(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により
図1〜
図15を用いて説明する。
<実施例>
まず、
図1〜
図5を参照して、本発明の板材格納棚装置1について説明する。
図1は、板材格納棚装置1の上面図であり、
図2は、その側面図であり、
図3は、その正面図であり、
図4は、その格納棚15を説明するための図であり、
図5は、そのブロック図である。
【0013】
板材格納棚装置1は、枠体構造の棚フレーム本体13を備えている。
この棚フレーム本体13には、レーザ加工機やパンチプレスなどの板材加工機(図示せず)へ供給すべき板状素材,板材加工機によって加工された板状の製品,又は加工に関係なく一時保管する保管板材、などの板材Wを、格納(収納)自在とした格納棚15が、上下方向(
図2〜
図4参照)に複数段設けられている。
各格納棚15には、棚床となる床部材17が設けられている。床部材17の上面には、板材Wの下面を床部材17から浮上した状態で直接支持する浮上支持部19が設けられている。
また、各格納棚15は、パレットを用いることなく、浮上支持部19に直接1枚の板材Wを載置し(
図4において板材Wは二点鎖線で記載)、それを後述するクランパ2でクランプ可能とするに充分な低い高さで形成されている。
従って、棚フレーム本体13の高さが従来と同じ場合でも、より多くの段を設けることができ、高い格納効率が得られる。
【0014】
浮上支持部19は、板材Wが床部材17の上面に直接接触して擦傷などが生じることを防止するためのものである。
浮上支持部19は、例えばブラシ,回転自在なボールである。また、浮上支持部19は、床部材17から突出し、フッ素樹脂等の合成樹脂をコーティングして摩擦係数を低減させた凸部であってもよい。
【0015】
主に
図3に示されるように、各格納棚15は、想定上、左右方向に複数の領域に区分設定される。具体的には、例えば
図3に示されるように、区画領域20A,20B,20C,20Dの四つに設定される。
この区分設定は想定なので、区分された前記複数の領域の内の隣接する少なくとも二つの領域の上方空間は、非区分とされている。例えば隣接する領域の境界に、両領域上方の空間を分離する壁や一部分離する衝立状の凸部は形成されていない。
浮上支持部19は、この四つの区画領域20A〜20Dに対応して独立した浮上支持部19A,19B,19C,19Dとして設けられている。ただし、この浮上支持部19は、各区画領域20A〜20D毎に分割するものに限定されず、例えば複数の区画領域に跨って、又はすべての区画領域に跨って一体的に形成されていてもよい。
【0016】
板材格納棚装置1において、棚フレーム本体13よりも前方側(
図2において右方側)には、エレベータ装置21が上下動自在に備えられている。
図2には、エレベータ装置21が上昇した状態と下降した状態との両方が示されている。
また、エレベータ装置21は、断面矩形枠形状の複数の枠体フレーム35と、例えば各区画領域20A〜20D毎に設けられ、枠体フレーム35に対して前後方向に移動自在とされた板材搬出入装置32と、を備えている。
図2には、板材搬出入装置32が前側へ移動した状態と後側へ移動した状態との両方が示されている。
【0017】
実際は、板材格納棚装置1において、エレベータ装置21は一つ、板材搬出入装置32は少なくとも区画領域の数だけ備えられている。板材搬出入装置32は、後述するクランパ2毎に設けられていてもよい。
板材搬出入装置32は、左右方向に延在し前後方向に移動可能とされたクランプベース33を有している。
【0018】
棚フレーム本体13の上面には、制御部SGにより制御されるモータ23が備えられている。そして、モータ23の駆動によって回転する回転軸25の左右両端部に備えた駆動スプロケット27と、棚フレーム本体13における左右両側の下部に回転自在に備えた従動スプロケット29と、には、エンドレスチェーン31が掛回されている。
エレベータ装置21は、このエンドレスチェーン31に連結されている。
従って、エレベータ装置21は、モータ23の正逆の回転方向に応じて、棚フレーム本体13に対し上下動するようになっている。
【0019】
枠体フレーム35における後方部分には、
図2に示されるように、制御部SGにより制御されるモータ37と、モータ37の駆動によって回転する駆動スプロケット39と、が備えられている。
また、枠体フレーム35における前方部分には、従動スプロケット41が回転自在に備えられている。
駆動スプロケット39と従動スプロケットとには、エンドレスチェーン43が掛回されている。クランプベース33は、このエンドレスチェーン43に連結されている。
従って、クランプベース33を有する板材搬出入装置32は、モータ37の正逆の回転方向に応じて、エレベータ装置21に対し、すなわち、棚フレーム本体13に対して前後移動するようになっている。
【0020】
クランプベース33には、左右方向に互いに所定間隔で離隔して複数のクランパ2が備えられている。クランパ2は、板材Wを格納棚15に対して出し入れするために、その板材Wの前方縁部をクランプするように設けられている。
そのクランパ2を用いた板材Wの出し入れの際に、板材Wの下面に擦傷が生じないようにするため、エレベータ装置21において板材Wが載置される床面に相当する部位には、浮上支持部19と同様構成の浮上支持部119が設けられている。
【0021】
格納棚15には、様々な形状及び寸法の板材Wが格納される。板材Wの格納態様例として次の(1)〜(3)の場合がある。
(1)
図6(A)に示されるように、複数(四つ)の板材Wが、床部材17において仮想設定される各区画領域20A,20B,20C,20D毎に格納される場合。
(2)
図6(B)に示されるように、板材Wが、複数の区画領域20Bと区画領域20Cとに跨って格納される場合。これ以外に、区画領域20Aと区画領域20B又は区画領域20Cと区画領域20Dとに跨って格納される場合を含む。
(3)
図6(C)及び
図6(D)に示されるように、全区画領域20A〜20Dに跨って格納される場合。
【0022】
次に、クランパ2について
図5及び
図7を主に参照して詳述する。
図7は、クランパ2の模式的側面図である。
【0023】
格納棚15に様々な形状や寸法の板材Wを格納できるように、クランパ2は、床部材17に仮想設定された区画領域20A〜20Dそれぞれに対応して備えられている。
具体的には、各区画領域20A〜20Dそれぞれに対応して複数(実施形態においては2個)備えられている。
【0024】
各クランパ2は、制御部SGによって動作を制御されるクランプシリンダSDと、クランプシリンダSDの動作によって離接し(
図7の矢印DR1参照)閉状態と開状態との間で態様が遷移する一対のクランプジョーKJ1,KJ2(以下、クランプジョー部KJとも称する)と、を備えている。
各クランパ2は、クランプベース33に対し、制御部SGで制御されるアクチュエータAC45の駆動により所定の範囲で上下動(
図7の矢印DR2参照)するようになっている。
また、クランパ2及びアクチュエータAC45は、クランプベース33に対し、制御部SGで制御されるアクチュエータAC46の駆動により所定の範囲で前後動(
図7の矢印DR3参照)するようになっている。
さらに各クランパ2は、アクチュエータAC45及びアクチュエータAC46と共に、制御部SGにより制御されるリニア駆動部KD(
図7には不図示)によって、クランプベース33に沿った左右方向(
図7の紙面表裏方向)に移動可能とされている。
【0025】
クランプジョー部KJは、常態において上下方向に開いた開状態とされており、板材Wのクランプ時には、複数のクランパ2の内の、板材Wの前方縁に対応したクランパ2のみが、クランプシリンダSDの駆動によりクランプジョー部KJの閉動作を実行して、その板材Wの前端縁をクランプするようになっている。
すなわち、制御部SGによって、クランプ時において閉動作するクランパ2が板材Wの形状に応じて選択されると共に選択されたクランパ2のみが閉動作を実行するよう制御される。
【0026】
クランプベース33に対し、各クランパ2は、リニア駆動部KDによって、個々が独立して、又は任意の複数個が同期して左右方向に移動可能とされ、また、それぞれが所定の位置で位置決め自在とされている。
リニア駆動部KDの構成として、ボールネジ機構やリニアモータによる移動機構などの周知の構成を採用することができる。
【0027】
図5のブロック図に示されるように、板材格納棚装置1は、駆動系、すなわち、モータ23,27、クランプシリンダSD,アクチュエータAC45,AC46,リニア駆動部KDを備えている。
これら駆動系を制御する制御部SGは、記憶部MR,入力部NR,及び表示部DPと接続されている。
【0028】
記憶部MRは、格納する板材Wの種類や大きさ、格納する棚、など種々の格納情報を外部から受信し記憶する。制御部SGは、記憶部MRに記憶された格納情報に基づいて、この板材格納棚装置1の制御を行う。
入力部NRは、作業者が、情報や制御に関するコマンドを入力するために接続される。
表示部DPは、板材格納棚装置1の動作状態,格納部115(
図8参照)の格納状況,板材Wの情報を画面等で表示する。音声による出力も可能とされる。
図5では、制御部SG,記憶部MR,入力部NR,及び表示部DPは、板材格納棚装置1の外部に設けられているようになっているが、いずれか、又はすべてが板材格納棚装置1に備えられていてもよい。
【0029】
次に、実施例の板材格納棚装置1に設定された複数の格納部115の内の任意の格納部115pに板材Wを入庫(格納、搬入)する手順及び任意の格納部115pに格納されている板材Wを出庫(搬出)する手順を、
図8〜
図14を主に参照して説明する。
図8,
図10,及び
図12は、板材格納棚装置1を模式的に示した正面図であり、
図9,
図11,
図13,及び
図14はフロー図である。
尚、
図8において、複数の格納部115は、代表として4段1列の格納部について符号指示されている。
【0030】
板材格納棚装置1は、板材Wを格納する単位格納スペースとして、格納部115を、N段M列のN×M個備えている(N,Mは正の整数)。この列は、上述の区画領域に対応する。各格納部115は、各格納棚15における区画領域に対応する部位である。
格納部115の内の任意の格納部115pを、次のように番地付与することで特定する。
すなわち、任意の格納部115pの番地を(K,L)とし、1≦K≦N,1≦L≦M (K,Lは正の整数)とする。
例えば、
図8において、6段3列の位置にある格納部の番地を(6,3)と表記する。
【0031】
エレベータ装置21は、複数のクランパ2を、各列毎に2つ宛うように備えている。ここでは理解容易のため、各クランパ2の左右方向の位置は固定されているものとする。
そして、
図8に示されるように、左側から順に、21,22,23,・・・,(20+2×M)と符号を付与する。
例えば、
図8において、第3列に対応する(宛がわれた)クランパ2は、クランパ25,26である。
【0032】
従来の板材格納棚装置では、
図8に示されるように、複数の格納部〔例えば(2,1)と(5,3)〕に格納されている板材W1,W2を搬出するよう作業者から要求指示された場合、一方の板材の搬出を実行して完了させてから、他方の板材の搬出を実行するようになっていた。すなわち、エレベータ装置21は、棚フレーム本体13における下方の待機位置(
図8に示される位置)と上方の各格納部の位置との間を指示された板材の数(ここでは二往復)だけ往復する必要があった。
これに対し、板材格納棚装置1では、外部から板材の搬出要求があった場合に、制御部SGにより次のフローAの手順で搬出動作を実行する(
図9及び
図10参照)。
【0033】
A1) まず、搬出要求を受信する(StepA1)。
A2) 搬出要求された出庫対象の板材が、複数の板材か否か(単数か)、を判定する(StepA2)。
A3) 否(No)の場合には、従来通り単純な一往復の搬出動作を実行し動作を終了する(StepA3)。
A4) 複数の板材の搬出要求の場合(Yes)、要求のあった格納部の番地から、各列毎の要求数を求める(StepA4)。
例えば、要求が全体で四つの板材の搬出要求であり、該当する格納部115の番地が、
図10に示されるように、(2,1),(4,3),(5,2),(6,1)であったとすると、制御部SGは、各番地に基づいて、第1列に二つ、第2列に一つ、第3列に一つ、搬出すべき格納部115があることを把握する。ここでそれぞれ格納されている板材を板材Wa〜Wdとする。
A5) 制御部SGは、搬出要求された格納部が複数ある列の有無を判定する(StepA5)。
A6) 有(Yes)の場合、その列を特定する(StepA6)。この場合は第1列を特定する。
A7) 特定した列毎に、予め設定された規定に従って一つの格納部を対象格納部として選択する(StepA7)。
例えば、最も上方にあるもの(段番号の最も大きいもの)とする。この場合、(StepA6)で複数有と判断された第1列については、設定された規定により、段番号の最も大きい(6,1)の格納部が対象格納部として選択される。この選択後、フローBへ移行する。
A8) (StepA5)で無(No)の場合は、そのままフローBへ移行する。
以上の手順により、第1回目のエレベータ装置21の昇降往復動に関して、各列に一つの格納部が対象格納部として設定されたか、又は該当する格納部がない状態となる。
【0034】
板材格納棚装置1は、板材をクランプできるクランパ2を、各列毎に備えているので、エレベータ装置21の、搬出要求された格納部と待機位置との間の一往復の上下動作で、各列毎に一つの格納部に格納された板材をクランプして搬出することができる。
【0035】
フローBは次の手順で実行される(
図11参照)。
B1) 制御部SGは、各列に設定した対象格納部の内、最も上方の(段番号の大きい)段を抽出する(StepB1)。
図10に示された例では、各列で最も上方にある格納部(6,1),(5,2),(4,3)の上下位置(段番号の大小)を比較し、第1列の格納部(6,1)を抽出する。
B2) 次に、抽出した最上段の格納部(6,1)に対応する位置までエレベータ装置21を上昇させる(StepB2)。
B3) 第1列に対応した板材搬出入装置32を棚フレーム本体13側に移動し、格納部(6,1)に格納された板材Wdを、第1列を受け持つクランパ21,22によりクランプする。
その後、板材Wdをクランプしたまま板材搬出入装置32を前方側(
図10の紙面手前側)に動かして、板材Wdをエレベータ装置21上に移動し(引き出し)、捕捉状態とする(StepB3)。
同じ段の他の列に搬出指示のあった板材がある場合は、その列に対応するクランパ2により板材をクランプしたままエレベータ装置21上に移動し(引き出し)、同様に捕捉状態とする。
B4) 次に、最上段格納部の次に高い位置にある格納部に対応した位置にエレベータ装置21を移動(下降)させる。
図6に示される例では、格納部(5,2)であり、同様に板材Wcを捕捉する(StepB4)。
B5) その次に高い位置にある設定格納部の有無を判定する(StepB5)。
B6) 有(No)の場合は、(StepB4)を実行する。これにより、格納部(4,3)の板材Wbが捕捉される。
B7) 無(Yes)の場合は、待機位置へ移動し、ここまでで捕獲した板材(捕捉順に、Wd,Wc,Wb)を、図示しない搬送手段により次工程へ搬送する(StepB7)。
B8) 搬出対象の板材が格納部にまだ残っているか、否かの判定をする(StepB8)。
B9) 残っている(Yes)場合、フローA(
図9)の(StepA5)へ戻る。
B10) 残っていない(No)場合、搬出手順は終了となる。
【0036】
上述の構成及び手順によれば、各格納部115は、パレットを用いることなく、クランパ2による一枚の板材Wの搬出入に充分な程度の高さで、多くの段が設けられている。従って、板材格納棚装置1は格納効率が極めて高い。
また、列方向に隣接する格納部間には壁が設けられてないので、異形状材料の混在格納や、長手を有する材料の長手と短手とを入れ替えた姿勢での混在格納が可能となっている。
また、搬出指定された格納部が異なる列にあっても、エレベータ装置の21の一回の昇降動作で各列毎に最大1枚の搬出が可能となっている。
これは、換言するならば、エレベータ装置21の昇降動作における、待機位置と最上位置の格納部に対応する位置との間の一回の往復で、最大M枚の板材を搬出することができることを意味する。
従って、より迅速に搬出が可能でコストダウン効果が得られる。
【0037】
以上、格納部115からの板材Wの搬出手順(出庫手順)について詳述したが、搬入手順(入庫手順)についても同様に、エレベータ装置21が待機位置にあるときに、各列に対応したクランパ2でクランプ可能な限り板材Wをクランプさせ(すなわち、各列最大1枚の合計M枚)、エレベータ装置21の上昇過程で下方側の格納部から順に板材Wを収めていくことで、片道である最上位置迄の上昇過程で、クランプしたすべての板材Wを各格納部に格納することができる。
【0038】
例えば
図12にハッチング付きで示される格納棚(1,2),(3,3),(4,1),(6,2)に対して板材We,Wf,Wg,Whをそれぞれ格納する場合は、次のフローDの手順で搬入動作を実行する(
図13参照)。
D1) 搬入要求の受信(StepD1)
D2)搬入要求された入庫対象の板材が複数か否か、を判定する(StepD2)。
D3) 否(No)の場合には、従来通り単純な一往復の搬入動作を実行し動作を終了する(StepD3)。
D4) 複数の板材の搬入要求の場合(Yes)、要求のあった格納部を、その番地から各列毎に分類する(StepD4)。
例えば、要求が四つの板材の搬入要求であり、該当する格納部115の番地が、
図12に示されるように、(1,2),(3,3),(4,1),(6,2)であったとすると、制御部SGは、各番地から第1列に一つ、第2列に二つ、第3列に一つ、搬入すべき格納部があることを把握する。
D5) 制御部SGは、搬入要求された格納部が複数ある列の有無を判定する(StepD5)。
D6) 有(Yes)の場合、その列を特定する(StepD6)。この例では第2列を特定する。
D7) 特定した列毎に、予め設定された規定に従って一つの格納部を対象格納部として選択する(StepD7)。例えば、最も上方にあるもの(段番号の最も大きいもの)とする。この場合、第2列については最上段(6,2)の格納部を対象格納部として選択する。選択後、フローEへ移行する。
D8) (StepD5)で無(No)の場合もフローEへ移行する。
以上の手順により、搬入対象の格納部がある列は、まず第1回目のエレベータ装置21の昇降往復動においてその列に一つだけ対象となる格納部(対象格納部)が設定された状態となる。
【0039】
フローEは次の手順で実行される(
図14参照)。
E1) 制御部SGは、各列に搬入対象として一つずつ設定した対象格納部である格納部(4,1),(6,2),(3,3)に格納する板材Wg,Wh,Wfを、それぞれクランパでクランプする旨を、表示部DPに出力して作業者へ案内する(StepE1)。
その案内では、
図12に示されるように、第1列の板材Wgをクランパ21,22でクランプさせ、第2列の板材Whをクランパ23,24でクランプさせ、第3列の板材Wfをクランパ25,26でクランプする旨も合わせて案内する。
この案内を受け、作業者はクランパ21〜26に板材Wg,Wh,Wfをクランプさせる。
E2) 制御部SGは、搬入要求された格納部の内、最も上方の(段番号の大きい)段を抽出する(StepE2)。
図12に示された例では、三つの格納部(4,1),(6,2),(3,3)の上下位置(段番号の大小)を比較し、格納部(6,2)を抽出する。
E3) 次に、各列に一つずつ設定された格納部の内の、最下段の格納部(3、3)に対応する位置までエレベータ装置21を上昇させる(StepE3)。
E4) 上昇したら、クランパ25,26で板材Wfをクランプしたまま板材搬出入装置32を棚フレーム本体13側に移動する。
そして、格納部(3,3)内に板材Wfを挿入したら、クランプを解除し格納部(3,3)内への板材Wfの搬入を完了する。また、同じ段の他の列に搬入すべき板材がある場合は、クランプしつつエレベータ装置21で持ち上げてきたその板材を、搬入すべき格納棚に搬入する(StepE4)。
その後、次に低い格納部(4,1)へ同様に板材Wgを格納し、さらに、その次に低い格納部(6,2)へ同様に板材Whを格納する。
E5) 持ち上げた板材すべてを指定格納部に搬入したら待機位置へ戻る(StepE5)。
E6) 格納部へ搬入すべき板材がまだ残っているか否かの判定をする(StepE6)。
E7) 残っている(Yes)場合、フローDの(StepD2)へ戻る。
E8) 残っていない(No)場合、搬入手順は終了となる。
図12に示された例では、エレベータ装置21の二回目の昇降往復動で、残板材であるWeが、格納部(1,2)に格納される。
【0040】
上述の搬入手順を言い換えて概略説明すると次のような手順となる。
まず、搬入対象の格納部が複数ある第2列について、予め決められた規定により(ここでは最上位置の)格納部(6,2)を選定する。これにより、各列(第1列〜第3列)に多くとも一つ(一つ以下)の搬入対象の格納部(4,1),(6,2),(3,3)が対象格納部として設定される。
そして、各列(第1列〜第3列)に対応したクランパ〔21,22〕,〔23,24〕,〔25、26〕には、搬入対象の格納部(4,1),(6,2),(3,3)へ収める板材Wg,Wh,Wfをそれぞれクランプさせる。
次に、エレベータ装置21を上昇させ、その上昇に伴い下方側の格納部(3,3)から順次板材を格納する(この格納動作は、まず最上位置まで移動させ、下降に伴い上方側の格納部から順次板材を格納するものでもよい)。
格納が終了したら、待機位置に戻り、残りの板材Weの格納のため次の往復動を実施する。この二回目以降の往復動も、上述の手順に沿って繰り返し実行され、残板材がなくなったら終了となる。
【0041】
図12に示された例におけるエレベータ装置21の昇降動作は、まず選択しなかった格納部(1,2)は通過して上昇し、格納部(3,3)に板材Wfを格納し、次に格納部(4,1)に板材Wgを格納し、最後に格納部(6,2)に板材Whを格納する。エレベータ装置21は、クランプした持ち上げた板材すべてを指定の格納部に格納した後、待機位置へ戻る。
エレベータ装置21が一回目の往復動を終了して待機位置に戻った後、制御部SGの指示によって表示(出力)される、残りの板材Weをクランプする旨の指示を受け、作業者が格納すべき残りの板材Weをクランプさせてエレベータ装置21の二回目の往復動を実行させる。
この往復動で格納部(1,2)に板材Weを格納したら、エレベータ装置21は待機位置に戻り、搬入動作を終了する。
【0042】
複数の異形状の板材を指定の格納部に搬入格納する場合も、上記手順とほぼ同様に実施することができる。
例えば、第1列と第2列とに跨って格納させる長尺板材と、第3列のみに格納させる定尺板材と、を、エレベータ装置21の一回の往復昇降動作でそれぞれ格納することができる。この場合、長尺板材はクランパ21〜24でクランプし、定尺板材はクランパ25,26でクランプすればよい。また、この搬入は、長尺板材を格納する格納部の段と定尺板材を格納する格納部の段とが同じ段でも異なる段でも可能である。
【0043】
複数の異形状の板材をそれらが格納された格納部から搬出する場合も、上記手順と同様に実施することができる。
例えば、第2列と第3列とに跨って格納された長尺板材と、第1列のみに格納された定尺板材と、を、エレベータ装置21の一回の往復昇降動作でそれぞれ搬出することができる。この場合、長尺板材はクランパ23〜26でクランプし、定尺板材はクランパ21,22でクランプすればよい。また、この搬出は、長尺板材を搬出する格納部の段と定尺板材を搬出する格納部の段とが同じ段でも異なる段でも可能である。
【0044】
実施例の板材格納棚装置1は、上述の動作により、エレベータ装置21の、待機位置と搬出すべき格納棚の内の最上位置の格納棚に対応する位置との間の一回の上昇移動又は一回の下降移動で、最多で列と同数の板材を搬出することができる。従って、より迅速に搬出が可能であり、板材の出庫作業におけるコストダウン効果が得られる。
また、実施例の板材格納棚装置1は、上述の動作により、エレベータ装置21の、待機位置と搬入すべき格納部の内の最上位置の格納棚に対応する位置との間の一回の上昇移動又は一回の下降移動で、最多で列と同数の板材を搬入することができる。従って、より迅速に搬入が可能であり、入庫作業におけるコストダウン効果が得られる。
【0045】
上述した手順におけるクランパ2の動作について、さらに詳しく説明する。
板材Wが、
図6(A),
図6(B)に示されるように、格納部115の区画領域20A〜20Dに個別に、又は複数の区画領域(例えば20B,20C)に亘って格納されている場合、各区画領域に対応したクランパ2によって板材Wの前端縁をクランプする。
【0046】
クランパ2は、アクチュエータAC46(
図7参照)によって個別に左右方向へ移動自在とされているので、制御部SGの指示により、クランプすべき板材Wの前縁形状に応じてクランプに適した位置へ移動し位置決めされる。
例えば、板材Wの左右方向の幅に対応して、各クランパ2の左右方向の間隔が最適に調節される。
【0047】
また、
図6(C),
図6(D)に示されるように、板材Wが全ての区画領域20A〜20Dに亘って格納されている場合も同様に、制御部SGによって、各区画領域20A〜20Dに対応したクランパ2の中から板材Wの形状に応じて搬送が可能なクランプを行えるクランパ2が選択される。選択されたクランパ2は、適切な配設位置に移動して板材Wの前端縁をクランプする。
【0048】
板材格納棚装置1は、各格納部115における床部材17上に、板材Wの下面を直接支持する浮上支持部19を備えて構成されている。これにより、板材Wの下面に擦傷等を生じることなくその搬出入を行うことができる。
また、板材Wをパレット等によって支持することなく、各格納部115に対して直接出し入れできるので、パレットを介在して板材Wの格納を行う場合に比較して、各格納部115の上下間隔寸法をより小さくすることができる。これにより、各格納部115の段数をより多くすることができ、格納効率が向上する。
【0049】
格納対象の板材が特に小さい場合には、
図15に示すように、格納棚15に対して出入自在な扁平状な板状のトレイ59上に複数の板材Wを載置することも可能である。この場合、トレイ59の上面には、擦傷を防止するために、例えば浮上支持部19と同一構成の擦傷防止部材又は例えばカーペット材等のごとき敷物を貼った構成とすることが望ましい。
【0050】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0051】
搬入又は搬出の対象となった格納部が、ある列に複数存在する場合の一つを選定する規定は、上述のようにエレベータ装置21の上昇動又は下降動を実行する前の待機位置から最も遠い段の格納部、すなわち、上述の例では最上段の格納部を選定するものに限定されない。
ただし、上述のように待機位置から最も遠い段の格納部である最上段の格納部を選定することは、エレベータ装置21の昇降往復距離が短くなり、入出庫に要する時間を短縮できるのでコストダウンの観点から好ましい。
また、複数の列に対象格納棚がある場合に、他の列の対象格納部と同じ段の格納部棚があれば、その格納部を優先的に選定すると、エレベータ装置21が該当段で停止した状態で複数の板材の搬入又は搬出ができ入出庫に要する時間が短縮するので、コストダウンの観点から好ましい。
【0052】
制御部SGは、搬入又は搬出指示があった場合に、該当する板材Wをすべて搬入又は搬出するトータルの時間を、エレベータ装置21の昇降における移動時間と、エレベータ装置21が停止した状態での材料の搬出入時間と、の合算として求め、トータルの時間が最小となるエレベータ装置21の昇降移動態様(移動プロファイル)を決定するようにしてもよい。このトータルの時間は、エレベータ装置21が待機位置から移動を開始した時点から、板材の搬入又は搬出を終了して再び待機一に戻った時点迄、の時間である。
具体的には、エレベータ装置21の移動時間は、その昇降の移動距離(段間距離),駆動系の駆動出力,及びクランプする板材の質量等からエレベータ装置21に起因して判明する移動の速度プロファイルから求める。
また、材料の搬出入時間は、対象となる材料の形状(特に板材搬出入装置32の移動距離に拘わる前後方向寸法)と板材搬出入装置32及びクランパ2の各部材に動作速度等とから求める。
これにより、搬出入の指示内容に拘わらず搬出入時間の最短化がなされる。格納部115の段数及び列数が多い場合には、その効果が特に顕著に得られるので好ましい。