特許第5997913号(P5997913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5997913電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997913
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置
(51)【国際特許分類】
   A47H 5/02 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
   A47H5/02
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-40808(P2012-40808)
(22)【出願日】2012年2月27日
(65)【公開番号】特開2013-172929(P2013-172929A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2014年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】江上 達也
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 修一
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−129983(JP,U)
【文献】 実開昭62−140611(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00− 99/00
F16B 21/00− 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに移動可能に支持されたランナーに日射遮蔽材を吊下支持し、前記レールの両端に取着される移送装置にそれぞれプーリーを回転可能に支持し、前記プーリー間に無端状のベルトを掛装して該プーリーの回転に基づいて前記レール内で前記ベルトを移送可能とし、前記移送装置のいずれか一方にモーターユニットを取着して前記プーリーを回転駆動し、前記プーリーの回転に基づいて移送される前記ベルトで前記ランナーを前記レールに沿って移送する電動日射遮蔽装置の遮蔽材移送装置において、
前記モーターユニットと前記移送装置にそれぞれ設けられる取付部材には、
互いに嵌合した状態で前記モーターユニットを回動させることにより、該モーターユニットを前記移送装置に吊下支持する吊下手段と、
前記移送装置に前記モーターユニットを吊下支持した状態で、該モーターユニットの回動を付勢手段の付勢力に基づいて係合する係合手段により阻止するストッパー装置とを備え
前記ストッパー装置は、
前記モーターユニットの取付部材に移動可能に支持されるベースボタンと、
前記ベースボタンの先端部に配置され、前記モーターユニットの上端部において露出する操作部と、
前記ベースボタンの先端に配置され、前記移送装置に係合し、前記モーターユニットの回動を阻止する係合突部と
を備えたことを特徴とする電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【請求項2】
前記吊下手段は、
一方の前記取付部材に設けられた係止片と、
他方の前記取付部材に設けられ、前記係止片を挿入した状態で前記モーターユニットを回動可能とした取付孔と、
前記係止片に設けられ、前記モーターユニットの回動に基づいて前記取付孔に係合する突部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【請求項3】
前記ベースボタンは、前記モーターユニットの出力軸に対して直交する方向に移動可能であり、
前記ストッパー装置は、さらに、
前記ベースボタンを付勢するコイルスプリングと、
前記移送装置に設けられ、前記係止片を前記取付孔に挿入して回動したとき、前記係合突部に当接して前記ベースボタンを前記コイルスプリングの付勢力に抗して後退させる押圧部と、
前記移送装置に設けられ、前記突部が前記取付孔に係合したとき、前記コイルスプリングの付勢力に基づいて前進する前記係合突部に係合して、前記モーターユニットの回動を阻止する取付溝と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【請求項4】
前記係合突部には、前記押圧部に当接して前記ベースボタンを後退させる斜面を備えたことを特徴とする請求項3記載の電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【請求項5】
前記係止片と取付孔を、前記移送装置に嵌合されるモーターユニットの出力軸に対し対称状に位置させたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【請求項6】
前記移送装置に設けられ、前記モーターユニットを回動したとき、前記係合突部に当接して前記ベースボタンを後退させる押圧部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モーターの駆動力でカーテン生地あるいは縦型ブラインドのスラット等の日射遮蔽材を移送する電動日射遮蔽装置において、日射遮蔽材を移送するレールにモーターユニットを取着するためのモーターユニット取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動カーテンの一種類として、カーテンレール内に移送用ベルトを移動可能に支持し、カーテンレールの一端に取着されたモーターの駆動力で移送用ベルトを移動させることにより、先頭ランナーを移動させて、カーテン生地の引き出し操作及び畳み込み操作を行うようにしたものがある。
【0003】
カーテンレールの一端にはモーターユニットが取着され、そのモーターユニットの動作によりカーテン生地を吊下支持したランナーがカーテンレール内を移動する。そして、ランナーの移動にともなってカーテン生地がカーテンレールに沿って移送される。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、カーテンレールの端部にモーターユニットを取着するための取付装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭56−10232号公報
【特許文献2】実公平7−13585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなモーターユニットの取付装置では、モーターユニットをカーテンレールに対し容易に取着可能としながら、モーターユニットをカーテンレールに安定して保持可能とすることが望ましい。
【0007】
特許文献1に開示された取付装置では、押片を押しながらモーター軸を差込孔に挿入し、次いで押片の押圧を解除すると、スプリングの付勢力により可動プレートが移動し、掛合爪片と耳板との係合によりケーシングがプーリーカバーに保持される。
【0008】
しかし、掛合爪片と耳板との係合がスプリングの付勢力でのみ保持されるので、スプリングの付勢力が弱いと、掛合爪片と耳板との係合が外れてケーシングが脱落する。一方、スプリングの付勢力を十分に確保すると、押片を押しながらモーター軸を差込孔に挿入する作業が煩雑となる。
【0009】
特許文献2に開示された取付装置では、駆動装置を基台に取着するために、駆動装置の駆動軸を基台の軸孔に嵌合しながら駆動装置を回動し、次いで位置決め装置を上方へスライドして位置決めし、さらにボルトの締め付け作業が必要となる。従って、駆動装置の取付作業及び取り外し作業が煩雑である。
【0010】
この発明の目的は、モーターユニットをレールに容易に取り付け可能としながら、安定して保持し得る電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1では、レールに移動可能に支持されたランナーに日射遮蔽材を吊下支持し、前記レールの両端に取着される移送装置にそれぞれプーリーを回転可能に支持し、前記プーリー間に無端状のベルトを掛装して該プーリーの回転に基づいて前記レール内で前記ベルトを移送可能とし、前記移送装置のいずれか一方にモーターユニットを取着して前記プーリーを回転駆動し、前記プーリーの回転に基づいて移送される前記ベルトで前記ランナーを前記レールに沿って移送する電動日射遮蔽装置の遮蔽材移送装置において、前記モーターユニットと前記移送装置にそれぞれ設けられる取付部材には、互いに嵌合した状態で前記モーターユニットを回動させることにより、該モーターユニットを前記移送装置に吊下支持する吊下手段と、前記移送装置に前記モーターユニットを吊下支持した状態で、該モーターユニットの回動を付勢手段の付勢力に基づいて係合する係合手段により阻止するストッパー装置とを備えた。前記ストッパー装置は、前記モーターユニットの取付部材に移動可能に支持されるベースボタンと、前記ベースボタンの先端部に配置され、前記モーターユニットの上端部において露出する操作部と、前記ベースボタンの先端に配置され、前記移送装置に係合し、前記モーターユニットの回動を阻止する係合突部とを備えた。
【0012】
請求項2では、前記吊下手段は、一方の前記取付部材に設けられた係止片と、他方の前記取付部材に設けられ、前記係止片を挿入した状態で前記モーターユニットを回動可能とした取付孔と、前記係止片に設けられ、前記モーターユニットの回動に基づいて前記取付孔に係合する突部とを備えた。
【0013】
請求項3では、前記ベースボタンは、前記モータユニットの出力軸に対して直交する方向に移動可能であり、前記ストッパー装置は、さらに、前記ベースボタンを付勢するコイルスプリングと、前記移送装置に設けられ、前記係止片を前記取付孔に挿入して回動したとき、前記係合突部に当接して前記ベースボタンを前記コイルスプリングの付勢力に抗して後退させる押圧部と、前記移送装置に設けられ、前記突部が前記取付孔に係合したとき、前記コイルスプリングの付勢力に基づいて前進する前記係合突部に係合して、前記モーターユニットの回動を阻止する取付溝を備えた。
【0014】
請求項4では、前記係合突部には、前記押圧部に当接して前記ベースボタンを後退させる斜面を備えた。
請求項5では、前記係止片と取付孔を、前記移送装置に嵌合されるモーターユニットの出力軸に対し対称状に位置させた。
請求項6では、前記移送装置に設けられ、前記モーターユニットを回動したとき、前記係合突部に当接して前記ベースボタンを後退させる押圧部をさらに備えた。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モーターユニットをレールに容易に取り付け可能としながら、安定して保持し得る電動日射遮蔽装置のモーターユニット取付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電動カーテンを示す正面図である。
図2】移送装置を示す分解斜視図である。
図3】移送装置示す断面図である。
図4】カバーを取り外した状態の移送装置を示す底面図である。
図5】フックを示す斜視図である。
図6】フックの使用状態を示す正面図である。
図7】フックの使用状態を示す平面図である。
図8】移送装置を示す底面図である。
図9】モーターユニットを示す断面図である。
図10】モーターブラケットを示す斜視図である。
図11】モーターユニットを示す平面図である。
図12】ストッパー装置を示す断面図である。
図13】ベースボタンを示す斜視図である。
図14】移送装置を示す底面図である。
図15】モーターユニットの取り付け手順を示す斜視図である。
図16】モーターユニットの取り付け手順を示す斜視図である。
図17】(a)(b)はベースボタンの動作を示す斜視図である。
図18】先頭ランナーを示す正面図である。
図19】先頭ランナーを示す平面図である。
図20】先頭ランナーを示す分解斜視図である。
図21】先頭ランナーを示す側面図である。
図22】先頭ランナーの動作を示す側面図である。
図23】ランナー部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を具体化した電動カーテン(電動日射遮蔽装置)の一実施形態を図面に従って説明する。図1に示す両開き型の電動カーテンは、カーテンレール1の両端部から中央部に向かってカーテン生地(日射遮蔽材)2a,2bが引き出され、あるいはカーテンレール1の中央部から両端部に向かってカーテン生地2a,2bが畳み込まれる。
【0018】
前記カーテンレール1には一対の先頭ランナー3a,3bが移動可能に支持され、先頭ランナー3aとカーテンレール1の右端との間に多数のランナー4aが移動可能に支持されている。また、先頭ランナー3bとカーテンレール1の左端との間に多数のランナー4bが移動可能に支持されている。
【0019】
そして、一方のカーテン生地2aが先頭ランナー3a及びランナー4aに吊下支持され、他方のカーテン生地2bが先頭ランナー3b及びランナー4bに吊下支持されている。
前記カーテンレール1の左右両端には、移送装置5a,5bが取着され、その移送装置5a,5bにはカーテンレール1内を移動する無端状の後記移送用ベルトが掛装されている。また、カーテンレール1の右端側の移送装置5aにはモーターユニット6が吊下支持され、モーターユニット6内に配設されたモーターの駆動力によりカーテンレール1内で移送用ベルトが移動される。
【0020】
そして、モーターの正逆方向の回転により前記先頭ランナー3a,3bがカーテンレール1の中央部に向かって移動し、あるいはカーテンレール1の両端部に移動する。
次に、カーテンレール1の左端側の移送装置5bの具体的構成を図2図8に従って説明する。
【0021】
図2図6及び図8に示すように、移送装置5bのケース7は前後方向(カーテンの前後方向)の幅と高さが、カーテンレール1より若干大きい略長四角形の箱状に形成され、その側面は前後方向にわずかに膨らむ曲面となっている。
【0022】
前記ケース7の基端側には、前記カーテンレール1を嵌合可能とした嵌合口8が設けられている。そして、嵌合口8にカーテンレール1が嵌合され、図4に示すように、ケース7の下面に設けられる取付溝8aに取着される取付具9でケース7がカーテンレール1に固定されている。
【0023】
前記ケース7の下面は、前記取付具9が取着される基端側部分を除いて開口部10で下方に開放されている。前記ケース7の上面中央部には円筒状の軸部11が下方へ突出され、その軸部11の外周面には環状のベアリング12が嵌合されている。
【0024】
前記ベアリング12の外周面には円筒状のプーリー13が嵌合されている。従って、プーリー13はベアリング12を介して軸部11に回転可能に支持されている。前記プーリー13の外周面は歯車状に形成され、その外周面に合成樹脂で形成された移送用ベルト14が掛装される。
【0025】
この移送用ベルト14は前記移送装置5aに取着されるモーターユニットの動作によりカーテンレール1内を移動する無端状のベルトであり、前記プーリー13に噛み合うタイミングベルトで構成されている。従って、プーリー13の回転にともなって移送用ベルト14がカーテンレール1内を移動する。
【0026】
前記ケース7内において、前記プーリー13の周囲には前記嵌合口8に向かって略U字状に延びる案内壁15が形成され、プーリー13に掛装された移送用ベルト14は案内壁15の内側面に沿ってカーテンレール1内に案内される。
【0027】
前記プーリー13の上縁には、プーリー13の歯車部分の最大径よりわずかに大きい直径のフランジ16が形成されている。そして、フランジ16によりプーリー13に掛装された移送用ベルト14のプーリー13の軸方向上方への位置ずれが防止されるようになっている。
【0028】
前記プーリー13の中心部には下方に延びる入力軸17が設けられ、その入力軸17の中心部には四角孔18が設けられている。この移送装置5bでは四角孔18には何も接続されないが、基本的に同一構成となる前記移送装置5aでは、後記するように四角孔18にモーターユニット6の出力軸が嵌合される。また、前記プーリー13の入力軸17の周囲にはプーリー13の回転中心を中心とする円形の突条19が形成されている。この突条19は断面半円形で形成されている。
【0029】
前記プーリー13はケース7の下面にネジ25で固定されるケースプレート20でケース7に保持される。ケースプレート20とプーリー13との間にはスリーブ21が介在されている。
【0030】
前記スリーブ21は前記プーリー13のフランジ16と同一径で略円盤状に形成されるとともに、その中心部に前記プーリー13の入力軸17を嵌挿可能とした筒部22が形成されている。そして、スリーブ21の筒部22に入力軸17を嵌挿するとプーリー13はその突条19の頂点でスリーブ21とほぼ線接触で当接するので、プーリー13とスリーブ21との間の摩擦抵抗が軽減され、プーリー13の回転を妨げないようにしている。
【0031】
前記ケースプレート20は金属板で形成されるとともに、その中央部には前記スリーブ21の筒部22を挿通可能とした透孔23が形成されている。また、透孔23の中心に対し点対称となる位置には一対の取付孔24が形成されている。取付孔24は透孔23の中心に対し同心円となる線分と、透孔23の中心に向かって延びる線分とで区切られる湾曲した透孔として形成されている。
【0032】
この移送装置5bでは取付孔24は使用されないが、前記移送装置5aでは取付孔24に前記モーターユニット6が支持される。
そして、前記ベアリング12、プーリー13、移送用ベルト14及びスリーブ21をケース7内に収容し、ケースプレート20をネジ25でケース7に取着すると、移送用ベルト14が掛装されたプーリー13がケース7内で回転可能に支持される。
【0033】
前記取付具9には、カーテンレール1の端部で移動不能に固定される固定リング26が取着され、常にはカーテン生地2bの上縁後端部が吊下支持されている。
図3及び図4に示すように、前記ケース7の底面先端側に設けられた収容凹部27には2個のフック28が収容凹部27の深さ方向に積層した状態で保持されている。なお、収容凹部27には収容凹部27からの取り外し操作を容易に行うための操作凹部27aが収容凹部27に交差する溝状の凹部として形成されている。
【0034】
前記フック28は合成樹脂で略板状に形成され、図5に示すように、上端から後方にクランク状に延びる掛止め片29が形成されている。また、前記掛止め片29の後面において左右方向中央には、上下方向に延びる突条30が形成されている。
【0035】
前記フック28の下端部には左右両側部が前方に突出されて突出部が形成されるとともに、その突出部の前端が連結されて四角枠状の吊り下げ部31が形成されている。そして、吊り下げ部31にカーテン生地2bの後端部を吊り下げ可能となっている。
【0036】
図7に示すように、前記ケース7の上面先端側の周縁部には、前記フック28の掛止め片29を上方から掛止め可能とした掛止め溝32が形成されている。そして、掛止め片29の突条30に対向する掛止め溝32の側面には、複数の突部33が等間隔に設けられ、各突部33間に突条30を挿入可能となっている。
【0037】
従って、フック28の取付位置は、ケース7の前面から先端側の側面及び後面にかけて10箇所設けられ、その10箇所の中からいずれかを選択してフック28を取付け可能となっている。
【0038】
前記移送装置5a,5bでは、10箇所の取付位置の中から、それぞれ前面及び側面にかけて位置する5箇所の取付位置のいずれかを選択して、フック28が取着される。
そして、フック28を図6及び図7に示すようにケース7に取着し、そのフック28にカーテン生地2bの上縁後端部を吊下支持可能である。従って、フック28の取付け位置を調節することにより、カーテン生地2bの後端部の吊り下げ位置を5段階に調節可能である。
【0039】
前記移送装置5bには2個のフック28が収容されていて、移送装置5bと移送装置5aとに1つずつのフック28を使用してカーテン生地2a,2bの後端部の吊り下げ位置を位置調節可能である。
【0040】
また、図14に示すように、移送装置5bと同様な構成の移送装置5aにも収容凹部27に2個の予備のフック28を収容可能である。
前記移送装置5bには前記開口部10を覆うカバー89が取着され、前記ケースプレート20やフック28を収容した収容凹部27等を覆い隠すようになっている。
【0041】
次に、前記移送装置5aに取着されるモーターユニット6の構成を説明する。
図9に示すように、モーターユニット6は略四角筒状のモーターケース34内に、モーター35と、クラッチ36と、センサー部37と、電源基板38と制御基板39、スイッチ基板40及びモジュラー基板41等が収容されている。
【0042】
そして、モジュラー基板41にケーブルを介して接続される操作スイッチ(図示しない)の操作に基づいて、制御基板39に搭載された制御回路によりモーター35の動作が制御される。
【0043】
前記センサー部37は、モーターケース34の上端部に位置するベース部材43に第一のフレーム44を介して支持され、第一のフレーム44に取着された第二のフレーム45にモーター35が取着されている。
【0044】
また、第二のフレーム45に取着された第三のフレーム46に電源基板38及び制御基板39が取着されている。前記スイッチ基板40は、カーテン生地2a,2bを移送するためにあらかじめ設定された複数の制御モードの中からいずれかのモードを設定する場合に使用される。そして、制御基板39と所定の配線で接続されたスイッチ基板40がユニットキャップ47に取着され、そのユニットキャップ47がモーターケース34の下端に取着されている。
【0045】
前記モーター35の出力軸は前記クラッチ36を介してモーターユニット6の出力軸42に連結され、その出力軸42はベース部材43から上方へ突出されている。この出力軸42は、前記移送装置5aの四角孔18に嵌合可能とした四角軸状に形成されている。
【0046】
前記クラッチ36は、出力軸42に作用する負荷があらかじめ設定された値を超えると、モーター35の出力軸を空回りさせて、モーター35の破損を防止している。
前記ベース部材43の上面には金属板で形成されたモーターブラケット48が取着されている。このモーターブラケット48の中央部には前記出力軸42を挿通可能とした透孔49が形成されている。
【0047】
図10に示すように、前記透孔49の前後両側において、モーターブラケット48の端縁には一対の係止片50が前記透孔49の中心に対し点対称状に形成されている。前記係止片50は、その上端部に互いに反対方向へ水平方向に突出する突部51が延設されている。
【0048】
そして、係止片50は前記出力軸42を移送装置5aの四角孔18に嵌合した状態で前記ケースプレート20の取付孔24に挿入可能とする位置に形成されるとともに、取付孔24に挿入可能とする長さ及び厚さで形成される。
【0049】
従って、このようなモーターユニット6の上端に設けられた係止片50を移送装置5aの取付孔24に嵌挿し、この状態で図15及び図16に示すように、出力軸42を回動支点としてモーターユニット6を一方へ約20度回動させると、係止片50の突部51が取付孔24からケースプレート20の上方に移動して、ケースプレート20の上面に係合する。すると、モーターユニット6が移送装置5aに吊下支持されるようになっている。
【0050】
前記モーターユニット6の一側には、前記係止片50の突部51がケースプレート20の上面に係合している状態で、移送装置5aに対するモーターユニット6の回動を阻止するストッパー装置52が設けられている。
【0051】
ストッパー装置52の具体的構成を説明すると、図11及び図12に示すように、前記ベース部材43の一側にはレール部53が形成され、そのレール部53にベースボタン54がベース部材43の一側に向かって出没可能に支持されている。
【0052】
前記ベースボタン54の基端側には、図13に示すように、前記レール部53に対し相対移動可能に係合する一対の案内片55が設けられ、その案内片55間の溝部内には前記ベース部材43の中央部に向かって突出するスプリング保持軸56が形成されている。
【0053】
前記スプリング保持軸56にはコイルスプリング57の一端部が保持され、そのコイルスプリング57の他端は前記レール部53の先端に当接している。そして、ベースボタン54はレール部53の先端を支点とするコイルスプリング57の付勢力により、その先端がベース部材43の一側から突出する方向に付勢されている。
【0054】
前記ベースボタン54の先端部には、図17に示すように、前記ベース部材43の一側に設けられる開口部43aに露出される操作部58が形成されている。
前記操作部58の先端面は、図17に示すように、ベース部材43の一端側側面に連なるように若干の凸曲面に形成されている。
【0055】
前記ベースボタン54の操作部58の上端部には、ベースボタン54の先端側に突出する係合突部60が形成されている。この係合突部60の前後方向(図11において上下方向)の幅は、図14に示すように、前記移送装置5aのケース7の取付溝8aに係合し得る幅に形成されている。
【0056】
また、前記係合突部60の上面先端側には、ベースボタン54の先端に向かって下る斜面61が形成されている。
このように構成されたモーターユニット6を移送装置5aに取着するには、まず出力軸42を移送装置5aの四角孔18に嵌合しながら、モーターユニット6のモーターブラケット48から突出される係止片50を、移送装置5aの下面に露出される取付孔24に下方から挿入する。
【0057】
すると、図14に示すように、ストッパー装置52のベースボタン54の係合突部60が前記取付溝8aの基端一側に設けられる凹部62a内に位置する状態となる。
この状態から、モーターユニット6を図15に示す状態から図16に示す状態まで回動させると、係止片50の突部51が移送装置5aのケースプレート20の上面に係合して、モーターユニット6が移送装置5aに吊下支持される。
【0058】
同時に、ベースボタン54の係合突部60が押圧部62を乗り越え、図14及び図17(b)に示すように、コイルスプリング57の付勢力により係合突部60が押し出されて取付溝8a内に突出される。
【0059】
この状態では、係合突部60が取付溝8aに係合して、移送装置5aに対するモーターユニット6の回動が阻止され、モーターユニット6が移送装置5aに安定して吊下支持される。
【0060】
モーターユニット6を移送装置5aから取り外すには、図17(a)に示すように、ベースボタン54の先端面を押圧して係合突部60と取付溝8aの係合を解除した状態でモーターユニット6を回動させる。そして、係止片50の突部51を取付孔24から取り出し可能となるまで回動させると、モーターユニット6を移送装置5aから取り外し可能となる。
【0061】
次に、前記先頭ランナー3a,3bの具体的構成を説明する。先頭ランナー3a,3bは同一構成のランナーがカーテンレール1に相対向するように支持されているので、図18に示す先頭ランナー3aについて説明する。
【0062】
図20に示すように、先頭ランナー3aは、金属板で形成される連結板63と、一対のランナー部材64a,64bとランナーアーム65及び一対のベルトジョイント66a,66bとで構成される。
【0063】
ランナー部材64a,64bは、合成樹脂で形成された本体67の前後両側に一対の走行ローラー68がそれぞれ回転可能に支持されている。走行ローラー68の回転軸の方向は、前記カーテンレールに直交する水平方向である。
【0064】
前記走行ローラー68は、図21に示すように、前記カーテンレール1の下辺69上を転動する。また、走行ローラー68の直径はカーテンレール1内の高さ寸法より僅かに小さい寸法で形成されている。
【0065】
前記走行ローラー68の斜め下方において、前記本体67には補助ローラー70が回転可能に支持されている。補助ローラー70の回転軸の方向は鉛直方向であり、その直径は図21に示すように、カーテンレール1の下辺69の開口縁71の間隔より僅かに小さい寸法に設定されている。
【0066】
そして、前記走行ローラー68が下辺69上を転動するとき、補助ローラー70は開口縁71に沿って転動するようになっている。
前記補助ローラー70は、図23に示すように、本体67の上方から補助ローラー70の取付位置に嵌挿されるピン72で本体67に回転可能に支持されている。前記ピン72は直角に屈曲された金属製のピンである。
【0067】
具体的には、前記本体67にはこの先頭ランナー3aの移動方向に沿って一側に突出する支持部73が設けられ、その支持部73に前記走行ローラー68が回転可能に支持されている。
【0068】
前記本体67の上面には、前記ピン72を挿入可能とした組み立て凹部74が開口され、前記補助ローラー70は支持部73の下方において、前記支持部73の突出方向と本体67の前後両側に開口する支持凹部75に配設されている。
【0069】
前記組み立て凹部74の底面及び前記支持凹部75の下面には、補助ローラー70の支持位置で前記ピン72を挿通可能とした支持孔76a,76bが形成されている。
そして、走行ローラー68及び補助ローラー70を本体67に取着するには、まず補助ローラー70を本体67の側方から支持凹部75に挿入した状態で、上方から組み立て凹部74にピン72を挿入し、前記支持孔76aから,補助ローラー70の中心部及び支持孔76bに挿通する。
【0070】
すると、補助ローラー70が支持凹部75内でピン72を介して本体67に回転可能に支持される。ピン72はその水平部72aが組み立て凹部74内に位置して、回動不能に保持される。
【0071】
次いで、支持部73の両側に走行ローラー68を位置させた状態で走行ローラー68の心軸77を走行ローラー68及び本体67に挿通し、心軸77の両端をかしめて走行ローラー68の心軸77からの抜けを防止する。
【0072】
すると、走行ローラー68が本体67に回転可能に支持される。このとき、前記心軸77は前記ピン72の水平部72aの上方に位置し、ピン72の上方への抜けを防止するようになっている。
【0073】
このような組み立て手順で走行ローラー68及び補助ローラー70が本体67に回転可能に支持されるランナー部材64a,64bが組み立てられる。
前記ランナー部材64a,64bの本体67の上面において、前記走行ローラー68が支持される支持部73の反対側端縁に、上方へ突出するガイド突部90がそれざれ形成されている。このガイド突部90は、図21に示すように、前記走行ローラー68の高さと等しい高さとなるように形成されている。
【0074】
前記ランナー部材64a,64bと連結板63とランナーアーム65を組み立てるには、まずランナー部材64a,64bを前記連結板63に上方から嵌合する。具体的には、連結板63の中央部に上方に突出する一対の嵌合片78が形成され、ランナー部材64a,64bの本体67には下方から嵌合片78を嵌合可能とした嵌合孔79が形成されている。
【0075】
そして、嵌合孔79に嵌合片78を嵌合すると、ランナー部材64a,64bが連結板63に保持される。
次いで、本体67の下部に設けられた挿通孔80と、前記ランナーアーム65の基端部に設けられた挿通孔81と、連結板63に設けられたネジ孔82を位置合わせし、ネジ83を挿通孔81から挿通孔80を経て本体67内に位置する連結板63のネジ孔82に螺入して、本体67を貫通させる。
【0076】
すると、ランナー部材64a,64bが連結板63を介してランナーアーム65に固定されて、先頭ランナー3aが形成される。
前記ランナー部材64a,64bの各本体67には前記走行ローラー68の側方に保持孔84が形成され、前記ベルトジョイント66a,66bの取付軸85が嵌合されて保持されるようになっている。ベルトジョイント66a,66bは、取付軸85の先端部にベルト保持部86が設けられている。
【0077】
このベルト保持部86は、取付軸85の先端に設けられた第一の狭着片87と、その第一の狭着片87に着脱可能に嵌着される第二の狭着片88とで前記移送用ベルト14を狭着保持可能である。
【0078】
そして、この先頭ランナー3aのベルトジョイント66a,66bで移送用ベルト14の両端部をそれぞれ保持し、ベルトジョイント66a,66bの取付軸85を本体67の保持孔84に嵌合することにより、無端状の移送用ベルト14が形成される。先頭ランナー3bではベルトジョイント66a,66bで移送用ベルト14の中間部が保持されている。
【0079】
無端状の移送用ベルト14は、カーテンレール1の両端部で移送装置5a,5b内のプーリー13にそれぞれ掛装され、前記モーター35の動作に基づいて移送装置5a,5b間を移送される。
【0080】
このような構成により、モーター35の動作に基づいてカーテンレール1内で移送用ベルト14が移送されると、先頭ランナー3a,3bが互いに近づく方向あるいは互いに遠ざかる方向に移動される。先頭ランナー3a,3bが互いに近づく方向に移送されると、カーテン生地2a,2bがカーテンレール1の中央部に引き出され、先頭ランナー3a,3bが互いに遠ざかる方向に移送されると、カーテン生地2a,2bがカーテンレール1の両端部に向かって畳み込まれる。
【0081】
カーテン生地2a,2bの移送中に、カーテン生地2a,2bから先頭ランナー3a,3bに作用する負荷により、図22に示すように、先頭ランナー3a,3bがカーテンレール1の前後方向に傾くと、補助ローラー70がカーテンレール1の開口縁に当接する。そして、一方の走行ローラー68及びガイド突部90がカーテンレール1の天井面に当接して、本体67の傾きが抑制される。
【0082】
この実施形態では、ランナー部材64a,64bの本体67の中心線と鉛直線との挟み角αが最大2.8度となるように設定されている。
このような動作により、先頭ランナー3a,3bに負荷が作用して本体67が傾いても、補助ローラー70が開口縁71に当接して転動するとともに、走行ローラー68の一方がカーテンレール1の天井面に当接して転動する。
【0083】
また、図19に示すように、カーテンレール1が湾曲していても、先頭ランナー3a,3bは補助ローラー70がカーテンレール1の開口縁71に当接しながら転動する。
従って、先頭ランナー3a,3bは負荷により本体67が傾いても、あるいはカーテンレール1が湾曲していても、先頭ランナー3a,3bはカーテンレール1内を円滑に移動する。
【0084】
また、先頭ランナー3a,3bで、ランナーアーム65の先端に作用するカーテン生地2a,2bの重量が増大すると、先頭ランナー3a,3bで先頭側に位置するランナー部材64aを支点として、後方に位置するランナー部材64bがカーテンレール1の下辺69から浮き上がろうとする。しかし、図18に鎖線で示すように、ランナー部材64bの走行ローラー68はカーテンレール1の天井面に直ちに当接するため、カーテンレール1内を円滑に移動する。
【0085】
このとき、ランナー部材64bの走行ローラー68とともにガイド突部90も天井面に当接するため、ランナー部材64bの浮き上がりが抑制され、ランナーアーム65の傾きが抑制される。
【0086】
上記のように構成された電動カーテン及びそのモーターユニット取付装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)カーテンレール1の両端部に取着された移送装置5a,5b間で移送用ベルト14をカーテンレール1内で移送可能とし、一方の移送装置5aに取着されたモーターユニット6の動作により移送用ベルト14を移送して、先頭ランナー3a,3bを移送することができる。そして、先頭ランナー3a,3bの移動により、カーテン生地2a,2bの引き出し及び畳み込みを行うことができる。
(2)モーターユニット6を移送装置5bに取着するには、モーターユニット6の出力軸42を移送装置5aの四角孔18に嵌挿しながら、モーターユニット6の上面に設けられる係止片50を移送装置5aのケースプレート20に設けられた取付孔24に挿入した状態でモーターユニット6を回動させる。すると、係止片50の突部51が取付孔24の上面に保持されてモーターユニット6が移送装置5aに吊下支持することができるとともに、ストッパー装置52が自動的に作動してモーターユニット6の回動を阻止することができる。従って、モーターユニット6の係止片50を移送装置5aの取付孔24に挿入した状態でモーターユニット6を回動操作するだけで、移送装置5aに取付けることができる。
(3)係止片50の突部51が取付孔24の上面に係合するまでモーターユニット6を回動させると、コイルスプリング57の付勢力によりストッパー装置52を構成するベースボタン54の係合突部60を移送装置5aの取付溝8aに自動的に係合させて、モーターユニット6の回動を阻止することができる。従って、モーターユニット6を安定して吊下支持することができる。
(4)モーターユニット6を移送装置5aに吊下支持した状態では、モーターユニット6作用する回転力に基づいてベースボタン54に作用する力は、コイルスプリング57の付勢方向に直交する方向である。従って、付勢力の小さいコイルスプリング57を使用しても、ストッパー装置52の作動が不用意に解除されることはない。
(5)モーターユニット6を移送装置5aから取り外すには、コイルスプリング57の付勢力に抗して操作部58を押圧する。すると、係合突部60と取付溝8aとの係合が解除されるので、この状態でモーターユニット6を回動させると、モーターユニット6を移送装置5aから取り外すことができる。従って、モーターユニット6を移送装置5aから容易に取り外すことができる。
(6)出力軸42を四角孔18に嵌挿すると、係止片50と取付孔24を容易に位置合わせすることができる。
(7)係止片50を取付孔24に挿入するとき、ベースボタン54の斜面61が移送装置5aの押圧部62に当接してモーターユニット6のベース部材43レール部53に沿って自動的に押し込められる。そして、モーターユニット6を回動させると、ベースボタン54の突部60と押圧部62との係合が解除されて、コイルスプリング57の付勢力によりベースボタン54の係合突部60を移送装置5aの取り付け溝8aに自動的に係合させることができる。
(8)移送装置5a,5bは同一構成であるので、モーターユニット6をカーテンレール1の左端側の移送装置5bに取着することもできる。
(9)カーテンレール1の取付位置が高所である場合に、移送装置5aへのモーターユニット6の取付作業が容易となる。
【0087】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記移送装置を縦型ブラインドのスラットを移送する移送装置として使用してもよい。
・ケースプレート20に係止片を設け、モーターブラケット48に取付孔を設けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…レール(カーテンレール)、2a,2b…日射遮蔽材(カーテン生地)、3a,3b…ランナー(先頭ランナー)、5a,5b…移送装置、6…モーターユニット、8a…係合手段(取付溝)、13…プーリー、14…ベルト(移送用ベルト)、20…取付部材(ケースプレート)、24…吊下手段(取付孔)、48…取付部材(モーターブラケット)、50…吊下手段(係止片)、51…突部、52…ストッパー装置、54…ベースボタン、57…付勢手段(コイルスプリング)、60…係合手段(係合突部)、61…斜面、62…押圧部。
図1
図2
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