(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る窒化物半導体発光素子及びその製造方法について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
【0017】
<第1の実施形態>
[窒化物半導体発光素子の構造]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面図である。本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、凹凸形状(凸部1aと凹部1bとを含む)を上面に有する基板1と、基板1の上面に接するようにして設けられたバッファ層3と、バッファ層3の上面に接するようにして設けられ、空洞部分7を有する下地層5と、下地層5の上面に接するようにして設けられたn型窒化物半導体層9と、n型窒化物半導体層9の上面に接するようにして設けられた発光層11と、発光層11の上面に接するようにして設けられたp型窒化物半導体層13と、p型窒化物半導体層13の上面に接するようにして設けられた透明電極15とを備える。n型窒化物半導体層9と発光層11とp型窒化物半導体層13とで窒化物半導体積層構造を構成する。
【0018】
本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層9の露出面に接するようにして設けられたn側電極17と、透明電極15の上面に接するようにして設けられたp側電極19とを備える。「上面」は、
図1の上側に位置する面を意味するのであって、重力方向上側に位置する面を意味するものではない。
【0019】
<基板>
基板1は、例えば、サファイヤ、Si、SiC又はスピネル等からなっても良いし、GaN等のIII族窒化物半導体からなっても良い。基板1は、発光波長に対して透明なサファイヤからなることが好ましい。「発光波長」は、発光層11が発する光のピーク波長を意味する。
【0020】
基板1は、凹部1bと、凹部1b同士の間に設けられた凸部1aとを、上面(
図1の上面)に有する。凸部1aは、基板1の上面(凹凸形状が形成された基板1の面)において、ストライプ状に設けられていても良いが、ドット状に設けられていることが好ましい。凸部1aが基板1の上面においてストライプ状に設けられていれば、凸部1aの長手方向においては凸部1aしか存在せず、凸部1aの幅方向(凸部1aの長手方向に対して垂直な方向)において凸部1aと凹部1bとが交互に配置されるに過ぎない。しかし、凸部1aが基板1の上面においてドット状に設けられていれば、基板1の上面では互いに直交する2方向のそれぞれにおいて凸部1aと凹部1bとが交互に配置される。よって、凸部1aが基板1の上面においてストライプ状に設けられている場合よりも、光の散乱効果が大きくなるので光の取り出し効率が更に高くなる。
【0021】
凸部1aの高さは、500nm以上2μm以下であることが好ましい。凸部1aの高さが500nm以上であれば、所定の長さyを有する空洞部分7が下地層5の内部に形成される。よって、光の取り出し効率を更に高めることができる(後述)。凸部1aの高さが高いほど、空洞部分7の長さyが長くなるので、光の取り出し効率がより一層、高くなる。より好ましくは、凸部1aの高さは600nm以上である。一方、凸部1aの高さが2μm以下であれば、凹凸形状を基板1に形成したことに起因して窒化物半導体発光素子の厚さが厚くなり過ぎることを防止できる。
【0022】
凸部1aの外形は、円錐形状であることが好ましい。これにより、ファセット成長モードで下地層5を成長させたときに、転位の伝播を制御し易くなる。凸部1aの間隔は、特に限定されない。なお、凸部1aの外形は、転位の伝播を制御し易い形状であれば良い。凸部1aの断面形状は、
図1に示すように、丸みを帯びた先端又は丸みを帯びた斜面を有していても良い。
【0023】
<バッファ層>
バッファ層3は、基板1を構成する材料とIII族窒化物半導体との間の格子定数差を解消させるために設けられる。バッファ層3は、窒化物半導体からなり、Al
s1Ga
t1O
u1N
1-u1(0≦s1≦1、0≦t1≦1、0≦u1≦1、s1+t1+u1≠0)層であることが好ましく、AlN層又はAlON層であることがより好ましい。バッファ層3の厚さは、3nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上50nm以下であることがより好ましい。
【0024】
<下地層>
下地層5は、Al
xGa
1-xN(0≦x≦1)からなることが好ましい。「下地層5がAl
xGa
1-xN(0≦x≦1)からなる」は、下地層がAl
xGa
1-xN(0≦x≦1)層(単層)である場合と、下地層が、Al組成比及びGa組成比の少なくとも一方が互いに異なるAl
xGa
1-xN(0≦x≦1)層の積層体である場合とを含む。
【0025】
下地層5は、第1下地層5Aと、第1下地層5Aの上に設けられた第2下地層5Bとを有することが好ましい。第1下地層5Aは、ファセット面5f(
図2(b)参照)が形成されるファセット成長モードを主として成長されることが好ましい。第2下地層5Bは、横方向成長モードを主として成長されることが好ましい。
【0026】
第1下地層5Aは、AlGaN層であることが好ましい。これにより、発光波長が380nm以下であっても、当該光が第1下地層5Aに吸収されることを防止できる。本明細書では、「AlGaN」は、「Al
xGa
1-xN(0<x<1)」を意味する。
【0027】
第2下地層5Bは、Al組成比が第1のAlGaN下地層5AのAl組成比よりも大きなAlGaN層であっても良いし、GaN層であっても良い。しかし、発光波長が380nm以下である場合、第2下地層5BがGaN層であれば、第2下地層5Bが光(発光層11が発する光)を吸収してしまう。一方、第2下地層5BがAlGaN層であれば、第2下地層5Bが光(発光層11が発する光)を吸収することを防止できる。したがって、第2下地層5Bは、AlGaN層であることが好ましく、Al組成比が第1のAlGaN下地層5AのAl組成比よりも大きなAlGaN層であることがさらに好ましい。
【0028】
第2下地層5BがGaN層である場合には、第2下地層5Bを横方向成長モードで容易に成長させることができる。成長温度を1000℃以上とすれば、成長条件に制限されることなく第2下地層5Bを横方向成長モードで成長させることができる。
【0029】
第2下地層5BがAlGaN層である場合には、第2下地層5BがGaN層である場合に比べて横方向成長モードでの第2下地層5Bの成長が困難となる。しかし、Mg等のサーファクタントを用いる、200Torr以下の減圧下で成長させる、1100℃以上の温度下で成長させる、又は、N
2を主成分とするキャリアガスを用いる等により、第2下地層5Bを横方向成長モードで容易に成長させることができる。「N
2を主成分とするキャリアガスを用いる」は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により第2下地層5Bを形成するときにN
2を主成分とするキャリアガスを用いることを意味する。
【0030】
<空洞部分>
空洞部分7は、基板1の凸部1aの上方で且つ下地層5の内部に、設けられている。これにより、AlGaNが基板1の凸部1aの上において異常成長した場合であっても、その異常成長は、空洞部分7によって、当該空洞部分7よりも上方へ伝播し難くなる。また、転位が基板1の凹凸形状(凹部1bと凸部1aとで形成される形状)の上で発生した場合であっても、その転位は、空洞部分7によって、当該空洞部分7よりも上方へ伝播し難くなる。これらのことから、下地層5の上に形成された層(例えば発光層11)の結晶性を高く維持できる。さらに、空洞部分7の内部空間と空洞部分7を取り囲む部材(下地層5)との間の屈折率差が大きくなるので、空洞部分7に届いた光が散乱又は乱反射される。よって、光の取り出し効率を高めることができる。好ましくは、空洞部分7が第1下地層5A(例えばAlGaN層)の内部に設けられていることであり、より好ましくは、空洞部分7と基板1との間に下地層(例えば第1下地層5A)の一部を有することである。
【0031】
ここで、「空洞部分7が基板1の凸部1aの上方に設けられている」は、下地層5が基板1よりも重力方向上側に位置している場合には空洞部分7が基板1の凸部1aよりも重力方向上側に設けられていることを意味し、下地層5が基板1よりも重力方向下側に位置している場合には空洞部分7が基板1の凸部1aよりも重力方向下側に設けられていることを意味する。
【0032】
空洞部分7は、上述のように基板1の凸部1aの上方に設けられている。これにより、空洞部分が基板の凹部の上方に形成されている場合に比べて、つまり空洞部分が隣り合う凸部の頂点を架橋するように設けられている場合に比べて、空洞部分7と空洞部分7を取り囲む部材との間の屈折率差が大きくなる。よって、空洞部分が基板の凹部の上方に形成されている場合に比べて、光の散乱効果又は光の乱反射効果が大きくなるので光の取り出し効率が高くなる。
【0033】
空洞部分7の長さyは、窒化物半導体積層構造の厚さ方向において100nm以上であることが好ましく、窒化物半導体積層構造の厚さ方向において発光波長の1/4倍以上であることが好ましい。これにより、光の染み出しを最小限に抑えることができるので、光の散乱効果又は光の乱反射効果が大きくなり、よって、光の取り出し効率が更に高くなる。空洞部分7の長さyは、窒化物半導体積層構造の厚さ方向において発光波長の1/4倍以上5倍以下であることがより好ましい。空洞部分7の幅xは、窒化物半導体積層構造の水平方向(窒化物半導体積層構造の厚さ方向に対して垂直な方向)において発光波長の1/4倍以上5倍以下であることが好ましい。
【0034】
空洞部分7は、下地層5(特に第1下地層5A)の形成途中で形成される。そのため、下地層5の形成条件を変更すれば、空洞部分7の大きさを変更できる。これにより、空洞部分を基板と窒化物半導体層との界面に形成する場合に比べて、空洞部分7の設計の自由度が高くなる。例えば、凹凸の大きさ、又は、凹部1bに対する凸部1aの側面の傾斜角度等を変更すれば、空洞部分7の幅xが変更される。下地層5の初期成長層の厚さを変更すれば、空洞部分7の長さyが変更される。「初期成長層」は、窒化物半導体の成長モードを横方向成長モードへ切り換える前までに成長される窒化物半導体層を意味し、本実施形態では第1下地層5Aである。
【0035】
空洞部分7は、周期的に設けられていることが好ましい。これにより、光の散乱効果又は光の乱反射効果が大きくなるので、光の取り出し効率が更に高くなる。例えば、基板1の凹凸の周期(隣り合う凸部1aの間隔等)を変更すれば、隣り合う空洞部分7の間隔iが変更される。これにより、空洞部分が成長層中にランダムに設けられる場合に比べて、空洞部分7の周期(例えば隣り合う空洞部分7の間隔i)を自由に設計することができる。よって、空洞部分が成長層中にランダムに設けられる場合に比べて、空洞部分7の設計の自由度が高くなる。
【0036】
発光波長ごとに空洞部分7の最適な周期が異なる。基板1の凹凸の周期を変更すれば空洞部分7の周期を変更することができるので、発光波長に合わせて空洞部分7の周期を最適化させることができる。
【0037】
窒化物半導体積層構造の厚さ方向に延びる空洞部分7の面(空洞部分7の側面)は、基板1を構成する材料のc軸方向に対して傾斜していることが好ましい。これにより、空洞部分7のアスペクト比(幅x/長さy)が高くなるので、空洞部分7の側面の表面積が大きくなる。空洞部分7の側面が上記c軸方向に対して傾斜することにより、発光層として機能しない窒化物半導体層(例えば下地層5、n型窒化物半導体層9又はp型窒化物半導体層13)と基板1、透明電極15、空気又は樹脂との界面に対して全反射角よりも大きな角度で入射した光の入射角が変更され、よって、その光の一部の入射角が全反射角以下となる。したがって、空洞部分7の側面が上記c軸方向に対して傾斜することにより、光の取り出し効率が更に高くなる。より好ましくは、空洞部分7の側面は、基板1を構成する材料(たとえばサファイヤ)のc軸方向に対して2°以上6°以下傾斜している。
【0038】
<n型窒化物半導体層>
n型窒化物半導体層9は、n型ドーパントがAl
s2Ga
t2In
u2N(0≦s2≦1、0≦t2≦1、0≦u2≦1、s2+t2+u2≠0)層にドープされた層であることが好ましい。n型ドーパントは、Si又はGeであることが好ましい。n型窒化物半導体層9のn型ドーパント濃度は、5×10
17cm
-3以上5×10
19cm
-3以下であることが好ましい。n型窒化物半導体層9の厚さは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
【0039】
<発光層>
発光層11は、単一量子井戸構造を有しても良いし、多重量子井戸構造を有しても良い。発光層11が単一量子井戸構造を有する場合には、発光層11は、Ga
1-s3In
s3N(0<s3<0.4)層を量子井戸層として含むことが好ましい。発光層11が多重量子井戸構造を有する場合には、発光層11は、Ga
1-s3In
s3N(0<s3<0.4)層(井戸層)とAl
s4Ga
t4In
u4N(0≦s4≦1、0≦t4≦1、0≦u4≦1、s4+t4+u4≠0)層(障壁層)とが交互に1層ずつ積層されたものであることが好ましい。
【0040】
<p型窒化物半導体層>
p型窒化物半導体層13は、p型ドーパントがAl
s5Ga
t5In
u5N(0≦s5≦1、0≦t5≦1、0≦u5≦1、s5+t5+u5≠0)層にドープされた層であることが好ましい。p型ドーパントは、Mgであることが好ましい。p型窒化物半導体層13のp型ドーパント濃度は、1×10
18cm
-3以上1×10
21cm
-3以下であることが好ましい。p型窒化物半導体層13の厚さは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
【0041】
<透明電極、n側電極、p側電極>
透明電極15は、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化インジウム(Indium Oxide)、酸化スズ(Tin Oxide)又は酸化亜鉛(Zinc Oxide)等からなっても良いし、Au、Ag、Pt、Ti、Pd、Al及びNiの少なくとも1つを含む材料からなっても良い。透明電極15の厚さは、20nm以上200nm以下であることが好ましい。
【0042】
n側電極17は、Au、Ag、Pt、Ti、Pd、Al及びNiの少なくとも1つを含む金属層の単層からなっても良いし、材料が異なる2種以上の金属層が積層されても良い。n側電極17の厚さは1μm以上であることが好ましい。これにより、n側電極17にワイヤボンディングを行うことができる。
【0043】
p側電極19は、Au、Ag、Pt、Ti、Pd、Al及びNiの少なくとも1つを含む金属層の単層からなっても良いし、材料が異なる2種以上の金属層が積層されても良い。p側電極19の厚さは1μm以上であることが好ましい。これにより、p側電極19にワイヤボンディングを行うことができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態では、空洞部分7は、基板1の凸部1aの上方で且つ下地層5の内部に、設けられている。これにより、基板1の凸部1aの上に異常成長した、結晶配向性の悪い層が窒化物半導体積層構造側へ伝播することを防止できる。また、基板1の凹凸形状の上で生じた転位が窒化物半導体積層構造側へ伝播することを防止できる。さらに、空洞部分7の内部空間と空洞部分7を取り囲む部材との間の大きな屈折率差に因る高い散乱効果が得られるので、光の取り出し効率が高くなる。光の取り出し効率が高くなることは、Alを含む層を下地層5に用い空洞部分7の大きさを最適化することにより顕著となり、空洞部分7を周期的に設けることによりさらに顕著となる。また、発光波長に応じて空洞部分7の設計を自由に変更できる。
【0045】
[窒化物半導体発光素子の製造]
図2(a)〜(d)は、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一部を工程順に示す断面図である。以下では、窒化物半導体積層構造が形成された基板を分割して窒化物半導体発光素子を得るという方法を記載する。しかし、便宜上、分割前の部材と、分割後の当該部材に対応する部材とには、同一の符号を付している。
【0046】
まず、例えば既存のエッチング方法により凹凸形状を基板1に形成する。これにより、例えば、高さが0.6μmである凸部1aが、隣り合う間隔を2μmとして、基板1の上面において三角形の頂点となる位置に設けられる。
【0047】
次に、例えばスパッタ法によりバッファ層3を形成する。これにより、
図2(a)に示すように、例えばAlNからなるバッファ層3が基板1の凸部1aの上とその凹部1bの上とに形成される。
【0048】
続いて、例えばMOCVD法により、下地層5を形成する。下地層5の材料であるAlGaNでは、3次元成長モードが支配的である。つまり、AlGaNでは、基板1の平面方向(横方向)におけるエピタキシャル成長に対して、c軸方向におけるエピタキシャル成長が支配的となる。以下、仮想的に引いた点線L51〜L56を参照しながら詳細に示す。
【0049】
AlGaNは、凸部1aの上ではなく凹部1bの上に選択的に成長され(L51)、ファセット面5fを保持しながら3次元成長される(L51→L52→L53)。隣り合うファセット面5fの下端が凸部1aの頂点上で重なると、AlGaNは凸部1aを覆うように結晶成長される(L54)。しかし、隣り合うファセット面5fは、完全には会合(コアレッセンス)されない。そのため、AlGaNは、溝部(AlGaNが成長されない部分、空洞部分7となる部分)が凸部1aの上方に形成された状態でc軸方向へさらに結晶成長される(L55)。AlGaNが結晶成長されるにつれて、溝部の深さが深くなる。
【0050】
溝部の深さが所定値を超えると、AlGaNの結晶成長条件を3次元成長モードから横方向成長モードに変更する。これにより、溝部の開口がAlGaNにより蓋されて空洞部分7が形成される(
図2(d))。
【0051】
例えば次に示す方法にしたがって第1下地層5Aを形成できる。バッファ層3が形成された基板をMOCVD装置内に入れて、基板1の温度を1045℃とする。形成されるAlGaN層(第1下地層)が4mol%のAlを含むようにトリメチルアルミニウム(TMA(Trimethylaluminium))、トリメチルガリウム(TMG(Trimethylgallium))及びNH
3の供給量を設定して、これらをMOCVD装置内に供給する。キャリアガスとしてN
2をMOCVD装置内に供給し、N
2を90体積%以上含む雰囲気下でAlGaN層をファセット成長モードで結晶成長させる。
【0052】
例えば次に示す方法にしたがって第2下地層5Bを形成できる。基板1の温度を1100℃とする。形成されるAlGaN層(第2下地層)が5mol%のAlを含むようにTMA、TMG及びNH
3の供給量を設定して、これらをMOCVD装置内に供給する。キャリアガスとしてN
2をMOCVD装置内に供給し、N
2を90体積%以上含む雰囲気下でAlGaN層(厚さ2.5μm)を横方向成長モードで結晶成長させる。このようにキャリアガスとしてN
2を含む雰囲気下でAlGaN層を横方向成長モードで結晶成長させれば、AlGaN層の上面L56が平坦となる。
【0053】
既知の方法にしたがってn型窒化物半導体層9と発光層11とp型窒化物半導体層13とを形成してから、既知の条件でアニールを行う。既知の条件でエッチングを行ってn型窒化物半導体層9を露出させる。n型窒化物半導体層9の露出面にはn側電極17を設け、p型窒化物半導体層13の上面には透明電極15を挟んでp側電極19を設ける。その後、基板1を分割して、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子を得る。
【0054】
[実験例1]
FIB(Focused Ion Beam(集束イオンビーム))装置を用いて、上述の方法にしたがって得られた窒化物半導体発光素子の断面を露出させた。その後、SEMを用いて、露出された断面を観察した。
図3は、本実験例の窒化物半導体発光素子の一部の断面SEM写真である。
【0055】
図3に示すように、空洞部分がサファイヤ基板の凸部の上に形成されていることが分かる。形成された空洞部分の幅xは0.25μmであり、その長さyは1.675μmであった。空洞部分のこの大きさは、光を空洞部分において散乱又は乱反射させるためには十分の大きさであると考えられる。
【0056】
図3では、サファイヤ基板の凸部の上では、AlGaNが異常成長していることを確認できる。しかし、
図3に示すように、この異常成長は、空洞部分によって、当該空洞部分よりも上へ伝播することが防止されている。
【0057】
図4(a)は下地層の成長途中の断面SEM写真であり、
図4(b)は基板の上面のSEM写真である。空洞部分となる溝部が基板の凸部の上に形成されていることが分かり(
図4(a))、基板の上面に凹凸形状が形成されていることが分かる(
図4(b))。
【0058】
[実験例2]
AlGaN層(下地層)に形成される空洞部分の作用・効果を調べるために、ドット状に設けられた凸部(高さが約0.6μm)を上面に有するサファイヤ基板(凹凸形状を有する基板)と上面が平坦なサファイヤ基板とを準備し、これらの2種類のサファイヤ基板のそれぞれの上面に、AlN層、AlGaN層及びn型窒化物半導体層を成長させた。
【0059】
まず、サファイヤ基板のそれぞれをスパッタ装置に入れ、サファイヤ基板のそれぞれの上面にAlN層(バッファ層)を形成した。その後直ちに、AlN層が形成されたサファイヤ基板のそれぞれをMOCVD装置に入れ、AlN層の上面にAlGaN層を形成した。
【0060】
成長温度を1255℃とし、水素及び窒素を含むキャリアガスを用い、全キャリアガスに対する水素ガスの混合比率を58体積%として、AlGaN層を2.2μm成長させた。次に、成長温度をそのままとし、全キャリアガスに対する水素ガスの混合比率を58体積%から10体積%まで減らし、窒素ガスの流量を増加させた。これにより、AlGaNの2次元成長が促進され、サファイヤ基板の凸部の上方に空洞部分を形成しながらAlGaN層の上面が平坦化された。その後、同じ成長温度でシランガスをさらに加え、Siを3×10
18/cm
3ドーピングした(n型窒化物半導体層の形成)。なお、本実験例では、MOCVD装置として、大陽日酸株式会社製の品番「SR23K」を用いた。本明細書において、特に記載がない場合には、MOCVD装置としてVeeco炉を用いた。
【0061】
図5及び
図6は、それぞれ、凹凸形状を有する基板を用いて得られた積層体の断面SEM写真及びノマルスキー光学顕微鏡写真である。
図7及び
図8は、それぞれ、上面が平坦な基板を用いて得られた積層体の断面SEM写真及びノマルスキー光学顕微鏡写真である。
【0062】
凹凸形状を上面に有する基板では、AlGaNが基板の上面にファセット成長するので、AlGaN層に空洞部分が形成された(
図5)。一方、上面が平坦な基板では、AlGaNが基板の上面にファセット成長しないので、AlGaN層には空洞部分が形成されなかった(
図7)。
【0063】
凹凸形状を上面に有する基板を用いた場合、Siがドープされた層の表面(
図5の上面)にはクラックが発生しなかった(
図6)。一方、上面が平坦な基板を用いた場合、Siがドープされた層の表面(
図7の上面)には複数のクラックが発生した(
図8における黒線がクラックに相当する)。このような結果から、AlGaN層の空洞部分は歪を緩和する効果を奏すると考えられる。
【0064】
発光ダイオードのようなpn接合を含むデバイスの場合、n型AlGaN層を用いる必要がある。n型ドーパントとしてSiが使われると、転位が斜めに曲げられ、それによって、強い引っ張り歪が生じる。AlGaN層で多層膜を形成する場合、上記強い引っ張り歪を緩和する機構が必要となる。本実験例では、本実施形態の空洞部分が上記強い引っ張り歪の緩和に対して大きな効果を発揮することが示された。
【0065】
図5に示すように、空洞部分の側面は、サファイヤのc軸方向に対して2°〜6°程度、傾斜した。これにより、空洞部分のアスペクト比(幅x/長さy)が高くなるので、空洞部分の側面の表面積が大きくなった。空洞部分の側面が上記c軸方向に対して傾斜すると、発光層として機能しない窒化物半導体層(例えば下地層、n型窒化物半導体層又はp型窒化物半導体層)と基板、透明電極、空気又は樹脂との界面に対して全反射角よりも大きな角度で入射した光の入射角が変更され、よって、その光の一部の入射角が全反射角以下となる。したがって、空洞部分7の側面が上記c軸方向に対して傾斜すれば、光の取り出し効率が更に高くなる。
【0066】
[実験例3]
ドット状に設けられた凸部の高さが互いに異なるサファイヤ基板を用いて、凸部の高さがもたらす作用・効果を調べた。
【0067】
上記実験例2に示す方法にしたがって、凸部の高さが約500nmであるサファイヤ基板及び凸部の高さが約600nmであるサファイヤ基板のそれぞれの上に、AlN層、AlGaN層及びn型窒化物半導体層を成長させた。
図9及び
図10は、それぞれ、凸部の高さが約500nm及び約600nmであるサファイヤ基板を用いて得られた積層体の断面SEM写真である。
図11は、凸部の高さが約600nmであるサファイヤ基板を用いて得られた積層体の断面STEM写真である。
【0068】
サファイヤ基板の凸部の高さが約500nmであれば、サファイヤ基板の凸部の高さが約600nmである場合に比べて、空洞部分の長さ(窒化物半導体積層構造の厚さ方向における空洞部分の大きさ)が150nm程度小さいことが分かった(
図9、
図10)。
【0069】
サファイヤ基板の凸部の高さが約600nmであれば、転位(貫通転位)を終端させる効果があることが確認された(
図11)。実際、AlGaNの(102)面からのX線回折ピークの半値幅を測定すると、その半値幅は、凸部の高さが約600nmである場合には408arcsecであったのに対し、凸部の高さが約500nmである場合には483arcsecであった。このX線ピークの半値幅の結果からも、凸部の高さが高い方が転位(刃状転位)が少ないことが分かる。これらのことから、凸部の高さは、500nm以上であることが好ましく、600nm以上であることがより好ましいことが分かった。
【0070】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、透明電極15の代わりに反射層31を備え、フリップチップ実装可能である。以下では、上記第1の実施形態とは異なる点を主に示す。
【0071】
図12は、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面図である。本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、凹凸形状を下面に有する基板1と、基板1の下面に接するようにして設けられたバッファ層3と、バッファ層3の下面に接するようにして設けられ、空洞部分7を有する下地層5と、下地層5の下面に接するようにして設けられたn型窒化物半導体層9と、n型窒化物半導体層9の下面に接するようにして設けられた発光層11と、発光層11の下面に接するようにして設けられたp型窒化物半導体層13と、p型窒化物半導体層13の下面に接するようにして設けられた反射層31とを備える。
【0072】
本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層9の露出面に接するようにして設けられたn側電極17と、反射層31の下面に接するようにして設けられたp側電極19とを備える。n側電極17の下面とp側電極19の下面とは面一である。「下面」は、
図12の下側に位置する面を意味するのであって、重力方向下側に位置する面を意味するものではない。
【0073】
空洞部分7は、基板1の凸部1aの下方に設けられている。しかし、
図12に示す窒化物半導体発光素子を上下逆さにすると、空洞部分7は基板1の凸部1aの上方に設けられることとなる。よって、本実施形態においても空洞部分7は基板1の凸部1aの上方に設けられると言えるので、上記第1の実施形態で記載した効果が得られる。
【0074】
透明電極15を形成する代わりにAlからなる反射層31をスパッタ法により形成すること、及び、n側電極17の下面とp側電極19の下面とを面一とすることを除いては上記第1の実施形態に記載の方法にしたがって、本実施形態の窒化物半導体発光素子を製造できる。このことからも、上記第1の実施形態で記載した効果が得られると言える。
【0075】
反射層31は、金属からなることが好ましく、Alからなることがより好ましい。これにより、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子の発光波長が380nm以下であっても、発光層11からの光を基板1側へ効率良く反射させることができる。反射層31の厚さは、特に限定されず、発光層11からの光が反射層31を透過しない程度の厚さであることが好ましい。反射層31は、例えば、スパッタ法又はメッキ法等により形成されることが好ましい。
【0076】
本実施形態に係る窒化物半導体発光素子では、反射層31がp型窒化物半導体層13の下面に接するように設けられており、n側電極17の下面とp側電極19の下面とは面一である。これにより、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子をフリップチップ実装させることができる。よって、導電性ワイヤ等を用いて窒化物半導体発光素子と取付基板(窒化物半導体発光素子を取り付けるための基板(例えば実装基板))とを電気的に接続する必要がないので、発光層11からの光が導電性ワイヤ等に遮られることを防止できる。したがって、上記第1の実施形態よりも光の取り出し効率が高くなる。
【0077】
本実施形態に係る窒化物半導体発光素子では、反射層31がp型窒化物半導体層13の下面に接するように設けられている。これにより、発光層11からの光は、反射層31により基板1側へ反射される。よって、発光層11からの光が上述の取付基板に吸収されることを防止できるので、光の取り出し効率がさらに高くなる。サファイヤの屈折率は窒化物半導体材料の屈折率と空気の屈折率との間であるので、基板1がサファイヤ基板であれば光の取り出し効率がさらに高くなる。
【0078】
[実験例4]
透明電極15の代わりにAlからなる反射層31をスパッタ法により形成したこと、及び、n側電極17の下面とp側電極19の下面とを面一としたことを除いては上記第1の実施形態に記載の方法にしたがって窒化物半導体発光素子を製造した場合を仮定して、光学シミュレーションを行なった。光学シミュレーションでは、発光波長を365nmと仮定し、Alからなる反射層の365nmでの反射率を92%と仮定し、AlGaN層の365nmでの透過率を100%と仮定し、GaN層の365nmでの透過率を50%と仮定して、光の取り出し効率を求めた。その結果、空洞部分が形成されていれば、空洞部分が形成されていない場合に比べて、光の取り出し効率が1%改善した。
【0079】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、上記第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子とは異なり、基板を備えていない。以下では、上記第2の実施形態とは異なる点を主に示す。
【0080】
図13は、本実施形態に係る窒化物半導体発光素子の断面図である。本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、空洞部分7を有する下地層5と、下地層5の下面に接するようにして設けられたn型窒化物半導体層9と、n型窒化物半導体層9の下面に接するようにして設けられた発光層11と、発光層11の下面に接するようにして設けられたp型窒化物半導体層13と、p型窒化物半導体層13の下面に接するようにして設けられた反射層31とを備える。
【0081】
本実施形態に係る窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層9の露出面に接するようにして設けられたn側電極17と、反射層31の下面に接するようにして設けられたp側電極19とを備える。n側電極17の下面とp側電極19の下面とは面一である。「下面」は、
図13の下側に位置する面を意味するのであって、重力方向下側に位置する面を意味するものではない。
【0082】
下地層5は、窒化物半導体積層構造の上方に設けられ、その上面に凹凸部分を有する。凹凸部分は、凸部5aと凹部5bとを有する。本実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例としては、透明電極15を形成する代わりにAlからなる反射層31をスパッタ法により形成すること、及び、n側電極17の下面とp側電極19の下面とを面一とすることを除いては上記第1の実施形態に記載の方法にしたがって基板付き窒化物半導体発光素子を製造してから、当該基板を除去するという方法が挙げられる。そのため、凹部5bは基板1の凸部1aに対応し、凸部5aは基板1の凹部1bに対応する。
【0083】
空洞部分7は、下地層5の凹部5bの直下に設けられている。上述の方法にしたがって本実施形態に係る窒化物半導体発光素子を製造できるので、本実施形態においても上記第1の実施形態で記載した効果が得られる。なお、空洞部分7は、下地層5の凹部5bの下方に設けられていれば良い。これにより、上記第1の実施形態で記載した効果が得られる。しかし、空洞部分7が下地層5の凹部5bの直下に設けられていれば、光の取り出し効率が更に高くなるという効果も得られる。よって、空洞部分7は下地層5の凹部5bの直下に設けられていることが好ましい。
【0084】
ここで、「下地層5は、窒化物半導体積層構造の上方に設けられ、その上面に凹凸部分を有する」は、下地層5が窒化物半導体積層構造よりも重力方向上側に位置している場合には凹凸部分が下地層5の上面(窒化物半導体積層構造とは反対側に位置する下地層5の面)に設けられていることを意味し、下地層5が窒化物半導体積層構造よりも重力方向下側に位置している場合には凹凸部分が下地層5の下面(窒化物半導体積層構造とは反対側に位置する下地層5の面)に設けられていることを意味する。
【0085】
また、「空洞部分7は下地層5の凹部5bの直下に設けられている」は、下地層5が窒化物半導体積層構造よりも重力方向上側に位置している場合には空洞部分7が下地層5の凹部5bの直下に設けられていることを意味し、下地層5が窒化物半導体積層構造よりも重力方向下側に位置している場合には空洞部分7が下地層5の凹部5bの直上に設けられていることを意味する。「空洞部分7は下地層5の凹部5bの下方に設けられている」についても同様のことが言える。
【0086】
本実施形態では、基板が設けられていないので、窒化物半導体発光素子の厚さは薄くなる。また、
図13に示すように反射層31の厚さを大きくする、又は、支持基板を貼り付ける等により、強度を維持できる。
【0087】
基板を除去する方法は特に限定されない。例えば、基板(又はバッファ層)と下地層5との界面付近にレーザー光を照射することにより基板1とバッファ層3とを除去しても良いし、基板の凸部にレーザー光を照射することにより基板1とバッファ層3とを除去しても良い。
【0088】
以上説明したように、
図1及び
図12に示す窒化物半導体発光素子では、凹凸形状を上面に有する基板1と、下地層5と、少なくとも発光層11を有する窒化物半導体積層構造とが順に設けられている。凹凸形状に含まれる凸部1aの上方で且つ下地層5の内部には、空洞部分7が設けられている。これにより、光の取り出し効率が高くなる。好ましくは、空洞部分7と基板1との間には下地層5の一部が設けられている。
【0089】
図13に示す窒化物半導体発光素子では、下地層5と、少なくとも発光層11を有する窒化物半導体積層構造とが順に設けられていても良い。下地層5は、窒化物半導体積層構造の上方で且つ上面に、凹凸部分を有する。下地層5の内部には空洞部分7が設けられている。これにより、光の取り出し効率が高くなる。好ましくは、空洞部分7は、凹凸部分に含まれる凹部5bの直下に設けられている。
【0090】
下地層5は、Al
xGa
1-xN(0≦x≦1)からなることが好ましい。
下地層5は、第1のAlGaN下地層5Aと、第1のAlGaN下地層5Aの上に設けられた第2のAlGaN下地層5Bとを有することが好ましい。第2のAlGaN下地層5BのAl組成比は、第1のAlGaN下地層5AのAl組成比より大きいことが好ましい。これにより、発光波長が380nm以下であっても、当該光が下地層5に吸収されることを防止できる。
【0091】
下地層5は、AlGaN下地層5Aと、AlGaN下地層5Aの上に設けられたGaN下地層5Bとを有しても良い。これにより、GaN下地層5Bを横方向成長モードで容易に成長させることができる。
【0092】
下地層5は、第1のAlGaN下地層5Aと、第1のAlGaN下地層5Aの上に設けられた第2のAlGaN下地層5Bとを有することが好ましい。空洞部分7は、第1のAlGaN下地層5Aの内部に設けられていることが好ましい。これにより、発光波長が380nm以下であっても、当該光が下地層5に吸収されることを防止できる。
【0093】
空洞部分7の長さは、窒化物半導体積層構造の厚さ方向において100nm以上であることが好ましく、窒化物半導体積層構造の厚さ方向において発光波長の1/4倍以上5倍以下であることがより好ましい。これにより、光の染み出しを最小限に抑えることができる。空洞部分7の長さは、窒化物半導体積層構造の水平方向において発光波長の1/4倍以上5倍以下であることが好ましい。
【0094】
凸部1aは、基板1の上面においてドット状に設けられていることが好ましい。これにより、光の取り出し効率が更に高くなる。
【0095】
窒化物半導体積層構造の厚さ方向に延びる空洞部分7の面は、基板1を構成する材料のc軸方向に対して傾斜していることが好ましい。これにより、光の取り出し効率が更に高くなる。
【0096】
凸部1aの高さは、500nm以上2μm以下であることが好ましい。これにより、光の取り出し効率が更に高くなる。
【0097】
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、基板1の上面に凹凸形状を形成する工程と、凹凸形状の上に、窒化物半導体からなる下地層5を形成する工程と、下地層5の上に、少なくとも発光層11を有する窒化物半導体積層構造を形成する工程とを有する。下地層5を形成する工程は、下地層5の内部に空洞部分7を形成する工程を有する。これにより、
図1及び
図12に示す窒化物半導体発光素子が製造される。
【0098】
基板1を除去する工程を更に備えることが好ましい。これにより、
図13に示す窒化物半導体発光素子が製造される。
【0099】
今回開示された実施の形態及び実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0100】
例えば、位置関係を表すために、図面の下側に記載した部分を「下」と表記し、図面の上側に記載した部分を「上」と表記していることがある。これは便宜上の表記であり、重力方向に対して定められる「上」及び「下」とは異なる。