(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997422
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】ガスタービンの寿命管理のための方法、システム及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20160915BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
F02C7/00 A
F01D25/00 X
F01D25/00 W
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-125899(P2011-125899)
(22)【出願日】2011年6月6日
(65)【公開番号】特開2011-256865(P2011-256865A)
(43)【公開日】2011年12月22日
【審査請求日】2014年6月5日
(31)【優先権主張番号】12/797,130
(32)【優先日】2010年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】サミール・ヴィッタル
(72)【発明者】
【氏名】キャナン・ウスル・ハードウィック
(72)【発明者】
【氏名】スブラット・ナンダ
(72)【発明者】
【氏名】アシャレッシュ・クマール・パンディ
(72)【発明者】
【氏名】ジャグミート・シン
【審査官】
齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−315252(JP,A)
【文献】
特開2001−317369(JP,A)
【文献】
特開2001−215176(JP,A)
【文献】
特開2001−032724(JP,A)
【文献】
特開2006−063986(JP,A)
【文献】
特開2008−014748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00−36
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンユニットのタービン高温ガス及び燃焼部品の遮熱コーティング(TBC)の残存有効寿命を予測するための寿命管理システム(100)であって、当該システム(100)が、
一連のコンピュータ命令を含むコンピュータ可読媒体であって、
(i)少なくとも1つの部品の累積損傷を求めるための第1のステップ(120)であって、
圧縮機吐出温度及び排気温度を含む作動パラメータを含む前記部品の監視及び診断データを提供する第1の累積損傷サブステップ(210)と、
部品サイクルパラメータを計算するための第2の累積損傷サブステップ(220)と、
遮熱コーティングの物理モデル及び材料特性に基づく1以上の損傷伝達関数によって損傷を計算する第3の累積損傷サブステップ(230)と
を含む第1のステップ(120)と、
(ii)ガスタービンユニットリスク及び分類確率を計算する第2のステップ(130)であって、
信頼性データを提供する第1の寿命パラメータサブステップ(310)と、
ガスタービンユニットリスク及び分類確率を計算するための1以上の実験的モデルを含む第2の寿命パラメータサブステップ(320)と
を含む第2のステップ(130)と
を実行するように構成されたコンピュータ可読媒体と、
前記少なくとも1つの部品の累積損傷と前記ガスタービンユニットリスク及び分類確率とを受け取って、少なくとも1つの寿命パラメータ(140)を計算するように構成されたデータ融合モジュール(330)と
を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの寿命パラメータ(140)が遮熱コーティング損傷確率を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの寿命パラメータ(140)が遮熱コーティングの残存有効寿命予測を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの寿命パラメータ(140)が部品の検査勧告を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記コンピュータ可読媒体が、監視及び診断データベース、メジアン金属温度又は平均金属温度又は直接金属温度と温度位置とを測定するための手段、並びに少なくとも1つのサイクルの間に前記少なくとも1つの部品の損傷を計算するための手段を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記コンピュータ可読媒体が信頼性データベースを含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記データ融合モジュール(330)が、論理ベース法、ダンプスター・シェファー法、ファジー推論法、人工知能、監視及び診断データの損傷累積との融合、フォールアウト及びアンプランドモデル、並びにベイズ法からなる群から選択されるデータ融合技術を含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、総括的にはガスタービンに関し、より具体的には、タービン高温ガス及び燃焼部品の遮熱コーティング性能を評価する寿命管理システム、方法及びコンピュータ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、加圧燃焼空気の流れを供給する圧縮機セクションと、加圧燃焼空気内で燃料を燃焼させる燃焼器セクションと、燃焼空気から熱エネルギーを取出しかつそのエネルギーを回転シャフトの形態の機械エネルギーに変換するタービンセクションとを含む。
【0003】
最新式の高効率燃焼タービンは、約1000℃を越える高温を有しており、またより効率的なエンジンに対する要求が引続き存在する場合にはさらに高い燃焼温度が期待される。「高温ガス通路」燃焼器及びタービンセクションを形成する多くの部品、例えば燃焼器ライナ、燃焼及びタービンセクション間の移行ダクト、並びにタービン固定ベーン及び回転ブレード及び周囲のリングセグメントは、侵食性高温燃焼ガスに直接曝される。熱応力に加えて、これらの及びその他の部品はまた、該部品をさらに摩耗させる機械的応力及び負荷に曝される。
【0004】
燃焼タービンエンジンの高温ガス通路セクションで使用する燃焼タービン部品の大部分を製作するのに伝統的に使用されるコバルト及びニッケル基超合金の多くは、それら部品を遮熱コーティング(TBC)で被覆することによって高温ガス流から隔離して、そのような侵食性高温燃焼環境内で長期間作動し続けるようにする。
【0005】
TBCは、高度先進材料系である。これら皮膜は、耐荷重合金及び被膜表面間に相当の温度差を維持することができる遮熱材料を利用することによって大きなかつ長期間にわたる熱負荷から部品を保護する働きをする。そうすることで、これら皮膜は、構造的部品の熱露出を制限して酸化及び熱疲労を減少させることによって部品寿命を延長させながらより高い作動温度を可能にすることができる。
【0006】
TBC系は、多くの場合に4つの層、つまり金属基材、金属ボンディングコート、熱成長酸化物及びセラミックトップコートから成る。セラミックトップコートは一般的に、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)から成り、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)は、一般的にその用途で見られる公称作動温度において安定な状態を維持しながら非常に低い熱伝導性を有するのが望ましい。TBCは、熱サイクル露出、加速酸化、高温腐食及び溶融堆積劣化の間におけるボンディングコートの機械的ランプリング(rumpling)を含む様々な劣化モードにより、破損する(又は剥離する)。TBCを喪失した場合には、部品は、より極めて高い温度を受け、部品寿命が、劇的に短縮される。
【0007】
上記の要因を考慮して、これら重要部品を検査するための固定スケジュールを使用することができる。部品の予測損傷時期にできるだけ近接させてこれら重要部品の検査をスケジュールして、検査のためにタービンをオフラインにする時間を最少にすることが重要である。運転コストを低減するためには、その上の遮熱コーティングの残留寿命を正確に評価することを含むそれら部材の残存寿命の評価の精度を向上させて、検査及び/又は補修をスケジュールするようにすることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、遮熱コーティング性能を正確に評価する能力を有する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例示的な実施形態では、ガスタービンユニット用の寿命管理システムを開示する。本寿命管理システムは、少なくとも1つの部品の累積損傷を求めるための手段と、ガスタービンユニットリスク及び分類確率を求めるための手段と、少なくとも1つの部品の累積損傷並びにガスタービンユニットリスク及び分類確率を受けるデータ融合モジュールとを含み、データ融合モジュールは、少なくとも1つの寿命パラメータを計算するように構成される。
【0010】
別の例示的な実施形態では、ガスタービンの部品の部品寿命パラメータを決定する方法を開示する。本方法は、少なくとも1つの部品の累積損傷を求めるステップと、ガスタービンユニットリスク及び分類確率を求めるステップと、寿命パラメータを計算するように構成されたデータ融合モジュールに累積損傷並びにガスタービンユニットリスク及び分類確率を提供するステップとを含む。
【0011】
さらに別の例示的な実施形態では、コンピュータプログラム製品を開示する。本コンピュータプログラム製品は、1以上の機械に動作を実行させる使用可能な命令を記憶した機械可読媒体を含む。動作には、ガスタービン部品の累積損傷を求めるステップと、ガスタービンユニットリスク及び分類確率を求めるステップと、累積損傷並びにガスタービンユニットリスク及び分類確率を使用して寿命パラメータを計算するステップとが含まれる。
【0012】
本開示のその他の特徴及び利点は、実施例によって本開示の原理を例示する添付図面と関連させてなした、好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示による、遮熱被覆部品寿命パラメータを決定する方法の実施形態のフローチャート。
【
図2】本開示による、遮熱被覆部品寿命パラメータを決定する方法の別の実施形態のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
可能な限り、図面全体にわたって同じ参照符号を使用して、同様の部分を表すことにする。
【0015】
本開示の実施形態は、ガスタービンの寿命管理及び監視のための方法、システム並びにコンピュータプログラム製品を提供する。本方法、システム及びコンピュータプログラム製品は、ガスタービンのタービン高温ガス及び燃焼部品の遮熱コーティング(TBC)の残存有効寿命を予測することを含む。本方法、システム及びコンピュータプログラム製品は、設計、監視及び診断、並びに検査データを使用して、TBCを有するガスタービン部品の累積損傷及び残存有効寿命を決定する。
【0016】
本開示の1つの利点は、固定間隔スケジュール検査に比較して向上した正確なガスタービン検査スケジュールツールが得られることである。
【0017】
本開示の別の利点は、現在及び将来ベースの予測に基づいたTBC損傷の正確な予測が行えることである。
【0018】
本開示の他の利点は、検査スケジュールの決定に使用することができる高温部品上の遮熱コーティングの寿命予測の向上が得られることである。
【0019】
本開示のさらに別の利点は、遮熱コーティングを有する部品を含むガスタービンのリスク評価の向上が得られることである。
【0020】
図1は、本開示の1つの実施形態の方法、システム及びコンピュータプログラム製品によって実行されるような、ガスタービン用の寿命管理システム100の1つの実施例のフローチャートである。本寿命管理システム100は、1以上のガスタービン部品の累積損傷を求めることを行なう第1のステップ120と、ガスタービンユニットの
ユニットリスク及び分類確率を求めることを行なう第2のステップ130と、第1及び第2のステップ120、130で求めた結果から少なくとも1つの寿命パラメータを計算することを行なう第3のステップ140とを含む。ガスタービン部品は、TBCを有することができる。例えば、部品は、それに限定されないが、燃焼器ライナ、燃焼及びタービンセクション間の移行ダクト、タービン固定ベーン及び回転ブレード、並びに周囲のリングセグメントとすることができる。本寿命管理システム100は、高温ガス通路内のあらゆる部品におけるあらゆる損傷モードに適用することができかつそれらあらゆる損傷モードに有効なものである。
【0021】
図2は、例示的な寿命管理システム100のより詳細なフローチャートである。
図2で分かるように、本寿命管理システム100は、部品の累積損傷を求めることを行なう第1のステップ120を含む。第1のステップ120は、第1の累積損傷サブステップ210を含む。第1の累積損傷サブステップ210は、ガスタービン部品の監視及び診断(M&D)データを提供することを行なう。第1の累積損傷サブステップ210は、M&Dデータを記憶するM&Dデータベースを含むことができる。M&Dデータベースは、それに限定されないが、GTによって発生されたメガワット、圧縮機吐出温度、排気温度、GT内における様々な圧力比、GT内の様々な箇所における温度、シャフトの回転速度、吸気圧力、サイト環境条件、燃焼温度、入口ガイドベーン角度、圧縮機入口温度を含む作動パラメータを含む。
【0022】
第1のステップ120はさらに、部品サイクルパラメータを計算するための第2の累積損傷サブステップ220を含む。第2の累積損傷サブステップ220は、部品サイクルパラメータを計算するためのM&D前処理手段を含む。部品サイクルパラメータには、部品
の中央
(メジアン)又は直接金属温度、中央
(メジアン)又は平均又は直接金属温度の位置、保持時間、並びにタービン負荷を含むことができる。金属温度は、物理
的モデル、並びに例えばIGV角度、圧縮機吐出温度、及びタービン負荷などのガスタービン測定パラメータを使用して分析的に計算される。この金属温度値はまた、ガスタービン内で金属温度測定センサ
を利用
できる場合には測定することができる。部品サイクルパラメータはさらに、それに限定されないが、入口ガイドベーン角度のその他の平均又は中央
(メジアン)値、圧縮機吐出温度、並びに燃焼温度を含むことができる。M&D前処理手段は、コンピュータ可読媒体及び該コンピュータ可読媒体を実行するための関連するコンピュータシステム上に埋めこまれたアルゴリズム並びに/或いはコンピュータプログラムとすることができる。
【0023】
さらに、本開示で使用する場合の前処理、処理及び計算は一般的に、コンピュータ可読媒体及び該コンピュータ可読媒体を実行するための関連するコンピュータシステム上に埋めこまれたアルゴリズム並びに/或いはコンピュータプログラムを意味する。加えて、本開示で使用するデータベースは、それに限定されないが、ハードディスクドライブなどのメモリ記憶装置のようなコンピュータ可読媒体上に保持されかつ/又は維持される。
【0024】
第1のステップ120はさらに、損傷伝達関数及びステップ220において処理した情報に基づいて各サイクルにおける損傷を計算することを行なう第3の累積損傷サブステップ230を含む。この損傷伝達関数は、遮熱コーティングの物理モデル及び材料特性に基づいて開発される。各部品は、材料タイプ及びハードウェア構成に基づいて異なる伝達関数を有する可能性がある。第3の累積損傷サブステップ230は、個々の段又は個々の部品の損傷を計算するためのサイクル損傷計算手段を含む。1つの実施形態では、第3の累積損傷サブステップ230は、それに限定されないが、第1段バケット及び第1段ノズルを含む部品の損傷を計算するためのサイクル損傷計算手段を含む。1つの実施形態では、各サイクルにおける損傷計算は、適切なアルゴリズムによって実行される。
【0025】
第1のステップ120はさらに、部品の累積損傷を計算することを行なう第4の累積損傷サブステップ240を含む。第4の累積損傷サブステップ240は、部品の累積損傷を計算するための累積損傷計算手段を含む。第4の累積損傷サブステップ240は、第5の累積損傷サブステップ250に対して部品の計算した累積損傷を提供する。
【0026】
第1のステップ120はさらに、第5の累積損傷サブステップ250を含む。第5の累積損傷サブステップ250は、フィールド又はサービスショップから新規検査情報を受けると常に部品の累積損傷計算を更新することを行なう。損傷モデル伝達関数係数は、新規検査データに基づいて更新される。このステップは、様々な部品の遮熱コーティングの状態についての実フィールド検査情報に基づいて時点毎にモデルを校正するために使用される。第5の累積損傷サブステップ250は、第4の累積損傷サブステップ240から累積損傷計算を受け、かつまた第6の累積損傷サブステップ260からユニット検査データを受け、この場合、第6の累積損傷サブステップ260は、フィールド又はサービスショップ検査による遮熱コーティングの物理状態情報を含むユニット検査データベースからのデータを提供する。第5の累積損傷サブステップ250は次に、材料及び設計情報、損傷モデル伝達関数係数、並びにハードウェア構成データベースを備えた第7の累積損傷サブステップ270を更新し、第7の累積損傷サブステップ270は次に、第3の累積損傷サブステップ230を更新する。材料及び設計情報並びにハードウェア構成データベースには、それに限定されないが、例えば第1段バケットハ−ドウェアタイプ、皮膜材料情報及び損傷伝達関数係数のようなガスタービン部品構成情報を含むことができる。
【0027】
このようにして、材料及び設計情報並びにハードウェア構成データベースは、第3の累積損傷サブステップ230によって計算されたように各ステップにおける損傷計算を更新する。累積損傷サブステップ210、220、230、240は、ガスタービンの部品の累積損傷を反復して計算する。従って、第5の累積損傷サブステップ250は、第7の累積損傷サブステップ270の材料及び設計情報並びにハードウェア構成データベースを反復して更新しかつ部品累積損傷を計算する。
【0028】
さらに
図2で分かるように、寿命管理システム100はさらに、ガスタービンユニットリスク及び分類確率を計算する第2のステップ130を含む。第2のステップ130は、第1の寿命パラメータサブステップ310と第2の寿命パラメータサブステップ320とを含む。第1の寿命パラメータサブステップ310は、関心のあるガスタービンユニットの信頼性データを提供するステップを含む。信頼性データには、それに限定されないが、フォールアウト率データ、検査データ、運転時間データ、始動データ及びトリップデータ、強制運転停止データ、損傷累積モデル、部材検査、並びに運転及び補修履歴が含まれる。
【0029】
第1の累積損傷サブステップ210によって提供された信頼性データベース及びM&Dデータベースからのデータは、第2の寿命パラメータサブステップ320に提供される。第2の寿命パラメータサブステップ320は、フォールアウトの又はアンプランド運転停止発生のガスタービンユニットリスク、並びに運転の観点からユニットを健全であるか又は健全でないかのいずれかに分類するのに使用する分類確率を計算する1以上の実験的モデルを含む。実験的モデルには、それに限定されないが、ミッションヒストグラム、累積分布関数(CDF)、相関研究、分類アルゴリズム、フォールアウトモデル、アンプランドモデル、サイクル計算、クラスタ化アルゴリズム、ベイズ識別器、二次判別分析、及び損傷累積モデルを含むことができる。
【0030】
その上さらに
図2で分かるように、寿命管理システム100はさらに、少なくとも1つの寿命パラメータを計算することを行なう第3のステップ140を含む。第3のステップ140は、データ融合法を備えた第1の寿命パラメータサブステップ330を含む。第1の寿命パラメータサブステップ330は、データ融合法を実行して少なくとも1つの寿命パラメータを決定するデータ融合モジュールを備える。少なくとも1つの寿命パラメータは、タービン部品パラメータ又はタービンユニットパラメータとすることができる。例えば、少なくとも1つの寿命パラメータには、それに限定されないが、1以上の部品及び/又はガスタービンユニットのTBC損傷確率、1以上の部品及び/又はガスタービンユニットのTBCの残存有効寿命、並びに1以上の部品及び/又はガスタービンユニットのための検査勧告を含むことができる。データ融合モジュールは、それに限定されないが、データ融合技術を含むことができる。データ融合技術には、それに限定されないが、論理ベース法、ダンプスター・シェファー法、ファジー推論法、人工知能、M&Dデータの損傷累積との融合、フォールアウト及びアンプランドモデル、並びにベイズ法を備えた方法を含むことができる。
【0031】
データ融合モジュールは、第2の寿命パラメータサブステップ320内に設けられた1以上の実験的モデルからユニットリスク及び分類確率データを受けると同時に第5の累積損傷サブステップ250から部品累積損傷を受け、かつ少なくとも1つの寿命パラメータを計算する。少なくとも1つの寿命パラメータは、第2の寿命パラメータサブステップ340に提供される。第2の寿命パラメータサブステップ340は、少なくとも1つの寿命パラメータを表示すること及び/又は記憶することを行なう。
【0032】
本開示の寿命管理システム100、特に少なくとも1つの寿命パラメータを決定するステップ及びサブステップは一般的に、その両方が一般にコンピュータ又は同様のもの内に含まれている処理要素によって実行されかつ関連する記憶装置によって記憶されたコンピュータプログラム製品によって具現化される。従って、本開示の別の態様によると、本開示のシステムは一般的に、このコンピュータプログラム製品の制御下で動作して、本システムの様々な部品に関して上述した機能を行なう。遮熱被覆部品寿命パラメータの計算を実行するコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体と、該コンピュータ可読記憶媒体内に具現化された一連のコンピュータ命令のようなコンピュータ可読記プログラムコード部分とを含む。
【0033】
この関連で、
図1及び
図2は、本開示による方法、システム及びプログラム製品のブロック図、フローチャート又はその他の概略図である。フローチャートの各ブロック又はステップ及びフローチャート内のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施することができることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上にロードして、該コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上で実行する命令がフローチャートブロック又はステップに特定した機能を実施するための手段を形成するような機械を構成することができる。これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読メモリ内に記憶させることができ、このコンピュータ可読メモリは、コンピュータ又はその他のプログラマブル装置に命令して、該コンピュータ可読メモリ内に記憶された命令がフローチャートブロック又はステップ内に特定した機能を実施する命令手段を備えた製造物品を構成するような特定の方法で機能させることができる。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上にロードして、該コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上で一連の動作ステップを実行させて、該コンピュータ又はその他のプログラマブル装置上で実行する命令がフローチャート又はステップ内に特定した機能を実施するためのステップを行なうようなコンピュータ実施プロセスを構成する。
【0034】
従って、フローチャートのブロック又はステップは、特定した機能を実行するための手段の組合せ、特定した機能を実行するためのステップの組合せ、及び特定した機能を実行するためのプログラム命令手段を支援する。フローチャートの各ブロック又はステップ及びフローチャート内のブロック又はステップの組合せは、特定した機能又はステップ或いは専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実施することができることを理解されたい。
【0035】
好ましい実施形態に関して本開示を説明してきたが、本開示の技術的範囲から逸脱せずに様々な変更を加えることができまたそれら実施形態の要素を均等物で置換えることができることは、当業者には解るであろう。さらに、本開示の本質的技術的範囲から逸脱せずに特定の状況又は事項が本開示の教示に適合するように、多くの変更を加えることができる。従って、本開示は、本開示を実施するのに考えられる最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではないこと、また本開示は、特許請求の範囲の技術的範囲内に属する全ての実施形態を含むことを、意図している。
【符号の説明】
【0036】
100 寿命管理システム
120 第1のステップ
130 第2のステップ
140 第3のステップ
210 第1の累積損傷サブステップ
220 第2の累積損傷サブステップ
230 第3の累積損傷サブステップ
240 第4の累積損傷サブステップ
250 第5の累積損傷サブステップ
260 第6の累積損傷サブステップ
270 第7の累積損傷サブステップ
310 第1の寿命パラメータサブステップ
320 第2の寿命パラメータサブステップ
330 第1の寿命パラメータサブステップ
340 第2の寿命パラメータサブステップ