特許第5997470号(P5997470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997470
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】連続リング複合タービンシュラウド
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/28 20060101AFI20160915BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   F01D25/28 A
   F01D25/24 P
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-72661(P2012-72661)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2012-211582(P2012-211582A)
(43)【公開日】2012年11月1日
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】13/075,740
(32)【優先日】2011年3月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・デイビッド・シャピロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェアード・ピーター・ブーラー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ケネス・コルセッティ
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−504588(JP,A)
【文献】 特開2004−225698(JP,A)
【文献】 特開2003−227355(JP,A)
【文献】 特開2004−169655(JP,A)
【文献】 特開2004−076601(JP,A)
【文献】 特開昭63−170506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/00,11/08,25/00
F02C 7/28
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの一体構造の完全360度リング(50、52、54、または130)を含むマルチリングシュラウド支持組立体(46)により支持された複合材料から形成された環状シュラウド(42)であって、前記一体構造の完全360度リングのうち最も内側のリング内に、少なくとも一部が配置された環状シュラウド(42)と、
前記一体構造の完全360度リングのうち最も内側のリングの、内側に延びる環状内側フランジ(84)に対して前記シュラウド(42)を偏倚させシール係合する軸方向偏倚手段とを備えた、ガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項2】
前記一体構造の完全360度リングが、金属製で同心の内側、中央、および外側リング(50、52、54)それぞれを含み、
前記内側リング(50)が、前記中央リング(52)の半径方向内側に配置され、
前記中央リング(52)が、前記外側リング(54)の半径方向内側に配置され、
前記シュラウド(42)の少なくとも一部が、前記内側リング(50)内に配置された、請求項1記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項3】
前記中央リング(52)から、前記内側リング(50)の軸方向に延びる長孔(76)を通って、前記シュラウド(42)の軸方向に延びるノッチ(78)内へ半径方向内側に延びる、少なくとも3本のクロッキングピン(74)をさらに備えた、請求項記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項4】
前記軸方向偏倚手段が、Mシール(80)またはベローズシールである、請求項3記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項5】
前記中央リング(52)が、タービンシュラウド支持リング(68)の後端部(70)と一体になって、前記後端部を形成し、前記タービンシュラウド支持リング(68)が、エンジン基幹(58)に固定接続されて、前記エンジン基幹により支持される、請求項4記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項6】
前記エンジン基幹(58)が、燃焼器外筒(95)の少なくとも一部とタービン外筒(60)とを含み、
前記タービンシュラウド組立体(30)が、前記タービンシュラウド支持リング(68)前端部(73)のタービンシュラウド支持リングフランジ(75)をさらに備え、
前記タービンシュラウド支持リングフランジ(75)が、前記燃焼器外筒(95)の下流燃焼器外筒フランジ(116)と前記タービン外筒(60)の上流タービン外筒フランジ(64)との間に軸方向に配置されて、ボルト留めされる、請求項5記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項7】
前記中央リング(52)のピン孔(106)に圧入され、前記中央リング(52)から前記外側リング(54)の半径方向孔(107)を通って半径方向外側に延びる取付けピン(104)をさらに備えた、請求項6記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(30)。
【請求項8】
前記一体構造の完全360度リングが、金属製で同心の組合せリング(130)および中央リング(52)を含み、
前記組合せリング(130)が、環状の内側および外側リング部(132、134)と中心リング部(136)とを含み、
前記中央リング(52)が、前記外側リング部(134)の半径方向内側に配置され、
前記シュラウド(42)の少なくとも一部が、前記内側リング部(132)内に配置される、請求項1記載のガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体(126)。
【請求項9】
環状の回転可能な高圧タービンロータ(34)を備えた高圧タービン(28)上流の燃焼器(26)と、
前記高圧タービンロータ(34)から半径方向外側に延びる高圧タービンブレード(40)の列(38)と、
前記タービンブレード(40)を囲む複合材料から形成された環状シュラウド(42)を備えたシュラウド組立体(30)であって、前記環状シュラウド(42)が、一体構造の完全360度リング(50、52、54、または130)を含むマルチリングシュラウド支持組立体(46)により支持され、前記一体構造の完全360度の、金属製の内側、中央、および外側リング(50、52、54)のうち最も内側のリング内に、前記環状シュラウド(42)の少なくとも一部が配置されたシュラウド組立体(30)と、
前記リングのうち最も内側のリングの、内側に延びる環状内側フランジ(84)に対して前記シュラウド(42)を偏倚させシール係合する軸方向偏倚手段とを備え、
前記内側リング(50)が、前記中央リング(52)の半径方向内側に配置され、
前記中央リング(52)が、前記外側リング(54)の半径方向内側に配置され、
前記シュラウド(42)の少なくとも一部が、前記内側リング(50)内に配置され、
前記中央リング(52)から、前記内側リング(50)の軸方向に延びる長孔(76)を通って、前記シュラウド(42)の軸方向に延びるノッチ(78)内へ半径方向内側に延びる、少なくとも3本のクロッキングピン(74)をさらに備えた、ガスタービンエンジンの高温部(8)。
【請求項10】
環状の回転可能な高圧タービンロータ(34)を備えた高圧タービン(28)上流の燃焼器(26)と、
前記高圧タービンロータ(34)から半径方向外側に延びる高圧タービンブレード(40)の列(38)と、
前記タービンブレード(40)を囲む複合材料から形成された環状シュラウド(42)を備えたシュラウド組立体(30)とを備え、
記環状シュラウド(42)が、一体構造の完全360度の、金属製で同心の組合せリング(130)および中央リング(52)を含むマルチリングシュラウド支持組立体(46)により支持され、
前記組合せリング(130)が環状の内側および外側リング部(132、134)と中心リング部(136)とを含み、
前記中央リング(52)が、前記外側リング部(134)の半径方向内側に配置され、
前記シュラウド(42)の少なくとも一部が、前記内側リング部(132)内に配置される、ガスタービンエンジンの高温部(8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ガスタービンエンジンのタービンシュラウドに関し、より具体的には、このようなシュラウドの取付けおよびシーリングに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスタービンエンジンは、一般に、コンプレッサと、燃焼器と、タービンと、ブレード、ディスク、およびリテーナ等の回転タービン部品と、高温の燃焼ガスで加熱されるため定期的に冷却が必要な、静翼、シュラウド、およびフレーム等の固定タービン部品とを備える。
【0003】
高圧タービン(HPT)段は、一般に、タービン翼端と、翼端を囲むシュラウドとの間の非常に小さい翼端隙間を維持する。シュラウド支持体が、回転する翼端に対して所望の位置でシュラウドを維持して、シュラウドとブレードとの間の隙間を制御する。効率を上げるために、翼端隙間はできるだけ小さくすべきである。しかし、エンジンの種々の動作モード中に、ブレードおよびタービンシュラウドが異なる速度で伸縮するため、翼端隙間は、一般に、効率を上げるのに望ましい隙間よりも大きくなる。
【0004】
シュラウドは、従来、軸流エンジン軸の周りに周方向に組み立てられ、回転翼部材の周りに半径方向外向きに配置された、複数のガスタービンエンジン固定シュラウドセグメントの組立体であり、ブレードの周りに半径方向外側流路の境界を画定する。
【0005】
シュラウドセグメントおよびシュラウド組立体は、設計されたエンジン動作温度および圧力環境で使用するように選択された、設計寿命の要件を満たすことができなければならない。モデムガスタービンエンジンのタービン部流路に存在するような困難な温度および圧力条件で、現在の材料がシュラウドとして効果的に動作できるようにするために、シュラウドの半径方向外側部分に冷却空気を供給することが行われてきた。しかし、当技術で周知であるように、このような冷却空気は、エンジン効率を低下させて供給される。したがって、エンジン内で設計されていない冷却空気のエンジン流路内への漏れを最小にすることにより、冷却空気を節約して使うことが望ましい。
【0006】
複合、特に、セラミックマトリックス複合(CMC)材料が、現在使用されている金属タイプの材料よりも高い温度性能を有するため、シュラウドセグメントで使用されるものとして提案されてきた。しかし、セラミックマトリックス複合材料(CMC)として市販されているこのような材料は、シュラウドセグメント等の物品の設計および適用中に考慮しなければならない機械的特性を有する。CMCタイプの材料は、金属材料と比較すると、引張延性または緊張が比較的低いため、故障につながる。また、CMCタイプの材料は、CMCタイプの材料のシュラウド用の拘束支持体またはハンガとして使用される金属合金とは大きく異なる熱膨張係数(CTE)を有する。したがって、CMCタイプのシュラウドセグメントが動作中に一面で拘束され冷却されると、セグメントの故障を生じるのに十分な力がCMCタイプのセグメントに発生し得る。
【0007】
一般に、市販のCMC材料は、BN等の可撓性材料で被覆されたセラミックタイプの繊維、例えばSiCである。繊維は、SiC等のセラミックタイプのマトリックスに担持される。
【0008】
タービンシュラウドは、翼端隙間の大きさにより、ガスタービンエンジンの全体効率または性能に直接影響を与える。タービンシュラウドは、さらにエンジンの性能にも影響を与える。これは、タービンシュラウドを冷却するために使用されるコンプレッサ排気および/または抽気が、燃焼プロセスまたはタービンブレードによる作業拡大プロセス中に使用されず、有用な作業をするために利用できないからである。
【0009】
したがって、エンジンの全体効率を最大化するためにタービンシュラウドを冷却するのに使用される抽気量を制御または低減させることが望ましい。現在使用されている金属タイプの材料よりも高い温度性能を有するため、シュラウドにCMC材料を使用することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0154433号公報
【発明の概要】
【0011】
ガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体は、少なくとも2つの一体構造の完全360度リングを含むマルチリングシュラウド支持組立体により支持された複合環状シュラウドを備える。シュラウドは、一体構造の完全360度リングのうち最も内側のリング内に、少なくとも一部が配置される。軸方向偏倚手段が、一体構造の完全360度リングのうち最も内側のリングの、内側に延びる環状内側フランジに対してシュラウドを付勢させシール係合する。
【0012】
ガスタービンエンジンのタービンシュラウド組立体の例示的実施形態の360度リングは、金属製で同心の内側、中央、および外側リングを含む。内側リングは、中央リングの半径方向内側に配置され、中央リングは外側リングの半径方向内側に配置され、シュラウドは、内側リング内に少なくとも一部が配置される。少なくとも3本のクロッキングピンが、中央リングから、内側リングの軸方向に延びる長孔を通って、シュラウドの軸方向に延びるノッチ内へ半径方向内側に延びる。
【0013】
軸方向偏倚手段は、Mシールまたはベローズシールとすることができる。
【0014】
中央リングは、タービンシュラウド支持リングの後端部と一体になって、この後端部を形成することができる。タービンシュラウド支持リングを、エンジン基幹に固定接続して、エンジン基幹により支持されるようにすることができる。エンジン基幹は、燃焼器外筒の少なくとも一部とタービン外筒とを含むことができる。タービンシュラウド支持リング前端部のタービンシュラウド支持リングフランジを、燃焼器外筒の下流燃焼器外筒フランジとタービン外筒の上流タービン外筒フランジとの間に軸方向に配置して、ボルト留めすることができる。
【0015】
内側リングの、外側に延びる環状外側フランジを、中央リングの後端面と、外側リングの外側リング後端部にある、外側リングの、内側に延びる環状端部フランジとの間に軸方向に配置して、閉じ込めることができる。取付けピンが、中央リングのピン孔に圧入され、中央リングから外側リングの半径方向孔を通って半径方向外側に延びることができる。
【0016】
Mシールまたはベローズシールを、シュラウドと、タービンシュラウド支持リングに固定接続された環状固定子要素との間に配置することができる。
【0017】
代替シュラウド組立体では、2つの一体構造の完全360度リングが、金属製で同心の組合せリングおよび中央リングを含む。組合せリングは、環状の内側および外側リング部と中心リング部とを含む。中央リングは、外側リング部の半径方向内側に配置され、シュラウドは、少なくとも一部が内側リング部内に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ガスタービンエンジン燃焼器、高圧および低圧タービン部、ならびに高圧タービンブレードを囲む連続CMCリングシュラウドの断面図である。
図2図1に示す高圧タービン部の拡大断面図である。
図3図1に示す連続CMCリングシュラウドの拡大横断面図である。
図4図1の連続CMCリングシュラウドを支持するタービンシュラウド支持リングの切欠斜視図である。
図5図1に示す環状金属内側リングにより支持された連続CMCリングシュラウドの切欠斜視図である。
図6図1に示す連続CMCリングシュラウド用の2つのリング支持体の拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および図2は、エンジン中心線12を有し、下流関係に、燃焼器26、高圧タービン28(HPT)、および低圧タービン22(LPT)を備えたガスタービンエンジン10の高温部8を示す。高圧タービン28は、環状の回転可能な高圧タービンロータ34を備える。高圧第1および第2段タービンブレード39、40の軸方向に離間した第1および第2段列37、38が、高圧タービンロータ34から半径方向外側に延びる。高圧第2段タービンノズル静翼45を有する高圧第2段タービンノズル43が、高圧第1および第2段タービンブレード39、40の第1および第2段列37、38間に動作可能に配置される。
【0020】
第2段タービンブレード40を囲む環状シュラウド42を備えたシュラウド組立体30により、第2段タービンブレード40の半径方向外側翼端44周りに流れが漏れるのを低減させる。特にエンジン10の走行動作中に、翼端44とシュラウド42との間の半径方向翼端隙間CLを最小にすることが望ましい。したがって、本明細書で開示されたシュラウド42は、複合材料、特に、CMCから形成された連続リングであり、エンジン10の静止構造または基幹58に接続された金属製で同心の内側、中央、および外側リング50、52、54を備えたシュラウド支持組立体46により支持される。シュラウド組立体30およびマルチリングシュラウド支持組立体46は、従来または現在の設計よりもはるかに複雑さの少ない組立体である。
【0021】
基幹は、基幹の半径方向内側に位置する部品を構造的に支持し、エンジン周囲にエンジン外筒を結合するエンジンフレームである。基幹により、エンジン外筒と、基幹から半径方向内側に位置する部品との間に画定されたエンジン隙間の閉鎖制御が容易になる。一般に、基幹は堅く設計される。
【0022】
燃焼器26は、環状外側ライナ90、環状内側ライナ92、ならびに外側および内側燃焼器ライナ90、92間に延びる半球形端部94を備える。外側ライナ90および内側ライナ92は、燃焼器外筒95から半径方向内側に離間し、これらの間に燃焼チャンバ55を画定する。燃焼器外筒95は全体が環状で、燃焼器26の周りに延びる。燃焼チャンバ55は全体が環状で、ライナ90、92により半径方向に結合される。
【0023】
燃焼器外筒95と外側ライナ90との間に外側通路98が画定される。外側および内側ライナ90、92は、後方または下流にタービンノズル97まで延びる。燃焼器外筒95の少なくとも一部が、燃焼器26の周りに周方向に延びる燃焼器基幹フレーム110を形成して、エンジン10内の燃焼器26を構造的に支持する。燃焼器外筒95は、環状の上流および下流燃焼器外筒フランジ115、116を備える。例示的実施形態では、上流および下流燃焼器外筒フランジ115、116は、ほぼ円形かつほぼ平行である。
【0024】
図2を参照すると、ほぼ円形かつ平行な上流および下流タービン外筒フランジ64、66を備えたタービン外筒60が、図1に示す燃焼器外筒95にボルト留めされる。タービンシュラウド支持リング68は、内側、中央、および外側リング50、52、54を支持する。内側、中央、および外側リング50、52、54は、一体構造の完全360度リングであるため、冷却流の漏れが大きく低減される。タービンシュラウド支持リング68は、タービンシュラウド支持リング68の前端部73でタービンシュラウド支持リングフランジ75を備える。図1に示すように、タービンシュラウド支持リングフランジ75は、下流燃焼器外筒フランジ116と上流タービン外筒フランジ64との間に軸方向に配置されて、これらにボルト留めされる。したがって、燃焼器外筒95は、タービンシュラウド支持リング68を支持する。シュラウド42および内側、中央、外側リング50、52、54は、エンジン中心線12の周りを取り囲む。
【0025】
図3〜5を参照すると、図3に示すタービンシュラウド支持リング68の実施形態は、タービンシュラウド支持リング68の後端部70と一体になって、この後端部を形成する中央リング52を備える。連続リング複合シュラウド42は、環状半径方向内側部71と、半径方向内側部71よりも軸方向に短い環状半径方向外側部72とを備える。3本以上のクロッキングピン74が、中央リング52から内側リング50の軸方向に延びる長孔76を通って、シュラウド42の軸方向に延びるノッチ78内へ半径方向内側に延びる。クロッキングピン74は、シュラウド42に半径方向に接触することにより、シュラウド42が半径方向に偏心移動するのを防ぐ。シュラウド42の半径方向位置決めに加えて、クロッキングピン74により、シュラウド42がエンジン中心線12の周りを回転するのを防ぐ。クロッキングピン74は、シュラウド42を完全に位置決めして、シュラウド42の軸方向の熱膨張を可能にする。
【0026】
Mシール80が、シュラウド42と、本明細書ではハンガ85として示される、タービンシュラウド支持リング68に固定接続された環状固定子要素82との間に配置される。Mシール80は、ベローズシールの特定の実施形態であり、偏倚手段またはばね81として作用する。Mシール80は、内側リング50の、内側に延びる環状内側フランジ84に対してシュラウド42を軸方向に偏倚させ、シール係合する。内側リング50の、外側に延びる環状外側フランジ100が、中央リング52の後端面112と、外側リング54の外側リング後端にある、外側リング54の、内側に延びる環状端部フランジ114との間に軸方向に配置され、閉じ込められる。
【0027】
中央リング52のピン孔106に圧入される取付けピン104(本明細書で示す実施形態では4本使用されている)が、中央リング52から外側リング54の半径方向孔107を通って半径方向外側に延びる。取付けピン104は、軸方向負荷に後方に作用して、内側、中央、および外側リング50、52、54が軸方向に押し離されるのを防ぐ。中央および外側リング52、54間に圧入108を使用する。
【0028】
図6は、タービンシュラウド支持リング68の後端部70と一体になって、この後端部を形成する中央リング52と、中央および外側リング52、54の機能を組み合わせた組合せリング130とを備えた2つの金属製同心リングを有する代替シュラウド組立体126を示す。組合せリング130は、環状の内側および外側リング部132、134と、これらの間の中心リング部136とを備える。組合せリング130は、一体構造の完全360度リングであるため、冷却流の漏れが大きく低減される。
【0029】
3本以上のクロッキングピン74が、中央リング52から、シュラウド42の軸方向に延びるノッチ78内へ半径方向内側に延びる。クロッキングピン74は、シュラウド42に半径方向に接触することにより、シュラウド42が半径方向に偏心移動するのを防ぐ。シュラウド42の半径方向位置決めに加えて、クロッキングピン74により、シュラウド42がエンジン中心線12の周りを回転するのを防ぐ。クロッキングピン74は、シュラウド42を完全に位置決めして、シュラウド42の軸方向の熱膨張を可能にする。
【0030】
中央リング52のピン孔106に圧入される取付けピン104(本明細書で示す実施形態では4本使用されている)が、中央リング52から外側リング部134の半径方向孔107を通って半径方向外側に延びる。取付けピン104は、軸方向負荷を後方に作用させて、組合せリング130が中央リング52から軸方向に後方へ押し離されるのを防ぐ。中央リング52と組合せリング130の外側リング部134との間に圧入108を使用する。Mシール80が、シュラウド42と、本明細書ではハンガ85として示される、タービンシュラウド支持リング68に固定接続された環状固定子要素82との間に配置される。Mシール80は、内側リング部の、内側に延びる環状内側フランジ84に対してシュラウド42を軸方向に偏倚させ、シール係合する。
【0031】
本明細書で、本発明の好ましい例示的実施形態と考えられるものについて説明したが、本明細書の教示から、本発明の他の修正も当業者には明らかであろう。したがって、このような修正はすべて本発明の真の精神および範囲に含まれるものであることが、添付の特許請求の範囲において保証されることが望ましい。したがって、以下の特許請求の範囲で定義され区別された発明が、米国特許証により保証されることが望ましい。
【符号の説明】
【0032】
8 高温部
10 ガスタービンエンジン
12 エンジン中心線
22 低圧タービン
26 燃焼器
28 高圧タービン
30 シュラウド組立体
34 高圧タービンロータ
37 第1段列
38 第2段列
39 第1タービンブレード
40 第2段タービンブレード
42 シュラウド
43 第2段タービンノズル
44 翼端
45 第2段タービンノズル静翼
46 マルチリングシュラウド支持組立体
50 内側リング
52 中央リング
54 外側リング
55 燃焼チャンバ
58 基幹
60 タービン外筒
64 上流タービン外筒フランジ
66 下流タービン外筒フランジ
68 タービンシュラウド支持リング
70 後端部
71 半径方向内側部
72 半径方向外側部
73 前端部
74 クロッキングピン
75 タービンシュラウド支持リングフランジ
76 長孔
78 ノッチ
80 Mシール
84 内側フランジ
90 外側ライナ
92 内側ライナ
94 半球形端部
95 燃焼器外筒
97 タービンノズル
98 外側通路
100 外側フランジ
104 取付けピン
106 ピン孔
107 半径方向孔
108 圧入
110 燃焼器基幹フレーム
112 後端面
114 端部フランジ
115 上流燃焼器外筒フランジ
116 下流燃焼器外筒フランジ
126 シュラウド組立体
130 組合せリング
132 内側リング部
134 外側リング部
136 中心リング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6