(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、前記表示部の表示領域と重畳して配置され、前記表示領域に対するタッチ動作を検出するタッチパネルとを備えたコンピューターに、
前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に複数の仮想キーを表示させるステップと、
前記仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第二の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作と当該第一の選択操作の次に行われた第二から第四の選択操作の何れかとに対応する文字を入力文字として決定するステップと、
を実行させる文字入力方法。
前記第一の選択操作後、タッチ位置が前記湾曲線と交差する方向に移動されたことを検出した場合、前記第一の選択操作を取り消す請求項1又は2に記載の文字入力方法。
キャリブレーション時に操作者の指を前記表示領域にタッチさせた状態で移動させ、当該タッチ位置の移動軌跡に基づいて前記湾曲線を設定する請求項1から3の何れか1項に記載の文字入力方法。
前記表示領域の縁から遠い湾曲線状の仮想キーに50音配列の各行を割り当て、前記行を割り当てた仮想キーよりも前記表示領域の縁に近い湾曲線状の仮想キーに、拗音、促音、句点、読点、濁点、半濁点、長音、又は「ん」の文字を割り当てた請求項5に記載の文字入力方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図14に示すように、一方の手で文字入力装置を持ち、他方の手で入力を行った場合、入力の際に両手が塞がってしまうという問題があった。
【0008】
一方、
図15に示すように、文字入力装置を片手で保持しつつ、親指で文字の選択を行うことも考えられる。しかし、この場合、親指以外の指や手のひらは文字入力装置を保持するために動かすことができず、おのずと親指の操作可能範囲も制限されてしまう。特に手が小さい場合、片手では、一部の仮想キーに届かず、操作出来ないこともあった。
【0009】
また、
図15に示すように片手で文字入力装置を持った場合の親指の先の移動軌跡92は、手根中手関節を中心とした円弧状となるため、
図15のように縦横に配列された仮想キーは、操作し難いという問題があった。特に、縦横へのフリックは、親指の関節の動きと異なるものであり、片手でのフリック入力は困難であった。
【0010】
そこで、本発明は、文字入力装置を片手で保持した際の文字入力を容易にする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の文字入力方法は、
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、前記表示部の表示領域と重畳して配置され、前記表示領域に対するタッチ動作を検出するタッチパネルとを備えたコンピューターが、
前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に複数の仮想キーを表示させるステップと、
前記仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第二の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定するステップと、
前記第一から第四の選択操作と対応する文字を入力文字として決定するステップと、
を実行する。
【0012】
また、本発明の文字入力装置は、
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、
前記表示部の表示領域と重畳して配置され、前記表示領域に対するタッチ動作を検出するタッチパネルと、
前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に仮想キーを表示させる表示制御部と、
前記仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定する第一判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第二の選択操作として判定する第二判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定する第三判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定する第四判定部と、
前記第一から第四の選択操作と対応する文字を入力文字として決定する文字決定部と、を備える。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明は上記文字入力方法をコンピューターに実行させるための文字入力プログラムであっても良い。更に、本発明は、この文字入力プログラ
ムをコンピューターが読み取り可能な記録媒体に記録したものでも良い。コンピューターに、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0014】
ここで、コンピューターが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピューターから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体の内コンピューターから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0015】
また、コンピューターに固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、文字入力装置を片手で保持した際の文字入力を容易にする技術を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下の実施の形態は例示であり、本発明は実施の形態の構成に限定されない。
【0019】
〈実施形態1〉
1.文字入力の概要
図1は、本実施形態に係る仮想キーボード(ソフトウェアキーボード)の表示例を示す図、
図2は、文字入力装置1を片手で保持した状態を示す図、
図3は、本実施形態の文字入力方法の説明図である。
【0020】
本発明の文字入力方法を採用したコンピューター(文字入力装置)1は、タッチパネルディスプレイ10を備え、
図1に示すように扇型の仮想キーボードを表示する。
【0021】
ユーザは、
図2に示すように本実施形態の文字入力装置1を片手で保持し、親指41で入力操作を行う。仮名の入力を行う場合に、先ず入力する文字の行が割り当てられた仮想キーを選択すると(
図3では、た行を選択)、
図3に示すように補助仮想キー30が表示
され、左右へフリックすることにより、い段からお段の文字が入力される。即ち、た行の仮想キーをタッチした位置から右隣りのい段の文字32へ移動(フリック)して親指41を離すと、た行い段の”ち”が入力される。た行の仮想キーをタッチした位置から右のう段の文字33以降へ大きく移動(フリック)して親指41を離すと、た行う段の”つ”が入力される。また、た行の仮想キーをタッチした位置から左隣りのえ段の文字34へ移動(フリック)して親指41を離すと、た行え段の”て”が入力される。た行の仮想キーをタッチした位置から右のお段の文字35以降へ大きく移動(フリック)して親指41を離すと、た行お段の”と”が入力される。
【0022】
このように、本実施形態の文字入力装置1は、フリックする方向を親指の手根中手関節42を中心とした円弧状としたため、文字入力装置1を片手で保持した状態でも人間工学的に無理が無く、親指で容易に文字入力を行うことができる。
また、仮想キーを選択後、親指の手根中手関節42を中心とした円弧と交差する方向に移動(フリック)することで、文字入力をキャンセルしても良い。例えば仮想キーを選択後に間違いに気づいた場合、
図3の例でた行を選択したものの、さ行を選択すべきであった場合、そのまま親指41を離すと“た”が入力されてしまうが、円弧と交差する方向に移動(フリック)することで、仮想キーの選択が無かったものとし、た行の文字が入力されずに、仮想キーの選択をやり直すことができる。
これにより、親指41を人間工学的に無理の無い方向に動かした場合には文字を入力し、この無理の無い方向に逆らって動かした場合には文字入力をキャンセルするという法則性を持たせることができ、わかり易い文字入力を実現できる
【0023】
2.文字入力装置の構成
図4は、本実施形態における文字入力装置1の概略構成図である。
図4に示すように、文字入力装置1は、本体内にCPU(central processing unit)やメインメモリ等より
なる演算処理部16、演算処理の為のデータやソフトウェアを記憶した記憶部(フラッシュメモリ)17、入出力ポート14、通信制御部(CCU:Communication Control Unit)15等を備えたコンピューターである。特に本実施形態の文字入力装置1は、片手で保持できる装置であって、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC、電子書籍リーダー、携帯型ゲーム機である。
【0024】
該入出力ポート14には、操作ボタンや、記憶媒体(メモリカード等)の読み取り装置、タッチパネル等の入力デバイス(入力手段)、そしてディスプレイ(表示部)や記憶媒体の書き込み装置、スピーカ等の出力デバイス(出力手段)が適宜接続される。
【0025】
タッチパネルは、ディスプレイの表示面上に重畳された透明のパネルであり、タッチパネルディスプレイ10は、このタッチパネルとディスプレイとを備えている。ディスプレイに仮想キーボードが表示され、ユーザがこの仮想キーの表示位置に触れて入力操作を行うと、タッチパネルがこの触れた位置の情報を検出し、操作信号として演算処理部16に入力する。例えば、ユーザが指で手書き入力を行うと、タッチパネルは、この指で触れた位置の情報を検出し、演算処理部16はこの位置情報に基づいて選択された仮想キーを認識する。
【0026】
例えば、抵抗膜方式のタッチパネルであれば、一対の透明な抵抗膜を所定の間隔を空けて対向配置し、一方の抵抗膜の所定方向に電圧を印加する。そして、ユーザが指やスタイラス等で触れた場合に、触れた箇所の抵抗膜が押され、対向配置した一対の抵抗膜が接触して導通する。このとき抵抗膜の接触位置によって、電流の流路となる抵抗膜上の距離が変化するので、導通した抵抗膜間の抵抗値が、この抵抗膜上の距離に応じたものとなり、接触位置に応じた電圧値が抵抗膜間に生じることになる。そこで、電圧を印加する方向を縦位置と横位置に切替えて抵抗膜間の電圧値を測定することにより、接触箇所の縦位置(
y方向の位置)と横位置(y方向の位置)、即ち座標データが検出できる。
【0027】
また、投影型静電容量方式のタッチパネルであれば、絶縁性の平板の裏側に縦位置検出用の電極と横位置検出用の電極をマトリクス状に配置する。そして、ユーザが指や導電性のスタイラスでタッチパネルに触れると、この指やスタイラスが誘電体となり、接触箇所の電極の静電容量が変化する。そこで、縦位置検出用の電極のうち、何れの電極の静電容量が変化したかによって、接触箇所の縦位置(y方向の位置)を検出し、横位置検出用の電極のうち、何れの電極の静電容量が変化したかによって、接触箇所の横位置(y方向の位置)を検出することにより座標データが検出できる。なお、隣接する電極間で、静電容量の変化によって生じる電流の比率を求めることによって、更に詳細な位置を検出することもできる。
【0028】
なお、タッチパネルは、上記抵抗膜方式や静電容量方式に限らず、タッチ動作やフリック動作がデータとして取得できるものであれば良い。
【0029】
CCU15は、ネットワークを介して他のコンピューターとの通信を制御するものである。
【0030】
記憶部17には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト(文字入力プログラム)等がインストールされている。また、記憶部17は、入力した文書や仮想キーと入力文字との割り当てなどのデータを記憶している。
【0031】
演算処理部16は、前記OSやアプリケーションプログラムを記憶部17から適宜読み出して実行し、入出力ポート14やCCU15から入力された情報、及び記憶部17から読み出した情報を演算処理することにより、表示制御部、第一判定部、第二判定部、第三判定部、第四判定部、第五判定部、文字決定部、出力制御部としても機能する。
【0032】
表示制御部としては、前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に仮想キーを表示させる。例えば
図1では、あ行、か行、さ行、た行を割り当てた仮想キーを湾曲線状に配列している。また、
図1では、この湾曲線状の配列を複数列設けている。例えば、な行、は行、ま行、や行を割り当てた仮想キーや、ら行、わ行、拗音、促音を割り当てた仮想キーを列設している。更に最外周には、入力する文字種を変更するための仮名キー22、英字キー23、数字キー24を配している。
【0033】
なお、仮想キーボード21を構成する各仮想キーの配置は、後述のキャリブレーションによってカスタマイズ可能であり、カスタマイズした各仮想キーの配置を示すパラメータは、記憶部17に記憶させる。
【0034】
第一判定部としては、仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定する。第一の選択操作は、例えば仮名を入力する場合、あ行、か行、さ行など、行を選択する操作である。なお、本実施形態において、タッチ動作とは、仮想キーに対する操作を行うため、ユーザの指がタッチパネルディスプレイ10の表示出力側の最外面に触れる動作のことであるが、ユーザの指が厳密に接触していなくても、仮想キーに対する操作をタッチパネルで検出できる動作であれば良い。例えば、保護フィルム等の他の材料を介して操作を行う場合や、手袋等をはめて操作を行う場合であっても、仮想キーの選択や、フリックした際の移動量、移動方向、移動速度等が検出できれば良い。
【0035】
第二判定部としては、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、
第二の選択操作として判定する。第二の選択操作は、仮想キーに表記されている文字(第一層の文字)の入力を選択する操作である。例えば仮名を入力する場合、あ段の文字の入力を選択する操作である。また、第一層の文字は、フリック(タッチ位置の移動)せずに入力が可能なので、入力頻度の高い文字を第一層に設定しても良い。
図1では、”っ””ゃ””ん”読点、句点が、入力頻度が高いために第一層に設定した文字である。
【0036】
第三判定部としては、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定する。第三の選択操作は、第二層の文字の入力を選択する操作である。例えば、仮名を入力する場合、い段又はえ段の文字の入力を選択する操作である。なお、い段の文字の入力か、え段の文字の入力かは、フリックの方向によって決定される。
【0037】
第四判定部としては、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定する。第四の選択操作は、第三層の文字の入力を選択する操作である。例えば、仮名を入力する場合、う段又はお段の文字の入力を選択する操作である。なお、う段の文字の入力か、お段の文字の入力かは、フリックの方向によって決定される。
【0038】
第五判定部としては、第一の選択操作後、タッチ位置が前記湾曲線と交差する方向に移動(フリック)してタッチ動作が解消されたか否かによって、キャンセル動作が行われたか否かを判定し、キャンセル動作が行われた場合、前記第一の選択操作を取り消す。
図9は本実施形態におけるフリックの方向の説明図である。
図9(A)に示すように、ユーザが文字入力装置1を片手で把持し、親指41を動かして画面に触れて入力を行う場合、手根中手関節を中心として親指41を動かすのが人間工学的に最も自然な動きである。このときの指先の軌跡は略円弧状の湾曲線51のようになる。このため本実施形態では、ソフトウェアキーの配列方向や文字入力時のフリックの方向を当該湾曲線方向としている。例えば第一の選択操作でキー52を選択した後、手根中手関節の位置42から第一の選択操作で選択したキー52に向かって右方向(第一方向)或いは左方向(第二方向)にフリックすることで文字入力を行う。また、この湾曲線51と直交する方向、即ち手根中手関節の位置42から第一の選択操作で選択したキー52を見て手前方向(第三方向)或いは遠い方向(第四方向)にフリックすることで、キャンセルや変換等、文字入力以外の動作を行う。
なお、
図9(A)は、右手で入力した場合の例である。
図9(B)が左手で入力する場合の例である。右手で入力するのか、左手で入力するのかは、後述のキャリブレーション時等に設定する。
【0039】
文字決定部としては、第一から第四の選択操作と対応する文字を入力文字として決定する。
【0040】
出力制御部としては、文字決定部で決定された入力文字を後段の処理部へ出力する。
図1の例では、表示部の入力欄25に表示出力させている。なお、入力文字の出力は、表示に限らず、印刷出力や、他の装置への送信、記憶媒体への書き込みなどであっても良い。
【0041】
3.文字入力方法
図5は、上記構成の文字入力装置が、文字入力プログラムに従って実行する文字入力方法の説明図である。
【0042】
先ず、ユーザによってアプリの起動が指示されると、表示制御部は、記憶部17から仮
想キーの配置を示すパラメータを読み出し、当該パラメータに基づいて前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に複数の仮想キーを表示させる(ステップS10)。
【0043】
第一判定部は、仮想キーに対するタッチ動作が行われたか否かを判定し(ステップS2
0)、タッチ動作が行われていなければ(ステップS20,No)、タッチ動作が行われる
まで繰り返し判定する。
【0044】
一方、タッチ動作が開始されたことをタッチパネルで検出した場合、第一判定部は、第一の選択操作として判定し(ステップS20,Yes)、何れの仮想キーが選択(タッチ)されたのかを文字決定部に伝え、表示制御部は、
図3に示すように補助仮想キー30を表示させる(ステップS25)。
【0045】
第二判定部は、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されか否か、即ちフリックではなく、タップであるか否かを検出する(ステップS30)。タップが行われたことを前記タッチパネルで検出した場合、第二判定部は、第二の選択操作として判定し(ステップS30,Yes)、ステップS70へ移行する。タップが行われていないと判定した場合(ステップS30,No)、ステップS40へ移行する。ここで、所定領域は、各仮想キーを表示している領域と同じであっても良いし、仮想キーよりも狭い領域であっても良い。この所定領域を小さく設定すれば、僅かな移動であっても敏感に検出することができる。また、この所定領域を仮想キーの表示領域と同じとすることで、フリックとタップの境界を視覚的に示すことができる。
【0046】
第三判定部は、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内、例えば
図3の補助仮想キー30のい段の文字32又はえ段の文字34の表示領域内へ移動して、指が離れた(タッチ動作が解消した)か否かを判定する(ステップS40)。補助仮想キー30のい段の文字32又はえ段の文字34への移動(フリック)が行われたことを前記タッチパネルで検出した場合、第三判定部は、第三の選択操作として判定し(ステップS40,Y
es)、ステップS70へ移行する。一方、い段の文字32又はえ段の文字34へのフリ
ックが行われていないと判定した場合(ステップS40,No)、ステップS50へ移行する。
【0047】
第四判定部は、第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外、例えば
図3の補助仮想キー30のう段の文字33又はお段の文字35の表示領域以降に移動して、指が離れた(タッチ動作が解消した)か否かを判定する(ステップS50)。補助仮想キー30のう段の文字33又はお段の文字35以降への移動(フリック)が行われたことを前記タッチパネルで検出した場合、第四判定部は、第四の選択操作として判定し(ステップ
S50,Yes)、ステップS70へ移行する。一方、う段の文字33又はお段の文字3
5へのフリックが行われていないと判定した場合(ステップS50,No)、ステップS60へ移行する。
【0048】
第五判定部は、第一の選択操作後、タッチ位置が前記湾曲線と交差する方向に移動してタッチ動作が解消されたか否かを判定する(ステップS60)。例えば、タッチ位置を円弧状に並ぶ仮想キー或いは補助仮想キー30から外れた位置へ移動して指を離した(タッチ動作を解消した)場合、キャンセル動作が行われたものと判定し(ステップS60,Ye
s)、ステップS20へ戻ることで前記第一の選択操作を取り消す。キャンセル動作が行
われていない場合には(ステップS60,No)、ステップS30へ戻り、上記判定(S30〜S60)を繰り返す。即ち第五判定部は、タッチ操作後、間違いに気づいた場合に文
字入力をキャンセルできるようにしている。例えばステップS60が無い場合、タッチ操作を行ってステップS25に進んだ場合、ステップS30−S50で、あ段からお段のいずれかの文字を選択して入力することになる。しかし、タッチ動作で仮想キーを選択した後に間違いに気づくこともある。例えば
図3の例でた行を選択したものの、さ行を選択すべきであった場合、そのまま親指41を離すとステップS30でYesと判定されて“た”が入力され、フリックするとステップS30−S40でYesと判定されて“ち”〜“と”の何れかの文字が入力されてしまう。このため、円弧と交差する方向に移動(フリック)された場合、ステップS60でタッチ操作(S20)が無かったものとして、た行の文字が入力されず、仮想キーの選択をやり直せるようにしている。
【0049】
一方、ステップS30,ステップS40,ステップS50で、前記第二から第四の選択操作が行われた場合、文字決定部は、当該選択操作の結果と対応する文字を入力文字として決定する(ステップS70)。即ち、第二の選択操作が行われた場合、第一の選択操作で選択された行のあ段の文字を入力文字として決定する。また、右方向にフリックされて第三の選択操作が行われた場合、第一の選択操作で選択された行のい段の文字を入力文字とし、左方向にフリックされて第三の選択操作が行われた場合、第一の選択操作で選択された行のえ段の文字を入力文字として決定する。更に、右方向にフリックされて第四の選択操作が行われた場合、第一の選択操作で選択された行のう段の文字を入力文字とし、左方向にフリックされて第四の選択操作が行われた場合、第一の選択操作で選択された行のお段の文字を入力文字として決定する。
【0050】
出力制御部は、文字決定部で決定された入力文字を後段の処理部へ出力する(ステップ
S80)。例えば、
図1に示すように、表示部の入力欄25に表示出力させる。
【0051】
なお、
図5の例では、第一の選択操作が行われた場合に、補助仮想キー30を表示させたが、必ずしも表示させる必要は無い。例えば、第一の選択操作が行われた後、直ちに補助仮想キー30を表示させるのではなく、所定時間(例えば数秒)待ってから表示することとし、この間に第二乃至第五の選択操作が行われた場合には、補助仮想キー30の表示(ステップS25)を省略しても良い。
【0052】
4.キャリブレーション方法
前記仮想キーボード21の仮想キーの配列は、ユーザの指の可動範囲に応じてカスタマイズ可能である。
図6はキャリブレーション方法の流れを説明する図、
図7,
図8はキャリブレーション時の説明図である。
【0053】
ユーザがキャリブレーションの開始を指示すると、文字入力装置1のキャリブレーション部は、
図7に示すように、「最も遠い位置に円弧を繰り返し描いて下さい」といったメッセージを表示させ、ユーザが文字入力装置1を把持した際の親指の手根中手関節を起点とした入力範囲の上限(遠い側の限度)を決める第一のラインの入力を促す(ステップS
100)。
【0054】
メッセージに従ってユーザが入力を開始すると、キャリブレーション部は、親指41による接触位置の位置情報を所定周期で取得すると共に、この接触位置を繋ぐ線を描画して親指41の移動軌跡を表示する(ステップS110)。
【0055】
前記入力を所定時間或いは移動軌跡が所定の長さに達するまで行い、入力が完了した場合(ステップS120)、取得した位置情報から平滑線を求めて上限ラインとする(ステッ
プS130)。
【0056】
次に、
図8に示すように「最も近い位置に円弧を繰り返し描いて下さい」といったメッ
セージを表示させ、親指の手根中手関節を起点とした入力範囲の下限(近い側の限度)を決める第二のラインの入力を促す(ステップS140)。メッセージに従ってユーザが入力を行うと、キャリブレーション部は、親指41による接触位置の位置情報を所定周期で取得すると共に、この接触位置を繋ぐ線を描画して親指41の移動軌跡を表示する(ステッ
プS150)。
【0057】
前記入力を所定時間或いは移動軌跡が所定の長さに達するまで行い、入力が完了した場合(ステップS160)、取得した位置情報から平滑線を求めて下限ラインとする(ステッ
プS170)。
【0058】
キャリブレーション部は、前記上限ラインから下限ラインの間を入力文字種に応じた所定値で分割して各仮想キーを配列する位置を求め(ステップS180)、この位置に基づいて各仮想キーを配置すると共に、この位置をパラメータとして記憶部17に記憶する(ス
テップS190)。例えば、
図2示す仮名の仮想キーボード21であれば、上限ラインか
ら下限ラインの空間を5分割し、湾曲線状に5列の仮想キーを配置する。
【0059】
5.実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、円弧状にフリックすることで入力文字を選択できるので、人間工学的に無理が無く、容易に片手でフリック入力を行うことができる。
【0060】
また、ユーザの手の大きさや、文字入力装置の持ち方、爪の長さ、関節の動きなど、種々の条件によりユーザ毎に指の可動範囲が異なっていても、キャリブレーションにより、ユーザの指の可動範囲に合わせて仮想キーを配置するので、それぞれのユーザにとって無理の無い文字入力を行うことができる。
【0061】
更に、従来の文字入力方法では、一度文字の選択を開始すると、必ず何らかの文字が入力されるので、選択の途中で間違ったことに気づいても間違った文字を入力することになってしまうが、本実施形態では、湾曲線と異なる方向にフリックすることで入力を取り消すことができる。
【0062】
〈変形例1〉
図10は、変換キーを入力キーの両サイドに設けた例を示す図である。本変形例1では、
図10に示すように変換キー27を入力キーを挟んで湾曲線51方向の左右に設けている。このように本変形例によれば、第三の選択操作或いは第四の選択操作によって親指をフリックした際、右方向或いは左方向のどちらであっても、その先に変換キー27が配置してあるので、スムーズに変換キー27を選択できる。
〈変形例2〉
図11は、変換候補の選択領域を湾曲線上に複数設けた例である。本変形例2では、
図11に示すように、予測変換を行った際の変換候補を表示する場合に、入力キーが配列された湾曲線51状に複数の選択領域28を配置している。
このように本変形例2によれば、変換候補についても親指を円弧状に動かして選択でき、統一感のある入力操作を実現できる。
〈変形例3〉
上述の実施形態では、主に右手で入力を行う例を示したが、
図12は左手で文字入力装置を把持して入力を行う例を示す。なお、前述の右手入力と左手入力は、表示が左右対称に変わるだけで、その他の構成は同じである。
右手入力とするか、左手入力とするかは、例えば予めユーザが文字入力装置1に設定情報として入力して記憶させ、文字入力装置1がこの設定に従って表示を行う構成とする。
また、右手入力とするか、左手入力とするかは、キャリブレーション時に、第一のラインが第二のラインより左にあれば右手入力、第一のラインが第二のラインより右にあれば
左手入力と判定しても良い。
なお、前述の実施形態及び変形例では、ひらがなの入力について示したが、英数字の入力に適用しても良い。例えば
図3の英字キー23や数字キー24を押すことで英字の仮想キーボードや数字の仮想キーボードを表示し、英数字を入力しても良い。
〈その他〉
本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0063】
例えば、以下に付記した構成であっても上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、これらの構成要素は可能な限り組み合わせることができる。
【0064】
(付記1)
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、前記表示部の表示領域と重畳して配置され、前記表示領域に対するタッチ動作を検出するタッチパネルとを備えたコンピューターに、
前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に複数の仮想キーを表示させるステップと、
前記仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第二の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定するステップと、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定するステップと、
前記第一から第四の選択操作と対応する文字を入力文字として決定するステップと、
を実行させる文字入力方法。
【0065】
(付記2)
前記複数の仮想キーに50音配列の各行が割り当てられ、前記第一の選択操作によって選択された文字の行を特定し、
前記第一の選択操作後、第二の選択操作が行われた場合、前記行のあの段の文字を入力文字として決定し、
前記第一の選択操作後、タッチ位置が、前記湾曲線上の第一方向(右方向)へ移動して第三の選択操作が行われた場合、前記湾曲線上の第一方向(右方向)へ移動して第四の選択操作が行われた場合、前記湾曲線上の第二方向(左方向)へ移動して第三の選択操作が行われた場合、又は前記湾曲線上の第二方向(左方向)へ移動して第四の選択操作が行われた場合、前記行のいの段からおの段のうち、予め割り当てられた段の文字を入力文字として決定する付記1に記載の文字入力方法。
【0066】
(付記3)
前記第一の選択操作後、タッチ位置が前記湾曲線と交差する方向に移動されたことを場合、前記第一の選択操作を取り消す付記1又は2に記載の文字入力方法。
【0067】
(付記4)
キャリブレーション時に操作者の指を前記表示領域にタッチさせた状態で移動させ、当該タッチ位置の移動軌跡に基づいて前記湾曲線を設定する付記1から3の何れか1項に記載の文字入力方法。
【0068】
(付記5)
前記表示領域の縁からの距離を異ならせた複数の前記湾曲線状に前記複数の仮想キーを表示させた付記1から4の何れか1項に記載の文字入力方法。
【0069】
(付記6)
前記表示領域の縁から遠い湾曲線状の仮想キーに50音配列の各行を割り当て、前記行を割り当てた仮想キーよりも前記表示領域の縁に近い湾曲線状の仮想キーに、拗音、促音、句点、読点、濁点、半濁点、長音、又は「ん」の文字を割り当てた付記5に記載の文字入力方法。
【0070】
(付記7)
画像信号に基づいて表示を行う表示部と、
前記表示部の表示領域と重畳して配置され、前記表示領域に対するタッチ動作を検出するタッチパネルと、
前記表示部へ画像信号を送り、前記表示領域の縁に向けて凹とした湾曲線状に仮想キーを表示させる表示制御部と、
前記仮想キーに対するタッチ動作が開始されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第一の選択操作として判定する第一判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が所定領域外へ移動せずに前記タッチ操作が解消されたことを前記タッチパネルで検出した場合に、第二の選択操作として判定する第二判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が所定範囲内であった場合に、第三の選択操作として判定する第三判定部と、
前記第一の選択操作後、前記タッチ操作によるタッチ位置が前記湾曲線方向の前記所定領域外へ移動し、当該移動の距離及び/又は速度が前記所定範囲外であった場合に、第四の選択操作として判定する第四判定部と、
前記第一から第四の選択操作と対応する文字を入力文字として決定する文字決定部と、を備える文字入力装置。
【0071】
(付記8)
前記複数の仮想キーに50音配列の各行が割り当てられ、前記第一の選択操作によって選択された文字の行を特定し、
前記第一の選択操作後、第二の選択操作が行われた場合、前記行のあの段の文字を入力文字として決定し、
前記第一の選択操作後、タッチ位置が、前記湾曲線上の第一方向(右方向)へ移動して第三の選択操作が行われた場合、前記湾曲線上の第一方向(右方向)へ移動して第四の選択操作が行われた場合、前記湾曲線上の第二方向(左方向)へ移動して第三の選択操作が行われた場合、又は前記湾曲線上の第二方向(左方向)へ移動して第四の選択操作が行われた場合、前記行のいの段からおの段のうち、予め割り当てられた段の文字を入力文字として決定する付記7に記載の文字入力装置。
【0072】
(付記9)
前記第一の選択操作後、タッチ位置が前記湾曲線と交差する方向に移動されたことを場合、前記第一の選択操作を取り消す付記7又は8に記載の文字入力装置。
【0073】
(付記10)
キャリブレーション時に操作者の指を前記表示領域にタッチさせた状態で移動させ、当該タッチ位置の移動軌跡に基づいて前記湾曲線を設定する付記7から9の何れか1項に記
載の文字入力装置。
【0074】
(付記11)
前記表示領域の縁からの距離を異ならせた複数の前記湾曲線状に前記複数の仮想キーを表示させた付記7から10の何れか1項に記載の文字入力装置。
【0075】
(付記12)
前記表示領域の縁から遠い湾曲線状の仮想キーに50音配列の各行を割り当て、前記行を割り当てた仮想キーよりも前記表示領域の縁に近い湾曲線状の仮想キーに、拗音、促音、句点、読点、濁点、半濁点、長音、又は「ん」の文字を割り当てた付記11に記載の文字入力装置。