特許第5997582号(P5997582)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997582
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】モータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02P 6/08 20160101AFI20160915BHJP
   H02P 21/06 20160101ALI20160915BHJP
【FI】
   H02P6/08
   H02P21/06
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-235829(P2012-235829)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-87211(P2014-87211A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】河端 真一
(72)【発明者】
【氏名】高木 剛
(72)【発明者】
【氏名】柳生 寿美夫
(72)【発明者】
【氏名】林 繁樹
【審査官】 森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−304441(JP,A)
【文献】 特開2012−005179(JP,A)
【文献】 特開2011−166924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/08
H02P 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、
永久磁石同期型のモータと、
前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、
前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、
前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標での電流値の変化をマップとして保持するマップメモリと、
前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、
車両に設けられたアクセルペダルの踏み込み量から得られるトルクが入力される操作信号入力部と、
前記モータの出力となるトルクの値であって前記操作信号入力部に入力されたトルクの値と、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度に基づいて、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記トルクの値と前記モータの回転数に対応したマップから前記温度に対応する回転座標系の電流値を読み出してベクトル逆変換を行い、この出力をPWM制御信号として前記ドライバを制御するコントローラと、を具備するモータ制御装置。
【請求項2】
永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、
永久磁石同期型のモータと、
前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、
前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、
前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標であって前記ロータの回転角度に対応するデューティ比の変化をマップとして保持するマップメモリと、
前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、
車両に設けられたアクセルペダルの踏み込み量から得られるトルクが入力される操作信号入力部と、
前記モータの出力となるトルクの値であって前記操作信号入力部に入力されたトルクの値と、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度及び前記回転位置センサから得られる回転角度に基づいて、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記トルクの値と前記モータの回転数に対応したデューティ比のデータを読出し、このデューティ比に基づいて前記ドライバを制御するコントローラと、を具備するモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業機械や建設機械、草刈り機等に搭載される交流モータの制御装置に関し、特にモータのベクトル制御を簡易にした回転制御に特徴を有するモータ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車においては従来車両の動力源として永久磁石同期モータ(IPMモータ)が用いられている。しかし農業機械や建設機械等においては、特許文献1に提案されているが、ハイブリッド車や電気を動力源とする車両はまだほとんど実用化されていない。
【0003】
電気自動車等の分野においては、IPMモータの三相に夫々電流を検出する電流センサと、ロータの回転位置を検出する回転位置センサとを設け、これらのセンサの信号に基づいて三相交流の各相に流す電流を制御し、必要な電流値となるようスイッチングトランジスタでPWM制御している。即ち電流センサの値と回転位置センサからの値に基づいてベクトル順変換を行い、ベクトル順変換によって得られた回転座標系の電流値と、目標となるトルクから得られる電流値との差がなくなるようにPI制御を行い、更にこれをベクトル逆変換して三相の目標となる電圧値を得る。この電圧値をPWM信号に変換してスイッチングトランジスタを制御し、モータを回転制御するようにしている。このように各種センサを用いてモータ制御を行うことによって、負荷の変動があっても高い効率でモータを駆動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−9607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしモータを制御するためにベクトル順変換、ベクトル逆変換を所定の周期、例えば50μSの短時間内に行うには高速の処理が必要となり、高価なマイクロコンピュータチップを必要とする。
【0006】
本発明はベクトル制御に必要となるマイクロコンピュータの処理能力を少なくして、制御することができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、永久磁石同期型のモータと、前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標での電流値の変化をマップとして保持するマップメモリと、前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、車両に設けられたアクセルペダルの踏み込み量から得られるトルクが入力される操作信号入力部と、前記モータの出力となるトルクの値であって前記操作信号入力部に入力されたトルクの値と、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度に基づいて、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記トルクの値と前記モータの回転数に対応したマップから前記温度に対応する回転座標系の電流値を読み出してベクトル逆変換を行い、この出力をPWM制御信号として前記ドライバを制御するコントローラと、を具備するものである。
【0008】
この課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、永久磁石同期型の三相モータを用いたモータ制御装置であって、永久磁石同期型のモータと、前記モータの動作時の温度を測定する温度センサと、前記モータのロータの回転位置を測定する回転位置センサと、前記モータの出力可能なトルクの範囲の所定値毎に、及びモータの回転可能な回転数範囲の所定回転数毎に、前記モータの動作時の温度に対する回転座標であって前記ロータの回転角度に対応するデューティ比の変化をマップとして保持するマップメモリと、前記モータの各相に流れる電流値をスイッチングによって制御するドライバと、車両に設けられたアクセルペダルの踏み込み量から得られるトルクが入力される操作信号入力部と、前記モータの出力となるトルクの値であって前記操作信号入力部に入力されたトルクの値と、前記回転位置センサから得られるモータの回転数と前記温度センサから得られる温度及び前記回転位置センサから得られる回転角度に基づいて、前記マップメモリに保持されているマップのうち前記トルクの値と前記モータの回転数に対応したデューティ比のデータを読出し、このデューティ比に基づいて前記ドライバを制御するコントローラと、を具備する。
【発明の効果】
【0009】
このような特徴を有する本願の請求項1の発明によれば、電流センサを用いずにモータを制御するため、ベクトル制御に必要となるマイクロコンピュータの処理を約1/2とすることができるという効果が得られる。
【0010】
又請求項2の発明によれば、ベクトル逆変換を行わないためマイクロコンピュータの処理を更に少なくすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の第1の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。
図2図2は本実施の形態によるモータのマップメモリの保持するデータを取得するためのモータ評価システムの構成を示すブロック図である。
図3図3はマップメモリに保持されているデータの一例を示すグラフである。
図4図4はこの実施の形態によるモータ制御の概略フローチャートである。
図5図5は本発明の第2の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。
図6図6は第2の実施の形態によるモータ制御の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態によるモータ制御装置の全体構成を示すブロック図である。本図において電池11は例えば数百ボルトの二次電池であって、モータの電源として用いられる。この電池11からの直流出力はドライバ12に供給される。ドライバ12は直流電圧をスイッチングし、三相交流に変換するものである。ドライバ12の三相のラインU,V,Wはモータ13に接続されている。ここでモータ13は、リラクタンストルクを発生する電磁鋼板と永久磁石を埋め込んだロータを組み合わせたIPM三相モータとする。又モータ13は内部を回転するロータの位置角度θを検出するための回転位置センサ14が設けられる。
【0013】
更に本実施の形態では、モータ13に近接する位置にモータ13の温度を検出するための温度センサ15が設けられる。この温度センサ15は熱電対やサーミスタによって実現することができ、故障の可能性は低い。回転位置センサ14及び温度センサ15からの出力は、コントローラ20に与えられる。
【0014】
さてコントローラ20には操作信号入力部21が接続される。操作信号入力部21はモータ13の回転を制御するため操作信号であるトルク(Nm)の値を入力するものである
。この値は車両のアクセルペダルの踏み込み量から得ることができる。又コントローラ20にはマップメモリ22が接続されている。マップメモリ22は後述するように、回転座標系の目標値となる電流Id,Iqのデータを保持するものである。コントローラ20の内部には、入力されたトルクの値を回転座標であるd−q座標系の電流値Id,Iqに変換するトルク−IdIq変換マップが設けられる。
【0015】
次にマップメモリ22の内容について説明する。モータの運転を開始すると常温の温度から動作が開始されるが、例えば80℃程度まではほぼ通常の電流値がそのまま維持されており、80℃を超えるとモータのコイル巻線のインダクタンスや内部抵抗値が変化するため、モータ自体がわずかに元の状態とは異なり、必要な電流値が増加してくる。そこであらかじめ図2に示すように、測定対象となるテストモータ30と負荷となるベンチモータ31とをトルクセンサ32を介して連結する。テストモータ30は車両に用いられている図1のモータ13と同一種類のモータとする。又電源33はベンチモータ31を駆動するための電源であり、電源33にインバータ(INV)34を介してベンチモータ31が接続されている。一方電源35はテストモータ30を駆動するための電源であり、電源35にはインバータ36を介してテストモータ30が接続されている。テストモータ30には、その温度を測定するための温度センサ37や、テストモータ30の温度を制御するための温冷水注入機構38が設けられる。又インバータ36からテストモータ30に供給する三相の電流値を測定するための電流センサ39〜41やテストモータ30内のロータの回転位置を検出する回転位置センサ42が設けられる。更にインダクタンスLd,Lq、コイルの抵抗Rを測定するためのパーソナルコンピュータ(PC)43が接続されている。モニタ44はこれらのうち必要なデータを表示するものとする。
【0016】
そしてテストモータ30の負荷をベンチモータ31により一定に制御して駆動し、テストモータ30の回転数、温度変化をあらかじめ計測する。車両のモータ13に要求されるトルクの範囲を例えば±100Nmの範囲とし、必要な回転数を例えば0〜±4000rpmとする。この場合、±100Nmの範囲で所定のトルクの単位、例えば5Nm毎に、及び0〜±4000rpmの範囲で所定の回転数、例えば100rpm毎に、温度に対してd−q座標で表したテストモータ30の電流値Iq,Idのデータを取得する。このIq,Idのデータはテストモータ30の各相に流れる電流値をベクトル順変換して求めてもよく、モニタ44に得られるコイルのインダクタンスLd,Lqの値に基づいて演算により電流値Id,Iqとしてもよい。こうして温度に対応した電流値の変化をマップとして作成する。このときの温度の範囲はこの車両が使用される温度の範囲、例えば−40℃〜+120℃の範囲とする。尚トルクの負の値は回生モードを示している。このように各トルク及び各回転数毎に温度と電流値を保持する多数のマップをあらかじめマップメモリ22に保持しておく。
【0017】
図3は横軸を温度とし、これに対応する電流値Id,Iqを縦軸としたときのマップの一例であって、図3(a)は10Nmの操作力、モータ回転数1000rpmの場合、図3(b)は50Nmの操作力、モータ回転数1000rpmの場合とする。このように前述したトルクの全ての範囲及び全ての回転数の範囲についてのマップ群の情報をマップメモリ22が保持している。
【0018】
次にこの実施の形態の動作について説明する。図4はこの実施の形態によるモータ制御の概略フローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ20はステップS11においてまず回転位置センサ14と温度センサ15とのデータを入力する。そしてステップS12において回転位置センサ14からの出力を回転数に変換する。その後ステップS13において操作信号入力部21より得られたトルクとこの回転数とを用い、それらの値に最も近いマップメモリ22のマップを選択し、そのときの温度から電流値Id,Iqを読出す(ステップS14)。そしてこの値と回転位置センサ14から得られたロータの
位相角θを用いてステップS15でベクトル逆変換を行い、三相の各ラインに対する電圧値を出力する。そしてこの電圧値に対応するPWM信号を生成し、ドライバ12にPWM信号を出力する(ステップS16)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。そしてこの処理を所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。これによってあまり能率を低下させることなくモータ13を制御することができる。
【0019】
こうすれば電流センサからの電流値に基づいてベクトル順変換、ベクトル逆変換を行ってモータ制御する場合に比べてやや能率は低下するものの、ベクトル順変換は不要となるためマイクロコンピュータチップでの処理を約1/2としてモータ13を正常に制御することができる。尚この制御時には、フィードバック制御は行われていないが、車両の乗員はモータ13の出力が過大であればアクセルをゆるめ、モータ13の出力が過少であればアクセルを踏み込む。従って結果的に車両の乗員によるフィードバック制御となり、必要な操作力を得ることができる。
【0020】
次に本発明の第2の実施の形態によるモータ制御装置について説明する。図5はこの実施の形態によるモータ制御装置の構成を示すブロック図であり、前述した第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。この実施の形態では第1のマップメモリ22に代えて第2のマップメモリ23を用いる。マップメモリ23はベクトル逆変換を行わないための必要なデータを保持するものである。又コントローラ24は回転位置センサ14と温度センサ15からの値に基づいてモータを制御する際に、ベクトル逆変換を除くことによって更に演算処理を容易にするようにしたものである。
【0021】
この場合に用いられるマップメモリ23は、必要なトルク、全ての回転数、及び使用される温度の範囲内で、回転位置センサ14からのロータの位置情報θに基づいてそのタイミングでモータに必要なデューティ比を全てマップメモリに保持している。例えば車両のモータに要求されるトルクの範囲を例えば±100Nmの範囲とし、必要なモータの回転数を例えば0〜±4000rpmとする。この場合、所定のトルクの単位、例えば±100Nmの範囲で5Nm毎に、及び0〜±4000rpmの範囲で所定の回転数、例えば100rpm毎に、及び必要な温度、例えば−40℃〜120℃の範囲で所定の温度毎に、全ての位相角についてモータ制御に必要なデューティ比を全てマップメモリに保持している。この場合も図2に示すようにデータ測定のための装置を用いて所定の温度毎にモータを種々の条件で駆動し、このときに検出される三相の電流値をベクトル順変換してId,Iqを得る。そしてこのときのトルク,温度,回転数を得る。そしてこのベクトル電流Id,Iqを得るのに必要なベクトル変換電圧Vd,Vqを検出し、位相角θが0〜359°までの各角度についての固定のデューティ比を算出する。こうして得られたデューティ比をマップメモリ23に保持しておく。
【0022】
図6はこのモータ制御装置の動作を示すフローチャートである。この処理を開始すると、コントローラ24はステップS21においてまず回転位置センサ14と温度センサ15とのデータを入力する。そしてステップS22において回転位置センサ14からの出力を回転数に変換する。その後ステップS23において操作信号入力部21より得られたトルクとこの回転数、及びそのときの温度センサ15の値に基づいてマップメモリ23のうち1つのマップを選択し、回転位置センサ14からのロータの回転角度θに対応するデューティ比の値を読出す。これをU相のラインに対するデューティ比とすると、そのマップからU相に対しV相を120°、W相を240°の位相角をずらせた位相角でのデューティ比を読出す。そして三相のラインに対してPWM制御を行う(ステップS25)。これによってドライバ12のスイッチングトランジスタを用いてモータ13を制御することができる。こうすればベクトル逆変換処理を行う必要がないので、コントローラ24での演算を大幅に減少させて、しかも高能率でモータを制御することができる。そしてこの処理を
所定のサイクル(例えば50μS)で繰り返す。こうすれば第1の実施の形態よりも更にマイクロコンピュータによる演算処理を少なくして、モータ13を制御することができる。
【0023】
次にハイブリッド車については、アシスト力を決定する際、複雑なアルゴリズムを用いれば、限られた計算時間の中、処理を終わらせるには高性能のマイクロコンピュータが必要となる。そこでハイブリッド車のアシスト力を決定する際に以下の式に基づいて決定するようにしてもよい。
=a・Vmax・B
ここで重み付け係数をB、アシストモータの目標値の速度をV、アクセルの踏み込み割合をa(0〜1)とし、最も踏み込んだときの踏み込み割合を1、踏み込んでいないときの値を0とし、車速の最高速度をVmaxとする。
ここで重み付け係数Bは例えばパワーモータでは0.95、標準モードで0.8等とし、0〜1の範囲でユーザが自由に設定できる係数とする。
【0024】
このときアシスト力Fは、アシストモータの現在の車速回転Vr、アシスト力ゲインGとすると、次式
F=(Vm−Vr)×G
とする。これによってハイブリッドモードでもEVモードでも使用することができ、条件分岐などのアルゴリズムを必要とせず、ユーザ好みのアシスト力を得ることができる。
【0025】
この場合には目標車速と現在の車速の差が大きいときに大きなアシスト力が得られ、目標車速に近づくとアシスト力が減る。更にハイブリッド時は目標車速以上になると自動的に充電モードに移行する。目標車速が抑えられることで、パワーモード、標準モード、エコモードの順で消費電力を減少させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は比較的簡単な制御でモータを駆動することができるため、農業機械等に有用に使用ことができる。
【符号の説明】
【0027】
11 電池
12 ドライバ
13 モータ
14 回転位置センサ
15 温度センサ
20,24 コントローラ
21 操作信号入力部
22,23 マップメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6