特許第5997372号(P5997372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997372
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】基板処理装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20160915BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   H01L21/26 T
   H01L21/26 Q
   H01L21/31 E
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-513892(P2015-513892)
(86)(22)【出願日】2013年5月21日
(65)【公表番号】特表2015-522946(P2015-522946A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】KR2013004427
(87)【国際公開番号】WO2013176453
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0055490
(32)【優先日】2012年5月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0030260
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】510223380
【氏名又は名称】エーピー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジ サンヒョン
【審査官】 桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−329993(JP,A)
【文献】 特開2000−173946(JP,A)
【文献】 特開平06−323916(JP,A)
【文献】 特開2003−234304(JP,A)
【文献】 特開平05−264356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/26
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理空間を有する工程チャンバと、
輻射エネルギーを発生させる複数の加熱ランプを内部に収納した加熱ハウジングと、
前記加熱ハウジングと工程チャンバとの間において工程チャンバの気密を維持させ、前記輻射エネルギーが基板に伝わるように透過させるウィンドウと、
前記工程チャンバ内の基板から発生される波長を測定して基板測定エネルギーに変換する第1のパイロメータと、
前記ウィンドウから発生される波長を測定してウィンドウ測定エネルギーに変換する第2のパイロメータと、
前記基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて補償処理して基板自体の温度である基板自体温度を算出し、算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプを制御する加熱制御器と、を備え
前記基板を500℃未満で低温熱処理するに当たって、
前記第1のパイロメータは、500℃未満の熱処理される基板から放射される4μm超えの波長状の輻射エネルギーである基板測定エネルギーを測定し、
前記第2のパイロメータは、4μm超えの波長によって加熱されたウィンドウの天面から発生される波長状の輻射エネルギーであるウィンドウ天面それ自体のエネルギーを測定し、
前記加熱制御器は、前記第1のパイロメータにおいて測定した基板測定エネルギーから前記第2のパイロメータにおいて測定したウィンドウ天面それ自体のエネルギーを差し引いて基板それ自体の温度を算出する基板処理装置。
【請求項2】
前記工程チャンバは、
前記加熱ハウジングに向かい合う個所の基板処理空間の内部に基板を載置するエッジリングと、
前記エッジリングを前記工程チャンバの基板処理空間の内部に支持し、前記エッジリングを回転させる基板支持部と、
を備える請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1のパイロメータは複数配設されて基板の複数個所に発生される波長を測定する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2のパイロメータは複数配設されてウィンドウの複数個所から発生される波長を測定する請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
複数の第1のパイロメータにおいて測定される波長の平均値及び複数の第2のパイロメータにおいて測定される波長の平均値を用いて、基板測定エネルギーまたはウィンドウ測定エネルギーを測定する請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1のパイロメータ及び第2のパイロメータは、向かい合う個所に対で配置される請求項1または請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板を500℃未満で熱処理する基板処理方法であって、
加熱ランプによって基板が500℃未満で低温熱処理される基板から発生される4μmを超える波長を検出して基板測定エネルギーに変換する過程と、
前記加熱ランプの0.2μmから4μmの波長帯域のエネルギーを透過させ、4μm超えの波長のエネルギーを吸収するウィンドウの天面から発生される4μmを超える波長を検出してウィンドウ測定エネルギーに変換する過程と、
前記基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて基板自体エネルギーを算出した後、基板自体エネルギーから基板自体の温度である基板自体温度を算出する過程と、
算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプを制御する過程と、
を含む基板処理方法。
【請求項8】
波長のエネルギーへの変換は、エネルギーをE、波長をλ、プランク定数をh、且つ、光速をcとしたとき、E=(hc)/λによって行われる請求項に記載の基板処理方法。
【請求項9】
基板測定エネルギーをETOT、ウィンドウ測定エネルギーをEWD、基板自体エネルギーをE、ウィンドウ透過率をτWD、基板の放射率をεとしたとき、基板自体エネルギーE=(ETOT−τWD×EWD)/ε によって算出される請求項に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して熱処理を行う基板処理装置及び方法に係り、さらに詳しくは、基板の温度を低温下でも正確に測定することのできる基板処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子は、通常、イオン注入、薄膜の蒸着、熱処理などの単位工程を数回繰り返し行うことによって製作される。中でも、熱処理工程は、基板の熱酸化、注入されたイオンの熱拡散及び各種のアニーリング工程に適用される。具体的に、前記熱処理工程の例としては、不純物イオンを注入した後の結晶性修復のアニーリング、アルミニウム(Al)及びシリコン(Si)の接触特性とシリコン(Si)及びシリコン酸化膜(SiO)の界面特性の向上のためのアニーリング、シリサイドの形成のための焼結などが挙げられる。
【0003】
このような熱処理工程を行う熱処理装置としては、ファーネス及び急速熱処理(Rapid Thermal Process;RTP)装置が挙げられる。特に、急速熱処理装置は、高温を用いて所望の効果を得ると共に、短時間(普通、数十秒から数分)内に熱処理工程が行われるので不純物が発生される副作用も最小限に留めることができるというメリットがあることから、熱処理工程に幅広く用いられている。
【0004】
熱処理装置は、タングステンハロゲンランプ(0.8μm〜4μm)などの加熱ランプを用いてシリコン基板に熱を供給し、このとき、基板の温度(エネルギー状態)をパイロメータを用いて測定し、測定された値が加熱制御器からフィードバックされて加熱ランプを制御する装置である。
【0005】
図1は、低温熱処理装置について説明するための概略図である。図1に示すように、工程チャンバ10内のエッジリング30などの基板支持部に基板20が載置された状態で多数の加熱ランプ61を用いて熱処理を行い、基板20の温度は長波長帯域を測定するパイロメータ40を用いて非接触方式によって測定する。以下において、パイロメータとは、5μm〜15μmの長波長帯域の輻射エネルギーを測定して温度に変換する装置のことをいう。
【0006】
この理由から、パイロメータ40は、基板20から放出された500℃以下の低温である5μm〜15μmの長波長の輻射エネルギーをレンズ41を用いて集光して、黒体輻射温度関係に基づいて基板の温度を非接触方式によって算出することができる。パイロメータ40において算出された温度は、加熱制御器50を介して加熱部60にフィードバックされて多数の加熱ランプ61に対する温度制御が行われる。
【0007】
一方、急速熱処理装置のパイロメータ40は、0.9μm〜1.1μmの波長帯を用いて温度を測定し、その測定領域は約450℃〜1250℃である。ところが、0.9μm〜1.1μmの波長帯を用いるパイロメータにおいて測定する基板の透光度は、基板の温度に依存する特性を有する。例えば、25℃(常温)における基板の透光度は約0.6であり、500℃以上においては0(不透明)の透光度を有する。
【0008】
すなわち、シリコン材質の基板は500℃未満において光を透過する特性があり、これによって、基板の温度が500℃未満である場合、加熱ランプの光の一部が基板を透過することになる。このため、基板の温度が500℃未満である場合、加熱ランプの光の一部が基板を透過してしまってパイロメータが正確な基板のみの温度を測定することができず、その結果、温度測定エラーが生じる。すなわち、基板の温度が500℃未満である場合には、基板それ自体から発生される波長だけではなく、基板を通過する加熱ランプの光波長がパイロメータにおいて加算されて測定される。この理由から、現在の熱処理装置の場合、500℃未満においては基板の正確な温度を測定することができないため低温急速熱処理工程を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国公開特許10−2010−0064486
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の技術的課題は、基板処理装置において基板の温度を正確に測定することである。特に、低温状態の基板の温度を測定するに当たって誤差が発生しないようにすることである。また、本発明の技術的課題は、測定される温度をフィードバックして加熱ランプに対して放射する輻射エネルギーの量をリアルタイムにて制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態は、基板処理空間を有する工程チャンバと、輻射エネルギーを発生させる複数の加熱ランプを内部に収納した加熱ハウジングと、前記加熱ハウジングと工程チャンバとの間において工程チャンバの気密を維持させ、前記輻射エネルギーが基板に伝わるように透過させるウィンドウと、前記工程チャンバ内の基板から発生される波長を測定して基板測定エネルギーに変換する第1のパイロメータと、前記ウィンドウから発生される波長を測定してウィンドウ測定エネルギーに変換する第2のパイロメータと、前記基板測定エネルギーでウィンドウ測定エネルギーを補償処理して基板自体の温度である基板自体温度を算出し、算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプを制御する加熱制御器と、を備える。
【0012】
また、前記工程チャンバは、前記加熱ハウジングに向かい合う個所の基板処理空間の内部に基板を載置するエッジリングと、前記エッジリングを前記工程チャンバの基板処理空間の内部に支持し、前記エッジリングを回転させる基板支持部と、を備える。
【0013】
さらに、前記第1のパイロメータ及び第2のパイロメータは、4μmを超える波長を検出するパイロメータであり、前記第1のパイロメータ及び第2のパイロメータは、向かい合う個所に対で配置される。
【0014】
さらに、前記加熱制御器は、前記基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて基板自体エネルギーを算出した後、基板自体エネルギーから基板自体温度を算出する。
【0015】
また、本発明の実施形態は、加熱ランプによって熱処理される基板から発生される波長を検出して基板測定エネルギーに変換する過程と、前記加熱ランプのエネルギーを透過させるウィンドウの一部の面から発生される波長を検出してウィンドウ測定エネルギーに変換する過程と、前記基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて基板自体の温度である基板自体温度を算出する過程と、算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプを制御する過程と、を含む。
【0016】
さらに、波長のエネルギーへの変換は、エネルギーをE、波長をλ、プランク定数をh、且つ、光速をcとしたとき、E=(hc)/λによって行われる。
【0017】
さらに、前記基板自体温度を算出する過程は、前記基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて基板自体エネルギーを算出した後、基板自体エネルギーから基板自体温度を算出することによって行われる。
【0018】
さらに、基板測定エネルギーをETOT、ウィンドウ測定エネルギーをEWD、基板自体エネルギーをE、ウィンドウ透過率をτWD、基板の放射率をεとしたとき、基板自体エネルギーE=(ETOT−τWD×EWD)/εによって算出される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によれば、基板の温度を測定する第1のパイロメータ及びウィンドウ温度を測定する第2のパイロメータを設けて測定された値を補償処理することによって、基板の温度を正確に測定することができる。特に、低温状態の基板である場合、加熱ランプの輻射エネルギーが基板を透過しなくても誤差のない基板の温度を測定することができる。また、本発明の実施形態によれば、低温状態で基板の温度を正確に測定することができるので、低温で基板を熱処理することができる。その結果、温度とは無関係に様々な基板処理工程に適用することができて素子の製造コストの競争力が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、熱処理装置について説明するための概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る加熱ハウジング及び工程チャンバを備えて熱処理を行う基板処理装置の分解斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る、加熱ハウジング及び工程チャンバを備える熱処理装置における温度測定及び加熱処理について説明するための機能ブロック図である。
図4図4は、ウィンドウそれ自体から発生されるエネルギーの波長及び基板それ自体から発生されるエネルギーの波長の概念を示す図である。
図5図5は、波長帯域別の透過率を示すグラフである。
図6図6は、本発明の実施形態によって複数の対で配設されたパイロメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態についてより詳細に詳述する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化可能であり、単に、これらの実施形態は、本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。なお、図中、同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0022】
以下において、基板とは、光の一部または全部が透過される材質を有するあらゆる対象体のことをいう。例えば、シリコン材質のウェーハ、ポリ材質のプラスチックなど光の一部または全部を透過させる様々な材質が基板の材質として使用可能である。
【0023】
図2は、本発明の実施形態に係る加熱ハウジング及び工程チャンバを備えて熱処理を行う基板処理装置の分解斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係る、加熱ハウジング及び工程チャンバを備える熱処理装置における温度測定及び加熱処理について説明するための機能ブロック図である。
【0024】
熱処理装置は、加熱ランプなどから放出されたエネルギーで基板を直接的に加熱して基板の温度を速やかに高める。
【0025】
熱処理装置は、基板処理空間を有する工程チャンバ200と、輻射エネルギーを発生させる複数の加熱ランプを備える加熱ハウジング100と、前記加熱ハウジングと工程チャンバとの間において工程チャンバの気密を維持させ、前記輻射エネルギーが基板に伝わるように透過させるウィンドウ300と、工程チャンバ内の基板から発生される波長を測定して基板測定エネルギーに変換する第1のパイロメータ500と、ウィンドウから発生される波長を測定してウィンドウ測定エネルギーに変換する第2のパイロメータ600と、基板測定エネルギーでウィンドウ測定エネルギーを補償処理して基板自体の温度である基板自体温度を算出し、算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプをフィードバック制御する加熱制御器400と、を備える。なお、図示はしないが、前記熱処理装置は、前記工程チャンバ200の内部の圧力を調節する圧力調節部をさらに備えるが、これを用いて工程チャンバ200を高真空にする。
【0026】
加熱ハウジング100は、輻射エネルギーを発生させる複数の加熱ランプ110を内部に収納する。前記輻射エネルギーは、加熱ランプ110から発生される光状のものであり、加熱ランプ110から発生される輻射熱の輻射エネルギーによって基板が加熱される。加熱ハウジング100には、第2のパイロメータ600の集光レンズ601(以下、「第2の集光レンズ」と称する。)に光の波長を伝える光通路602(以下、「第2の光通路」と称する。)が貫設されている。このため、加熱ハウジング100の第2の光通路602の先端には第2のパイロメータ600の第2の集光レンズ601が配設されて、加熱ハウジング100を貫通して放射される光の波長を測定する。
【0027】
加熱ランプ110はバルブ状または線形状のものであり、放射状の多数のゾーンに配列される。前記加熱ランプ110はタングステンハロゲンランプまたはアークランプとして実現されて、近赤外線の形でエネルギーを放射する。加熱ランプ110はその内部が空いている管状に製作され、ハロゲンタングステンランプとして実現される場合、その内部には輻射エネルギーを発生させるフィラメントが配設される。ランプ胴体はガラスまたはクォーツを用いて製作することによって、輻射熱の輻射エネルギーを損失なしに透過させることが好ましい。なお、前記加熱ランプの内部には不活性ガス(例えば、アルゴン)が充填されることが効果的である。
【0028】
工程チャンバ200は、基板処理空間である内部空間を有するが、基板処理空間の内部に基板が載置される。工程チャンバ200は、内部が空いている円形状や四角筒状に製作されるが、これに限定されるものではなく、様々な筒状に製作可能である。すなわち、工程チャンバ200は、円形状または多角形状に製作可能である。また、工程チャンバ200の一方の面及び他方の面のそれぞれには基板の出入りのための基板出入りゲート211が設けられ、いずれか一つの基板出入りゲート211は搬送モジュール(図示せず)と接続される。
【0029】
工程チャンバ200は、エッジリング222などの基板を支持する基板支持部220と、基板支持部220を支持する基台部230と、基板支持部を囲繞するプロセスキット210と、を備える。
【0030】
基板支持部220の内部には、垂直方向に移動する複数のリフトピン221と、基板が載置されるエッジリング222が配設される。エッジリング222は、基板処理空間の内部における加熱ハウジング100に向かい合う個所に基板を載置する載置手段である。基板を均一に熱処理するために、基板が基板支持部220によって支持されて駆動モータによって回転されるようにする。基板支持部220の周縁にプロセスキット210が配設される。これによって、熱処理工程を行うとき、プロセスキット210の内部に基板支持部が位置し、基板支持部220の回転によってエッジリング222に載置された基板が所定の速度で回転される。加えて、基板支持部は、エッジリングによって支持されることなく、ピンまたはホルダーなどの支持体によって支持されて様々な支持形態を有する。なお、基板支持部は、基板を回転させずに固定載置する構造物の形を有していてもよい。
【0031】
基板支持部220には、第1のパイロメータ500の集光レンズ501(以下、「第1の集光レンズ」と称する。)に光の波長を伝える通路である光通路502(以下、「第1の光通路」と称する。)が貫設されている。このため、基板支持部220の第1の光通路502の先端には第1のパイロメータ500の第1の集光レンズ501が配設されて、基板支持部220を貫通して放射される光の波長を測定することができる。
基台部230は、基板支持部220を支持するハウジングである。基板支持部を支持するシャフト(図示せず)が基台部230を貫通して外部モータ(図示せず)の駆動によって回転され、これによって、基板支持部220が回転される。
【0032】
プロセスキット210は、基板支持部220の周縁を囲繞する石英シリンダ212と、プロセスキットの一方の面及び/又は他方の面のそれぞれに設けられて基板の出入りを行う基板出入りゲート211と、を備え、いずれか一つの基板出入りゲート211は基板搬送モジュール(図示せず)と接続される。プロセスキット210の基板の出入りゲート211を介して基板Wが装入されて基板支持部220のエッジリング222に置かれる。参考までに、基板がプロセスキットの内部に装入される場合には、リフトピン221が上昇された状態で基板が搬入されてリフトピン221に置かれ、リフトピン221の下降によって基板がエッジリング222に置かれる。逆に、基板が搬出される場合には、リフトピン221が上昇してエッジリング222から基板を上昇させた後、基板出入りゲート221を介して基板を外部に搬出する。
【0033】
加熱ハウジング100とプロセスキット210との間にはウィンドウ300が配設されて、加熱ランプから放射される熱エネルギーを透過させて基板に伝える。ウィンドウ300は、加熱ハウジング100とプロセスキット210との間において気密を維持させるが、加熱ハウジング100とプロセスキット210との間を遮断して外部環境(ガス、汚染物質)から工程チャンバを保護する。また、ウィンドウ300は加熱ランプ110を保護し、加熱ランプから発生される熱によって発生する副産物が工程チャンバの内部の基板処理空間に配設された基板に落下することを防ぐ。ウィンドウ300として透過性のクォーツを用いることが効果的である。しかしながら、クォーツウィンドウに加えて、透光性を有する様々な材質が使用可能であるということはいうまでもない。
【0034】
加熱制御器400は、第1のパイロメータ500及び第2のパイロメータ600において算出された温度を用いて加熱ランプ110をフィードバック制御する。
【0035】
一方、ウィンドウは、加熱ランプの0.2μm〜4μmの波長帯域の輻射エネルギーを透過させて下部の基板に放射し、且つ、0.2μm以下または4μm超えの波長帯域を吸収してウィンドウそれ自体が加熱され、加熱された自体エネルギーを基板の下部及び上部に放射する。図4は、ウィンドウそれ自体から発生されるエネルギーの波長及び基板それ自体から発生されるエネルギーの波長の概念を示す図であり、図5と結び付けて説明する。
【0036】
ウィンドウの材質の特性によって、図5に示すように、ウィンドウは、0.2μm〜4μmの波長帯域において70%以上の透過率を有する。このため、このような0.2μm〜4μmの波長帯域のほとんどはウィンドウを透過して基板に熱源として働く。しかしながら、0.2μm以下または4μm超えの波長帯域はウィンドウ300において遮断されて吸収される。このため、図4に示すように、2μm以下または4μm超えの波長を吸収するウィンドウ300はエネルギーを得、このような吸収されたエネルギーによってウィンドウの天面及び底面において遠赤外線の形態の波長1a、1bが発生される。
【0037】
このため、ウィンドウ300の底面からは、加熱ランプから発生されてウィンドウを透過する0.2μm〜4μmの波長状の輻射エネルギー(図示せず)(以下、ウィンドウ底面透過エネルギーと称する。)及び加熱ランプから発生される0.2μm以下または4μm超えの波長によって加熱されたウィンドウそれ自体から発生される波長状のエネルギー1b(以下、ウィンドウ底面自体エネルギーと称する。)が一緒に放射される。なお、ウィンドウ300の天面からは、加熱ランプから発生される0.2μm以下または4μm超えの波長によって加熱されたウィンドウそれ自体から発生される波長状のエネルギー1a(以下、ウィンドウ天面自体エネルギーと称する。)が放射される。ウィンドウ底面自体エネルギー1b及びウィンドウ天面自体エネルギー1aは、ウィンドウから上部及び下部に発生されるエネルギーであるため、同じ大きさを有する。
【0038】
また、基板は、ウィンドウを透過する0.2μm〜4μmの波長状の輻射エネルギー(ウィンドウ底面透過エネルギー)によって加熱されるが、このような加熱によってエネルギー波長2を自体的に放射する。
【0039】
一方、基板は、500℃未満において光の一部を透過させる特性を有し、これによって、基板の温度が500℃未満である場合、加熱ランプの輻射エネルギーの一部が基板を透過することになる。このため、基板の温度が500℃未満である場合、加熱ランプの輻射エネルギーが基板を透過し、基板の温度を測定する第1のパイロメータが基板のみの温度を正確に測定することができず、その結果、温度測定エラーが生じる。すなわち、基板の温度が500℃未満である場合には、基板それ自体から発生される波長だけではなく、基板を通過する加熱ランプの光波長がパイロメータにおいて加算されて測定される。この理由から、従来には、500℃未満においては基板の正確な温度を測定することができず、低温熱処理工程を行うことができない。
【0040】
このような問題を解消するために、本発明の実施形態は、基板が載置されるエッジリングを支持する基板支持部220の内部を貫通する多数の第1のパイロメータ500を備える。第1のパイロメータ500は、基板支持部220の第1の光通路502の先端に配設され、基板下面に対する波長測定を行うことができる。
【0041】
第1のパイロメータ500は、工程チャンバ内において熱処理される基板から放射される4μm以上の波長を測定して基板測定エネルギーを算出する。参考までに、パイロメータは波長を測定する装置であり、パイロメータは光感知部及び光源を備える。光感知部には基板から放出される輻射光と、光源から基板に照射されて基板から反射される反射光が入射され、光感知部は光の放出強度及び輻射率を用いて波長を測定する。パイロメータにおいて測定された波長はエネルギーに変換されるが、波長のエネルギーへの変換は、周知の如く、エネルギーをE、波長をλ、プランク定数をh、且つ、光速をcとしたとき、E=(hc)/λによって行われる。
【0042】
このため、工程チャンバ内において熱処理される基板から発生される波長を測定して基板測定エネルギーに変換することができる。前記式において、エネルギー及び波長は互いに反比例する。また、参考までに、プランク定数hの値は6.626*10−34[J/S]であり、光速定数cの値は3*10[m/s]である。さらに、第1のパイロメータ500の一方の端に第1の集光レンズ501が配設されて基板支持部220の第1の光通路502を貫通する光を集光する。なお、第1のパイロメータ500と同様に、後述する第2のパイロメータ600にも第2の集光レンズ601が配設されて波長が第2のパイロメータに集光されて伝わる。
【0043】
500℃未満の低温の基板である場合、加熱ランプの輻射エネルギーの波長の一部が基板を透過して第1のパイロメータ500に伝わるが、第1のパイロメータ500は、このような加熱ランプの輻射エネルギーを検出しないように、4μmを超える波長帯域を検出するパイロメータとして実現される。上述したように、ウィンドウは、その材質がクォーツであるため、0.2μm〜4μm帯域の波長を70%以上透過させて所定の部分を吸収し、0.2μm未満または4μm超えの波長はほとんど吸収して一部は透過させる特性を有する。このため、加熱ランプから放射される輻射エネルギーのうち0.2μm未満または4μm超えの波長はほとんどウィンドウに吸収されて基板に伝わらない。
【0044】
このため、第1のパイロメータは、加熱ランプからの4μm超えの波長は検出しない。したがって、第1のパイロメータは基板を透過する加熱ランプの輻射エネルギーに影響を受けることなく、基板それ自体から発生される4μmを超える波長のみを検出することができる。
【0045】
一方、図4に示すように、基板の下部に置かれた第1のパイロメータ500において検出される4μm超えの波長は、基板それ自体の温度によって発生される4μm超えの波長2に、ウィンドウから発生されるウィンドウ底面自体エネルギーの波長1bが加算された値である。ウィンドウは、0.2μm未満や4μm超えの加熱ランプの輻射エネルギー波長を吸収して昇温されて、自体的にエネルギー波長1a、1bをウィンドウの天面及び底面から発生させる。ところが、500℃未満の基板である場合、ウィンドウ底面自体エネルギーの波長1bが基板20を透過して第1のパイロメータに伝わる。このため、第1のパイロメータ500において測定される4μm超えの波長は、基板それ自体から発生されるエネルギーの波長であるとはいえない。すなわち、4μm超えの波長を測定する第1のパイロメータは、基板の自体エネルギー波長2と、基板を通過したウィンドウ底面自体エネルギー1bを合算したエネルギーを基板測定エネルギーとして測定し、これに基づいて温度を算出するため、基板それ自体の温度を算出することができなくなる。
【0046】
本発明の実施形態は、このような問題を解消するために、ウィンドウそれ自体から発生されるエネルギーの4μm超えの波長を測定してウィンドウ測定エネルギーに変換する第2のパイロメータ600を備える。また、これを用いてエネルギーを補償することによって、基板の温度を正確に測定することができる。第2のパイロメータ600は、4μm超えの波長を検出する。第2のパイロメータはウィンドウの上部に配設されてウィンドウの天面から発生される4μm超えの波長エネルギー1aを測定するが、第1のパイロメータ500と同様に、光感知部及び光源を備える。このため、光感知部には基板から放出される輻射光と、光源から基板に照射されて基板から反射される反射光が入射され、光感知部は光の放出強度及び輻射率を用いて波長を測定する。
【0047】
加熱制御器400は、基板測定エネルギー1b、2でウィンドウ測定エネルギーを補償処理して基板自体の温度である基板自体温度を算出し、算出した基板自体温度を用いて前記加熱ランプをフィードバック制御する。すなわち、第1のパイロメータ500において測定された基板測定エネルギー1b、2から、ウィンドウの上部に配設された第2のパイロメータ600において測定されたウィンドウ測定エネルギーであるウィンドウ天面自体エネルギー1aを差し引いて基板自体の温度である基板自体温度を算出する。
【0048】
基板測定エネルギーからウィンドウ測定エネルギーを差し引いて基板自体エネルギーを得、このようにして得られた基板自体エネルギーを用いて基板自体温度を算出することができる。基板自体エネルギーは、基板測定エネルギーをETOT、ウィンドウ測定エネルギーをEWD、基板自体エネルギーをE、ウィンドウ透過率をτWD、基板の放射率をεとしたとき、基板自体エネルギーE=(ETOT−τWD×EWD)/εによって算出される。
【0049】
基板自体エネルギーが算出されると、基板自体温度を算出することができるが、前記基板自体温度は、基板自体エネルギーをE、基板自体温度をT、モル数をn、気体定数をRとしたとき、前記基板自体温度T=(2×E)÷(3×n×R)によって算出される下記式3によって算出される。
【0050】
このようにして算出された基板自体温度は、ウィンドウから伝わって基板を透過するエネルギーを除く基板自体のみのエネルギーによる温度となる。加熱制御器400は、算出された基板自体温度を用いて加熱ランプをフォードバック制御して、所望の基板温度を維持するための加熱ランプの発光エネルギー量をフィードバック調節することができる。
【0051】
一方、前記第1のパイロメータ及び第2のパイロメータはそれぞれ単数配設されて波長を測定することができるが、図6に示すように、複数のパイロメータが配設されてもよい。第1のパイロメータ500a、500b、500c、500dは複数配設されて、基板の複数の個所から発生される波長を測定し、同様に、第2のパイロメータ600a、600b、600c、600dは複数配設されてウィンドウの天面の複数個所から発生される波長を測定する。複数の第1のパイロメータ500a、500b、500c、500dまたは複数の第2のパイロメータ600a、600b、600c、600dは、測定された波長の平均値を用いて基板測定エネルギーまたはウィンドウ測定エネルギーを測定する。平均値を用いることによって、局部的な値ではなく、正確な値の測定が可能になる。
【0052】
複数の第1のパイロメータ及び第2のパイロメータを用いるとき、第1のパイロメータ及び第2のパイロメータは向かい合う個所に(500a、600a)、(500b、600b)、(500c、600c)、(600d、600d)といったように対をなして設けられる。第1のパイロメータ及び第2のパイロメータが向かい合う個所に配設されることによって、基板自体エネルギーを正確に測定することができる。第1のパイロメータ及び第2のパイロメータが向かい合う個所に配設されることなく、異なる個所の波長を測定すると、各個所において測定される基板測定エネルギーまたはウィンドウ測定エネルギー間の連関性が低下するためである。
【0053】
一方、以上、工程チャンバの上部に加熱ランプが配設されて工程チャンバ内の基板を加熱して基板の温度を測定する例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱ランプ及び第1のパイロメータが向かい合う構造を有する様々な実施形態が採用可能である。例えば、工程チャンバが上部に配設され、且つ、下部に加熱ランプが配設されて上部に配設された基板を加熱する構造を有していてもよく、この場合、基板の温度を測定する第1のパイロメータ及び加熱ランプは向かい合わせてもよい。
【0054】
以上、本発明について添付図面及び上述した好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに何ら限定されるものではなく、後述する特許請求の範囲によって限定される。よって、この技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲の技術的思想から逸脱しない範囲内において本発明を種々に変形及び修正することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6