(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997489
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20160915BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20160915BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20160915BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20160915BHJP
G01D 11/24 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
B60K35/00 A
B60R11/02 C
G02B27/01
G09F9/00 362
G09F9/00 312
G09F9/00 359
G01D11/24 D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-97543(P2012-97543)
(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公開番号】特開2013-224093(P2013-224093A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】石橋 秀一
【審査官】
田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−515768(JP,A)
【文献】
特開2013−160841(JP,A)
【文献】
実開平02−043723(JP,U)
【文献】
実開平02−062473(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 − 37/06
B60R 9/00 − 11/06
G01D 11/00 − 13/28
G02B 27/00 − 27/64
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられるベースと、
該ベースから上方へ突出可能かつ該ベースに没入可能に設けられた反射板と、
該反射板に表示画像を投影する投影手段と、
前記ベースに没入した前記反射板の突出方向前方を覆う蓋体と、
前記ベースに設けられて前記反射板を突没駆動する駆動手段と、を備えた車両用表示装置であって、
前記反射板を保持するとともに前記駆動手段に連結されて直線的に駆動される保持部材と、
前記保持部材と前記ベースとに亘って設けられて前記反射板の姿勢を維持する姿勢維持手段と、を備え、
前記反射板は、移動時及び使用時で該反射板への視線方向に直交する直交面に対して、常時視点側に傾斜した状態で突没移動されることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記反射板が、その移動面に沿っていることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記姿勢維持手段は、
複数の歯を有したラックと、
前記ラックに沿って設けられたガイド溝と、
前記ラックに歯合する歯を有したギアと、
前記ガイド溝に案内されるピンと、を有し、
前記ラック及び前記ガイド溝は、前記保持部材と前記ベースとのうち前記ベース側にあり、
前記ギアは、前記保持部材に回転自在に支持され、
前記ピンは、前記保持部材から突出して設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記ラックよりも前記ガイド溝が前記投影手段側に設けられ、
前記ギアよりも前記ピンが前記投影手段側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記姿勢維持手段は、前記ラックに隣接して設けられたガイド部と、前記ガイド部に沿って転動可能な転動ローラと、をさらに有し、
前記ガイド部は、前記保持部材と前記ベースとのうち前記ベース側にあり、
前記転動ローラは、前記保持部材に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記姿勢維持手段は、前記保持部材に回転自在に支持されて前記ベースに転動可能なガイドローラをさらに有して構成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちいずれか一項記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のインストルメントパネル等に取り付けられて、車両情報やナビゲーション情報などを表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員に、ナビゲーション情報等の各種の情報を外景と重畳して視認させる車両用表示装置が多く提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
上記車両用表示装置は、
図12に示すように、表示光を照射する照射装置(図示しない)と、表示光を反射する反射面130を有するコンバイナ(反射板)103と、コンバイナ103の下端部に設けられ当該コンバイナ103を倒伏状態(収納位置)から起立状態(展開位置)に亘って回転自在に支持する支持機構と、を備えている。この車両用表示装置101は、コンバイナ103を車両のインストルメントパネル(以下、インパネという)Pの上面に起立させ、インパネP内に収納された照射装置からの表示光を、反射面130で反射させこの反射面130に画像を形成し、乗員(ドライバ)にナビゲーション情報等の各種の情報を視認させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−127456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の車両用表示装置101は、コンバイナ103が、当該コンバイナ103の倒伏状態から起立状態への回転途中、及び、起立状態から倒伏状態への回転途中に、インパネPの上面に対して上向きに傾倒した状態となることがある。この状態では、
図12に示すように、表示光以外の外部光L2(例えば、ルームランプ光)がコンバイナ103の反射面130に反射し、ドライバに眩しさを感じさせることがあるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、外部光が反射板に反射するのを防止することで、ドライバに眩しさを感じさせるのを防止できる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、車両に取り付けられるベースと、該ベースから上方へ突出可能かつ該ベースに没入可能に設けられた反射板と、該反射板に表示画像を投影する投影手段と、前記ベースに没入した前記反射板の突出方向前方を覆う蓋体と、前記ベースに設けられて前記反射板を突没駆動する駆動手段と、を備えた車両用表示装置であって、前記反射板を保持するとともに前記駆動手段に連結されて直線的に駆動される保持部材と、前記保持部材と前記ベースとに亘って設けられて前記反射板の姿勢を維持する姿勢維持手段と、を備え、前記反射板は、
移動時及び使用時で該反射板への視線方向に直交する直交面に対して、常時視点側に傾斜した状態で突没移動されることを特徴とする車両用表示装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、
前記反射板が、その移動面に沿っていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記姿勢維持手段は、
複数の歯を有したラックと、前記ラックに沿っ
て設けられたガイド溝と、
前記ラックに歯合する歯を有したギアと、
前記ガイド溝に案内されるピンと、を有
し、前記ラック及び前記ガイド溝は、前記保持部材と前記ベースとのうち前記ベース側にあり、前記ギアは、前記保持部材に回転自在に支持され、前記ピンは、前記保持部材から突出して設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項
4に記載の発明は、請求項
3記載の発明において、前記ラックよりも前記ガイド溝が前記投影手段側に設けられ、前記ギアよりも前記ピンが前記投影手段側に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項
5に記載の発明は、請求項
3又は請求項
4記載の発明において、前記姿勢維持手段は、前記ラックに隣接し
て設けられたガイド部と
、前記ガイド部に沿って転動可能な転動ローラと、をさらに有し
、前記ガイド部は、前記保持部材と前記ベースとのうち前記ベース側にあり、前記転動ローラは、前記保持部材に回転自在に支持されていることを特徴とする。
【0011】
請求項
6に記載の発明は、請求項
3乃至請求項
5のうちいずれか一項記載の発明において、前記姿勢維持手段は、前記保持部材に回転自在に支持されて前記ベースに転動可能なガイドローラをさらに有して構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、反射板は、該反射板への視線方向に直交する直交面に対して突出方向に向かって視点側に傾斜した移動面に沿って突没移動されるから、反射板が、アイポイントからの視線方向に直交する直交面に対して前傾姿勢で上昇、下降移動していることとなり、外部光が反射板に反射するのを防止できる。
【0013】
請求項
3に記載の本発明によれば、姿勢維持手段は、ベースに設けられて複数の歯を有したラックと、ラックに沿ってベースに設けられたガイド溝と、保持部材に回転自在に支持されてラックに歯合する歯を有したギアと、保持部材から突出して設けられてガイド溝に案内されるピンと、を有して構成されているから、保持部材をラックが延在する方向に沿って確実に案内することができる。また、ギアがラックに歯合した状態でラックに転動されるから、ギアがラックに転動しない場合と比較して、ギアのラックに対する摩擦抵抗を小さくすることができ、駆動手段の駆動力を小さく設定することができる。
【0014】
請求項
4に記載の本発明によれば、ラックよりもガイド溝が投影手段側に設けられ、ギアよりもピンが投影手段側に設けられているから、ピンが、ガイド溝の幅方向の端部に当接することで、ギアがラックから離れるのを防止し、ギアとラックとの噛合状態を良好に維持することができる。
【0015】
請求項
5に記載の本発明によれば、姿勢維持手段は、ラックに隣接してベースに設けられたガイド部と、保持部材に回転自在に支持されてガイド部に沿って転動可能な転動ローラと、をさらに有して構成されているから、保持部材をラックが延在する方向に沿って、より一層確実に案内することができる。転動ローラが、ガイド部の幅方向の端部に当接することで、ギアがラックから離れるのを防止し、ギアとラックとの噛合状態を、より一層、良好に維持することができる。
【0016】
請求項
6に記載の本発明によれば、姿勢維持手段は、保持部材に回転自在に支持されてベースに転動可能なガイドローラをさらに有して構成されているから、ガイドローラがベースに押し付けられた状態で転動されることとなり、保持部材ががたつくのを防止できるとともに、ガイドローラがベースに転動しない場合と比較して、保持部材のベースに対する摩擦抵抗を小さくすることができ、駆動手段の駆動力をさらに小さく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態にかかる車両用表示装置を備えた車両の室内を示す断面図であり、車両用表示装置に使用状態を示す図である。
【
図2】
図1に示された車両用表示装置の非使用状態を示す断面図である。
【
図3】
図1に示された車両用表示装置を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示された車両用表示装置を構成するベース示す斜視図である。
【
図5】
図4に示されたベース及び反射板を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示されたベースに反射板の案内部が案内される様子を示す斜視図である。
【
図7】
図6に示された車両用表示装置を別の角度から見た斜視図である。
【
図8】
図7に示された車両用表示装置を模式的に示す図である。
【
図9】
図1に示された車両用表示装置を構成するベースを示す斜視図であり、反射板が没入位置に位置付けられた状態を示す図である。
【
図10】
図9に示された反射板が没入位置から突出位置に移動される様子を示す斜視図である。
【
図11】
図9に示された反射板が突出位置に位置付けられた状態を示す斜視図である。
【
図12】従来の車両用表示装置が設けられた車両の室内の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る車両用表示装置(以下、HUD装置という)の一実施形態を、
図1〜
図11を参照して説明する。
【0019】
車両には、その室内における車両前方にフロントウインドウシールドWが設けられており、このフロントウインドウシールドWの下方には、インストルメントパネルPが設けられている。
【0020】
インストルメントパネルP(以下、インパネという)は、黒色の合成樹脂などを用いて構成されており、HUD装置1や図示しない各種操作スイッチなどが設けられている。このインパネPの上面は、つや消し加工が施されているとともに、
図1に示すように、この上面の運転席正面の部分には、HUD装置1の
反射手段3を挿通させるための開口aが設けられている。
【0021】
HUD装置1は、車両情報やナビゲーション情報などの表示画像を表示するものである。また、HUD装置1は、
図1、
図2に示すように、自動車(車両)に取り付けられるベース2と、ベース2(即ちインパネPの上面)から突出可能かつベース2に没入可能に設けられた
反射手段3と、
反射手段3に表示画像を投影する投影手段4と、ベース2内に没入された
反射手段3の突出方向前方を覆う蓋体5と、
反射手段3の姿勢を突没方向に沿うように姿勢を維持する姿勢維持手段6と、
反射手段3を突没駆動する駆動手段7と、を備えている。
【0022】
ここで、突没方向は、
図1に示すように、ドライバの視線方向Eに直交する直交面1aに対して上方側がドライバ側に傾斜した移動面1bと平行な方向、及び車両の上下方向であり、矢印Zで示す方向である。
図1、
図2中の矢印Yは車両の前後方向を示し、
図3などに示された矢印Xは、矢印Yと矢印Zに交差する方向、及び車両の左右方向を示している。
【0023】
また、
図1に示された
反射手段3は、移動面1bよりもさらにドライバ側に傾斜した傾斜面1cに沿って設けられている。
反射手段3は、突没方向(矢印Z方向)に沿って突没移動された後、位置決め部材9(後述する)によって、その角度が傾斜面1cに沿うように調整される。
【0024】
ベース2は、
図3に示すように、長方形板状の基板20と、一対のプレート8(後述する)の各々を取り付けるための一対のプレート取付部21と、蓋体5を取り付けるための一対の蓋体取付片22と、一対のプレート8の内側にそれぞれ上下方向(矢印Z方向)に移動自在に支持される一対の連動部材23と、を備えて構成されている。基板20は、その長手方向が上下方向(矢印Z方向)に沿うとともに、その厚み方向が前後方向(矢印Y方向)に沿うように配置される。一対のプレート取付部21は、基板20の幅方向両縁部から前方側に向かって板状に立設されている。即ち、一対のプレート取付部21は、左右方向(矢印X方向)に対向して設けられている。ここで、左右方向(矢印X方向)のうち、一対のプレート取付部21が互いに近付く方向を内側方向と記し、互いに離れる方向を外側方向と記すことがある。
【0025】
一対の蓋体取付片22は、
図3に示すように、基板20の上端部に位置し、一対のプレート取付部21の外側に対向して設けられている。この蓋体取付片22には、蓋体5のアーム部51が回動自在に軸支される。
【0026】
反射手段3は、
図3に示すように、コンバイナ30
(反射板)と、コンバイナ30の下端部に設けられた略直方体状の保持部材31と、を有して構成されている。コンバイナ30は、板ガラス(図示しない)と、該板ガラスの一方の面に蒸着された錫や銀などの光半透過膜(図示しない)と、を有する、周知のハーフミラーである。このコンバイナ30は、半透過性を有しており、ドライバが当該コンバイナ30を通して車両前方を目視ですることができるように形成されている。
反射手段3は、ベース2から突出された突出位置と、ベース2内に没入された没入位置とに移動可能に設けられている。
【0027】
投影手段4は、液晶パネルに光を透過させて投射する、周知の液晶プロジェクタである。
図1などに示すように、この投影手段4は、制御基板(図示しない)から制御信号を受け取ることにより、複数の液晶セルからなる液晶パネル上に該制御信号に応じた文字や図形などの表示画像を形成し、そして、この表示画像がバックライトによって背面から照らされることによって、該表示画像に対応する表示光L1を照射する。
【0028】
蓋体5は、
図1、
図2に示すように、インパネPの開口aを覆う大きさに形成された蓋本体50と、ベース2側に伸びて該ベース2に軸支されるL字状のアーム部51と、を有して構成されている。蓋体5は、アーム部51が蓋体取付片22に軸支され、アーム部51の先端部が、プレート8(後述する)に支持された連動部材23に係止されることにより、
反射手段3の突没移動に伴って連動部材23に連動されて、開位置と閉位置とに亘って回動される。ここで、「開位置」とは、
反射手段3の移動経路及び該
反射手段3に向かう投影手段4の投影経路から外れる位置をいい、「閉位置」とは、蓋体5の
反射手段3の突出方向前方を覆う位置をいう。
【0029】
姿勢維持手段6は、ベース2の一対のプレート取付部21のそれぞれに取り付けられる一対のプレート8と、一対のプレート8の上端部のそれぞれに設けられて
反射手段3(保持部材31)を位置決める一対の位置決め部材9と、保持部材31に設けられて当該保持部材31をプレート8に対して上下方向にスライド案内する一対の案内部10と、を備えて構成されている。
【0030】
一対のプレート8は、
図4、
図5に示すように、各々の平面視が長方形状に形成され、その長手方向が上下方向に沿うように、各プレート取付部21の内面にそれぞれ取り付けられている。各プレート8は、後方側(矢印Y方向の基板20側)が前方側よりも厚くなる段差部を有している。各プレート8には、プレート8の上下方向に延びて形成されたレール80と、レール80の基板20側にレール80に沿って形成されたラック81と、レール80の基板20から離れた側にレール80に沿って形成されたガイド溝82と、レール80とラック81との間にレール80に沿って設けられたローラ受け部83(ガイド部)と、が
形成されている。ガイド溝82は、その幅寸法(矢印Y方向)が、ガイドピン13(後述する)の外径寸法と等しく形成されている。ラック81は、段差部の前方側の面(基板20の内面と平行な面)に複数の歯81aが切られて構成されている。ローラ受け部83には、基板20の内面と平行でかつ、互いに対向する一対の対向面83a、83b(
図7などに示す)が設けられている。一対の対向面83a、83b間の距離は、転動ローラ14(後述する)の外径寸法と等しく形成されている。
【0031】
一対の案内部10は、
図6、
図7、
図8に示すように、保持部材31の下端部における左右方向の両端部にそれぞれ設けられている。各案内部10は、各レール80内に挿通されてレール80内をスライド移動するスライド部11と、各ラック81の歯8aに歯合する歯12aを有するギア12と、ガイド溝82内に挿入されて摺動されるガイドピン13(ピン)と、ローラ受け部83のラック81側の対向面83aに転動される転動ローラ14と、基板20の内面に転動されるガイドローラ15と、を有して構成されている。さらに、一対の案内部10には、一対のギア12の中心軸同士を連結した回転軸16が設けられている。この回転軸16は、保持部材31に回転自在に支持されるとともに、その両端部のそれぞれには各ギア12が固定されている。また、回転軸16には、各ギア12の外側に各転動ローラ14が回転軸16に回転自在に支持されている。スライド部11、ギア12、及び転動ローラ14は、回転軸16と同軸上に設けられている。ガイドローラ15はゴムから構成されている。また、ガイドローラ15は、保持部材31と基板20の内面との間に隙間があくように、保持部材31に対して回転自在に支持されている。スライド部11がレール80の上端部に位置付けられると、
反射手段3は突出位置に位置付けられ、スライド部11がレール80の下端部に位置付けられると、
反射手段3が没入位置に位置付けられる。
【0032】
駆動手段7は、
図5などに示すように、保持部材31の下端部に設けられた雌ねじ部71と、雌ねじ部71に螺合される送りねじ72と、送りねじ72を回転(自転)させるモータ73と、保持部材31を上下方向にガイドする棒状のガイド74と、を有して構成されている。雌ねじ部71は、その内面が矢印Z方向に貫通するように形成されている。送りねじ72はその外面に雄ねじが切られたねじ軸から構成されている。この送りねじ72は、ベース2の基板20の表面に沿って上下方向(矢印Z方向)に沿って設けられているとともに、その長手方向の一端がモータ73の出力軸に回転不能に支持され、他端が保持部材31に回転自在に支持されている。ガイド74は、送りねじと平行に設けられている。このような駆動手段7は、送りねじ72の雄ねじと雌ねじ部71とが螺合した状態で、モータ73の回転駆動によって送りねじ72が回転され、送りねじ72の雄ねじと雌ねじ部71との相対回転に伴って、
反射手段3を上下方向(矢印Z方向)に移動させる。
【0033】
HUD装置1の収納状態から使用状態への動作を、
図7、
図9〜
図11を参照して説明する。HUD装置1は、
図9に示すように、蓋体5が閉位置に位置した状態で、駆動手段7のモータ73が駆動され、
反射手段3が没入位置から突出方向(上方)側に移動される。
反射手段3の移動中に、自動車の走行中の振動などによって、
反射手段3が基板20から離れる方向(即ち前方側に)傾くことがあっても、
図7に示すように、ギア12は、ガイド溝82内に挿入されたガイドピン13とラック81との間に挟まれているから、ガイドピン13が、ガイド溝82の幅方向端部に当接するとともに、転動ローラ14が、ローラ受け部83の対向面83bに当接することで、ギア12とラック81との距離は一定に保たれ、ギア12がラック81から離れるのが防止される。さらに、
反射手段3が移動されると、
反射手段3の移動に連動して設けられた蓋体5がベース2に回動され、
図10に示すように、開位置に位置付けられる。
【0034】
さらに、モータ73が駆動されると、
反射手段3は、
図11に示すように、さらに突出方向(上方)側に移動され、位置決め部材9によって、
反射手段3が傾斜面1cに沿うように位置決めされる。この後、
反射手段3が突出位置に到達し、モータ73の駆動が停止される。この状態(使用状態)で、コンバイナ30は、表示光L1がコンバイナ30に反射することにより形成される画像を表示させる。
【0035】
HUD装置1の使用状態から収納状態への動作を説明する。HUD装置1は、
図11に示すように、蓋体5が開位置に位置した状態で、駆動手段7のモータ73が駆動され、
反射手段3が突出位置から没入方向(下方)側に移動される。そして、
反射手段3が移動されると、
反射手段3の移動に連動して蓋体5がベース2に回動され、
図9に示すように、閉位置に位置付けられる。これと同時に、
反射手段3が没入位置に到達し、モータ73の駆動が停止される。こうして、HUD装置1は非使用状態となる。
【0036】
このようなHUD装置1は、
反射手段3が、該
反射手段3への視線方向Eに直交する直交面1aに対して突出方向に向かって視点側に傾斜した移動面1bに沿って突没移動されるから、
反射手段3が、アイポイントからの視線方向Eに直交する直交面1aに対して前傾姿勢(即ち
反射手段3が移動面1bに沿うように起立した状態)で上昇、下降移動していることとなり、よって、外部光が
反射手段3に反射するのを防止でき、ドライバに眩しさを感じさせるのを防止できるとともに、使用時には、
反射手段3がベース2から突出されるから、斬新な演出効果を得られるとともに、非使用時には、
反射手段3がベース2内に没入されるので、
反射手段3がドライバの視界を遮るのを防止できる。
【0037】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 HUD装置(車両用表示装置)
2 ベース
5 蓋体
6 姿勢維持手段
7 駆動手段
12 一対のギア
13 ガイドン(ピン)
14 転動ローラ
15 ガイドローラ
16 回転軸
30 コンバイナ(反射板)
31 保持部材
81 ラック
82 ガイド溝
83 ローラ受け部(ガイド部)