(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無水マレイン酸を0.05〜0.2質量%、α−オレフィンを10〜25質量%の割合で含有するポリエチレン系組成物(A)からなり、該ポリエチレン系組成物(A)は、示差走査熱量測定における結晶融解温度Tm1が30〜60℃、結晶融解熱量ΔHm1が3〜15J/gであるピークと、結晶融解温度Tm2が100〜130℃、結晶融解熱量ΔHm2が20〜60J/gであるピークを有することを特徴とする高周波溶着性シート。
前記ポリエチレン系組成物(A)は、α−オレフィンの割合が0〜10質量%であるエチレン/α−オレフィン共重合体(A1)と、α−オレフィンの割合が15〜30質量%であるエチレン/α−オレフィン共重合体(A2)の混合物を主成分とする請求項1に記載の高周波溶着性シート。
前記混合物中におけるエチレン/α−オレフィン共重合体(A1)の割合が20〜60質量%であり、また、エチレン/α−オレフィン共重合体(A2)の割合が40〜80質量%であることを特徴とする請求項2に記載の高周波溶着性シート。
前記ポリエチレン系組成物(A)中に無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸、又は、その無水物を1〜10質量%の割合で含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高周波溶着性シート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例としての高周波溶着性シート(以下、「本シート」とも称する)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
<ポリエチレン系組成物(A)>
本シートに用いるポリエチレン系組成物(A)は、無水マレイン酸を0.05〜0.2質量%、α−オレフィンを10〜25質量%の割合で含有するポリエチレン系組成物(A)からなり、該ポリエチレン系組成物(A)は、示差走査熱量測定における結晶融解温度Tm
1が30〜60℃、結晶融解熱量ΔHm
1が3〜15J/gであるピークと、結晶融解温度Tm
2が100〜130℃、結晶融解熱量ΔHm
2が20〜60J/gであるピークを有することが重要である。
【0012】
前記ポリエチレン組成物(A)が、無水マレイン酸を含有することにより、ポリエチレン組成物(A)の極性が高くなり、高周波電界を加えた際の電界の反転に追従する双極子の運動摩擦による発熱量がより大きくなるため、結果として高周波溶着性を高めることができる。前記無水マレイン酸含有量は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.06質量%以上であることがより好ましく、0.08質量%以上であることが特に好ましい。一方、0.2質量%以下であることが好ましく、0.18質量%以下であることがより好ましく、0.16質量%以下であることが特に好ましい。無水マレイン酸の含有量が0.05質量%未満の場合には、十分な高周波溶着性能が得られない場合があり、0.2質量%を超える場合には、本シートの成形時において架橋物等が多く発生する場合がある。
【0013】
また、前記ポリエチレン組成物(A)がα―オレフィンを含有することにより、高周波電界を加えた際に、より低温、低発熱量で樹脂が融解し、優れた高周波溶着性を付与することができる。前記α−オレフィン含有量は、10質量%以上であることが好ましく、12質量%以上であることがより好ましく、14質量%であることが特に好ましい。一方、25質量%以下であることが好ましく、23質量%以下であることがより好ましく、21質量%以下であることが特に好ましい。α−オレフィンの含有量10質量%未満の場合には、十分な高周波溶着性能が得られない場合があり、25質量%を超える場合には、本シートの耐熱性を損なう場合がある。
【0014】
なお、前記α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等を例示することができる。中でも、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレン、ブテン−1、へキセン−1、オクテン−1が好適であり、中でも特にブテン−1を用いることが好ましい。また、エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
【0015】
さらに、前記ポリエチレン系組成物(A)は、耐熱性と高周波溶着性をバランス良く高める観点から、示差走査熱量測定における結晶融解温度Tm
1が30〜60℃、結晶融解熱量ΔHm
1が3〜15J/gであるピークと、結晶融解温度Tm
2が100〜130℃、結晶融解熱量ΔHm
2が20〜60J/gであるピークを有することが重要である。
【0016】
前記Tm
1は、30℃以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることが特に好ましい。一方、60℃以下であることが好ましく、55℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることが特に好ましい。
また、前記ΔHm
1は、3J/g以上でることが好ましく、4J/g以上であることがより好ましく、5J/g以上であることが特に好ましい。一方、15J/g以下であることが好ましく、14J/g以下であることがより好ましく、13J/g以下であることが特に好ましい。
前記Tm
1が30℃未満の場合や、前記ΔHm
1が3J/g未満の場合には、本シートの耐熱性が低下する場合がある。一方、前記Tm
1が60℃を超える場合や、前記ΔHm
1が15J/gを超える場合には、十分な高周波溶着性が得られない場合がある。
【0017】
前記Tm
2は、100℃以上であることが好ましく、105℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることが特に好ましい。一方、130℃以下であることが好ましく、128℃以下であることがより好ましく、125℃以下であることが特に好ましい。
また、前記ΔHm
2は、20J/g以上であることが好ましく、25J/g以上であることがより好ましく、30J/g以上であることが特に好ましい。一方、60J/g以下であることが好ましく、55J/g以下であることがより好ましく、50J/g以下であることが特に好ましい。
前記Tm
2が100℃未満の場合や、前記ΔHm
2が20J/g未満の場合には、本シートに十分な耐熱性を付与できない場合がある。一方、前記Tm
2が130℃を超える場合や、ΔHm
2が60J/gを超える場合には、本シートの高周波溶着性を損なう場合がある。
【0018】
前記ポリエチレン系組成物(A)は、無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸、又は、その無水物で変性することができる。このことにより、高周波溶着の際に、溶着に必要な時間を短縮することができる。無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸の具体的例としては、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸あるいはこれらの誘導体のモノエポキシ化合物と前記酸とのエステル化合物、分子内にこれらの酸と反応しうる基を有する重合体と酸との反応生成物やこれらの金属塩などがあげられる。これらの中でも特に、高周波溶着性の点でアクリル酸を用いることが好ましい。
【0019】
無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸、又は、その無水物の添加量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが特に好ましい。一方、10質量%以下であることが好ましく、9質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることが特に好ましい。
無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸、又は、その無水物の添加量が上記範囲であれば、高周波溶着における溶着時間の短縮効果を付与することができる。
【0020】
前記ポリエチレン系組成物(A)は、エチレンとα−オレフィンの共重合体を単独で用いても構わないし、エチレンとα−オレフィンの共重合体を2種類以上混合して用いたり、エチレンの単独重合体とエチレンとα−オレフィンの共重合体を混合して用いたりしても構わない。2種類以上のエチレンとα−オレフィンの共重合体を用いる場合には、各共重合体の無水マレイン酸比率、及び、α−オレフィン比率の合計値を前述に記載の好適な範囲に調整すれば良い。また、各共重合体の混合比率を調整することにより、示差走査熱量測定における結晶融解温度Tm
1及びTm
2、結晶融解熱量ΔHm
1及びΔHm
2の値を調整すれば良い。
【0021】
具体的には、前記ポリエチレン系組成物(A)は、α−オレフィンの割合が0〜10質量%であるエチレン/α−オレフィン共重合体(A1)と、α−オレフィンの割合が15〜30質量%であるエチレン/α−オレフィン共重合体(A2)の混合物を主成分とすることが好ましい。このように、2種類のエチレン/α−オレフィン共重合体を混合することにより、耐熱性と高周波溶着性のバランスを効率良く高めることができる。
2種類のエチレン/α−オレフィン共重合体の混合物に占める前記(A1)、及び、(A2)の割合は特に限定されないが、(A1)の好ましい割合は20〜60質量%であり、より好ましい割合は25〜45質量%であり、特に好ましい範囲は30〜40質量%である。(A1)がかかる範囲内であれば本シートに十分な耐熱性を付与することができる。また、(A2)の好ましい割合は40〜80質量%であり、より好ましい割合は45〜75質量%であり、特に好ましい割合は50〜70質量%である。(A2)がかかる範囲内であれば本シートに十分な高周波溶着性を付与することができる。
【0022】
また、本発明の樹脂組成物の効果が阻害されない範囲内で前記エチレン/α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂や、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤等を添加しても構わない。
【0023】
<本シートの製造方法>
本シートの製造方法は、特に限定されるものではないが、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法やインフレーション法等を採用することができる。また、多層化の方法についても公知の方法、例えば、共押出、押出ラミネート、熱ラミネート、ドライラミネート等の方法を用いることができる。多層体の例としては、繊維編織布を基材とした少なくとも一方の面に、本シートを積層することでターポリンを製造することができる。
【0024】
<ターポリンの製造方法>
ターポリンの具体的な製造方法としては、カレンダーロールにより本シートを成形した後、繊維編織布に溶融積層する方法や、Tダイを備えた押出機よりシート状に溶融押出した後、繊維編織布に押出ラミネートして積層する方法や、成形したシートと繊維編織布とを接着剤を用いてドライラミネートして積層する方法等により製造することができる。なお、その際、繊維編織布の一方の面、又は、両面へ本シートを溶融積層する際の加工温度は140〜160℃程度であることが好ましく、本シートの厚みは0.1〜1mm程度であることが好ましい。
【0025】
前記繊維編織布としては、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維等の合成繊維、或いは、木綿、麻等の天然繊維等の平織、綾織、朱子織等の織布、或いは、編布があげられる。前記繊維の太さは200〜1,000デニール程度であることが好ましく、例えば平織の場合、打ち込み本数は(10〜30)×(15〜35)/インチ程度である。これらの繊維編織布は、幅が0.5〜3m程度、厚みが0.2〜1mm程度のものを使用することが好ましい。
【0026】
本発明において「主成分」と表現した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。
この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
【0027】
なお、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(JIS K6900)。しかし、「シート」と「フィルム」の境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す結果は以下の方法で評価を行った。
【0029】
(1)結晶融解温度(Tm
1、Tm
2)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度Tm
1、Tm
2(℃)を求めた。
【0030】
(2)結晶融解熱量(ΔHm
1、ΔHm
2)
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(商品名「Pyris1 DSC」)を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量ΔHm
1、ΔHm
2(J/g)を求めた。
【0031】
(3)高周波溶着性
クライアント電子精工社製高周波溶着機(NKC−3000S)を用い、発信周波数:41.14MHz、陽極電流値:2.5A、溶着時間:3秒、雰囲気温度:23℃の条件で、試験片を2枚重ね合わせて高周波溶着を行った。得られたサンプルの外観を目視にて確認し、十分に溶着しているものを「○」、容易に剥離してしまうものを「×」とした。また、評価が「○」であったものについて、溶着時間を2秒とした場合も十分に溶着しているものは「◎」とした。
【0032】
(4)耐熱性(貯蔵弾性率(E’))
動的粘弾性測定機(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)を用いて、振動周波数:10Hz、昇温速度:3℃/分、歪0.1%の条件で、貯蔵弾性率(E’)を−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから90℃における貯蔵弾性率(E’)を読み取った。100℃における貯蔵弾性率(E’)が1MPa以上であるものを合格とした。
【0033】
(実施例1)
ポリエチレン系組成物(A)を構成する(A1)として、プライムポリマー(株)の商品名ネオゼックス0234N(エチレン/ブテン−1=93.7/6.3質量%)を用い、(A2)として三井化学(株)の商品名タフマーA4050S(エチレン/ブテン−1=72.4/27.6質量%)、及び、同じく(A2)としてデュポン(株)の商品名フサボンドN525(エチレン/ブテン−1/マレイン酸=77.4/21.8/0.8質量%)を用い、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525を混合質量比40:50:10の割合でドライブレンドしたものを、40mmφ同方向二軸押出機を用いて200℃で混練した後、Tダイより押出し、次いで約30℃のキャスティングロールにて急冷し、厚み0.1mmのシートを作製した。得られたシートについて、結晶融解温度、結晶融解熱量、高周波溶着性、貯蔵弾性率の評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
(実施例2)
実施例1において、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525の混合質量比を30:60:10とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】
(実施例3)
実施例1において、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525の混合質量比を20:70:10とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】
(実施例4)
実施例1において、ネオゼックス0234Nの代わりに、(A1)として宇部丸善ポリエチレン(株)の商品名ユメリット0540F(エチレン/ヘキセン−1=85.5/14.5質量%)を用い、ユメリット0540F:タフマー4050S:フサボンドN525を混合質量比60:30:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0037】
(実施例5)
実施例2において、(A2)であるフサボンドN525の代わりに、同じく(A2)であり、かつ、アクリル酸(無水マレイン酸以外の不飽和カルボン酸)を含有するデュポン(株)の商品名DPA21E810(エチレン/アクリル酸/無水マレイン酸=/79.6/19.6/0.8質量%)を用い、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:DPA21E810を混合質量比30:60:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0038】
(実施例6)
実施例1において、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525の混合質量比を35:60:5とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0039】
(実施例7)
実施例1において、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525の混合質量比を25:60:15とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1)
実施例1において、タフマーA4050Sを添加せずに、ネオゼックス0234N:フサボンドN525を混合質量比90:10の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
(比較例2)
実施例1において、フサボンドN525を添加せずに、ネオゼックス0234N:タフマーA4050Sを混合質量比40:60の割合でドライブレンドした後、実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
(比較例3)
実施例1において、ネオゼックス0234N:タフマー4050S:フサボンドN525の混合質量比を10:80:10とした以外は実施例1と同様の方法でシートの作製、及び、評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1の結果より、実施例1〜7は、ポリエチレン系組成物(A)が無水マレイン酸、及びα−オレフィンを所定の割合で含有し、かつ、示差走査熱量計により測定される特定の熱特性を有することにより、高周波溶着性および耐熱性の両方において優れた性能を有することがわかった。また、実施例5では、ポリエチレン系組成物(A)にアクリル酸が含まれることにより、さらに高周波溶着性の向上効果が得られることがわかった。
これに対し、ポリエチレン系組成物(A)において、α−オレフィン含有量が所望の範囲より少ない場合(比較例1)や、無水マレイン酸が含まれない場合(比較例2)は、高周波溶着性が得られず、α−オレフィン含有量が規定値より多い場合(比較例3)は、耐熱性が得られなかった。