特許第5997637号(P5997637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997637
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   F24F11/02 104A
   F24F11/02 105
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-57514(P2013-57514)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-181867(P2014-181867A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】515294031
【氏名又は名称】ジョンソンコントロールズ ヒタチ エア コンディショニング テクノロジー(ホンコン)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 文
(72)【発明者】
【氏名】山梨 良幸
(72)【発明者】
【氏名】工藤 恵那
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−232040(JP,A)
【文献】 特開平03−125841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機と、該室外機に接続された複数の室内機と、各室内機に接続されたリモコンと、前記室外機と前記複数の室内機に接続され、前記複数の室内機の制御指令を行う集中コントローラを有する空気調和装置において、
前記複数の室内機は、運転モード操作権の優先順位が設定可能であり、優先順位が最上位である第1室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他の室内機は運転し、
前記第1室内機が運転している場合に、前記第1室内機以外で優先順位が最上位である運転中の第2室内機を前記第1室内機の運転モードと、異なる運転モードで運転した場合に前記第2室内機およびその他の室内機は、前記第1室内機と同一または類似となるように運転し、
前記第1室内機が停止している場合に、前記第2室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他の室内機は運転し、
運転する前記室内機のうち優先順位が最上位でない非優先の室内機は、運転する前記室内機のうち優先順位が最上位である室内機の運転モードと異なりかつ非類似の運転モードを自身の運転モードとする旨の指示を前記リモコンから受けたときには、前記非優先の室内機の運転モードを送風モードに設定することを特徴とする
空気調和装置。
【請求項2】
室外機と、該室外機に接続された複数の室内機と、各室内機に接続されたリモコンと、前記室外機と前記複数の室内機に接続され、前記複数の室内機の制御指令を行う集中コントローラを有する空気調和装置において、
前記複数の室内機は、運転モード操作権の優先順位が設定可能であり、優先順位が最上位である第1室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他の室内機は運転し、
前記第1室内機が運転している場合に、前記第1室内機以外で優先順位が最上位である運転中の第2室内機を前記第1室内機の運転モードと、異なる運転モードで運転した場合に前記第2室内機およびその他の室内機は、前記第1室内機と同一または類似となるように運転し、
前記第1室内機が停止している場合に、前記第2室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他の室内機は運転し、
運転する前記室内機のうち優先順位が最上位でない非優先の室内機の運転モードと異なりかつ非類似の運転モードが、運転する前記室内機のうち優先順位が最上位である室内機に設定されたときには、前記非優先の室内機の運転モードを送風モードに設定することを特徴とする
空気調和装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の空気調和装置において、運転中の最上位の室内機より優先順位上位の室内機に接続されたリモコンは、全運転モードを選択可能とし、概運転中の最上位の室内機に接続されたリモコンは、優先権があること表示し、全運転モードを選択可能とし、概運転中の最上位の室内機より優先順位下位の室内機に接続されたリモコンは、優先権がないこと表示し、概運転中の最上位の室内機の運転モードと同一または類似となる運転モードのみ選択可能とすることを特徴とする空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開平3−213946号公報(特許文献1)がある。この公報には、「〜特定のリモコンでモード変更を行うことができるので、操作性の向上を図ることができる。また、特定のリモコンのみでモード変更ができ、且つ、特定のリモコンを変更することができるので、運転モードが確実に特定される〜」と記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−213946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室外機に複数の室内機が接続され、各室内機にリモコンが接続された空気調和装置において、リモコンから自由に運転モードの設定が可能とすると、運転モードを設定した後に他のリモコンから異なるモードに切り替えてしまうと運転モードが不定となる。これに対し、特定の室内機につながるリモコンのみ設定を可能とする運転制御方法があるが、他室内機にリモコンからの操作がしたい場合は、特定のリモコンを変更しなければいけない。
【0005】
本発明は、リモコンに優先順位を与え、優先順位が最上位の室内機が停止している場合において、その他の室内機において異なる運転モードの設定を可能とすることにより、ユーザーの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば
室外機と、室外機に接続された複数の室内機と、各室内機に接続されたリモコンと、前記室外機と前記複数の室内機に接続され、前記複数の室内機の制御指令を行う集中コントローラを有する空気調和装置において、
前記複数の室内機は、運転モード操作権の優先順位が設定可能であり、優先順位が最上位である第1室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他室内機は運転し、
前記第1室内機が運転している場合に、前記第1室内機以外で優先順位が最上位である運転中の第2室内機を前記第1室内機の運転モードと、異なる運転モードで運転した場合に前記第2室内機およびその他の室内機は、前記第1室内機と同一または類似となるように運転し、
前記第1室内機が停止している場合に、前記第2室内機の運転モードと、同一または類似となるように、その他室内機は運転し、
運転する前記室内機のうち優先順位が最上位でない非優先の室内機は、運転する前記室内機のうち優先順位が最上位である室内機の運転モードと異なりかつ非類似の運転モードを自身の運転モードとする旨の指示を前記リモコンから受けたときには、前記非優先の室内機の運転モードを送風モードに設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転モードの変更を優先順位が最上位の室内機が停止している場合において、その他の室内機にて異なる運転モードの設定を可能とすることにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】空気調和装置の構成図の例である。
図2】空気調和装置が持つ機能図の例である。
図3】室内アドレスの例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、図面を用いて本発明による空気調和装置の運転制御方法の例を説明する。
図1は、本実施例の空気調和装置の構成図の例である。
室外機1と、室外機1に接続された複数の室内機21、22、23,24と、各室内機に接続されたリモコン31、32、33、34と、室外機1と各室内機に接続され、複数の室内機の制御指令を行う集中コントローラ4を備えている。室外機1と室内機21、22、23,24は通信線5により、相互に通信できるようになっている。集中コントローラ4と室内機21、22、23、24は通信線5により、相互に通信する。室外機1と集中コントローラ4は通信線5により、相互に通信する。各室内機には専用の通信アドレスが割り当てられている。各室内機は各リモコンと通信線6で、相互に通信する。
【0011】
室外機1、集中コントローラ4と各リモコンの情報は室内機を経由して情報のやりとりが可能である。室外機1は室外機制御部1aを持ち、室外機制御部1aにより、室外機1の制御、各室内機や集中コントローラ4との通信を実施する。各室内機は室内制御部を持ち、各室内制御部が各室内機の制御と、室外機1や集中コントローラ、リモコンとの通信を行う。例えば、室内機21は室内制御部21aを持ち、室内制御機21aにより室内機21の制御を行い、室外機1や集中コントローラ4との通信を行う。各室内制御部は各リモコン、集中コントローラ、室外機1から送られてくる情報により、室内機を運転する。各室内機の運転モードには、冷房モード、暖房モード、送風モード、除湿モード、冷暖自動モードがある。各リモコンと集中コントローラ4は運転モードが設定可能である。
【0012】
図2は室外制御部、室内制御部、リモコン、集中コントローラの機能図の例である。
【0013】
室外制御部1bは、室外運転モード判定部100、室外優先順位設定部101、室外機運転部102、室外室内通信部110をもつ。室外運転モード判定部100は、室外機が従う室内機運転モードを判定する。室外優先順位設定部101は、各室内機の運転モード優先順位を設定する。室外機運転部102は、室外機の運転制御を行う。室外室内通信部110は、室内機制御部2aと通信を行う。
【0014】
室内制御部2aは、室内運転モード判定部200、優先順位記憶部201、室内機運転部202、室内室外通信部210、室内リモコン通信部211、集中通信部212を持つ。
室内運転モード判定部200は、室内機の運転モードを判定する。優先順位記憶部201は、運転モード優先順位を記憶する。室内機運転部202は、室内機の運転制御を行う。室内室外通信部210は、室外制御部1bと通信を行う。室内リモコン通信部211は、リモコン3と通信を行う。集中通信部212は、集中コントローラ4と通信を行う。
【0015】
リモコン3は、限定する操作範囲限定部300、リモコン表示部301、リモコン操作部302、リモコン室内通信部311を持つ。操作範囲限定部300は、リモコンの操作を限定する。リモコン表示部301は、空気調和システムの情報を表示する。リモコン操作部302は、リモコンの操作を行う。リモコン室内通信部311は、室内制御部2aと通信を行う。
【0016】
集中コントローラ4は、集中優先順位設定部401、集中表示部402、室内通信部412を持つ。集中優先順位設定部401は、各室内機の運転モード優先順位を設定する。集中表示部402は、空気調和システムの情報を表示する。室内通信部412は、室内制御部2aと通信を行う。各室内機制御部は2aと同じ機能を持ち、各リモコンはリモコン3と同じ機能を持つ。
【0017】
図3は、各室内機の通信アドレスの例である。室内機21、22、23、24はアドレスが00、01、02、03となっている。
第一に運転モード選択の優先順位を設定する方法の例を説明する。
優先順位記憶部201は、室内制御部2aに運転モード操作権の優先順位が設定されていない場合は0を、設定されている場合は室内制御部2aの優先順位を記憶する。室外通信部200は、優先順位記憶部201に記憶した優先順位を室外機の室外室内通信部110に送信する。室内集中通信部212は、優先順位記憶部201に記憶した優先順位を集中コントローラ4の集中室内通信部412に送信する。室内リモコン通信部211は優先順位記憶部201に記憶した優先順位を、各リモコンのリモコン室内通信部に送信する。
【0018】
集中コントローラ4の集中優先順位設定部401は優先順位を任意に設定可能である。集中室内通信部412は、集中優先順位設定部401で設定した優先順位を、各室内機に送信する。優先順位記憶部201は室内集中通信部212にて受信した優先順位を記憶する。室内室外通信部210は、優先順位を室外制御部1bに送信する。室内リモコン通信部211は、優先順位を接続されたリモコンに送信する。
【0019】
室外制御部1bの室外優先順位設定部101は、アドレスが小さい室内機が上位となるように優先順位を設定する。室外室内通信部110は各室内機に各優先順位を送信する。優先順位記憶部201は、室外機から受け取った優先順位を記憶する。室内リモコン通信部211は、優先順位をリモコンに送信する。図3に示す室内機アドレスであれば、室内機21が優先順位1位、室内機22が優先順位2位、室内機23が優先順位3位、室内機24が優先順位4位と設定される。ただし、集中コントローラ4が接続しているとき、室外優先順位設定部101は、優先順位が全ての室内機で設定済みの場合は、優先順位の設定を行わない。
【0020】
前記設定方法以外に、リモコン3に優先順位記憶部を持つ場合、室外制御部1bに記憶部をもつ場合が考えられる。しかし、室内制御部1aを介して室外制御部1b、リモコン3、集中コントローラ4が情報をやり取りするため、仲介する室内制御部1aが優先順位記憶部をもつほうが効率的である。その他に、室内制御部1aやリモコンにて室内機のアドレス順を判定し優先順位を設定行う場合も考えられる。しかし、他の室内機のアドレスは室外制御部1bを通じて取得する必要があるため、室外制御部で判定し、設定するほうが効率的である。
【0021】
次に、本発明による運転制御方法を、例を図1図2図3を用いて説明する。
室内機21が優先順位1位、室内機22が優先順位1位、室内機22が優先順位2位、室内機23が優先順位3位、室内機24が優先順位4位と設定する。各室内機の室内室外通信部210は、運転・停止状態、運転モード、優先順位を室外室内通信部110に送信する。受信した各室内機の情報を基に、室外制御部1bの室外運転モード判定部100は、運転中の室内機のうち優先順位が最も上位の室内機を、優先権を持つ室内機と判定し運転モードをとする。室外機運転部102は優先権を持つ室内機の運転モードに従い運転する。
【0022】
室外室内通信部110は、優先権を持つ室内機の優先順位と運転モードを各室内機に送信する。各室内機の室内運転モード判定部200は、室内室外通信部210にて受信した優先順位が優先順位記憶部201に記憶した順位より下位の場合、概室内機は優先権無しと判定する。優先権無しの場合は、室内機の運転モードを、優先権を持つ室内機の運転モードと同一または類似運転モードとする。室内運転部202は、決定した運転モードで運転する。各室内機の室内リモコン通信部211は、優先権を持つ室内機の優先順位と運転モードと概室内機運転モードを各リモコンに送信する。
【0023】
類似運転モードは、ある運転モードに従う室外機の制御において、室内機が運転可能なモードのことである。本実施例においては、冷房モードは、送風モード、除湿モードが類似運転モードである。暖房モードは、送風モードが類似運転モードである。除湿モードは、冷房モード、送風モードが類似運転モードである。送風モードは、冷暖自動モードは類似運転モードがない。
【0024】
例えば、全室内機が運転中、室内機21が冷房モードの場合、室外運転モード判定部100は、室内機21が優先権を持つと判定し、運転モードを冷房モードとする。室外機運転部102は冷房モードに従い制御する。室外室内通信部110は、優先順位1位と冷房モードを各室内機に送信する。室内機22、23、24の室内運転モード判定部200は、各室内機は優先権無しと判定し、運転モードを冷房モード、または除湿モード、送風モードにとする。室内運転部202は、決定した運転モードで運転する。室内通信部120から各室内機に送信する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位と冷房モードと各室内機運転モードをリモコンに送信する。
【0025】
また、室内機21が停止、室内機22、23、24が運転しており、室内機22は暖房モードの場合、室外運転モード判定部100は、運転中の室内機22、23,24の中で優先順位最上位の室内機22が優先権を持つと判定し、転モードを暖房モードとする。室外機運転部102は暖房モードに従い制御する。室外室内通信部110は、優先順位2位と暖房モードを各室内機に送信する。運転中の室内機23、24の室内運転モード判定部200は、優先権無しと判定し、運転モードを暖房モードまたは送風モードとする。室内機運転部202は暖房モードまたは送風モードで運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位2位と暖房モードと各室内機運転モードを各リモコンに送信する。
【0026】
前記制御方法以外には、室内室外通信部210にて受信した優先順位が、優先順位記憶部201に記憶した順位より上位の場合に、優先権を持つ室内機と同一運転モードで室内機を運転する場合も考えられる。しかし、類似運転モードが運転可能であるほうがより快適である
本実施例の運転制御方法では、運転中の優先権を持たない室内機が優先権を持つ室内機の運転モードと異なる運転モードの場合は、室内運転モード判定部200にて、優先権を持つ室内機の運転モードと異なるかつ類似運転モード以外か判定し、異なるかつ類似運転モードでなければ、室外機の運転モードまたは送風モードとする。
【0027】
例えば、室内機21が冷房モード、室内機22が除湿モード、室内機23が送風モードで運転中、室内機21の運転モードをリモコン32にて暖房モードに変更した場合、室外運転モード判定部100は室内機21が優先権を持つと判定し、運転モードを暖房モードとする。室外機運転部102は、冷房モードから暖房モードに運転を変更する。室外室内通信部110は、優先順位1位と暖房モードを各室内機に送信する。室内機22の室内運転モード判定部200は、室内機22は優先権無しで、除湿モードは暖房モードと異なるかつ類似運転モードでないと判定し、運転モードを送風モードとする。室内機運転部202は送風モードで運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位、暖房モードと室内運転モード送風モードをリモコン32に送信する。室内機24の室内運転モード判定部200は、室内機24は優先権を無し、送風モードは暖房モードの類似運転モードと判定する。室内機運転部202は送風モードで室内機24を運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位、暖房モードと室内運転モードが送風モードをリモコン33に送信する。
【0028】
また、室内機21が冷房モードで運転中に、停止中の室内機22をリモコン32にて暖房モードで運転開始した場合は、室外運転モード判定部100は室内機21が優先権を持つと判定し、室外機運転部102は冷房モードのまま運転する。室外室内通信部110は、優先順位1位と冷房モードを各室内機に送信する。室内機22の室内運転モード判定部200は、室内機22は優先権無し、冷房モードは暖房モードと異なるかつ類似運転モードでないと判定し、運転モードを送風モードとする。室内機運転部202は送風モードで室内機22を運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位、暖房モードと室内運転モード送風モードをリモコン32に送信する。
【0029】
また、室内機21、22、23が停止、室内機24が除湿モードで運転中の場合、室内機22をリモコン32にて暖房モードで運転開始する。室外運転モード判定部100は室内機22が優先権を持つと判定し、運転モードを暖房モードとする。室外機運転部102は除湿モードから暖房モードに運転を変更する。室外室内通信部110は、優先順位2位と暖房モードを各室内機に送信する。室内機24の室内運転モード判定部200は、室内機24は優先権無し、除湿モードは暖房モードと異なるかつ類似運転モードでないと判定し、運転モードを送風モードとする。室内機運転部202は送風モードで運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位2位と暖房モードと室内運転モード送風モードをリモコン34に送信する。その後、室内機21をリモコン21から冷房モードで運転開始した場合、室外運転モード判定部100は室内機21が優先権を持つと判定し、運転モードを冷房モードとする。室外機運転部102は暖房モードから冷房モードに運転を変更する。
【0030】
室外室内通信部110は、優先順位1位と冷房モードを各室内機に送信する。室内機22の室内運転モード判定部200は、室内機22は優先権無し、冷房モードは暖房モードと異なるかつ類似運転モードでないと判定し、運転モードを送風モードとする。室内機運転部202は送風モードで運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位、冷房モードと室内運転モード送風モードをリモコン32に送信する。室内機24の室内運転モード判定部200は、室内機24は優先権無し、送風モードは暖房モードの類似運転モードと判定し、室内機運転部202は送風モードで室内機24を運転する。室内リモコン通信部211は、優先順位1位、冷房モードと室内運転モード送風モードをリモコン34に送信する。
【0031】
前記制御方法以外に、運転中の優先権を持たない室内機において、優先権を持つ室内機の運転モードと異なるかつ類似運転モード以外の場合は、優先権を持つ室内機の運転モードに変更することも考えられる。しかし、送風モードも可能なほうが快適である。集中コントローラ4にて送風モードも可能とするか同一モードのみとするか、選択可能できるとより快適性が向上する。
【0032】
また、リモコンにて、室外機が従う優先順位と運転モードの判定を行い室内機にリモコンから運転モードを送信して、運転モードと同一または類似運転モードにする制御方法が考えられる。しかし、室外機の運転モード決定から室内機への運転モード反映まで通信が増えるため、室内機にて判定するほうが、効率が良い。
【0033】
次に、本運転制御方法における各リモコンの表示と操作範囲について説明する。
リモコン室内通信部311で受信した情報より、操作範囲限定部300は、接続された室内機が優先権を持つまたは、優先権を持つ室内機より優先順位が上位の場合は限定無し、優先順位が下位で優先権が無しの場合は限定有りと判定する。リモコン表示部301は、接続された室内機が優先権を持つ場合は優先権有を表示し、接続された室内機が優先権無しの場合は優先権無しを表示する。リモコン表示部301は、限定有りの場合は、優先権を持つ室内機の運転モードと同一または類似運転モードのみを表示する。操作部302は、限定有り優の場合は、先権を持つ室内機の運転モードと同一または類似運転モードのみ選択可能とする。優先権有り表示のリモコンが優先権を持ち、優先権無表示のリモコンは優先権を持つ室内機の優先順位より下位で、優先権と同一または類似運転モードでしか運転ない、何も表示のないリモコンは、全ての運転モードで運転が可能であることをユーザーに示すことができる。
【0034】
例えば、室内機21、24が停止中、室内機22が冷房モード、室内機23が送風モードで運転中、リモコン31は操作範囲限定部300にて、室内機21は優先権を持たないが優先順位は上位と判定し、特に表示は変更せず、操作範囲を限定しない。リモコン32は操作範囲限定部300にて、室内機22は優先権を持つ判定し、優先権有を表示し、操作範囲を限定しない。リモコン33は操作範囲限定部300にて、室内機23は優先権を持たず優先順位は下位と判定し、運転中のため、優先権無を表示し、運転モードは冷房モード、除湿モード、送風モードのみを表示し、操作範囲は冷房モード、除湿モード、送風モードに限定する。リモコン34は操作範囲限定部300にて、室内機24は優先権を持たず優先順位は下位と判定し、停止中のため、運転モードは冷房モード、除湿モード、送風モードのみを表示し、操作範囲は冷房モード、除湿モード、送風モードに限定する。優先権を持たない室内機の運転モードが優先権を持つ運転モードと同一運転モードになる場合は、リモコンの表示を同一モードのみとし、運転モードの操作を禁止する。
前記のリモコンの制御方法のほかに、リモコン表示部301にて接続する室内機の優先順位と優先権を持つ室内機の優先順位を表示する場合も考えられるが、前記のほうが、優先権を持つか、運転モード操作が可能か判断しやすい。
【符号の説明】
【0035】
1 室外機
21〜24 室内機
3、31〜34 リモコン
4 集中コントローラ
1b 室外制御部
2a 室内制御部
100 室外運転モード判定部
101 室外優先順位設定部
102 室外機運転部
110 室外室内通信部
200 室内運転モード判定部
201 優先順位記憶部
202 室内機運転部
210 室内室外通信部
211 室内リモコン通信部
212 室内集中通信部
300 操作範囲限定部
301 リモコン表示部
302 リモコン操作部
311 リモコン室内通信部
401 集中優先順位設定部
402 集中表示部
412 集中室内通信部
図1
図2
図3