【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0008】
手段1.外周側に突出し槽体又はこの近傍の構造物である取付対象物の表面上に配置される鍔部を一端部に有し、自身の一部が前記取付対象物の貫通孔に挿通される筒状のガイド部材と、
前記ガイド部材の内周に配置される操作ボタンと、
前記操作ボタンを往復移動可能な状態で支持する支持軸を有してなる操作機構と、
前記ガイド部材と直接又は間接的に接続され、前記操作機構を保持する継手機構とを備える操作装置であって、
前記継手機構は、
自身の一端部が前記ガイド部材と直接又は間接的に接続される筒状の外筒部と、
自身の内周において前記操作機構を保持するとともに、自身の他端部に所定の配管が接続され、前記外筒部よりも内周側に位置する筒状の内筒部と、
前記外筒部の他端部及び前記内筒部の外周を連接する鍔状の連接部とを有し、
前記外筒部の他端部内周面、前記内筒部の一端部外周面、及び、これらを連接する前記連接部の内側面によって環状の空間が形成されるとともに、
前記内筒部のうち前記連接部の内側面が連接される部位には、前記環状の空間と前記内筒部の内周空間とを連通する通水路が設けられ、
前記連接部の内側面は、内周側に向けて前記内筒部の他端側に傾斜することを特徴とする操作装置。
【0009】
上記手段1によれば、連接部の内側面(前記環状の空間を形成する面)は、内周側に向けて内筒部の他端側に傾斜する形状とされている。従って、継手機構の中心軸が鉛直方向から斜めに傾いた状態で、ガイド部材に継手機構が取付けられた場合であっても、前記環状の空間の外周側に水が溜まってしまうといった事態は生じにくくなる。その結果、通水路を介して前記環状の空間に浸入した水をより確実に排出することができ、優れた衛生性を実現することができる。
【0010】
また、連接部の内側面は、通水路側に向けて傾斜する形状となるため、浸入した水を重力により通水路側へと案内することができる。従って、通水路からの水の排出性能をより高めることができ、衛生性の更なる向上を図ることができる。
【0011】
手段2.前記内筒部は、
前記連接部が連接される部位から一端側に向けて延び、自身の内周において前記操作機構を支持する複数の突起部と、
前記連接部が連接される部位から一端側に向けて延び、自身の内周に形成された爪部が前記操作機構に係止される小突起部とを有し、
前記突起部及び前記小突起部は周方向に沿って間欠的に設けられることを特徴とする手段1に記載の操作装置。
【0012】
上記手段2によれば、爪部が操作機構に係止されているため、継手機構からの操作機構の抜けをより確実に防止することができる。
【0013】
また、上記手段2によれば、突起部や小突起部の間に、周方向に沿って間欠的に形成された複数の隙間が形成され、当該隙間により通水路が形成されるようになっている。従って、通水路の通水面積を効果的に増大させることができ、排水能力をより一層に高めることができる。その結果、衛生性の更なる向上を図ることができる。
【0014】
手段3.前記突起部の内周には、内周側に突出し、前記突起部の延出方向に沿って延びる支持面部が設けられるとともに、
前記操作機構の外周には、前記支持軸の中心軸方向に沿って延び、周方向に沿って交互に設けられた複数の凸部及び凹部が形成され、
前記操作機構は、前記凹部に対して前記支持面部が配置された状態で、前記突起部により支持され、
前記支持面部の内径が、前記凸部の外径よりも小さくされることを特徴とする手段2に記載の操作装置。
【0015】
尚、「支持面部の内径」とあるのは、継手機構の中心軸を中心とし、支持面部の内周を通る円の直径をいい、突起部を変形させることなく、支持面部の内周に配置可能な円柱の最大外径ということができる。また、凸部の外径とあるのは、支持軸の中心軸を中心とし、凸部の外周を通る円の直径をいう(以下、同様)。
【0016】
上記手段3によれば、操作機構は、その凹部に支持面部が配置された状態で、突起部により支持されている。そのため、継手機構に対する操作機構の相対回転を規制できるとともに、操作機構を継手機構に対して周方向に沿った一定の位置に精度よく取付けることができる。
【0017】
さらに、上記手段3によれば、支持面部の内径が凸部の外径よりも小さくされているため、突起部の内周に操作機構を挿入する際に、凸部の形成位置に対して支持面部が配置されてしまうことをより確実に防止でき、ひいては支持面部をより確実に凹部に配置することができる。従って、継手機構への取付時に、操作機構が周方向において誤った位置に取付けられてしまうことをより確実に防止できる。
【0018】
手段4.前記支持面部、及び、前記凸部は、少なくとも前記突起部の基部近傍まで延びることを特徴とする手段3に記載の操作装置。
【0019】
尚、「突起部の基部近傍」とあるのは、突起部のうち、内周側から外周側に向けて力が加えられた際に、外周側への撓み変形がほとんど生じない程度の剛性を確保できる部位をいう。
【0020】
突起部が樹脂等により形成されている場合には、突起部が弾性変形し拡径し得る。そのため、凸部の内側に支持面部を位置したままの状態で、突起部の内周に対して操作機構を最終的な配置位置まで挿入することができてしまうおそれがある。
【0021】
この点、上記手段4によれば、支持面部及び凸部は、変形(拡径)が極めて生じにくい突起部の基部近傍まで延びるように構成されている。従って、突起部の内周に操作機構を挿入する際に、凸部の内周側に支持面部が配置されている状態では、操作機構を最終的な配置位置まで挿入することができなくなる。その結果、継手機構に対する操作機構の誤組付をより一層確実に防止することができる。
【0022】
手段5.前記支持面部の内径と前記凹部の外径とは、ほぼ等しくされており、
前記支持面部、及び、前記凹部は、少なくとも前記突起部の基部近傍まで延びることを特徴とする手段3又は4に記載の操作装置。
【0023】
尚、「凹部の外径」とあるのは、支持軸の中心軸を中心とし、凹部の外周を通る円の直径をいう。また、「支持面部の内径と凹部の外径とがほぼ等しい」とあるのは、支持面部の内径と凹部の外径とが同一である場合のみならず、両者に若干(例えば、0.5mm以下)の径差がある場合も含む趣旨である。
【0024】
上記手段5によれば、操作機構の中心軸方向に沿った広範囲において、支持面部により凹部の外周面を支持することができ、突起部により操作機構を一層安定的な状態で支持することができる。
【0025】
また、上記手段5によれば、変形の生じにくい突起部の基部近傍において、操作機構が支持面部により支持されることとなる。従って、突起部の変形に伴い、操作機構に傾きが生じてしまうことをより確実に防止できる。