(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0012】
[第1の実施形態]
<1.体外循環装置の全体構成>
はじめに本発明の一実施形態に係る体外循環装置の全体構成について説明する。
図1の1A、1Bは、本発明の一実施形態に係る体外循環装置100の全体構成の一例を示す図である。
【0013】
体外循環装置100は、PCPS(percutaneous cardiopulmonary support)やECMO(extracorporeal membrane oxygenation)等の補助循環手技に用いられる。体外循環装置100は、図中矢印で示す血液体外循環回路(以下、循環回路と呼ぶ)を有している。体外循環装置100では、プライミング動作を行った後、この循環回路を用いて被検者130の血液を体外循環させる。
【0014】
なお、プライミング動作とは、プライミング液(例えば、生理食塩水)で循環回路を十分に満たした状態で、循環回路内でプライミング液を循環させ、当該回路内の気泡を除去する動作をいう。
【0015】
体外循環装置100は、制御装置として機能するコントローラ110と、ドライブモータ111と、遠心ポンプ112と、人工肺113と、酸素供給源117と、カテーテル(静脈側)119と、カテーテル(動脈側)120と、気泡センサ114と、流量センサ115と、血液フィルタ116と、分岐ライン118と、クランプ122、圧力センサ125、温度センサ126とを備える。なお、これら各構成の間は、柔軟性を有するチューブ等によって接続されており、当該チューブの内腔が血液またはプライミング液の流路を構成している。
【0016】
カテーテル(動脈側)120は、被検者130の体内に向けて送血し、カテーテル(静脈側)119は、被検者130の体内から脱血を行う。
【0017】
遠心ポンプ112は、遠心式人工心臓とも呼ばれ、内部に設けられた回転体を駆動させて血液に圧力を与え、循環回路内で血液を循環させる。ドライブモータ111は、遠心ポンプ112の回転体に回転駆動力を与える。
【0018】
人工肺113は、血液の循環と血液のガス交換(酸素付加、二酸化炭素除去等)とを行う。酸素供給源117は、例えば、酸素ボンベ等で実現され、血液に付加する酸素を供給する。酸素供給源117から供給される酸素は、人工肺113によるガス交換時に使用される。
【0019】
気泡センサ114は、プライミング動作時及び体外循環動作時に循環回路内を流れるプライミング液あるいは血液に含まれる気泡を所定の検出方法(超音波、光等)により検出する。血液フィルタ116は、血液をろ過したり、血液中の気泡を除去したりする。流量センサ115は、例えば、超音波の送受信器を内蔵して構成され、循環回路内のプライミング液あるいは血液の流量を検出する。圧力センサ125はポンプから送出される血液の圧力を検出し、温度センサ126は血液温度を測定する。
【0020】
クランプ122は、体外循環動作時に、被検者130の体内に向けての送血を強制的に停止させるべく、チューブを閉塞させるための部材である。クランプ122は、気泡センサ114からの出力信号に基づいて、送血をただちに停止させる異常が発生したと判定した場合に、連動して自動的に閉塞動作を行うことが可能である。
【0021】
分岐ライン118は、循環回路の流路を切り替える。具体的には、被検者130の血液を体外循環させる体外循環動作時には、
図1の1Aに示すように、被検者130の体内を通る循環回路を構築し、被検者130の体外で血液を循環させる。プライミング動作時には、
図1の1Bに示すように、分岐ライン118によって被検者130の体内への循環回路の経路を遮断して被検者130の体外のみを通る循環回路(言い換えれば、被検者130の体内を通らない循環回路)を構築し、プライミング液で循環回路内を満たして(被検者の体内を通らずに)プライミング液を循環させる。循環回路上には、気泡を排出するための1又は複数の気泡排出ポート(不図示)が設けられており、循環回路内でプライミング液を複数周循環させることにより、循環回路内の気泡が当該気泡排出ポートから排出されることとなる。
【0022】
コントローラ110は、体外循環装置100における体外循環動作及びプライミング動作を統括制御する。コントローラ110においては、例えば、ドライブモータ111を制御して遠心ポンプ112を駆動させる。また、気泡センサ114を制御して気泡センサ114からの出力信号を取得したり、流量センサ115を制御して流量値を取得したりする。更に、体外循環動作モードにあっては、気泡センサ114からの出力信号に基づいて、送血を停止させる必要がある異常を検出した場合には、クランプ122を閉塞動作させる。
【0023】
次に、
図1の1A,1Bに示す体外循環装置100を用いて心肺補助動作(体外循環動作、プライミング動作)を行う際の処理の流れについて簡単に説明する。
【0024】
心肺補助動作が開始されると、コントローラ110は、プライミング動作の実行を制御する。プライミング動作時には、
図1の1Bに示すように、分岐ライン118によって被検者130の体内を通らない循環回路が構築される。また、このとき、プライミング液供給源121が分岐ライン118に接続され、当該プライミング液供給源121から循環回路内にプライミング液が供給される。これにより、循環回路内は、プライミング液で満たされることになる。
【0025】
そして、コントローラ110の制御によって遠心ポンプ112が駆動し、プライミング液が循環回路内を複数周循環する。循環回路内の気泡は、この循環とともに気泡排出ポート等から排出される。また、プライミング動作時に気泡センサ114によって当該循環回路内を流れる気泡の有無を検出してもよい。
【0026】
プライミングが完了したことを確認したユーザは、遠心ポンプの駆動を停止させ、分岐ライン118を切り替え、
図1の1Aに示すように、被検者130の体内を通る循環回路を構築する。この後、ユーザは、コントローラ110を操作して、目標とする流量を設定し、体外循環の開始指示を入力する。この結果、コントローラ110は設定した情報を元にポンプ112を駆動することで、被検者130の血液が体外循環される。
【0027】
体外循環動作が始まると、カテーテル(静脈側)119から脱血されてくる血液が、遠心ポンプ112を経て人工肺113に入る。人工肺113では、上述した通り、ガス交換、すなわち、酸素付加や二酸化炭素除去等の処理が行われる。その後、血液フィルタ116等を経て、ろ過された血液が、カテーテル(動脈側)120から被検者130の体内に送血される。このカテーテル(静脈側)119〜カテーテル(動脈側)120までの被検者130の血液の流れが連続的に行われる。なお、体外循環動作モードにあっては、各種センサからの信号に従った処理が行われる。例えば、気泡センサ114によって循環回路内の気泡の検出が行われ、送血を停止させる必要がある場合には、クランプ122の閉塞動作を行う。
【0028】
以上が、本実施形態に係る体外循環装置100の全体構成及び心肺補助動作の流れの一例についての説明である。なお、
図1の1A,1Bに示す体外循環装置100の構成は、あくまでも一例にすぎず、その構成は適宜変更されてもよい。
【0029】
<2.コントローラの機能構成>
次に、
図2を用いて、
図1に示すコントローラ110の機能構成の一例について説明する。
【0030】
コントローラ110は、その機能構成として、制御部201と、操作部202と、表示部203と、タイマ部204と、記憶部(コンピュータ読取可能な記録媒体)205と、I/F部206と、通信部207とを備える。
【0031】
制御部201は、コントローラ110の制御、並びに、循環回路の制御を行なうものであり、CPU(Central Processing Unit)で構成される。
【0032】
操作部202は、例えば、各種ボタン等で実現され、医療従事者からの指示を入力する。表示部203は、例えば、モニタ等の表示器(警報を音声出力する出力部を含む)で実現され、各種情報(メッセージを含む)をユーザに向けて表示する。なお、操作部202及び表示部203の一部又は全部は、例えば、音声スピーカ付のタッチパネルとして実現されてもよい。
【0033】
タイマ部204は、各種時間の計時を行う。記憶部205は、例えば、ROM及びRAM等で実現されており、循環装置として動作するための体外循環動作モードを実現するための制御プログラム210、並びに、各センサで検出した検出結果を記憶する検出データ格納領域211を有する。連続動作モードに係る制御プログラムを実行するすると、制御部201は、先に説明したプライミング処理を実行すると共に、それに後続して、操作部202からの目標流量の設定を入力、I/F部206を介してのポンプ112の駆動制御や、各種センサでの検出結果に応じた体外循環処理を実行することになる。
【0034】
通信部207は、医療従事者に装着された通信部220との間で通信を行う。なお、通信部207と通信部220との間の通信は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信であっても、Wi−Fi等の無線LANによる無線通信であってもよい。
【0035】
以上が、コントローラ110についての機能構成の一例についての説明である。なお、
図2に示す機能構成はあくまでも一例であり、新たな構成が追加されてもよいし、また、不要な構成が適宜省略されても良い。
【0036】
本実施形態の特徴は、プライミング処理後の体外循環動作モードの実行中の流量に基づくアラーム処理にある。そこで以下では、体外循環動作モードについて説明する。
【0037】
<3.流量センサからの出力信号に基づく体外循環動作モードの概要>
本実施形態では、従来と同様、目標流量、流量の上限値TH_max、並びに、下限値TH_minをユーザに設定させる。そして、流量センサ115が上限値TH_maxを超える流量、又は下限値TH_minを下回る流量を検出した場合には、緊急アラームを報知する。報知は、例えば、不図示のスピーカからの警告音の発生や、画面への緊急アラームであることを示すメッセージ表示の表示とする。
【0038】
しかし、上限値TH_max、下限値TH_minを設定し忘れる可能性がある。また、上限値TH_max、下限値TH_minの設定だけを行なうこれまでの技術では、流量がそれらで規定される範囲外になってはじめて緊急アラームの警告が発することになる。従って、流量がゆっくりと低下していくような場合には、流量が下限値TH_min以上である限りは、緊急アラームを報知することはない。換言すれば、流量が下限値TH_minを下回るようになるまで、長い時間が経過して初めて警告を発するようになる。このような状況になるのは、人工肺113が徐々に目づまりしていって、循環回路内の血流抵抗が大きくなることが原因の場合が多い。このような状況になると、人工肺113を交換する等の作業を行なうことなるが、もしこの兆候が事前に認識できれば、下限値TH_minを下回る以前にフラッシュ操作の準備を始めることもできる。
【0039】
また、上限値TH_max、下限値TH_minの範囲内ではあるものの、短時間での大きな流量の変化を知ることもできないという問題もある。この問題は、循環回路を構成するチューブが外力による折れ曲がることが、その代表要因である。チューブの折れ曲がった状態が継続すると、下限値TH_minを下回ることになるが、素早く対処することが望ましいのは明らかであろう。
【0040】
本実施形態では、上限値TH_max、下限値TH_minの範囲内にある、もしくは上限値TH_max、下限値TH_minを設定し忘れたとしても、時間的に徐々に変化する流量変化、時間的に大きな流量変化をも検出し、それらについてもアラーム警告する。更に、その処理を、ユーザによる格別な操作無しに実現する。ここで説明したアラームは、先に説明した緊急アラームほどは緊急性が無いので、以降、軽度アラームという。軽度アラームの報知は、緊急アラームと区別できれば良く、緊急アラームよりは、控えめにスピーカ−を駆動したり、表示の制御で報知するものとする。
【0041】
実施形態では、この軽度アラームの検出と報知を実現するため、循環装置の制御部201は次の2つの処理を行なうものとした。
1.体外循環動作モードの実行を開始し、流量が予め設定した範囲内で安定していることが検出された場合、その際の流量に予め設定した値を加算した閾値TH_H、予め設定した値を減じた閾値TH_Lを決定する。ここで、TH_min<TH_L<TH_H<TH_maxの関係にある。そして、閾値TH_H、閾値TH_Lが決定された以降は、流量センサ115の検出した流量がこの範囲から外れた場合、注意を喚起するための軽度アラームの警告を発する。これにより、人工肺113が徐々に目づまり等の要因での血流が徐々に変化したことを報知し、下限値を下回る以前に注意を喚起することができる。
2.閾値TH_H、TH_Lを決定した以降で、流量センサ115で検出した流量の変化(前回検出した流量と今回検出した流量の差、すなわち、時間軸に対する流量の微分)を監視し、所定閾値の超える変化があった場合に、軽度アラームの警告を発する。この結果、チューブの折り曲がり等を検出ができ、即座に対処することが可能になる。
【0042】
上記の処理を、より分かりやすくため、
図3の3A,3Bを用いて説明する。同図は、水平軸が時間軸、垂直軸が流量を示してる。なお、流量センサ115による流量の検出するサンプリング周期は50msecとし、直近の過去N個(実施形態ではN=10)の流量値の平均値を、現時点での流量値Vとして検出するものとする。これは、流量センサ115で検出される値には多少の揺らぎがあるためである。なお、過去のN個のデータは、検出データ格納領域211に保持されるものとする。
【0043】
図3の3Aにおいて、体外循環動作モードが開始されると、ドライブモータ111を駆動することで、遠心ポンプ112を稼働させる。この結果、循環回路内における血流が生じ、流量センサ115による検出された流量Vが徐々に上がっていく。そして、所定期間P0(実施形態ではP=2秒)の間に検出された流量値Vの最大値と最小値との差が予め設定された値ε以下にあるとき、流量はほぼ一定となり、安定状態にあるものと見なす。実施形態では、このεは、「1L/min」とした。この安定状態を検出したとき、その平均値(もしくは中央値)が示す流量値に、予め設定された値(実施形態では、2L/min)を加算、並びに減算し、2つの閾値TH_H、TH_Lを決定する。そして、以降、制御部201は流量センサ115で得られた流量値Vが得られる度に、
条件:TH_L≦V≦TH_H
を満たすか否かを判定し、この条件を満たしているとき、安定状態になったとして判定する。そして、上記条件を満たさない場合、すなわち、現流量Vが閾値TH_Hを上まわる、もしくは閾値TH_Lを下回る場合、軽度アラームを発する。
【0044】
上記の結果、例えば、人工肺113が目づまりを起こしつつあり、流量が徐々に下がっていった場合、タイミングT0の時点で軽度アラームを報知することが可能になる。この結果、下限値に達するタイミングT1よりも遥かに早いタイミングでユーザに注意を喚起することができる。
【0045】
更に、実施形態では、比較的大きな流量の変化をも検出する。このため、ここで比較的大きな流量であるか否かを判定は、以下のようにして判定するものとした。
【0046】
現在の流量V
iとし、1つ前(50msec前)に得られた流量をV
i-1と表し、その差分(微分)「V
i−V
i-1」をDiと定義し、予め設定された流量許容変化を表わす正の値をΔTHとしたとき、
Di-4,Di-3,Di-2,Di-1,Di < −ΔTH …(1)
又は、
Di-4,Di-3,Di-2,Di-1,Di > ΔTH …(2)
を満たすとき、異常な状態であると判定し、軽度アラームを発する。ここで上記の条件(1)は「連続して5回、流量許容変化を超える速度で流量が下降する」ことを示し、流量が大きく降下していることを表わすことになる。また、条件(2)は、「連続して5回、流量許容変化を超える速度で流量が上昇する」ことを示し、流量が大きく上昇していることを表わすことになる。なお、ここで示した連続する個数「5」は例であって、この数は適宜修正しても構わない。
【0047】
図3の3Bは、安定状態であると判定された期間P0の後、上記処理を行なうことで、例えば流量が短時間のうちに下降していることタイミングT2で検出していることを示している。このタイミングT2で軽度アラームを発するので、チューブの置かれている位置を見直す等の注意をユーザに喚起することが可能になる。図示では、ユーザがチューブの位置をずらす等の操作を行なって、再び、安定状態に復帰していることを表わす例でもある。
【0048】
なお、上記の説明からもわかるように、上記条件(1)、(2)のいずれに該当しないような速度でチューブがゆっくり折れ曲っていく状況が仮に発生したとしても、その状況は
図3の3Aの状態と等価の状態となり、結果的に閾値TH_Lを下回る段階で軽度アラームを発することが可能になる。
【0049】
<4.体外循環動作モード処理の流れ>
以上の説明を踏まえ、実施形態に係る体外循環装置100における制御部201の体外循環動作モードの処理内容を
図4のフローチャートに従って説明する。同図は、
図2の制御プログラム210内の一部を表わすものである。以下では説明を単純化させるため、流量センサ115で検出した流量に基づく処理に的を絞って説明する。
【0050】
プライミング処理を終え、体外循環動作モードを開始すると、先ず、ステップS401にて、ユーザの操作部202への操作を行なわせ、目標流量、上限値TH_max、下限値TH_minを設定させる。そして、体外循環の開始指示を待つ(ステップS402)。
【0051】
開始指示を検出すると、ステップS403に処理を進め、設定された流量に基づき、ドライブモータ111を駆動させ、遠心ポンプ112の稼働を開始する。この後、流量センサ115からの信号に基づき、流量センサ115による検出した流量Vが設定した目標流量近傍で、且つ、安定状態になったか否かを判定する。この判定は、目標流量との差が許容値以下であり、且つ、先に説明したとように直近の所定時間(実施形態では2秒)内での流量の最大と最小値との差が予め設定した値ε以下にあるか否かで判定するものとする。
【0052】
安定状態になったと判断した場合、処理はステップS405に進め、軽度アラームを発するか否かを判定のための閾値TH_H、TH_Lを決定する。
【0053】
そして、体外循環を行なっている最中に、ステップS406乃至S409の判定処理(監視処理)を行なうことになる。正常な体外循環が行われている場合には、ステップS406乃至S409の判定処理が繰り返される。そして、手術が終了した場合には、その指示が行われると、ステップS410に進み、終了処理が行われることになる。なお、ステップS410の処理は、様々なものが含まれる。例えば、軽度アラームの停止指示等もその1つである。
【0054】
さて、体外循環処理を継続中に、検出した流量Vと、閾値TH_L、TH_Hとの関係が、V<TH_L、又は、V>TH_Hになったと判断した場合、処理はステップS407からステップS411に進み、軽度アラームを発する処理を行なう。このアラーム報知は、ユーザがステップS410にて解除するまで継続する。
【0055】
また、体外循環処理を継続中に、現在の流量微分値Diを含む過去5個の微分値{Di-4,Di-3,Di-2,Di-1,Di}のいずれもが、予め設定された流量許容変化−ΔTHよりも小さい、もしくはΔTHよりも大きいと判定した場合、流量が突発的に大きく変化したと判断し、ステップS412にて軽度アラームを発する処理を行なう。なお、ステップS411とS412は共に軽度アラームを発する処理であるが、状態がそれぞれ異なるので、軽度アラームであっても区別できるようにアラームを発することがのぞましい。例えば、ステップS411、S412では、その要因が異なるので、それぞれに対して想定される点を確認するメッセージを用意しておき、それを表示するようにしてもよい。
【0056】
また、体外循環処理を継続中に、現在の流量Vが上限値TH_maxを超える、或いは下限値TH_minを下回ったりした場合には、ステップS413にて緊急アラームを発する処理を行なう。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る体外循環装置100によると、流量の上限値、下限値によって緊急アラームを発生する以前に、その兆候を検出でき、その兆候を検出した場合にユーザにそれを報知することができるようになる。しかも、この報知に関しては、ユーザに対してこれまで以上の格別な操作を必要ともしないで行なえる。
【0058】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、流量センサ115による流量を例にして説明したが、圧力センサ125で検出する圧力値でも同様の処理が行なえる。すなわち、遠心ポンプ112が稼働していても、循環回路内のいずれかの箇所で目づまりが発生した場合には、ポンプの下流側では圧力値が徐々に上昇していくことになる。また、チューブが折れ曲がったり、足で分でしまったりした場合にも圧力は上昇するからである。圧力センサ125で行なう場合には、上記実施形態で示した流量センサ115を圧力センサ125で置き換えれば良い。ただし、各種閾値は圧力値に応じた値になる点については注意されたい。
【0059】
[第3の実施形態]
患者の治療の1つに低体温治療がある。体温を低くして手術するわけである。この場合患者の体を冷やすことも行ないながら、患者の体内に変える血液を冷やすための冷却装置を、循環回路の遠心ポンプ112の下流、且つ、温度センサ126の上流の間に設置して行なう。そこで、この冷却装置によって適度に冷却されているか否かを温度センサ126で検出する場合に適用しても構わない。温度センサ126で行なう場合には、上記実施形態で示した流量センサ115を温度センサ126で置き換えれば良い。ただし、各種閾値は温度に応じた値になる点については注意されたい。
【0060】
[その他の実施形態]
上記実施形態では、体外循環装置100の制御装置として機能するコントローラ110内の制御部201が実行するプログラムによって機能する。従って、本発明は、係るプログラムをその範疇とするのは明らかである。また、通常、プログラムはCDROMやメモリカード等の、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶され、それをシステムにインストールすることで実行可能になるわけであるから、係る記憶媒体も本発明の範疇にあることも明らかである。
【0061】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。