(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ディスプレイを収容する筐体の上面に配置された結像光学素子と、上記結像光学素子の下側に、結像光学素子の下面に対してその表示面が所定角度傾斜した状態で配設されたディスプレイと、それ自体の外形形状の情報を含む立体構造物の識別情報を認識する認識手段と、上記ディスプレイに表示される映像を制御する制御手段と、を備え、結像光学素子の周囲の筐体上面に載置される立体構造物の識別情報を、上記認識手段で認識するとともに、この認識手段から上記制御手段に伝達された上記外形形状の情報を含む識別情報により、上記ディスプレイに、上記立体構造物の外形形状に応じた映像が位置合わせして表示され、この映像の投影像が、上記結像光学素子を介して、立体構造物に連係する筐体上方の位置に結像するようになっていることを特徴とする表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の画像表示装置は、上記液晶表示パネル等の表示面に表示された映像が、上記光学素子(マイクロレンズアレイ)の正面(すなわち、画像表示装置の正面)に結像するため、鑑賞者の視野内にその装置のフレーム等が入ってしまい、臨場感等が得られにくいという問題があった。
【0007】
また、上記従来の画像表示装置は、その表示フィールドに特定の物体(水生植物や岩石等)が位置決めされた状態で、展示用等に特化した画像(映像)を表示することにより、投影される空間像の立体感を増幅させる仕組みのため、鑑賞者が誰であっても同じ結果しか得られず、その内容がユーザにとって特に印象深いものとはなり難い。そのため、ユーザ個人の興味や趣味、あるいは、上記表示フィールドに載置する物体に合わせた「情報」(画像や映像等)を、実体の
立体構造物と連係して効果的に仮想表示する表示装置が求められている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、結像光学素子の周囲の筐体上面に載置された
立体構造物に連係して、印象深い立体的二次元映像を、装置の上方にリアルタイムで効果的に表示することのできる表示装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の表示装置は、ディスプレイを収容する筐体の上面に配置された結像光学素子と、上記結像光学素子の下側に、結像光学素子の下面に対してその表示面が所定角度傾斜した状態で配設されたディスプレイと、それ自体の外形形状の情報を含む
立体構造物の識別情報を認識する認識手段と、上記ディスプレイに表示される映像を制御する制御手段と、を備え、結像光学素子の周囲の筐体上面に載置される
立体構造物の識別情報を、上記認識手段で認識するとともに、この認識手段から上記制御手段に伝達された上記外形形状の情報を含む識別情報により、上記ディスプレイに、上記
立体構造物の外形形状に応じた映像が位置合わせして表示され、この映像の投影像が、上記結像光学素子を介して、
立体構造物に連係する筐体上方の位置に結像するようになっているという構成をとる。
【0010】
すなわち、本発明者は、前記課題を解決するため研究を重ね、その結果、鑑賞者等によって結像光学素子の近傍に配置される、
立体構造物(立体的な表示物)が保有する「外形形状の情報を含む識別情報」を用いて、上記ディスプレイに表示される映像を、上記
立体構造物に応じた映像に変更(更新)することにより、この
立体構造物に連係する情報(画像や映像等)を、より臨場感に富んだ立体的な映像として、素早く効果的に提供できることを見出し、本発明に到達した。なお、本発明における「連係する映像」とは、上記
立体構造物(立体的な表示物)の形態や動きに合わせ、他の物体や無体物等の空間像が、上記
立体構造物と適切な位置関係に表示(投影)されていることをいう。すなわち、上記
立体構造物の周囲または近傍における違和感を感じない自然な位置に、
立体構造物とインタラクティブする映像が、最適な位置・タイミングで表示される状態であり、これにより、上記映像に、意味やメッセージ性を持たせることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置は、筐体の上面に配置された結像光学素子の下側に、表示面が所定角度で傾斜するディスプレイが配設され、上記結像光学素子の周囲に、外形形状の情報を含む識別情報を保有する立体
構造物(立体表示物)を認識する認識手段が設けられ、この認識手段から伝達される識別情報に対応して、制御手段が、ディスプレイの表示(映像)を変更(更新)する。そして、このディスプレイに表示された映像が、筐体の上面に配設された結像光学素子を透過して、その上方(筐体上面の上方)に、上記
立体構造物と連係する立体的な二次元画像(空間像)を結像するようになっている。これにより、本発明の表示装置は、上記
立体構造物に適する画像や映像等を、素早く効果的に表示することができる。
【0012】
また、本発明の表示装置のなかでも、特に、上記結像光学素子が、コーナーリフレクタ型の単位光学素子からなるマイクロミラーアレイであるものは、上記表示される立体的二次元画像を、より輝度の高い鮮明な画像として表示することができるうえ、鑑賞者の視野内に装置のフレームや筐体等が入らない、理想的な光路を設定することが可能になる。
【0013】
また、本発明の表示装置のなかでも、上記結像光学素子の下面に対する上記ディスプレイの表示面の傾斜角が、30°以上90°未満に設定されているものは、上記表示される立体的二次元画像を、より浮遊感の強い立体的な画像として表示することができる。
【0014】
なお、本発明の表示装置で用いることのできる「結像光学素子」としては、被投影物の鏡像を実像として結像させる屈折型結像素子(フレネルレンズ等を含む各種レンズや、アフォーカル光学系のマイクロミラー,コーナーリフレクタ等)をあげることができる。これら屈折型結像素子のなかでも、その外形形状がパネル状あるいは平板状で、かつ、その表裏面(上下面)が比較的平坦でフラットなものが好ましい。なお、上記結像光学素子の「上面」,「下面」とは、ケース,ハウジング等の筐体の外側にあたる面、または、内側にあたる面を示し、結像の基準(光路の屈折点)となる結像光学素子の「素子面」とほぼ平行な面を指す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の表示装置の基本的な構成を説明する図であり、
図2は、上記表示装置に用いられるマイクロミラーアレイ(M)の詳細構造を説明する図である。なお、
図1では、本発明の原理のみを簡潔に説明するために、ケース,ハウジング等の部材や、配線,電装品等の部品の図示を省略している。また、識別情報を保有する
立体構造物(以下、「立体表示物」という、図中の符号C)は、その厚みを誇張して描いている。
【0018】
本実施形態における表示装置は、
図1に示すように、パネル状のマイクロミラーアレイ結像光学素子(以下「マイクロミラーアレイM」または単に「アレイM」という)と、フラットパネルディスプレイ(以下、ディスプレイD)とを備え、マイクロミラーアレイMに設けられた多数のマイクロミラー(コーナーリフレクタ)による光の反射により、アレイMの一面(図では下面Mb)側に、その下面Mbに対して表示面Daが所定角度(α)傾斜した状態で配設されたディスプレイDに表示された映像(画像I)を、このアレイMの他面(図では上面Ma)側の空間に、斜め状に立ち上がる空間像I’として、浮かび上がるように結像させるものである。
【0019】
また、上記表示装置は、上記マイクロミラーアレイMの周囲(上側)に載置される立体表示物Cの保有する識別情報を認識するための認識手段(センサS)と、上記ディスプレイD(表示面Da)に表示される映像(画像I)を制御する制御手段(ディスプレイDに内蔵のため図示省略)とを備えており、
図1のように、マイクロミラーアレイMの周囲に、立体表示物
Cが載置された場合、この立体表示物
Cが保有(所有)する、それ自体の外形形状(立体形状)の情報を含む識別情報を上記センサSで読み取り、その識別情報がディスプレイDの制御手段に伝達され、上記ディスプレイDの表示面Daに、上記識別情報に応じた特別な映像(所定の画像I)が、所定の位置に位置合わせして表示されるようになっている。そして、このディスプレイDに表示された画像Iの投影像が、上記マイクロミラーアレイMを介して、そのアレイMの上側の空間に、空間像I’として結像し、立体表示物Cに連係するようになっている。これが、本発明の表示装置の特徴である。
【0020】
上記表示装置について、詳しく説明すると、この表示装置に使用する結像光学素子としては、フレネルレンズ等を含む各種レンズや、アフォーカル光学系のマイクロミラー,コーナーリフレクタ等の屈折型結像素子を用いることができる。なかでも、本実施形態においては、
図2に示すような、素子面Pに対して面対称の位置に像を結ぶ、マイクロミラーアレイM(凸型コーナーリフレクタアレイ)が好適に使用される。このマイクロミラーアレイMは、任意の固定部材等により、鑑賞者の視点(感覚)に対して略水平になるように配設されている。
【0021】
上記マイクロミラーアレイ(コーナーリフレクタアレイ)Mについて、より詳しく説明すると、このマイクロミラーアレイMは、
図2に示すように、基板(基盤)11の下面(
図1における下面Mb側)に、下向き凸状の多数の微小な四角柱状単位光学素子12(コーナーリフレクタ)が、斜め碁盤目状に並ぶように配列されている〔
図2はアレイを下側から見上げた図である。〕。
【0022】
上記マイクロミラーアレイMの各四角柱状の単位光学素子12は、コーナーリフレクタを構成する一対(2つ)の光反射面(四角柱側方の第1の側面12a,第2の側面12b)が、それぞれ、「基板表面方向の横幅(幅w)に対する基板厚さ方向の縦長さ(高さh)の比」〔アスペクト比(h/w)〕が1.5以上の長方形状に形成されている。また、それぞれの単位光学素子12は、各コーナー12cを構成する一対の光反射面(第1の側面12a,第2の側面12b)が、鑑賞者の視点側(
図1におけるE側)を向くようになっており、その外縁(外辺)を鑑賞者の正面に対して45°回転させた状態(
図3,
図5参照)で配設されている。
【0023】
また、画像Iを表示するフラットパネルディスプレイ(ディスプレイD)は、
図1のように、上記マイクロミラーアレイMの下面Mbに対して、鑑賞者の手前側(正面E側)から奥側に向かって所定の傾斜角αで下向きに傾くように配置されており、上記マイクロミラーアレイMを介して投影される空間像I’が、鑑賞者の方向を向くようになっている。
【0024】
なお、上記画像Iの表示に用いるディスプレイDとしては、バックライトを備える液晶表示パネル(LCD)の他、プラズマディスプレイパネル,有機EL表示パネル等、全可視光波長にわたってなるべく偏りのない「白色」と、非表示時の「黒色」とを、コントラスト良く再現できるディスプレイパネルを使用することができる。さらに、ディスプレイDは、携帯電話または携帯情報端末等の表示部であってもよく、具体的には、上記ディスプレイDとして、スマートフォン,タブレット型PC,デジタルフォトフレームや、携帯型ゲーム機,携帯型ブックリーダー,PDA,電子辞書等のうち、表示部Daが常時露出する(カバーされていない)タイプのなかで、その表示面Daの寸法が、上記マイクロミラーアレイMの大きさ(平面形状)に対応するサイズのものを使用することができる。
【0025】
また、上記ディスプレイDの傾斜角αは、この表示装置を利用する鑑賞者の姿勢や距離等を考慮して、30°以上90°未満(30°≦α<90°)に設定される。
【0026】
つぎに、マイクロミラーアレイMの上側に載置される立体表示物
Cは、比較的高さのある立体構造物である。立体表示物Cの例としては、樹脂,金属,陶器や紙等からなる、手に取ることのできる立体物、例えば、マスコット,フィギュア等のキャラクター商品や、乗り物,建物,動植物,天体等の模型等があげられる。
【0027】
また、上記立体表示物Cには、上記表示装置のセンサSに対応する位置(
図1における符号Tの位置)または近傍に、この立体表示物Cを識別するための固有の情報(識別情報)として、ICタグ(RFID)Tや、二次元または一次元のバーコード(印刷)等が配置されている。そして、先にも述べたように、対応するセンサSにより、これらのICタグTやバーコード等が保有する情報(形状情報を含む)を読み出し、その情報が、有線または無線通信等により、ディスプレイDの制御手段に伝達される。
【0028】
上記識別情報を読み出すセンサSとしては、立体表示物CにICタグTが用いられている場合は、HFまたはUHF帯域等のアンテナを備えるICタグ(RFID)リーダーが使用され、立体表示物Cにバーコード(印刷)が用いられている場合は、C−MOSイメージセンサ(カメラ)や光学スキャナ等の光学式センサが使用される。また、センサSの位置や数は、使用形態に応じて適宜設定することができる。
【0029】
なお、立体表示物C側に設けられる(保有する)識別情報としては、上記ICタグTやバーコード等の非接触方式の他、電気的接点を有するメモリ(フッラシュメモリ)等を内蔵する接触方式を採用してもよい。また、上記のように、ICタグTやバーコード等の非接触方式の識別情報を採用する場合、その情報を読み取り可能な範囲であれば、
図4に示すように、立体表示物CのICタグTは、センサSから多少離れた位置であってもよい。
【0030】
なお、上記立体表示物Cは、マイクロミラーアレイMの周囲(近傍)に配置されることにより、上記空間像I’との間に視差を生じ、この空間像I’の奥行きや浮遊感等を、強調する効果を生む。また、上記立体表示物Cの存在により、上記空間像I’の周囲に何もない表示装置に比べ、空間像I’に視点(ピント)を合わせ易くなり、立体感や臨場感等がより向上するという効果もある。
【0031】
上記実施の形態の表示装置の構成によれば、上記マイクロミラーアレイMの周囲に配置され
た立体表示物
Cに対応した画像Iや映像等を、アレイMの上の空間に、印象的な立体的二次元映像(空間像I’)として、リアルタイムで効果的に表示することができる。
【0032】
つぎに、より具体的な実施の形態(第1実施形態)について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態の表示装置の外観斜視図であり、
図4は、この表示装置の構成を示す一部断面図である。
【0033】
この第1実施形態の表示装置も、パネル状のマイクロミラーアレイ結像光学素子(マイクロミラーアレイ1)と、フラットパネルディスプレイ(ディスプレイ2)とを備え、マイクロミラーアレイ1に多数設けられたマイクロミラー(コーナーリフレクタ)による光の反射により、マイクロミラーアレイ1の下面1b側に配置されたディスプレイ2に表示された映像(画像I)を、このアレイ1の上面1a側の空間に、斜め状に立ち上がる空間像I’として、空間に浮かび上がるように結像させるものである。この表示装置も、上記ディスプレイ2が、その表示面2aをマイクロミラーアレイ1の下面1bに対して所定角度αで傾斜させた状態で、載置台3上に載置されている。
【0034】
また、上記表示装置は、上記マイクロミラーアレイ1の周囲(上側)に載置される立体表示物C
(この例では「怪獣」等のフィギュア)の保有する識別情報を認識するための認識手段(センサ4)と、上記ディスプレイ2(表示面2a)に表示される映像(画像I)を制御する制御手段(ディスプレイ2に内蔵のため図示省略)とを備えており、
図3のように、ケース5の天板5a上に立体表示物
Cが載置された場合、この立体表示物
Cが保有(所有)する識別情報(形状情報)を上記センサ4で読み取り、その識別情報がディスプレイ2に伝達され、上記ディスプレイ2に、上記識別情報に応じた所定の映像(画像I、この例では「火の玉」の動画)が、適切な位置(上記「怪獣」の頭部前方に相当する位置)に表示されるようになっている。そして、このディスプレイ2に表示された画像Iの投影像が、上記マイクロミラーアレイ1を介して、そのアレイ1の上側に、立体表示物Cに連係する空間像I’(すなわち、上記「火の玉」が、あかたも「怪獣」の口から吐き出されたかのような映像、
図3参照)として結像する。
【0035】
より詳しく説明すると、ディスプレイ2を載置するための載置面3aを備える載置台3は、上記載置面3aを兼用する板状部材3bと、基台3c,3cとからなり、略箱状のケース5の内部に配設されている。上記板状部材3bは、
図4のように、ケース5の底面5bおよびマイクロミラーアレイ1の下面1b(または素子面P)に対して所定角度α傾いた状態で、上記基台3c,3cに支持されており、その上面が、ディスプレイ2の載置面3aとなっている。そして、この載置台3の載置面3a上に、LCD等のフラットパネルディスプレイを載置することにより、上記ディスプレイ2の表示面2aが、マイクロミラーアレイ1の素子面Pに対してα°傾いた状態で保持されるようになっている。なお、ケース5内における上記載置面3aの、マイクロミラーアレイ1の下面1b(素子面P)に対する傾斜角αは、アレイ1による結像が最適となるように調整されており、通常30°以上90°未満、好ましくは40°以上80°以下に設定されている。
【0036】
なお、先にも述べたように、上記ディスプレイ2の表示面2a上に表示される映像(画像I)は、通信手段等を介してセンサ4からディスプレイ2に伝達される、立体表示物
Cが保有する識別情報(形状情報)に応じて、その表示面2a上における表示位置が変更(位置合わせ)される。例えば、上記のような「火の玉」の場合、上記立体表示物Cの上部(「怪獣」の頭部)近傍に表示・投影させるために、その画像Iは、斜めになった表示面2a上における下側(ケース5の底部5bに近いx側)に表示される(
図4参照)。これにより、上記画像Iの空間像I’は、マイクロミラーアレイ1を介して、立体表示物Cの上部(先端)近傍に結像する。逆に、映像を上記立体表示物Cの下部(「怪獣」の脚部)近傍に表示・投影させたい場合(例えば「サッカーボール」等)、その画像Iを、斜めになった表示面2a上における上側(ケース5の天板5aに近いy側)に表示することにより、上記画像Iの空間像I’は、マイクロミラーアレイ1を介して、立体表示物Cの下部(根元部)近傍に結像する。勿論、図示はしていないが、上記ディスプレイ2上における、画像Iの表示面2a左右(横)方向の表示位置も、立体表示物
Cが保有する識別情報(形状情報)に対応して、この立体表示物Cに連係する位置に制御される。
【0037】
また、上記ディスプレイ2および載置台3を収容する筐体(ケース5)は、略箱形(ボックス状)で、その上面に設けられた開口に、略正方形状のマイクロミラーアレイ1が嵌め入れられている(
図4参照)。また、このケース5の天板5a上には、前記実施形態と同様の立体表示物Cが載置されている。
【0038】
以上の構成によっても、上記ケース5の天板5a上に載置された立体表示物
Cの保有する識別情報が、センサ4により認識され、その情報がディスプレイ2の制御手段に伝達される。そして、上記立体表示物Cに連係する画像Iや映像等が、マイクロミラーアレイ1の上方の空間に、印象的な立体的二次元映像(空間像I’)として、効果的に表示される。
【0039】
つぎに、第2実施形態として、上記略箱形のケース5に代えて、開放形の筐体を用いる場合を説明する。
図5は、本発明の第2実施形態の表示装置の外観斜視図である。なお、第1実施形態と同様の機能を有する構成部材には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0040】
このハウジング6は、
図5に示すように、横方向の壁面のない形状で、その1つの側面(斜面6c)を、ディスプレイ2の載置面(所定角αで傾斜する載置面)として利用している。また、このハウジング6の天板6a上には、前記実施形態と同様の立体表示物Cが載置されている。
【0041】
なお、この第2実施形態の表示装置の載置面(斜面6c)には、ディスプレイ2を固定するための吸着(粘着)テープ等が貼着されており、その上に仮固定されたディスプレイ2は、取り外し可能なようになっている。そのため、第2実施形態のディスプレイ2には、携帯電話または携帯情報端末等の表示部が用いられている。具体的には、上記ディスプレイ2として、スマートフォン,タブレット型PC,デジタルフォトフレームや、携帯型ゲーム機,携帯型ブックリーダー,PDA,電子辞書等のうち、その表示部が常時露出する(カバーされていない)タイプのなかで、上記載置面(斜面6c)上に載置できるサイズのものを使用することができる。しかも、上記ハウジング6は、ディスプレイ2(スマートフォン等)の挿入や取り出しや交換等を、容易かつ簡単に行うことができる。
【0042】
また、ディスプレイ2として、上記スマートフォンや携帯情報端末等を使用する場合、これら機器のなかには、その背面(ディスプレイ2の背面)側に、機器独自のICタグリーダー(NFCリーダライタ)や光学式センサ(CCDカメラ)等を備えているものもある。ICタグリーダーの場合、上記立体表示物
Cを一旦、スマートフォンや携帯情報端末等の背面に近づけて識別情報を読み取らせ(読み込ませ)、その後に、上記立体表示物Cを天板(6a)上に載置すればよい。また、光学式センサが機器背面に配置されている場合は、対応する位置の載置面(斜面6c)に撮影用の貫通孔,穴等を設け、この貫通孔等を通してバーコード等を読み取ればよい。あるいは、光学式センサが機器前面に配置されている場合は、天板(6a)の下に、一旦、立体表示物Cを差し込んで識別情報を読み取らせ(読み込ませ)、その後に、上記立体表示物Cを天板(6a)上に載置してもよい。
【0043】
以上の構成によっても、上記ハウジング6の天板6a上に載置された立体表示物Cの保有する、外形形状の情報を含む識別情報が、センサ4により認識され、その情報がディスプレイ2(スマートフォン等)の制御手段に伝達される。そして、上記立体表示物Cに対応した画像Iや映像等が、マイクロミラーアレイ1の上方の空間に、立体表示物Cに連係する印象的な立体的二次元映像(空間像I’)として、効果的に表示される。