(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997279
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】電子部品組立体と端子金具との接続構造、電子部品組立体を有する電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20160915BHJP
H01H 45/04 20060101ALI20160915BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
H02G3/16
H01H45/04 D
H05K7/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-531627(P2014-531627)
(86)(22)【出願日】2013年8月20日
(86)【国際出願番号】JP2013072138
(87)【国際公開番号】WO2014030627
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2012-182525(P2012-182525)
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸寛
【審査官】
北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−146939(JP,U)
【文献】
特開2008−226724(JP,A)
【文献】
特開平08−031292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H01H 45/04
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品と、一端側が前記端子部に電気接続されており、他端が端子金具と嵌合される複数のバスバと、を有する電子部品組立体であって、前記複数のバスバの前記他端が前記部品本体の側面と対向する電子部品組立体と、
前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有し、
前記端子金具が、平板部とバネ部とを有し、前記平板部と前記バネ部との間に前記他端を挟むことで前記バスバと嵌合し、
前記電子部品組立体が、前記複数のバスバの前記一端側が取り付けられた樹脂部材をさらに有し、
前記複数のバスバが、前記樹脂部材に接して直角に折り曲げられているか、又は、前記樹脂部材の内部において直角に折り曲げられていることにより前記他端が前記側面に対向する
ことを特徴とする電子部品組立体と端子金具との接続構造。
【請求項2】
前記複数のバスバの前記他端が、前記部品本体の対向する二側面と対向している
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品組立体と端子金具との接続構造。
【請求項3】
前記複数のバスバが、一端側が前記電子部品としてのリレーの端子部に接続され、
前記複数のバスバのうち一部が、一端側がダイオードの端子部に電気接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品組立体と端子金具との接続構造。
【請求項4】
前記複数のバスバの一端側および前記樹脂部材には、前記端子部が通される貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品組立体と端子金具との接続構造。
【請求項5】
外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品と、一端側が前記端子部に電気接続されており、他端が端子金具と嵌合される複数のバスバと、を有する電子部品組立体であって、前記複数のバスバの前記他端が前記部品本体の側面と対向する電子部品組立体と、
前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有し、
前記端子金具が、平板部とバネ部とを有し、前記平板部と前記バネ部との間に前記他端を挟むことで前記バスバと嵌合し、
前記電子部品組立体が、前記複数のバスバの前記一端側が取り付けられた樹脂部材をさらに有し、
前記複数のバスバが、前記樹脂部材に接して直角に折り曲げられているか、又は、前記樹脂部材の内部において直角に折り曲げられていることにより前記他端が前記側面に対向する
ことを特徴とする電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
、電子部品組立体と端子金具との接続構造
、電子部品組立体を有する電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来のリレーの斜視図である。
図8は、
図7に示されたリレーと端子金具との接続構造の斜視図である。
図9は、
図8に示されたリレーと端子金具との接続構造の平面図である。
図10は、
図9中のA−A線に沿った断面図である。
【0003】
図7に示すように、従来のリレー301は、外形が直方体状のリレー本体302と、該リレー本体302の底面302bから突出し、端子金具304(
図10に示す。)と嵌合される複数の板状の端子部303と、を有している。また、
図7の符号302aは、リレー本体302の上面を示しており、符号302c〜302fは、リレー本体302の側面を示している。また、矢印Kは、端子部303と端子金具304との嵌合方向を示している。
【0004】
本明細書では、リレー本体(すなわち部品本体)から端子部が突出する面を、リレー本体の方位にかかわらず「底面」と呼び、その反対面を「上面」と呼ぶ。
【0005】
図8〜10に示すように、従来の「リレーと端子金具との接続構造307」は、
図7に示したリレー301と、該リレー301の複数の端子部303と嵌合される複数の端子金具304と、これらリレー301及び端子金具304が装着される保持部材306と、を有している。また、
図9においては、保持部材306を説明するために、二つのリレー301のうちの一方を図示していない。
【0006】
上記端子金具304は、
図10に示すように、上記リレー301の端子部303と嵌合する雌型の接続部を有している。また、端子金具304は、電線305の端部に接続されている。
【0007】
上記保持部材306は、合成樹脂で構成されている。この保持部材306は、
図8に示すように、リレー装着部363が二つ設けられている。リレー装着部363は、リレー本体302が載置される載置面360と、載置面360の下方に形成され、各端子部303及び各端子金具304を収容する複数の収容室361と、各収容室361内に設けられ、端子金具304に係止するランス362と、で構成されている。また、
図8の符号364は、電気接続箱等のケースに係止する係止部である。
【0008】
上述した「リレーと端子金具との接続構造307」は、例えば、合成樹脂製のケースに収容されて、自動車用電気接続箱を構成する(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−221787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来のリレー301を有する電気接続箱等の構造物においては、最低でも、リレー本体302の高さ寸法h11と、保持部材306の高さ寸法h12とを合わせた寸法の収容スペースが必要であり、高さ方向の寸法、すなわち端子部303と端子金具304との嵌合方向の寸法、が大きくなってしまうという問題があった。なお、保持部材306の高さ寸法h12は、端子部303の長さの2〜3倍程度である。
【0011】
なお、上述した問題は、リレー301を有する構造物以外、例えば、直方体状の部品本体の底面から複数の端子部が突出した電子部品を有する構造物においても、同様に生じ得る問題である。
【0012】
したがって、本発明は、バスバと端子金具の嵌合方向の収容スペースを小さくすることができ
る電子部品組立体と端子金具との接続構造、及び
、電子部品組立体を有する電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品と、一端側が前記端子部に電気接続されており、他端が端子金具と嵌合される複数のバスバと、を有する電子部品組立体
であって、前記複数のバスバの前記他端が前記部品本体の側面と対向
する電子部品組立体
と、前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有し、前記端子金具が、平板部とバネ部とを有し、前記平板部と前記バネ部との間に前記他端を挟むことで前記バスバと嵌合し、前記電子部品組立体が、前記複数のバスバの前記一端側が取り付けられた樹脂部材をさらに有し、前記複数のバスバが、前記樹脂部材に接して直角に折り曲げられているか、又は、前記樹脂部材の内部において直角に折り曲げられていることにより前記他端が前記側面に対向することを特徴とする電子部品組立体と端子金具との接続構造である。
【0016】
請求項
2に記載された発明は、請求項
1に記載された発明において、前記複数のバスバの前記他端が、前記部品本体の対向する二側面と対向していることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記複数のバスバが、一端側が前記電子部品としてのリレーの端子部に接続され、前記複数のバスバのうち一部が、一端側がダイオードの端子部に電気接続されていることを特徴とするものである。請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記複数のバスバの一端側および前記樹脂部材には、前記端子部が通される貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項
5に記載された発明は、
外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品と、一端側が前記端子部に電気接続されており、他端が端子金具と嵌合される複数のバスバと、を有する電子部品組立体であって、前記複数のバスバの前記他端が前記部品本体の側面と対向する電子部品組立体と、前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有し
、前記端子金具が、平板部とバネ部とを有し、前記平板部と前記バネ部との間に前記他端を挟むことで前記バスバと嵌合し、前記電子部品組立体が、前記複数のバスバの前記一端側が取り付けられた樹脂部材をさらに有し、前記複数のバスバが、前記樹脂部材に接して直角に折り曲げられているか、又は、前記樹脂部材の内部において直角に折り曲げられていることにより前記他端が前記側面に対向することを特徴とする電気接続箱である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載された発明によれば、外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品と、一端側が前記端子部に電気接続されており、他端が端子金具と嵌合される複数のバスバと、を有する電子部品組立体において、前記複数のバスバの前記他端が前記部品本体の側面と対向しているので、バスバと端子金具の嵌合方向の収容スペースを小さくすることができる電子部品組立体を提供することができる。
また、このような電子部品組立体と、前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有しているので、電子部品組立体のバスバと端子金具の嵌合方向の収容スペースを小さくすることができる電子部品組立体と端子金具との接続構造を提供することができる。
【0020】
また、前記複数のバスバの前記一端側が取り付けられた樹脂部材をさらに有しているので、本電子部品組立体を保持部材に装着する際に、樹脂部材を押圧することにより容易に装着することができる。
【0021】
また、前記複数のバスバが、前記樹脂部材に接して直角に折り曲げられているか、又は、前記樹脂部材の内部において直角に折り曲げられているので、バスバと端子金具が嵌合する際にバスバに加えられる力を樹脂部材で受けることができ、そのために、バスバが変形することを防止できる。
【0022】
請求項
2に記載された発明によれば、前記複数のバスバの前記他端が、前記部品本体の対向する二側面と対向しているので、バスバと端子金具の嵌合方向の収容スペースを小さくすることができる電子部品組立体を提供することができる。
【0024】
請求項
5に記載された発明によれば、
上記のような電子部品組立体と、前記複数のバスバと嵌合される複数の端子金具と、前記電子部品組立体及び前記複数の端子金具が収容される保持部材と、を有しているので、電子部品組立体のバスバと端子金具の嵌合方向の収容スペースを小さくすることができる電気接続箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる電子部品組立体の斜視図である。
【
図2】
図1に示された電子部品組立体と端子金具との接続構造の斜視図である。
【
図3】
図2に示された電子部品組立体と端子金具との接続構造の平面図である。
【
図5】
図4に示された端子金具付き電線の斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態にかかる電子部品組立体の斜視図である。
【
図8】
図7に示されたリレーと端子金具との接続構造の斜視図である。
【
図9】
図8に示されたリレーと端子金具との接続構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる「電子部品組立体」、「電子部品組立体と端子金具との接続構造」及び「電気接続箱」を
図1〜5を参照して説明する。
【0027】
図1に示す電子部品組立体1は、リレー(請求項の「電子部品」)2と、ダイオード3と、複数のバスバ6と、樹脂部材7と、で構成されている。
【0028】
上記リレー2は、外形が直方体状のリレー本体(請求項の「部品本体」)20と、該リレー本体20の底面20bから突出した複数の端子部21と、を有している。リレー本体20は、対向する上面20a及び底面20bと、対向する側面20c及び側面20dと、対向する側面20e及び側面20fと、を有している。端子部21は、合計五つ設けられている。また、本実施形態では、電子部品組立体1の小型化を図るために基板用リレー2を用いているが、本発明では、プラグインタイプのリレーを用いることも可能である。
【0029】
上記複数のバスバ6は、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、合計四つ設けられている。これらバスバ6は、一端6a側がリレー2の端子部21又はダイオード3の端子部31に電気接続されており、他端6bが端子金具4(
図4に示す。)と嵌合される。また、リレー2の端子部21及びダイオード3の端子部31は、バスバ6の一端6a側に形成された貫通孔を通されて該バスバ6にはんだ付けされている。
【0030】
上記樹脂部材7は、絶縁性の合成樹脂により板状に形成されている。上記複数のバスバ6の一端6a側は、この樹脂部材7に埋設されることで取り付けられている。また、樹脂部材7には、リレー2の端子部21及びダイオード3の端子部31をバスバ6の一端6a側に形成された貫通孔に通すための貫通孔71が形成されている。
【0031】
また、上記複数のバスバ6は、樹脂部材7の対向する二側面から二つずつ突出し、リレー本体20の上面20a側に直角に折り曲げられている。このため、バスバ6の他端6bは、リレー本体20の対向する二側面20c,20dと対向している。また、
図1中の矢印Kは、バスバ6の他端6bと端子金具4との嵌合方向を示している。また、リレー本体20の側面20cと対向した二つのバスバ6の他端6bは、矢印Kと直交する方向に間隔をあけている。同様に、リレー本体20の側面20dと対向した二つのバスバ6の他端6bは、矢印Kと直交する方向に間隔をあけている。
【0032】
このような電子部品組立体1を組み立てる際は、まず、複数のバスバ6の一端6a側をインサート成形により樹脂部材7に取り付ける。そして、リレー2の端子部21及びダイオード3の端子部31を樹脂部材7の貫通孔71及びバスバ6の貫通孔に通し、これら端子部21,31をバスバ6にはんだ付けして組み立てる。
【0033】
また、本実施形態のバスバ6は、一端6a側がインサート成形により樹脂部材7に埋設されて取り付けられているが、本発明においては、インサート成形以外に、バスバ6の一端6a側を樹脂部材7に係止させることで取り付けるようにしても良い。
【0034】
図2〜4に示す「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」は、
図1に示した電子部品組立体1と、該電子部品組立体1の複数のバスバ6と嵌合される複数の端子金具4と、これら電子部品組立体1及び複数の端子金具4が収容される保持部材8と、を有している。また、
図3においては、保持部材8を説明するために、二つの電子部品組立体1のうちの一方を図示していない。
【0035】
上記端子金具4は、
図5に示すように、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、電線5の端部に接続されている。この端子金具4は、上記電子部品組立体1のバスバ6の他端6bと嵌合する雌型の接続部41と、電線5の端部において絶縁被覆52が除去されて露出した芯線51をかしめる一対の圧着片42と、絶縁被覆52の部分をかしめる一対の圧着片43と、を有している。また、接続部41は、平板部44と、平板部44の両端から立設するとともに先端部が平板部44側に曲げられた一対のバネ部45と、を有している。このような端子金具4は、平板部44と一対のバネ部45の先端部との間にバスバ6の他端6bを挟むようにしてバスバ6と嵌合する。
【0036】
また、本実施形態の端子金具4は、接続部41が「ファストン型」と呼ばれるタイプであるが、本発明においては、接続部の形状はファストン型に限定されず、バスバ6の他端6bを収容可能な筒と該筒内に設けられた付勢バネとを有するものであっても良いし、バスバ6の他端6bが差し込まれるスロットを有する音叉形状のものであっても良い。
【0037】
上記保持部材8は、合成樹脂で構成されている。この保持部材8は、
図2,3に示すように、電子部品組立体収容部83が二つ設けられている。電子部品組立体収容部83は、
図4に示すように、リレー2を収容する第1収容室80と、第1収容室80の両側に二つずつ形成され、各バスバ6の他端6b及び各端子金具4を収容する第2収容室81と、各第2収容室81内に設けられ、端子金具4に係止するランス82と、で構成されている。第1収容室80は、上方に開口した凹状に形成されている。第2収容室81は、上下に開口した筒状に形成されている。ランス82は、第2収容室81の内面から延びている。また、ランス82は、端子金具4のバネ部45の縁に係止することで該端子金具4を保持する。また、保持部材8の外面には、電気接続箱等のケースに係止する係止部84が設けられている。
【0038】
また、本実施形態の保持部材8は、電子部品組立体収容部83が二つ設けられているが、本発明においては、電子部品組立体収容部83の数は二つに限定されず、一つでも良いし、三つ以上であっても良い。
【0039】
上記「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」の組み立て手順は以下の通りである。予め電線5の端部に端子金具4を接続しておき、この端子金具付き電線5を第2収容室81の下方から第2収容室81内に挿入し、端子金具4をランス82に係止させる。そして、保持部材8の上方から第1収容室80及び第2収容室81内に電子部品組立体1を挿入し、各バスバ6の他端6bを各端子金具4に嵌合させて組み立てる。また、電子部品組立体1を電子部品組立体収容部83内に挿入する際は、リレー本体20の上面20a及びバスバ6の他端6bを下向きにして樹脂部材7を押圧することにより容易に挿入することができる。
【0040】
上記電気接続箱は、上述した「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」と、該「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」の保持部材8を取り付ける合成樹脂製のケースと、を有している。また、「電気接続箱」は、自動車に搭載されて、前記自動車に搭載された電子機器に対して電力供給及び信号伝達を行うものである。また、本発明では、ジャンクションブロック(ジャンクションボックスとも言う。)、ヒューズブロック(ヒューズボックスとも言う。)、リレーブロック(リレーボックスとも言う。)を総称して、以下電気接続箱と呼ぶ。
【0041】
また、本実施形態の電気接続箱は、保持部材8が前記ケースと別体で形成されているが、本発明においてはこれに限らず、保持部材8が前記ケースと一体で形成されていても良い。すなわち、保持部材8が電気接続箱のケースの一部であっても良い。
【0042】
以上説明したように、電子部品組立体1は、複数のバスバ6の他端6bが、リレー本体20の側面20c,20dと対向しているので、全体の高さ寸法(
図4中にh1で示す。)がリレー2の高さ寸法となる。このような電子部品組立体1を有する「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」は、保持部材8の全体の高さ寸法(
図4中にh2で示す。)が、第1収容室80の高さ寸法と第2収容室81の高さ寸法とを合わせた寸法ではなく、第2収容室81のみの高さ寸法となる。よって、電気接続箱における「電子部品組立体と端子金具との接続構造9」の収容スペース(すなわち保持部材8の収容スペース)を低くすることができ、電気接続箱全体の高さ寸法を低くすることができる。
【0043】
また、上述した実施形態では、電子部品組立体1のバスバ6の他端6bが、リレー本体20の対向する二側面20c,20dと対向した構成であったが、本発明においては、複数のバスバ6の他端6bが、リレー本体20の4面の側面20c〜20fのうちの1面と対向した構成であっても良く、3面と対向した構成であっても良く、4面全てと対向した構成であっても良い。
【0044】
また、上述した実施形態では、電子部品組立体1が樹脂部材7を有していたが、本発明においては、電子部品組立体1が樹脂部材7を有していなくても良い。その場合、複数のバスバ6を仮保持治具などにセットして、これらバスバ6の一端6a側とリレー2の端子部21及びダイオード3の端子部31とをはんだ付けするようにすれば良い。
【0045】
また、本発明においては、前記「電子部品組立体と端子金具との接続構造」及び前記電気接続箱が、上述した電子部品組立体1の代わりに、後述する第2の実施形態の電子部品組立体101を有していても良い。
【0046】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる「電子部品組立体」を
図6を参照して説明する。また、
図6において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0047】
図に示す電子部品組立体101は、リレー(請求項の「電子部品」)2と、ダイオード3と、複数のバスバ6と、樹脂部材107と、で構成されている。本実施形態の樹脂部材107は、第1の実施形態の樹脂部材7がその長手方向に延長された構成である。各バスバ6の直角に折り曲げられた部分は、樹脂部材107の内部に位置している。
【0048】
このような電子部品組立体101は、バスバ6の他端6bと端子金具4(
図4に示す。)が嵌合する際にバスバ6に加えられる力を樹脂部材107で受けることができ、そのために、バスバ6が変形することを防止できる。
【0049】
また、上記第2の実施形態のバスバ6は、樹脂部材107の内部において直角に折り曲げられているが、本発明においては、バスバ6は、樹脂部材107におけるリレー本体20との対向面に接して直角に折り曲げられていても良い。
【0050】
また、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、「電子部品」としての「リレー」を有する「電子部品組立体」を説明したが、本発明の「電子部品組立体」は、リレーに限らず、「外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられた電子部品」を有するものが含まれる。例えば、上記リレー2の代わりに、「外形が直方体状の部品本体及び該部品本体の底面から突出した複数の端子部が設けられたヒューズ」を有している電子部品組立体も本発明に含まれる。
【0051】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1,101 電子部品組立体
2 リレー(電子部品)
4 端子金具
6 バスバ
7,107 樹脂部材
8 保持部材
9 電子部品組立体と端子金具との接続構造
20 リレー本体(部品本体)
20b 側面
20c〜20f 側面
21 端子部