかし、所望のどのような距離でも使用できることが理解されるべきである。例えば、1000フィートは、100から300フィートに加えて、モバイルコンピュータ4にこれらのバッファの1つずつの間で切り替えを行う能力を提供するため使用することができる。その上、いくつのバッファでも指定地域内で使用されてもよい。
【0065】
散布監視者が(井戸416のような)地下水井戸を特定すると共に、モバイルコンピュータ4は、地下水井戸の周りにロケーションピンを構成し、井戸に関する情報を提供するため使用されてもよい。一実施形態では、井戸は、視覚的に色分けされてもよい。例えば、赤色は、適合しない井戸を示すことがあり、緑色は、適合した井戸を示してもよい。黄色い井戸は、井戸パラメータが未知であることを示してもよい(未知の井戸には、標準設定セットバックが与えられてもよい)。バッファ距離は、適合した井戸及び適合しない井戸に対応するように自動的に定義することができる。代替的に、ユーザは、バッファ距離を設定することができる。井戸又はその他の地形特徴を指示又は区別するため使用される方法はいくらでもあることが分かるであろう。
【0066】
以前に検討した井戸に加えて、限定されることなく灌漑用井戸を含むその他のタイプの井戸がシステム内で使用されてもよい。異なった井戸は、異なった色/陰影又は異なったタイプの視覚表現を使用して指示されてもよい。システムは、異なった色マーカー又はその他の視覚的標識を使用することによって、放棄又は放置井戸(すなわち、非飲料放棄として記録された井戸)を示すことができる。飲料水井戸に加えて、動物又は昆虫の巣のような回避されるべきその他の物体が示されてもよい。
【0067】
時折、調査が実施されるとき、関心のある地域に近づけないことがある。例えば、住宅に井戸があるように見えるが、この地域が閉鎖されている場合、散布監視者は、調査を行うためこの地域に入ることができないことになる。しかし、散布監視者が視覚情報システムによって提供された地図上に関心のあるポイントを見つけ、このポイントにアクセスできない場合、散布監視者は、いずれか2つのポイント又は現在ロケーションとポイントとの間の距離を表示するためシステムを使用してもよい。その上、ユーザは、いずれか2つのポイント、又は、現在ロケーションとポイントとの間に指向性方位を見つけることができる。この機能性は、散布監視者に地図上のポイントの方向を見つける能力を提供する。その上、ユーザが地図上の別のポイントを参照したい場合、アプリケーションは、
図3aのアイコン321によって提供される機能のような「ジャンプ」機能を提供し、ユーザが住所をタイプ入力すると、応答して、アプリケーションがこの住所に対応する地域にジャンプすることになる。
【0068】
散布監視者が作物領域を調査すると共に、収集された情報は、この特有の作物領域に関連付けられることがある。その上、文書が散布監視者の到着前に特有の作物領域に関連付けられることがある。例えば、散布監視者が調査を開始する前に、果樹園の作成と共に、化学物質の要件が分かる物質の安全・危険リストをシステムに入力することができる。この情報は、特有の安全要件に関する質問が生じた場合、現場にいる散布監視者がモバイルコンピュータ4を介してアクセス可能である。
【0069】
散布監視者は、製品制限地域を見つけるため、モバイルコンピュータ4を使用してもよい。必要に応じて、散布監視者は、画面を最大化し、そして、散布者又は農業者は、製品散布が停止されるべき場所を見つけることができるように、セットバックの線を辿る地面にロケーションマーカーを設置する(例えば、結び付ける、又は、そうでなければ、固定する)ためセットバック・バッファを追跡する。マーカーが地面に設置されると共に、ロケーション座標(緯度及び経度)を散布者に送信することができる。タイボタンは、ユーザが異なったタイタイプを提供し、タイロケーション毎の座標をホストモジュール2又は何らかの他のシステムへ送信することを可能にするためインターフェースに設けられてもよい。システム1は、いずれか2つのポイント、又は、現在ロケーションとポイントとの間の方位を示すために使用することができる。これは、ポイントの方向を見つけることを目的とする。
【0070】
視覚情報システムは、モバイル装置4に、「終了」、「準備完了」、又は「問題」のようなシステム内の個々の作物領域の状態を表示することができる。これは、システムが未だ更新されていないこと、又は、システムがこの特有の作物領域に対して完成していないことを示してもよい。URL符号化情報のような情報は、現在ロケーションに関する情報を有する電子メールによって送信されてもよい。作物監視ボタンは、マネージャに何らかの情報を電子メールするように構成することができる。
【0071】
さらなる非限定的な実施形態では、散布監視者のセッションを回復する方法が提供される。システム1は、モバイルコンピュータ4上の端末エラー又は接続失敗の場合に、セッションが回復させられる能力があるセッション継続を行うことができる。モバイルコンピュータ4は、状態情報をホストモジュール2に送信する。この情報は、この情報が獲得されたままで、ホストモジュール2によって、又は、システム1のその他の部分によって保持される。状態は、状態情報から再構成し、モバイルコンピュータ4に返信することが可能であり、この情報は、散布監視者の調査を見直すためモバイルコンピュータ4によって使用される。散布再開ボタンは、付加メニュー項目として設けられてもよい。
【0072】
図6を参照すると、2つの隣接する土壌領域、土壌A及び土壌Bを有する果樹園600が示される。土壌領域A及び土壌領域Bが形状ファイル12(図示せず)から描画される。形状は、土壌領域のための特有の多角形又は形状を記述する端点を使用することによって作られる。形状ファイル12は、多数の端点を有してもよく、端点は、長距離にわたって延びてもよい。散布監視者のモバイル装置4(図示せず)に送信される形状ファイル12の数を制限するため、視覚情報システムは、作物ポイントからある特定の距離の範囲内にある形状ファイル12を決定する。例えば、画像を閲覧することによって、土壌Aが果樹園600の近くにあり、土壌Bがさらに離れていることが明瞭である。予め選択された閾値を使用して、システムは、土壌が地図上で使用されるべきかどうかを決定するため、果樹園ポイント情報と比較して、個々の土壌形状又は多角形のさらなるポイントの1つずつを見つけることが可能である。この場合、土壌Aは、最も遠いポイントA及び最も遠いポイントBを有し、土壌Bは、最も遠いポイントX及び最も遠いポイントYを有する。
図6において分かるように、果樹園の周りで(ある半径を有する円形602によって表現された)閾値距離が使用される場合、システム1は、多角形の最も遠いポイントのうちの1つが閾値距離602の範囲内にあるどのような多角形でも使用することになる。図示されるように、ポイントXは、果樹園600の閾値距離の範囲内にある。したがって、閾値技術を使用して、土壌Bは含まれることになり、土壌Aは含まれないことになる。
【0073】
引き続き
図6を参照すると、活性土壌技術を使用してポイントを計算することによって、含まれるべき土壌形状データを決定するさらなる非限定的な実施形態が説明される。活性土壌技術では、視覚情報システムは、多角形604及び多角形608によって表現された多角形を使用して活性土壌形状を決定する。これらの多角形は、対応する土壌形状に対する形状データの最も外側のポイントを使用して定式化される。
図6に示されるように、土壌Aの周りの多角形604は、果樹園600と交差するので、土壌Aは、活性土壌であると決定される。土壌Bは多角形608の内部で果樹園と交差していないので、土壌Bは活性土壌ではない。本例では、
図1a及び1bに関連して前述されたように、活性土壌だけがホストモジュール2からモバイルコンピュータ4に送信される。
【0074】
次に
図7を参照すると、形状多角形70の周りに描画されるべきバッファ71を計算する方法が示される。本明細書中に記載されるように、バッファ71は、内部の多角形70の周りに境界を画定する。図示されるように、プログラム命令は、内部の多角形70の外側の周りにステップでポイントを設ける。ポイントは、多角形70から指定距離にあり、この距離は、バッファセットバック距離72に等しい。概念的な目的のため、バッファセットバック距離72に等しい直径を有する円形73が
図7に示される。例えば、バッファセットバック距離72が300フィートである場合、システムは、300フィートの直径を有する円形を使用することになる。システムは、次に、形状多角形の外側エッジに沿ってステップ状に進み、各ステップで円形73の最も外側のポイントにマークを付ける。例えば、10フィートのステップを使用すると、正確なバッファを作成するため十分な距離がポイント間に設けられる。バッファ71の正確さは、ステップをより小さい距離、例えば、1フィートに減少させることによって増大されてもよい。システムが多角形70のコーナー(例えば、ポイントx、y、z、zz)、本例では、果樹園多角形70から形成された線のエッジに沿ってステップ状に進むと共に、システムは、これらのポイントを配列のようなデータ構造体に記憶する。この移動は、システムがバッファ71を作成するため必要である最後のポイントに達するまで線に沿って継続する。システムは、次のポイントに達するまで移動する。円形73のどの部分も内部の多角形70の範囲内にない場合、システムは、配列内のポイントを維持し、次の線分に取りかかる。代替的に、円形のいずれかの部分(例えば、ポイントj)が果樹園多角形70の範囲内にあるとき、システムは、システムがこの方向に移動し過ぎたと判定し、最後のポイントまで後戻りする。次に、システムは、方位を決定し、多角形の範囲内にないポイントを有する次の線分の開始ポイントへ移動する。
【0075】
本発明の1つの非限定的な実施形態では、モバイルコンピュータ4は、一般利用可能な土壌データベース(すなわち、ハーモナイズド世界土壌データベース)から引き出される情報に基づく作物生育可能性に関係する計算法を提供するか、又は、ホストモジュール2から取り出すように構成されている。このデータベースを使用すると、モバイルコンピュータ4は、ユーザのGPSロケーションを決定し、このロケーションをホストモジュール2に送信し、そして、その地域に存在する土壌に関係する情報を受信するように構成されてもよい。この情報は、限定されることなく、pHと、砂と、シルトと、グラベルと、有機含有物と、傾斜密度と、排水と、その他の特性及び事項とを含む予想される土壌のミックスを含んでもよい。ホストモジュール2、又は、不可欠なデータを受信した後のモバイルコンピュータ4は、土壌情報に基づいてこの地域内での特有の作物の成長確率を計算する。次に、特有の作物がこのロケーションで成長することがどの程度期待されるかを示す予想がモバイル・インターフェース300上でユーザに提供される。
【0076】
1つの非限定的な実施形態では、モバイルコンピュータ4は、土壌条件及びその他のデータに基づいて特有の地域で成長する理想的な1つ又は複数の作物を複数のデータベース及びその他の情報源に基づいて決定するため、場合によりモバイル・コンピュータ・インターフェース300を介して、「最良作物」機能を提供する。この機能は、農業者などが自分の毎年の作物区画に関する経験に基づいた決定を行うことを可能にする。この「最良作物」機能は、限定されることなく、栄養素及びその他の化合物のレベルをはじめとした土壌タイプと、地下水データ、排水データ、乾燥データ、期待気象条件及び履歴データを含むデータを考慮してもよい。アルゴリズムは、農業者にアドバイスするためその他の指定された入力と共に所望の要因を重視する。データは、提案及び/又はアドバイスを定式化するため種々のソースから抽出されてもよい。
【0077】
一例として、「最良作物」機能は、土壌情報を取り出し、ミックス指数を決定するためハーモナイズド世界土壌データベースを使用してもよい。ミックス指数は、地域内の1つ以上の作物に対する成長潜在力に対応する番号である。ミックス指数が決定された後、雨量、温度、湿度、熱指数及びその他の関連データのようなその他の情報が最良の成長潜在力を持つ作物のリストをさらに圧縮するため計算に入れられる。これらの計算の最終結果は、農業者に自分の具体的な地域内で成長する作物のリストを今度の日付範囲の間に成功するパーセンテージ確率と共に提供する。例えば、「最良作物」機能のユーザに表示される結果は、トウモロコシが9月15日から9月30日の間に成長する見込みが92%であり、10月1日から10月15日の間に成長する見込みが86%であり、10月16日から10月30日の間に成長する見込みが80%であることを指定してもよい。さらに、「最良作物」特徴の機能性は、例えば、現在の先物価格/商品価格と、地元の需給データとを考慮する収益性決定を含んでもよい。多数の他のデータの集合は、農業者が自分の土地の収益性及び活用を最大化することを可能にするため「最良作物」機能に組み込まれる可能性がある。この特有の特徴の実施形態では、「最良作物」決定は、必要とされるデータベースを使用できるいずれのコンピューティング装置上でも実行することができる。
【0078】
本発明のさらなる非限定的な実施形態では、モバイルコンピュータ4は、場合によりモバイル・コンピュータ・インターフェース300を介して、指定バッファ区域との整合性を確認するため世界的規模の当局の点検機能をサポートする。世界的規模の当局の点検機能は、政府機関と連携する農業者が遺伝子組み換え試験作物のための地域を指定することを可能にする。この機能は、適正評価及び監査ツールとして役立ち、ロケーションデータ、現場地域データ、バッファ地域データ、写真、及び、調査現場に関連したその他の形式のデータを獲得する。このような機能性は、調査員が地域の調査を完了するために複数の物品/ツールを現場に携帯する必要性を無くすため、生物科学現場調査に使用されてもよい。世界的規模の当局の点検機能は、遺伝子組み換え作物のための地域を指定するため農業者によって使用されたバッファを確認するためにデータを収集する。世界的規模の当局の点検機能は、地域調査が完了すると、調査員がデータを収集し、報告書を自動的に生成することを可能にするので、時間及び労力を節約する。この機能はバッファ及び組み換え作物のロケーションを確認することによって、農業に影響を与えるUSDAバッファ要件及びその他の規制との整合性を保証する。この機能は、十分なバッファが作物を取り囲むことと、さらに、作物受粉の危険が無いこととを農業者又は調査員が証明することにも役立つ可能性がある。
【0079】
本発明の別の非限定的な実施形態では、モバイルコンピュータ4は、使用される土地の量及び予想収穫量に関して遺伝子組み換え作物が与えることになる影響を決定する(又は、リモートコンピュータから決定を受信する)ように構成されている。この機能性は、個人が広い地域を評価し、同等の非組み換え作物が成長する可能性がある土地の量と比較した作物が成長した土地の量のような、遺伝子組み換え作物が土地に与えることになる影響の範囲を決定することを可能にする。例えば、世界中の多くの地域において、土壌中の塩分レベルは、成長するかもしれない作物のタイプ及び量を著しく低下する。米の種が塩分土壌への耐性を高めるため遺伝子組み換えされている場合、農業者は、塩分レベルの低い土地の区画で非組み換え種を成長させるより、土地のより広い区画で組み換え種を成長させると収益性が高くなるかどうかを決定する必要であるかもしれない。土壌条件に関するデータベースに記憶された情報を利用することによって、この機能は、遺伝子組み換え作物が与えることになる影響を計算するため土地の広い区域を分析し、このような作物がこれらの作物が成長し得る土地の量に基づいてより収益性が高くなるかどうかを分析してもよい。
【0080】
「モバイルコンピュータ」又は「モバイル装置」は、本明細書で使用されるように、現場から、プログラミング命令、コードなどのようなコンピュータ読み取り可能な命令を記憶し実行する適切な処理の仕組み及びコンピュータ読み取り可能媒体を指す。
図2に示されるように、モバイルコンピュータ200、244がコンピューティングシステム環境202に設けられる。このコンピューティングシステム環境202は、限定されることなく、適切な動作と、コードの実行と、データの作成及び通信とのためのある特定のコンポーネントを有する少なくとも1台のコンピュータ200を含んでもよい。例えば、コンピュータ200は、適切データ形式及びフォーマットで受信されたコンピュータベースの命令を実行するために役立つ処理ユニット204(典型的に、中央処理ユニットすなわちCPUと称される)を含む。さらに、この処理ユニット204は、直列、並列、又は、コンピュータベースの命令の適切な実施のための何らかの他の方法でコードを実行するマルチプロセッサの形をしていてもよい。コンピュータ200の様々なコンポーネントの間で適切なデータ通信及び情報処理を容易にするため、システムバス206が利用される。
【0081】
コンピュータ200は、種々のディスクリート型コンピュータ読み取り可能な媒体コンポーネントを含んでもよい。例えば、これらのコンピュータ読み取り可能な媒体コンポーネントは、コンピュータ200によってアクセスすることができる、揮発性媒体、不揮発性媒体、着脱式媒体、非着脱式媒体などのような何らかの媒体を含んでもよい。さらなる例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造体、プログラムモジュール、もしくは、その他のデータのような情報の記憶のためのいずれかの方法又は技術で実施される媒体と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、電気的消去可能リード・オンリー・メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、もしくは、その他のメモリ技術と、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは、その他の光ディスクストレージと、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくは、その他の磁気記憶装置と、又は、所望の情報を記憶するため使用することができ、かつ、コンピュータ200によって利用することができる何らかのその他の媒体とのようなコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。さらに、このコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造体、プログラムモジュール、もしくは、その他のトランスポートメカニズムのような通信媒体を含んでもよく、何らかの情報配信媒体、(有線ネットワーク及び直接有線接続のような)有線媒体、及び(音響信号、無線周波数信号、光信号、赤外線信号、バイオメトリック信号、バーコード信号などのような)無線媒体を含んでもよい。当然ながら、上記のいずれかの組み合わせが同様にコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲に含まれるべきである。コンピュータは、小型モバイル装置として実施することが可能であり、
図1a及び1bに示されるように、ホストモジュール2と相互接続されているモバイルネットワークと通信することができるモバイル通信のためのいずれかの方法又は技術で実施されるようなアンテナを含むことがあり得る。
【0082】
コンピュータ200は、ROM及びRAMのような揮発性メモリ及び不揮発性メモリの形をしたコンピュータ記憶媒体を備えるシステムメモリ208をさらに含む。
【0083】
引き続き
図2を参照すると、コンピュータ200は、その他の着脱式又は非着脱式の揮発性又は不揮発性コンピュータ記憶媒体製品をさらに含んでもよい。例えば、コンピュータ200は、ハードディスクドライブ212、すなわち、非着脱式不揮発性磁気媒体と通信し制御する非着脱式メモリインターフェース210と、(着脱式不揮発性磁気ディスク218に読み書きする)磁気ディスクドライブユニット216、(CD−ROMのような着脱式不揮発性光ディスク222に読み書きする)光ディスクドライブユニット220、着脱式メモリカードとの通信に用いられるユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート221などと通信し制御する着脱式不揮発性メモリインターフェース214とを含んでもよい。しかし、限定されることなく、磁気テープカセット、DVD、デジタル・ビデオ・テープ、ソリッドステートRAM、及び、ソリッドステートROMなどを含むその他の着脱式又は非着脱式の揮発性又は不揮発性コンピュータ記憶媒体を典型的なコンピューティングシステム環境200で使用することが可能であると想定される。これらの様々な着脱式又は非着脱式の揮発性又は不揮発性磁気媒体は、システムバス206を介して、コンピュータ200の処理ユニット204及びその他のコンポーネントと通信している。前述の、そして、
図2に例示されたドライブ及びドライブに付属するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ200のためのオペレーティングシステム、コンピュータ読み取り可能な命令、アプリケーションプログラム、データ構造体、プログラムモジュール、プログラムデータ、及び、その他の命令ベースのコンピュータ読み取り可能なコードを記憶する(システムメモリ208中でのこの情報及びデータの重複を問わない)。
【0084】
(散布監視者のような)ユーザは、モバイルコンピュータ入力インターフェース228を介して、キーボード224、マウス226などのようなある特定の装着可能又は動作可能な入力装置を通してコマンド、情報、及びデータをコンピュータ200に入力してもよい。当然ながら、種々のこのような入力装置、例えば、データの入力と、外部ソースからコンピュータ200への情報の入力とを容易にする何らかの構成体を含むマイクロフォン、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スキャナなどが利用されてもよい。前述の通り、これらの入力装置及びその他の入力装置は、多くの場合、システムバス206に結合されたモバイルコンピュータ入力インターフェース228を介して処理ユニット204に接続されているが、並列ポート、ゲームポート、又はユニバーサル・シリアル・バス(USB)のようなその他のインターフェース及びバス構造体によって接続されることもある。さらに、データ及び情報は、(この情報及びデータを電子形式で視覚的に表示する)コンピュータ表示システム230、(この情報及びデータを印刷形式で物理的に表示する)プリンタ232、(この情報及びデータを可聴形式で聴覚的に提示する)スピーカー234などのようなある特定の出力装置を通して、理解できる形式又はフォーマットでモバイルコンピュータに提示されるか、又は、供給されることが可能である。これらの装置の全てがシステムバス206に結合された出力インターフェース236を通してコンピュータ200と通信している。何らかのこのような周辺出力装置が情報及びデータをモバイルコンピュータに提供するため使用されると想定される。
【0085】
コンピュータ200は、コンピュータと一体的であるか、又は、コンピュータから遠くにある通信装置240の使用を通して、ネットワーク環境238において動作してもよい。この通信装置240は、通信インターフェース242を通して、コンピュータ200のその他のコンポーネントによって動作可能であり、かつ、これらのその他のコンポーネントと通信している。このような構成体を使用することによって、コンピュータ200は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワーク・パーソナル・コンピュータ、ピア装置、又はその他の共通ネットワークノードでもよいリモートコンピュータ244のような1台以上のリモートコンピュータと接続してもよく、又は、そうでなければ、通信してもよく、典型的にコンピュータ200に関して前述されたコンポーネントのうちの多く又は全部を含んでもよい。適切な通信装置240、例えば、モデム、ネットワークインターフェース又はアダプタなどを使用して、コンピュータ200は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)及びワイド・エリア・ネットワーク(WAN)の内部で動作し、そして、ローカル・エリア・ネットワーク及びワイド・エリア・ネットワークを通して通信してもよいが、仮想プライベートネットワーク(VPN)、オフィス内ネットワーク、企業内ネットワーク、イントラネット、インターネットなどのその他のネットワークを含んでもよい。図示されたネットワーク接続は、典型例であり、コンピュータ200、244の間で通信リンクを確立するその他の手段が使用されてもよいことが分かるであろう。衛星からの無線信号だけ、又は、前処理された衛星信号を使用する独立型又はアシスト型全地球測位システム(GPS)動作のようなその他のサービスを提供することが可能である。アシスト型GPSは、弱い信号条件でより高速かつより良好に衛星を見つけ、利用するためネットワーク資源を付加的に使用する。
【0086】
本明細書で使用されるように、コンピュータ200は、本発明の方法及びシステムの処理ステップを実行及び実施し、それによって、特化された、特有のコンピューティングシステムを形成するため、適切なカスタムデザインされた、又は、従来型のソフトウェアを含むか、又は、実行するように動作可能である。したがって、本発明の方法及びシステムは、方法、プロセス、及び、本発明に関連して後述される変形データ操作を処理ユニット202に実行させ、構成され、又は、そうでなければ、実施させるコンピュータ読み取り可能なプログラムコード又は命令を記憶する能力があるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を有する1台以上のコンピュータ200又は類似したコンピューティング装置を含んでもよい。さらに、前述されたようなコンピュータ200は、
図2に示されたようなモバイルコンピュータ2とすることが可能である。モバイルコンピュータは、本発明のコンピュータ実装方法及びシステムを効果的に実施するためにデータを適切に処理する必要な処理ハードウェアを有しているiPad、iPhone、パーソナルコンピュータ、個人情報端末、携帯型コンピュータ、ラップトップ、パームトップ、モバイル装置、携帯電話機、サーバ、又は何らかの他のタイプのコンピューティング装置とすることが可能である。
【0087】
発明は、現時点で最も実際的であり、かつ、好ましいと考えられる実施形態に基づいて、例示の目的のため詳細に記載されているが、このような詳細は、単に例示の目的のためであり、発明は開示された実施形態に限定されることなく、それどころか、請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれる変形及び均等構成を対象とすることを意図していることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な範囲内で、いずれかの実施形態の1つ以上の特徴がいずれかの他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができることが理解されるべきである。