(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記ワーク画像生成手段は、視野の一部が互いに重複するように、上記ステージ及び上記撮影軸を相対的に移動させながらワークを撮影することにより、2以上の上記ワーク画像を生成し、
上記広域画像生成手段は、上記ステージ及び上記撮影軸の相対的な移動距離に基づいて、2以上の検査用ワーク画像を連結することにより、上記検査用広域画像を生成することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、寸法測定の精度を低下させることなく、エッジ抽出のための領域の指定を行い易くした画像測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
特に、広域画像によってワークの全体像を把握させつつエッジ抽出領域の指定を行わせ、ワークの異なる部位を撮影した少なくとも2つのワーク画像を用いて精度良く寸法測定を行うことができる画像測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、同じ形状のワークを繰り返し測定する場合の作業性を向上させた画像測定装置を提供することを目的とする。また、メモリの使用量が増大するのを抑制しつつ、エッジ抽出領域の指定を行い易くした画像測定装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、上述した画像測定装置の制御方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、コンピュータを上述した画像測定装置として機能させることができるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の本発明による画像測定装置は、ステージ上のワークを撮影してワーク画像を生成し、上記ワーク画像のエッジ位置に基づいてワークの寸法を測定する画像測定装置であって、
上記ステージに対する撮影軸の相対的な移動により、上記ステージ上のワークの撮影位置を、上記撮影軸に垂直な方向に調整する撮影位置調整手段と、
当該撮影位置調整手段により調整された2以上の異なる撮影位置におけるワーク画像を
各々生成するワーク画像生成手段と、
当該ワーク画像生成手段により生成された各ワーク画像の撮影位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手段と、上記ワーク画像生成手段により生成された2以上のワーク画像を用いて広域画像を生成す
る広域画像生成手段と、
上記広域画像を用いて登録されるマッチング情報であって、ワークの位置及び姿勢を特定するためのマッチング情報と、上記広域画像に対する領域指定操作に基づいて指定されるエッジ抽出領域であって、ワーク画像に対してエッジ抽出を行うためのエッジ抽出領域とを関連づけて記憶する設定情報記憶手段と、上記広域画像生成手段により生成される検査用広域画像と上記設定情報記憶手段に記憶されたマッチング情報とをマッチングさせることにより、上記検査用広域画像内の
ワークの位置及び姿勢を
特定し、当該特定されたワークの位置及び姿勢から、当該マッチング情報と関連づけて記憶されたエッジ抽出領域を、
当該検査用広域画像を構成する2以上の検査用ワーク画像に対して設定
し、当該設定されたエッジ抽出領域におけるエッジ抽出を実行し、上記位置情報記憶手段により記憶される当該検査用ワーク画像の撮影位置を示す位置情報と当該検査用ワーク画像内のエッジ位置とに基づいて、2以上の検査用ワーク画像に跨るエッジ間寸法を求める寸法測定手段とを備えて構成される。
【0014】
この様な構成によれば、ステージに対する撮影軸の位置が異なる2以上のワーク画像の各視野を含む設定用広域画像に対しエッジ抽出領域を指定させるので、カメラの撮影倍率が高くてワーク画像の視野が狭い場合であっても、ワークの全体像を把握しながらエッジ抽出領域の指定を行うことができる。このため、1つのワーク画像の視野内に収まらない範囲の寸法を測定する場合に、エッジ抽出領域の指定を行う作業を容易化することができる。また、エッジ抽出が広域画像ではなく、個々のワーク画像に対して行われるため、寸法測定の精度を低下させることがない。特に、広域画像によってワークの全体像を把握させつつエッジ抽出領域の指定を行わせ、ワークの異なる部位を撮影した少なくとも2つのワーク画像を用いて精度良く寸法測定を行うことができる。
【0015】
また、予め登録されたマッチング情報を用いて検査用広域画像内における測定対象物の位置及び姿勢を検出し、検査用の各ワーク画像に対してエッジ抽出領域が自動的に設定される。検査用のワーク画像に対するエッジ抽出は、その様なエッジ抽出領域を用いて行われる。つまり、マッチング情報を用いることにより、ユーザは、ステージ上のワークを変更するごとにエッジ抽出領域を指定する必要がないので、同じ形状のワークを繰り返し測定する場合の作業性を向上させることができる。
【0016】
第2の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、
上記寸法測定手段が、上記エッジ抽出領域が上記検査用広域画像上において少なくとも2つのワーク画像の視野に跨って指定されている場合に、当該エッジ抽出領域を分割して各検査用ワーク画像に対して設定し、当該分割後のエッジ抽出領域から少なくとも2つのワーク画像の視野に跨るエッジ点の位置を特定し、少なくとも2つのワーク画像の視野に跨って位置が特定されたエッジ点群に対し、幾何学図形をフィッティングすることにより、ワークの輪郭形状を示すエッジを抽出するように構成される。
また、第3の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記ワーク画像生成手段が、上記ステージに対する上記撮影軸の相対的な移動により、視野の一部が互いに重複するようにワークを撮影することによって、2以上の上記ワーク画像を生成し、上記寸法測定手段が、当該ワーク画像により構成された検査用広域画像上において、少なくとも2つのワーク画像の視野に跨る上記エッジ抽出領域が指定されている場合に、当該エッジ抽出領域を検査用ワーク画像間で一部が重複した状態で各検査用ワーク画像に対して設定し、上記検査用ワーク画像の重複領域におけるエッジ抽出領域内から抽出されたエッジであって、重複領域内の各検査用ワーク画像のそれぞれのエッジ同士を統合する統合処理により、分割後のエッジ抽出領域内のエッジを抽出するように構成される。また、第4の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記寸法測定手段が、重複領域内の各検査用ワーク画像のそれぞれのエッジ点同士の対応づけを行い、対応させたエッジ点同士の統合処理を行うことにより、分割後のエッジ抽出領域内のエッジを抽出し、前記対応づけは、エッジ抽出領域の重複領域で、距離が最も近いエッジ点同士を対応させる方法と、エッジの極性が一致しているエッジ点同士を対応させる方法と、エッジ強度が最も近いエッジ点同士を対応させる方法とのいずれかの方法で行うように構成される。また、第5の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記統合処理が、各検査用ワーク画像のエッジのうち、いずれか一方のみを選択する方法と、両方を選択する方法と、いずれも採用しない方法と、それらの中点に統合させる方法と、2つのエッジに重みを付けて平均化する方法とのいずれかの方法で行うように構成される。また、第6の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記広域画像を表示する表示手段を更に備え、上記表示手段が、上記エッジ間の寸法測定結果を検査用広域画像上に表示するように構成される。
【0017】
第7の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記位置情報記憶手段が、2以上の検査用ワーク画像の撮影位置を示すステージ位置情報を記憶し、上記寸法測定手段が、上記検査用広域画像及び上記マッチング情報のマッチング結果と、上記ステージ位置情報とに基づいて、エッジ抽出領域を設定するように構成される。この様な構成によれば、検査用広域画像が、ステージ及び撮影軸を相対的に移動させながら検査対象のワークを撮影した複数の検査用のワーク画像から得られる場合であっても、エッジ抽出領域を適切に設定することができる。
【0018】
第8の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記
寸法測定手段が、1つの検査
用ワーク画像に含まれる寸法を測定する場合に、抽出されたエッジ位置のみに基づいて寸法算出を実行し、2以上の検査
用ワーク画像にわたる寸法を測定する場合に、抽出された各ワーク画像内におけるエッジ位置と、各ワーク画像の
撮影位置を示す上記ステージ位置情報とに基づいて寸法算出を実行するように構成される。
【0019】
この画像測定装置では、2以上の検査用のワーク画像にわたる寸法を測定する場合に、抽出された各ワーク画像内におけるエッジ位置と、各ワーク画像の撮像位置を示すステージ位置情報とから寸法算出が実行される。このため、設定用及び検査用の広域画像は、検査用のワーク画像と同程度の解像度である必要はなく、また、解像度を保ったまま保持する必要もない。従って、メモリの使用量が増大するのを抑制しつつ、エッジ抽出領域の指定を行い易くすることができる。
【0020】
第9の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、
上記広域画像の少なくとも一部からなるテンプレート画像を上記マッチング情報として登録する
マッチング情報登録手段を更に備えて構成される。この様な構成によれば、テンプレート画像を用いて検査用広域画像内における測定対象物の位置及び姿勢が検出され、検査用の各ワーク画像に対してエッジ抽出領域が自動的に設定される。
【0021】
第10の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記ワーク画像生成手段が、視野の一部が互いに重複するように、上記ステージ及び上記撮影軸を相対的に移動させながらワークを撮影することにより、2以上の上記ワーク画像を生成し、上記
広域画像生成手段が、上記ステージ及び上記撮影軸の相対的な移動距離に基づいて、2以上の検査
用ワーク画像を連結することにより、上記検査用広域画像を生成するように構成される。この様な構成によれば、高倍率及び低倍率を切り替える必要がないので、カメラの構成を簡素化することができる。
【0025】
第11の本発明による画像測定装置は、上記構成に加え、上記
寸法測定手段が、上記エッジ抽出領域からエッジ点を検出するエッジ点検出手段と、検査
用ワーク画像上における上記エッジ点の位置を示す位置情報を受光レンズの収差に応じて補正する収差補正手段とを備え、補正後の各エッジ点の位置情報に基づいて、上記エッジを求めるように構成される。この様な構成によれば、画像処理の負荷が増大するのを抑制しつつ、寸法測定の精度を向上させることができる。
【0026】
第12の本発明による画像測定装置の制御方法は、ステージ上のワークを撮影してワーク画像を生成し、上記ワーク画像のエッジ位置に基づいてワークの寸法を測定する画像測定装置の制御方法であって、
上記ステージに対する撮影軸の相対的な移動により、上記ステージ上のワークの撮影位置を、上記撮影軸に垂直な方向に調整する撮影位置調整ステップと、
当該撮影位置調整ステップにおいて調整された2以上の異なる撮影位置におけるワーク画像を
各々生成するワーク画像生成ステップと、
当該ワーク画像生成ステップにおいて生成された各ワーク画像の撮影位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶ステップと、上記ワーク画像生成ステップにおいて生成された2以上のワーク画像を用いて広域画像を生成す
る広域画像生成ステップと、
上記広域画像を用いて登録されるマッチング情報であって、ワークの位置及び姿勢を特定するためのマッチング情報と、上記広域画像に対する領域指定操作に基づいて指定されるエッジ抽出領域であって、ワーク画像に対してエッジ抽出を行うためのエッジ抽出領域とを関連づけて記憶する設定情報記憶ステップと、上記広域画像生成ステップにおいて生成される検査用広域画像と上記設定情報記憶ステップにおいて記憶されたマッチング情報とをマッチングさせることにより、上記検査用広域画像内の
ワークの位置及び姿勢を
特定し、当該特定されたワークの位置及び姿勢から、当該マッチング情報と関連づけて記憶されたエッジ抽出領域を、
当該検査用広域画像を構成する2以上の検査用ワーク画像に対して設定
し、当該設定されたエッジ抽出領域におけるエッジ抽出を実行し、上記位置情報記憶ステップにおいて記憶される当該検査用ワーク画像の撮影位置を示す位置情報と当該検査用ワーク画像内のエッジ位置とに基づいて、2以上の検査用ワーク画像に跨るエッジ間寸法を求める寸法測定ステップとを備えて構成される。
【0027】
第13の本発明による画像測定装置用のプログラムは、ステージ上のワークを撮影してワーク画像を生成し、上記ワーク画像のエッジ位置に基づいてワークの寸法を測定する画像測定装置用のプログラムであって、
上記ステージに対する撮影軸の相対的な移動により、上記ステージ上のワークの撮影位置を、上記撮影軸に垂直な方向に調整する撮影位置調整手順と、
当該撮影位置調整手順において調整された2以上の異なる撮影位置におけるワーク画像を
各々生成するワーク画像生成手順と、
当該ワーク画像生成手順において生成された各ワーク画像の撮影位置を示す位置情報を記憶する位置情報記憶手順と、上記ワーク画像生成手順において生成された2以上のワーク画像を用いて広域画像を生成す
る広域画像生成手順と、
上記広域画像を用いて登録されるマッチング情報であって、ワークの位置及び姿勢を特定するためのマッチング情報と、上記広域画像に対する領域指定操作に基づいて指定されるエッジ抽出領域であって、ワーク画像に対してエッジ抽出を行うためのエッジ抽出領域とを関連づけて記憶する設定情報記憶手順と、上記広域画像生成手順において生成される検査用広域画像と上記設定情報記憶手順において記憶されたマッチング情報とをマッチングさせることにより、上記検査用広域画像内の
ワークの位置及び姿勢を
特定し、当該特定されたワークの位置及び姿勢から、当該マッチング情報と関連づけて記憶されたエッジ抽出領域を、
当該検査用広域画像を構成する2以上の検査用ワーク画像に対して設定
し、当該設定されたエッジ抽出領域におけるエッジ抽出を実行し、上記位置情報記憶手順において記憶される当該検査用ワーク画像の撮影位置を示す位置情報と当該検査用ワーク画像内のエッジ位置とに基づいて、2以上の検査用ワーク画像に跨るエッジ間寸法を求める寸法測定手順とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明による画像測定装置では、1つのワーク画像の視野内に収まらない範囲の寸法を測定する場合に、エッジ抽出領域の指定を行う作業を容易化することができる。特に、広域画像によってワークの全体像を把握させつつエッジ抽出領域の指定を行わせ、ワークの異なる部位を撮影した少なくとも2つのワーク画像を用いて精度良く寸法測定を行うことができる。
【0029】
また、マッチング情報を用いることにより、ユーザは、ステージ上のワークを変更するごとにエッジ抽出領域を指定する必要がないので、同じ形状のワークを繰り返し測定する場合の作業性を向上させることができる。また、メモリの使用量が増大するのを抑制しつつ、エッジ抽出領域の指定を行い易くすることができる。
【0030】
また、本発明によれば、上述した画像測定装置の制御方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、コンピュータを上述した画像測定装置として機能させるプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施の形態1.
まず、本発明による画像測定装置の前提となる構成について、
図1〜
図3を用いて以下に説明する。
【0033】
<画像測定装置100>
図1は、本発明の実施の形態1による画像測定装置100の一構成例を示した斜視図である。この画像測定装置100は、ワークを撮影した画像を解析することによってワークの寸法を測定する寸法測定器であり、x方向及びz方向に移動可能な可動ステージ12を備えた測定ユニット10と、制御ユニット20、キーボード31及びマウス32により構成される。ワークは、その形状や寸法が測定される測定対象物である。
【0034】
例えば、測定ユニット10は、水平な作業台に設置され、x方向は、水平方向に相当し、z方向は、鉛直方向に相当する。可動ステージ12は、ワークを載置するための載置台であり、電気モーターにより駆動される。可動ステージ12の水平で平坦な載置面には、検出光を透過させる検出エリア13が形成されている。ワークは、検出エリア13内に配置される。例えば、検出エリア13は、1辺の長さが200mmの正方形からなり、可動ステージ12は、−50mm以上50mm以下の範囲内でx方向に移動させることができる。
【0035】
測定ユニット10は、検出エリア13内のワークに対し検出光を照射した際に、その透過光又は反射光を受光することによってワークを撮影し、ワーク画像を生成する光学系ユニットであり、ワーク画像や寸法の測定結果を画面表示する表示装置11が設けられている。
【0036】
表示装置11は、矩形形状の表示画面を有し、表示画面をzx平面に交差する方向に向けた状態で、可動ステージ12の上方にマウントされている。この測定ユニット10は、異なる撮影倍率でワークを撮影することができる。
【0037】
制御ユニット20は、可動ステージ12の位置調整、ワークの撮影及び表示装置11を制御し、寸法測定を行うためのコントローラであり、キーボード31及びマウス32が接続されている。
【0038】
例えば、画像測定装置100は、画像測定プログラムに基づいてコンピュータを動作させることにより実現することができる。また、その様な画像測定プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供され、或いは、ネットワークを介して提供される。
【0039】
<測定ユニット10>
図2は、
図1の測定ユニット10内の構成例を模式的に示した説明図であり、測定ユニット10をx方向に垂直な鉛直面により切断した場合の切断面の様子が示されている。この測定ユニット10は、筐体40内部が、Z駆動部41、X駆動部42、撮像素子43,44、透過照明ユニット50、リング照明ユニット60、同軸落射照明用光源71、受光レンズユニット80により構成されている。
【0040】
Z駆動部41は、制御ユニット20からの駆動信号に基づいて、可動ステージ12をz方向に移動させ、ワークのz方向の位置を調整するための位置調整部である。X駆動部42は、制御ユニット20からの駆動信号に基づいて、可動ステージ12をx方向に移動させ、ワークのx方向の位置を調整するための位置調整部である。
【0041】
透過照明ユニット50は、可動ステージ12上に載置されたワークに対し、検出光を下側から照射するための照明装置であり、透過照明用光源51、ミラー52及び光学レンズ53により構成される。透過照明用光源51から出射された検出光は、ミラー52により反射され、光学レンズ52を介して出射される。この検出光は、可動ステージ12を透過し、その透過光の一部は、ワークにより遮断され、他の一部が受光レンズユニット80に入射する。
【0042】
リング照明ユニット60は、可動ステージ12上のワークに対し、検出光を上側から照射するための照明装置であり、受光レンズユニット80を取り囲むリング状の光源からなる。同軸落射照明用光源71は、可動ステージ12上のワークに対し、検出光を上側から照射するための光源であり、ワークに対する照射光の光軸とワークによる反射光の光軸とが同軸となるように、ハーフミラー72が配置されている。ワークの照明方法としては、透過照明、リング照明又は同軸落射照明のいずれかを任意に選択することができる。
【0043】
受光レンズユニット80は、受光レンズ81,84,86、ハーフミラー82、絞り板83及び85により構成される鏡筒部であり、透過照明ユニット50からの透過光や、検出光のワークによる反射光が入射され、撮像素子43及び44に結像させる。受光レンズ81は、可動ステージ12側に配置された光学レンズであり、可動ステージ12の載置面(上側の面)に対向させて配置されている。受光レンズ84は、撮像素子43側に配置された光学レンズであり、撮像素子43に対向させて配置されている。また、受光レンズ86は、撮像素子44側に配置された光学レンズであり、撮像素子44に対向させて配置されている。
【0044】
絞り板83及び受光レンズ84は、撮影倍率が低く、視野の広い低倍側結像部であり、その中心軸を光学レンズ53及び受光レンズ81と一致させて配置されている。一方、絞り板85及び受光レンズ86は、撮影倍率が高く、視野の狭い高倍側結像部であり、ワークからの検出光はハーフミラー82を介して入射される。受光レンズ81,84及び86は、ワークのz方向の位置が変化しても、像の大きさを変化させない性質を有し、テレセントリックレンズと呼ばれる。
【0045】
撮影軸1は、受光レンズユニット80の受光軸であり、受光レンズ81、絞り板83及び受光レンズ84の中心軸や、ハーフミラー82の反射面において曲折する受光レンズ81、絞り板85及び受光レンズ86の中心軸に相当する。この撮影軸1は、可動ステージ12の載置面、すなわち、xy平面に垂直であり、可動ステージ12のz方向の位置を調整することにより、撮影画像のピント調整が行われる。
【0046】
撮像素子43は、受光レンズユニット80により形成される低倍率視野内のワークを低倍率で撮影し、広域画像を生成する低倍率撮影用のイメージセンサである。撮像素子44は、受光レンズユニット80により形成される高倍率視野内のワークを高倍率で撮影し、ワーク画像を生成する高倍率撮影用のイメージセンサである。高倍率視野は、低倍率視野よりも狭い視野であり、低倍率視野内に形成される。
【0047】
撮像素子43,44は、いずれもCCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)などの半導体素子からなる。
【0048】
可動ステージ12の検出エリア13内であれば、ワークをどこに配置しても、低倍率視野で捉えられる。また、低倍率視野内のワークは、広域画像を解析してワークの位置や姿勢を求め、可動ステージ12を移動させることにより、高倍率視野内へ案内して高倍率で撮影することができる。画像測定装置100では、低倍率視野及び高倍率視野が略同心であり、低倍率の広域画像と高倍率のワーク画像とを同時に取得することができる。
【0049】
<測定設定画面2>
図3は、
図1の画像測定装置100の動作の一例を示した図であり、測定ユニット10の表示装置11に表示される測定設定画面2が示されている。この測定設定画面2は、マスターワーク3aを撮影して得られた設定用広域画像4aやワーク画像を表示し、或いは、測定条件を設定するための画面であり、表示装置11上に表示される。
【0050】
測定設定画面2には、設定用広域画像4aやワーク画像を表示するための表示領域201と、動作モードの切替ボタン202,203と、測定条件の設定ボタン204と、照明方法の選択欄205と、測定実行ボタン206が設けられている。設定用広域画像4aは、測定条件などを設定するのに用いる広域画像であり、高倍率で撮影された複数のワーク画像を連結することにより生成され、或いは、低倍率でマスターワーク3aを撮影することにより生成される。
【0051】
表示領域201には、可動ステージ12上のワーク3を撮影したワーク画像を動画像により表示し、或いは、寸法測定のために録画した静止画像により表示することができる。切替ボタン202は、同じ形状のワーク3を繰り返し測定する連続検査モードを選択するための操作アイコンである。連続検査モードでは、可動ステージ12上のワーク3を取り替えて測定実行ボタン206を操作するごとに、寸法測定が実行される。
【0052】
切替ボタン203は、測定条件を設定する測定設定モードを選択するための操作アイコンである。測定設定モードでは、エッジ抽出を行わせる領域と、エッジ抽出のスキャン方向やエッジの極性といったエッジ抽出の方法と、寸法種別を指定することができる。
【0053】
スキャン方向は、輝度変化を検出する画素列の方向であり、任意に指定することができる。エッジ抽出は、エッジ抽出領域内でスキャン方向に隣接する画素間の輝度の変化量からエッジ強度を求め、スキャン方向のエッジ強度の分布に基づいて、エッジ点を抽出することにより行われる。エッジの極性には、隣接画素間で輝度が暗から明へ変化する正極性と、明から暗へ変化する負極性とがあり、正極性又は負極性のいずれか一方又は両方をエッジの抽出対象に指定することができる。
【0054】
設定ボタン204は、ワーク3のどの様な形状に対しどの様にして寸法を測定するのかといった寸法種別を選択するための操作アイコンである。この設定ボタン204には、距離測定のための設定ボタンと、角度測定のための設定ボタンがある。
【0055】
距離測定には、2点間の距離、線分と点との距離、平行な2線分の距離、円の中心と線分との距離、2円の中心間の距離、円の直径、円弧の半径、円と点との距離などの各種距離を求める場合がある。角度測定では、平行でない2直線の交角が求められる。エッジ抽出領域やエッジ抽出方法は、この様な測定種別ごとに指定することができる。
【0056】
次に、本発明による画像測定装置100の構成について、
図4〜
図15を用いて以下に詳細に説明する。
【0057】
<設定用広域画像4a>
図4は、
図2の測定ユニット10によりマスターワーク3aを撮影して得られた設定用広域画像4aの一例を示した図である。この図には、照明方法として透過照明を選択し、左右方向、すなわち、x方向に長い配線基板をマスターワーク3aとして撮影した場合が示されている。
【0058】
この設定用広域画像4aは、測定条件やエッジ抽出領域を指定するのに用いられる広域画像であり、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる3つのワーク画像を連結して作成される。つまり、この設定用広域画像4aの視野は、ワーク画像の各視野をx方向に連結した形状からなる。
【0059】
例えば、ワーク画像の視野の直径が100mmの距離に相当する場合、各ワーク画像は、視野の一部が互いに重複するように、可動ステージ12をx方向に50mmだけ移動させるごとにマスターワーク3aを撮影して得られる。
【0060】
連結に用いるワーク画像は、ユーザが可動ステージ12の位置を予め指定し、或いは、可動ステージ12を移動させる範囲を予め指定しておくことにより、同一のマスターワーク3aを繰り返し撮影して自動的に作成される。或いは、ワーク画像は、予め定められた位置に可動ステージ12が移動するごとに、同一のマスターワーク3aを撮影して自動的に作成される。
【0061】
設定用広域画像4aは、可動ステージ12の位置情報に基づいて、これらのワーク画像を繋ぎ合わせる画像合成処理によって作成される。また、隣接するワーク画像間における視野の重複部分の画素値は、これらのワーク画像間における平均値により定められる。
【0062】
なお、本実施の形態では可動ステージ12の位置情報を用いてワーク画像を合成したが、ワーク画像間のマッチング処理を精度よく行うことができる場合は、必ずしも可動ステージ12の位置情報を用いる必要はなく、ワーク画像間のマッチング処理により画像合成を行うことができる。
【0063】
図5は、エッジ抽出領域5a〜5dが指定された設定用広域画像4aの一例を示した図である。測定条件やエッジ抽出領域は、設定用広域画像4aを用いて指定される。例えば、設定用広域画像4aを測定設定画面2の表示領域201内に表示させ、設定用広域画像4a上でマウスカーソルを移動させながら、エッジ抽出を行わせる領域が指定される。この例では、マスターワーク3aの異なる部位を測定箇所とする矩形形状の4つの領域がエッジ抽出領域5a〜5dとして指定されている。
【0064】
エッジ抽出領域5a〜5dを指定するための具体的な方法には、矩形領域の頂点にマウスカーソルを移動させてクリック操作により指定し、或いは、マウス32のドラッグ操作により指定する方法がある。エッジ抽出領域5a〜5dや測定条件といった測定設定情報が対応づけられる設定用広域画像4aの一部は、後述する連続検査モード時に用いるテンプレート画像Aとして登録することができる。
【0065】
テンプレート画像Aは設定用広域画像4aそのものでもよいし、設定用広域画像4aからユーザが特徴的な部分を選択し、選択された箇所をテンプレート画像Aとして登録可能にしてもよい。或いは、設定用広域画像4a上から特徴部分を自動的に抽出し、テンプレート画像Aとして登録することも可能である。エッジ抽出領域5a〜5dとテンプレート画像Aは同一の座標空間上に存在しており、互いの位置関係は既知となる。
【0066】
この様なテンプレート画像Aを測定設定情報と共に寸法測定の雛形として予め登録しておくことにより、可動ステージ12上のワーク3を変更するごとにエッジ抽出領域5や測定条件を指定する必要がないので、連続検査時の作業性を向上させることができる。
【0067】
図6は、寸法値がマスターワーク3aに対応づけて表示された設定用広域画像4aの一例を示した図である。この設定用広域画像4aは、測定設定画面2の表示領域201内に表示される。エッジ抽出では、エッジ抽出領域5a〜5d内の画素データが解析され、マスターワーク3aの輪郭形状を示す形状線がエッジ7として抽出される。
【0068】
この例では、エッジ抽出領域5aから上下方向(y方向)に延伸する直線がエッジ7として抽出され、エッジ抽出領域5bから左右方向(x方向)に延伸する直線がエッジ7として抽出されている。また、エッジ抽出領域5cから上下方向に延伸する直線がエッジ7として抽出され、エッジ抽出領域5dから左右方向に延伸する直線がエッジ7として抽出されている。
【0069】
また、エッジ抽出領域5a及び5cに対し、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「135.7mm」が寸法線8を用いて表示されている。また、エッジ抽出領域5b及び5dに対しても、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「40.0mm」が寸法線8を用いて表示されている。
【0070】
使用者は、設定用広域画像4a上に表示された各寸法値9に対して、良否判定用の設計値及び公差を設定することができる。つまり、使用者は、低倍率で撮影した設定用広域画像4a、又は、高倍率で撮影したワーク画像を連結して作成された設定用広域画像4a上で、テンプレート画像Aの登録と、エッジ抽出領域5の指定を行う。指定されたエッジ抽出領域5は、高倍率で撮影される各ワーク画像に対して設定され、高精度なエッジ抽出を行う。抽出されたエッジ7に基づく寸法測定結果は、設定用広域画像4a上に表示され、使用者は寸法値9に対して設計値や公差を設定することができる。
【0071】
上記の設定操作時に、使用者により指定されたテンプレート画像A、テンプレート画像Aに対して相対的な位置関係が既知であるエッジ抽出領域情報、抽出されたエッジに対してどのような寸法算出を行うかを定めた測定条件情報、算出された寸法値に対する設計値や公差の情報を含む設計値情報が測定設定としてファイルに記憶される。後述する検査を行う際は、記憶されたファイルを読み出して、新たに入力されたワーク画像に対して、測定設定を適用することにより、同様の検査を繰り返し実行することが可能になる。
【0072】
<ワーク画像6>
図7は、
図2の測定ユニット10により検査対象のワーク3を撮影して得られたワーク画像6の一例を示した図であり、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる3つのワーク画像6が示されている。図中の(a)には、ワーク3の左端部を撮影したワーク画像6が示され、(b)には、ワーク3の中央部を撮影したワーク画像6が示され、(c)には、ワーク3の右端部を撮影したワーク画像6が示されている。
【0073】
ワーク画像6は、高倍率で狭視野のカメラを用いてワーク3を撮影することによって作成されるワーク画像であり、静止画像からなる。ワーク画像6における円形形状の視野内には、ワーク3の一部分が被写体として撮像されている。
【0074】
エッジ抽出は、この様なワーク画像6を用いて行われ、設定用広域画像4a上のエッジ抽出領域5a〜5dに対応するワーク画像6上の領域を判別し、ワーク画像6におけるエッジ抽出領域5a〜5d内の画素データが解析される。設定用広域画像4a上で指定されたエッジ抽出領域5a〜5dが、ワーク画像6ではどこに相当するのかといった領域の対応づけは、設定用広域画像4a及びワーク画像6間における可動ステージ12の移動距離と、撮影倍率の変化量とに基づいて行われる。
【0075】
エッジ抽出に用いるワーク画像6は、可動ステージ12の位置を予め指定し、或いは、可動ステージ12を移動させる範囲などを予め指定しておくことにより、同一のワーク3を繰り返し撮影して自動的に作成される。
【0076】
例えば、設定用広域画像4aの視野の直径が200mmの距離に相当し、ワーク画像6の視野の直径が100mmの距離に相当する場合、各ワーク画像6は、可動ステージ12をx方向に50mmだけ移動させるごとに、ワーク3を撮影して得られる。具体的に説明すれば、図中の(a)のワーク画像6は、可動ステージ12をx方向の位置50mmに移動させた際に撮影され、(b)のワーク画像6は、可動ステージ12をx方向の位置0mmに移動させた際に撮影され、(c)のワーク画像6は、可動ステージ12をx方向の位置−50mmに移動させた際に撮影される。これらのワーク画像6の各視野は、設定用広域画像4aの視野内に含まれている。
【0077】
<検査用広域画像4b>
図8は、
図1の画像測定装置100の動作の一例を示した図であり、検査対象のワーク3を撮影して得られた検査用広域画像4bが示されている。この検査用広域画像4bは、連続検査モード時に作成される広域画像であり、3つの検査用のワーク画像6を連結することによって得られる。検査対象のワーク3は、検出エリア13内に任意に配置される。
【0078】
検査用広域画像4bをテンプレート画像と照合することにより、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置や姿勢が検出され、その検出結果に基づいて、エッジ抽出領域5の位置情報が補正される。
【0079】
図9は、
図1の画像測定装置100におけるエッジ抽出時の動作の一例を示した図であり、ワーク画像6p,6q間で領域の一部が重複するように、エッジ抽出領域5bを2つのエッジ抽出領域5bp、5bqに分割する場合が示されている。
【0080】
検査用広域画像4b上で少なくとも2つのワーク画像6に跨るエッジ抽出領域5が指定されている場合に、ワーク画像6間で領域の一部が重複するように当該エッジ抽出領域5を分割し、分割後のエッジ抽出領域5を用いて、ワーク画像6からエッジが抽出される。
【0081】
この例では、エッジ抽出領域5bが隣接する2つのワーク画像6p,6qに跨って延伸しており、当該エッジ抽出領域5bがワーク画像6pからエッジを抽出するためのエッジ抽出領域5bpと、ワーク画像6qからエッジを抽出するためのエッジ抽出領域5bqとに分割されている。
【0082】
エッジ抽出は、この様な分割後のエッジ抽出領域5を用いて行われる。すなわち、ワーク画像6pにおけるエッジ抽出領域5bp内の画素データに基づいてエッジ点を検出し、ワーク画像6p上における各エッジ点の位置情報が受光レンズユニット80の収差に応じて補正される。
【0083】
また、ワーク画像6qにおけるエッジ抽出領域5bq内の画素データに基づいてエッジ点を検出し、ワーク画像6q上におけるエッジ点の位置情報が受光レンズユニット80の収差に応じて補正される。
【0084】
そして、検査用広域画像4bを構成する3つのワーク画像6からそれぞれ抽出されたエッジ点は、可動ステージ12の位置情報を用いて、共通の座標系に変換される。つまり、各ワーク画像6から抽出されたエッジ点は、共通の原点を有する座標、例えば、xy座標によりその位置情報が表される。
【0085】
ワーク画像6間で領域の一部が重複するようにエッジ抽出領域5を分割し、分割後のエッジ抽出領域5を用いて、ワーク画像6からエッジを抽出することにより、特定の方向に延びるエッジの抽出漏れを防ぐことができる。このため、検査用広域画像4b上で少なくとも2つのワーク画像6に跨って指定されたエッジ抽出領域5からエッジを抽出する際の抽出精度を向上させることができる。
【0086】
図10は、
図1の画像測定装置100におけるエッジ抽出時の動作の一例を示した図であり、重複領域5br内のエッジ点7aをワーク画像6p,6q間で対応づける様子が示されている。
【0087】
重複領域5brでは、ワーク画像6pから抽出されたエッジ点7aと、ワーク画像6qから抽出されたエッジ点7aとが存在する。通常、これらのエッジ点7aは、可動ステージ12の位置決めの誤差や収差補正の誤差の影響により、完全には一致しない。
【0088】
そこで、重複領域5br内のエッジ点7aについて、ワーク画像6p,6q間でエッジ点の対応づけを行い、エッジ点7aを統合させる統合処理が実施される。例えば、エッジ点の対応づけは、重複領域5br内で距離が最も近いエッジ点7a同士を対応づけることにより行われる。
【0089】
なお、エッジ点の対応づけは、エッジの極性が一致しているエッジ点7a同士を対応づけ、或いは、エッジ強度が最も近いエッジ点7a同士を対応づけるような構成であっても良い。
【0090】
例えば、エッジ点7aの統合処理は、ワーク画像6p,6q間で対応づけられた2つのエッジ点7aをその中点に統合させる。この様な統合処理を実施することにより、エッジ7が重複して抽出されるのを防止することができる。特に、1ライン上のエッジを計数して行われるピッチ測定において、エッジ7の重複による計数誤差の発生を抑制することができる。
【0091】
なお、エッジ点7aの統合処理には、ワーク画像6pから抽出されたエッジ点7aと、ワーク画像6qから抽出されたエッジ点7aとのいずれか一方のみを選択する方法、両方を選択する方法、或いは、いずれのエッジ点7aも採用しない方法などが考えられる。いずれか一方のエッジ点7aを選択する方法では、重複領域5br内に境界を定め、境界よりも内側に存在するのか、或いは、外側に存在するのかによっていずれか一方のエッジ点7aが採用される。
【0092】
また、ワーク画像6pから抽出されたエッジ点7aと、ワーク画像6qから抽出されたエッジ点7aとを重み付きで平均するといった統合処理も考えられる。2つのエッジ点7aの平均点を求める際の重みは、例えば、視野の中心からエッジ点7aまでの距離に応じて異ならせる。
【0093】
この様な統合処理を実施した後、エッジ点群に幾何学図形をフィッティングさせることにより、エッジを抽出する処理が行われる。この処理は、エッジ抽出領域5a〜5dごとに行われる。
【0094】
図11は、寸法の測定結果がワーク3に対応づけて表示された検査用広域画像4bの一例を示した図である。この検査用広域画像4bは、測定設定画面2の表示領域201内に表示される。エッジ抽出では、エッジ抽出領域5a〜5d内の画素データが解析され、ワーク3の輪郭形状を示す形状線がエッジ7として抽出される。
【0095】
エッジ抽出領域5a及び5cに対し、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「135.2mm」が寸法線8を用いて表示されている。また、エッジ抽出領域5b及び5dに対しても、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「40.1mm」が寸法線8を用いて表示されている。
【0096】
<制御ユニット20>
図12は、
図1の画像測定装置100における制御ユニット20の一構成例を示したブロック図である。この制御ユニット20は、撮影制御部101、撮影位置調整部102、測定設定記憶部103、マッチング部104、エッジ領域設定部105、エッジ抽出部106、寸法算出部107、良否判定部108、表示部109、抽出領域指定部121、測定条件指定部122、ワーク画像記憶部123、ステージ位置情報記憶部124及び検査用広域画像生成部125により構成される。
【0097】
撮影制御部101は、キーボード31やマウス32からの操作信号に基づいて、広域画像4a,4bやワーク画像6を取得するための撮像制御信号を生成し、測定ユニット10へ出力する。撮影位置調整部102は、操作信号や撮影制御部101の指示に基づいてステージ制御信号を生成し、可動ステージ12をx方向に移動させることによって撮影位置の調整を行う。
【0098】
抽出領域指定部121は、ユーザによる所定の領域設定操作に基づいて、設定用広域画像4a上でエッジ抽出のためのエッジ抽出領域5を指定する。測定条件指定部122は、ユーザによる抽出方法や寸法種別の設定操作に基づいて、設定用広域画像4a上で指定されたエッジ抽出領域5に対し、測定条件として、エッジ抽出のスキャン方向やエッジの極性を指定し、或いは、寸法種別を指定する。
【0099】
測定設定記憶部103には、テンプレート画像111、エッジ抽出領域情報112、測定条件情報113及び設計値情報114が保持される。エッジ抽出領域情報112は、抽出領域指定部121により指定されたエッジ抽出領域5について、エッジ抽出領域5の位置、形状、サイズを示す情報と、テンプレート画像111との相対的な位置関係を示す情報からなる。測定条件情報113は、測定条件指定部122により指定された測定条件を示す情報である。設計値情報114は、測定対象の寸法に対する設計値や公差を示す情報である。
【0100】
ワーク画像記憶部123には、測定ユニット10から取得したワーク画像6が可動ステージ12の位置情報に関連づけて保持される。ステージ位置情報記憶部124には、2以上の検査用のワーク画像6の撮像位置を示すステージ位置情報として、可動ステージ12の位置情報が保持される。
【0101】
検査用広域画像生成部125は、検査対象のワーク3を撮影することにより、2以上の検査用のワーク画像6の各視野を含む広域画像として、検査用広域画像4bを生成する。この検査用広域画像4bは、可動ステージ12及び撮影軸の相対的な移動距離に基づいて、2以上の検査用のワーク画像6を連結することによって作成される。
【0102】
マッチング部104は、テンプレート画像111を用いて検査用広域画像4b内の測定対象物の位置及び姿勢を検出する。例えば、テンプレート画像111を用いたパターンマッチングにより、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置及び姿勢が検出される。
【0103】
エッジ領域設定部105は、エッジ抽出領域情報112に基づいて、マッチング部104のマッチング結果に基づいて、エッジ抽出領域5を2以上の検査用の各ワーク画像6に設定する。具体的には、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置及び姿勢とステージ位置情報とに基づいて、各ワーク画像に対しエッジ抽出領域5が設定される。その際、可動ステージ12の移動距離情報に基づいて、エッジ抽出領域5の絶対位置が決まる。
【0104】
エッジ抽出部106は、2以上の検査用の各ワーク画像におけるエッジ抽出領域5内の画素データに基づいて、ワーク画像6からエッジを抽出する。具体的には、ワーク画像6におけるエッジ抽出領域5内の画素データに基づいて、ワーク画像6からワーク3の輪郭形状を示す形状線がエッジとして抽出される。エッジ抽出は、エッジ抽出領域5ごとに行われる。テンプレート画像111によるマッチング結果と、可動ステージ12の移動距離情報に基づいてエッジ抽出領域5の絶対位置が定まるため、抽出されるエッジの絶対位置も定まる。
【0105】
寸法算出部107は、測定条件情報113に基づいて、ワーク3の寸法を求める。具体的には、エッジ抽出部106により抽出されたエッジの位置情報や、測定条件として指定された寸法種別に基づいて、ワーク3の寸法を求める。
【0106】
この寸法算出部107は、2以上の検査用のワーク画像6にわたる寸法を測定する場合に、抽出された各ワーク画像6内におけるエッジの位置と、ワーク画像6間における可動ステージ12の移動距離とに基づいて、寸法算出が実行される。一方、1つの検査用のワーク画像6に含まれる寸法を測定する場合には、抽出されたエッジ位置のみに基づいて寸法算出が実行される。
【0107】
良否判定部108は、設計値情報114に基づいて、寸法算出部107により求められた寸法値を設計値及び公差と比較し、ワーク3の良否判定を行う。表示部109は、検査用広域画像4b上に寸法値や良否判定の結果を表示するための画面データを生成し、測定ユニット10へ出力する。
【0108】
図13は、
図12のエッジ抽出部106の構成例を示したブロック図である。このエッジ抽出部106は、エッジ点検出部131、収差補正部132及び形状線算出部133により構成される。
【0109】
エッジ点検出部131は、ワーク画像6の画像データを解析し、測定設定情報として位置情報が指定された各エッジ抽出領域5について、エッジ抽出領域5から1又は2以上のエッジ点を検出する。具体的には、エッジ抽出領域5内におけるスキャン方向の画素列について、隣接画素間で輝度の変化量からエッジ強度を求め、エッジ強度の分布に基づいてエッジ点を検出する。例えば、エッジ強度のピーク点がエッジ点として検出される。このエッジ点検出は、スキャン方向に交差する方向に所定の間隔を空けて繰り返し行われる。
【0110】
収差補正部132は、ワーク画像6上におけるエッジ点の位置を示す位置情報を受光レンズユニット80の収差に応じて補正する。この補正処理により、受光レンズ81や受光レンズ86の球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、色収差を除去することができる。また、エッジ点を検出した後に、エッジ点の位置情報を補正することにより、エッジ点の検出前のワーク画像を補正する場合に比べて、画像処理の負荷が増大するのを抑制しつつ、寸法測定の精度を向上させることができる。
【0111】
形状線算出部133は、収差補正部132による補正後の各エッジ点の位置情報に基づいて、エッジを求める。具体的には、複数のエッジ点からなるエッジ点群に直線や円といった幾何学図形をフィッティングさせることにより、ワーク3と背景との境界線等がエッジとして求められる。幾何学図形のフィッティングは、最小二乗法などの回帰分析の方法を用いて行われる。
【0112】
<測定設定モード>
図14のステップS101〜S107は、
図1の画像測定装置100における測定設定時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、測定ユニット10は、可動ステージ12上に載置されたマスターワーク3aを高倍率で狭視野のカメラを用いて撮影し、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる複数のワーク画像を生成する。制御ユニット20は、これらのワーク画像を連結して設定用広域画像4aを生成する(ステップS101)。
【0113】
次に、制御ユニット20は、設定用広域画像4aを測定設定画面2の表示領域201内に表示し、領域設定操作に基づいて、エッジ抽出領域5を指定する(ステップS102)。また、制御ユニット20は、抽出方法や寸法種別の設定操作に基づいて、設定用広域画像4a上で指定されたエッジ抽出領域5に対し、測定条件として、エッジ抽出のスキャン方向やエッジの極性を指定し、或いは、寸法種別を指定する(ステップS103)。
【0114】
次に、制御ユニット20は、エッジ抽出領域5及び測定条件が指定されれば、各ワーク画像からエッジを抽出して寸法算出を実行し、得られた寸法値を設定用広域画像4a上に表示する。制御ユニット20は、寸法値の表示後、所定のユーザ操作に基づいて、設計値及び公差を設定するとともに、テンプレート画像111を設定する(ステップS104,S105)。
【0115】
ステップS101からステップS105までの処理手順は、測定設定の終了が指示されるまで繰り返され、測定設定の終了が指示されれば、測定設定情報をメモリ内に格納してこの処理は終了する(ステップS106,S107)。
【0116】
<連続検査モード>
図15のステップS201〜S209は、
図1の画像測定装置100における連続検査時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、測定ユニット10は、可動ステージ12上に載置されたワーク3を高倍率で狭視野のカメラを用いて撮影し、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる複数のワーク画像6を生成する(ステップS201)。検査用広域画像生成部125は、これらのワーク画像6を連結して検査用広域画像4bを生成する(ステップS202)。
【0117】
次に、マッチング部104は、検査用広域画像4bをテンプレート画像111と照合し、検査用広域画像4b内のワーク3の位置及び姿勢を検出する(ステップS203)。エッジ領域設定部105は、検出されたワーク3の位置及び姿勢に基づいて、設定用広域画像4a及び検査用広域画像4b間におけるワーク3の移動距離と回転角度とを求め、エッジ抽出領域5を平行移動又は回転させることにより、各ワーク画像6にエッジ抽出領域5を設定する(ステップS204,S205)。
【0118】
次に、エッジ抽出部106は、ワーク画像6におけるエッジ抽出領域5内の画素データに基づいて、検査用広域画像4bを構成する各ワーク画像6からエッジを抽出する(ステップS206)。
【0119】
寸法算出部107は、エッジ抽出部106により抽出されたエッジの位置情報や、測定設定情報として指定された寸法種別に基づいて、ワーク3の寸法を算出する(ステップS207)。表示部109は、算出された寸法値と、設計値及び公差に基づく良否判定の結果とを測定結果として検査用広域画像4b上に表示する(ステップS208)。
【0120】
ステップS201からステップS208までの処理手順は、連続検査の終了が指示されるまで繰り返され、連続検査の終了が指示されれば、この処理は終了する(ステップS209)。
【0121】
本実施の形態によれば、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる2以上のワーク画像の各視野を含む設定用広域画像4aに対しエッジ抽出領域5を指定させるので、カメラの撮影倍率が高くてワーク画像の視野が狭い場合であっても、ワークの全体像を把握しながらエッジ抽出領域5の指定を行うことができる。このため、1つのワーク画像の視野内に収まらない範囲の寸法を測定する場合に、エッジ抽出領域5の指定を行う作業を容易化することができる。
【0122】
また、エッジ抽出が検査用広域画像4bではなく、個々のワーク画像6に対して行われるため、寸法測定の精度を低下させることがない。特に、設定用広域画像4aによってワークの全体像を把握させつつエッジ抽出領域5の指定を行わせ、ワーク3の異なる部位を撮影した少なくとも2つのワーク画像6を用いて精度良く寸法測定を行うことができる。
【0123】
また、テンプレート画像111を用いることにより、ユーザは、可動ステージ12上のワーク3を変更するごとにエッジ抽出領域5を指定する必要がないので、同じ形状のワーク3を繰り返し測定する場合の作業性を向上させることができる。さらに、高倍率及び低倍率を切り替える必要がないので、カメラの構成を簡素化することができる。
【0124】
実施の形態2.
実施の形態1では、視野の一部が互いに重複するように可動ステージ12を移動させながらワーク3を撮影して得られた2以上のワーク画像6を連結することにより、検査用広域画像4bが作成される場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、低倍率で広視野のカメラを用いてワーク3を撮影することにより、検査用広域画像4bが作成される場合について説明する。
【0125】
<設定用広域画像4a>
図16は、本発明の実施の形態2による画像測定装置100の動作の一例を示した図であり、マスターワーク3aを撮影して得られた設定用広域画像4aが示されている。この図には、照明方法として透過照明を選択し、x方向に長い配線基板をマスターワーク3aとして撮影した場合が示されている。
【0126】
この設定用広域画像4aは、低倍率で広視野のカメラを用いてマスターワーク3aを撮影することによって作成される静止画像であり、円形形状の視野内には、マスターワーク3aが被写体として撮像されている。
【0127】
測定条件は、この様な設定用広域画像4aを用いて指定される。例えば、設定用広域画像4aを測定設定画面2の表示領域201内に表示させ、設定用広域画像4a上でマウスカーソルを移動させながら、エッジ抽出を行わせる領域が指定する。この例では、マスターワーク3aの異なる部位を測定箇所とする矩形形状の4つの領域がエッジ抽出領域5a〜5dとして指定されている。
【0128】
テンプレート画像Aは設定用広域画像4aそのものでもよいし、設定用広域画像4aからユーザが特徴的な部分を選択し、選択された箇所をテンプレート画像Aとして登録可能にしてもよい。或いは、設定用広域画像4a上から特徴部分を自動的に抽出し、テンプレート画像Aとして登録することも可能である。
【0129】
図17は、画像測定装置100の動作の一例を示した図であり、寸法の測定結果がマスターワーク3aに対応づけて表示された設定用広域画像4aが示されている。この設定用広域画像4aは、測定設定画面2の表示領域201内に表示される。エッジ抽出では、エッジ抽出領域5a〜5d内の画素データが解析され、マスターワーク3aの輪郭形状を示す形状線がエッジ7として抽出される。
【0130】
この例では、エッジ抽出領域5aから上下方向(y方向)に延伸する直線がエッジ7として抽出され、エッジ抽出領域5bから左右方向(x方向)に延伸する直線がエッジ7として抽出されている。また、エッジ抽出領域5cから上下方向に延伸する直線がエッジ7として抽出され、エッジ抽出領域5dから左右方向に延伸する直線がエッジ7として抽出されている。
【0131】
また、エッジ抽出領域5a及び5cに対し、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「135.7mm」が寸法線8を用いて表示されている。また、エッジ抽出領域5b及び5dに対しても、平行な2線分の距離が寸法種別として指定されており、寸法値9を示す文字列「40.0mm」が寸法線8を用いて表示されている。
【0132】
使用者は、設定用広域画像4a上に表示された各寸法値9に対して、良否判定用の設計値及び公差を設定することができる。つまり、使用者は、低倍率で撮影した設定用広域画像4a、又は、高倍率で撮影したワーク画像6を連結して作成された設定用広域画像4a上で、テンプレート画像Aの登録と、エッジ抽出領域5の指定を行う。指定されたエッジ抽出領域5は、高倍率で撮影された各ワーク画像6に対して設定され、高精度なエッジ抽出を行う。抽出されたエッジ7に基づく寸法測定結果は、設定用広域画像4a上に表示され、使用者は寸法値9に対して設計値や公差を設定することができる。
【0133】
上記の設定操作時に、使用者により指定されたテンプレート画像A、テンプレート画像Aに対して相対的な位置関係が既知であるエッジ抽出領域情報112、抽出されたエッジに対してどのような寸法算出を行うかを定めた測定条件情報113、算出された寸法値に対する設計値や公差の情報を含む設計値情報114が測定設定としてファイルに記憶される。後述する検査を行う際は、記憶されたファイルを読み出して、新たに入力されたワーク画像6に対して、測定設定を適用することにより、同様の検査を繰り返し実行することが可能になる。
【0134】
<検査用広域画像4b>
図18は、検査対象のワーク3を撮影して得られた検査用広域画像4bの一例を示した図である。この検査用広域画像4bは、連続検査モード時に作成される広域画像であり、検査対象のワーク3を低倍率で撮影することによって得られる。検査対象のワーク3は、検出エリア13内に任意に配置される。
【0135】
検査用広域画像4bをテンプレート画像と照合することにより、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置や姿勢が検出され、その検出結果に基づいて、エッジ抽出領域5の位置情報が補正される。
【0136】
<制御ユニット20>
図19は、制御ユニット20内の構成例を示したブロック図である。この制御ユニット20は、
図12の制御ユニット20と比較すれば、検査用広域画像生成部125に代えて、検査用広域画像記憶部126を備えている点で異なる。
【0137】
検査用広域画像記憶部126には、2以上の検査用のワーク画像6の各視野を含む検査用広域画像4bが保持される。この検査用広域画像4bは、低倍率のカメラを用いて、検査対象のワーク3を撮影することによって作成される。
【0138】
マッチング部104は、検査用広域画像記憶部126から検査用広域画像4bを読み出してテンプレート画像111と照合し、検査用広域画像4b内の測定対象物の位置及び姿勢を検出する。また、表示部109は、検査用広域画像記憶部126から検査用広域画像4bを読み出して、検査用広域画像4b上に寸法値や良否判定の結果を表示する。
【0139】
<連続検査モード>
図20のステップS301〜S309は、画像測定装置100における連続検査時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、測定ユニット10は、可動ステージ12上に載置されたワーク3を低倍率で広視野のカメラを用いて撮影し、検査用広域画像4bを生成する(ステップS301)。
【0140】
次に、マッチング部104は、検査用広域画像4bをテンプレート画像111と照合し、検査用広域画像4b内のワーク3の位置及び姿勢を検出する(ステップS302)。エッジ領域設定部105は、検出されたワーク3の位置及び姿勢に基づいて、設定用広域画像4a及び検査用広域画像4b間におけるワーク3の移動距離と回転角度とを求め、エッジ抽出領域5を平行移動又は回転させることにより、各ワーク画像6にエッジ抽出領域5を設定する(ステップS303,S304)。
【0141】
次に、測定ユニット10は、検査用広域画像4bと同じワーク3を高倍率で狭視野のカメラを用いて撮影し、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる2以上のワーク画像6を生成する(ステップS305)。
【0142】
エッジ抽出部106は、ワーク画像6におけるエッジ抽出領域5内の画素データに基づいて、各ワーク画像6からエッジ7を抽出する(ステップS306)。寸法算出部107は、エッジ抽出部106により抽出されたエッジ7の位置情報や、測定設定情報として指定された寸法種別に基づいて、ワーク3の寸法を算出する(ステップS307)。表示部109は、算出された寸法値9と、設計値及び公差に基づく良否判定の結果とを測定結果として検査用広域画像4b上に表示する(ステップS308)。
【0143】
ステップS301からステップS308までの処理手順は、連続検査の終了が指示されるまで繰り返され、連続検査の終了が指示されれば、この処理は終了する(ステップS309)。
【0144】
本実施の形態によれば、可動ステージ12に対する撮影軸1の位置が異なる2以上のワーク画像6の各視野を含む設定用広域画像4aに対しエッジ抽出領域5を指定させるので、カメラの撮影倍率が高くてワーク画像6の視野が狭い場合であっても、ワーク3の全体像を把握しながらエッジ抽出領域5の指定を行うことができる。このため、1つのワーク画像6の視野内に収まらない範囲の寸法を測定する場合に、エッジ抽出領域5の指定を行う作業を容易化することができる。
【0145】
また、ワーク画像6とは別個の設置用広域画像4aを用いてエッジ抽出領域5を指定させるので、装置の大型化や重量化、装置が高価になるのを抑制することができる。さらに、設定用広域画像4aは、ワーク画像6と同程度の解像度である必要はなく、また、解像度を保ったまま保持する必要もないので、メモリの使用量が増大するのを抑制することができる。
【0146】
また、テンプレート画像111を用いることにより、可動ステージ12上のワーク3を変更するごとにエッジ抽出領域5を指定する必要がないので、同じ形状のワーク3を繰り返し測定する場合の作業性を向上させることができる。
【0147】
なお、実施の形態1及び2では、可動ステージ12をx方向に移動させることにより撮影位置が調整される場合の例について説明したが、本発明は、撮影位置の調整方法をこれに限定するものではない。例えば、測定ユニット10がx方向、y方向及びz方向に移動可能な可動ステージを備え、可動ステージ12をx方向又はy方向に移動させることによって撮影位置を調整するような構成のものにも本発明は適用することができる。また、ワーク3が載置されるステージは固定とし、ステージ上のワーク3を撮影するカメラをx方向又はy方向に移動させることにより、ステージ及び撮影軸1を相対的に移動させて撮影位置を調整するような構成であっても良い。
【0148】
また、実施の形態1では、ワーク画像6を連結することにより、検査用広域画像4bが作成される場合の例について説明した。また、実施の形態2では、低倍率で広視野のカメラを用いてワーク3を撮影することにより、検査用広域画像4bが作成される場合の例について説明した。しかし、本発明は、検査用広域画像4bの作成方法をこれらに限定するものではない。例えば、低倍率で広視野のカメラを用いて撮影された複数の低倍画像を連結することによって検査用広域画像4bを作成するような構成のものにも本発明は適用することができる。
【0149】
また、実施の形態1では、検査用広域画像4bをテンプレート画像111と照合して、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置及び姿勢を検出した後、検査用広域画像4bを構成するワーク画像6を用いてエッジ抽出が行われる場合の例について説明した。しかし、検査用広域画像4bにおけるワーク3の位置及び姿勢を検出した後、高倍率で狭視野のカメラを用いてワーク3を撮影することによって、再度、ワーク画像6を取得するような構成のものにも本発明は適用することができる。例えば、設定用広域画像4aにおける各エッジ抽出領域5の位置情報に基づいて、エッジ抽出に必要な可動ステージ12の位置を判別し、複数のワーク画像6を自動的に撮影するような構成であっても良い。
【0150】
また、実施の形態1及び2では、設定用広域画像4aがマスターワーク3aを撮影することによって生成される場合の例について説明したが、本発明は、設定用広域画像4aの生成方法をこれに限定するものではない。例えば、検査対象のワーク3の形状情報や設計値情報からなるCADデータを外部機器から読み込み、CADデータに含まれる形状情報や設計値情報を用いて設定用広域画像4aを作成するような構成であっても良い。
【0151】
また、実施の形態1及び2では、テンプレート画像Aを用いて検査用広域画像4b内の測定対象物の位置及び姿勢が検出される場合の例について説明したが、本発明は、マッチングに用いるマッチング情報をテンプレート画像Aに限定するものではない。例えば、検査対象のワーク3の輪郭形状といった幾何学的形状情報がマッチング情報として登録されている場合には、幾何学的形状情報を用いた幾何相関サーチにより、検査用広域画像4b内の測定対象物の位置及び姿勢を検出するような構成であっても良い。或いは、設定用広域画像4a上の特定のエッジを基準として基準座標が指定され、基準座標を用いて検査対象のワーク3の輪郭形状などがマッチング情報として登録されている場合には、検査用広域画像4bからその様なエッジを抽出することにより、検査用広域画像4b内の測定対象物の位置及び姿勢を検出するような構成であっても良い。