特許第5997331号(P5997331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5997331
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】姿勢矯正具及び姿勢矯正具セット
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   A61F5/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-156301(P2015-156301)
(22)【出願日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年2月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397003747
【氏名又は名称】朝日ゴルフ用品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】内本 浩史
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−094328(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3156790(JP,U)
【文献】 特開2012−040111(JP,A)
【文献】 特開2013−085696(JP,A)
【文献】 特開2002−177309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自由状態で、円弧状に弯曲する左右両端部から中央領域(2)へ幅寸法(W)が次第に減少して該中央領域(2)が最小の幅寸法(W)に絞られて括れた閉環状のバンド部(3)と、上記バンド部(3)の上記中央領域(2)を上下連結する連結部(4)とを、有し、上記連結部(4)は2本のブリッジ(8)(8)を有していると共に、該ブリッジ(8)(8)の内側に窓部(9)が形成され、上記バンド部(3)と上記連結部(4)によって、左右一対の窓部(5)(5)が形成され、柔らかい熱可塑性エラストマーから成る伸縮自在の弾性体(1)をもって、全体が一体に形成され、
上記窓部(5)(5)に使用者の両腕を通して上記バンド部(3)の上記左右両端部を背中側から両肩に掛けて装着した装着状態で、上記バンド部(3)の上記左右両端部の上部から上記中央領域(2)に左右内方斜め下向きの弾発力(F)が発生し、かつ、上記左右両端部の下部から上記中央領域(2)に左右内方への弾発力(F)が発生し、該弾発力(F)(F)をもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成されていることを特徴とする姿勢矯正具。
【請求項2】
上記バンド部(3)は、上記左右中央領域(2)寄りに横断面長円形状の扁平部(6)を有し、上記装着状態で、上記扁平部(6)が背中に沿って当接している請求項1記載の姿勢矯正具。
【請求項3】
自由状態で、円弧状に弯曲する左右両端部から中央領域(2)へ幅寸法(W)が次第に減少して該中央領域(2)が最小の幅寸法(W)に絞られて括れた閉環状のバンド部(3)と、上記バンド部(3)の上記中央領域(2)を上下連結する連結部(4)とを、有し、上記連結部(4)は2本のブリッジ(8)(8)を有していると共に、該ブリッジ(8)(8)の内側に窓部(9)が形成され、上記バンド部(3)と上記連結部(4)によって、左右一対の窓部(5)(5)が形成され、柔らかい熱可塑性エラストマーから成る伸縮自在の弾性体(1)をもって、全体が一体に形成され、上記窓部(5)(5)に使用者の両腕を通して上記バンド部(3)の上記左右両端部を背中側から両肩に掛けて装着した装着状態で、上記バンド部(3)の上記左右両端部の上部から上記中央領域(2)に左右内方斜め下向きの弾発力(F)が発生し、かつ、上記左右両端部の下部から上記中央領域(2)に左右内方への弾発力(F)が発生し、該弾発力(F)(F)をもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成された一揃えの姿勢矯正具(H)(M)(S)から成り、
該一揃えの各姿勢矯正具(H)(M)(S)は、自由状態で相互に同一形状であって、上記弾性体(1)の硬度が異なり、同一人物が装着した際、上記弾性体(1)の伸びに対する上記弾発力(F)(F)が相違するように構成されていることを特徴とする姿勢矯正具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢矯正具及び姿勢矯正具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の背中が丸くなるのを抑制して、猫背を矯正する姿勢矯正具が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−315768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の姿勢矯正具は、使用者の両肩が内側へ強く引っ張られ、肩の動きの自由度が奪われて拘束されたような感じがあり、疲れやすいことがあり、肩に対する環状ベルトの当たりが強く、長時間にわたって装着していると肩に痛みを感じるという欠点があった。また、両肩が後ろへ引かれるような感覚があり、首だけが前に出て、正しい姿勢にならなかった。
【0005】
そこで、本発明は、長時間にわたって違和感なく使用でき、かつ、確実に正しい姿勢を保持する姿勢矯正具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る姿勢矯正具は、自由状態で、円弧状に弯曲する左右両端部から中央領域へ幅寸法が次第に減少して該中央領域が最小の幅寸法に絞られて括れた閉環状のバンド部と、上記バンド部の上記中央領域を上下連結する連結部とを、有し、上記連結部は2本のブリッジを有していると共に、該ブリッジの内側に窓部が形成され、上記バンド部と上記連結部によって、左右一対の窓部が形成され、柔らかい熱可塑性エラストマーから成る伸縮自在の弾性体をもって、全体が一体に形成され、上記窓部に使用者の両腕を通して上記バンド部の上記左右両端部を背中側から両肩に掛けて装着した装着状態で、上記バンド部の上記左右両端部の上部から上記中央領域に左右内方斜め下向きの弾発力が発生し、かつ、上記左右両端部の下部から上記中央領域に左右内方への弾発力が発生し、該弾発力をもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成されているものである。
【0007】
また、上記バンド部は、上記左右中央領域寄りに横断面長円形状の扁平部を有し、上記装着状態で、上記扁平部が背中に沿って当接しているものである
【0008】
た、本発明に係る姿勢矯正具セットは、自由状態で、円弧状に弯曲する左右両端部から中央領域へ幅寸法が次第に減少して該中央領域が最小の幅寸法に絞られて括れた閉環状のバンド部と、上記バンド部の上記中央領域を上下連結する連結部とを、有し、上記連結部は2本のブリッジを有していると共に、該ブリッジの内側に窓部が形成され、上記バンド部と上記連結部によって、左右一対の窓部が形成され、柔らかい熱可塑性エラストマーから成る伸縮自在の弾性体をもって、全体が一体に形成され、上記窓部に使用者の両腕を通して上記バンド部の上記左右両端部を背中側から両肩に掛けて装着した装着状態で、上記バンド部の上記左右両端部の上部から上記中央領域に左右内方斜め下向きの弾発力が発生し、かつ、上記左右両端部の下部から上記中央領域に左右内方への弾発力が発生し、該弾発力をもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成された一揃えの姿勢矯正具から成り、該一揃えの各姿勢矯正具は、自由状態で相互に同一形状であって、上記弾性体の硬度が異なり、同一人物が装着した際、上記弾性体の伸びに対する上記弾発力が相違するように構成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の姿勢矯正具によれば、弾性体の当たりが柔らかく、痛みを感じることなく装着でき、かつ、動きの自由度が高く疲れにくいので、長時間にわたって違和感なく使用できる。肩甲骨を引き寄せるように作用する弾発力によって使用者の背筋を伸ばして、正しい姿勢を維持することができる。
【0010】
また、本発明の姿勢矯正具セットによれば、ゴルフ等のスポーツをする時と日常生活との使用状況の変化に応じて、一揃えの姿勢矯正具から所望の1つを選択して、弾発力(緊締力)の強弱を調節できる。また、販売店に於ては、一揃えの姿勢矯正具から選択して、客に最も望ましいものを勧めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の一形態を示した正面図である。
図2】本発明の姿勢矯正具の平面図である。
図3】本発明の姿勢矯正具の底面図である。
図4図1のA−A断面図である。
図5図1のB−B断面図である。
図6】装着状態を示す斜視図である。
図7】装着状態の要部拡大背面図である。
図8】本発明の姿勢矯正具セットを示した正面図である。
図9】本発明の姿勢矯正具セットの装着状態を示す説明図であり、(A)は強い弾発力の姿勢矯正具の装着状態を示す説明図であり、(B)は中間強さの弾発力の姿勢矯正具の装着状態を示す説明図であり、(C)は弱い弾発力の姿勢矯正具の装着状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示すように、本発明の姿勢矯正具は、全体が伸縮自在の弾性体1から成り、自由状態で左右両端部の幅寸法Wに対し左右中央領域2の幅寸法Wが絞られて括(くび)れた形状の閉環状バンド部3と、左右中央領域2でバンド部3を連結する連結部4とが、一体に形成されている。図6に示すように、本発明の姿勢矯正具は、バンド部3を使用者の(衣服の上から)背中側から両肩に掛けて伸長状態で装着され、バンド部3が伸長状態を維持しつつ、弾発力F,Fによって使用者の肩甲骨を中央に引き寄せるように構成され、使用者の姿勢を適正に保つ姿勢保持具と言い換えることもできる。
弾性体1は、例えば、熱可塑性ゴム(TPR)又は熱可塑性エラストマー(TPE)であって、JIS K7312に規定されるTYPE A試験器を用いて測定される硬度が、A2〜A12に設定されている。好ましくは、硬度A3〜A9とする。即ち、弾性体1は、ゼリー菓子のように非常に柔らかく、かつ、閉環状バンド部3は小さな力で弾性変形させて容易に引き延ばせるように形成されている。
【0013】
図2図3に示すように、バンド部3は、左右中央領域2寄りに、扁平部6を有し、扁平部6は、横断面長円形状に形成されている(図4参照)。
図6に示す装着状態に於て、バンド部3に必然的に捩じれることとなるが、扁平部6は背中に沿って当接するよう構成され、扁平部6が緩いカーブ状の弯曲面をもって使用者の背中側に当接するため、接触面圧が小さく、弱く当たっているように感じられ、装着時の違和感が軽減される。また、扁平部6は、広い面積で接触する為、衣服に対する摩擦力が向上し一層滑りを生じにくくなる。従って、長時間にわたって装着しても位置ズレせず、特に、本発明の姿勢矯正具を装着したまま使用者が歩行したりゴルフ等のスポーツをしたとしても、位置ズレをすることなく、なおかつ、違和感なく装着でき、使用者が正しい姿勢を保つように弾発力F,Fを付与する。
【0014】
また、バンド部3は、左右両端部に弯曲部7,7を有し、弯曲部7は、横断面多角形状に形成されている(図5参照)。なお、弯曲部7の横断面は、円形状であっても良い。
弯曲部7,7は、装着の際にバンド部3に必然的に生じる捩じれを吸収して、横断面が多角形状円形状の弯曲部7,7が捩れたとしても肩への当たり感が小さく、長時間にわたって使用しても肩に痛みを感じない。
【0015】
図1に示すように、連結部4は、ハの字状に配設された2本のブリッジ8,8を有している。
ブリッジ8,8は、横断面円形状乃至多角形状であって(図示省略)、バンド部3に一体状に連結されている。ハの字状のブリッジ8,8の内側に、台形状の窓部9が形成されている。なお、窓部9は貫通状であって良く、あるいは、薄い膜を残留させて非貫通状としても良い。2本のブリッジ8,8(連結部4)の外側には、左右一対の茄子型の窓部5,5が形成されている。
【0016】
使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せる際に、バンド部3が使用者の衣服に対して滑りを生じない摩擦係数をバンド部3の表面に付与している。
装着状態では、バンド部3は、使用者の着用する衣服に当接しており、熱可塑性ゴム(TPR)又は熱可塑性エラストマー(TPE)等の弾性体1の表面摩擦によって、衣服に対して滑りを生じない。なお、使用者の衣服としては、肌着や、身体に密着する機能性インナーが好ましい。
【0017】
上述した本発明の姿勢矯正具の使用方法(作用)について説明する。
本発明の姿勢矯正具は、バンド部3の左右両端部を外側に引っ張って伸長状態とし、頭の上から大きく回しながら手首を返して背中側に移動させ、大きく拡がった左右の(茄子型)窓部5,5に両腕を通して、中央領域2を肩甲骨下めに当てて背面中央に対応させ、図6のように装着する。
バンド部3は、伸長状態から戻ろうとする弾発力F,Fをもって、使用者の肩甲骨を中央に引き寄せる。この際、中央領域2では、図7に示すように、バンド部3が左右に引き延ばされて台形状窓部9が左右に拡がり、2本のブリッジ8,8に伸びが生じ、ブリッジ8,8に弾発的な引張力T,Tが発生する。即ち、中央領域2の上部のバンド部3に生じる引張力T,Tと、ブリッジ8,8の引張力T,Tの合力によって、弾発力F,Fが発生し、かつ、中央領域2の下部のバンド部3に生じる引張力T,Tと、ブリッジ8,8の引張力T,Tの合力によって、弾発力F,Fが発生して、肩甲骨を背面中央に引き寄せる。
【0018】
バンド部3は、十分に引き延ばされた状態で衣服に当接し、装着した後も、衣服に滑りを生じることなく、伸長状態を維持する。バンド部3は、中央領域2寄りに配設された扁平部6,6の部分がよく伸びており、衣服との摩擦により扁平部6,6の伸長状態が維持される為、背面に於ける引きが強く発揮される。一方、バンド部3は、左右両端部の弯曲部7,7が少しだけ伸びた状態で肩に掛けられており、左右両端部(弯曲部7,7)の使用者の両肩への当たりは弱く、痛みを感じさせることもない。つまり、バンド部3は、表面に衣服に対し滑りを生じない摩擦係数が付与されている為、中央領域2寄りの扁平部6,6と、左右両端部の弯曲部7,7とで、伸びが均一化されることなく、扁平部6,6はよく伸びて局所的に引っ張りが比較的強く、弯曲部7,7の部分の引っ張りが比較的弱い状態を保つ。従って、バンド部3は、(従来のように)使用者の両肩を後ろに引っ張るのではなく、(本発明の姿勢矯正具は)図中矢印Rのように、肩関節の可動方向に沿って引張力を作用させて、使用者が胸を張って目線が上がるようにし、かつ、肩甲骨を背面中央に引き寄せる弾発力F,Fを作用させて、確実に使用者の背筋を伸ばし、正しい姿勢に保つ。
【0019】
次に、本発明の姿勢矯正具セットについて説明する。
図8に示すように、伸縮自在の弾性体1で形成され、自由状態で相互に同一形状であって、弾性体1の硬さ(硬度)が異なる一揃えの姿勢矯正具H,M,Sから成る。
姿勢矯正具H,M,Sは、「ハード」「ミディアム」「ソフト」の3種類の硬さ(硬度)に分類され、自由状態で左右中央領域2の幅寸法Wが絞られて括(くび)れた形状の閉環状バンド部3と、左右中央領域2でバンド部3を連結する連結部4とが、一体に形成され、バンド部3は、左右中央領域2寄りに、横断面長円形状の扁平部6を有し、かつ、左右両端部に横断面多角形状乃至円形状の弯曲部7,7を有している。連結部4は、ハの字状に配設された2本のブリッジ8,8を有し、ブリッジ8,8の内側に、台形状の窓部9が形成され、ブリッジ8,8の外側には、左右一対の茄子型の窓部5,5が形成されている。
弾性体1は、例えば、熱可塑性ゴム(TPR)又は熱可塑性エラストマー(TPE)から成る。姿勢矯正具H,M,Sは、JIS K7312に規定されるTYPE A試験器を用いて測定される硬度が、「ハード」でA12〜A8に設定され、「ミディアム」でA7〜A5に設定され、「ソフト」でA4〜A2に設定されている。好ましくは、「ハード」を硬度A9とし、「ミディアム」を硬度A6とし、「ソフト」を硬度A3として設定する。なお、姿勢矯正具H,M,Sは、バンド部3の表面に、衣服に対して滑りを生じない摩擦係数を付与されている。
【0020】
図9に示すように、一揃えの各姿勢矯正具H,M,Sは、同一人物が装着した際、弾性体1の伸びに対する弾発力F,Fが相違するように構成されている。
図9(a)のように、「ハード」の姿勢矯正具Hは、肩甲骨を中央に強く引き寄せる弾発力F,Fを作用させる。即ち、姿勢矯正具Hは、ゴルフや、テニス、野球、サッカー、ヨガ等のスポーツをする時に着用するか、あるいは、肩幅が狭い等の体格に合わせて選択する。「ミディアム」の姿勢矯正具Mは、弾発力F,Fが「ハード」より小さく、ジョギングやウォーキング等の軽い運動をするのに適している。「ソフト」の姿勢矯正具Hは、肩甲骨を中央に弱く引き寄せる弾発力F,Fを作用させる。「ソフト」の姿勢矯正具Hは、日常生活で長時間にわたって着用するのに適しており、締付け感(拘束感)が弱く、疲れにくいという利点がある。
【0021】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、連結部4は、2本のブリッジ8,8がX字状に交差して中間部が相互に一体化していてもよく、又は、連結部4が2本以上のブリッジ8を有していても良い。
【0022】
以上のように、本発明に係る姿勢矯正具は、全体が伸縮自在の弾性体1から成り、自由状態で左右方向中央領域2の幅寸法Wが絞られて括れた形状の閉環状バンド部3と、中央領域2でバンド部3を連結する連結部4とが、一体に形成され、装着状態で、バンド部3は、使用者の背中側から両肩に掛けられて伸長状態を維持しつつ、弾発力F,Fをもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成されているので、弾性体1の当たりが柔らかく、痛みを感じることなく装着でき、かつ、動きの自由度が高く疲れにくいので、長時間にわたって違和感なく使用できる。肩甲骨を引き寄せるように作用する弾発力F,Fによって使用者の背筋を伸ばして、正しい姿勢を維持することができる。
【0023】
また、バンド部3は、左右中央領域2寄りに横断面長円形状の扁平部6を有し、装着状態で、扁平部6が背中に沿って当接しているので、扁平部6が緩いカーブ状の弯曲面をもって使用者の背中側に当接するため、接触面圧が小さく、弱く当たっているように感じられ、装着時の違和感を軽減できる。また、扁平部6は、広い面積で接触する為、衣服に対して滑りを生じにくくなり、長時間にわたって装着しても位置ズレせず、使用者が正しい姿勢を保つように弾発力F,Fを付与できる。使用者が歩行したりゴルフ等のスポーツをしたとしても、位置ズレをすることなく、なおかつ、違和感なく装着できる。
【0024】
また、バンド部3は、左右両端部に横断面多角形状乃至円形状の弯曲部7,7を有しているので、装着の際にバンド部3に必然的に生じる捩じれを吸収でき、弯曲部7,7の肩への当たり感が小さく、肩に痛みを感じることなく長時間にわたって使用できる。
【0025】
また、連結部4は、ハの字状に配設された2本のブリッジ8,8を有しているので、バンド部3とブリッジ8,8が協働して、肩甲骨を背面中央に引き寄せる弾発力F,Fが発生し、確実に使用者の背筋を伸ばして、正しい姿勢を維持することができる。
【0026】
また、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せる際に、バンド部3が使用者の衣服に対して滑りを生じない摩擦係数をバンド部3の表面に付与したので、中央領域2寄りの扁平部6,6と、左右両端部の弯曲部7,7とで、伸びが均一化されることなく、扁平部6,6はよく伸びて局所的に引っ張りが比較的強く、弯曲部7,7の部分の引っ張りが比較的弱い状態を保ち、バンド部3は、使用者の肩を開いて目線が上がるようにし、かつ、肩甲骨を背面中央に引き寄せる弾発力F,Fを作用させて、確実に使用者の背筋を伸ばし、正しい姿勢に保つことができる。
【0027】
また、本発明に係る姿勢矯正具セットは、伸縮自在の弾性体1で形成され、自由状態で相互に同一形状であって、弾性体1の硬さ(硬度)が異なる一揃えの姿勢矯正具H,M,Sから成り、一揃えの各姿勢矯正具H,M,Sは、同一人物が装着した際、弾性体1の伸びに対する弾発力F,Fが相違するように構成されているので、ゴルフ等のスポーツをする時と日常生活との使用状況の変化に応じて、一揃えの姿勢矯正具H,M,Sから所望の1つを選択して、弾発力F,F(緊締力)の強弱を調節できる。また、販売店に於ては、一揃えの姿勢矯正具H,M,Sから選択して、客に最も望ましいものを勧めることが可能となる。
【符号の説明】
【0028】
1 弾性体
2 中央領域
3 バンド部
4 連結部
5 窓部
6 扁平部
7 弯曲部
8 ブリッジ
9 窓部
幅寸法
幅寸法
,F 弾発力
H,M,S 姿勢矯正具
【要約】
【課題】長時間にわたって違和感なく使用でき、かつ、確実に正しい姿勢を保持する姿勢矯正具を提供する。
【解決手段】全体が伸縮自在の弾性体1から成り、自由状態で左右方向中央領域2の幅寸法Wが絞られて括れた形状の閉環状バンド部3と、中央領域2でバンド部3を連結する連結部4とが、一体に形成され、装着状態で、バンド部3は、使用者の背中側から両肩に掛けられて伸長状態を維持しつつ、弾発力をもって、使用者の肩甲骨を背面中央に引き寄せるように構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9