特許第5997293号(P5997293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5997293ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997293
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイス
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/06 20060101AFI20160915BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20160915BHJP
   B01J 20/02 20060101ALI20160915BHJP
   B01J 20/04 20060101ALI20160915BHJP
   F16L 59/06 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   B01J20/06 B
   B01D53/14
   B01J20/02 C
   B01J20/04 C
   F16L59/06
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-549597(P2014-549597)
(86)(22)【出願日】2012年12月21日
(65)【公表番号】特表2015-509827(P2015-509827A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】IB2012057585
(87)【国際公開番号】WO2013098734
(87)【国際公開日】20130704
【審査請求日】2015年12月9日
(31)【優先権主張番号】MI2011A002387
(32)【優先日】2011年12月27日
(33)【優先権主張国】IT
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511020829
【氏名又は名称】サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・トイア
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ヴィスコンティ
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0207958(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00757920(EP,A1)
【文献】 特開2009−101364(JP,A)
【文献】 特表2009−521326(JP,A)
【文献】 特表2009−502472(JP,A)
【文献】 特開2006−043604(JP,A)
【文献】 特開2006−234028(JP,A)
【文献】 特開2009−138890(JP,A)
【文献】 Chang Ryul Jung,Doping effect of precious metal on the activity of CuO-CeO2 catalyst for selective oxidation of CO,Applied Catalysis A:General ,2007年 7月31日,331(2007),112-120
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B01J20/00−20/34
H01J17/24−17/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイスであって、
遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含み、
前記金属パラジウムの量が、前記遷移金属酸化物の全重量に対して0.2から2重量%の範囲にあり、
前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物は、5から50m/gの表面積を有しており、且つ酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅が前記遷移金属酸化物の全重量に対して5から50%の範囲の量で存在しており、
前記ゲッター材料の組み合わせは、水酸化リチウム及び水酸化カルシウムよりなる群から選択される少なくとも一つの金属水酸化物の粉末をさらに含むゲッターデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも一つの金属水酸化物の粉末の、前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物に対する重量比は、20:1から1:1である、請求項1に記載のゲッターデバイス。
【請求項3】
ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイスであって、
遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含み、
前記金属パラジウムの量が、前記遷移金属酸化物の全重量に対して0.2から2重量%の範囲にあり、
前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物は、5から50m/gの表面積を有しており、且つ酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅が前記遷移金属酸化物の全重量に対して5から50%の範囲の量で存在しており、
前記ゲッター材料の組み合わせは、水蒸気吸着材料の粉末をさらに含み、前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物の、前記水蒸気吸着材料の粉末に対する重量比は、5:1から1:120であるゲッターデバイス。
【請求項4】
ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイスであって、
遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含み、
前記金属パラジウムの量が、前記遷移金属酸化物の全重量に対して0.2から2重量%の範囲にあり、
前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物は、5から50m/gの表面積を有しており、且つ酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅が前記遷移金属酸化物の全重量に対して5から50%の範囲の量で存在しており、
前記ゲッター材料の組み合わせが、高分子コンテナ内に含まれているゲッターデバイス。
【請求項5】
前記コンテナは、熱シールされたエンベロープの形態である、請求項4に記載のゲッターデバイス。
【請求項6】
ゲッター材料の組み合わせを含むゲッターデバイスであって、
遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含み、
前記金属パラジウムの量が、前記遷移金属酸化物の全重量に対して0.2から2重量%の範囲にあり、
前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物は、5から50m/gの表面積を有しており、且つ酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅が前記遷移金属酸化物の全重量に対して5から50%の範囲の量で存在しており、
前記ゲッター材料の組み合わせが、複合ポリマーまたは粒状ポリマーの形態でポリマーマトリクス内に分散されているゲッターデバイス。
【請求項7】
二つの壁の間に閉じ込められた内容積を含む真空断熱パネルであって、ゲッターデバイスをさらに含み、前記ゲッターデバイスは、前記内容積または前記内容積に接続された分離容積内に入れられており、
前記ゲッターデバイスはゲッター材料の組み合わせを含み、
遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含み、
前記金属パラジウムの量が、前記遷移金属酸化物の全重量に対して0.2から2重量%の範囲にあり、
前記遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物は、5から50m/gの表面積を有しており、且つ酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅が前記遷移金属酸化物の全重量に対して5から50%の範囲の量で存在している、真空断熱パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲッター材料の新たな組み合わせ、及び前記組み合わせを含む吸着デバイスに関連している。特に、本発明は、真空断熱パネルまたは電子パッケージのような応用に特に関連して、約200℃より上の温度まで加熱することのできないデバイス内の真空の維持に適したゲッターの組み合わせに関連している。
【背景技術】
【0002】
ゲッター材料は、真空の維持が要求される全ての産業的及び商業的応用において極めて有利であるか、または必要不可欠でありさえすることが証明されている。
【0003】
それらの効果及びより幅広い利用を可能にするために、ゲッター材料の吸着特性は、O、N及びHOの除去に関して優れている必要があり、このようにして、真空が維持されなければならない容積内に存在しているガス混合物から主要な大気の気体を除去している。
【0004】
しかしながら、真空が維持されるべき容積を区切る壁の内側のガス混合物は、前記壁を形成する材料の脱ガスに大きく依存しており、及び真空パネルの場合において、粉末、発泡体、またはウール、すなわち高い比表面積を備えた形態に一般的にある任意に存在するフィラーに依存している。例えば、プラスチック材料で作られた高分子フィラーを含むパネルキャビティの場合において、主要な脱ガスはCO及びCOであるのに対して、例えばガラスウールが用いられるとき、Hが主要に存在している。これらのガスの量は、特に空間の製造過程において加熱相が用いられる場合において著しいだろう。これは、例えば、断熱パネルがわずかな時間の間に100℃に近い温度に到達することができる冷蔵庫の製造の場合である。
【0005】
特許文献1は、「デュワー(dewars)」、「サーモス(thermos)」などの真空空間における真空の維持のために、新規な金属酸化物、特に酸化パラジウム(PdO)、及び酸化バリウム(BaO)のような水蒸気吸着材料の組み合わせの利用を記載している。酸化パラジウムは、しかしながら、水素との反応により、金属Pdに変換され、細かく分割された形態を仮定すると、自然発火特性を有しており、結果として、この材料の組み合わせは安全上の理由で推奨されていない。
【0006】
当出願人の名における特許文献2は、乾燥剤化合物で混合されたコバルト(Co)及び銅(CuO)の酸化物が、水素、及び任意にフィラーで充填されているプラスチック材料で作られた断熱空間に存在している主要なガスの一つである一酸化炭素COに対する良好な吸着特性を有していることを記載している。しかしながら、酸化コバルトは、毒物学的観点から、発がん性の活動の可能性が疑われている特定の問題を引き起こし、最近の国際基準はその利用に強い制限を有しており、及び数年の間に最終的な禁止にまで至ることが予期されている。この問題は、最終生成物のライフエンドで、処理される必要のある大規模応用での利用に関して感じられる。
【0007】
Johnson Matthey PLCの名における特許文献3は、コバルト、銅、鉄、ニッケル、セリウム、及び銀の酸化物から選択される単一遷移金属酸化物、及び任意的に乾燥剤と共同して、パラジウムが利用される組成物の利用を記載している。しかしながら、酸化コバルトの利用を含まないこれら上記の組み合わせは、水素に対して減少された、しかしながら相当の、吸着容量を有しているが、一酸化炭素に対しては十分でない吸着特性を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第94/18876号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0757920号明細書
【特許文献3】国際公開第2006/064289号
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/018685号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の目的は、熱活性化を必要とせず、且つ一酸化炭素に対する高い吸着容量を有しており、その高い有害性の理由で酸化コバルトを用いないゲッター材料の改善された組み合わせを提供することである。
【0010】
本願発明の別の目的は、前記ゲッター材料の組み合わせを用いる吸着デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明によれば、これらの、及び他の目的は、遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含むゲッター材料の組み合わせを含有するゲッターデバイスで達成され、前記金属パラジウムの量は、0.2から2重量%の範囲であり、前記遷移金属酸化物は酸化セリウム及び酸化銅を含み、及び酸化銅は5から50%、好ましくは10から20%の範囲の量で存在していることを特徴としており、全ての重量当たりの濃度は、前記遷移金属酸化物の全重量に関して示されている。
【0012】
本願発明の実施形態において、前記遷移金属酸化物の粉末の混合物は、酸化セリウム及び酸化銅からなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の明細書及び特許請求の範囲において、酸化銅は、銅がIIの酸化状態に存在している化合物CuOを意味しており、同時に、酸化セリウムは、セリウムがIVの酸化状態に存在している化合物CeOを意味している。以下の明細書において、略記MOは同様に、遷移金属の酸化物の組み合わせを一般に示すために用いられ、及び略記MO+PdはMOと金属パラジウムの混合物を示している。用語「ゲッターデバイス」は、他のガス種を解放することなく、水素、酸素、一酸化炭素、及び水蒸気のようなガス種を吸着することができるような如何なるデバイスを意味しており、前記デバイスは、−80から80℃の温度範囲で作動することができる。
【0014】
発明者は驚くべきことに、セリウム及び銅の酸化物の混合物の利用が、金属パラジウムを含むとき、これらの酸化物の一つだけが使用される場合と比較して、水素及び一酸化炭素のようなガスの得られるべき満足のいく吸着特性を可能にしている。これは、酸化物の組み合わせの全重量に対して、50%より低いが5%より高く、より好ましくは10から20%の量で酸化銅を含む組み合わせだけである本発明によって得られている。
【0015】
さらに、発明者は、真空断熱の応用の要求による吸着容量を増大させるために、前記酸化物の混合物の重要な特性が、重量当たりの表面積の適切な選択にあることを発見した。実際に、5から50m/gで好ましくは選択される必要がある。例えば特許文献4で説明されているように、表面積のこの範囲は、自動車用途または燃料電池のための触媒における遷移金属酸化物の一般的な同様の混合物とは非常に異なっている。何はともあれ、選択された表面積は、「作業温度」が触媒的応用において一般的に使用されるものより極端に低いような本発明の対象の応用に対して、一酸化炭素についての主張されていた吸着容量及び水素についての予期していなかった追加の吸着容量を有して本発明の構成の使用を可能にしている。遷移金属酸化物の混合物の準備の間に、最終混合物が最高で2重量%のパラジウム(Pd)を含むそのような量で、金属パラジウムの前駆体が加えられる。パラジウムは、可溶性塩、例えば、水和Pd(NOの形態で、同一の溶液に導入することにより、遷移金属酸化物の混合物と共沈殿させることができる。あるいは、パラジウムは、溶液から、あらかじめ形成された遷移金属酸化物の粒子上に堆積されてもよい。遷移金属酸化物の組み合わせは、500μmより小さく、好ましくは0.1から100μmを備える粒子サイズで、粉末の形態で用いられる。
【0016】
上で述べたように、本発明による遷移金属酸化物及びパラジウムの組み合わせは、水素及び一酸化炭素に対して満足のいく吸着特性を導く。しかしながら、発明者は、吸着されるべきガス混合物の組成が要求する場合、少なくとも一つのアルカリ及び/またはアルカリ土類金属水酸化物、好ましくはリチウムまたはカルシウム水酸化物の量を、前記ゲッター材料の組み合わせに加えることにより、一酸化炭素に対する反応度及び吸着容量は増大され得ることを発見した。好ましい実施形態において、遷移金属酸化物及び金属パラジウムの混合物(MO+Pd)の粉末に対する少なくとも一つの金属水酸化物の前記粉末の全体の重量比は、20:1から1:1の範囲で備えられる。
【0017】
Oが除去されるべきガスの間に存在する場合、本発明のゲッター材料の組み合わせは、化学反応を通して不可逆的な方法で水を固定する、従来技術によるものから好ましくは選択される水蒸気吸着材料を備えていてもよい。例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、及びリンの酸化物は本願発明の目的に適している。特に好ましくは、酸化カルシウムの使用である。水蒸気吸着材料は、粒子サイズが約0.1から20μmを有する粉末形態で好ましくは用いられる。湿潤粉体のパッキングの問題を避けるために、不活性材料の粉末、例えばアルミナが水蒸気吸着材料に加えられてもよい。
【0018】
リチウム水酸化物が使用されるとき、及びそれが存在しないときの両方で、遷移金属酸化物及び金属パラジウムの混合物の粉末と水蒸気吸着材料との間の重量比は、幅広い限度内で変化することができ、及び同様に目的の用途及び特に除去されるべき実在のガス混合物の種類に依存している。一般的に、しかしながら、MO+Pd混合物と水蒸気吸着材料の間の重量比は、約5:1から1:120、及び好ましくは1:20から1:120で変化することができる。
【0019】
最後に、さらなる実施形態において、上述の組成物は、少量の酸化マンガンMnOまたは酸化鉄FeOとの混合物で用いられてもよく、吸収されるべきガス混合物が酸素を含む場合、特に役に立つ。本願発明が目的とする応用に対して、MnOまたはFeOの量は、全ての前記ゲッター材料の組み合わせの全量に対して、0.5から20重量%の間で変化しうる。
【0020】
本願発明のゲッターデバイスにおけるゲッター材料の組み合わせは、除去されるべき混合物のガスを透す高分子材料から作られたコンテナ内に配置することによって好ましくは利用され、前記透過性は前記コンテナの壁の多孔性の結果であるか、またはそれらを構成する材料の透過特性の結果である。前記コンテナの形態に関して、特に好ましくは、一つの側面または複数の側面に沿って熱シールされたバッグの形態である。このエンベロープの高分子材料は、不織布の形態にあるポリエチレン、LDPE、HDPE、EVA、SEBSから選択されうる。
【0021】
別の実施形態において、押出または粒状ポリマーがこの分野の周知の技術により製造されてもよく、前記組成物の粉末が分散している。この場合において、LDPE、HDPE、EVA、SEBSのようなポリマー材料が特に好ましい。
【0022】
本願発明及び先行技術に対するその技術的な利点は、以下の例を参照することで説明されることができる。
【0023】
第二の態様において、本願発明は、二つの壁の間に囲まれた内容積を備えた真空断熱パネルにあり、そこでは、遷移金属酸化物及び金属パラジウムの粉末の混合物を含むゲッター材料の組み合わせを含有するゲッターデバイスをさらに含み、前記金属パラジウムの量は0.2から2重量%の範囲であり、前記遷移金属酸化物の粉末の混合物は酸化セリウム及び酸化銅を含み、酸化銅は5から50%、好ましくは10から20%の範囲の量で存在していることを特徴とし、全ての重量あたりの濃度は、前記遷移金属酸化物の組み合わせの全重量に関して示され、前記ゲッターデバイスは前記内容積または前記内容積に接続された分離された容積内に入れられている。
【0024】
[実施例1]10%CuO−CeO/1%Pd
1.5gのCu(CO)(OH)(マラカイト)が、5MのCe(NO・6HO(10ml)水溶液に懸濁された。それから水が蒸発されて、マラカイトを含浸させている。得られた固体生成物は110℃のオーブンで乾燥され、それから0.1MのPd(NO(10ml)水溶液で再び懸濁された。茶色の粉末を得るために水が再び蒸発された。得られた固体は、マッフル炉において、300から500℃の間の温度で5時間分解させられた。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル1として定義され、37m/gの表面積(BET測定)を有している。
【0025】
[実施例2]20%CuO−CeO/1%Pd
2.8gのCu(CO)(OH)(マラカイト)が、4.6MのCe(NO・6HO(10ml)水溶液に懸濁された。それから水が蒸発されて、マラカイトを含浸させている。得られた固体生成物は110℃のオーブンで乾燥され、それから0.1MのPd(NO(10ml)水溶液で再び懸濁された。茶色の粉末を得るために水が再び蒸発された。得られた固体は、マッフル炉において、300から500℃の間の温度で5時間分解させられた。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル2として定義され、19m/gの表面積(B.E.T測定)を有している。
【0026】
[実施例3]10%CuO−CeO/1%Pd及びLiOH
(実施例1で記載したように準備された)10%CuO−CeO/Pd及びLiOHが、4:1の割合で、1時間機械的に混合された。これによって得られた生成物は、ここではサンプル3として定義される。
【0027】
[実施例4(比較)]CuO/1%Pd
13.6gのCu(CO)(OH)が、0.1MのPd(NO(10ml)水溶液に懸濁された。茶色の粉末を得るために水が蒸発された。得られた固体は、マッフル炉において、200℃の温度で5時間分解させられた。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル4として定義され、26m/gの表面積(B.E.T測定)を有している。
【0028】
[実施例5(比較)]Co/1%Pd
PdClの溶液が2MのCo(NO・6HO水溶液に撹拌しながら加えられた。5分後、0.8MのNaHCOの水溶液が加えられた。ガスが解放された。ガスの解放が終わった後で、35%のHが加えられた。Hの添加が終わったら、85℃に加熱された。得られた固体は、ろ過により回収された。Coは最後に130℃のオーブンで10時間乾燥された。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル5として定義され、100m/gの表面積(B.E.T測定)を有している。
【0029】
[実施例6(比較)]80%CuO−CeO/1%Pd
11.1gのCu(CO)(OH)(マラカイト)が、1.1MのCe(NO・6HO(10ml)水溶液に懸濁された。それから水が蒸発されて、マラカイトを飽和させている。得られた固体生成物は110℃のオーブンで乾燥され、それから0.1MのPd(NO(10ml)水溶液で再び懸濁された。緑色の粉末を得るために水が再び蒸発された。得られた固体は、マッフル炉において、300から500℃の間の温度で5時間分解させられた。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル6として定義され、12m/gの表面積(B.E.T測定)を有している。
【0030】
[実施例7(比較)]10%CuO−CeO/0.1%Pd
1.4gのCu(CO)(OH)(マラカイト)が、5.2MのCe(NO・6HO(10ml)水溶液に懸濁された。それから水が蒸発されて、マラカイトを含浸させている。得られた固体生成物は110℃のオーブンで乾燥され、それから0.01MのPd(NO(10ml)水溶液で再び懸濁された。茶色の粉末を得るために水が再び蒸発された。得られた固体は、マッフル炉において、300から500℃の間の温度で5時間分解させられた。このようにして得られた生成物は、ここではサンプル7として定義され、26m/gの表面積(B.E.T測定)を有している。
【0031】
前記実施例のサンプルの吸収容量は、あらかじめ真空にされた部屋の内部で各サンプルを試験ガスの5torrの一定圧力(Ptest)にさらすことにより、水素及び一酸化炭素の吸着テストを通して計算され、部屋は外部から分離されており、且つPtestを必要値まで維持するように調整されたバルブVを通して投与室(dosing romm)のみに接続されている。前記投与室内の圧力の低下は、特定の試験ガスに対するサンプルの吸着容量の測定を与える。
【0032】
前記ゲッターがHまたはCOを除去するとき、Ptestは減少し、及びその値を5torrまで至らせるために、Vが解放され、それにより前記投与室内の圧力を減少させる。
【0033】
除去されるべきガスへの異なる時間の露出の後で、吸収された量として示される結果が、表1で報告されており、ここで、サンプル1、2及び3は、(使用された遷移酸化物粉末が酸化コバルトである)比較実施例5及び(酸化セリウム粉末が使用されず、酸化銅だけが使用された)比較実施例4と比較したとき、両ガスの優れた吸着特性を有していることを証明している。
【0034】
MO+Pdの酸化物の組み合わせにおいて、CuOの高含量(サンプル6)またはPdの低含量(サンプル7)は、Hの吸着特性においてマイナスの効果を有している。全てのサンプルは室温(RT)で試験された。
【0035】
同様に、測定温度の増大(100℃でのサンプル1)は、Hの吸着特性においてマイナスの効果を有している。
【0036】
【表1】