【文献】
CATT ,On downlink control signaling for CoMP,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #69 R1-122043,[online],2012年 5月12日,[検索日:2015.11.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122043.zip
【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd.,Resource mapping for ePDCCH,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #69 R1-122359,[online],2012年 5月12日,[検索日:2015.11.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122359.zip
【文献】
Panasonic,R-PDCCH placement,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #60bis R1-102042,[online],2010年 4月 6日,[検索日:2015.11.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-102042.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末は、前記EPDCCHが、前記CRSのためのアンテナポートの個数および前記CRSの周波数シフト情報に関連するリソース要素にマッピングされないと推定する、請求項1に記載の制御情報受信方法。
前記端末は、前記EPDCCHが、前記ゼロパワーCSI−RSリソース設定に関連するリソース要素にマッピングされないと推定する、請求項4に記載の制御情報受信方法。
前記複数のEPDCCH PRBセットのそれぞれは、局部型EPDCCH送信または分散型EPDCCH送信のいずれかに設定される、請求項1に記載の制御情報受信方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に添付される図面は、本発明に関する理解を提供するためのもので、本発明の種々の実施の形態を示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【0023】
以下の実施例は、本発明の構成要素および特徴を所定の形態で組み合わせたものである。各構成要素または特徴は、別に明示しない限り、選択的なものとして考慮されてもよい。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と組み合わせない形態で実施されることもある。また、一部の構成要素および/または特徴が組み合わせられて本発明の実施例を構成することもある。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に代えてもよい。
【0024】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末との間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定の動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われることもある。
【0025】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局または基地局以外の他のネットワークノードにより行われるということは明らかである。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、ノードB(Node B)、eノードB(e Node B;eNB)、アクセスポイント(Access Point;AP)などの用語に代えてもよい。中継機は、中継ノード(Relay Node;RN)、中継局(Relay Station;RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、ユーザ装置(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、移動加入者局(Mobile Subscriber Station;MSS)、加入者局(Subscriber Station;SS)などの用語に代えてもよい。
【0026】
以下の説明で使われる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定の用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更されてもよい。
【0027】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造および装置は省略されたり、各構造および装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されてもよい。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0028】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTEおよびLTEアドバンスト(LTE-Advanced;LTE−A)システム、並びに、3GPP2システムの少なくとも一つに関して開示された標準文書でサポートすることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明を省いた段階または部分は、上記の標準文書でサポートすることができる。なお、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。
【0029】
以下の技術は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access;CDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access;FDMA)、時間分割多元接続(Time Division Multiple Access;TDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;OFDMA)、単一搬送波周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access;SC−FDMA)などの種々の無線接続システムに利用することができる。CDMAは、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access;UTRA)やCDMA2000などの無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、世界移動体通信システム(Global System for Mobile communications;GSM(登録商標))/汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service;GPRS)/発展型GSM用拡張データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution;EDGE)などの無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、発展型UTRA(Evolved UTRA;E−UTRA)などの無線技術によって具現することができる。UTRAは、ユニバーサル移動電話システム(Universal Mobile Telecommunications System;UMTS)の一部である。第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project;3GPP)ロングタームエボリューション(long term evolution;LTE)は、E−UTRAを用いる発展型UMTS(Evolved UMTS;E−UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTEアドバンスト(LTE-Advanced;LTE−A)は、3GPP LTEの発展版である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(無線MAN−OFDMA参照システム(Wireless MAN-OFDMA Reference System))およびアドバンストIEEE 802.16m規格(無線MAN−OFDMAアドバンストシステム(Wireless MAN-OFDMA Advanced system))によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTEおよびLTE−Aシステムを中心にして説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定されない。
【0030】
図1を参照して無線フレームの構造について説明する。
【0031】
セルラOFDM無線パケット通信システムにおいて、上り/下りリンクデータパケット送信はサブフレーム(subframe)単位で行われ、1個のサブフレームは、複数のOFDMシンボルを含む一定の時間区間として定義される。3GPP LTE標準では、周波数分割二重通信(Frequency Division Duplex;FDD)に適用可能なタイプ1の無線フレーム(radio frame)構造と、時分割二重通信(Time Division Duplex;TDD)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造とをサポートする。
【0032】
図1(a)は、タイプ1の無線フレームの構造を例示する図である。下りリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成され、1個のサブフレームは、時間領域(time domain)において2個のスロット(slot)で構成される。1個のサブフレームを送信するためにかかる時間を送信時間間隔(transmission time interval;TTI)という。例えば、1個のサブフレームの長さは1msであり、1個のスロットの長さは0.5msでもよい。1個のスロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ばれることもある。リソースブロック(RB)はリソース割当単位であり、1個のスロットにおいて複数の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0033】
1個のスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、巡回プリフィックス(Cyclic Prefix;CP)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには拡張CP(extended CP)と正規CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが正規CPによって構成された場合、1個のスロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個でもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1個のOFDMシンボルの長さが増加するため、1個のスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、正規CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合は、例えば、1個のスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個でもよい。端末が速い速度で移動する場合などのようにチャネル状態が不安定な場合は、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
【0034】
正規CPが用いられる場合、1個のスロットは7個のOFDMシンボルを含み、1個のサブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。このとき、各サブフレームにおける先頭の2個または3個のOFDMシンボルは物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDCCH)に割り当て、残りのOFDMシンボルは物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel;PDSCH)に割り当てることができる。
【0035】
図1(b)は、タイプ2の無線フレーム構造を示す図である。タイプ2の無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成される。各ハーフフレームは、5個のサブフレームと、下りリンクパイロットタイムスロット(Downlink Pilot Time Slot;DwPTS)、保護区間(Guard Period;GP)および上りリンクパイロットタイムスロット(Uplink Pilot Time Slot;UpPTS)とで構成され、ここで、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化またはチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り送信同期を取るために用いられる。保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプによらず、1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0036】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、またはスロットに含まれるシンボルの数は様々に変更することができる。
【0037】
図2は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図において、1個の下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1個のリソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、正規CP(normal-Cyclic Prefix)では1個のスロットが7個のOFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended-CP)では1個のスロットが6個のOFDMシンボルを含んでもよい。リソースグリッド上のそれぞれの要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1個のリソースブロックは、12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックの個数N
DLは、下り送信帯域幅による。上りリンクスロットの構造は、下りリンクスロットの構造と同一でもよい。
【0038】
図3は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1個のサブフレーム内で1番目のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下り制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator CHannel;PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel;PDCCH)、物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator CHannel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に使われるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上りリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンクまたは下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上り送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当および送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)などの上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化情報などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHを監視することができる。PDCCHは、一つまたは複数の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)のアグリゲーション(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと利用可能なビット数とは、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係とによって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または用途によって無線ネットワーク一時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定の端末に対するものであれば、端末のセルRNTI(Cell-RNTI;C−RNTI)識別子でCRCをマスクすることができる。あるいは、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページングインジケータ識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)でCRCをマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的には、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子およびシステム情報RNTI(SI−RNTI)でCRCをマスクすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブルの送信に対する応答であるランダムアクセス応答を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)でCRCをマスクすることができる。
【0039】
図4は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別できる。制御領域には、上りリンク制御情報を含む物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control CHannel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared CHannel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHとを同時に送信しない。一つの端末のPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2個のスロットに対して互いに異なった副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency-hopped)するという。
【0040】
DCIフォーマット
現在、LTE−A(release 10)によれば、DCIフォーマット0、1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、3、3A、4が定義されている。ここで、DCIフォーマット0、1A、3、3Aは、後述するブラインド復号回数を減らすべく同一のメッセージサイズを有するように規定されている。このようなDCIフォーマットは、送信しようする制御情報の用途によって、i)上りリンク承認(grant)に用いられるDCIフォーマット0、4、ii)下りリンクスケジューリング割当に用いられるDCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、iii)電力制御命令のためのDCIフォーマット3、3Aに区別できる。
【0041】
上りリンクの承認に用いられるDCIフォーマット0は、後述する搬送波アグリゲーション(carrier aggregation)において必要な搬送波オフセット(搬送波インジケータ(carrier indicator))、DCIフォーマット0と1Aとを区別するために用いられるオフセット(フォーマット0/フォーマット1Aを区別するフラグ(flag for format 0/format 1A differentiation))、上りリンクのPUSCH送信において周波数ホップが用いられるか否かを知らせる周波数ホッピングフラグ(frequency hopping flag)、端末がPUSCH送信に用いるべきリソースブロック割当(resource block assignment)に関する情報、変調および符号化方式(modulation and coding scheme)、HARQプロセスと関連して初期送信のためにバッファを空にするために用いられる新しいデータインジケータ(new data indicator)、PUSCHのための送信電力制御命令(TPC command for scheduled for PUSCH)、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal;DMRS)のための巡回シフト情報およびOCCインデックス(cyclic shift for DMRS and OCC index)、TDD動作で必要な上りリンクインデックス(UL index)およびチャネル品質情報(Channel Quality Indicator)要求情報(CSI request)などを含むことができる。一方、DCIフォーマット0は同期式HARQを用いるため、下りリンクスケジューリング割当に関するDCIフォーマットとは違い、冗長バージョン(redundancy version)を含まない。搬送波オフセットは、クロス搬送波スケジューリングが用いられない場合にはDCIフォーマットに含まれない。
【0042】
DCIフォーマット4は、LTE−Aリリース10で新たに追加されたもので、LTE−Aにおいて上りリンク送信に空間多重化が適用されることをサポートする。DCIフォーマット4は、DCIフォーマット0と比較して空間多重化のための情報をさらに含むので、より大きいメッセージサイズを有し、DCIフォーマット0に含まれる制御情報に追加の制御情報をさらに含む。すなわち、DCIフォーマット4は、2番目の送信ブロックのための変調および符号化方式、多重アンテナ送信のためのプリコーディング情報、サウンディング参照信号要求(SRS request)情報をさらに含む。一方、DCIフォーマット4はDCIフォーマット0よりも大きいサイズを有するので、DCIフォーマット0と1Aとを区別するオフセットは含まない。
【0043】
下りリンクスケジューリング割当に関連したDCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2Cは、空間多重化をサポートしない1、1A、1B、1C、1Dと、空間多重化をサポートする2、2A、2B、2Cとに区別できる。
【0044】
DCIフォーマット1Cは、コンパクト下りリンク割当であって、周波数連続的割当のみをサポートし、他のフォーマットと比較して、搬送波オフセット、冗長バージョンを含まない。
【0045】
DCIフォーマット1Aは、下りリンクスケジューリングおよびランダムアクセス手順のためのフォーマットである。ここには、搬送波オフセット、下りリンク分散型送信が用いられるか否かを知らせるインジケータ、PDSCHリソース割当情報、変調および符号化方式、冗長バージョン、ソフトコンバイニングのために用いられるプロセッサを知らせるためのHARQプロセッサ番号、HARQプロセスと関連して初期送信のためにバッファを空にするために用いられる新しいデータオフセット、PUCCHのための送信電力制御命令、TDD動作で必要な上りリンクインデックスなどを含むことができる。
【0046】
DCIフォーマット1は、大部分の制御情報がDCIフォーマット1Aと略同様になっている。ただし、DCIフォーマット1Aが連続したリソース割当に関連するものであるに対し、DCIフォーマット1は不連続のリソース割当をサポートする。従って、DCIフォーマット1はリソース割当ヘッダをさらに含むため、リソース割当の柔軟性が増大することのトレードオフとして、制御シグナリングのオーバーヘッドは多少増加する。
【0047】
DCIフォーマット1B、1Dは、DCIフォーマット1と比較すると、プリコーディング情報をさらに含むという点で共通する。DCIフォーマット1BはPMI確認を、DCIフォーマット1Dは下りリンク電力オフセット情報をそれぞれ含む。その他DCIフォーマット1B、1Dに含まれた制御情報は、DCIフォーマット1Aの制御情報と殆ど一致する。
【0048】
DCIフォーマット2、2A、2B、2Cは、基本的にDCIフォーマット1Aに含まれた制御情報の大部分を含むとともに、空間多重化のための情報をさらに含む。それらの情報には、2番目の送信ブロックに関する変調および符号化方式、新しいデータオフセット、および冗長バージョンが該当する。
【0049】
DCIフォーマット2は、閉ループ空間多重化をサポートし、2Aは開ループ空間多重化をサポートする。両者ともプリコーディング情報を含む。DCIフォーマット2Bは、ビームフォーミングと組み合わせたデュアルレイヤ空間多重化をサポートし、DMRSのための巡回シフト情報をさらに含む。DCIフォーマット2CはDCIフォーマット2Bの拡張として理解してもよく、8個のレイヤまで空間多重化をサポートする。
【0050】
DCIフォーマット3、3Aは、前述した上りリンク承認および下りリンクスケジューリング割当のためのDCIフォーマットに含まれている送信電力制御情報を補完、すなわち、半−持続的(semi-persistent)スケジューリングをサポートするために用いることができる。端末当たり、DCIフォーマット3は1ビット、3Aは2ビットの命令が用いられる。
【0051】
上述のようなDCIフォーマットのいずれか一つを一つのPDCCHで送信し、複数のPDCCHを制御領域内で送信することができる。端末は、複数のPDCCHを監視することができる。
【0052】
PDCCHプロセシング
PDCCHをリソース要素(RE)にマッピングするとき、連続した論理割当単位である制御チャネル要素(CCE)を用いる。1個のCCEは複数(例えば、9個)のリソース要素グループ(REG)を含み、1個のREGは、参照信号(RS)を除く状態で隣接した4個のREで構成される。
【0053】
特定のPDCCHのために必要なCCEの個数は、制御情報のサイズであるDCIペイロード、セル帯域幅、チャネル符号化率などによって異なる。具体的に、特定のPDCCHのためのCCEの個数を、下記の表1のように、PDCCHフォーマットによって定義することができる。
【0055】
前述した通り、PDCCHには4種類のフォーマットのいずれか一つを用いることができるが、それが端末には示されない。そのため、端末にとってはPDCCHフォーマットを知らないまま復号をしなければならない。これをブラインド復号という。ただし、端末が下りリンクに用いることができるすべてのCCEを各PDCCHフォーマットに対して復号することは大きな負担となるため、スケジューラに対する制約と復号を試みる回数とを考慮して探索空間(Search Space)を定義する。
【0056】
すなわち、探索空間は、アグリゲーションレベル(Aggregation Level)上で端末が復号を試みるべきCCEからなる候補(candidate)PDCCHの集合である。ここで、アグリゲーションレベルおよびPDCCH候補の数を下記の表2のように定義することができる。
【0058】
上記の表2からわかるように、4種類のアグリゲーションレベルが存在するので、端末は各アグリゲーションレベルによって複数の探索空間を有する。また、上記の表2に示すように、探索空間は、端末特定探索空間と共通探索空間とに区別できる。端末特定探索空間は特定の端末のためのもので、各端末は、端末特定探索空間を監視して(可能なDCIフォーマットによってPDCCH候補集合に対して復号を試みて)、PDCCHにマスクされているRNTIおよびCRCを確認し、有効な場合、制御情報を取得することができる。
【0059】
共通探索空間は、システム情報に対する動的スケジューリングやページングメッセージなどを含む、複数の端末または全端末がPDCCHを受信する必要がある場合のためのものである。ただし、共通探索空間は、リソース管理上、特定の端末のためのものとして用いられてもよい。また、共通探索空間は、端末特定探索空間とオーバーラップしてもよい。
【0060】
上記の探索空間は、具体的に下記の式(1)によって決定することができる。
【0062】
ここで、Lはアグリゲーションレベル、Y
kはRNTIおよびサブフレーム番号kによって決定される変数、m'はPDCCH候補数を表す。m'は、搬送波アグリゲーションが適用された場合にm'=m+M
(L)・n
CIであり、そうでない場合はm'=mである。ここで、m=0,…,M
(L)−1であり、M
(L)はPDCCH候補の数である。また、N
CCE,Kはk番目のサブフレームの制御領域におけるCCEの合計数を表し、iは各PDCCH候補において個別のCCEを指定する因子を表し、i=0,…,L−1である。共通探索空間では、Y
kは常に0であると決定される。
【0063】
図5は、上記の式(1)によって定義できる各アグリゲーションレベルでの端末特定探索空間(網かけ部分)を示す。ここで、搬送波アグリゲーションは適用されておらず、また、N
CCE,Kは、説明の便宜のために32個とした。
【0064】
図5の(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、アグリゲーションレベル1、2、4、8の場合を例示しており、数字はCCE番号を表す。
図5で、各アグリゲーションレベルにおいて探索空間の開始CCEは、上述したようにRNTIおよびサブフレーム番号kで決定されるが、一つの端末に対して同一のサブフレーム内でモジュロ関数とLによってアグリゲーションレベルごとに異なるように決定されてもよい。開始CCEは、Lによって常にアグリゲーションレベルの倍数に対応するよう決定される。ここで、Y
kは例示的にCCE番号18であると仮定した。開始CCEから端末は、当該アグリゲーションレベルによって決定されるCCE単位で順次に復号を試みる。例えば、
図5の(b)で、端末は、開始CCEであるCCE番号4からアグリゲーションレベルによって2個のCCE単位で復号を試みる。
【0065】
上述した通り、端末は探索空間に対して復号を試みるが、この復号を試みる回数は、DCIフォーマットおよびRRCシグナリングによって指示される送信モード(Transmission mode)によって決定される。搬送波アグリゲーションが適用されない場合、端末は共通探索空間に対して6個のPDCCH候補のそれぞれに対して2種類のDCIサイズ(DCIフォーマット0/1A/3/3A、およびDCIフォーマット1C)を考慮するので、最大12回の復号を試みる必要がある。端末特定探索空間に対しては、16(6+6+2+2=16)個のPDCCH候補のそれぞれに対して2種類のDCIサイズを考慮するので、最大32回の復号を試みる必要がある。したがって、搬送波アグリゲーションが適用されない場合、最大44回の復号を試みる必要がある。
【0066】
一方、搬送波アグリゲーションが適用される場合は、下りリンクリソース(構成搬送波)の数だけの端末特定探索空間およびDCIフォーマット4のための復号が追加されるため、最大復号回数はさらに増加することになる。
【0067】
参照信号(Reference Signal;RS)
無線通信システムにおいてパケットを送信するとき、パケットは無線チャネルを介して送信されるため、送信過程で信号の歪みが発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号から歪みを補正しなければならない。チャネル情報を知るために、送信側、受信側の両方で知っている信号を送信し、当該信号がチャネルを介して受信される時の歪みの度合によってチャネル情報を知る方法を主に用いる。この信号をパイロット信号(Pilot Signal)または参照信号(Reference Signal)という。
【0068】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合は、各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル状況を知らなければ正しい信号を受信することができない。そのため、各送信アンテナ別に、より具体的にはアンテナポート別にそれぞれの参照信号が存在しなければならない。
【0069】
参照信号は、上りリンク参照信号と下りリンク参照信号とに区別することができる。現在、LTEシステムには、上りリンク参照信号として、
i)PUSCHおよびPUCCHを介して送信された情報のコヒーレント(coherent)な復調のためのチャネル推定に用いられる復調参照信号(DeModulation-Reference Signal;DMRS)と、
ii)基地局が、ネットワークの異なる周波数上における上りリンクチャネル品質を測定するために用いるサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)と、がある。
【0070】
一方、下りリンク参照信号としては、
i)セル内の全ての端末が共有するセル−特定参照信号(Cell-specific Reference Signal;CRS)と、
ii)特定の端末のみのための端末−特定参照信号(UE-specific Reference Signal)と、
iii)PDSCHが送信される場合、コヒーレントな復調のために送信されるDMRSと、
iv)下りリンクDMRSが送信される場合、チャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を伝達するためのチャネル状態情報参照信号(Channel State Information-Reference Signal;CSI−RS)と、
v)MBSFN(Multimedia Broadcast Single Frequency Network)モードで送信される信号に対するコヒーレントな復調のために送信されるMBSFN参照信号(MBSFN Reference Signal)と、
vi)端末の地理的位置情報を推定するために用いられる位置参照信号(Positioning Reference Signal)と、がある。
【0071】
参照信号は、その目的によって2種類に大別することができる。チャネル情報の取得のための参照信号とデータ復調のための参照信号とがある。前者は、UEが下りリンクのチャネル情報を取得できるようにすることが目的であるため、広帯域で送信しなければならず、特定のサブフレームで下りリンクデータを受信しない端末であってもその参照信号を受信しなければならない。また、これはハンドオーバなどの状況でも用いられる。後者は、基地局が下りリンクデータを送信するとき、該当のリソースで併せて送る参照信号であり、端末は当該参照信号を受信することによってチャネル測定をし、データを復調することができる。この参照信号はデータの送信される領域で送信されなければならない。
【0072】
CRSはチャネル情報取得およびデータ復調の2つの目的で用いられ、端末特定参照信号はデータ復調用にのみ用いられる。CRSは、広帯域に対してサブフレームごとに送信され、基地局の送信アンテナ個数によって最大4個のアンテナポートに対する参照信号が送信される。
【0073】
例えば、基地局の送信アンテナの数が2個の場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSが送信され、4個の場合、0〜3番のアンテナポートに対するCRSがそれぞれ送信される。
【0074】
図6は、既存の3GPP LTEシステム(例えば、リリース−8)において定義されるCRSおよびDRSが、下りリンクリソースブロック対(RB pair)上にマッピングされるパターンを示す図である。参照信号がマッピングされる単位としての下りリンクリソースブロック対は、時間上で1個のサブフレーム×周波数上で12個の副搬送波の単位で表現することができる。すなわち、1組のリソースブロック対は、時間上で、正規CPの場合(
図6(a))は14個のOFDMシンボル長、拡張CPの場合(
図6(b))は12個のOFDMシンボル長を有する。
【0075】
図6は、基地局が4個の送信アンテナをサポートするシステムにおいて、参照信号の、リソースブロック対上における位置を示している。
図6で、「0」、「1」、「2」および「3」で表示されたリソース要素(RE)は、それぞれ、アンテナポートインデックス0、1、2および3に対するCRSの位置を示す。一方、
図6で、「D」で表示されたリソース要素は、DMRSの位置を示す。
【0076】
異種無線ネットワーク環境(Heterogeneous deployments)
図7は、マクロ(macro)基地局(MeNB)並びにマイクロ(micro)基地局(PeNBもしくはFeNB)を含む異種無線ネットワーク無線通信システムを示す図である。本文書でいう異種無線ネットワーク(heterogeneous network;HetNet)は、同一のRAT(Radio Access Technology)を用いる一方、マクロ基地局(MeNB)とマイクロ基地局(PeNBまたはFeNB)とが共存するネットワークを意味する。
【0077】
マクロ基地局(MeNB)は、広いカバレッジおよび高い送信電力を有するもので、無線通信システムの一般的な基地局を意味する。マクロ基地局(MeNB)は、マクロセルと呼ぶこともできる。
【0078】
マイクロ基地局(PeNBまたはFeNB)は、例えば、マイクロセル(micro cell)、ピコセル(pico cell)、フェムトセル(femto cell)、ホーム(home)eNB(HeNB)、中継機(relay)などと呼ぶこともできる(例示されたマイクロ基地局およびマクロ基地局は、送信ポイント(transmission point)と呼ぶこともできる)。マイクロ基地局(PeNBまたはFeNB)は、マクロ基地局(MeNB)の小型バージョンであって、マクロ基地局の機能を殆ど行いながら独立して作動でき、マクロ基地局がカバーする領域内に設置(overlay)されてもよく、マクロ基地局のカバーできないシャドウエリア(shadow area)に設置(non-overlay)されてもよい、非オーバーレイタイプの基地局である。マイクロ基地局(PeNBまたはFeNB)は、マクロ基地局(MeNB)に比べて、より狭いカバレッジおよび低い送信電力を有し、より少ない個数の端末をカバーすることができる。
【0079】
端末は、マクロ基地局(MeNB)から直接サービスされてもよく(以下、マクロ−端末という)、マイクロ基地局(PeNBまたはFeNB)からサービスされてもよい(以下、マイクロ−端末という)。場合によっては、マイクロ基地局(MeNB)のカバレッジ内に存在する端末(PUE)が、マクロ基地局(MeNB)からサービスされてもよい。
【0080】
マイクロ基地局は、端末のアクセスを限定するか否かによって2つのタイプに分類できる。
【0081】
一つのタイプは、オープンアクセス加入者グループ(Open access Subscriber Group;OSG)または非クローズドアクセス加入者グループ(Closed access subscriber Group;non−CSG)基地局で、既存のマクロ−端末または他のマイクロ基地局のマイクロ−端末のアクセスを許容するセルである。既存のマクロ−端末などは、OSGタイプの基地局にハンドオーバ可能である。
【0082】
もう一つのタイプは、CSG基地局で、既存のマクロ−端末または他のマイクロ基地局のマイクロ−端末のアクセスを許容しないセルである。そのため、CSG基地局へのハンドオーバは不可能である。
【0083】
協調マルチポイント(Coordinated Multi-Point;CoMP)
3GPP LTE−Aシステムの改善されたシステム性能要求条件に応じて、CoMP送受信技術(co-MIMO、共同(collaborative)MIMO、またはネットワークMIMOなどと表現することもできる)が提案されている。CoMP技術は、セル−境界(cell-edge)に位置している端末の性能を向上させ、平均セクタースループット(throughput)を増加させることができる。
【0084】
一般に、周波数再使用因子(frequency reuse factor)が1である多重−セル環境で、セル−間干渉(Inter-Cell Interference;ICI)によって、セル−境界に位置している端末の性能と平均セクタースループットとが減少することがある。このようなICIを低減するために、既存のLTE/LTE−Aシステムでは、端末特定電力制御を用いた部分周波数の再使用(fractional frequency reuse;FFR)などの単純な受動的技法を用いて、干渉によって制約を受けた環境でセル−境界に位置している端末が適切なスループット性能を持つようにする方法が適用された。しかし、セル当たりの周波数リソースの使用を減らすよりは、ICIを低減したり、ICIを端末の所望する信号として再使用する方が好ましいといえる。上記のような目的を達成するために、CoMP送信技法を適用することができる。
【0085】
下りリンクの場合に適用可能なCoMP技法は、大きく、ジョイント−プロセシング(joint processing;JP)技法と調整スケジューリング/ビームフォーミング(coordinated scheduling/beam forming;CS/CB)技法に分類することができる。
【0086】
JP技法は、CoMP協調単位におけるそれぞれの送信ポイント(基地局)でデータを用いることができる。CoMP協調単位は、協調送信技法に用いられる基地局の集合を意味する。JP技法は、ジョイント送信(Joint Transmission)技法と動的セル選択(Dynamic cell selection)技法とに分類することができる。
【0087】
ジョイント送信技法は、PDSCHが一度に複数の送信ポイント(CoMP協調単位の一部または全部)から送信される技法を意味する。すなわち、単一の端末に送信されるデータを複数の送信ポイントから同時に送信することができる。ジョイント送信技法によれば、コヒーレントに(coherently)またはノン−コヒーレントに(non-coherently)受信信号の品質を向上させることができ、また、他の端末に対する干渉を能動的に消去することもできる。
【0088】
動的セル選択技法は、PDSCHが一度に(CoMP協調単位における)一つの送信ポイントから送信される技法を意味する。すなわち、特定の時点で単一の端末に送信されるデータを一つの送信ポイントから送信し、その時点で協調単位における他の送信ポイントは当該端末に対してデータ送信をしない。このとき、当該端末にデータを送信する送信ポイントは動的に選択することができる。
【0089】
一方、CS/CB技法によれば、複数のCoMP協調単位が単一の端末に対するデータ送信のビームフォーミングを協調的に行うことができる。ここで、データはサービングセルでのみ送信するが、ユーザスケジューリング/ビームフォーミングは、該当のCoMP協調単位におけるセルの調整によって決定することができる。
【0090】
一方、上りリンクの場合に、調整(coordinated)多重−送信ポイント受信は、地理的に離れている複数の送信ポイントの調整によって送信された信号を受信することを意味する。上りリンクの場合に適用可能なCoMP技法は、ジョイント受信(Joint Reception;JR)および調整スケジューリング/ビームフォーミング(coordinated scheduling/beam forming;CS/CB)に分類することができる。
【0091】
JR技法は、PUSCHを介して送信された信号が複数の受信ポイントで受信されることを意味し、CS/CB技法は、PUSCHが一つのポイントでのみ受信されるが、ユーザスケジューリング/ビームフォーミングは、CoMP協調単位におけるセルの調整によって決定されることを意味する。
【0092】
このようなCoMPシステムを用いると、端末は、多重−セル基地局(Multi-cell basestation)から共同でデータのサポートを受けることができる。また、各基地局は、同一の無線周波数リソース(Same Radio Frequency Resource)を用いて一つまたは複数の端末を同時にサポートすることによって、システムの性能を向上させることができる。また、基地局は、基地局と端末との間のチャネル状態情報に基づいて空間分割多元接続(Space Division Multiple Access:SDMA)方法を行うこともできる。
【0093】
CoMPシステムにおいて、サービング基地局および一つまたは複数の協調基地局は、バックボーンネットワーク(Backbone Network)を介してスケジューラ(scheduler)に接続される。スケジューラは、バックボーンネットワークを介して、各協調基地局が測定してフィードバックした各端末と協調基地局との間のチャネル状態に関するチャネル情報を受信し、このチャネル情報に基づいて動作することができる。例えば、スケジューラは、サービング基地局および一つまたは複数の協調基地局に対して協調的MIMO動作のための情報をスケジュールすることができる。すなわち、スケジューラから各基地局に協調的MIMO動作に関して直接指示することができる。
【0094】
上述した通り、CoMPシステムは、複数のセルを一つのグループにまとめて仮想MIMOシステムとして動作するものと考えることができ、CoMPシステムには、基本的に、多重アンテナを用いるMIMOシステムの通信技法を適用することができる。
【0095】
図8には、CoMPクラスタ(CoMP cluster)を例示している。ここで、CoMPクラスタとは、上述したCoMP協調単位に相当し、
図8(a)では、CoMPクラスタにおけるセルが、互いに異なる物理セルID(physical cell ID;PCID)を用いる場合を、
図8(b)では、CoMPクラスタにおけるセルがいずれも同一のPCIDを用いる場合を示している。CoMPクラスタにおけるセルがいずれも同一のPCIDを用いるとしても、それぞれのCoMPクラスタ(
図8(b)におけるCoMPクラスタAおよびB)は互いに異なるPCIDを用い、単一クラスタ内のセルが同一のPCIDを共有して、単一基地局の分散アンテナまたはRRHの形態として構成されてもよい。また、これらの変形された形態として、単一クラスタにおけるセルの一部のセル同士が同一のPCIDを共有することもできる。
【0096】
セルが同一のPCIDを共有する場合に、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal;PSS)/セカンダリ同期信号(Secondary synchronization signal;SSS)、CRS、PBCH、CRSベースのPDCCH/PDSCHの共通信号は、同一のPCIDを持つ全てのセルが同一時点で送信して、受信信号品質の向上およびシャドウエリアの解消を図ることができる。あるいは、同一のPCIDを持つセルのうち、高い送信電力を持つ一部のセルが共通信号を送信し、残りのセルは共通信号を送信しなくてもよい。ただし、CSI−RS、端末−特定RS、そして端末−特定RSベースのPDSCHを用いたユニキャストデータ送信の場合には、各セルで個別送信が可能であり、セル分散利得(cell splitting gain)を有することができる。
【0097】
拡張物理下りリンク制御チャネル(Enhanced-PDCCH;EPDCCH)
リリース11以降のLTEシステムでは、協調マルチポイント(Coordinate Multi Point;CoMP)、マルチユーザ多入力多出力(Multi User-Multiple Input Multiple Output;MU−MIMO)などによるPDCCHの容量不足、およびセル間干渉(inter-cell interference)によるPDCCHの性能低下などに対する解決策として、既存のPDSCH領域を介して送信され得る拡張PDCCH(Enhanced-PDCCH;EPDCCH)が考慮されている。また、EPDCCHでは、プリコーディング(pre-coding)利得などを得るために、既存のCRSベースのPDCCHと異なり、DMRSに基づいてチャネル推定を行うことができる。
【0098】
前述したPDCCHの送信がREG、REGで構成されたCCEに基づくのに対し、EPDCCH送信は、拡張REG(Enhanced REG;EREG)、拡張CCE(Enhanced CCE;ECCE)、PRB対に基づくことができる。ここで、ECCEは4個のEREGで構成し、一つのPRB対は4個のECCEで構成することができる。PDCCHの場合と同様、EPDCCHでもアグリゲーションレベルの概念を用いる。ただし、EPDCCHにおけるアグリゲーションレベルはECCEに基づく。
【0099】
EPDCCH送信は、EPDCCH送信に用いられるPRB対の構成によって、局部型(localized)EPDCCH送信と分散型(distributed)EPDCCH送信とに区別することができる。局部型EPDCCH送信は、一つのDCI送信に用いられるECCEが周波数ドメインにおいて隣接している場合を意味し、ビームフォーミング利得を得るために特定のプリコーディングを適用することもできる。例えば、局部型EPDCCH送信は、アグリゲーションレベルに該当する個数の連続したECCEに基づくことができる。一方、分散型EPDCCH送信は、一つのEPDCCHが周波数ドメインにおいて分離されたPRB対で送信されることを意味し、周波数ダイバーシティ側面の利得がある。例えば、分散型EPDCCH送信は、周波数ドメインにおいて分離された各PRB対のそれぞれに含まれた4個のEREGからなるECCEに基づくことができる。
【0100】
端末は、EPDCCHを介して制御情報(DCI)を受信/取得するために、既存のLTE/LTE−Aシステムと同様にブラインド復号を行うことができる。より詳しくは、端末は、設定された送信モードに該当するDCIフォーマットのために、アグリゲーションレベル別にEPDCCH候補のセットに対して復号を試みる(監視する)ことができる。ここで、監視の対象となるEPDCCH候補のセットは、EPDCCH端末特定探索空間と呼ぶことができ、この探索空間はアグリゲーションレベル別に設定/構成することができる。また、アグリゲーションレベルは、前述した既存のLTE/LTE−Aシステムとはやや違い、サブフレームタイプ、CPの長さ、PRB対内の使用可能なリソース量などによって{1、2、4、8、16、32}が可能である。
【0101】
以下では、一つの端末に複数の探索空間を設定(multiple Search Space Configuration)して、制御情報をチャネル状況に応じて送受信する方法について説明する。ここで、探索空間とは、各アグリゲーションレベル別探索空間(または、そのアグリゲーション)の概念でもよいが、EPDCCH送信に関連する一つまたは複数のPRB対のセット、すなわち、EPDCCH PRB(対)セットを意味してもよい。
【0102】
このような探索空間、すなわち、複数のPRB対のアグリゲーション/セットの設定は、PRB対セットを用いて制御情報の送信スキーム(transmission scheme)を区別するのに用いることができる。前述したように、局部型送信と分散型送信の2種類の送信スキームによってEPDCCHを送信できるが、端末に設定されるEPDCCH PRBセットは、それぞれ異なる送信スキームに関するものでもよい。例えば、一つの端末に、第1のEPDCCH PRBセットおよび第2のEPDCCH PRBセットが設定された場合、第1のEPDCCH PRBセットは局部型EPDCCH送信のためのものであり、第2のEPDCCH PRBセットは分散型送信のためのものでもよい。ただし、これは例示にすぎず、第1のEPDCCH PRBセットと第2のEPDCCH PRBセットとが同一の送信スキームを有してもよい。
【0103】
また、複数のEPDCCH PRBセットの設定は、制御情報を送信する送信ポイントを区別するために用いることもできる。より詳しくは、ネットワークは、隣接した送信ポイントの探索空間設定を重複して構成し、端末にサービング送信ポイントに加えて隣接送信ポイントの探索空間も設定して、明示的シグナリングを行わずに制御情報送信のハンドオーバを具現することができる。
【0104】
例えば、第1の送信ポイントと第2の送信ポイントとは、端末に、第1のEPDCCH PRBセットと第2のEPDCCH PRBセットとを設定することができる。ここで、第1のEPDCCH PRBセットは第1の送信ポイントのためのものであり、第2のEPDCCH PRBセットは第2の送信ポイントのためのものでもよい。ネットワークは端末の移動性(mobility)などを反映して、チャネル状況の良い送信ポイントから制御情報を送信するようにすることができる。この過程で、各EPDCCH PRBセットを通じて送信される制御情報で当該送信ポイントのセルID/仮想セルIDも送信し、これによってPDSCHのハンドオーバも併せて具現されるようにすることができる。そのために、各送信ポイントは、当該端末のハンドオーバに必要な情報をX2シグナリングなどを介して交換することができる。また、PDSCHハンドオーバのために各送信ポイントで用いられるCSI−RS設定(例えば、非ゼロパワーCSI−RS設定(non-zero power CSI-RS configuration)、ゼロパワーCSI−RS設定(zero power CSI-RS configuration)、IMRなど)が、上位層シグナリングを介して端末に伝達されてもよい。
【0105】
このような送信ポイントとEPDCCH PRBセットとの関係は、
図9に示す場合を意味すると理解してもよい(ただし、
図9に例示した場合に本発明の説明に係る場合が限定されるわけではない)。
図9(a)を参照すると、第1のEPDCCH PRBセットは第1の送信ポイントのEPDCCH送信のためのものであり、第2のEPDCCH PRBセットは第2の送信ポイントのEPDCCH送信のためのものとなっている。あるいは、
図9(b)に示すように、第1のEPDCCH PRBセットおよび第2のEPDCCH PRBセットは、いずれも、第1の送信ポイントまたは第2の送信ポイントのいずれかからのEPDCCH送信のためのものでもよい。これは、EPDCCHレベルの動的セル選択のためのものと理解してもよい。
【0106】
上述した通り、複数のEPDCCH PRBセットを端末に設定して管理するための各PRBセット別‘設定(configuration)’は、以下に説明する情報を含むことができる。勿論、以下に説明するような情報は、上記の‘設定’に含まれて端末に伝達されてもよく、上位層シグナリングで個別に端末に伝達されてもよい。
【0107】
第一に、リソースマッピング情報(Resource mapping information、rate matching or puncturing pattern)を上記の設定(configuration)に含めることができる。EPDCCHは、PDSCH領域を通じて送信されるが、既存のLTE/LTE−Aシステムにおいて、PDSCHリソース領域に含まれるREを含めたREで送信される信号/チャネルのうち、EPDCCHと無関係なまたはEPDCCHに優先する信号/チャネルがありうる。或いは、EPDCCHに比べて優先順位の高い信号/チャネルもありうる。基地局は、このような信号/チャネルが送信されるREにはEPDCCHをマッピングしないが、端末も、EPDCCHを正しく復調/復号するためにはこのような情報を知っていなければならない。特に、
図9に例示した場合のように、異なった送信ポイントで制御情報が送信される場合、当該送信ポイントが信号を送信するか否かおよび/または設定に関する情報を端末に知らせる必要がある。そのため、EPDCCHのマッピングされたリソース要素を決定するための情報(パラメータセット)を上記の設定に含めたり、または上位層シグナリングを通じて端末に伝達することができる。この場合、第1のEPDCCH PRBセットおよび第2のEPDCCH PRBセットが設定された端末は、第1のEPDCCH PRBセットおよび第2のEPDCCH PRBセットのそれぞれに対してEPDCCHの復号を試みるとき、上記パラメータセットを用いてEPDCCHのマッピングされたリソース要素を決定できるため、第1のEPDCCH PRBセットおよび第2のEPDCCH PRBセットを通じてサービングセル以外の他の送信ポイントがEPDCCHを送信しても問題なくブラインド復号を行うことができる。
【0108】
EPDCCHのマッピングされたリソース要素を決定するための情報(パラメータセット)は、CRS関連情報(パラメータ)、CSI−RS関連情報(パラメータ)、PDCCH関連情報(パラメータ)、その他の情報を含むことができる。
【0109】
CRS関連情報は、CRSアンテナポートの個数、CRS周波数シフト情報(v-shift)、MBSFNサブフレーム情報などを含むことができる。端末は、MBSFNサブフレーム情報を用いてPDSCH領域でCRSが送信されるか否かを把握でき、MBSFNサブフレームでない場合、CRSアンテナポートの個数およびCRS周波数シフト情報を用いてPDSCH領域でCRSが送信されるREを把握できる。端末は、CRSが送信されるREにはEPDCCHがマッピングされないと推定してEPDCCHブラインド復号を行うことができる。仮に、端末がこのようなCRS関連情報を受信できなかった場合、サービングセルのCRS関連情報を用いてEPDCCHがマッピングされたREを決定することができる。
【0110】
CSI−RS関連情報は、該当の送信ポイントで用いられるCSI−RS設定およびゼロパワーCSI−RS情報(ゼロパワーCSI−RS情報にはIMR設定情報が含まれる)などを含むことができる。端末は、CSI−RS関連情報から、EPDCCHがマッピングされない、CSI−RSまたはゼロパワーCSI−RSの送信に用いられるREを把握でき、これは、CSI−RSまたはゼロパワーCSI−RSリソース設定を識別するための形態で与えることができる。
【0111】
PDCCH関連情報は、PDCCHが送信されるOFDMシンボルの個数情報を含むことができ、端末は、該情報から、PDSCH送信が始まるOFDMシンボルがわかる。換言すれば、PDCCH関連情報は、PDSCH送信が始まるOFDMシンボル情報を含むことができる。ここで、PDSCH送信が始まるOFDMシンボルを知らせるということは、EPDCCHの開始シンボル(starting symbol)を示すと解釈されてもよい。
【0112】
その他の情報としては、PBCH、SCH、ページング(paging)情報などが挙げられる。これらの信号/チャネルは、EPDCCHよりも優先して送信されるべきものと考えればよく、そのため、これらの信号/チャネルが送信される、サブフレーム、OFDMシンボル、周波数などに関する情報を端末に知らせることができる。
【0113】
第二に、拡散シーケンスパラメータ(scrambling sequence parameter)が上記設定に含まれてもよい。第1のEPDCCH PRBセットと第2のEPDCCH PRBセットとにおいてEPDCCH送信に用いられた拡散シーケンスは互いに異なることがあり、よって、各セットのための拡散シーケンスパラメータが端末に伝達される必要がある。これによって、ネットワークは非−直交シーケンスを用いたマルチユーザ(Multi User;MU)MIMOを具現することができ、また、拡散シーケンスを用いた送信ポイントの区別、EPDCCH PRBセット/探索空間/送信スキームの区別などを具現することができる。
【0114】
第三に、アンテナポート割当情報が上記設定に含まれてもよい。
【0115】
局部型送信と分散型送信とはその送信方式が異なるため、該当のPRB対におけるリソースとアンテナポートとのマッピング関係も異なることがある。例えば、局部型送信では一つのPRB対を4個のECCEに分け、各ECCEにそれぞれ異なるアンテナポートを割り当てることができ、分散型送信において共通(shared)RSなどが用いられる場合、当該PRB対における全てのリソースは同一のアンテナポートで復号しなければならないことがある。また、セルの容量増加のために、同一の送信スキームを用いる端末間に複数の探索空間(すなわち、EPDCCH PRBセット)設定と探索空間特定アンテナポート割当とを用いると、同一のセルでMU−MIMOなどを行うことができるという長所がある(例えば、同一のPRB対のECCE 0、1、2、3に対して、UE0にはポート(port)7、8、9、10を割り当て、UE1にはポート(port)10、9、8、7を割り当てると、アグリゲーションレベル1においても互いに異なったアンテナポートを用いたMU−MIMOを具現することができる)。他の例示として、端末に共通制御情報と端末特定制御情報とが同時に伝達される必要がある場合(或いは、上位レベルシグナリング周期内で、共通制御情報が送信されるサブフレームと端末特定制御情報が送信されるサブフレームとが混在する場合)、それぞれに対する探索空間(すなわち、EPDCCH PRBセット)設定をシグナリングすることができ、これは、共通制御情報は分散型送信によって伝達され、端末特定制御情報は局部型送信によって伝達される方法を含む。
【0116】
このような動作のために、本発明によれば、各探索空間(すなわち、EPDCCH PRBセット)設定によって、ブラインド復号を行う際に用いるべきアンテナポート割当に関する情報を含むことができる。
【0117】
アンテナポート情報は、探索空間に該当するPRB対内の各基本送信単位(例えば、ECCE、EREG)に対するアンテナポートをシグナリングする方法によって伝達してもよく、あらかじめパターンを決定しておき、各パターンのインデックスを探索空間(すなわち、EPDCCH PRBセット)設定に含める方法などを用いてもよい。例えば、局部型送信用アンテナポート割当と分散型送信用アンテナポート割当とをあらかじめ定義し、該当の探索空間(すなわち、EPDCCH PRBセット)設定で特定のアンテナポート割当をシグナリングしたり、各探索空間がいずれの送信方式のためのものかをシグナリングし、端末は、事前に定義された送信方式別アンテナポート割当を各探索空間に適用することができる。アンテナポート割当は、制御情報がいずれのRSに基づいて動作するかによって、CRSまたはDMRSに対するアンテナポート割当となる。
【0118】
第四に、異なった探索空間が異なったリソースに位置し得るようにするために、各探索空間におけるリソースセット(例えば、ECCE、EREG)に関する情報をシグナリングすることができる。この情報には、該当の探索空間に属するPRB対に関する情報(位置、個数など)および各PRB対におけるリソースセットの数、リソースセットスキップ(skip)情報(特定のリソースセットは探索空間から除くという意味)などを含むことができる。さらに、各探索空間別設定に、特殊サブフレーム(special subframe)情報のようにEPDCCH用に用い得るREの数に関する情報を含めることもできる。例えば、特定の探索空間は一般的なサブフレーム(subframe)を仮定し、他の探索空間は特殊サブフレーム(special subframe)を仮定する場合、UEは、特殊サブフレーム設定(special subframe configuration)によって変わる使用可能なREの数に基づいて、各探索空間別に適用されるアグリゲーションレベル(例えば、(1、2、4、8)、(2、4、8、16))およびECCE当たりEREGの数(例えば、ECCE当たり4個のEREG、8個のEREG)を導出してブラインド復号時に適用することができる。
【0119】
第五に、探索空間別(または、EPDCCHセット別)アグリゲーションレベル情報を上記‘設定’に含めることもできる。
【0120】
異なったEPDCCHセットでは異なったアグリゲーションレベルに対するブラインド復号が行われるように、送信ポイントが端末に(上位層シグナリングなどを用いて)指示することができる。
【0121】
例えば、互いに異なるEPDCCHセットがそれぞれCSS、USSの目的に用いられるとすれば、CSSに用いられるEPDCCHセットではアグリゲーションレベル4、8に対するブラインド復号のみを行い、USSに用いられるEPDCCHセットではアグリゲーションレベル1、2、4、8に対するブラインド復号を行うように指示することができる。または、局部型EPDCCHセットが2つである場合(分散型EPDCCHセットが2つの場合および局部型EPDCCHセットと分散型EPDCCHセットが混在する場合も含む)にも、各セット別に適用されるアグリゲーションレベルが異なるように設定されてもよい。
【0122】
図10は、上述したように、端末に複数の探索空間/EPDCCH PRBセットが設定され、且つ、複数の探索空間/EPDCCH PRBセットのそれぞれに関する設定情報が伝達された場合、具現可能な制御情報のハンドオーバを示す図である。
図10で、SS設定(configuration)は、前述した複数のEPDCCH PRBセットを端末に設定して管理するための‘設定(configuration)’を意味する。
図10(a)を参照すると、第1の送信ポイント(TP1)/ネットワークは、端末1(UE1)にはSS設定1を、端末2(UE2)にはSS設定1および2をシグナリングすることができる(ここで、SS設定1は第1の送信ポイントに関連する設定、SS設定2は第2の送信ポイント(TP2)に関連する設定でもよい)。そのために、各送信ポイントは、領域内の端末から伝達されるCSI、サービングセル測定結果、隣接セル測定結果などに基づいてSS設定構成および複数の設定を伝達する端末を決定することができる。
図10(a)で、端末2にはSS設定1および2の両方がシグナリングされており、端末2は、位置によって(制御情報を送信する)送信ポイントを選択することができる。
【0123】
図10(b)には、端末が複数の送信ポイントの領域を移動する場合を示している。SS設定がシグナリングされる端末が矢印方向に移動するにつれて、領域AではSS設定1および2がシグナリングされ、領域BではSS設定2は維持されたまま、SS設定1がSS設定3に再設定される。同様に、領域CでSS設定2がSS設定4に再設定されてもよい。このような再設定過程により、ネットワークは、端末が第1の送信ポイント(TP1)領域から第4の送信ポイント(TP4)領域まで移動する際、明示的(explicit)なハンドオーバを行わずに端末の移動性をトラッキングすることができる。また、制御シグナリングなどによって仮想セルIDを知らせ、PDSCHも同様、明示的ハンドオーバを行わずにサービングセルを変更することができる。
【0124】
一方、前述したように、複数のEPDCCH PRBセットが設定され、各EPDCCH PRBセットが互いに異なる送信ポイントから送信される場合、端末にどのセットがどの送信ポイントから送信されるかに関する情報を提供することができる。このような送信ポイントに関する情報は、各EPDCCH PRBセットでEPDCCHを送信する送信ポイントが常時送信する参照信号(例えば、CRSやCSI−RS)の情報の形態とすることができる。もし、端末に各EPDCCH PRBセットにおける送信ポイントに関する情報が提供されるとすれば、端末は、提供された情報から、各EPDCCH PRBセットにおけるEPDCCH(または、EPDCCH復調のためのRS)の大規模特性(large scale property)(例えば、遅延拡散(delay spread)、ドップラ拡散(Doppler spread)、周波数シフト(frequency shift)、平均受信電力(average received power)、受信タイミング(received timing)など)を把握することができる。これは、互いに異なる送信ポイントから送信されるEPDCCHは、上記の大規模特性がそれぞれ異なるため、端末が各セットでEPDCCHを検出するとき、実際に該当のセットでEPDCCHを送信する送信ポイントの大規模特性を、上記の提供された情報、すなわち、EPDCCH送信ポイントが常時的に送信する参照信号に基づいて導出すると、より効果的なEPDCCH検出が可能になる。
【0125】
そのために、該当のPRB対セット(または、探索空間)で送信するEPDCCH(または、EPDCCH復調に用いられるDMRS)と特定の信号(例えば、CRS、CSI−RS(例えば、CSI−RSリソースおよび/またはポート(port))、DRS、PBCH/SCHなど)とのQCL(疑似同位置(quasi co-location))情報をシグナリングすることができる。ここで、QCL情報は、QCL関係にあるRS間またはRSポート間で同一の長い期間内におけるシグナリング特性(大規模特性(large-scale property))を仮定できることを意味する。端末は、シグナリングされた情報(該当のPRB対セット(または、探索空間)で送信されるEPDCCH(または、EPDCCH RS)とQCL関係にある信号)に基づいて、各PRB対セット(または、探索空間)でEPDCCH復号のための大規模特性をより迅速で正確にトラッキングすることができる。さらにいうと、QCL情報は、i)該当のPRB対セット(または、探索空間)で送信されるEPDCCH(または、EPDCCH RS)とQCL関係にある信号の種類、ここにはCRS(CRS周波数シフト情報(v-shift)、ポート(port)の個数、ポート番号(port number)などの情報がさらにシグナリングされてもよい)、CSI−RS(CSI−RSリソース(CSI−RSグループ番号(CSI-RS group number))、CSI−RSポート(RSCSI-RS port)、CSI−RS送信周期およびオフセット)、PBCH/SCH(PSS/SSS)(PBCH/SCH送信タイミング情報を含む)と、ii)QCL関係にある信号の復号のための情報(セルID、拡散パラメータなど)と、を含むことができる。
【0126】
図11は、EPDCCHリソースセット別に異なったQCL情報を用いてEPDCCHを検出する例示を示す。同図で、送信ポイント1(TP1)は、端末のサービング送信ポイントであって、端末にEPDCCHのためのPRB対セット1および2をシグナリングする(このとき、各PRB対セットのDMRS設定は部分的に異なるように設定されてもよい)。これに加えて、送信ポイント1(TP1)は、端末に、PRB対セット1のDMRSは送信ポイント1(TP1)のCRSとQCL関係を有し、PRB対セット2のDMRSはCSI−RS設定2(CSI−RS設定はあらかじめシグナリングされたと仮定する)とQCL関係を有することをシグナリングすることができる。送信ポイント2(TP2)は、CSI−RS設定2を適用してCSI−RSを送信する(このとき、PRB対セット1のQCL情報は省略し、当該情報がシグナリングされないリソースセットは、現サービングセルのRSとQCL関係を有すると仮定してもよい)。その後、サービング送信ポイントは、端末が報告するチャネル情報などに基づいて、EPDCCHを送信する送信ポイントを変更または維持することができる。また、端末は、シグナリングされたQCL情報を用いて、各PRB対セットでのEPDCCH検出をより正確に行うことができる。
【0127】
図12は、本発明の実施形態に係る送信ポイント装置および端末装置の構成を示す図である。
【0128】
図12を参照すると、本発明に係る送信ポイント装置1210は、受信モジュール1211、送信モジュール1212、プロセッサ1213、メモリ1214および複数のアンテナ1215を有することができる。複数のアンテナ1215は、MIMO送受信をサポートする送信ポイント装置を意味する。受信モジュール1211は、端末からの上りリンク上の各種信号、データおよび情報を受信することができる。送信モジュール1212は、端末への下りリンク上の各種信号、データおよび情報を送信することができる。プロセッサ1213は、送信ポイント装置1210全般の動作を制御することができる。
【0129】
本発明の一実施例に係る送信ポイント装置1210におけるプロセッサ1213は、前述した各実施例で必要な事項を処理することができる。
【0130】
送信ポイント装置1210のプロセッサ1213は、その他にも、送信ポイント装置1210が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリ1214は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に置き換えられてもよい。
【0131】
続いて、
図12を参照すると、本発明に係る端末装置1220は、受信モジュール1221、送信モジュール1222、プロセッサ1223、メモリ1224および複数のアンテナ1225を備えることができる。複数のアンテナ1225は、MIMO送受信をサポートする端末装置を意味する。受信モジュール1221は、基地局からの下りリンク上の各種信号、データおよび情報を受信することができる。送信モジュール1222は、基地局への上りリンク上の各種信号、データおよび情報を送信することができる。プロセッサ1223は、端末装置1220全般の動作を制御することができる。
【0132】
本発明の一実施例に係る端末装置1220におけるプロセッサ1223は、前述した各実施例で必要な事項を処理することができる。
【0133】
端末装置1220のプロセッサ1223は、その他にも、端末装置1220が受信した情報、外部に送信する情報などを演算処理する機能を担い、メモリ1224は、演算処理された情報などを所定時間記憶することができ、バッファ(図示せず)などの構成要素に置き換えられてもよい。
【0134】
上記のような送信ポイント装置および端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されたり、または2つ以上の実施例が同時に適用されるようにすることができ、重複する内容は明確性のために説明を省略する。
【0135】
また、
図12の説明において、送信ポイント装置1210についての説明は、下り送信主体または上り受信主体としての中継機装置にも同一に適用することができ、端末装置1220についての説明は、下り受信主体または上り送信主体としての中継機装置にも同一に適用することができる。
【0136】
以上の本発明の実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせなどによって実現することができる。
【0137】
ハードウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つまたはそれ以上の特定用途集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor;DSP)、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processing Device;DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device;PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array;FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実現することができる。
【0138】
ファームウェアやソフトウェアによる実現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、以上で説明した機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態として実施することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動することができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられ、既に公知の様々な手段によってプロセッサとデータを授受することができる。
【0139】
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者に理解されるように、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正および変更することもできる。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いてもよい。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に限定されるものではなく、ここに開示されている原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0140】
本発明は、本発明の精神および必須の特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができる。そのため、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈によって定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に限定されるものではなく、ここに開示されている原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を組み合わせて実施例を構成してもよく、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよい。