特許第5997551号(P5997551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997551
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】乗り物用座席
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   B60N3/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-194916(P2012-194916)
(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公開番号】特開2014-51119(P2014-51119A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】富家 由樹
【審査官】 永安 真
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0283855(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバック背面に沿う収納位置と、前記シートバック背面に表示装置を保持可能な表示位置とに選択可能なるホルダーを配してなる乗り物用座席であって、
前記ホルダーは、前記シートバック背面に沿う位置に固設されてなる支持部と、該支持部の下端部に設けたヒンジ部を中心に前記シートバック背面に沿う位置から略水平の位置まで開成自在なる蓋体とより構成されてなり、
前記支持部の上端部には、前記表示装置の上端部を選択的に支持可能なる複数の第1係合部が配設されてなり、
前記蓋体の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部が形成されてなり、
前記支持部に回転中心部を有する調節部材が前記第2係合部の何れかに係合可能なることを特徴とすることを特徴とする乗り物用座席。
【請求項2】
請求項1に記載の乗り物用座席であって、
前記蓋体の前記シートバック背面側は、平滑なテーブルが形成されてなることを特徴とする乗り物用座席。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の乗り物用座席であって、
前記第1係合部は、前記シートバック背面に沿う上下方向に複数形成されてなることを特徴とする乗り物用座席。
【請求項4】
請求項2に記載の乗り物用座席であって、
前記表示装置の下端部は、前記テーブルに形成した第4係合部に係合可能なることを特徴とする乗り物用座席。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用座席であって、
前記調節部材の第3係合部は、前記蓋体の第2係合部の適宜位置に係合可能なることを特徴とする乗り物用座席。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の乗り物用座席であって、
前記蓋体の側部には、前記表示装置に電気的に連結されてなるインポートが配設されてなることを特徴とする乗り物用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物用座席に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乗り物用座席、特にシートバックの背面を利用して装備品を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−198689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、開閉可能な蓋体ではあるものの、後面が何も表示していないので、無駄なエリアになっている。だからといって、シートバックの背面に単に表示装置を設けても、シートバック角度や後席乗員の座高などにより表示装置が適切な角度にならず、表示装置が見えにくくなる恐れがある。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、シートバック背面に設けられた表示装置が、シートバックの角度や後席乗員の座高によっても、確実に見えるようにした乗り物用座席を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、シートバック背面に沿う収納位置と、前記シートバック背面に表示装置を保持可能な表示位置とに選択可能なるホルダーを配してなる乗り物用座席であって、前記ホルダーは、前記シートバック背面に沿う位置に固設されてなる支持部と、該支持部の下端部に設けたヒンジ部を中心に前記シートバック背面に沿う位置から略水平の位置まで開成自在なる蓋体とより構成されてなり、前記支持部の上端部には、前記表示装置の上端部を選択的に支持可能なる複数の第1係合部が配設されてなり、前記蓋体の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部が形成されてなり、前記支持部に回転中心部を有する調節部材が前記第2係合部の何れかに係合可能なることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の乗り物用座席であって、前記蓋体の前記シートバック背面側は、平滑なテーブルが形成されてなることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の乗り物用座席であって、前記第1係合部は、前記シートバック背面に沿う上下方向に複数形成されてなることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の乗り物用座席であって、前記表示装置の下端部は、前記テーブルに形成した第4係合部に係合可能なることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の乗り物用座席であって、前記調節部材の第3係合部は、前記蓋体の第2係合部の適宜位置に係合可能なることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の乗り物用座席であって、前記蓋体の側部には、前記表示装置に電気的に連結されてなるインポートが配設されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、シートバック背面に沿う収納位置と、前記シートバック背面に表示装置を保持可能な表示位置とに選択可能なるホルダーを配してなる乗り物用座席であって、前記ホルダーは、前記シートバック背面に沿う位置に固設されてなる支持部と、該支持部の下端部に設けたヒンジ部を中心に前記シートバック背面に沿う位置から略水平の位置まで開成自在なる蓋体とより構成されてなり、前記支持部の上端部には、前記表示装置の上端部を選択的に支持可能なる複数の第1係合部が配設されてなり、前記蓋体の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部が形成されてなり、前記支持部に回転中心部を有する調節部材が前記第2係合部の何れかに係合可能なるため、シートバック背面に設けられた表示装置が、シートバックの角度や後席乗員の座高によっても、確実に見える。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、前記蓋体の前記シートバック背面側は、平滑なテーブルが形成されてなるため、表示装置を取り外した時に、乗り物の中での事務作業が可能になるなどの有用な効果を有する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、前記第1係合部は、前記シートバック背面に沿う上下方向に複数形成されてなるため、前記表示装置の角度を変更でき、後席に座る乗員の座高がさまざまであっても、また、シートバックの角度が変化しても、表示装置を確実に視認できることになる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、前記表示装置の下端部は、前記テーブルに形成した第4係合部に係合可能であるため、表示装置の保持が確実になる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、前記調節部材の第3係合部は、前記蓋体の第2係合部の適宜位置に係合可能なため、前記表示装置の角度を変更でき、後席に座る乗員の座高がさまざまであっても、また、シートバックの角度が変化しても、表示装置を確実に視認できることになる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、前記蓋体の側部には、前記表示装置に電気的に連結されてなるインポートが配設されてなるため、乗り物の中での事務作業が著しく効率が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るホルダーの非使用状態における乗り物用座席の背面を示す正面図。
図2図1のホルダーの使用状態における乗り物用座席の斜視図。
図3図2の乗り物の後側から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
シートバック背面に設けられた表示装置が、シートバックの角度や後席乗員の座高によっても、確実に見えるようにした乗り物用座席を提供する、という目的を、シートバック背面に沿う収納位置と、前記シートバック背面に表示装置を保持可能な表示位置とに選択可能なるホルダーを配してなる乗り物用座席であって、前記ホルダーは、前記シートバック背面に沿う位置に固設されてなる支持部と、該支持部の下端部に設けたヒンジ部を中心に前記シートバック背面に沿う位置から略水平の位置まで開成自在なる蓋体とより構成されてなり、前記支持部の上端部には、前記表示装置の上端部を選択的に支持可能なる複数の第1係合部が配設されてなり、前記蓋体の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部が形成されてなり、前記支持部に回転中心部を有する調節部材が前記第2係合部の何れかに係合可能なることで、実現した。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の最良の実施例を図1図3に基づいて説明する。ワンボックスタイプの自動車としての乗り物用座席1は、図示しないシートクッションと、該シートクッションに前後に傾動自在なるシートバック2と、該シートバック2に上下動可能なるヘッドレスト3とよりなる。
【0021】
図1に示すように、シートバック2の背面2aに沿う収納位置と、図2及び図3に示すように、前記シートバック2の背面2aに表示装置6を保持可能な表示位置とにホルダー9を選択可能である。前記シートバック2の背面2aのホルダー9の下側に配設されてなるのは、新聞や週刊誌など収納可能なるポケットである。
【0022】
前記ホルダー9は、前記シートバック2の背面2aに沿う位置に固設されてなる支持部10と、該支持部10の下端部10bに設けたヒンジ部11を中心に図1に示す前記シートバック2の背面2aに沿う位置から図2及び図3に示す略水平の位置まで開成自在なる蓋体4とより構成されてなる。
【0023】
前記支持部10の上端部10aには、前記表示装置6の上端部6aを選択的に支持可能なる複数の第1係合部5が配設されてなり、前記蓋体4の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部4aが形成されてなり、前記支持部10に回転中心部7aを有する調節部材7が前記第2係合部4aの何れかに係合可能なる構造に形成されてなる。
【0024】
前記蓋体4の前記シートバック2の背面2a側は、平滑なテーブル4bが形成されてなる。
【0025】
前記第1係合部5は、前記シートバック2の背面2aに沿う上下方向に複数形成されてなる。符号5aは、第1係合部5の一番上側の第1挿入口であり、符号5bは、第1係合部5の上側から二番目の第2挿入口であり、符号5cは、第1係合部5の上側から三番目の第3挿入口であり、前記表示装置6の上端部6aが挿入可能である。
【0026】
前記表示装置6の下端部6bは、前記テーブル4bに形成した第4係合部4cに係合可能である。
【0027】
前記調節部材7の第3係合部7bは、前記蓋体4の第2係合部4aの適宜位置に係合可能である。
【0028】
前記蓋体4の側部には、前記表示装置6に電気的に連結されてなるインポート8が配設されてなる。
【0029】
次に、本実施例の作用を説明する。
【0030】
前記シートバック2の背面2aに沿う収納位置と、前記シートバック2の背面2aに表示装置6を保持可能な表示位置とに選択可能なるホルダー9を配してなる乗り物用座席1であって、前記ホルダー9は、前記シートバック2の背面2aに沿う位置に固設されてなる支持部10と、該支持部10の下端部10bに設けたヒンジ部11を中心に前記シートバック2の背面2aに沿う位置から略水平の位置まで開成自在なる蓋体4とより構成されてなり、前記支持部10の上端部10aには、前記表示装置6の上端部6aを選択的に支持可能なる複数の第1係合部5が配設されてなり、前記蓋体4の表面側には、左右方向に形成されてなる複数の第2係合部4aが形成されてなり、前記支持部10に回転中心部7aを有する調節部材7が前記第2係合部4aの何れかに係合可能なるため、シートバック2の背面2aに設けられた表示装置6が、シートバック2の角度や後席乗員の座高によっても、確実に見える。
【0031】
前記蓋体4の前記シートバック2の背面2a側は、平滑なテーブル4bが形成されてなるため、表示装置6を取り外した時に、乗り物の中での事務作業が可能になるなどの有用な効果を有する。
【0032】
前記第1係合部5は、前記シートバック2の背面2aに沿う上下方向に複数形成されてなるため、前記表示装置6の角度を変更でき、後席に座る乗員の座高がさまざまであっても、また、シートバック2の角度が変化しても、表示装置6を確実に視認できることになる。
【0033】
前記表示装置6の下端部6bは、前記テーブル4bに形成した第4係合部4cに係合可能であるため、表示装置6の保持が確実になる。
【0034】
前記調節部材7の第3係合部7bは、前記蓋体4の第2係合部4aの適宜位置に係合可能なため、前記表示装置6の角度を変更でき、後席に座る乗員の座高がさまざまであっても、また、シートバック2の角度が変化しても、表示装置6を確実に視認できることになる。
【0035】
前記蓋体4の側部には、前記表示装置6に電気的に連結されてなるインポート8が配設されてなるため、乗り物の中での事務作業が著しく効率が向上することになる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上の実施例では、乗り物用座席としてワンボックスタイプの自動車用の座席を例にして説明したが、これに限定されず、航空機、鉄道車両、船舶などに搭載されている座席でも良い。
【符号の説明】
【0037】
1 乗り物用座席
2 シートバック
2a シートバックの背面
4 蓋体
4a 第2係合部
4b テーブル
5 第1係合部
6 表示装置
6a 表示装置の上端部
6b 表示装置の下端部
7 調節部材
7a 回転中心部
7b 第3係合部
8 インポート
9 ホルダー
10 支持部
10a 支持部の上端部
10b 支持部の下端部
11 ヒンジ部
図1
図2
図3