(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997357
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】流体採取デバイス及び採取のための方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/28 20060101AFI20160915BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20160915BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20160915BHJP
G01N 33/493 20060101ALI20160915BHJP
C12Q 1/06 20060101ALI20160915BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20160915BHJP
C12M 1/32 20060101ALI20160915BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20160915BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20160915BHJP
A61F 5/44 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
C12M1/28
G01N1/10 V
G01N33/48 S
G01N33/493 Z
C12Q1/06
C12M1/00 C
C12M1/32
C12M1/34 D
A61F13/15 147
A61F5/44 H
【請求項の数】24
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-501621(P2015-501621)
(86)(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公表番号】特表2015-516803(P2015-516803A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】SE2012050359
(87)【国際公開番号】WO2013147662
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2014年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウルリカ・フスマルク
(72)【発明者】
【氏名】イングリッド・グスタフソン
【審査官】
西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第00/049948(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0269707(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0143754(US,A1)
【文献】
特表2011−502546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00−3/10
C12Q 1/00−3/00
G01N 33/48−33/98
G01N 1/00−1/34
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採尿デバイス(1)であって、
2つの層、すなわち、
採尿層(3)と、
支持層(4)と、を備える透明シートを備え、
前記採尿層(3)は毛管力及び/又は拡散による液体受入及び保持特性を有し、前記採尿デバイス(1)は、衛生吸収製品の身体側に位置決めできるように構成され、前記支持層(4)は取付手段を設けられ、前記取付手段は、衛生吸収製品の上部シートに取外し可能に取り付けることができるように構成される、採尿デバイス(1)。
【請求項2】
前記採尿デバイス(1)は、透明であることによって、直接培養できるようになる、請求項1に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項3】
前記採尿層(3)は、細菌の栄養が補助的に追加されない、請求項1又は2に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項4】
前記採尿層(3)はフィルム又は発泡体の形のヒドロゲルを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項5】
前記フィルムは、ドライフィルムである、請求項4に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項6】
前記採尿層(3)は多糖類又は合成ポリマーからなるグループから選択された液体保持材料を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項7】
前記多糖類又は合成ポリマーは親水性ポリマーである、請求項6に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項8】
前記採尿デバイス(1)は衛生吸収製品から前記採尿デバイス(1)を取り出すための、かつ尿サンプルが収集された後に、前記採尿デバイス(1)を培養デバイス(11)上に位置決めするためのフラップ(8)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項9】
前記支持層(4)は透明取付手段を設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項10】
前記取付手段は透明接着剤の形で設けられる、請求項9に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項11】
前記取付手段は、前記採尿デバイス(1)が取外し可能であるように構成される、請求項9又は10に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項12】
前記採尿デバイス(1)は前記採尿層(3)上に位置決めされるキャリア層(6)を設けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項13】
前記キャリア層(6)は不織布(6)によって形成される、請求項12に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項14】
前記キャリア層(6)は、前記キャリア層を前記採尿層(3)に取外し可能に取り付けるための取付手段を設けられる、請求項12又は請求項13に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項15】
前記採尿デバイス(1)は、培養デバイス(11)に直接装着できるように、前記培養デバイス(11)に適合したサイズを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項16】
前記支持層(4)は格子パターン(2)を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)。
【請求項17】
採尿構成体(5)であって、請求項1から16のいずれか一項に記載の一群の採尿デバイス(1)、2つ以上の採尿デバイス(1)が、前記一群の採尿デバイス(1)を一緒に利用できるようにキャリア層(6)に取り付けられている、採尿構成体(5)。
【請求項18】
採尿システムであって、請求項1から17のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)又は採尿構成体(5)を備え、培養サイトに輸送するときに、前記採尿デバイス(1)又は前記採尿構成体(5)を収容するための容器(12)を更に備える、採尿システム。
【請求項19】
培養デバイス(11)を更に備える、請求項18に記載の採尿システム。
【請求項20】
前記培養デバイス(11)は、前記採尿デバイス(1)と基本的に同じサイズ及び形であり、それにより、前記採尿デバイス(1)を前記培養デバイス(11)に装着するときの汚染リスクを最小限に抑えることができる、請求項19に記載の採尿システム。
【請求項21】
前記培養デバイス(11)は格子パターン(2’)を備える、請求項19又は20に記載の採尿システム。
【請求項22】
請求項1から16のいずれか一項に記載のデバイス(1)、又は請求項17に記載の構成体(5)を備える衛生吸収製品(10)。
【請求項23】
分析するために尿を採取する方法であって、
a 請求項1から16のいずれか一項に記載の採尿デバイス(1)を衛生吸収製品(10)に装着する
ステップと、
b 前記採尿デバイス(1)が装着された前記衛生吸収製品(10)をユーザに装着するステップと、
c 前記ユーザからの排尿を待つステップと、
d 前記ユーザから前記衛生吸収製品(10)を取り外すステップと、
e 前記衛生吸収製品(10)から前記採尿デバイス(1)を取り外すステップと、を含むか、
又は
a1 請求項17に記載の採尿構成体(5)を衛生吸収製品(10)に装着するステップと、
b1 前記採尿構成体(5)が装着された前記衛生吸収製品(10)をユーザに装着するステップと、
c1 前記ユーザからの排尿を待つステップと、
d1 前記ユーザから前記衛生吸収製品(10)を取り外すステップと、
e1 前記衛生吸収製品(10)から前記採尿構成体(5)を取り外すステップと、を含むか、
又は
a2 請求項22に記載の衛生吸収製品を設けるステップと、
b2 前記衛生吸収製品(10)をユーザに装着するステップと、
c2 前記ユーザからの排尿を待つステップと、
d2 前記ユーザから前記衛生吸収製品(10)を取り外すステップと、
e2 前記衛生吸収製品(10)から前記採尿デバイス(1)又は前記採尿構成体(5)を取り外すステップと、を含む、分析するために尿を採取する方法。
【請求項24】
前記方法は、
f 前記採尿デバイス(1)を培養デバイス(11)に装着するステップであって、前記採尿層(3)が前記培養デバイス(11)上に位置決めされる、装着するステップと、
g 所定の制御された条件下でサンプルを培養するステップと、
h 前記採尿デバイス(1)を通して数えられるコロニーの数を管理することによって前記サンプル内の細菌の量を決定するステップと、を含むか、
又は
f1 前記採尿構成体(5)を培養デバイス(11)に装着するステップであって、前記採尿層(3)が前記培養デバイス(11)上に位置決めされる、装着するステップと、
g1 所定の制御された条件下で前記サンプルを培養するステップと、
h1 前記採尿構成体(5)を通して数えられるコロニーの数を管理することによって前記サンプル内の細菌の量を決定するステップと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1のプリアンブルによる採尿デバイスに関する。また、本発明は採尿構成体及び採尿システムに関する。また、本発明は、そのデバイスを設けられる衛生吸収製品に、更には採尿デバイス又は構成体及び衛生吸収製品を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラテラルフローデバイスが米国特許出願公開第2008 269707号から既知である。
【0003】
このデバイスは吸収物品内に尿を採取する可能性を与え、検出ゾーンを画定するクロマトグラフ媒体を使用する。検出ゾーンは被分析物の存否を指示する信号を与える。そのデバイスは、より正確な更に進んだ試験のために用いることはできない。
【0004】
スウェーデン国特許第532 682号から、尿を採取するための容器を備えるおむつが既知である。容器はおむつの外側に位置決めされる。そのおむつは、所定の期間にわたって生じた量の尿を分析するために、かつ更に進んだ分析のために尿を液体状態において収集するために用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008 269707号
【特許文献2】スウェーデン国特許第532 682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術は、尿サンプルの正確な分析を行う簡単で、効率的な方法を提供する採尿デバイスの簡易化を提供するという問題を解決しない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題は、
2つの層、
採尿層と、
支持層とを備える透明シートを備える採尿デバイスであって、
その採尿層は毛管力及び/又は拡散による液体受入及び保持特性を有し、そのデバイスは衛生吸収製品の身体側に位置決めできるように構成される、採尿デバイスが提供されるという点で、本発明によって対処された。
【0008】
そのデバイスの利点は、試験することが望まれる被分析物の濃度が著しく影響を及ぼされないように、採取された尿が短い間隔内でのみ変化する体積からなることである。具体的には、この被分析物は細菌であり、サンプル体積の正確な量は、CFU/mlの数字が著しく影響を及ぼされないのを確実にする。それにより、そのデバイスは、存在する細菌のタイプ及び量の正確な分析を提供する。更に、そのデバイスは透明であるので、そのデバイスが培養デバイスに装着されるとき、採尿層が培養デバイスに直接接触するように裏返すことができる。その後、成長後に、採尿デバイスを通して、細菌コロニーを迅速に、かつ直接数えることができる。更なる利点は、例えば、乳幼児及び認知症の成人のような、必要に応じてサンプルを提供することができない患者からの採尿が簡単になるように、そのデバイスを衛生吸収製品に装着できることである。
【0009】
更なる発展形態によれば、そのデバイスは、透明であることによって、直接培養できるようにする。先に言及されたように、主な利点のうちの1つは、採取しているデバイスを、採取された細菌を定量分析するのに直接使用できることである。更なる発展形態によれば、採尿層は、細菌の栄養が補助的に追加されない。これは、吸収製品の使用中に不要な細菌成長を回避することになる。
【0010】
本発明の更なる発展形態によれば、採尿層は、フィルム、好ましくは、ドライフィルム、又は発泡体の形のヒドロゲルを含む。ヒドロゲルを使用する利点は、ゲルが飽和するまで尿の採取が実行され、それゆえ、尿の量が基本的に所定の量に抑制されることである。採取された細菌は所定の位置に保持される。別の利点は、ぬれたヒドロゲルは一般的に透明であり、それゆえ、これが、採取された尿を更に分析するための所望の透明性をデバイスに与えることである。
【0011】
本発明の更なる発展形態によれば、採尿層は、多糖類又は合成ポリマーからなるグループから選択された液体保持材料を含み、ポリマーは親水性ポリマーであることが好ましい。多糖類の利点は、多糖類が再生可能資源に由来し、環境にとって、とりわけ消費者にとって利益をもたらすと見なされることである。合成ポリマーの利点は、バッチが変わっても組成が均質であることである。
【0012】
本発明の更なる発展形態によれば、採尿デバイスは、衛生吸収製品からデバイスを取り外すための、かつ尿サンプルが収集された後にデバイスを培養デバイス上に位置決めするためのフラップを備える。フラップの利点は、取り出すのを容易にすることである。別の利点は、衛生吸収製品から採尿デバイスを取り出す人がデバイスに直接触れる必要がないので、汚染リスクが最小限に抑えられることである。別の利点は、デバイスを培養デバイス上に位置決めするときに、位置決めを行う人が、採尿デバイスにも、培養デバイスにも直接触れる必要がないことである。別の利点は、フラップが、滅菌される必要があり、かつ採尿層に損傷を与える可能性があるピンセットのような道具を使用するのを不要にすることである。
【0013】
本発明の更なる発展形態によれば、支持層は透明取付層を設けられる。この利点は、採尿デバイスから取付手段を更に取り外すことなく、デバイスを衛生吸収製品から取り外し、分析のために使用できることである。更なる実施形態では、取付手段は、透明接着剤の形で設けられる。これは、接着剤は容易に塗布することができるので、デバイスを製造する工程を容易にするという利点を有する。更なる発展形態では、取付手段は、例えば、衛生吸収製品から取り外すことができるように構成される。これは、はさみのような道具を用いることなく取り外すことができるので、そのデバイスの簡単操作を提供する。
【0014】
別の実施形態では、流体採取デバイスは採尿層上に位置決めされるキャリア層を設けられ、この層は不織布によって形成されることが好ましい。キャリア層は、流体を採取するために用いるときに、デバイスによって受け入れられた流体の吸上げ(wicking)を改善することができる。更に、キャリア層はユーザの快適さを改善する。キャリア層は、流体がデバイスに当たるときにはね散らすのを緩和するという利点も有する。
【0015】
別の実施形態では、キャリア層に、採尿層に取外し可能に取り付けるための取付手段を設けられる。これは、採尿デバイスが培養のために用いられることになるときに、キャリア層を容易に取り外すことができるという利点を有する。
【0016】
更なる発展形態では、先に論じられたようなデバイスは、そのデバイスを培養デバイスに直接装着できるように、培養デバイスに適応するサイズを有する。これは、取り扱いを容易にし、収集された尿内で細菌が都合良く分析されるようにする。
【0017】
更なる発展形態では、デバイスの支持層は格子パターンを備える。これは、培養デバイスに装着されるときに、成長する細菌コロニーを数えるために追加の格子を設ける必要がないという利点を有する。
【0018】
本発明の更なる発展形態では、採尿構成体が提供され、その構成体では、一群のデバイスを一緒に利用できるように、好ましくは、キャリア層に2つ以上の流体採取デバイスが取り付けられている。この利点は、採取のプロセスを改善できることである。同じ人からの2回又は3回サンプルを同時に採取するのを容易にすることができ、更に、患者の状態を正確に判断するために別々に培養することができる。それゆえ、本発明による採尿構成体を用いることによって、採尿デバイスの取外しの取り扱いが改善される。更に、好気性細菌の総数を求めるのに1つのデバイスを使用することができ、特定の種又は細菌群を計数するのに選択的なデバイスを用いることができる。
【0019】
本発明の別の実施形態では、先に論じられたような採尿デバイス又は構成体を備え、かつ培養デバイスを更に備える培養サイトに輸送するときに、そのデバイス又は構成体を収容するための容器を更に備える、採尿システムが提供される。そのシステムは、任意の更なる装置を追加することなく、患者の状態を分析するために使用することができる完全なキットを提供し、それゆえ、動作させるのに都合がよく、容易である分析システムを提供する。
【0020】
上記のシステムの更なる発展形態では、採尿デバイスは培養デバイスと基本的に同じサイズ及び形を有し、それにより、採尿デバイスを培養デバイスに装着するときの汚染リスクを最小限に抑えることができる。更なる発展形態では、培養デバイスは格子パターンを備える。
【0021】
本発明は、先に論じられたような採尿デバイス又は採尿構成体を含む衛生吸収製品を更に提供する。これは本発明のデバイス又は構成体の簡単な作業を提供し、そのデバイス又は構成体は、検査されることになる人に直接装着するための衛生吸収製品に既に装着されている。
【0022】
本発明は分析するために尿を採取するための方法を更に提供し:
a 上記によるデバイスを衛生吸収製品に装着するステップと、
b 変更された衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c ユーザからの排尿を待つステップと、
d ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e 衛生吸収製品からデバイスを取り外すステップとを含むか、
又は
a1 上記による採尿構成体を衛生吸収製品に装着するステップと、
b1 変更された衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c1 ユーザからの排尿を待つステップと、
d1 ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e1 衛生吸収製品から構成体を取り外すステップとを含むか、
又は
a2 上記によるデバイス又は構成体を備える衛生吸収製品を設けるステップと、
b2 衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c2 ユーザからの排尿を待つステップと、
d2 ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e2 衛生吸収製品からデバイス又は構成体を取り外すステップとを含む。
【0023】
本発明の更なる発展形態では、その方法において以下のステップ:
f そのデバイスを培養デバイスに装着するステップであって、採尿層が培養デバイス上に位置決めされる、装着するステップと、
g 所定の制御された条件下でサンプルを培養するステップと、
h 透明デバイスを通して数えられるコロニーの数を管理することによってサンプル内の細菌の量を決定するステップとが提供されるか、
又は
f1 その構成体を培養デバイスに装着するステップであって、採尿層が培養デバイス上に位置決めされる、装着するステップと、
g1 所定の制御された条件下でサンプルを培養するステップと、
h1 透明デバイスを通して数えられるコロニーの数を管理することによってサンプル内の細菌の量を決定するステップとが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】採尿デバイスの第1の実施形態を開示する断面図である。
【
図3】格子パターンを設けられた第1の実施形態を開示する図である。
【
図4】フラップを設けられた第1の実施形態を開示する断面図である。
【
図5】フラップを設けられた第1の実施形態を開示する図である。
【
図6】衛生吸収製品に装着された採尿デバイスを開示する図である。
【
図7】衛生吸収製品に装着された
図5の実施形態を開示する図である。
【
図8】キャリア層を備える流体採取デバイスの別の実施形態を開示する図である。
【
図10】フラップを備える採尿構成体を開示する図である。
【
図11】衛生吸収製品に取り付けられた採尿構成体を開示する図である。
【
図12】衛生吸収製品に取り付けられた
図10の採尿構成体を開示する図である。
【
図13】本発明とともに用いられる培養デバイスを開示する図である。
【
図14】格子パターンを備える本発明とともに用いられる培養デバイスを開示する図である。
【
図15】本発明による採尿システムを開示する図である。
【
図16】培養デバイス上に格子パターンを備える、本発明による採尿システムを開示する図である。
【
図17】本発明による方法の流れ図を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
採尿デバイスの一実施形態が
図1及び
図2に開示される。それらの図は、2つの層、採尿層3及び支持層4を備える透明シートを開示する。支持層4はオプションで、
図3において見られるような格子パターンを有する。
【0026】
流体採取層3は、毛管力及び/又は拡散による液体受入及び保持特性を有する。これは、層3自体が流体を受け入れることができ、更には保持することもできることを意味する。そのデバイスは尿路感染症(UTI)の検査において、主に人の尿を分析することを意図しているので、これは重要な側面である。分析を行うことができるようにするために、尿の保持は、特に受け入れられる体積に関して再現可能でなければならない。そして、更に具体的には、採取され、保持される細菌の数に関して再現可能でなければならない。流体採取層3は、多糖類又は合成ポリマーからなるグループから選択されることが好ましく、それらのポリマーは親水性であることが好ましい。オプションで、ポリマーは架橋することができる。多糖類の例は、セルロース及びデンプン並びにその誘導体又は寒天である。合成親水性ポリマーの例は、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はアクリレートポリマーである。
【0027】
採尿層3は、ヒドロゲルを含むことが好ましい。ヒドロゲルはフィルム又は発泡体の形をとることができる。フィルムはドライフィルムであると理解されたい。しかしながら、フィルムが少量の水分を含む場合でも、これはフィルムの機能に影響を及ぼさない。フィルムは支持層4上にゲルを塗りつけることによって容易に塗布することができる。発泡体は数多くの周知の技法によって作製することができ、異なる構造を与える。
【0028】
支持層4は流体採取層3を支持している。支持層4はオプションで格子パターン2を備える。格子パターン2は、流体採取後に用いられる。
図13に例示されるように、採尿デバイスが培養デバイス11上で培養されるとき、格子パターン2を用いて細菌のコロニーを直接数える。支持層4は透明である。支持層4は幾つかの適切な材料から形成することができる。支持層4は、可視光(400nm〜700nm)において透過性のプラスチック材料から形成することができる。格子パターンが設けられる場合には、その格子パターンは、当業者に既知の任意の適切な技法、例えば、支持層4に印刷するか、塗装するか、又は繊維格子を張りつけることによって加えられる。
【0029】
格子パターン2を備える支持層4に取り付けられた流体採取層3を有することによって、デバイス1は、尿を受け入れた後に培養デバイス11に直接装着することができるように構成される。形成されるシートの透過性はデバイス1を使用する上で極めて重要である。これは、そのデバイスが培養デバイスに直接装着されることように意図されており、それゆえ、培養後に形成された細菌コロニーを、格子パターン2の助けを借りて、デバイス1によって直接数えることができるという事実に起因する。これは、採取後に、流体採取層3を有するデバイス1を培養デバイス11上に直接位置決めすることによって、デバイス1が培養デバイス11に装着される準備ができていることを意味する。しかしながら、デバイス1をペトリ皿の底に装着することもでき、その後、培養するためにデバイス上に寒天を流し込むことができることは理解されたい。
【0030】
論じられた培養デバイス11は、好気性若しくは嫌気性細菌の総数を得るための、細菌の栄養を含む寒天か、又は特定の細菌群若しくは特定の細菌種を計数するための選択的な基層を設けられたペトリ皿であることが好ましい。
【0031】
図1では、デバイス1に格子パターンは設けられず、この場合、
図14において見られるように、格子パターン2'を有する培養デバイス11とともに、そのデバイスを使用できることが好ましい。しかしながら、デバイス1に格子パターンが付けられる場合には、一般的に、培養デバイス11上に格子パターンは不要である。しかし、例えば、より細かい格子パターンを作り出すために、デバイス1及び培養デバイス11の両方に格子パターンを付けること、又は単に、採尿デバイス1に1組の線を付け、培養デバイス11に別の1組の線を付けることにより、採尿デバイス1及び培養デバイス11が培養のために接した時点で格子パターンを達成することも考えられる。
【0032】
更に別の実施形態では、デバイス1は、
図4及び
図5において見ることができるようにフラップ8を設けられる。フラップ8は、
図7に見られるように、デバイス1を衛生吸収製品10に装着するときに、デバイスの取扱者が、デバイス1が汚染されないように保つのを助ける。また、フラップ8は、デバイス1を培養デバイス11に装着するときに、取扱者が、デバイス1が汚染されないように保つのを助ける。フラップ8は、接着剤によってデバイス1に取り付けられることが好ましい。フラップ8は、分析を妨げないように透明であることが好ましい。
【0033】
デバイス1の開示されない更なる発展形態によれば、支持層4は透明取付手段を設けられる。これは、透明接着剤を用いて実行されることが好ましい。しかし、取付手段は、例えば、フック又はループ構成体の形をとる機械的取付手段のような任意の適切なデバイスとすることもできる。分析を実行するときに容易に取外し可能とすることができるなら、非透明取付手段も考えられる。取付手段は、衛生吸収製品10の上部シートに取外し可能に取り付けられるように構成されることが好ましい。取外し可能性は、例えば、接着剤の粘着性(tackability)を選択することによって、又は例えば、上記のフック及びループ構成体によって得ることができる。支持層の取付強度は、取付手段の量を調整することによって、すなわち、表面全体にわたって用いるか、又は不連続な装着若しくは類似の手段を用いることによって調整することもできる。
【0034】
上記のデバイス1を含む別の実施形態では、
図8において見ることができるように、採尿層3上にキャリア層6が位置決めされる。キャリア層6は不織布によって形成されることが好ましい。その層は、デバイス1が分析を実行するために培養デバイス11上に装着されることになるときに取り外すことができるように、取外し可能に取り付けられることが好ましい。キャリア層6はユーザの快適さを改善する。また、キャリア層6は、尿がデバイス1の表面にわたってより均等に分配されるように、デバイス1の吸上げ特性を改善することもでき、それにより、サンプル内の細菌がより良好に分配されるので、より良好な分析をもたらすことができる。これは、後に成長したコロニーが、より数えやすくなることを意味する。キャリア層6は、採尿層3に取り付けられる。これは、接着剤のような、キャリア層上に設けられる取付手段を用いて、又は溶接、例えば、超音波溶接によって行われることが好ましい。また、キャリア層6は、キャリア層6と採尿層3との間、例えば、不織布から形成されるキャリア層6と、ヒドロゲルから形成される採尿層3との間の接着力によって取り付けることもできる。
【0035】
採尿デバイス1は、培養デバイス11と同じサイズ及び形状を有することが好ましい。これは、採尿デバイス1を培養デバイス11に装着するときに、汚染リスクを防ぐ。培養デバイス11は標準的なペトリ皿とすることができる。しかし、デバイス1を異なる身体サイズに合わせるために、かつ採取される尿をデバイス1の大部分にわたって適切に拡散させるために、適合した形状及び形態、すなわち、基本的に採尿デバイス1と同じ形状及びサイズを有する培養デバイス11を装着することが、より良好である。子供のような小柄な人から採取する場合、より小型のデバイス1が好ましいので、結果として、標準的でない培養デバイス11が適用されるべきである。先に述べられたように、オプションで、培養デバイス11に格子パターン2'を設けることができる。
【0036】
更なる発展形態では、上記のタイプの幾つかのデバイス1が上記のようなキャリア層6に取り付けられ、それにより、
図9、
図10、
図11及び
図12のような採尿構成体5を提供する。
図9及び
図10は構成体5を上下逆に、すなわち、衛生吸収製品に取り付けられるように構成される側を用いて開示する。キャリア層6のサイズは、幾つかのデバイス1を層6上に収容できるようなサイズである。これは、デバイス1の2回、3回又は4回以上の採取、及び後続の培養を実行できるようにする。これは、1回の作業においてデバイス1の装着を実行することができるので、採取を効率的に実行できること意味する。取外しはグループ単位で実行することができるか、キャリア層6を取り外し、衛生吸収製品からデバイス1を個々に取り外すことによって実行することができる。詳細には、
図10及び
図12は、デバイス1を個々に取り外すために、デバイスに取り付けられたフラップ8を有するデバイス1を開示する。採尿された尿に関して異なる試験を実行するためにその構成体を用いることもできる。例えば、好気性細菌の総数を求めるために構成体5の1つのデバイス1を使用し、大腸菌の数を求めるために別のデバイスを使用し、更に別の分析のために更なるデバイス1を使用することができる。図が構成体内に3つのデバイス数を開示する場合であっても、本発明はこの数に限定されると解釈されるべきではなく、2つ、4つ又は任意の適切な数が可能である。
【0037】
好ましい身体採取システムでは、デバイス1又は構成体5は、採取後に、デバイス1又は構成体5を収容するための容器12を与えられる。容器は滅菌されるべきであり、デバイス1又は構成体5及び容器は、滅菌されるようにして培養デバイス11とともに包装されることが好ましい。すなわち、採尿デバイス1及び培養デバイス11は、デバイス1を使用し、パックを開封するときに、これが培養デバイス11を汚染しないように、好ましくは、2つの別々の滅菌パックに包装されるべきである。それゆえ、これは、
図15及び
図16に見られるように、尿を分析するための完全なキットを提供する。汚染リスクを生じることなく培養を実行できるように、好ましくは、培養デバイス11は、デバイス1又は構成体と同じサイズ及び形状を有する。これらのリスクは、培養デバイス11が採取デバイス1又は構成体5より大きい場合に生じることになり、デバイスを培養デバイス11に装着するときに、取扱者がデバイス1から外側に突出するデバイス1のエリアを汚染する可能性がある。
【0038】
培養デバイス11が設けられないキットを提供することもできる。そのようなキットは、分析が採取付近で実行されないときに好ましく、その場合、培養デバイス11は、デバイス1とともに試験室に送られる必要はない。
【0039】
図5、
図6又は
図10及び
図11において見られるような衛生吸収製品10は、デバイス1又は構成体5があらかじめ組み込まれた状態で流通させることができる。これは、デバイスを衛生吸収製品に装着するときに、汚染のリスクを解消できるという利点を有する。
【0040】
また、本発明は分析するための尿を採取するための方法も含み、
a 上記によるデバイス1を衛生吸収製品に装着するステップと、
b 変更された衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c ユーザからの排尿を待つステップと、
d ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e 衛生吸収製品からデバイス1を取り外すステップとを含むか、
又は
a1 上記による採尿構成体5を衛生吸収製品に装着するステップと、
b1 変更された衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c1 ユーザからの排尿を待つステップと、
d1 ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e1 衛生吸収製品から構成体5を取り外すステップとを含むか、
又は
a2 あらかじめ組み込まれた採尿デバイス1を備える衛生吸収製品を設けるステップと、
b2 衛生吸収製品をユーザに装着するステップと、
c2 ユーザからの排尿を待つステップと、
d2 ユーザから衛生吸収製品を取り外すステップと、
e2 衛生吸収製品からデバイス1又は構成体5を取り外すステップとを含む。
【0041】
上記による方法では、その方法は更に、
f そのデバイス1を培養デバイス11に装着するステップであって、採尿層3が培養デバイス11上に位置決めされる、装着するステップと、
g 所定の制御された条件下でサンプルを培養するステップと、
h 透明デバイス1を通して数えられるコロニーの数を管理することによってサンプル内の細菌の量を決定するステップとを含むか、
又は
f1 その構成体5を培養デバイス11に装着するステップであって、採尿層3が培養デバイス11上に位置決めされる、装着するステップと、
g1 所定の制御された条件下でサンプルを培養するステップと、
h1 透明デバイス1を通して数えられるコロニーの数を管理することによってサンプル内の細菌の量を決定するステップとを含む。
【0042】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に理解される。
【実施例1】
【0043】
本発明による採取デバイスを試験する
採尿デバイスのための主な原理は、特定の量が吸収され、最初の排尿からデバイス内に保持されることである。これは、正確に測定する上で重要である。最良の結果を得るために、そのデバイスは、最初の排尿時の尿の量から影響を受けるべきではなく、かつデバイスが取り外され、分析される前の排尿の回数から影響を受けるべきではない。−細菌の数を正確かつ同時に計測するべきである。
【0044】
この試験では、カルボキシメチルセルロースゲルがプラスチックフィルム上に塗布され、異なる量の試験液及び異なる「排尿」回数にかけられた。被検物は「排尿」の前後で重さを測定され、各デバイスにおける正味の重さ及び数えられたコロニー数が以下の表に示される。
【0045】
カルボキシメチルセルロースゲルは以下のように作製された:
エルキュール(Blanoseセルロースガム)からのカルボキシメチルセルロース(CMC)の2%(w/w)水溶液が、その粉末を水中に分散させ、その後、少なくとも12時間にわたってその溶液を撹拌することによって準備された。その後、その溶液は、ドクターブレード技法を用いて透明プラスチックフィルム上に移された。そのフィルムは、一晩、室温において乾燥させるために放置された。4.5cmの直径のサンプルがフィルムから打ち抜かれ、その例において利用された。
【0046】
用いられた試験液は、TSB(トリプトンソイブロス)をシランに入れ(1:9)、大腸菌(約10
3CFU(コロニー形成単位)/ml、CCUG49263、NCTC10538)を添加したものであった。表面の1cm上方から、ビーカーを用いて緩やかに流し込みが行われた。
【0047】
【表1】
【0048】
対数CFU/デバイスも
図18に表示される。
【0049】
結論として、そのデバイスは相対的に強い。正味の重量はこれらの試行においてわずかに異なるが、対数CFU/デバイスは「尿」量及び「排尿」回数から影響を受けることなく相対的に一定である。
【実施例2】
【0050】
「尿」内の異なる細菌濃度を試験する
測定された細菌の量が正確であることも重要である。この試験では、TSBとシラン(1:9)内の大腸菌(CCUG49263、NCTC10538)の濃度が溶液から通常の混釈平板を用いて測定され、本発明の流体採取デバイス上で測定された量と比較された。この場合、被検物はプラスチックフィルム上で乾燥させたCMCゲルから形成された。
【0051】
4つの試験被検物が以下の表に従って4つの異なる濃度を有する10mlの大腸菌とともに「排尿」された。999は、コロニーの数が多すぎて、数えられなかったことを表す。大腸菌の夜間培養物の希釈が10段階において行われ、異なる濃度のサンプル1〜4を実現した。
【0052】
【表2】
【0053】
実際には、10mlの大腸菌溶液が失禁用製品の表面上に取り付けられた被検物上に流し込まれた。ゲルによってある量が吸収された(表内の正味の重量)。排尿から2分後に、被検物が取り外され、TSAの表面上に上下逆にして置かれた。37℃において2日間培養した後に、コロニーが透明なプラスチック支持体を通して直接数えられた。数えることができた2つの濃度からの結果を
図19において見ることができる。
【0054】
上記の表において見られるように、この試験において2つの濃度は測定できなかったが、この理由は、懸濁液試験において寒天皿上で行われた希釈が小さすぎ、簡易計数法で測定するには、採尿デバイス上であまりにも多くのコロニーが成長したことである。これは、ゲルを薄くし、液体の吸収量を少なくし、それゆえ、結果としてコロニーの数を少なくすることによって解決することができる。しかし、それは試験の対象物によって決まる。そのデバイスは、限界濃度を測定するように設計されなければならない。詳細には、そのデバイスは、検出されることになる好気性細菌の総数、例えば、UTI(尿路感染症)の診断として検出されることになる大腸菌の総数に対して設計されなければならない。この試験において用いられたデバイスは、10
3CFU/mlが限界値である場合には適合した。
【0055】
先に測定されたような2つの濃度の場合に、その結果は、懸濁液から直接測定された数と、採尿デバイスを用いて測定された数とを比較するとき、非常に似ている。
【実施例3】
【0056】
3つの異なる排尿事例
この実験の目的は流体採取デバイスの安定性を評価することであった。それは、そのデバイスが、人が2回以上排尿することを取り扱うことができるか否か、そして最終結果に及ぼすこの影響を調査することであった。
【0057】
この試験では、実施例1において記述されたようなCMCゲルが作製された。異なる量の「尿」、及び排尿と分析開始との間の異なる時間の両方に関して調べられた。その試験は、複製を用いて実行された。「尿」は、シランで希釈された(1:9)TSBであった。試験生物は大腸菌(CCUG49263、NCTC10538)であった。試験細菌はTSB内で一晩成長し、試験「尿」内で約10
3CFU/mlまで希釈された。
【0058】
乾燥した寒天側を上に、プラスチック側を下にして、被検物は、蓋のないプラスチック円板内の軟質の詰物材料上に置かれた。大腸菌を含む10mlの試験尿がピペットを用いて寒天側に直接流し込まれた。
【0059】
最初の2つの被検物は、「排尿」直後に1〜2分間膨張させるために放置され、その後、上下逆にして(ゲル側を下にして)、栄養(TSA)を有する寒天ゲル上に置かれた。この手順は、製品上での人の排尿をシミュレートするために行われ、その後、製品は取り出され、その後、時間を空けずに分析が開始された。この手順は、
図20において0時間の注釈を付される。
【0060】
次の2つの被検物は同じようにして「排尿」を受け、37℃のままになるように放置され、6時間後に第2の「排尿」を受けた。サンプルは、更に6時間にわたって37℃のままになるように放置され、最終的に、12時間後にTSAと接触させた。この手順は、人が製品上に直接排尿し、6時間後に2度目の排尿をし、最終的には、12時間後の朝に製品が取り外されることをシミュレートするために行われた。これは
図20において6時間の注釈を付される。
【0061】
最後の2つの被検物は同じようにして10ml「排尿」を受け、12時間にわたって37℃のままになるように放置され、その後、TSAと接触させて、培養を開始した。この手順は、人が製品上に直接排尿し、12時間後の朝に製品が取り外されることをシミュレートするために行われた。これは、
図20において、12時間と呼ばれ、注釈を付される。
【0062】
37℃において2日間、培養した後に、プラスチック支持体を通してコロニーの数が数えられ、その結果を
図20において見ることができる。
【0063】
結論として、異なる事例間には極めて小さな違いしかなく、これは、例えば、UTIの診断に影響を及ぼさない。
【符号の説明】
【0064】
1 デバイス
2 格子パターン
2' 格子パターン
3 採尿層
4 支持層
5 構成体
6 キャリア層
8 フラップ
10 衛生吸収製品
11 培養デバイス
12 容器