【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は請求項1の工作機
械を提供する。従属請求項は本発明の好適な実施形態に関する。
【0007】
この状況にて、本発明は、数値制御可能な回転軸を有した
第1工具担持体を提供すると
いう概念に基づき、回転軸上には回転軸の回転の軸線に対して
第1工具担持体の両側に位置付けられた2つの工具タレット
ヘッドが
備えられる。
第1工具担持体は回転制御可能な回転軸により回転可能であり、これにより、第1工具タレット
ヘッドの工具が工作機械の1つのワークスピンドルに
アライメント調整可能であり、また、第2工具タレット
ヘッドの工具が工作機械のワークスピンドルにアライメント調整可能となる。従って、単一の
第1工具担持体により、工作機械には自由に使用可能な多数の工具が備えられる。
【0008】
また、
工作機械としての対をなす旋盤に
前記第1工具担持体を提供することが可能
で且つ特に好適となり、ここでの旋盤は、互いに対向する2つのワークスピンドルを含み、これらワークスピンドルは平行又は同軸的に配置され
ている。これにより、回転軸により
第1工具担持体を回転させることで、工具担持体の2つの工具タレット
ヘッドの1つ
にて、互いに反対側に位置した工具を用い
て、ワークスピンドルの両方
でワークピース
を同時に加工
できる構成のみならず、第1工具タレット
ヘッド及び第2工具タレット
ヘッドの各々
の工具によりワークスピンドルの両方にてワークピース
を同時に加工
できる構成が可能となる。この結果、本発明の
工作機械、即ち、第1工具担持体によれば、単一の
第1工具担持体のみ
の非常にコンパクトな構成で、多数の
異なる工具を用い、多数の異なる加工オプションを提供することが好適に可能となる。
【0009】
本発明によれば、本発明の上述した概念に基づき、
旋盤等の工作機
械のための
第1工具担持体が提供される。該
第1工具担持体は、
第1工具担持体を回転
させる数値制御可能な回転軸と、複数の工具を担持し且つ第1タレット軸
線の回りに回転可能に取り付けられた第1工具タレットヘッドと、複数の工具を担持し且つ第2タレット軸
線の回りに回転可能に取り付けられた第2工具タレットヘッドとを備える。また、本発明によれば、回転軸の回転の軸線に関し
て、
第1工具担持体の両側に位置付けられた第1工具タレットヘッド及び第2工具タレットヘッドが提供される。
【0010】
従って、本発明の
第1工具担持体は、該
第1工具担持体がワークスピンドルのワークピースを加工するために好適に配置された2つの工具タレット
ヘッドを有することでコンパクトにして提供され、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関して非常に高い自由度を許容するので、可能な限り多数の工具でもって複数のワークピースの効率的な加工
が可能となり、この結果、
個別に制御可能な複数の工具
担持スライダが
考えられる。
【0011】
以下に本発明の好適な複数の実施形態が記載される。これら実施形態は個々に、又は、更に好適な本発明の実施形態となすために製作可能である。
【0012】
好ましくは、第1タレット軸
線は第2タレット軸
線と平行、特に同軸的にアライメント調整されている。従って、
第1工具担持体はよりコンパクトに好適に構成され且つ複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースと間
での相対移動の制御に関して更なる改良を許容する。
【0013】
好ましくは、第1工具タレットヘッドの第1タレット軸
線及び/又は第2工具タレットヘッドの第2タレット軸
線は回転軸における回転の軸線に関して横断する方向、特に垂直にアライメント調整されている。このことは、第1又は第2タレット軸
線の方向付けが回転軸により連続して変更可能であるので、
第1工具担持体
の工具の
提供又は工具
のアライメントを著しく改善する。従って、このことは複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関して、更なる改良を可能にする。
【0014】
また、特に好適な実施形態において、
第1工具担持体は、回転軸
の回転の軸線と平行な方向に第1及び第2
工具タレットヘッドを移動させる数値制御可能な線形軸を含む。この場合、好ましくは
、線形軸は伸縮可能な線形軸として構成され、この線形軸は非常にコンパクトになり、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動に関し、自由度の更なる改良を許容する。
【0015】
好ましくは、
第1工具担持体
はハウジングを含み、こ
のハウジング内に回転軸の駆動部及び/又は
随意の線形軸の駆動部が位置付けられる。従って、回転軸の駆動部及び線形軸の駆動部が1つのハウジングに収容さ
れるなら、その構成はよりコンパクトとなる。
【0016】
特に好適な実施形態によれば、第1工具タレットヘッドは径方向
のタレットヘッドとして形成され、第1工具タレット
ヘッドの外周に複数の工具又は複数の工具ホルダのための複数のマウントが配置されているか、及び/又は、第2工具タレットヘッドは径方向
のタレットヘッドとして形成され、第2工具タレットヘッドの外周に複数の工具又は複数の工具ホルダのための複数のマウントが配置されている。このことは、タレット軸
線の方向付けに依存
したタレット軸
線回りの回転により、複数の工具又は複数の工具を担持する複数の工具ホルダの複数のマウントの径方向
の配置により、複数ワークスピンドル
のワークピー
ス又は複数のワークスピンドルに対して
、複数の工具
が径方向、軸
線方向及び傾斜方向にアライメント調整可能となる利点を有する。
【0017】
本発明の更なる他の形態によれば、工作機械、特に旋盤が提供され、この工作機械は上述の実施形態の1つの第1工具担持体を備えている。
【0018】
好ましくは、工作機械は機械フレームと、該機械フレームに配置さ
れ、第1ワークピースを受け取
る第1ワークスピンドルとを備える。好ましくは、第1工具担持体は機械フレームに配置され、第1ワークピースを加工するため、第1ワークスピンドルに受け取られた第1ワークピースに
第1工具担持体に保持された1つの工具をアライメント調整可能に構成されている。
【0019】
好ましくは、第1工具担持体の回転軸は第1ワークスピンドルのスピンドル軸
線に対して横断する方向
又は垂直にアライメント調整されている。好ましくは、この後、第1及び第2工具タレットヘッドは回転軸の回りに第1工具担持体を回転させることより、第1ワークスピンドルのスピンドル軸
線に対して横断する方向にアライメント調整可能である。好ましくは、この後、第1及び第2工具タレットヘッドのタレット軸
線は、
回転軸の回りに第1工具担持体を回転させることにより、第1ワークスピンドルのスピンドル軸
線に対して平行にアライメント調整可能である。特に、好ましくは、第1及び第2
工具タレットヘッドのタレット軸
線は回転軸の回りに第1工具担持体を回転させることにより、第1ワークスピンドルのスピンドル軸
線に対して任意の角度
でアライメント調整可能である。
【0020】
他の好適な実施形態によれば、工作機械はまた、第1ワークスピンドルに対向して機械フレームに配置され、第2ワークピースを受け取
る第2ワークスピンドルを備え、好ましくは、第2ワー
クスピンドルのスピンドル軸
線は第1ワークスピンドルのスピンドル軸
線に対して平行、特に同軸的にアライメント調整されている。この場合、好ましくは、第1工具担持体は第1ワークスピンドルと第2ワークスピンドルとの間に配置されている。従って、工作機械はより顕著にコンパクトに
するうえで好適
なものとなる。
【0021】
好ましくは、第1工具タレットヘッドは、複数の工具又は複数の工具を保持する工具ホルダを受け取
る複数のマウントを備え、好ましくは、第1工具担持体は第1タレット軸
線の回りに第1工具タレットヘッドを回転させることにより、ワークスピンドルの1つに受け取られたワークピースに対して第1工具タレットヘッド
の1つのマウントをアライメント調整すべく構成されている。この場合、好ましくは、複数のマウントは第1タレット軸
線に関し
て、第1工具タレッ
トヘッドの両側
に対をなして配置され、好ましくは、第1タレット軸
線がスピンドル軸
線を横断する方向
又は垂直にアライメント調整されているとき、対をなすマウントの一方のマウントは第2ワークスピンドルに
対してアライメント調整可能であり、その他方のマウントは第1ワークスピンドルに
対してアライメント調整される。このことは、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関し、自由度の更なる改良を可能にする。
【0022】
好ましくは、第2工具タレットヘッドは複数の工具又は複数の工具を保持する複数の工具ホルダ
の複数のマウントを備え、好ましくは、第1工具担持体は、第2タレット軸
線の回りに第2工具タレットヘッドを回転させることにより、ワークスピンドルの1つに受け取られたワークピースに対し、第2工具タレットヘッド
の1つのマウンドをアライメント調整すべく構成されている。この場合、好ましくは、複数のマウン
トは、第2タレット軸
線に関し
て、第2工具タレットヘッドの両側に対をなして配置され、好ましくは、第2タレット軸
線がスピンドル軸
線を横断する方向
又は垂直にアライメント調整さ
れているとき、対をなすマウントの一方のマウントは第1ワークスピンドルに
対してアライメント調整可能であり、その他方のマウントは第2ワークスピンドルに
対してアライメント調整される。このことは、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関し、自由度の更なる改良を可能にする。
【0023】
好ましくは、第1及び第2タレット軸
線の少なくとも1つがスピンドル軸線
と平行にアライメント調整されているなら、第2ワークスピンドルに受け取られたワークピースに第2工具タレットヘッドの1つのマウントをアライメント調整することにより、第1工具タレットヘッド
の1つのマウントは、第1ワー
クスピンドルに受け取られたワークピースに
対して平行にアライメント調整可能である。このことは、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関し、自由度の更なる改良を可能にする。
【0024】
好ましくは、機械フレームは、第1工具担持面を有する第1担持部分と、第2工具担持面を有する第2担持部分と、第1及び第2担持部分間に配置され且つ第3工具担持面を有する中央部分とを含む。この場合、好ましくは、第1担持部分の第1工具担持面及び第2担持部分の第2工具担持面は機械フレームの同一の第1
表面に配置され、中央部分の第3工具担持面は機械のフレームの第2
表面に配置されている。第2
表面は機械フレームの第1
表面に対して実質的に垂直又は傾斜して配置されている。
従って、工作機械はよりコンパクトになる
うえで好適
なものとなる。
【0025】
好ましくは、第1ワー
クスピンドルは第1担持部分に配置され、第2ワークスピンドルは第2担持部分に配置されている。従って、工作機械はよりコンパクトになる
うえで好適
なものとなる。
【0026】
好ましくは、第1工具担持スライダがスピンドル
を横断する方向に変位可能であり、この第1工具担持スライダは中央部分の第3工具担持面に配置され、そして、第1
工具担持体は第1工具担持スライダに配置されている。従って、工作機械はよりコンパクトになる
うえで好適
なものとなる。
【0027】
好ましくは、中央部分は第1及び第2ガイド間
の凹みを備え
ており、該凹み内に向けて第1工具担持体
における回転軸
のハウジングが延びている。従って、工作機械はよりコンパクトになる
うえで好適
なものとなる。
【0028】
好ましくは、第1及び/又は第2ワークスピンドルはスピンドル軸
線の方向に変位可能である。従って、このことは、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関し、
更に顕著な自由度の改良を可能にする。
【0029】
好ましくは、工作機械は、第1担持部分の第1工具担持面に配置された第2工具担持スライダと、該第2工具担持スライダに配置された第2工具
担持体と、及び/又は、第3工具担持スライダに配置された第3工具担持体
とを備える。この場合、好ましくは、第2及び/又は第3工具担持スライダはスピンドル軸
線に対して、平行
な方向又は横断する方向、特に垂直に変位可能である。特に、好ましくは、第2及び/又は第3工具担持体はスピンドル軸
線を横断する第1方向、該第1方向を横断し且つスピンドル軸
線を横断する第2方向、及び/又は、スピンドル軸
線と平行な第3方向に変位可能である。このことは、工作機械への工具
提供の改良、且つ、複数の工具と
複数のワークスピンドルに受け取られ
たワークピースとの間の相対移動の制御に関し、
更に顕著な自由度の改良を可能にする。
【0030】
好ましくは、第2及び/又は第3工具担持体は工具タレットとして
構成され、この工具タレットは少なくとも1つの
工具タレットヘッドを備え、この
工具タレットヘッドは複数の工具を担持し且つ
スピンドル軸線と平行にアライメント調整されたタレット軸
線の回りに回転可能に取り付けられている。他の実施形態で
は、第2及び/又は第3工具担持体
を本発明の1つの
第1工具担持体として
構成できる
。本発明の
第1工具担持体は1つの回転軸と、2つの工具タレット
ヘッドを有し、これら工具タレット
ヘッドは回転軸に関して
第1工具担持体の両側に配置されている。
【0031】
好ましくは、第1担持部分の第1工具担持面及び第2担持部分の第2工具担持面は実質的に同一の第1
表面上に広がり、中央部分の第3工具担持面は第1
表面に対して垂直又は傾斜してアライメント調整された第2
表面上に広がっている。この場合、好ましくは、
第3工具担持面は、機械フレームにおける第1及び第2担持部分の
前記第2表面に関し、機械フレーム内に向けて
変位されている。
【0032】
従って、機械フレーム、即ち、機械フレーム構成が特に好適且つコンパクトに提供でき、この機械フレーム構成内にて、第1工具担持体のための第1工具
担持スライダはワークスピンドル間又は機械フレームの
第1及び第2担持部分間の凹み(該凹みは好適には、前述の幾つかの実施形態にて機械フレーム内の加工スペースを形成する)内にコンパクトに配置可能である。
【0033】
明確に視認可能な加工スペースは視認される方向に開口するか、又は、一面に開口し、
第1及び第2担持部分間に簡単且つコンパクトにして確保される。
第1及び第2担持部分が鉛直にアライメント調整されているなら、スピンドル軸
線は鉛直方向に対して水平にアライメント調整され、
前記第1方向は
第1及び第2担持部分間を実質的に鉛直に走り、また、この構成にて、
好都合な切削屑の回収通路がワークスピンドル及び
前記工具担持体の下方に提供可能
となる。