特許第5997924号(P5997924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5997924
(24)【登録日】2016年9月2日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】易開封ブリスター包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/36 20060101AFI20160915BHJP
   B65D 75/34 20060101ALI20160915BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   B65D75/36
   B65D75/34
   B65D77/20 H
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-94815(P2012-94815)
(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2013-220841(P2013-220841A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】591166400
【氏名又は名称】富士製薬工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】金山 良成
(72)【発明者】
【氏名】鳥飼 英輝
(72)【発明者】
【氏名】高田 幸憲
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−007023(JP,A)
【文献】 特表2008−526639(JP,A)
【文献】 特開平8−58839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20、75/34、75/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下2枚のシートを貼り合わせてなる、物品を収容する収容部と該収容部を取り囲むフランジ部とから構成される包装単位を複数有するブリスター包装体であって、
隣接する各包装単位が、該各包装単位の間の各フランジ部で切り分けるための弱化線を介して相互に連結され、該弱化線上に、その長さの1/2以上の長さを有し、かつ、前記収容部とは離隔できる幅を有する境界部が形成されており、該境界部においては前記2枚のシートは接着されておらず前記各包装単位が行列に配置され、行方向または列方向の一方または両方に境界部を有し、包装単位を区切る縦横の弱化線の交点を接着部とし、ブリスター包装体の外周となるフランジ部に境界部が存在しない、前記ブリスター包装体。
【請求項2】
境界部の長さが、隣接する包装単位の間の弱化線の長さの2/3以上である、請求項1に記載のブリスター包装体。
【請求項3】
境界部において、上下2枚のシートの一方が凸状である、請求項1または2に記載のブリスター包装体。
【請求項4】
方向にのみ境界部を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
【請求項5】
上下2枚のシートが、夫々、アルミニウムと樹脂との積層シートである、請求項1〜のいずれか一項に記載のブリスター包装体
【請求項6】
物品が薬剤である、請求項1〜のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
【請求項7】
薬剤が錠剤である、請求項に記載のブリスター包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品などを包装するブリスター包装体に関する。とくに本発明は、崩壊しやすい錠剤や発泡錠その他湿気に弱い錠剤、PTP(press through package)で押し出しにくい大型の錠剤、口腔内崩壊錠(OD錠)などの壊れやすい錠剤や、PTP包装に不向きな薬剤(例えば、顆粒剤、液剤、半固形製剤など)、などの包装に適した、非シール部をタブとしてめくることによって開封することの可能なブリスター包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤やカプセル剤などの薬剤を包装する場合、ブリスター包装がよく用いられている。ブリスター包装は、典型的には、薬剤の収容部となるブリスターを形成したシートと、これをシールして蓋となるシートとが接着され一体となっている。ブリスター包装は、収容部を外側から押し、薬剤で蓋となるシールを突き破り開封するPTP包装のタイプと、蓋となるシートをめくり取って開封するブリスター包装(blister package)のタイプとに大別できる。
【0003】
ブリスター包装の開封に際し、蓋となるシートをめくり取ることが容易になるように、シートの一部を非シール部とし、かかる非シール部を指で摘むタブとして機能させる工夫がなされている。ブリスター包装の周囲部に非シール部を配することや(特許文献1〜3)、収容部を切り離すミシン目の交点に配することが検討されている(特許文献4〜6)。
しかしながら、これらの検討に拘わらず、未だ開封性に十分な満足を得られるものはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−281130号公報
【特許文献2】特開2007−197084号公報
【特許文献3】実開昭51−86376号公報
【特許文献4】特許第4037464号公報
【特許文献5】特表2009−501682号公報
【特許文献6】実開昭49−47079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、容易に開封できるブリスター包装を提供することにある。とくに、収容される薬剤の種類に拘わらず、容易に開封できるブリスター包装を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、鋭意検討する中で、本発明者らは、非接着の部分を所定の形状とすることにより、めくって開封することが容易になることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のブリスター包装体に関する。
[1] 上下2枚のシートを貼り合わせてなる、物品を収容する収容部と該収容部を取り囲むフランジ部とから構成される包装単位を複数有するブリスター包装体であって、隣接する各包装単位が、該各包装単位の間の各フランジ部で切り分けるための弱化線を介して相互に連結され、該弱化線上に、その長さの1/2以上の長さを有し、かつ、前記収容部とは離隔できる幅を有する境界部が形成されており、該境界部においては前記2枚のシートは接着されていない、前記ブリスター包装体。
[2] 境界部の長さが、隣接する包装単位の間の弱化線の長さの2/3以上である、[1]に記載のブリスター包装体。
[3] 境界部において、上下2枚のシートの一方が凸状である、[1]または[2]に記載のブリスター包装体。
[4] ブリスター包装体の外周となるフランジ部に境界部が存在しない、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
[5] 各包装単位が行列に配置され、列方向にのみ境界部を有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
[6] 列方向に隣接する境界部が連通してなる、[5]に記載のブリスター包装体。
[7] 上下2枚のシートが、夫々、アルミニウムと樹脂との積層シートである、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
[8] 物品が薬剤である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のブリスター包装体。
[9] 薬剤が錠剤である、[1]〜[8]に記載のブリスター包装体。
【発明の効果】
【0008】
本発明のブリスター包装体は、製品として流通する段階では、外周において2枚のシート(典型的には、ブリスターを備えたブリスターシートと蓋となるシート)が接着しており、輸送や箱への出し入れ等によって開封することはないが、包装単位に切り離した場合に、非接着の部分も一緒に切断され、ブリスターシートまたは蓋となるシートの非接着の部分がタブとなる。このタブは、一定の長さを有することから、指でつまみやすく、めくる力が幅広くシートに伝わるため、容易に開封することができる。
【0009】
本発明のブリスター包装体は、発泡錠などの湿気の影響を受けやすく、一般的に防湿性の低いPTP包装等の押し出し式包装では安定的な保存が困難な薬剤を、湿気から保護し、安定的に保存するとともに、使用時に容易に開封することができる。また、錠剤の硬度が低く崩壊しやすい錠剤や発泡錠その他湿気に弱い錠剤、PTPで押し出しにくい大型の錠剤、異形でPTPに不向きな錠剤、口腔内崩壊錠(OD錠)などの壊れやすい錠剤や、PTP包装に不向きな薬剤(例えば、顆粒剤、液剤、半固形製剤など)にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一態様のブリスター包装体を示す図である。
図2図2は、本発明の一態様の包装単位を示す図である。
図3図3は、本発明の一態様のブリスター包装体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のブリスター包装体は、基本的な構成として、上下2枚のシートを貼り合わせてなり、物品を収容する収容部と該収容部を取り囲むフランジ部とから構成される包装単位を複数有する。前記2枚のシートは、典型的には、収容部となる凸部を複数有するブリスターシートと、該ブリスターシートと接着し、収容部を封止する蓋となるシートである。また、例えば、2枚のシートとも収容部となる凸部を有し、これらが対応する位置で貼り合わされ、当該2枚のシートの凸部同士が一体的に1つの収容部を形成したり、互いに凸部と平面状の部分とが貼り合わさり、貼り合わせ面の上下に突出する収容部を備えるように調製することも可能である。
これら2枚のシートを貼り合わせたものに形成された各収容部の間に弱化線が設けられ、該弱化線を切断することによって、1つの収容部および該収容部の周囲のフランジ部からなる包装単位に切り分けることが可能なものである。
【0012】
本発明のブリスター包装体に用いることができるブリスターシートの材料としては、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(NY)、ヒートシールコート、オーバーコート等を用いることができる。防水・防湿性、引っ張り強度に優れた材料が好ましく、そのような材料としては、例えば、アルミニウムと樹脂との積層シートが挙げられ、より具体的には、アルミニウム(AL)と塩化ビニル(PVC)とナイロン(NY)の積層材料、アルミニウム(AL)とポリエチレン(PE)とPET、AL−PET−PP等の積層材料等が挙げられる。薬剤を入れる容器側のシートとしては、とくに好ましくは、NY−AL−PPやNY−AL−PVCの積層シートが挙げられる。本発明において、2枚のシートは、夫々、その材料が異なっていても、同じであってもよく、目的、用途などに応じて、適宜、組み合わせることができる。また、該シートは、部分的に異なる材質であってもよく、例えば、収容部、フランジ部、境界部が互いに異なる材質であってもよく、収容部を含めたシート全体が単一の材質からなるものであってもよい。
【0013】
本発明のブリスター包装体に用いることができる蓋となるシートの材料としては、ブリスターシートの材料と同じであっても、異なっていてもよく、特に限定されないが、例えば、AL−PVC、AL−PP、AL−PE、AL−PETなどを用いることができる。ブリスターシートの材料を防水・防湿性に優れた材料を用いる場合、蓋となるシートでも防水・防湿性・引っ張り強度に優れた材料を用いることが好ましく、そのような材料としては、例えば、PET−AL−PET−ヒートシールコート、AL−PET−ヒートシールコートなどが挙げられる。とくに好ましくは、PET−AL−PET−ヒートシールコートが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
本発明のブリスター包装体の収容部の大きさは、収容するものの大きさに合わせて適宜変更できる。薬剤を収容する場合は、典型的には、縦0.5cm〜5cm×横0.5cm〜5cm程度の大きさであり、好ましくは、縦0.5cm〜4cm×横0.5cm〜4cmであり、とくに好ましくは、縦0.5cm〜3cm×横0.5cm〜3cmであるが、これに制限されない。
【0015】
ブリスター包装体の収容部は、収容するものの大きさや形状等に合わせて適宜変更できるが、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形などの形状とすることができる。ブリスター包装体のフランジ部は、収容部の大きさや形状等に応じて任意に形成することができる。
本発明のブリスター包装体において、隣接する各包装単位が、当該隣接する包装単位の間の各フランジ部で切り分けるための弱化線を介して相互に連結されている。該弱化線は、例えば、ミシン目、ハーフカット線などが挙げられるが、加工の容易さの観点から、ミシン目が好ましい。本発明のブリスター包装体では、使用時に弱化線を分断し、各包装単位に切り分けてから用いる。
【0016】
本発明において、製品として流通する際、未使用な状態では、ブリスター包装体の外周は接着されており、ブリスターシートと蓋となるシートとの間に隙間はなく、捲れることによる不慮の開封が起きることがない。
接着は、熱溶着(熱風式溶着、熱板式溶着、インパルス式溶着、コテ式溶着など)、高周波溶着、超音波溶着など、従来用いられている接着手段を利用することができ、シートの材料に合わせて適宜選択することができる。
【0017】
本発明において、隣接する包装単位は、弱化線を介して相互に連結されているところ、該弱化線上に境界部が形成されており、該境界部において上下2枚のシートは非接着である。また、境界部において一方のシートが凸状で、弱化線を切断した際にタブとして浮き上がり、つまみやすくすることができる。さらに、両方のシートが境界部において凸状であってもよい。
境界部の大きさは、包装単位に設けられた弱化線の長さの1/2以上、好ましくは、2/3以上、さらに好ましくは、3/4以上の長さを有し、フランジ部に形成でき、収容部とは離隔できる幅、すなわち、境界部を非接着としても収容部と連通してしまうことのない幅を有する。
【0018】
本発明のブリスター包装体は、境界部を縦断、または、境界部の一方の側を形成するように弱化線が設けられており、該弱化線を切断することによって、ブリスターシートまたは蓋となるシートの一方のまたは両側の境界部がタブとなる。該タブをめくることによって前記包装単位の開封が可能となる。境界部の長さを長く、幅を広くすることによって、タブをめくる力が幅広く伝わり、収容部を容易に開封することができる。境界部の形状は、長方形、長方形の短辺が円弧状のものなど、十分な長さのタブが形成される形状であれば、とくに限定されない。また、その位置は、弱化線を跨っていてもよく、跨らずに弱化線の片方の側にのみ位置していてもよい。
【0019】
本発明のブリスター包装体は、境界部において、ブリスターシートおよび/または蓋となるシートが凸状になっており、タブが形成された際に、シート間に隙間ができ、タブを指で摘まむのが容易になる。製造上の簡便さから、凸状部は、ブリスターシートに設けることが好ましい。
【0020】
また境界部は、各包装単位が行列に配置されている場合、製造上の観点から、行方向または列方向の一方向のみ境界部を有することが好ましい。また、例えば、各包装単位の列方向のみに境界部を設けた場合、かかる列方向に隣接する境界部は連通していてもよい(図1)。
本発明のブリスター包装体で包装する対象は、とくに限定されないが、とくに発泡錠などの湿気の影響を受けやすく、および/または、壊れやすい薬剤、または、PTP包装に不向きな薬剤(例えば、顆粒剤、液剤、半固形製剤など)を包装するのに好適である。
【実施例】
【0021】
以下に図面を挙げて本発明の実施態様について、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら図面に限定されるものではない。
本発明の一態様であるブリスター包装体1は、図1に示すように、2行×3列の6つの収容部2が、フランジ部3に設けられた弱化線(ミシン目)4によって個々の包装単位5に区切られている。収容部2の列に沿って、フランジ部3に丸角の長方形状に連通した境界部6が設けられており、該境界部6に沿って弱化線4が縦断している。
【0022】
ブリスター包装体1の辺縁部に境界部6は存在せず、未使用状態での不慮の開封を防ぐことができる。境界部6は、包装単位5の一辺の長さの略全体に亘って形成されている。
【0023】
図2は、図1のA−A断面図の左側の包装単位5を拡大した図であるところ、非接触部6において、ブリスターシート7は凸状であり、蓋となるシート8との間に隙間が設けられ、使用時に指で摘まむのが容易である。弱化線4を切断した後の包装単位5は、境界部6が分断されて形成されたタブ(ブリスターシート7の非接着部)をめくることによって収容部2の内部が露出し、開封される。
【0024】
図3は、本発明の別の態様を示している。かかる態様においては、包装単位5を区切る縦横の弱化線(ミシン目)4の交点を接着部としている。このようにすることで、弱化線4で分断された個々の包装単位5はいずれも、全ての角においてブリスターシート7が蓋となるシート8と接着された状態となり、使用時までに不慮に開封する危険がさらに回避できるとともに、使用時には幅広いタブをめくり上げることによって容易に開封することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、薬剤、食品、日用品など、従来、ブリスター包装が用いられているものの包装に用いることができるが、とくに、壊れやすく、PTP包装に適さない内容物を包装するのに好適である。
【符号の説明】
【0026】
1 ブリスター包装体
2 収容部
3 フランジ部
4 弱化線
5 包装単位
6 境界部
7 ブリスターシート
8 蓋となるシート
図1
図2
図3