【文献】
ANIL KUMAR H.G. et al.,Effect of Cooking of Rice Bran on the Quality of Extracted Oil,Journal of Food Lipids,2006年12月,Vol.13, No.4,pp.341-353
【文献】
榎本鼓 他,米ぬかの水熱処理物から機能性物質の抽出,平成22年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集,2010年,Vo.54th N-27,pp.1181-1182
【文献】
VIRAKTAMATH C S,Large scale trials for stabiliaztion of rice bran with steam,Journal of Food Science and Technology,1974年,Vol.11, No.4,pp.191-193
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
原料米糠に水を添加した後、熱処理する前に5〜35℃に2分以上12時間以下保持する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠は、原料として用いる米糠(原料米糠)に比べてトリテルペンアルコール遊離体の含有率が高まった米糠である。
【0011】
本発明で用いられる原料米糠は、玄米を精白する際に得られる。玄米は、種皮、果皮、胚乳及び胚芽からなり、胚乳組織の外層には糊粉層がある。玄米を精白する際、その度合いにも因るが通常糊粉層までが米糠(生糠)となる。すなわち、米糠は、取り除かれる胚乳以外の部分、すなわち、種皮、果皮、糊粉層及び胚芽の全部或いは一部を含む混合物であるが、さらに胚乳部分を含んでいてもよい。玄米の分類・種類は特に限定されず、例えばジャポニカ種、インディカ種、ジャバニカ種の糯米、粳米、赤米、紫黒米等いずれも用いることができる。
【0012】
原料米糠に対する水の添加量は0.3質量倍(以下、単に「倍」とする)以上5倍以下であるが、水を原料米糠全体に均一に接触させる点から、0.4倍以上が好ましく、更に0.5倍以上が好ましい。また、使用するエネルギーを抑制する観点より、3倍以下が好ましく、更に2倍以下、更に1.5倍以下が好ましい。
水は、蒸留水、イオン交換水、水道水、井戸水等いずれのものでもよい。使用する水の温度は常温、すなわち5〜35℃が好ましい。
【0013】
本発明においては、水を原料米糠に十分に吸収させるという観点より、原料米糠に対し水を添加した後、熱処理する前に5〜35℃に保持することが好ましい。保持時間は、2分以上が好ましく、5分以上がより好ましい。保持時間の上限は特に規定されないが、12時間以下が好ましく、更に2時間以下、更に1時間以下が好ましい。
【0014】
本発明における熱処理は、100℃以上200℃以下で行う。トリテルペンアルコールの遊離体を十分に遊離させる観点より、110℃以上が好ましく、更に120℃以上、更に130℃以上、更に140℃以上、更に150℃以上が好ましい。また、得られた米糠の着色を抑制する観点より、180℃以下が好ましく、175℃以下がより好ましい。
【0015】
また、熱処理の時間は、トリテルペンアルコールを十分に遊離させる点から、原料米糠が設定温度に達してから5分以上が好ましく、更に15分以上、更に30分以上、更に60分以上が好ましい。時間の上限は求めるトリテルペンアルコールの収率によって適宜設定することができ、300分以下が好ましく、更に240分以下、更に180分以下が好ましい。
加熱手段は公知の方法を適用でき、例えば、水蒸気、電気が挙げられる。
【0016】
熱処理は、原料米糠に添加した水が米糠中に十分に保持され、原料米糠と水分の接触が十分に行われるという観点より、水蒸気の存在下で行うことが好ましい。水蒸気を含有する雰囲気中で加熱を行うことを湿熱処理という。湿熱処理には、飽和水蒸気を用いる処理、過熱水蒸気を用いる処理、水以外の不活性ガスを含有する水蒸気を用いる処理等が挙げられ、原料米糠中の水分の減少を防ぐという観点より、飽和水蒸気を用いる方法が好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム等を例示することができる。
【0017】
熱処理は、例えば、バッチ式のレトルト殺菌機、ナウタミキサ(ホソカワミクロン製)、リボコーン(大河原製作所)、連続式のエクストルーダー等の機器を用いて行うことができる。
【0018】
熱処理後、米糠を乾燥するのが好ましい。乾燥により、ハンドリング性が向上し、米糠から米糠油を抽出する際の効率が向上する。乾燥方法は、例えば熱風乾燥、凍結乾燥等の公知の方法を適用することができる。過剰な分解を防ぎ米糠品質を保持する為に、125℃以下の温度で乾燥させるのが好ましい。乾燥後の米糠中の水分は、20質量%(以下、単に「%」とする)以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。下限は特に規定されるものではないが、エネルギー節約の観点から2%以上が好ましい。
また、米糠は必要に応じて粉砕してもよい。粉砕は、例えば、ターボミルやブレードミル等の粉砕機を用いる方法等により行うことができる。
【0019】
このような処理の結果、米糠中のトリテルペンアルコール遊離体が増加し、トリテルペンアルコール遊離体の含有率が高い米糠が得られる。
本明細書においてトリテルペンアルコールとは、炭素数30又は31の四環性トリテルペンアルコールを云う。これらトリテルペンアルコールは、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール等の炭素数28又は29の4−デスメチルステロールとは明確に相違する化合物である。トリテルペンアルコールは、遊離型のトリテルペンアルコールと脂肪酸エステル型のトリテルペンアルコールを含む。遊離型とはステロイド核のC−3位に水酸基をもつものを指し、脂肪酸エステル型とは、前記遊離型のC−3位の水酸基に脂肪酸がエステル結合したものを指す。
遊離型のトリテルペンアルコールには、例えば、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール、シクロブラノール、シクロアルタノール、シクロサドール、シクロラウデノール、ブチロスペリモール、パルケオール等が含まれる。
【0020】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠は、原料米糠に対してトリテルペンアルコール遊離体の含有量が20%以上、更に30%以上、更に40%以上、更に50%以上、更に60%以上増加したものが好ましい。また、当該増加率の上限は、特に制限されないが、200%以下であるのが好ましい。
中でも、シクロアルテノールと24−メチレンシクロアルタノールの合計の含有量が原料米糠に対して20%以上、更に30%以上、更に40%以上、更に50%以上、更に60%以上増加したものが好ましい。また、当該増加率の上限は、特に制限されないが、200%以下であるのが好ましい。トリテルペンアルコール遊離体の増加率は、後記実施例記載の方法で求めることができる。
【0021】
また、トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠中、トリテルペンアルコール遊離体の含有量は、当該米糠100g中に60mg以上、更に80mg以上、更に95mg以上、更に120mg以上であるのが好ましい。トリテルペンアルコール遊離体の含有量の上限は、特に制限されないが、当該米糠100g中200mg以下が好ましい。なかでも、シクロアルテノールと24−メチレンシクロアルタノールの合計の含有量が当該米糠100g中に60mg以上、更に80mg以上、更に95mg以上、更に120mg以上であるのが好ましい。また、シクロアルテノールと24−メチレンシクロアルタノールの合計の含有量の上限は、特に制限されないが、当該米糠100g中200mg以下が好ましい。
【0022】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠から油分を取り出すことにより、トリテルペンアルコール遊離体の含有率が高いトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油が得られる。
トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油を得る方法は、公知の方法を適用でき、例えば、米糠に溶剤を接触させて抽出を行う溶剤抽出法、米糠を圧搾する圧搾法等が挙げられる。なかでも、溶剤抽出法が好ましい。
【0023】
抽出に用いる溶剤としては、例えば、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、水との混合系で使用してもよい。なかでも、炭化水素類が好ましく、ヘプタン、ヘキサンがより好ましく、ヘキサンがさらに好ましい。
【0024】
溶剤の使用量は、使用する溶剤により適宜設定することができ、溶剤を米糠に均一に接触させる点から、米糠に対し2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましく、4倍以上が更に好ましい。また、20倍以下が好ましく、10倍以下がより好ましい。
抽出の温度は使用する溶剤、装置により適宜設定することができ、10〜80℃が好ましく、15〜70℃がより好ましく、20〜60℃が更に好ましい。10℃以上で抽出効率を高めることができ、80℃以下において熱変化を避け、熱不安定成分の生成を抑制することができる。
【0025】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油は、通常油脂に対して用いられる精製工程を行ってもよい。具体的には、脱ガム工程、脱ロウ工程、脱酸工程、脱色工程、脱臭工程等を挙げることができる。
【0026】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油中、トリテルペンアルコール遊離体は、生理効果の点から0.3%以上であるのが好ましく、更に0.4%以上、更に0.45%以上、更に0.5%以上、更に0.55%以上、更に0.6%以上が好ましい。
中でも、シクロアルテノールと24−メチレンシクロアルタノールの合計の含有量が当該米糠油中に0.3%以上であるのが好ましく、更に0.4%以上、更に0.45%以上、更に0.5%以上、更に0.55%以上、更に0.6%以上が好ましい。また、その含有量の上限は、特に制限されないが2%以下が好ましい。
【0027】
本発明のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油は、一般の食用油と同様に使用でき、油を用いた各種飲食物に広範に適用することができる。
【0028】
本発明の態様及び好ましい実施態様を以下に示す。
【0029】
<1>原料米糠に水を0.3質量倍以上5質量倍以下添加した後、100℃以上200℃以下で熱処理する工程を含む、トリアルペンアルコール遊離体高含有米糠の製造方法。
<2>原料米糠に対する水の添加量が、米糠に対し0.4質量倍以上、好ましくは0.5質量倍以上であり、3質量倍以下、好ましくは2質量倍以下、さらに好ましくは1.5質量倍以下である<1>の製造方法。
<3>原料米糠に水を添加した後、熱処理する前に5〜35℃に2分以上12時間以下保持する工程を含む<1>又は<2>の製造方法。
<4>保持時間が、5分以上であり、2時間以下、好ましくは1時間以下である<3>の製造方法。
<5>熱処理の温度が、110℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、180℃以下、好ましくは175℃以下である<1>〜<4>のいずれかの製造方法。
<6>熱処理の時間が、原料米糠が設定温度に達してから5分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは60分以上であり、300分以下、好ましくは240分以下、より好ましくは180分以下である<1>〜<5>のいずれかの製造方法。
<7>熱処理を水蒸気の存在下で行うものであり、好ましくは水蒸気が飽和水蒸気である<1>〜<6>のいずれかの製造方法。
<8>熱処理後、米糠を乾燥する工程を含む<1>〜<7>のいずれかの製造方法。
<9>トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠が、原料米糠に対してトリテルペンアルコール遊離体の含有量が20質量%以上、好ましくは30質量%以上、好ましくは40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上増加した米糠である<1>〜<8>のいずれかの製造方法。
<10>トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠が、原料米糠に対してシクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計の含有量が20質量%以上、好ましくは30質量%以上、好ましくは40質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上増加した米糠である、<1>〜<8>のいずれかの製造方法。
<11>トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠が、トリテルペンアルコール遊離体を、当該米糠100g中に60mg以上、好ましくは80mg以上、より好ましくは95mg以上、さらに好ましくは120mg以上含有するものである<1>〜<10>のいずれかの製造方法。
<12>トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠が、シクロアルテノールと24−メチレンシクロアルタノールを合計で、当該米糠100g中に60mg以上、好ましくは80mg以上、より好ましくは95mg以上、さらに好ましくは120mg以上含有するものである<1>〜<10>のいずれかの製造方法。
<13><1>〜<12>のいずれかの製造方法により得られるトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠。
<14>シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールを合計で米糠100g中に95mg以上含む、<13>のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠。
<15><1>〜<12>のいずれかの製造方法により得られるトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠に、溶剤を接触させて抽出を行う、トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油の製造方法。
<16>抽出に用いる溶剤が、炭化水素類、ケトン類及びエーテル類から選ばれる少なくとも1種である<15>の製造方法。
<17>炭化水素類が、ヘプタン、ヘキサン、及びシクロヘキサンから選ばれる1種以上である<16>の製造方法。
<18><1>〜<12>のいずれかの製造方法により得られるトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠より抽出されるトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油。
<19>トリテルペンアルコール遊離体を米糠油中に0.3質量%以上、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.45質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.55質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上含有する<18>のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油。
<20>シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールを合計で米糠油中に0.3質量%以上、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.45質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.55質量%以上、さらに好ましくは0.6質量%以上含有する<18>のトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油。
【実施例】
【0030】
<分析方法>
常法により米糠から米糠油を抽出後、固相抽出カラムにより油とトリテルペンアルコールを分離する。分離したトリテルペンアルコールを約25mgとり、クロロホルムで10mLにメスアップした。これをGCに1μL注入し分析し、シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールを定量した。GC分析の条件は下記のとおりである。なお、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノールの定量値は、各成分精製品(花王にて調製)を用いて検量線を作成し、絶対定量法により求めた。
固相抽出カラム:Sep−Pak syika 5g
カラム:キャピラリーGCカラム DB−1(J&W)、30mx0.25mm、膜厚
0.25μm
キャリアガス:He、2.30mL/min
インジェクター:Split(40:1)、T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃で1.5分間保持、15℃/分で250℃まで昇温、5℃/分
で320℃まで昇温、3分間保持
【0031】
<シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値の増加率の算出>
シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値の増加率は次式(1)により算出した。
シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値の増加率(質量%)=[{(米糠中のシクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノール質量の合計値)−(原料米糠中のシクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノール質量の合計値)}/原料米糠中のシクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノール質量の合計値]×100 (1)
なお、表1及び表2においては、「シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値」を単に「TTA遊離体」と表記した。
【0032】
実施例1
新潟産コシヒカリの米糠を原料米糠とした。原料米糠100g中のトリテルペンアルコール(TTA)遊離体の含有量を測定したところ、シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値が49.6mgであった。
原料米糠1kgに対して25℃の水を0.5質量倍添加し、5分吸水した。次いで、レトルト殺菌機を用いて150℃の飽和水蒸気で180分間熱処理を施した。次いで、凍結乾燥し、処理米糠を得た。乾燥後の米糠中の水分は8%であった。
水の添加量、熱処理条件及び結果を表1に示す。
【0033】
(米糠油の抽出)
実施例1で得られた処理米糠200gに対し1000gのヘキサンを添加し、60℃還流下、150r/min攪拌条件で60分間米糠油のバッチ抽出を行った後、2号濾紙で米糠を濾過した。続けて40℃、2.7kPaでヘキサンを留去しトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油36.1gを得た。米糠油中のトリテルペンアルコール遊離体分析結果を表1に示す。
【0034】
実施例2〜8
原料米糠に対して表1に示す量の水を添加し、且つ表1に示す条件で熱処理を行った以外は実施例1と同様にして米糠を得た。水の添加量、熱処理条件及び結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、トリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油を得た。米糠油中のトリテルペンアルコール遊離体分析結果を表1に示す。
尚、実施例4、6及び7は参考例である。
【0035】
比較例1
原料米糠に対して水を添加することなく表1に示す条件で熱処理を行った以外は実施例1と同様にして米糠を得た。熱処理条件及び結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にして、米糠油を得た。米糠油中のトリテルペンアルコール遊離体分析結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
実施例9
佐賀県産ヒノヒカリの米糠を原料米糠とした。原料米糠100g中のトリテルペンアルコール(TTA)遊離体の含有量を測定したところ、シクロアルテノール及び24−メチレンシクロアルタノールの合計値が90.4mgであった。
原料米糠1kgに対して25℃の水を1質量倍添加し、5分吸水した。次いで、レトルト殺菌機を用いて150℃の飽和水蒸気で180分間熱処理を施した。次いで、凍結乾燥し、処理米糠を得た。さらに、実施例1の「(米糠油の抽出)」と同様の条件にてトリテルペンアルコール遊離体高含有米糠油を得た。
水の添加量、熱処理条件及び結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表1及び表2から明らかなように、本発明方法によれば、米糠中のトリテルペンアルコール遊離体が増加し、トリテルペンアルコール遊離体含有率が高い米糠を得ることができた。また、本発明方法により処理された米糠からはトリテルペンアルコール遊離体含有率が高い米糠油を得ることができた。
他方、水の添加なしに湿熱処理した比較例1では、米糠中のトリテルペンアルコール遊離体は増加しなかった。