(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記検知手段により検出された結果に基づいて、前記遊技媒体における単位時間当たりの増加量を求め、前記増加量がしきい値以上であるとき、刺激が比較的に強い前記香り成分に変更されるように、前記増加量がしきい値未満であるとき、刺激が比較的に弱い前記香り成分に変更されるように前記液体供給手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の揚送研磨装置。
前記液体供給手段は、前記香り成分の異なる液体が貯留された複数のタンクを有し、前記複数のタンクのうちの1つ以上が切り替えられて用いられることにより、前記液体の香り成分を変更可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の揚送研磨装置。
前記液体供給手段は、タンクを有し、前記タンクに貯留された前記液体に付加される香り成分の量を調節することにより、前記液体の香り成分を変更可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の揚送研磨装置。
前記液体供給手段は、前記戻し通路内の前記研磨材に前記液体を噴霧し、または、滴下することにより、前記研磨材を湿らせることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の揚送研磨装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機島1の一例を示す。
図1に示すように、遊技機島1は、遊技ホールのフロア上に構築されたフレーム100と、複数の遊技機200と、遊技媒体循環機構とを有する。遊技機200は、多数背中合わせにされ、表裏面に沿って並設され、フレーム100に収容される。以下、遊技機200を「パチンコ機」と、その遊技媒体を「遊技球」あるいは「パチンコ球」という場合がある。以下の説明において、遊技機200が並設される方向を「長手方向」という。また、長手方向と直交する水平方向を「短手方向」という。
【0013】
遊技媒体循環機構は、下部タンク7、アウト球投入樋8、アウト球誘導樋8a、島上樋9、および、揚送研磨装置10を有する。
【0014】
下部タンク7は遊技機島1の下部スペースに設けられる。遊技機200で使用された遊技媒体(これを、「アウト球」という)は、アウト球投入樋8を介して下部タンク7に投入される。下部タンク7に投入されたアウト球は、アウト球誘導樋8aを介して、遊技機島1の中央へ搬送される。島上樋9は遊技機島1の上部スペースに設けられる。
【0015】
図2は揚送研磨装置10の斜視図、
図3は揚送研磨装置10の正面図である。
図1から
図3に示すように、揚送研磨装置10は、本体2、および、島上タンク3、加湿手段11、筒体30、移送手段40、分離手段50、および、戻し通路60を有する。
【0016】
(本体2)
本体2は、遊技場の所定位置に固定されたベース4と、ベース4に立設された支柱5とを有する。島上タンク3は支柱5の上部に設けられる。後述する研磨材ストック54が支柱5の機能を有する。支柱の上端部には分離手段50およびモータ42が設けられる。
【0017】
(遊技媒体)
遊技媒体は、移送手段40により研磨材と共に揚送される。揚送された遊技媒体は、分離手段50により研磨材から分離され、島上樋9を通って、各遊技機200に供給される。各遊技機200に用いられた遊技媒体は、アウト球投入樋8から下部タンク7に貯留され、下部タンク7からアウト球誘導樋8aを通って、筒体30の流入口(後述する)から移送手段40に導かれる。
【0018】
(研磨材)
研磨材は、分離手段50により遊技媒体から分離される。分離された研磨材は、戻し通路60により移送手段40に導かれ、移送手段40により遊技媒体と共に揚送される。このように、研磨材は遊技媒体と同様に繰り返し使用される。
【0019】
(島上タンク3)
島上タンク3は、遊技媒体が島上樋9に満ちたとき、遊技媒体を一時的に貯留するものである。島上タンク3には、それから溢れ出した遊技媒体を移送手段40に導くためのオーバーフロー通路(図示しない)が接続される。
【0020】
(加湿手段11)
図4は、加湿手段11の構成ブロック図である。
図4に示すように、加湿手段11は、制御手段13、検知手段14、および、液体供給手段20を有する。
加湿手段11は、研磨材を液体で湿らせるとともに、その液体に香り成分を付加するように構成される。さらに、各遊技機200で用いられた遊技媒体の量を検出し、その検出結果に基づいて、液体に付加する香り成分を変更するように構成される。
【0021】
さらに、加湿手段11は、筒体30内の研磨材に汚れを付着させないように構成される。研磨材に汚れが付着する主な原因は、筒体30内の研磨材が乾いて、静電気を発生し易いためである。静電気を発生し難くすることにより研磨材に汚れを付着させない手段として、例えば、1)遊技媒体を研磨する前に研磨材を液体(ここでは、水)で湿らせておく手段;2)遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で湿らせる手段;3)移送手段40を液体で湿らせる手段がある。また、3)の手段を、研磨材を液体で間接的に湿らせる手段という場合がある。
【0022】
以下、遊技媒体を研磨する前に研磨材を液体で湿らせる手段について説明し、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で湿らせる手段、および、移送手段40を液体で湿らせる手段については、後述する。なお、筒体30内の湿度が低く、静電気が発生し易いとき、静電気を発生し難くするために、研磨に用いられる研磨材を湿らせ、または、さらに湿らせるように構成する。反対に、筒体30内の湿度が高く、静電気が発生し難いとき、研磨に用いられる研磨材をさらに湿らせる必要がなく、現状の湿らせる状態を維持し、または、研磨材を湿らせるのを一時的に停止するように構成する。
【0023】
(液体の噴霧)
次に、研磨材を効果的に湿らせる構成について
図3および
図4を参照して説明する。
加湿手段11は、筒体30内の湿度に基づいて、移送手段40により移送される前の研磨材に対して液体を連続的にまたは間欠的に供給することを通して、研磨材を液体で湿らせることにより、筒体30の内部を加湿して、筒体30内の湿度を予め定められた範囲に保つように構成される。なお、遊技媒体を研磨する前(遊技媒体が移送手段40に導かれる直前)までに研磨材を液体で湿らせておけば、加湿手段11はどのように構成されてもよい。移送手段40に導かれる直前位置に加湿手段11を配置すれば、研磨材を効果的に液体で湿らせることができる。直前位置からある程度離れた位置に加湿手段11を配置すれば、有効な空スペースに加湿手段11を配置することが可能となる。戻し通路60を通る研磨材のほぼ全部を液体により湿らせるようにするためには、液体を噴霧する範囲が戻し通路60の所定領域(全幅および所定長)になるように構成すればよい。たとえば、液体を噴霧する範囲を戻し通路60の所定領域に広げるように構成すればよい。このとき、一度の噴霧により所定領域内の研磨材のほぼ全部を湿らせるようにできるため、液体を間欠的に噴霧すればよい。また、たとえば、液体を噴霧する範囲が戻し通路60の全幅に対して狭いとき、噴霧する方向を幅方向に沿って変えるように構成すればよい。それにより、戻し通路60の中央部を通る研磨材ばかりでなく、戻し通路60の端を通る研磨材にも液体をかけることができる。さらに、例えば、液体を噴霧する範囲が戻し通路60の所定長に対して狭いとき、液体を噴霧する範囲に研磨材が長さ方向に沿って流れて来るので、液体を連続的に噴霧すれば、流れてくる研磨材を湿らせることができる。なお、戻し通路60において、研磨材が上下に重なり合うとき、噴霧された液体が研磨材間の隙間に入っていき、下側の研磨材も湿らせることができるものとする。
【0024】
(アルカリ電解水)
噴霧される液体には、8〜12のpH値を有するアルカリ電解水が用いられることが望ましい。研磨材を湿らせているアルカリ電解水は、その浸透力により汚れと研磨材との隙間に浸透し、汚れが取り囲まれて、汚れ成分が研磨材に付着しないようになる(浸透、剥離効果)。また、汚れのうちの脂質が分解して石鹸化される(石鹸効果)。さらに、アルカリ電解水が遊技媒体に触れることにより、遊技媒体が除菌される(殺菌効果)。さらに、アルカリ電解水によって遊技媒体がさびることがない(防錆効果)。なお、アルカリ電解水のpH値を高くしていくと、それらの効果が高まるため、汚れの程度に応じたpH値のアルカリ電解水を用いればよい。8未満のpH値のアルカリ電解水では、それぞれの効果を十分に得られない傾向が生じる。12を超えるpH値のアルカリ電解水では、それぞれの効果が高まるものの、過酸化ナトリウムや過酸化水素水を加える必要があるため、製造コストが一段と嵩む。
【0025】
(筒体30内の湿度調整)
次に、筒体30内の湿度を調整する構成について
図3および
図4を参照して説明する。
筒体30内の湿度が保たれる予め定められた範囲としては、たとえば、50%〜60%であることが好ましい。その範囲にした理由は、湿度が50%未満では、研磨材に汚れ成分を付着させない効果が低くなり、また、静電気の発生を抑える効果も低くなる。さらに、湿度が60%を超えると、遊技媒体や研磨材の湿り気により、汚れ成分が遊技媒体に付着する傾向が生じ、汚れ成分を分離させ難くなる。筒体30の全長にわたって複数個所に、たとえば、始端部(下端部)、中間部、および、終端部(上端部)に湿度センサ12(
図4参照)が配置される。湿度センサ12は、筒体30内の湿度に対応する信号を出力する。制御手段13は、湿度センサ12から出力された信号に基づいて、筒体30内の湿度を調整するように、たとえば、液体供給手段20により供給される時間当たりの液体の量を制御する。なお、このとき、制御手段13は、各湿度センサ12の出力信号に基づき、筒体30内の湿度を細かく調整するように液体供給手段20を制御する。
【0026】
(液体供給手段20)
図2および
図3に示すように、液体供給手段20は、戻し通路60の途中に配置される。液体供給手段20は、戻し通路60を通る研磨材を液体により湿らせるように構成される。戻し通路60を通る研磨材のほぼ全部を液体により湿らせるような構成であれば、どのような構成であってもよい。一例としては、戻し通路60内の研磨材に液体を噴霧することにより、研磨材を湿らせる構成がある。
【0027】
図4に示すように、戻し通路60内の研磨材に液体を噴霧する手段は、たとえば、ノズル21、ポンプ22、複数のタンク(液体槽)23、液量センサ24、液量調整手段25、および、開閉器26、を有する。ポンプ22は、タンク23内の液体を高圧でノズル21に供給する。液量センサ24は、タンク23内の液体に応じた信号を出力する。出力された信号に基づいて、タンク23内の液体の量を報知する報知手段を設けてもよい。液量調整手段25は、例えば、戻し通路60内を流れる研磨材の量に応じて、液体の量を調整するように構成される。液体の量を調整する手段としては、たとえば、ノズル21の口径を調整可能に構成するもの、あるいは、ポンプによりノズル21に供給される液体の圧力を調整可能に構成するものがある。ノズル21の口径や液体の圧力の調整は、制御手段13により自動制御される。戻し通路60内を流れる研磨材の量を検出するセンサ(図示省略)を設けておき、センサにより出力された信号に基づいて、ノズル21の口径等を自動調整すればよい。なお、これらの調整は手動で行ってもよい。遊技機島1に用いられる遊技媒体の数量は営業時間や営業日に応じて予測できる。そのため、研磨材の量も予測できるので、営業時間や営業日に応じて、ノズルの口径等を手動で調整すればよい。
【0028】
次に、研磨材を液体で湿らせるとともに、その液体に香り成分を付加する構成について
図4を参照して説明する。
【0029】
(複数のタンク23)
複数のタンク23には、香り成分の異なる液体が貯留される。ここで、「香り成分」とは、香料および香水(固形を含む)をいう。なお、香り成分を「香水」、また、単に「香り」という場合がある。また、「香り成分の異なる液体」とは、香り成分の種類及び/または濃度が異なる液体をいう。さらに、「濃度」とは、液体の量に対する香り成分の量の割合をいう。
【0030】
成分の種類が異なる液体は、
図4に示す“A”の液体と“B”の液体とである。液体Bは液体Aより刺激が比較的に強い。成分の濃度が異なる液体は、
図4に示す“A1”の液体と“A2”の液体とであり、さらに、
図4に示す“B1”の液体と“B2”の液体とである。液体A2は液体A1より刺激が比較的に強く、液体B2は液体B1より刺激が比較的に強い。すなわち、刺激の最も弱い液体は液体A1であり、刺激の最も強い液体は液体B2である。刺激の最も弱い液体が有する香り成分の「濃度」には「0」%が含まれる。
【0031】
各タンク23は、液量調整手段25、および、開閉器26を介してポンプ22の取入れ口に接続される。ポンプ22の取出し口にノズル21が接続される。ポンプ22は、タンク23内の液体を高圧でノズル21に供給する。液量センサ24は、タンク23内の液量に応じた信号を出力する。
【0032】
次に、各遊技機200で用いられた遊技媒体の量を検出し、その検出結果に基づいて、研磨材に付与される液体を変更する構成について説明する。
【0033】
(検知手段14の一例)
各遊技機200で用いられた遊技媒体の変化量を検出する検知手段14の一例について
図5および
図6を参照して説明する。
図5は検知手段14の一例を示す概念図である。
【0034】
図6は検知手段14から出力された信号と、その信号が出力されたときの時刻との対応関係を示す図である。
図6に、遊技媒体が検出されたときの信号を“ON”、遊技媒体が検出されなかったときの信号を“OFF”で示し、時刻を時間の流れに沿って“T0”から“T6”で示す。
【0035】
図5に示すように、アウト球を収容する下部タンク7の底面からの高さHの位置に第1検知手段S1が配置される。さらに、第1検知手段S1から高さ方向に所定の間隔Hをおいて第2検知手段S2が配置される。さらに、第2検知手段S2から高さ方向に所定の間隔Hをおいて第3検知手段S3が配置される。第1検知手段S1〜第3検知手段S3には、投光部と受光部とを有し、投光部から投光された光が遊技媒体によってさえぎられたり反射したりすると、受光部に到達する量が変化し、受光部がこの変化を検出して電気信号に変換し出力する光電センサが用いられる。第1検知手段S1〜第3検知手段S3が検知手段14の一例である。第3検知手段S3が配置された高さ位置は、アウト球誘導樋8aが設けられた高さ位置とほぼ等しい。
【0036】
制御手段13は、検知手段14により検出された結果に基づいて、遊技媒体における単位時間当たりの増加量を求める。遊技媒体における単位時間当たりの増加量を求めるには、隣接する光電センサにより遊技媒体が検出されたときのそれぞれの時刻の差として求める方法と、多数の光電センサを下部タンク7の高さ方向に小間隔で連続的に配置し、一定時間で遊技媒体を検出する光電センサの数の変化として求める方法とがある。以下に、前者の方法を示す。
【0037】
下部タンク7には、各遊技機200で用いられた遊技媒体(アウト球)が貯留される。各遊技機200で用いられた遊技媒体の変化量は、遊技客の数の変化に対応する傾向にある。各遊技機200で用いられた遊技媒体の変化量を検出するには、下部タンク7に貯留された遊技媒体の変化量を検出すればよい。
【0038】
(時刻T0)
図6に示すように、時刻T0では、第1検知手段S1から遊技媒体が検出さなかったときの信号OFFが出力される。このとき、当然に、第2検知手段S2、第3検知手段S3から信号OFFが出力される。
【0039】
(時刻T1)
図6に示すように、時刻T1では、第1検知手段S1から遊技媒体が検出されたときの信号ONが出力される。
【0040】
(時刻T2)
図6に示すように、時刻T2では、第2検知手段S2から遊技媒体が検出されたときの信号ONが出力される。このとき、当然に、第1検知手段S1から信号ONが出力される。
【0041】
(制御手段13)
制御手段13は、検知手段14により検出された結果を受けて、遊技媒体における単位時間当たりの増加量を求め、増加量としきい値とを比較し、比較結果に基づいて、香り成分が変更されるように液体供給手段20を制御する。ここで、「香り成分の変更」としては、香り成分の種類及び/または濃度を変更することをいう。
【0042】
香り成分の種類を変更する方法の一例として、制御手段13は、成分の種類が異なる液体(例えば液体A1と液体B1)が貯留されたタンク23を切り替えるように開閉器26を制御する。香り成分の濃度を変更する方法として、制御手段13は、成分の濃度が異なる液体(例えば液体A1と液体A2)が貯留されたタンク23を切り替えるように開閉器26を制御する。
【0043】
制御手段13は、変更元の液体が貯留されたタンク23と変更先の液体が貯留されたタンク23とを対応させて記憶するテーブル(図示しない)を有する。制御手段13は、検知手段14により検出された結果を受けて、テーブルを参照し、複数のタンク23のうちの一つ以上を切り替えて用いるように開閉器26を制御する。このようにして用いられたタンク23内の液体は、液量調整手段25、開閉器26、および、ポンプ22を介してノズル21から噴霧される。制御手段13によりタンク23が切り替えられて用いられることにより、ノズル21から香り成分の異なる液体が研磨材に噴霧される。
【0044】
以下に、タンク23を切り替えるときに、制御手段13が開閉器26を制御するものを説明する。しかしながら、タンク23自体を交換するようにしてもよい。タンク23自体を交換する他の実施形態については後述する。また、成分の濃度を変更するとき、開閉器26を制御するものを説明するが、タンク23内の液体に付加される香水の量を変えることにより、香り成分の濃度を変更するようにしてもよい。液体に付加される香水の量を変える他の実施形態については後述する。
【0045】
制御手段13は、第1検知手段S1によりON信号が出力されたときの時刻T1と第2検知手段S2によりON信号が出力されたときの時刻T2との時間差ΔTを求める(ΔT=T2−T1)。なお、遊技媒体における単位時間当たりの増加量ΔQは、時間差ΔTの逆数に比例する(ΔQ∝1/ΔT)。
【0046】
制御手段13は、増加量ΔQと予め定められたしきい値とを比較する。そして、制御手段13は、増加量ΔQが予め定められたしきい値以上であると判断したとき、テーブルを参照して、刺激が比較的に強い香り成分に変更されるように液体供給手段20を制御する。このとき、例えば、タンク23内の液体として液体A1が用いられているとき、制御手段13は、開閉器26を制御して、用いられるタンク23内の液体を、液体A1から液体B1(あるいは液体B2)に、または、液体A1から液体A2に変更する。なお、刺激の最も強い液体である液体B2が用いられているとき、液体B2のままである。
【0047】
一方で、制御手段13は、増加量ΔQがしきい値未満であると判断したとき、テーブルを参照して、刺激が比較的に弱い香り成分に変更されるように液体供給手段20を制御する。このとき、例えば、タンク23内の液体として液体B2が用いられているとき、制御手段13は、開閉器26を制御して、用いられるタンク23内の液体を、液体B2から液体B1に、または、液体B2から液体A2(あるいは液体A1)に変更する。なお、刺激の最も弱い液体である液体A1が用いられているとき、液体A1のままである。
【0048】
(時刻T2、T3)
時刻T2において、遊技媒体が検出されたときの信号ONが第2検知手段S2から出力されたとき、また、時刻T3において、遊技媒体が検出されたときの信号ONが第3検知手段S3から出力されたとき、制御手段13は、増加量ΔQを求め、これをしきい値と比較し、比較結果に基づいて、液体供給手段20(開閉器26)を制御する。
【0049】
(時刻T4、T5、T6)
時刻T4において、遊技媒体が検出されなかったときの信号OFFが第3検知手段S3から出力されたとき、また、時刻T5において、遊技媒体が検出されなかったときの信号OFFが第2検知手段S2から出力されたとき、さらに、時刻T6において、遊技媒体が検出されなかったときの信号OFFが第1検知手段S1から出力されたとき、時刻T2のときと同様に、制御手段13は、増加量ΔQを求め、これとしきい値とを比較し、比較結果に基づいて、液体供給手段20(開閉器26)を制御する。
【0050】
なお、時刻T4等では、増加量ΔQは、マイナスの値となる。そのため、制御手段13は、増加量ΔQがしきい値未満であると判断し、液体供給手段20(開閉器26)を制御して、刺激が比較的に弱い液体に変更する。
【0051】
(防臭効果)
以上のように、制御手段13は、検知手段14により検出された結果、遊技機200で用いられた遊技媒体(アウト球)の増加量ΔQがしきい値以上になることを受けて、タンク23を切り替えて用いるように開閉器26を制御する。それにより、液体の香り成分が変更される。液体の香り成分が変更されることで、研磨材に噴霧された刺激の比較的に強い液体により研磨材が湿らされる。揚送研磨装置10により、この研磨材と遊技媒体とが混合され、撹拌されて筒体30の上部に揚送される。このとき、研磨材の香り成分が遊技媒体に移り、香り成分が移った遊技媒体が島上樋9を介して各遊技機200に供給される。例えば、遊技媒体が島上樋9を通るとき、遊技媒体から離れた香りが遊技機島1の周辺に広がるため、効率的な防臭効果が図られる。
【0052】
各遊技機200で用いられた遊技媒体の量と遊技客の数とは対応する傾向があることから、遊技機200で用いられた遊技媒体(アウト球)の増加量ΔQがしきい値以上になるとき、遊技客の数が多く、遊技客の数が多くなるほど、遊技機島1周辺における喫煙状況が変化する。たとえば、遊技機島1において喫煙する遊技客の数が増える。しかし、遊技客の数に対応して、刺激の比較的に強い香り成分が遊技媒体から離れて遊技機島1の周辺に広がるため、効率的な防臭効果が図られる。
【0053】
なお、香り成分を変更するために、制御手段13は、タンク23を切り替えて用いるように開閉器26を制御したが、制御手段13は、複数のタンク23のうちの一つ以上を切り替えて用いるように開閉器26を制御してもよい。たとえば、刺激が比較的に弱い液体A1が貯留されたタンク23と刺激が比較的に強い液体A2が貯留されたタンク23とを用いるように開閉器26を制御してもよい。それにより、刺激が中程度の液体を研磨材に噴霧することが可能となる。なお、加湿手段11を設けたことにより、筒体30内の研磨材に汚れを付着させないという効果が生じるが、この構成および効果については後述する。
【0054】
(検知手段の他の例)
次に検知手段14の他の例について
図7および
図8を参照して説明する。
図7は検知手段14の他の例を示す概念図である。
図7に、筒体30の上部から簀の子51の方へ排出される遊技媒体の流れを矢印で示し、遊技媒体が一又は多段に積層された状態で簀の子51上を流れる様子を示す。
【0055】
図8は、検知手段14から出力された信号と、その信号が出力されたときの時刻との対応関係を示す図である。
図8に、遊技媒体が検出されたときの信号を“ON”、遊技媒体が検出されなかったときの信号を“OFF”で示し、時刻を時間の流れに沿って“Ta”から“Te”で示す。
【0056】
図7に示すように、遊技媒体が積層された状態で簀の子51上を流れるとき、下から2段目に相当する高さの位置に第4検知手段S4が配置される。また、下から4段目に相当する高さの位置に第5検知手段S5が配置される。これらの検知手段S4、S5が検知手段14の他の例である。
【0057】
筒体30の上部からは、各遊技機200で用いられ、筒体30内で研磨材により研磨され、揚送された遊技媒体(アウト球)が排出される。筒体30の上部から排出された遊技媒体の量は、遊技客の数に対応する傾向がある。筒体30の上部から排出された遊技媒体の量を検出するには、簀の子51を流れる遊技媒体の量を検出すればよい。
【0058】
(時刻Ta)
図8に示すように、時刻Taでは、遊技媒体が検出さなかったときの信号OFFが第4検知手段S4から出力される。このとき、当然に、第5検知手段S5から信号OFFが出力される。
【0059】
(時刻Tb)
図8に示すように、時刻Tbでは、遊技媒体が検出されたときの信号ONが第4検知手段S4から出力される。
【0060】
次に、各検知手段S4、S5により検出された結果に基づいて、液体に付加する香り成分を変更する構成について説明する。
制御部30は、検知手段14により検出された結果を受けて、遊技媒体における単位時間当たりの量を求め、増加量としきい値とを比較し、比較結果に基づいて、香り成分が変更されるように液体供給手段20を制御する。
【0061】
制御手段30は、第4検知手段S4によりON信号が出力されたときの時刻Taと、第5検知手段S5によりON信号が出力されたときの時刻Tbとの時間差ΔT´を求める(ΔT=Tb−Ta)。ここで、遊技媒体における単位時間当たりの増加量ΔQ´とすると、ΔQ´は、時間差ΔT´の逆数に比例する(ΔQ´∝1/ΔT´)。
【0062】
制御手段13は、増加量ΔQ´と予め定められたしきい値とを比較する。そして、制御手段13は、増加量ΔQ´が予め定められたしきい値以上であると判断したとき、刺激が比較的に強い香り成分に変更されるように液体供給手段20を制御する。
一方で、制御手段13は、増加量ΔQ´がしきい値未満であると判断したとき、刺激が比較的に弱い香り成分に変更されるように液体供給手段20を制御する。なお、香り成分の変更についての具体例は、検知手段14の一例における時刻T2のときと同様であるため、省略する。
【0063】
(時刻Tc)
時刻Tcにおいて、遊技媒体が検出されたときの信号ONが第5検知手段S5から出力されたとき、時刻Tbのときと同様に、制御手段13は、増加量ΔQ´を求め、これをしきい値と比較し、比較結果に基づいて、液体供給手段20(開閉器26)を制御する。
【0064】
(時刻Td、Te)
時刻Tdにおいて、遊技媒体が検出されなかったときの信号OFFが第5検知手段S5から出力されたとき、また、時刻Teにおいて、遊技媒体が検出されなかったときの信号OFFが第4検知手段S4から出力されたとき、時刻Tbのときと同様に、制御手段13は、増加量ΔQ´を求め、これとしきい値とを比較し、比較結果に基づいて、液体供給手段20(開閉器26)を制御する。なお、時刻Td等では、増加量ΔQ´は、マイナスの値となるため、制御手段13が増加量ΔQ´がしきい値未満であると判断し、液体供給手段20(開閉器26)を制御して、刺激が比較的に弱い液体に変更することは、検知手段14の一例における時刻T5等のときと同様である。
【0065】
以上に、検知手段14について二つの具体例を示したが、これらを揚送研磨装置10にそれぞれ設け、増加量ΔQがしきい値以上であり、かつ、増加量ΔQ´がしきい値以上であると判断したとき、また、いずれもしきい値未満であると判断したとき、制御手段13が液体供給手段20を制御するようにしてもよく、いずれか一方がしきい値以上であると判断したとき、また、いずれか一方がしきい値未満であると判断したとき、制御手段13が液体供給手段20を制御するようにしてもよい。それにより、より確実に防臭効果を奏することが可能となる。
【0066】
以上に、防臭効果を奏する加湿手段11について説明した。
次に、筒体30内の研磨材に汚れが付着するのを防止するために設けられた加湿手段11が組み込まれた揚送研磨装置10について図を参照して説明する。
【0067】
(筒体30)
図2及び
図3に示すように、筒体30は、遊技機島1に立設される。筒体30は、略水平に延ばされた筒軸を有する下端部と、略上方に延ばされた筒軸を有する上端部と、下端部と上端部との間に設けられ、湾曲した筒軸を有する中間部とを有する。
筒体30の下端部には流入口が設けられる。筒体30の上端部には排出口が設けられる。筒体30の流入口には、アウト球が流下するアウト球誘導樋8aが接続される。なお、前述するように、遊技機200で使用されたアウト球には汚れ成分が付着されている。
【0068】
(移送手段40)
図2及び
図3に示すように、移送手段40は、筒体30内に配置される。移送手段40としては、例えば、筒軸にその軸を沿わせるように配置された螺旋体である。移送手段40はモータ42により回転する。
【0069】
移送手段40は、液体供給手段20により湿らせた研磨材とアウト球とを筒体30の内部で混ぜ合わせた状態で上方へ移送することにより、アウト球、研磨材、及び、アウト球から離された汚れを含む汚れ成分を筒体30の排出口から排出させるものである。なお、アウト球が上方へ移送されるとき、香り成分を含む液体により湿らされた研磨材とアウト球とが擦り合うため、香り成分が研磨材からアウト球に移る。
【0070】
移送手段40がモータ42により回転すると、研磨材とアウト球とが回転しながら混ぜ合わさり洗浄される。そのとき、アウト球に付着された汚れ成分が研磨材により離される。離された汚れ成分が研磨材に付着しようとする。
【0071】
研磨材とアウト球とを混ぜ合わせたときに生じる摩擦熱等により、筒体30の内部の湿度は低下し、研磨材が排出口から排出されるまで、研磨材の水分は失われていく。しかし、水分を失っても、最小限の水分を研磨材に残すように、液体供給手段20により研磨材に液体を湿らせているので、汚れ成分が研磨材に付着することがない。すなわち、汚れ成分は、アウト球及び研磨材から離された状態で排出口から排出される。
【0072】
(分離手段50)
次に、分離手段50について、
図2及び
図3を参照して説明する。
分離手段50は、排出された遊技媒体、研磨材、及び汚れ成分をそれぞれ分離するように構成される。分離手段50は、遊技媒体、研磨材、および汚れ成分を分離できれば、どのような手段であってもよい。遊技媒体、研磨材、及び汚れ成分は、それらの大きさや重さが互いに異なることに基づいて、分離される。
【0073】
例えば、
図2及び
図3に示すように、分離手段50は、簀の子51、分別手段52、分離用通路53、研磨材ストック54、および、収集ホース55を有する。簀の子51は、筒体30の排出口を臨むように配置される。
【0074】
簀の子51は、所定幅の隙間を空けて並べられた複数のレールを有する。複数のレールは、レールに沿って遊技媒体を導くと共に、隙間から研磨材及び汚れ成分を落下させるように構成される。
【0075】
分別手段52は、落下する研磨材及び汚れ成分をそれぞれ分けるように構成される。分別手段52の一例として、汚れ成分が研磨材に比べ極めて軽いことに基づいて、汚れ成分を集塵することにより、汚れ成分と研磨材とを分ける。汚れ成分の集塵は、落下する研磨材及び汚れ成分のうちから、汚れ成分のみを吸い込むことにより行われ、また、汚れ成分のみを吹き飛ばすことにより行われる。
図2に汚れ成分を吸い込むタイプの分別手段52を示す。
【0076】
図2に示すように、簀の子51により遊技媒体から分離された研磨材及び汚れ成分は、分離用通路53の入口(
図2では、分離用通路53の上端)に導かれる。分離用通路53と分別手段52との間には、集塵ノズル56が配置される。集塵ノズル56に収集ホース55が接続される。汚れ成分は収集ホース55に吸い込まれ、研磨材のみが研磨材ストック54に導かれる。
【0077】
研磨材と汚れ成分とから分離された遊技媒体は遊技機200に送られ、遊技に用いられる。このときの遊技媒体には、揚送研磨時に研磨材から移った香り成分が付着している。遊技媒体と汚れ成分とから分離された研磨材は、移送手段40に導かれ、アウト球の研磨に用いられる。遊技媒体と研磨材とから分離された汚れ成分は、分別手段52により集塵され、集塵装置57(
図2に番号のみを示す)に貯留され、遊技機200や筒体30に送られないようにされる。
【0078】
(戻し通路60)
次に、戻し通路60について
図2および
図3を参照して説明する。
図2および
図3に示すように、戻し通路60は下方に傾斜して配置される。戻し通路60の上端口は、研磨材ストック54に連通する。戻し通路60の下端口は、移送手段40を臨んで開放される。なお、戻し通路60を分離用通路53及び研磨材ストック54を含むものとして構成してもよい。
【0079】
戻し通路60の中間部には液体供給手段20が設けられる。戻し通路60は、研磨材を分離手段50から液体供給手段20を経由して移送手段40に導くように構成される。
液体供給手段20を経由することにより、移送手段40に導かれる研磨材に必ず、液体を湿らせることができ、湿らせた研磨材により、アウト球を研磨することが可能となる。
【0080】
戻し通路60は研磨材を移送手段40の始端部に導く。その結果、研磨材により遊技媒体を移送手段の始端部から終端部までの長い区間研磨することが可能となり、揚送研磨装置10の研磨能力を向上させることが可能となる。
【0081】
なお、研磨材を導く位置は、移送手段40の始端部に限らず、移送手段40の始端部から終端部までの区間のいずれかの他の部分であってもよい。それにより、戻し通路60や液体供給手段20などを設計するときの自由度を高めることが可能となる。
【0082】
また、戻し通路60は、研磨材を移送手段40の始端部及び前記他の部分(例えば、中間部)に導いてもよい。湿らせた研磨材を始端部ばかりでなく、他の部位に導くことを通して、噴霧される液体として用いられるアルカリ電解水の説明において述べたような浸透、剥離効果、石鹸効果、殺菌効果、及び、防錆効果を高めることが可能となる。
【0083】
以上のように、液体供給手段20が組み込まれた揚送研磨装置10によれば、筒体30内の研磨材に汚れが付着するのを防止することができる。
【0084】
〔液体供給手段20の他の例〕
前記実施形態では、液体を噴霧することにより研磨材を湿らせるように構成された液体供給手段20について説明したが、これに限らない。
【0085】
次に、液体供給手段20の他の例について
図9を参照して説明する。液体供給手段20は、戻し通路60内の研磨材に液体を滴下することにより、研磨材を湿らせるように構成されている。
【0086】
図9は、液体供給手段20の他の例を示す概念図である。
図9に示すように、液体供給手段20は、タンク23、液量センサ24、液量調整手段25、及び、開閉器26を有している。液量調整手段25は、滴下される液体の量を調整するものである。開閉器26は、流路を開閉して、液体が滴下するのを許容/禁止するものである。
【0087】
戻し通路60を通る研磨材のほぼ全部を液体により湿らせるようにするために、液体を滴下する範囲が戻し通路60の所定領域(全幅及び所定長)になるように構成すること、また、滴下される液体としてアルカリ電解水を用いることは、液体を噴霧する上記実施形態と同様である。
【0088】
さらに、液体供給手段20の他の例について
図10を参照して説明する。液体供給手段20の他の例としては、戻し通路60内を加湿状態にすることにより、研磨材を湿らせるように構成されている。
【0089】
図10は、液体供給手段20の他の例を示す概念図である。
図10に示すように、液体供給手段20は、タンク23、液量センサ24、ファン27、及び、超音波発生器28を有している。この液体供給手段20は、超音波発生器28の超音波振動によって液体を細かく破砕し、それをファン27によって吹き出すものである。戻し通路60の壁(底壁及び側壁)には、吹き出された液体の粒を通すための微細穴(図示省略)が設けられている。なお、液体供給手段20としては、超音波発生器28に代えて、ヒータ(図示省略)を設け、液体を加熱することにより発生させた水蒸気をファン27により吹き出させるものでもよい。
【0090】
戻し通路60を通る研磨材の全部を液体により湿らせるように、戻し通路60内を加湿状態にすること、また、加湿状態を作るときの液体としてアルカリ電解水を用いること、さらに、加湿状態を調整する液量調整手段25を設けることは、液体を噴霧する上記実施形態と同様である。
【0091】
以上の実施形態及び変形例において、遊技媒体を研磨する前に研磨材を液体で湿らせておく手段について説明した。
【0092】
次に、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で湿らせる手段の一例について
図11を参照して説明する。
【0093】
図11は、液体供給手段20の他の例を示す概念図である。
図11に示すように、液体供給手段20は、筒体30の内部に液体を噴霧することにより、筒体30の内部を加湿するように構成されている。筒体30の内部に液体を噴霧することにより、筒体30の内部の湿度を上昇させるとともに、筒体30内の研磨材を液体で湿らせることができる。それにより、研磨材に汚れ成分が付着するのを防止することが可能となる。
【0094】
また、遊技媒体と研磨材とを混ぜ合わせたときの摩擦熱等により筒体30内の湿度が低下すると、静電気が発生し易くなって、研磨材や汚れ成分に帯電し、研磨材に汚れ成分が付着しようとするが、筒体30の内部に液体を噴霧することにより、筒体30内の湿度の低下が抑えられ、静電気の発生を抑えることが可能となる。
【0095】
筒体30の始端部(下端部)及び中間部に配置された液体供給手段20を
図11に示す。液体供給手段20の上流側には、筒体30内の湿度に対応する信号を出力する湿度センサ12が配置されている。なお、
図11では、筒体30の始端部及び中間部に液体供給手段20が一つずつ配置されたものを示したが、複数個ずつ(例えば、筒体30の周方向に所定間隔で)配置されてもよい。
【0096】
噴霧する液体としてアルカリ電解水を用いること、また、噴霧する液体の量を調整する液量調整手段25を設けることは、上記実施形態と同様である。
【0097】
なお、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で湿らせる液体供給手段20としては、液体を噴霧するものに限らず、液体を滴下するものであってもよい。
【0098】
図11に示す変形例では、加湿手段11として、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で直接的に湿らせる手段について説明したが、研磨材を液体で間接的に湿らせる手段であってもよい。
【0099】
次に、研磨材を液体で間接的に湿らせる手段の一例として、移送手段40を液体で湿らせる手段について説明する。例えば、移送手段40は保水性を有している。それにより、移送手段40を液体で湿らせることが可能となる。例えば、移送手段40において、揚送時に研磨材と接する面(搬送面)は保水性を有している。搬送面を液体で湿らせておくと、揚送時に研磨材が搬送面と接することにより、研磨材を間接的に液体で湿らせることが可能となる。また、移送手段40を液体で湿らせることにより、筒体30の内部を加湿することができ、静電気の発生をし難くすることが可能となる。
【0100】
移送手段40を湿らせておく液体としてアルカリ電解水を用いること、また、液体の量を調整する液量調整手段25を設けることは、上記実施形態と同様である。
【0101】
前記実施形態では、遊技媒体を研磨する前に研磨材を液体で湿らせる液体供給手段20を示した。また、
図11に示す変形例では、遊技媒体を研磨しているときに研磨材を液体で湿らせる液体供給手段20を示した。これらの液体供給手段20が単独に設けられたものでもよいが、組み合わされたものであってもよい。それにより、研磨材をより適時かつ適所において液体で湿らせることが可能となる。
【0102】
<第2実施形態>
次に、香り成分の濃度を変更するときに、タンク23内の液体に付加される香水の量を変える第2実施形態について
図12を参照して説明する。
図12は、液体供給手段20の概念図である。
【0103】
第2実施形態に係る揚送研磨装置10の基本的な構成は、第1実施形態と同じであるため、その構成を省略し、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0104】
図12に示すように、液体供給手段20は、液量調整手段25a、開閉器26a、カートリッジ23c、および、嵌合部23dを有する。
【0105】
嵌合部23dの底部は中空針を有する。嵌合部23dにカートリッジ23cが嵌め込まれると、中空針がカートリッジ23cに刺さり、カートリッジ23cの内部に連通し、内部に貯留された香水が外部に流出されるように構成される。中空針は液量調整手段25aに通じ、さらに、開閉器26aに通じる。
【0106】
上記の構成において、香り成分の変更は次のように行われる。
制御手段13は、検知手段14により検出された結果を受けて、香水の流量を変えるように液量調整手段25aを制御する。それにより、タンク23内の液体に付加される香水の量が変わり、香りの成分の濃度が変更される。なお、液量調整手段25aを手動で調整してもよい。例えば、制御手段13は、検知手段14により検出された結果を受けて、香り成分を変更すべき旨の報知をする。係員は、この報知に促され、液量調整手段25aを操作することにより香水の流量を調整する。
【0107】
<第3実施形態>
次に、タンク23を切り替えるときに、タンク23自体を交換する第3実施形態について
図13を参照して説明する。
図13は、液体供給手段20の概念図である。
第3実施形態に係る揚送研磨装置10の基本的な構成は、第1実施形態と同じであるため、その構成を省略し、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0108】
図13に示すように、液体供給手段20は、ノズル21、ポンプ22、タンク23、および、格納部23aを有する。タンク23の底部には、取出口と開閉弁29とが設けられる。開閉弁29は、取出口を開閉するように構成される。開閉弁29は、取出口を閉じる方向に付勢される。開閉弁29が付勢される方向は、
図13において下方方向である。
【0109】
格納部23aは、タンク23を収納するように構成される。格納部23aの底部には凸部23bが設けられる。凸部23bは、タンク23が格納部23aに収納されたとき、開閉弁29を付勢力に抗して上方に押し、取出口を開放させるように構成される。格納部23aとポンプ22とが連通される。タンク23内の液体は、開放された取出口から流出し、格納部23aおよびポンプ22を介して、ノズル21から噴霧される。
【0110】
上記の構成において、香り成分の変更は次のように行われる。
制御手段13は、検知手段14により検出された結果を受けて、香り成分が変更されるように液体供給手段20を制御する。たとえば、制御手段13は、香り成分を変更すべき旨の報知をする。係員は、この報知に促され、用いていたタンク23を格納部23aから取出する。このとき、開閉弁29が付勢力により下方に移動し、取出口を閉じる。代えて、新たなタンク23を格納部23aに収納すると、凸部23bが開閉弁29を付勢力に抗して上方に押し、取出口を開放させる。タンク23内の液体が格納部23aおよびポンプ22を介してノズル21から噴霧されることにより、新たなタンク23内の液体を、研磨材の香り付けに用いることができる。
【0111】
なお、複数の格納部23aを設け、各格納部23aにおいて、香り成分の異なる液体が貯留されたタンク23が付け替えられるように構成されてもよい。
【0112】
前記実施形態では、下部タンク7に設けられた光電センサによる検出結果に基づき制御手段13がアウト球の増加量ΔQを求めたが、下部タンク7に貯留された遊技媒体の重量を計測し、計測された重量の単位時間当たりの変化に基づき制御手段13がアウト球の増加量ΔQを求めるようにしてもよい。