(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
露光ヘッドを用いて1画素の階調を縦複数ドットで表現する画像形成装置は一般に知られていて、露光ヘッドとしては、複数のLEDをアレイ状に並べたLEDヘッドや、有機ELをアレイ状に並べた有機ELヘッド等が用いられている。このような画像形成装置の例としては、特許文献1に記載の画像形成装置がある。この画像形成装置においては、1画素未満の精度にて色ずれ補正を行う場合、ストローブ信号を複数用意する必要があった。この複数のストローブ信号を用いることによって、1画素未満の色ずれ補正を行う箇所と、行わない箇所とが、それぞれ異なるストローブ信号を参照しつつ、画像を形成する方式であった。
【0003】
以下では、色ずれについて概要を
図9、
図10を用いて説明する。
【0004】
図9はタンデム方式の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。図中の001、002、003、004はそれぞれ、KYMCの4色のデータの発光を担うLEDヘッドである。図中の005、006、007、008はそれぞれ、KYMCの4色データの現像を担うイメージドラムである。図中の009は紙媒体である。図中の010は転写ベルトである。
【0005】
このような画像形成装置では、各イメージドラム005、006、007、008間の距離や、各LEDヘッド001、002、003、004の発光素子の並びに歪みが生じることがある。この場合、歪み等によるKYMCの4色のズレを計測し、LEDヘッドからのデータの発光のタイミング調整を図ることより、紙媒体009においてKYMCの4色のデータが適切に重なるように印字位置を修正する。これを色ずれ補正という。
【0006】
次に、
図10に基づいて、色ずれ補正を実施した様子を説明する。
図10(1)は、色ずれ補正を行なわずに紙媒体にK色とY色の印刷データを印字した様子を示す。図中の001KはK色、002YはY色の印刷データであり、それぞれが異なる位置に印字されている。
図10(2)は、色ずれ補正を実施して紙媒体にK色とY色の印刷データを印字した様子を示す。図中の003KYは、K色とY色の印刷データである。これらは色ずれ補正により同じ位置に印字されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
【0015】
(A−1)画像形成装置の構成
図1は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す機能ブロック図である。
【0016】
図中の100は上位装置である。図中の101は画像形成装置である。この画像形成装置101では、上位装置100から受信した画像データに応じた各色の露光により画像を形成する。この画像の1画素分の階調は、副走査方向である縦に並んだ複数ドットで表現する。本実施形態では、画像形成装置101は、600dpi*600dpi、32階調の印刷を行なうことができるものとする。102は画像処理部である。画像処理部102は、上位装置100から送信された画像データを処理する。103は印刷制御部である。印刷制御部103は、画像処理部102で処理された画像データに基づいて露光ヘッドとしてのLEDヘッド110〜113を制御する。印刷制御部103は、色ずれ補正制御部104と、印刷データ生成部105と、ライン同期制御部106と、ヘッド制御部107と、色ずれ情報格納部108とを備えて構成されている。
【0017】
色ずれ補正制御部104は、予め検出されている色ずれの情報を元に、所定の領域毎のデータの出力のタイミングを調整することで、色ずれ補正を行なう。この場合の色ずれ補正の精度は1画素単位であり、ここでは600dpiである。さらに、色ずれ補正は、特定の1色を基準として、他の色の色ずれを補正する。この色ずれ補正方法は、他の実施形態においても同様である。
【0018】
印刷データ生成部105は、色ずれ補正制御部104からの画像データを、実際に印字するデータに変換するブロックである。本実施形態の場合、1画素の階調を縦8ドットにて表現するため、画像データ1ラインあたり、8ラインのデータに変換して、ヘッド制御部107に出力する。また、8ライン毎に8ラインの白データをヘッド制御部107に出力する。
【0019】
ライン同期制御部106は、印刷データの出力開始の同期をとるための、ライン信号A及びライン信号Bを出力する。ライン信号Aの周期は、紙媒体が1/600dpi分だけ進む時間である。ライン信号Bの周期は、紙媒体が1/9600dpi分だけ進む時間である。
【0020】
色ずれ情報格納部108は、予め検出された色ずれ情報を格納する記憶装置である。色ずれ情報格納部108は、本実施形態では、0.5画素単位で色ずれ情報を格納する。なお、他の数値の画素単位でもよい。
【0021】
ヘッド制御部107は、印刷データを変換してヘッドデータとしてLEDヘッド110〜113に出力して、これらを制御する。具体的には、ヘッド制御部107は、LEDヘッド110〜113を発光点灯させるための露光データであるヘッドデータ、及び露光時間を制御するためのストローブ信号をそれぞれ生成して、各画素を露光する制御を行う。このヘッド制御部107は、ラインバッファ109と、ストローブ時間格納部114と、ストローブ制御部115とを備えて構成されている。
【0022】
LEDヘッド110〜113は、発光点灯駆動されることにより露光を行う発光素子の集合体である。これらのLEDヘッド110〜113は、副走査方向に1列に配設されている。
【0023】
ラインバッファ109は、印刷データから変換されたヘッドデータを格納するためのバッファである。このラインバッファ109は、ヘッドデータについて、色ずれ情報格納部108の情報に基づいた情報により、決められた領域のデータを、順次出力するか、更に8ライン分遅らせて出力する。
【0024】
ストローブ時間格納部114は、ストローブ時間の情報を格納している。ストローブ制御部115は、ストローブ時間格納部114に格納された情報に基づいた時間だけストローブをイネーブルにする制御を行なう。この制御に基づいて出力されるストローブ信号(t1〜t8)は、LEDヘッド110〜113の複数の発光素子を発光点灯させるための露光データの露光時間を制御する。
【0025】
そして、ヘッド制御部107には、上記ラインバッファ109に格納された上記ヘッドデータと、上記ストローブ時間格納部114に格納された上記ストローブ時間の情報に基づいて上記ストローブ制御部115で生成する1本の上記ストローブ信号とを、
図2に示すように制御して各画素を露光する処理機能が格納されている。即ち、上記ヘッド制御部107には、上記ストローブ信号について、露光時間を調整するため、ライン単位で周期的にストローブ時間の幅を変更する処理機能と、所定の位置の露光データを副走査方向に上記ライン単位で位置をずらす処理機能とが格納されている。
【0026】
ライン単位で周期的にストローブ時間の幅を変更する処理により、以下では、t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8としている。また、所定の位置の露光データを副走査方向に上記ライン単位で位置をずらす処理により、以下では、
図2中のZ1での出力信号をZ2にずらしている。
【0027】
(A−2)画像形成方法
次に、上述の構成の画像形成装置を用いた画像形成方法を、
図2と
図3を用いてについて説明する。
【0028】
図2は、印刷するページ中の冒頭の1ラインの印刷データを出力する様子を示している。まず、
図2中で用いている用語を説明する。図中のz5は階調データ1ライン分の印刷データを表す。z6は階調要素データ1ラインの印刷データを表す。階調データ1単位(以後1ピクセルという)は、階調要素データ8単位(以後ドットという)から成る。すなわち、階調データ1ライン分のデータは、階調要素データ8ライン分のデータから成る。
【0029】
図2中のライン信号Aは、1/600dpiの周期でパルスを出力し、ライン信号Bは、1/9600dpiの周期でパルスを出力している。
【0030】
p1〜p8においては、階調要素データ8ラインのデータが順次、印刷データ生成部105より出力され、ラインバッファ109に格納される。
【0031】
p9〜p16においては、印刷データ生成部105は白データを出力する。一方、ヘッド制御部107は、ラインバッファ109に格納されたデータを出力する。その際、色ずれ情報格納部108の情報に基づき、更に半ドットずらす場合は、ヘッド制御部107は、階調要素データ8ライン後にずらしてデータを出力する。なお、ずらされた箇所については白データを出力する。図中のZ1は、ずらされたため白データを出力している状態を示している。p9〜p16の階調要素データが、8ラインずつずらされてp17〜p24で出力されている。
【0032】
階調要素データ1ライン分のデータを出力し終わる毎に、ストローブ信号を所定の時間だけアサー卜することにより、LEDヘッド110〜113に露光の指示を行なう。本実施形態の場合、p9〜p16において、それぞれt1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8の時間だけ露光する指示を行なう。
【0033】
p17〜p24においては、階調要素データ8ラインのデータが順次、印刷データ生成部105より出力され、ラインバッファ109に格納される。一方、ヘッド制御部107は、色ずれ情報格納部108の情報に基づき、半ドットずらす場合は、指定されたデータについて、ラインバッファ109に格納された階調要素データ8ライン前のデータを出力する。図中のZ2は、階調要素データ8ライン前のデータが出力されたことを示している。
【0034】
階調要素データ1ライン分のデータを出力し終わる毎に、ストローブ信号を所定の時間だけアサー卜することにより、LEDヘッド110に露光の指示を行なう。本実施形態の場合、p17〜p24において、それぞれt1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8の時間だけ露光する指示を行なう。
【0035】
図2に示す例は、色ずれ情報格納部108の情報に基づき、更に半ドットずらす場合であり、Z1のヘッドデータは白紙(LEDの点灯なし)である。そして、Z2のタイミングで、ヘッドデータによりストローブ信号の時間に選択的にLEDヘッド110を点灯させることで、ドット位置が平均半ドットずれて印刷されることとなる。
【0036】
図3は、紙媒体に形成された2画素分の画像を示す。Z3は8ライン単位のずらしを行なっていない画像、Z4は8ライン単位のずらしを行われた画像を示す。ずらしを行なった結果1/1200dpiのずれを実現することができる。
【0037】
また、上述のように、階調要素データ8ライン分をずらす以外に、他のライン数だけずらしてもよい。例えば、階調要素データ1ライン分または2ライン分以上ずらしてもよい。
【0038】
(A−3)効果
以上のように、第1実施形態によれば、従来のLEDヘッドを使いつつ、1画素(600dpi)の1/2精度で色ずれ制御を行なうことが出来るという効果がえられる。
【0039】
また、階調要素データ1ライン分または2ライン分以上ずらすことで、さらに高い精度で色ずれ制御を行なうことが出来る。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。本実施形態の係る画像形成装置は、ライン信号Bのパルス間隔を縮めて印刷速度を向上させたものである。
【0041】
(B−1)画像形成装置の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を示す機能ブロック図である。本実施形態の画像形成装置の構成は、全体的には第1実施形態の画像形成装置とほぼ同様であるため、以下では、同一部分に同一符号を付して、第1実施形態の画像形成装置と違う構成部分を中心に説明する。
【0042】
図中の116はライン周期調整部である。このライン周期調整部116は、ライン信号Bのパルス間隔を調整する機能を備えている。具体的には、ライン周期調整部116は、ストローブ時間格納部114からのストローブ時間(t1〜t8)の情報を入力し、この情報を参照して、ストローブ時間(t1〜t8)が経過すると、直ちにパルスを出力する機能を備えている。これにより、ライン信号Bのパルス間隔を縮めている。
【0043】
ヘッド制御部107は、このパルスに基づいて、ヘッドデータとストローブ信号とを、
図5に示すように制御して各画素を露光する処理機能が格納されている。即ち、ヘッド制御部107は、ストローブ時間を予め検出し、当該ストローブ時間が経過すると、直ちに次の露光データの送信の開始を行う処理機能が格納されている。
【0044】
(B−2)画像形成方法
次に、本実施形態の画像形成装置を用いた画像形成方法について、
図5に基づいて説明する。
【0045】
ライン信号Aは、1/600dpiの周期でパルスを出力している。ライン信号Bは、通常1/9600dpiの周期でパルスを出力している。
【0046】
図5中のp1〜p8において、階調要素データ8ラインのデータが順次、印刷データ生成部105より出力され、ラインバッファ109に格納される。
【0047】
次いで、
図5中のp9でヘッドデータが出力され、ストローブ信号がt1だけアサートされる。ライン同期制御部106は、ライン周期調整部116から入力したストローブ時間格納部114からのストローブ時間の情報を基に、パルスをp10で出力する。即ち、ライン同期制御部106は、予めストローブ時間がt1であると認識しているため、t1経過後直ちに次のライン信号Bのパルスをp10で出力する。
【0048】
これによりp10で、ヘッドデータが出力され、ストローブ信号がt2だけアサートされる。ライン同期制御部106は予めストローブ時間がt2であると認識しているため、t2経過後直ちに次のライン信号Bのパルスをp11で出力する。
【0050】
(B−3)効果
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態に対して、ストローブ信号が終了して直ぐに次のライン信号Bを出すため、ライン信号Aの時間を短くでき、印刷速度が向上する効果が得られる。
【0051】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
【0052】
(C−1)画像形成装置の構成
図6は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置を示す機能ブロック図である。本実施形態の画像形成装置の構成は、第2実施形態の画像形成装置と同一である。そして、本実施形態では、ヘッド制御部107に、副走査方向について、本来の解像度で露光しつつ、1ライン分の周期において、1ライン分のデータを2度出力し、それぞれ所定のストローブ時間で露光する処理機能が格納されている。即ち、ヘッド制御部107は、
図7に示すように制御して各画素を露光する処理機能が格納されている。以下では、このヘッド制御部107での処理を中心に説明する。
【0053】
本実施形態のヘッド制御部107は、1ライン分の周期において、1ライン分のデータを2度出力し、それぞれ所定のストローブ時間で露光する処理機能を備えている。即ち、ヘッド制御部107のラインバッファ109では、ライン信号Bの1周期内に階調要素データ2ライン分のヘッドデータを出力する。そのうち最初のラインは、ずらされないデータであり、2番目のラインはずらされたデータである。ここでは、4ライン前の印刷データに含まれていたものである。ずらされるデータであるか否かの判断は、色ずれ情報格納部108の情報による。なお、2番目のラインとしては、ずらされないデータの場合もある。即ち、色ずれが起きていなければ、2番目のラインはずらされないデータとなる。
【0054】
また、ストローブ制御部115は、ライン信号Bの1周期内に2回ストローブ信号を発生させる。ストローブ時間幅は8通りの時間を1周期として出力するが、ライン信号B中の、最初のストローブと2番目のストローブは、ストローブ時間幅の発生時間がずれている。つまり、ストローブ幅の8通り時間をt1、t2、t3、t4、t5、t6、t7、t8とすると、最初のストローブは、t1、t2、t3・・と推移していくが、次のストローブは、t5、t6、t7・・と推移していく。これにより、t1とt5、t2とt6、t3とt7・・が組み合わされるが、これらはストローブ信号の長い場合と短い場合の組み合わせ、及び中間の長さの組み合わせである。これらは、全ての組み合わせにおいて、1周期の時間を短くできるように設定されている。
【0055】
(C−2)画像形成方法
次に、本実施形態の画像形成装置を用いた画像形成方法について、
図7、8に基づいて説明する。
【0056】
図7はページ転送の冒頭の波形を示している。p1〜p8において、印刷データ生成部105から、階調要素データがライン信号Bに同期して、8ライン分出力され、順次、ラインバッファ109に格納される。
【0057】
p9においては、ストローブ時間t1とt5の2回露光される。まず、階調要素データ1ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t1だけ露光される。z1はずらされたため白データを出力している様子を示している。t1だけ露光した後直ちに、次のヘッドデータが出力されるが、冒頭であるため、自データである。また、ストローブ時間t5だけ露光される。t5だけ露光するとp10において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0058】
p10においては、階調要素データ2ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t2だけ露光される。t2だけ露光した後直ちに、次のヘッドデータが出力されるが、冒頭であるため、白データである。また、ストローブ時間t6だけ露光される。t6だけ露光するとp11において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0059】
p11においては、階調要素データ3ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t3だけ露光される。t3だけ露光した後直ちに、次のヘッドデータが出力されるが、冒頭であるため、白データである。また、ストローブ時間t7だけ露光される。t7だけ露光するとp12において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0060】
p12においては、階調要素データ4ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t4だけ露光される。t4だけ露光した後直ちに、次のヘッドデータが出力されるが、冒頭であるため、白データである。また、ストローブ時間t8だけ露光される。t8だけ露光するとp13において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0061】
p13においては、階調要素データ5ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t5だけ露光される。t5だけ露光した後直ちに、階調要素データ1ライン目のデータのうち、ずらされると判定されたデータが出力される。Z2がずらされたデータを示している。また、ストローブ時間t1だけ露光される。t1だけ露光するとp14において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0062】
p14においては、階調要素データ6ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t6だけ露光される。t6だけ露光した後直ちに、階調要素データ2ライン目のデータのうち、ずらされると判定されたデータが出力される。また、ストローブ時間t2だけ露光される。t2だけ露光するとp15において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0063】
p15においては、階調要素データ7ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t7だけ露光される。t7だけ露光した後直ちに、階調要素データ3ライン目のデータのうち、ずらされると判定されたデータが出力される。また、ストローブ時間t3だけ露光される。t3だけ露光するとp16において、直ちにライン信号Bのパルスが出力される。
【0064】
p16においては、階調要素データ7ライン目のデータのうち、ずらされないデータがLEDヘッド110に出力され、ストローブ時間t8だけ露光される。t8だけ露光した後直ちに、階調要素データ4ライン目のデータのうち、ずらされると判定されたデータが出力される。また、ストローブ時間t4だけ露光される。t4だけ露光するとp17において、直ちにライン信号Bのパルス、およびライン信号Aのパルスが出力される。
【0065】
以上により、紙媒体に印刷データが現像される。紙媒体に印刷データが現像された紙媒体の例を
図8に示す。
図8は紙媒体に印刷データが現像された様子を示している。Z3がずらされないデータ、Z4がずらされたデータを表している。ずらされないデータZ3に対して、ずらされたデータZ4は、1/1200dpi分だけ、データの出力タイミングがずらされている。
【0066】
(C−3)効果
以上のように、第3実施形態によれば、第1実施形態に対して、ストローブ信号の長い場合と短い場合等を組み合わせることで、1周期の時間を短くでき、印刷速度を向上させることができる。また、紙媒体への印刷が、なだらかで段差が目立たなくなるという効果が得られる。
【0067】
[産業上の利用可能性]
第1,第2、第3の実施形態では、600dpiの解像度のデータを1200dpiの精度で色ずれ補正を行なう例で説明したが、解像度に対して2倍の精度での色ずれ補正を行なう場合に適用できる。
【0068】
第3実施液体では、1ライン分の周期において、1ライン分のデータを2度出力したが、3度以上でもよい。
【0069】
上記第1実施形態では、所定の位置の露光データを副走査方向にライン単位で位置をずらす処理として、8ライン分位置をずらす例を説明したが、8ラインに限らず、他のライン数でもよい。例えば、階調要素データ1ライン分または2ライン以上8ライン未満のライン数分だけずらすことで、さらに高い精度で色ずれ制御を行なうことが出来る。
【0070】
また、上記第1実施形態では、階調要素データを8ラインに分けたが、他のライン数に分ける場合もある。この場合は、設定されたライン数以内で位置をずらすことができる。
【0071】
また、本発明の態様は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形、各実施形態の組み合わせも含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更、組み合わせおよび部分的削除等が可能である。