特許第5997632号(P5997632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997632
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】電磁流量計の信号増幅回路
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/60 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   G01F1/60
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-54635(P2013-54635)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-181918(P2014-181918A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 修
(72)【発明者】
【氏名】光武 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松永 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽
(72)【発明者】
【氏名】牛山 昌秀
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3018308(JP,B2)
【文献】 特許第5444086(JP,B2)
【文献】 特公昭54−33863(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F1/58
G01F1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内に配置された一対の検出電極で検出されて第1および第2の流量信号入力端子から入力された流量信号を信号増幅回路で差動増幅した後にサンプルホールド回路でサンプリングすることにより、当該配管を流れる流体の流量を測定するとともに、当該信号増幅回路で得られた出力信号に基づいて、当該流量信号の異常を異常検出回路で検出する電磁流量計で用いられる前記信号増幅回路であって、
一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、前記流量信号を差動増幅して得られた増幅出力信号を出力端子から前記サンプルホールド回路へ出力する、FET入力かつ1チップタイプの計装アンプと、
非反転入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた第1の出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力する第1のバッファアンプと、
非反転入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた第2の出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力する第2のバッファアンプと、
前記第1のバッファアンプの出力端子に接続されて、前記第1の流量信号入力端子と当該第1のバッファアンプの非反転入力端子とを結ぶ基板上の第1の配線パターンに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成された第1のガードリングパターンと、
前記第2のバッファアンプの出力端子に接続されて、前記第2の流量信号入力端子と当該第2のバッファアンプの非反転入力端子とを結ぶ基板上の第2の配線パターンに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成された第2のガードリングパターンと
を備えることを特徴とする信号増幅回路。
【請求項2】
請求項1に記載の信号増幅回路において、
前記計装アンプは、一方の入力端子が第1の抵抗素子を介して前記第1の流量信号入力端子と接続されるとともに、他方の入力端子が第2の抵抗素子を介して前記第2の流量信号入力端子と接続され、
前記第1のガードリングパターンは、基板上に実装された前記第1の抵抗素子の下を潜って前記第1の配線パターンの周囲を囲うように形成されており、
前記第2のガードリングパターンは、基板上に実装された前記第2の抵抗素子の下を潜って前記第2の配線パターンの周囲を囲うように形成されている
ことを特徴とする信号増幅回路。
【請求項3】
配管内に配置された一対の検出電極で検出されて第1および第2の流量信号入力端子から入力された流量信号を、信号増幅回路で差動増幅した後にサンプルホールド回路でサンプリングすることにより、当該配管を流れる流体の流量を測定するとともに、当該信号増幅回路で得られた出力信号に基づいて、当該流量信号の異常を異常検出回路で検出する電磁流量計で用いられる前記信号増幅回路であって、
一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、前記流量信号を差動増幅して得られた増幅出力信号を出力端子から前記サンプルホールド回路と前記異常検出回路へ出力する、FET入力かつ1チップタイプの計装アンプと、
前記第1の流量信号入力端子に非反転入力端子が接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力するバッファアンプと、
前記バッファアンプの出力端子に接続されて、前記第1の流量信号入力端子、当該バッファアンプの非反転入力端子、および前記計装アンプの前記一方の入力端子を結ぶ基板上の第1の配線パターンと、前記第2の流量信号入力端子および前記計装アンプの前記他方の入力端子を結ぶ基板上の第2の配線パターンとに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成されたガードリングパターンと
を備えることを特徴とする信号増幅回路。
【請求項4】
請求項3に記載の信号増幅回路において、
前記計装アンプは、前記一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子と直接接続されるとともに、前記他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子と直接接続され、
記ガードリングパターンは、基板上に実装された計装アンプの下を潜って前記第1および前記第2の配線パターンの周囲を囲うように形成されている
ことを特徴とする信号増幅回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁流量計に関し、特に検出器から得られた起電力を増幅する信号増幅回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、導電性を有する流体の流量を測定する電磁流量計では、配管内を流れる流体の流れ方向に対して磁界発生方向が垂直となるよう配置された励磁コイルへ、極性が交互に切り替わる励磁電流を供給し、励磁コイルからの発生磁界と直交して配管内に配置された一対の検出電極間に生じる起電力を検出して信号増幅回路で差動増幅し、得られた流量信号をサンプリングして信号処理することにより、配管内を流れる流体の流量を測定している(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
この際、励磁電流は、できるだけ大きな電流を流した方が大きな流量信号が得られ、測定精度を向上させることができる。しかし、励磁コイルのインダクタンスにより励磁電流の立ち上がりが遅れるため、流量信号の定常域でサンプリングするためには、電流を大きくした分、励磁周波数を低くしなければならない。一方、励磁周波数を低くすると、流体ノイズ(1/f特性ノイズ)が増大し、S/N比が悪化してしまう。このため、一般的な電磁流量計では商用電源周波数の1/8〜1/4程度の励磁周波数が使用されている。
【0004】
また、信号増幅回路では、測定対象が低導電率の流体であっても流量信号の減衰が起きないよう、信号増幅回路の入力インピーダンスをできるだけ高くしておく必要がある。また、配管の検出電極と流体界面との間で電気化学反応が起こって絶縁物が検出電極に付着して、検出電極の接触抵抗が増大しないよう、信号増幅回路から検出電極側に流れ出す直流電流、および検出電極から信号増幅回路に流れ込む直流電流はできるだけ小さくしておく必要がある。
【0005】
図6は、従来の信号増幅回路である。ここでは、変換器50内の信号増幅回路52において、初段のバッファアンプU11,U12により入力インピーダンスを高くしている。また、U11,U12にはできるだけ入力バイアス電流の小さいFET入力タイプのオペアンプを使用し、前述したような「検出器の検出電極と流体界面との間での電気化学反応」による絶縁物の付着を押さえている。
【0006】
また、FET入力のオペアンプは入力インピーダンスが非常に高く、入力バイアス電流も非常に小さいが、その分、周辺回路が発生するノイズ等の影響を受けやすい。また、周辺湿度の影響や異物の付着により基板の絶縁特性が劣化すると入力インピーダンスが低下してしまう。
このため、信号ケーブル接続用のコネクタCN11からU11,U12の非反転入力端子までの配線パターンL11,L12を、U11,U12の出力端子の配線パターン(入力信号と同電位かつ低インピーダンス)によるガードリングGR11,GR12で囲い、周辺回路からの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を受けないようにしている。
【0007】
図7は、従来の電磁流量計の構成を示すブロック図である。検出器60が分離形で変換器50と離れた場所に設置される場合、図7に示すように検出器60と変換器50を2重シールド線61で接続する。この際、内側のシールド線SA,SBには前述した図6のガードリングと同じ電圧を印加することにより、線間容量による流量信号の減衰を防止できる。
【0008】
また、図6のU11,U12の出力は、図7の異常検出回路54にも接続されており、配管Pex内の流体が空になり検出器60の検出電極TA,TBが非接液状態になった場合や、検出器60の信号線が断線した場合など、U11,U12の出力レベルが正常範囲から外れた場合を検出し、入力信号の異常を制御回路56に通知する。これに応じて、制御回路56が、デジタル出力回路57からアラーム出力をオンするとともに、アナログ出力回路58の出力レベルを異常検出時のレベルとする異常処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平08−021756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような従来技術では、バッファアンプU11,U12の入力オフセット電圧は、高精度タイプでも1℃あたり数μV程度の温度特性(オフセット電圧温度ドリフト)があり、このDC成分がU11,U12から出力される。この温度特性には個体差があり、そのまま後段の差動増幅回路に入力すると、U11,U12の温度特性の差はキャンセルされずに増幅され、流量計測値が温度によりドリフトを起こしてしまう。通常、流量信号レベルは、一般的に流速1m/sあたり200μVp−p程度なので無視できない。
【0011】
このため、従来技術では、カップリングコンデンサC11,C12を差動増幅回路の入力側に入れてU11,U12出力のDC成分をカットしている。しかしながら、カップリングコンデンサC11,C12に起因して、差動増幅器におけるコモンモード電圧除去能力(以下、CMRRという:Common-Mode Rejection Ratio)の悪化や入力異常復帰遅れが発生するという問題点があった。
【0012】
[CMRRの悪化]
まず、差動増幅回路におけるCMRRの悪化について説明する。
差動増幅回路は、流量信号に重畳されているコモンモードノイズ成分を除去しつつ流量信号を増幅するのが目的である。しかし、図6において、U13に単体でCMRRが高いオペアンプを使用したとしても、差動増幅回路としてのCMRRは、差動増幅回路の反転入力−U13の反転入力端子間に接続されている抵抗素子R11と差動増幅回路の非反転入力−U13の非反転入力端子間に接続されている抵抗素子R12とのマッチング、U13の反転入力端子−出力端子間に接続されている抵抗素子R13とU13の非反転入力端子−接地電位間に接続されている抵抗素子R14とのマッチング、さらにカップリングコンデンサC11とC12とのマッチングにも大きく影響されてしまう。
【0013】
また、図6の回路構成では、C11とR11,R13の合成抵抗、およびC12とR12,R14の合成抵抗で、それぞれハイパスフィルタが形成される。これにより、これらの時定数を励磁周波数(=信号周波数)に対して十分に大きくし、信号周波数成分が損失しないようにしてやらないと、信号波形の振幅が減衰してしまう。このため、C11,C12には数十μF以上の大きな容量が必要となる。
【0014】
図8は、従来の差動増幅回路の入出力を示す信号波形図である。
例えば、図6の回路で励磁周波数=12.5Hz、R11=R12=10kΩ、R13=R14=100kΩ(差動増幅ゲイン:10倍)のとき、C11=C12=100uFであれば、図8(1)に示すように、ほとんど波形がなまらずに流量信号を増幅できる。
一方、C11=C12=10uFでは、図8(2)のように、U13の出力電圧波形V11がなまってしまう。このような、なまった波形でサンプリングしたとすると、C11,C12のわずかな温度特性の違いが流量計測値に大きく影響してしまうことになる。
【0015】
このため、カップリングコンデンサC11,C12には、比較的温度特性が良いタンタル電解コンデンサが使用される。この際、容量精度の良い積層セラミックコンデンサ(温度補償タイプ)も考えられるが、0.1uF程度までしか製造されていないので使用できない。
しかし、タンタル電解コンデンサの容量精度はせいぜい±10%程度でありC11,C12のミスマッチングは避けられない。特に、低周波側ではC11,C12のインピーダンスが大きくなり、ミスマッチング・インピーダンス分も大きくなって、差動増幅回路のCMRRが悪化する。このため、低周波域のコモンモードノイズ成分があるとこれを十分に除去できず、流量計測値がふらついてしまう。また、このふらつきは、S/Wによる平均化処理を行えば安定性を向上できるが、その分、応答性は悪化する。
【0016】
なお、R11,R13の合成抵抗、およびR12,R14の合成抵抗を大きくすれば、相対的にC11,C12のインピーダンスが小さくなるのでC11,C12のミスマッチングによるCMRRの悪化を改善できるが、これらの値を大きくすると、抵抗による熱雑音が増加して出力信号のS/N比が悪化してしまう。このため、これらの合成抵抗は数kΩ程度以下にしておく必要がある。
また、信号レベルが十分に大きくて熱雑音によるS/N比の悪化が問題にならない場合でも、合成抵抗を大きくする際にはR11とR12のマッチングおよびR13とR14のマッチングを維持する必要があり、高抵抗かつ高精度の抵抗は製造されていないため、低抵抗かつ高精度の抵抗を複数個直列に接続して高抵抗かつ高精度にしなければならず、コストUPとなってしまう。
【0017】
[入力異常復帰遅れ]
次に、入力異常復帰遅れについて説明する。
配管内の流体が空になり検出器の検出電極が非接液状態になった場合や、検出器の信号線が断線した場合、許容入力電圧範囲を超えるノイズが入力信号に重畳された場合などは流量測定不能となるので、前述の入力信号異常処理が行われるが、その後入力信号が正常復帰したら、できるだけ早く流量測定を再開させなければならない。
【0018】
このとき、図6の回路において、U13による差動増幅回路のゲインが大きいと、カップリングコンデンサC11,C12にチャージされた電圧の影響でU13の出力飽和状態からの復帰に時間がかかってしまうため、U13のゲインをあまり大きくすることはできない。このため、後段にU14による増幅回路を入れて複数段に分割し、後段のサンプル&ホールドおよびA/D変換が可能なレベルまで増幅している。
【0019】
例えば、配管内が空になり、その後満水状態に復帰した場合、図7のように、検出器の検出電極が完全に水平となるよう設置されていれば、検出電極TAと検出電極TBが同時に接液するが、傾いて設置されていた場合は検出電極TBが先に接液し、その後検出電極TAが接液するなど、接液のタイミングにズレが発生する。
【0020】
図9は、図6の信号増増幅回路の動作を示す信号波形図であり、(a)はゲイン50倍のとき、(b)はゲイン10倍のときを示している。なお、電源電圧は±5Vであり、U11〜U13はレールtoレール入出力タイプとする。
【0021】
図9(a),(b)に共通して、時刻T0よりも前の期間では、検出電極TAは非接液状態(ハイ・インピーダンス)であり、U11の入力バイアス電流によりA端子はマイナス側電源電圧レベルまで低下するため、U11の出力はマイナス側の飽和状態(−5V)となり、C11の両端電圧VC11は−5Vがチャージされている。
また、時刻T0のタイミングで、検出電極TAが非接液の状態から接液状態に復帰すると、検出電極TAから正常な信号がU11に入力され、U11の出力電圧は−5Vから ±100μV(信号振幅の半分)に正常復帰する。この際、C11のチャージ電圧VC11により差動増幅回路の入力電圧V10は約−5Vで、出力電圧V11はマイナス側で飽和状態(−5V)となっている。
【0022】
その後、C11にチャージされた電圧がR11,R13の直列抵抗を通して放電されるが、図9(a)のゲイン50倍の場合は、R13の抵抗値が大きい分C11の放電に時間がかかり、さらにゲインも高いため、出力が飽和状態から復帰して正常な測定が可能な状態になるまで約40秒かかってしまう。
一方、図9(b)のゲイン10倍の場合は、R13の抵抗値が小さいのでC11の放電が早く、ゲインも低いため、出力が飽和状態から復帰して正常な測定が可能な状態になるまで約10秒となっている。
【0023】
したがって、U13の差動増幅ゲインを大きくすると、正常な測定が可能になるまでの時間が長くなってしまうので、増幅回路を複数段に分割する必要があり、それぞれのアンプの出力に、例えば図6のカップリングコンデンサC13,C14を入れて、オフセット電圧によるDC成分をカットする必要があった。
以上の通り、信号増増幅回路において、入力信号が異常値から正常復帰しても、これらC11,C12により、出力信号の正常復帰が遅れて、流量測定の再開が遅れることになる。
【0024】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、カップリングコンデンサに起因する、差動増幅回路におけるCMRRの悪化や入力異常復帰遅れを回避できる、電磁流量計の信号増幅回路技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0025】
このような目的を達成するために、本発明にかかる信号増幅回路は、配管内に配置された一対の検出電極で検出されて第1および第2の流量信号入力端子から入力された流量信号を信号増幅回路で差動増幅した後にサンプルホールド回路でサンプリングすることにより、当該配管を流れる流体の流量を測定するとともに、当該信号増幅回路で得られた出力信号に基づいて、当該流量信号の異常を異常検出回路で検出する電磁流量計で用いられる前記信号増幅回路であって、一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、前記流量信号を差動増幅して得られた増幅出力信号を出力端子から前記サンプルホールド回路へ出力する、FET入力かつ1チップタイプの計装アンプと、非反転入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた第1の出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力する第1のバッファアンプと、非反転入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた第2の出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力する第2のバッファアンプと、前記第1のバッファアンプの出力端子に接続されて、前記第1の流量信号入力端子と当該第1のバッファアンプの非反転入力端子とを結ぶ基板上の第1の配線パターンに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成された第1のガードリングパターンと、前記第2のバッファアンプの出力端子に接続されて、前記第2の流量信号入力端子と当該第2のバッファアンプの非反転入力端子とを結ぶ基板上の第2の配線パターンに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成された第2のガードリングパターンとを備えている。
【0026】
また、本発明にかかる上記信号増幅回路の一構成例は、前記計装アンプが、一方の入力端子が第1の抵抗素子を介して前記第1の流量信号入力端子と接続されるとともに、他方の入力端子が第2の抵抗素子を介して前記第2の流量信号入力端子と接続され、前記第1のガードリングパターンは、基板上に実装された前記第1の抵抗素子の下を潜って前記第1の配線パターンの周囲を囲うように形成されており、前記第2のガードリングパターンは、基板上に実装された前記第2の抵抗素子の下を潜って前記第2の配線パターンの周囲を囲うように形成されているものである。
【0027】
また、本発明にかかる他の信号増幅回路は、配管内に配置された一対の検出電極で検出されて第1および第2の流量信号入力端子から入力された流量信号を、信号増幅回路で差動増幅した後にサンプルホールド回路でサンプリングすることにより、当該配管を流れる流体の流量を測定するとともに、当該信号増幅回路で得られた出力信号に基づいて、当該流量信号の異常を異常検出回路で検出する電磁流量計で用いられる前記信号増幅回路であって、一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子に接続され、他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子に接続され、前記流量信号を差動増幅して得られた増幅出力信号を出力端子から前記サンプルホールド回路と前記異常検出回路へ出力する、FET入力かつ1チップタイプの計装アンプと、前記第1の流量信号入力端子に非反転入力端子が接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた出力信号を当該出力端子から前記異常検出回路へ出力するバッファアンプと、前記バッファアンプの出力端子に接続されて、前記第1の流量信号入力端子、当該バッファアンプの非反転入力端子、および前記計装アンプの前記一方の入力端子を結ぶ基板上の第1の配線パターンと、前記第2の流量信号入力端子および前記計装アンプの前記他方の入力端子を結ぶ基板上の第2の配線パターンとに対して、その周囲を囲うように当該基板上に形成されたガードリングパターンとを備えている。
【0028】
また、本発明にかかる上記他の信号増幅回路の一構成例は、前記計装アンプが、前記一方の入力端子が前記第1の流量信号入力端子と直接接続されるとともに、前記他方の入力端子が前記第2の流量信号入力端子と直接接続され、前記ガードリングパターンは、基板上に実装された計装アンプの下を潜って前記第1および前記第2の配線パターンの周囲を囲うように形成されているものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、バッファアンプからの出力信号を流量測定に用いることなく、計装アンプにより流量信号を差動増幅して後段のサンプルホールド回路へ出力することができる。このため、バッファアンプと計装アンプとの役割を分離した上記回路構成により、バッファアンプのオフセット電圧ドリフトによる流量測定への影響を回避でき、このオフセット電圧ドリフトを抑制するためのカップリングコンデンサを省くことができる。
【0030】
したがって、従来のように、差動増幅回路の入力段にカップリングコンデンサを設ける必要がなくなり、これらカップリングコンデンサのマッチングミスに起因するCMRRの悪化を回避することができ、極めて良好なCMRRを実現することができる。また、差動増幅回路の入力段にカップリングコンデンサを設ける必要がないため、入力信号が異常値から正常復帰したとき、これらカップリングコンデンサにより、計装アンプの増幅出力信号の正常復帰が遅れることはなく、入力信号の正常復帰に応じて直ちに計装アンプの増幅出力信号も飽和状態から復帰させることができる。これにより、入力信号の正常復帰後、流量測定を極めて早期に再開することができ、電磁流量計の応答性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施の形態にかかる電磁流量計の構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態にかかる信号増幅回路を示す回路図である。
図3】抵抗素子を利用したガードリングパターンの形成例である。
図4】第2の実施の形態にかかる信号増幅回路を示す回路図である。
図5】計装アンプを利用したガードリングパターンの形成例である。
図6】従来の信号増幅回路である。
図7】従来の電磁流量計の構成を示すブロック図である。
図8】従来の差動増幅回路の入出力を示す信号波形図である。
図9図6の信号増増幅回路の動作を示す信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電磁流量計1の信号増幅回路12について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる電磁流量計の構成を示すブロック図である。図2は、第1の実施の形態にかかる信号増幅回路を示す回路図である。
【0033】
この電磁流量計1は、変換器10と検出器20とからなり、導電性を有する流体の流量を測定する機能を有している。
検出器20には、流量測定の対象となる流体が流れる配管Pexと、Pex内の流体を励磁するための励磁コイルLexとが設けられている。
変換器10には、主な回路部として、励磁回路11、信号増幅回路12、異常検出回路14、サンプルホールド回路13、A/D変換回路15、制御回路(CPU)16、アナログ出力回路17、デジタル出力回路18、および電源回路19が設けられている。これら回路部は、基板上に実装された電子部品と基板上に形成された配線パターンとから構成されている。
【0034】
測定時には、まず、検出器20の配管Pex内を流れる流体の流れ方向に対して磁界発生方向が垂直となるよう配置された励磁コイルLexへ、極性が交互に切り替わる励磁電流を励磁回路11から供給する。これにより、励磁コイルLexからの発生磁界と直交して配管Pex内に配置された一対の検出電極TA,TB間に起電力が生じ、この起電力は、2重シールド線21を介して変換器10の信号ケーブル接続用のコネクタCN1に入力される。
【0035】
検出器20と変換器10とを接続する2重シールド線21内には、一対のシールド線SA,SBが収容されており、これらSA,SB内の信号線A,Bを介して、流量信号がCN1のT1流量信号入力端子(第1の流量信号入力端子)、および、流量信号入力端子(第2の流量信号入力端子)T2に入力される。また、2重シールド線21のシールドCは、配管Pex内に配置された接地電極TCに接続されているとともに、CN1を介して信号増幅回路12の接地電位にも接続されている。
【0036】
信号増幅回路12は、CN1のT1,T2から入力された流量信号を差動増幅して出力する。
この後、サンプルホールド回路13は、信号増幅回路12からの増幅出力信号をサンプリングし、A/D変換回路15は、このサンプリング結果をA/D変換する。
【0037】
制御回路16は、A/D変換回路15で得られたA/D変換値を演算処理することにより、当該配管を流れる流体の流量計測値を計算し、アナログ出力回路17またはデジタル出力回路18から上位装置へ測定結果として通知する。
電源回路19は、上位装置や外部電源から供給された電源から各種動作電源を生成して供給する。
【0038】
図2に示すように、信号増幅回路12には、主な回路部として、バッファアンプU1,U2および計装アンプU3が設けられている。
バッファアンプ(第1のバッファアンプ)U1は、FET入力タイプのオペアンプからなり、非反転入力端子がT1に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた出力信号(第1の出力信号)V1を当該出力端子から異常検出回路14へ出力する機能を有している。
バッファアンプ(第2のバッファアンプ)U2は、FET入力タイプのオペアンプからなり、非反転入力端子がT2に接続され、反転入力端子が自己の出力端子に接続され、得られた出力信号(第2の出力信号)V2を当該出力端子から異常検出回路14へ出力する機能を有している。
【0039】
計装アンプU3は、工業用・測定用として広く用いられるインスツルメンテーションアンプなどの差動増幅器からなり、反転入力端子(−)が抵抗素子(第1の抵抗素子)R1を介してT1に接続され、非反転入力端子(+)が抵抗素子(第2の抵抗素子)R2を介してT2に接続され、反転入力端子および非反転入力端子から入力された流量信号を差動増幅し、得られた増幅出力信号V3を、リファレンス端子(Ref)の電位を基準電位として、シングル・エンドで出力端子(Out)から出力する機能を有している。
【0040】
また、U3は、U1,U2と同様に反転入力端子および非反転入力端子が、FET入力のタイプであり、入力インピーダンスが非常に高く、入力バイアス電流が非常に小さい。このため、U3の入力端子が(R1,R2を介して)T1,T2に接続されていても、前述したような低導電率流体測定時の流量信号の減衰が起きることはなく、また電気化学反応による検出電極への絶縁物の付着も抑えられている。
また、U3は、1チップタイプの計装アンプであり、製造工程で内部オペアンプおよび内部抵抗のマッチングが取られており、複数個のオペアンプと外付け抵抗とで計装アンプを構成した場合よりも、はるかに高いCMRR特性を容易に得ることができる。
【0041】
U3の出力端子は、カップリングコンデンサC1の一端に接続されており、C1の他端は、抵抗素子R4を介して接地電位に接続されているとともに、サンプルホールド回路13に接続されている。なお、U3のRG端子間に接続されている抵抗素子R3は、U3における増幅率(ゲイン)を設定するための抵抗素子である。
【0042】
ガードリングパターン(第1のガードリングパターン)GR1は、U1の出力端子に接続されて、T1とU1の非反転入力端子とを結ぶ基板上の配線パターン(第1の配線パターン)L1に対して、その周囲を囲うように基板上に形成されている。
ガードリングパターン(第2のガードリングパターン)GR2は、U2の出力端子に接続されて、T2とU2の非反転入力端子とを結ぶ基板上の配線パターン(第2の配線パターン)L2に対して、その周囲を囲うように基板上に形成されている。
【0043】
ガードリングパターンは、高いインピーダンスの配線パターンの周囲を囲うように形成された、当該配線パターンと同電位であってかつ低いインピーダンスを持つ配線パターンである。このガードリングパターンにより、高インピーダンスの配線パターンの近くに形成されている他の配線パターンからの漏れ電流やノイズの影響、さらには基板の絶縁特性劣化の影響を抑制することができる。
図2において、L1,L2は、ともに高インピーダンスの配線パターンである。このため、L1,L2の周囲にGR1,GR2を形成し、L1,L2と同電位で低インピーダンスを持つU1,U2の出力端子にGR1,GR2を接続することにより、L1,L2をガードして他の配線パターンからの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を抑制している。
【0044】
図3は、抵抗素子を利用したガードリングパターンの形成例であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
L1,L2をGR1,GR2でガードする際、L1,L2からU3へ接続される配線パターンをGR1,GR2が横切る必要がある。この配線パターンには、図2に示すように、U3の入力端子にR1,R2が直列接続されている。したがって、基板PC上に実装されたR1,R2の下を潜るようにして、Rの下方の基板PC上にGR1,GR2を形成すればよい。
【0045】
これにより、U3として表面実装タイプを用いた場合、U3のピン間にGR1,GR2を通すことは、ピン間隔が狭くて困難であるが、R1,R2の下を通すことで、L1,L2の周囲にGR1,GR2を容易に形成することができる。
このとき、R1,R2をU3の入力端子の直近に配置することにより、L1、L2と同様に高インピーダンスであるU3の入力端子に対しても、他の配線パターンからの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を最小限に抑えることができる。
【0046】
また、R1,R2は入力保護用の抵抗素子であり、U3内部の入力保護用ダイオードと組み合わせることにより、過大な入力電圧によるU3の故障が防止できる。このとき、R1とR2の抵抗値のマッチングはU3のCMRRにはほとんど影響しない。ただし、R1とR2の抵抗値をあまり大きくすると、R1,R2が発生する熱雑音によりU3の出力電圧のS/N比が悪化するので、R1,R2は数kΩ程度以下にしておくのが望ましい。
なお、U3に過大入力電圧が印加される心配がない場合は、R1,R2を用いず、T1,T2をU3の反転入力端子と非反転入力端子に直接接続する場合には、R1,R2に代えてゼロΩのジャンパ抵抗を用いればよい。また、高周波ノイズ対策を兼ねて、R1,R2に代えてチョークコイルを用いてもよい。
【0047】
また、2重シールド線21内のSA,SBのシールドは、それぞれCN1を介してGR1,GR2に接続されている。これにより、基板上のL1,L2だけでなく、SA,SB内の信号線A,Bも、ガードリングパターンと同様の機能を発揮するそれぞれのシールドでガードすることができ、線間容量による流量信号の減衰や外部ノイズの影響を抑制することができる。
【0048】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2を参照して、本実施の形態にかかる信号増幅回路12の動作について説明する。
CN1のT1,T2間に入力された流量信号は、R1,R2を介してU3の非反転入力端子および反転入力端子に入力されて差動増幅され、C1を介してサンプルホールド回路13へ出力される。
また、CN1のT1,T2間に入力された流量信号は、U1およびU2でバッファリングされて、その出力信号V1,V2が異常検出回路14へ出力される。
【0049】
これにより、U1,U2からのV1,V2を流量測定に用いることなく、U3により流量信号を差動増幅して後段のサンプルホールド回路13へ出力することができる。
このため、U1,U2とU3との役割を分離した上記回路構成により、U1,U2のオフセット電圧ドリフトによる流量測定への影響を回避でき、このオフセット電圧ドリフトを抑制するためのカップリングコンデンサを省くことができる。
【0050】
したがって、従来のように、差動増幅回路の入力段にカップリングコンデンサを設ける必要がなくなり、これらカップリングコンデンサのマッチングミスに起因するCMRRの悪化を回避することができ、極めて良好なCMRRを実現することができる。特に、U3として用いる1チップタイプの計装アンプは、製造工程で内部オペアンプおよび内部抵抗のマッチングが取られており、複数個のオペアンプと外付け抵抗とで計装アンプを構成した場合よりも、はるかに高いCMRR特性を容易に得ることができる。また、入力保護用抵抗R1,R2のミスマッチングもほとんどCMRRには影響しない。さらにR1,R2を数kΩ程度以下にしておくことで、R1,R2の熱雑音がU3の出力信号のS/N比を悪化させることもない。
【0051】
また、差動増幅回路の入力段にカップリングコンデンサを設ける必要がないため、入力信号が異常値から正常復帰しても、これらカップリングコンデンサにより、U3の増幅出力信号の正常復帰が遅れることはなく、入力信号の正常復帰に応じて直ちにU3の増幅出力信号も飽和状態から復帰させることができる。これにより、入力信号の正常復帰後、流量測定を極めて早期に再開することができ、電磁流量計1の応答性能を改善することができる。さらに、入力信号の正常復帰に応じて直ちにU3の増幅出力信号も飽和状態から復帰できることから、U3のゲインを高くすることができ、後段の増幅回路(図6のU14)を省くこともできる。
【0052】
また、U3は、反転入力端子および非反転入力端子がFET入力タイプであり、入力インピーダンスが非常に高いので、入力信号を減衰させてしまうことはない。さらに、バイアス電流が非常に小さいため、検出電極TA,TBと流体界面との間での電気化学反応による絶縁物の生成も抑えられる。
この際、L1,L2が高インピーダンスとなるが、GR1,GR2によりガードされるため、他の配線パターンからの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を抑えることができる。また、R1,R2をU3の入力端子の直近に配置することにより、L1、L2と同様に高インピーダンスであるU3の入力端子に対しても、他の配線パターンからの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を最小限に抑えることができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる電磁流量計1の信号増幅回路12について説明する。図4は、第2の実施の形態にかかる信号増幅回路を示す回路図である。
第1の実施の形態では、U1,U2からなる2つのバッファアンプを用いて、流量信号を異常検出回路14へ出力する場合を例として説明した。本実施の形態では、U2に代えてU3の増幅出力信号を異常検出回路14へ出力する場合について説明する。
【0054】
本実施の形態では、図4に示すように、U2が省かれており、CN1のT2がU3の非反転入力端子に接続されている。ここでは、入力保護用抵抗R1,R2が省かれているが、図2に示すように、R1,R2を挿入してもよい。
また、U3の増幅出力信号V3が、異常検出回路14へ出力されている。なお、V3は、U2の出力信号V2(U1の出力信号V1)に比較して振幅が大きいため、異常検出回路14側で抵抗分割などにより振幅を調整すればよい。あるいは、U1の出力信号V1とU3の増幅出力信号V3をA/D変換した後、制御回路16で異常を判断してもよい。
【0055】
また、T1と、U1の非反転入力端子と、U3の反転入力端子とを結ぶ配線パターンL3、および、T2とU3の反転入力端子とを結ぶ配線パターンL4を、共通のガードリングGRでガードされている。この際、入力信号レベルのT1,T2間の電位差は、最大でも数ミリボルトであるため、L3,L4をGRで共通にガードしても、ほとんど問題はない。
【0056】
図5は、計装アンプを利用したガードリングパターンの形成例であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
L3,L4をGRで共通ガードする際、U3のピン間を通す必要があるが、U3として表面実装タイプを用いる場合、ピン間隔が狭くてGRを通すことができない。したがって、基板PC上に実装されたU3の下を潜るようにして、U3の下方の基板PC上にGRを形成すればよい。特に、計装アンプの多くは、入力側と出力側の端子が、左右のピン列に分離してピンアサインされており、これを利用して、入力側のピン列をGRで囲めばよい。これにより、全ての高インピーダンス配線パターンL3,L4の周囲にGRを形成することができるので、U3の入力端子も含めて、他の配線パターンからの影響および基板の絶縁特性劣化の影響を抑えることができる。
【0057】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…電磁流量計、10…変換器、11…励磁回路、12…信号増幅回路、13…異常検出回路、14…サンプルホールド回路、15…A/D変換回路、16…制御回路、17…アナログ出力回路、18…デジタル出力回路、19…電源回路、20…検出器、21…2重シールド線、U1…バッファアンプ(第1のバッファアンプ)、U2…バッファアンプ(第2のバッファアンプ)、U3…計装アンプ、R1…抵抗素子(第1の抵抗素子)、R2…抵抗素子(第2の抵抗素子)、CN1…コネクタ、GR1…ガードリングパターン(第1のガードリングパターン)、GR2…ガードリングパターン(第2のガードリングパターン)、GR…ガードリングパターン、SA,SB…シールド線、A,B…信号線、C…シールド、L1…配線パターン(第1の配線パターン)、L2…配線パターン(第2の配線パターン)、Pex…配管、Lex…励磁コイル、TA,TB…検出電極、TC…接地電極、T1…流量信号入力端子(第1の流量信号入力端子)、T2…流量信号入力端子(第2の流量信号入力端子)。
図1
図2
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