【実施例1】
【0021】
以下、本発明に係る前記総称の洗濯機のうち、衣類乾燥機能付き洗濯機1(以下、洗濯乾燥機1という)に基づき、オゾン発生器を備えた本発明の実施例を説明する。
先ず、洗濯乾燥機1の洗濯機能及び乾燥機能について説明する。
図1において、洗濯乾燥機1は、筐体2内に斜めに配置された洗濯水槽3を備え、洗濯水槽3には、洗濯時に水を溜めるための外槽4と、外槽4内に回転自在に収容されたドラム5とが含まれている。ドラム5は、その周側面の全体に亘って外槽4に溜めた水が流通する多数の通水孔5Aが穿設されており、外槽4の後方に備えられたダイレクトドライブモータ6(以下、DDモータ6という)によって回転軸7を中心に回転される。回転軸7は、前方に向かって斜め上方へ延びており、いわゆる斜めドラム構造をしている。ドラム5の前面側の出入口8及び外槽4の前面側の出入口9は、筐体2に取り付けられた円形のドア10によって開閉される。ドア10は、ドラム5の内部を透視できるように、ドラム5の出入口8対応面が透明である。ドア10が開けられ、出入口8、9を通ってドラム5内への衣類(洗濯物)の出し入れがされる。洗濯水槽3はコイルばね及びダンパーを含むサスペンション(図示せず)によって複数個所で筐体2に吊り下げ支持されている。
【0022】
筐体2の正面上部(ドア10の上方)には、操作・表示部13が配置されている。操作・表示部13には、複数の操作キー(図示せず)及び表示器(図示せず)が配列されており、操作キー(図示せず)を操作することで、筐体2内に配置した制御部12(制御手段)の動作に基づき洗濯乾燥機1の運転が制御され、表示器(図示せず)には洗濯乾燥機1の運転状況が表示される。この操作キー(図示せず)によって、自動洗濯コースかお好み洗濯コースの選択、お好み洗濯コースの場合の洗い、すすぎ、脱水、及び乾燥の選択、風呂水汲み上げコースの選択、エアウォッシュの選択、電源ON/OFF、スタート等の操作を行なえるものである。
【0023】
図2に示すように、上水道水管から洗濯乾燥機1へ水を供給する水管を手動にて開閉する水栓16が設けられる。筐体2内には、操作・表示部13の後方領域から外れて、洗濯水槽3の左右の一方側の上部には、開いた水栓16を通して入った水を洗濯乾燥機1の水路へ供給するのを制御するための給水バルブ17と、洗剤容器29を備えた注水口ユニット18と、オゾン(浄化用空気)を発生するオゾン発生装置19(以下、オゾン発生器19という)が設けられている。洗剤容器29は、操作・表示部13の右側または左側となる側方位置にて注水口ユニット18内へ収容されており、筐体2の前面側に位置する蓋11によって、筐体2の前面側(
図1の左方向)へ引き出し可能なる収容状態である。これによって、洗剤容器29への洗剤や柔軟剤の収容は、洗剤容器29を筐体2の前面側へ引き出して行なわれる。
【0024】
筐体2内には、後述する乾燥工程において回転駆動される送風機能のブロア21(浄化用空気消滅手段および送風手段を含む)、及びブロア21により洗濯水槽3内へ循環される空気を加熱する(換言すれば洗濯水槽3内の空気を加熱する)ためのヒータ90(加熱手段)、及びヒータ90で加熱された高温多湿空気中の湿気を除去する除湿機能を有する乾燥風路20を備えた空気循環路41が配置されている。空気循環路41は、循環される空気中に含まれるリント等の異物を捕獲するためのリントフィルタ54を備え、リントフィルタ54は清掃のために取り外し可能である。ヒータ90は、例えば半導体ヒータを用いることができる。なお、リントフィルタ54、ヒータ90及びブロア21は、一つの筐体に収容して一体化したユニット構成とすることができる。
【0025】
風呂水を使用しない洗濯工程では、制御部12により給水バルブ17が制御されて、水栓16から供給される水道水が洗濯水槽3内に溜められる。その際、水が注水口ユニット18内の洗剤容器29(
図2参照)を通過して洗濯水槽3に至るようにすれば、洗剤の解けた水を洗濯水槽3に溜めることができる。洗濯工程(洗い工程及びすすぎ工程)では、DDモータ6によりドラム5が回転される。また、循環ポンプ25の運転によって、洗濯水槽3内の水が排水口42から出て水通路43及び排水バルブ44を通り、更に水通路45からフィルタユニット15を経由して水通路55を通って汲み出され、循環ポンプ25から水通路57を通って洗濯水槽3内へ戻るように循環水路MLが形成され、洗濯水槽3から汲み出された水は、この循環水路MLにて循環される。水通路57の途中にはベンチュリー管58が介在されていて、ベンチュリー管58(気液混合器またはエゼクタともいう)において、水通路57を流れる水にオゾン発生器19で発生するオゾンが混入されるように、ベンチュリー管58の空気流入口60は、エアーチューブ61を介してオゾン発生器19へ接続されている。空気流入口60の上流側には逆流防止弁62が設けられ、水通路57を流れる水がオゾン発生器19へ逆流しないように構成している。
【0026】
このように水にオゾンが混入されると、オゾンの強力な酸化、殺菌作用により水が浄化される。即ち洗濯水槽3内の水は、洗濯工程(洗い工程及びすすぎ工程)において循環水路MLにて循環され、その循環水中にオゾンが混入されることによって浄化されつつ、洗濯に利用される。
【0027】
乾燥工程では、ブロア21の運転によって、洗濯水槽3の空気が吸い出される。即ち、ブロア21の運転によって、ドラム5内の空気は通水孔5Aから流出して外槽4の後面下方から空気通路38を通って洗濯水槽3の空気が吸い出され、この空気は乾燥風路20の下部へ流入し乾燥風路20内を上昇して乾燥風路20の上部から空気通路67Aへ流出し、リントフィルタ54を通過する。リントフィルタ54ではリント等の異物が捕獲された後、異物が除去された空気は空気通路67Bからブロア21へ吸い込まれる。ブロア21へ吸い込まれた空気は、ヒータ90で加熱されて熱風となり、この加熱空気は空気通路68を通って洗濯水槽3の外槽4の上部から洗濯水槽3内へ流入し、通水孔5Aからドラム5内へ流入してドラム5内の衣類等を乾燥させる。この乾燥作用を経てドラム5内の空気は通水孔5Aから流出し、外槽4の後面下方から空気通路38を通って、再び乾燥風路20の下部へ流入し乾燥風路20内を上昇して、上記同様の空気循環を行なう。
【0028】
洗濯水槽3内で乾燥作用を経て乾燥風路20の下部へ流入する空気は高温多湿空気であるため、この除湿を行なうことにより、洗濯水槽3内での乾燥作用を促進させることができる。このため、乾燥風路20内を下部から上部へ向けて高温多湿空気が通過する際に、この高温多湿空気が除湿用水と熱交換することによって除湿される構成としている。このため、後述のように、給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水弁の開成にて、水栓16を通して上水道水が除湿用水として給水路39を通って乾燥風路20の上部から供給され、この除湿用水は、乾燥風路20を上昇する高温多湿空気を冷却し且つ除湿する作用をする。乾燥風路20内で除湿されて乾燥した空気は、リントフィルタ54を通過した後、ブロア21へ流入し、ヒータ90で加熱されて乾燥した熱風となり、この加熱空気は空気通路68を通って洗濯水槽3の外槽4の上部から洗濯水槽3内へ流入し、洗濯水槽3内の衣類等の乾燥に寄与して、上記同様の空気循環をする。またこの除湿用水は、乾燥風路20の内部に設けた泡検知電極40の洗浄並びに乾燥風路20の内壁に付着しようとする異物を洗い流す作用をする。そして乾燥風路20内を下方へ流れ落ちた水は、乾燥風路20の下部から空気通路38を通って洗濯水槽3の外槽4内の下部へ流入し、そこから排水口42、水通路43、第1排水バルブ44、水通路45、フィルタユニット15、排水口152、第2排水バルブ48、第1排水路49、及び外部排水ホース50を通って下水路へ排水される。
【0029】
制御部12(制御手段)は、洗濯乾燥機1の制御中枢であり、マイクロコンピュータで構成されていて、例えば、筐体2の内部正面下方に配置されている。また制御部12には、タイマ(運転時間設定手段)が内蔵されている。制御部12には、DDモータ6、操作・表示部13、給水バルブ17、オゾン発生器19、ブロア21、後述の第1排水バルブ44、水位センサ47、後述の第2排水バルブ48、ヒータ90、及び洗濯水槽3内の空気の温度を検出する温度センサ等が電気的に接続されている。
【0030】
操作・表示部13(
図1参照)において、ユーザが、洗濯工程(洗い工程及びすすぎ工程)や、乾燥工程や、エアウォッシュ運転等を実行させるための操作キー(図示せず)を操作すると、その操作(運転開始信号)に基づいて、制御部12は、制御部12に接続されている各電気部品の作動または駆動を制御して、洗濯工程(洗い工程及びすすぎ工程)や、乾燥工程や、エアウォッシュ運転を実行する。この際、前記タイマが、時間設定したり、経過時間を測定したりする。
【0031】
次に、
図2を参照して、洗濯乾燥機1の水路及び風路を中心とする全体構成について、より詳細に説明をする。
先ず、
図2に基づき、洗濯乾燥機1の水路及び風路の構成について説明する。
図2は、洗濯乾燥機1の水路及び風路を中心とする構成を図解的に示す図である。水栓16は給水バルブ17の流入口に接続されている。給水バルブ17には、第1出口28、第2出口31、第3出口32A、及び第4出口39Aの4つの出口に、それぞれ開閉する給水弁を備え、いずれの出口から水を出すかを切り替える給水弁機構である。給水バルブ17の第1出口28及び第2出口31は注水口ユニット18に接続されている。第1排水バルブ44が閉じており、水栓16が開かれた状態で、給水バルブ17の第1出口28に対応する給水弁の開成にて注水口ユニット18へ供給される水は、洗剤容器29へと流れ、洗剤容器29内に区画された洗剤収容室を経由して給水路30から洗濯水槽3へと流入するようにされている。また、第2出口31に対応する給水弁の開成にて注水口ユニット18へ供給される水は、洗剤容器29内に区画された柔軟剤収容室を通って給水路30から洗濯水槽3へと流れ込むようにされている。
【0032】
また、第3出口32Aに対応する給水弁の開成にて水栓16から供給される水は、給水路32を通って洗濯水槽3の前面に備えられたドア10(
図1参照)の上部からシャワー状にドア10の内面を伝って洗濯水槽3内へ流れ込み、ドア10の内面を洗うように構成されている。また、第4出口39Aに対応する給水弁の開成にて水栓16から供給される除湿用水は、上記のように給水路39を通って乾燥風路20内に供給され、乾燥風路20を上昇する高温多湿空気を冷却し且つ除湿する作用をする。
【0033】
一方、風呂水汲み上げモードが選択された状態にて風呂水ポンプ34が駆動される。風呂水ポンプ34は風呂水吸入用自吸式ポンプであり、自吸式ポンプは風呂水吸入のためには呼び水が必要であり、その呼び水は、循環ポンプ25を含む循環水路MLから呼び水通路33を通して供給する構成である。図示の実施態様では、その呼び水は、循環水路MLのうち、循環ポンプ25の出口から洗濯水槽3の入り口までの水通路57から分岐した呼び水通路33を通して供給する構成である。
【0034】
第1排水バルブ44が閉じている状態において、風呂水ポンプ34が駆動されると、後述のように、呼び水通路33から呼び水が供給され、風呂水ポンプ34によって浴槽35の残り湯が風呂水ホース36を介して汲み上げられ、水路37から直接給水路30を経て洗濯水槽3へと流入する。なお、風呂水ポンプ34にて汲み上げられた残り湯は、水路37から注水口ユニット18へ流入して洗剤容器29の洗剤収容室を通り、給水路30から洗濯水槽3へと供給される構成でもよい。給水路30には、逆流防止弁69が設けられている。
【0035】
洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)において、風呂水を使用しない場合には(水道水給水モードでは)、上記のように、第1排水バルブ44が閉じている状態において、給水バルブ17の第1出口28または第2出口31からの給水によって、洗濯水槽3に水が溜められる。また、洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)において、風呂水を使用する場合は、第1排水バルブ44が閉じている状態において、風呂水ポンプ34の運転によって洗濯水槽3に水が溜められる。洗濯水槽3の底面最下部(より具体的には外槽4の底面最下部)には排水口42が形成されている。排水口42には水通路43を介して第1排水バルブ44の流入口が接続されており、第1排水バルブ44の流出口は水通路45を介してフィルタユニット15の流入口と接続されている。上記のように、第1排水バルブ44が閉じられることにより、洗濯水槽3内に(外槽4内への給水によってドラム5内へも)水を溜めることができる。洗濯水槽3内の水位は、水路43から分岐し上方へ延びたエアーホース46内の圧力変化に基づき、水位センサ47により検知される。水位センサ47の検知により、洗濯水槽3(外槽4)内に所定水位の水が溜められた状態で、制御部12によりDDモータ6によりドラム5が回転されて、所定の洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)が行なわれる。
【0036】
フィルタユニット15は、ケース150を有しており、ケース150内に異物を捕獲するためのフィルタ本体83が備えられている。ケース150には、流入口151と排水口152が形成されており、排水口152には第2排水バルブ48の流入口が接続されており、第2排水バルブ48の流出口は第1排水路49を介して第2排水路を形成する外部排水ホース50と接続されている。これによって、第2排水バルブ48の出口から下流側の排水路が、排水路24を構成する。排水路24の終端部には排水トラップ部51が形成され、下水の臭いが逆流しない構成である。
【0037】
第1排水路49には溢水用水路52の一端(下端)が合流している。溢水用水路52の他端(上端)は外槽4に設けられた溢水口53に連通している。このため、洗濯水槽3に水が溜まり過ぎ、その水位が所定水位以上になった場合は溢水口53から水が溢れ、その水は溢水用水路52から排水路24を通って下水路へと排出される。
【0038】
フィルタユニット15の流出口152には水通路55の一端が接続され、水通路55の他端は循環ポンプ25の吸い込み口に接続されている。循環ポンプ25の吐出口にはベンチュリー管58を介して水通路57の一端が接続されるが、循環ポンプ25とベンチュリー管58の間の水通路57の部分には、洗濯水槽3内に溜められる水の通常の水位よりも高い位置まで上方へ延びたUターン部57Uを形成しており、これによって循環ポンプ25の停止時における洗濯水槽3内(外槽4内)の水が逆流しないトラップ構成である。
【0039】
上記の構成において、風呂水を使用しない水道水洗濯モードが選択された場合について説明する。先ず水道水洗濯モードのうちの水道水供給工程が実行され、第1排水バルブ44が閉じているため、上記のように給水バルブ17の第1出口28または第2出口31からの給水によって、洗濯水槽3に所定水量の水が溜められる。この状態で、第1排水バルブ44が開き、第2排水バルブ48が閉じられた状態で、循環ポンプ25が駆動されることにより、洗濯水槽3内に溜められた水は、排水口42→水通路43→第1排水バルブ44→水通路45→フィルタユニット15の流入口151→ケース150→流出口152→水通路55→循環ポンプ25→水通路57(Uターン部57Uを含む)→洗濯水槽3へと循環され、ドラム5の回転を伴って洗濯水槽3内で衣類の所定の洗濯工程(洗い及び/またはすすぎ工程)が行なわれる。
【0040】
ベンチュリー管58には空気流入口60が備えられていて、空気流入口60にはエアーチューブ61を介してオゾン発生器19が接続されている。ベンチュリー管58を循環ポンプ25からの水が流れるときに、オゾン発生器19が作動される除菌モードにおいて、オゾン発生器19で生成されるオゾンを含む空気(浄化用空気)は、エアーチューブ61を介して空気流入口60からベンチュリー管58内へ流入される。流入原理は、ベンチュリー管58内を流れる水により生じる圧力差(負圧)によって、エアーチューブ61を介してオゾンを含む空気(浄化用空気)が吸引され、循環水路を循環する水にオゾンが混入される。循環される水にオゾンが混入されると、オゾンの強い酸化力および殺菌力によって循環水が浄化され、浄化された水を用いて洗濯水槽3内での洗濯(洗い及び/またはすすぎ)を行うことができる。
【0041】
このように洗濯水槽3内で洗い工程及び/またはすすぎ工程が行なわれた後、給水バルブ17の第1出口28及び第2出口31が閉じ、第1排水バルブ44及び第2排水バルブ48が開かれると、洗濯水槽3内の水は、排水口42、水通路43、第1排水バルブ44、水通路45、フィルタユニット15、排水口152、第2排水バルブ48、第1排水路49、及び外部排水ホース50を通って下水路へ排水される。
【0042】
このように洗い工程及び/またはすすぎ工程が行なわれ排水された後、第1排水バルブ44及び第2排水バルブ48が開かれた状態で、ドラム5の回転を伴って洗濯水槽3内で衣類の脱水工程が行なわれる。乾燥工程が設定されておれば、脱水工程の後、ドラム5内で後述のような衣類の乾燥工程が開始する。
【0043】
また、洗い工程及び/またはすすぎ工程において風呂水を使用する風呂水洗濯モードが選択された場合について説明する。上記のように洗い工程及び/またはすすぎ工程が行なわれた後、洗濯水槽3内で衣類の脱水工程が行なわれた場合は、洗濯水槽3内には次に行なおうとする洗い工程及び/またはすすぎ工程に必要な水は存在しない。この状態で、風呂水ポンプ34が駆動されても呼び水がないため、風呂水ポンプ34による浴槽35の残り湯の汲み上げができない。このため、風呂の残り湯を洗濯水槽へ供給する風呂水洗濯モードが選択され、洗い工程での洗いまたはすすぎ工程でのすすぎを行う場合、この洗い工程での洗いと同時またはこの洗いに先立って、またはすすぎ工程でのすすぎと同時またはこれに先立って、水道水洗濯モードのうちの水道水供給工程を伴う呼び水供給モード(呼び水供給工程である)が実行される。なお、洗い工程での洗いが複数回行われる場合は、その回数ごとにこの洗いと同時またはこの洗いに先立って、呼び水供給モード(呼び水供給工程である)が実行され、また、すすぎ工程でのすすぎが複数回行われる場合、このすすぎに先立って、呼び水供給モード(呼び水供給工程である)が実行される。
【0044】
この呼び水供給モードでは、上記のように水道水管から水栓16を通り、給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水電磁弁が開いて、この第4出口39Aから給水路39を通って乾燥風路20内へ給水され、乾燥風路20内を洗浄しつつ給水路38から洗濯水槽3(外槽4)へと流入し、これが呼び水給水となる。この呼び水給水によって、洗濯水槽3に所定水量の水が溜められる。この所定量は、循環ポンプ25の運転によって風呂水ポンプ34への呼び水供給が可能な最低水量が確保されればよく、水道水供給モードにおける上記のような洗い工程及び/またはすすぎ工程を実行するために必要な水量(例えば30リットル)よりもかなり少ない水量(例えば10リットル)である。この呼び水供給に必要な水位は、水位センサ47により検知され、所定の水位検知によって、制御部12の動作により、給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水電磁弁が閉じ、この給水を停止し、呼び水供給のための水道水供給モードが終わる。
【0045】
この状態で、制御部12の動作により、循環ポンプ25及び風呂水ポンプ34が運転される。循環ポンプ25の運転によって、上記のように洗濯水槽3の水が循環し、風呂水ポンプ34の運転によって、水通路57を流れる循環水の一部は呼び水通路33を通して風呂水ポンプ34に呼び水として吸引され、風呂水ポンプ34によって浴槽35の残り湯が風呂水ホース36を介して汲み上げられ、水路37から給水路30を経て洗濯水槽3へと流入する。この場合、循環ポンプ25及び風呂水ポンプ34が同時スタート運転の場合は、風呂水ポンプ34に呼び水が吸引されるまでには数秒以内の僅かな遅れが生じるが、この程度では風呂水ポンプ34が故障する虞はない。一方、循環ポンプ25を運転した後、所定時間(例えば1〜2秒)遅れて風呂水ポンプ34を運転するようにすれば、水通路57へ水が循環した状態で風呂水ポンプ34が運転される環境が整い、風呂水ポンプ34が運転されたときには、直ちに呼び水通路33から呼び水を供給できるものとなり、好ましい状態である。
【0046】
このようにして風呂水ポンプ34に呼び水が吸引され、風呂水ポンプ34により浴槽35の残り湯が洗濯水槽3へ供給され、洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水位として、水位センサ47により洗濯水槽3内の水位が検知される。水位センサ47の検知により、洗濯水槽3(外槽4)内に所定水位の水が溜められた状態で、制御部12により風呂水ポンプ34が停止し、循環ポンプ25が運転状態においてDDモータ6によりドラム5が回転されて、上記同様の所定の洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)が行なわれる。
【0047】
このような動作の詳細は、
図3に風呂水ポンプ34の運転のフローチャートとして示している。この
図3において、風呂水洗濯モードが選択された場合、風呂水コースがスタート(ステップS1)し、乾燥風路20の洗浄弁である給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水電磁弁を開き(ステップS2)、乾燥風路20を通して給水する。これは呼び水供給モードであり、上記のように水道水管から水栓16を通り、給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水電磁弁が開いて、この第4出口39Aから給水路39を通って乾燥風路20内へ給水され、乾燥風路20内を下方へ流れて給水路38から洗濯水槽3(外槽4)へと流入する。この構成によって、給水バルブ17の第4出口39Aに連通する給水路39は、乾燥風路20内で一旦大気に開放されるため、給水路39と洗濯水槽3(外槽4)との水密的な連通水路は形成されず、洗濯水槽3(外槽4)から給水路39への逆流水路も形成されない。
【0048】
この給水は呼び水給水であり、風呂水ポンプ34の呼び水として必要な最低水量が確保されればよいため、洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水量よりもかなり少ない水量である。例えば洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水量を30リットルとすれば、循環ポンプ25で呼び水を汲み上げる必要があるため、少なくとも洗濯水槽3(外槽4)の排水口42以降の循環ポンプ25の入り口側水路43、45、55に水が充満しておればよいため、10リットル位を供給する。このため水位センサ47により洗濯水槽3内の水位を検知しつつ、設定した所定の呼び水水位(リセット水位と称する)に達したか否かが制御部12にて判定され(ステップS3)、リセット水位に達したときは、制御部12によって給水バルブ17の第4出口39Aに対応する給水電磁弁が閉じ、この呼び水給水を停止し、呼び水供給のための水道水供給モードが終わる。この呼び水給水の終了によって、循環ポンプ25が所定時間(実施例では15秒)運転される(ステップS4)。この所定時間(実施例では15秒)は、風呂水ポンプ34に付随して設けた呼び水貯留タンクへの給水(例えば110cc)の給水時間であり、この時間経過にて循環ポンプ25が停止する(ステップS5)。ここから所定時間(実施例では1〜5秒)経過した後、風呂水ポンプ34が運転され、上記呼び水によって正規の風呂水汲み上げ動作が開始される(ステップS6)。
【0049】
この風呂水ポンプ34の運転によって、洗濯水槽3内の水位が、洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水位か否かが検知され(ステップS7)、水位センサ47により洗濯水槽3内の所定水位が検知されたとき、制御部12により風呂水ポンプ34が停止し(ステップS8)、洗い工程及び/またはすすぎ工程に移行する(ステップS9)。この洗い工程及び/またはすすぎ工程では、循環ポンプ25が運転状態であり、DDモータ6によりドラム5が回転されて、上記同様の所定の洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)が行なわれる。
【0050】
なお、上記ステップS3において、ステップS2における呼び水給水による給水が所定時間(実施例では3分)経過したか否かが判定され(ステップS10)、所定時間(実施例では3分)経過しても、呼び水供給が可能な最低水量に相当する水位(リセット水位と称する)に達しない場合はエラーメモリにその情報が記憶された後(ステップS11)、ステップS4へ移行する。なお、所定の洗い工程及び/またはすすぎ工程を含む所定の運転が終了した時、このエラーメモリに記憶された情報に基づくエラー報知が行なわれる(ステップS18)。
【0051】
また、上記ステップS7において、所定時間(実施例では3分)経過したか否かが判定され(ステップS12)、洗濯水槽3内の水位が、洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水位に達しなかった場合は、エラーメモリにその情報が記憶された後(ステップS13)、風呂水ポンプ34を停止して(ステップ14)水道水給水モードへ移行する(ステップS15)。この水道水給水モードは、上記のように、第1排水バルブ44が閉じている状態において、給水バルブ17の第1出口28または第2出口31からの給水によって、洗濯水槽3に水が溜められる。なお、所定の洗い工程及び/またはすすぎ工程を含む所定の運転が終了した時、ステップS13でエラーメモリに記憶された情報に基づき、エラー報知が行なわれる(ステップS19)。
【0052】
この給水によって、洗濯水槽3内の水位が、洗い工程及び/またはすすぎ工程において必要な水位か否かが検知され(ステップS16)、水位センサ47により洗濯水槽3内の所定水位が検知されたとき、制御部12により給水バルブ17の第1出口28または第2出口31からの給水を停止し、洗い工程及び/またはすすぎ工程に移行する(ステップS9)。この洗い工程及び/またはすすぎ工程では、循環ポンプ25が運転状態であり、DDモータ6によりドラム5が回転されて、上記同様の所定の洗濯工程(洗い工程及び/またはすすぎ工程)が行なわれる。なお、ステップS16において所定時間給水しても所定水位に達しない場合は、給水エラー報知する(ステップS17)。
【0053】
なお、
図3において、ステップS11の後、ステップS6へ移行する工程と、ステップS15へ移行する工程を辿るように構成することができる。
【0054】
上記のように、水栓16から供給される上水道水は、給水バルブ17及び注水口ユニット18を通して洗濯水槽3へと流れ込む水道水供給ルートを通る。注水口ユニット18の洗剤容器29は、洗濯乾燥機1の使用者が洗剤の投入や柔軟剤の投入を行なうために大気に開放された構成であるため、水栓16から洗濯水槽3へ供給される上水道水は、この水道水供給ルートを通る間に注水口ユニット18の部分で一旦大気に開放される。このため、洗濯水槽3の水を循環する循環水路MLに連通した呼び水通路33から呼び水を取り入れる構成であれば、水路37と水栓16との間に形成される水の通路は勿論のこと、呼び水通路33と水栓16との間に形成される水の通路は、注水口ユニット18の部分で連通が途切れる状態となる。
【0055】
このように、風呂水ポンプ34の吐出側である水路37及び呼び水通路33は、水栓16を通る上水道水管に対して注水口ユニット18の部分で連通が途切れるため、風呂水ポンプ34の吐出側である水路37及び呼び水通路33は、水栓16を通る上水道水管との密閉された連通水路はなくなる。このため、何らかの原因によって上水道水管側の水圧が低下しても、それによって風呂水ポンプ34の吐出側である水路37から呼び水通路33へ逆流する現象が生じることはない。また、何らかの原因によって仮に風呂水ポンプ34の吐出側である水路37から呼び水通路33への逆流が生じても、呼び水通路33は注水口ユニット18へ接続されていないため、この逆流水が水栓16を通る上水道水管へ逆流するルートがなく、風呂水ポンプ34から水栓16を通る上水道水管へ風呂水が逆流することは全くない。
【0056】
上記のようにして洗い工程及び/またはすすぎ工程を行なった後、所定の脱水工程及びまたは乾燥工程を経る。なお、上記同様に、オゾン発生器19が作動される除菌モードでは、オゾン発生器19で生成されるオゾンを含む空気(浄化用空気)は、エアーチューブ61を介して空気流入口60からベンチュリー管58内へ流入され、循環水路を循環する水にオゾンが混入される。
【0057】
このように洗濯水槽3内で洗い工程及び/またはすすぎ工程が行なわれた後、給水バルブ17の第1出口28及び第2出口31が閉じ、第1排水バルブ44及び第2排水バルブ48が開かれると、洗濯水槽3内の水は、排水口42、水通路43、第1排水バルブ44、水通路45、フィルタユニット15、排水口152、第2排水バルブ48、第1排水路49、及び外部排水ホース50を通って下水路へ排水される。
【0058】
このように洗い工程及び/またはすすぎ工程が行なわれ排水された後、第1排水バルブ44及び第2排水バルブ48が開かれた状態で、ドラム5の回転を伴って洗濯水槽3内で衣類の脱水工程が行なわれる。乾燥工程が設定されておれば、脱水工程の後、ドラム5内で後述のような衣類の乾燥工程が開始する。
【0059】
洗濯乾燥機1には、制御部12の動作に基づく乾燥工程を実行するために、上記のように空気循環路41を備えている。上記のようにブロア21が、空気循環路41によって洗濯水槽3内の空気を循環させる。乾燥工程ではドラム5が低速回転されて、衣類がドラム5のバッフル73(
図1参照)によって攪拌されるので、ドラム5内での衣類の乾燥が良好に行なわれる。
【0060】
ブロア21には、エアーチューブ71を介してオゾン発生器19が接続されている。このため、乾燥工程において、操作・表示部13によってオゾン発生器19が作動される除菌モードが設定されている場合には、オゾン発生器19が作動し、オゾン発生器19が発生するオゾンを含む浄化用空気はエアーチューブ71を介してブロア21へ吸い込まれ、洗濯水槽3へ循環される空気にオゾンを含む空気を混入することができる。なお、オゾン及びオゾンを含む空気のいずれもが浄化用空気とされる。この浄化用空気によって、乾燥する衣類の消臭や除菌(エアウォッシュ)を行うことができる。このエアウォッシュに関して、浄化用空気(エア)によって、衣類が恰もエアで洗われ、除菌・消臭されるかの如くであるから、本出願人は、浄化用空気を用いて行う衣類の除菌・消臭をエアウォッシュと称している。そして、ブロア21、エアーチューブ71及びオゾン発生器19は、洗濯水槽3へ浄化用空気を供給するための浄化用空気供給手段として機能する。このようなエアウォッシュ運転において、ユーザがドラム5を回転させることを選択している場合には、制御部12が、浄化処理においてDDモータ6を駆動してドラム5を回転させる。これにより、衣類がドラム5のバッフル73(
図1参照)によって攪拌されるので、浄化用空気を衣類に良好に浴びせることができる。
【0061】
また、このようなエアウォッシュ機能(消臭機能)を有する洗濯乾燥機1では、上述した乾燥工程に伴ってエアウォッシュを行うのとは別に、洗濯工程および乾燥工程から独立してエアウォッシュのみを行う運転(エアウォッシュ運転)が実行される。なお、エアウォッシュ運転では、洗濯水槽3内において、上述した衣類に限らず、靴、帽子および鞄などの身の回り品全般の消臭を行うことができる。この場合、ドラム5は回転させない。以下では、説明の便宜上、衣類がエアウォッシュされる場合を想定している。逆流防止弁62及び69は、洗濯水槽3内の洗浄用空気が外部へ漏れることの防止機能を行なう。
【0062】
乾燥工程に伴って作動するエアウォッシュ、または洗濯工程および乾燥工程から独立してエアウォッシュのみを行う運転(エアウォッシュ運転)が実行される場合には、その動作終了直後にドア10を開いた場合、そのオゾンが漏れることを防止する対策として、洗濯水槽3内の空気中に含まれたオゾンを消滅させる消オゾン工程を実行することができる。この消オゾン工程は、ブロア21を回転駆動し、ヒータ90を適宜通電してオゾンが消滅する50℃を超えた空気温度とし、この空気が空気循環路41にて洗濯水槽3へ循環するようにすれば、消オゾン効果が得られる。
【0063】
以上の説明では、自吸式ポンプである風呂水ポンプ34の呼び水は、洗い工程またはすすぎ工程における循環水路MLから供給する構成であるが、これに替わって、風呂水ポンプ34の呼び水は、呼び水通路33を洗濯水槽3の外槽4の底部に接続して、洗濯水槽3に溜まった水、即ち、外槽4の底部に溜まった水を、呼び水ポンプを設けて呼び水として吸引するようにしてもよい。この方式は、循環ポンプ25の他に呼び水ポンプが必要となる点で、若干コストアップとなる。