(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<発光ダイオード照明100>
図1は、本実施の形態における発光ダイオード照明100の構成の一例を示す図である。
発光ダイオード照明100は、発光ダイオードアレイ1と発光ダイオードアレイ1に電流を供給する電源回路2とを備えている。
【0011】
[発光ダイオードアレイ1]
発光ダイオードアレイ1は、複数の発光ダイオードLEDが直列接続されて構成されている。すなわち、複数の発光ダイオードLEDは、それぞれの正極と負極とが交互に接続されている。そして、発光ダイオードアレイ1の両端子が電源回路2の出力端子に接続されている。
発光ダイオードアレイ1は、例えば、28個の発光ダイオードLEDが直列接続されて構成されている。それぞれの、発光ダイオードLEDは、例えば、順方向電圧2.9V、順方向電流52.5mAである。よって、発光ダイオードアレイ1は、電圧約80V、電流約52.5mAが供給されると点灯する。
図1では、例として、4個の発光ダイオードアレイ1を並列している。この場合、電源回路2は、電圧約80V、電流約214mAを供給する。すなわち、電源回路2は、電力約17Wを供給すればよい。
なお、発光ダイオードアレイ1のLEDの数は、28個以外であってもよい。発光ダイオードアレイ1の数も1個でもよく、3個を超えてもよい。これらの場合、電源回路2は、発光ダイオードアレイ1におけるLEDの数及び発光ダイオードアレイ1の数に応じた電圧、電流、電力を供給すればよい。
【0012】
[電源回路2]
電源回路2は、サージアブソーバ10、EMC(Electro-Magnetic Compatibility)フィルタ20、整流部30、波形整形部40、出力部50及び駆動電源部60を備えている。
電源回路2において、入力端子からサージアブソーバ10、EMCフィルタ20、整流部30、波形整形部40、出力部50の順に接続されている。出力部50が出力端子に接続されている。整流部30が、整流手段の一例である。
電源回路2の入力端子には、交流電源3が接続されている。交流電源3は、いわゆる商用電源であって、電源回路2に交流電力(電圧、電流)を供給する。交流電源3は、例えば、50Hz又は60Hzの85〜265Vである。
【0013】
次に、電源回路2の各構成について説明する。
電源回路2のサージアブソーバ10は、交流電源3側から電源回路2にサージが侵入することを抑制する。サージアブソーバ10は、例えば、極性を逆にして並列に接続されたバリスタで構成されている。そして、交流電源3から電源回路2に交流電力(電圧、電流)を供給する2本の電源線の間に設けられている。
【0014】
EMCフィルタ20は、交流電源3側から侵入するノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズを除去する。EMCフィルタ20は、例えば、フェライトビーズやチョークコイルである。
【0015】
整流部30は、交流電源3から供給された交流を直流に変換(整流)する。整流部30は、例えば、ダイオードブリッジである。
【0016】
波形整形部40は、整流部30により整流された電圧波形を整形する。
出力部50は、波形整形部40により整形された波形の電圧を、発光ダイオードアレイ1に供給する電圧及び電流に変換して、発光ダイオードアレイ1に供給(出力)する。
駆動電源部60は、後述する波形整形部40の力率制御回路45及び出力部50の出力電流制御回路54に駆動のための電力(電圧、電流)を供給する。
なお、交流電源3とサージアブソーバ10との間に、過電流時に切れるヒューズを設けてもよい。
【0017】
次に、波形整形部40及び出力部50を詳細に説明する。
(波形整形部40)
波形整形部40は、第1フィルタ41、トランス42、第1スイッチング回路43、第2フィルタ44及び力率制御回路45を備えている。第1フィルタ41が、第1のフィルタ手段の一例、第1スイッチング回路43が、他のスイッチング手段及び第1のスイッチング手段の一例、第2フィルタ44が第3のフィルタ手段及びフィルタ手段の一例、力率制御回路45が力率制御手段の一例である。
第1フィルタ41は、第1スイッチング回路43を含む高周波発生部からのノイズが外部(入力方向)へ出力されることを軽減(抑制)する。
トランス42は、一次側を整流部30により整流された電圧波形が通過する。そして、トランス42の二次側は、次に説明する第1スイッチング回路43のオン/オフにより発生する交流成分を取り出すために用いられる。
第1スイッチング回路43は、力率制御回路45からの信号によりオン/オフし、オン状態において電流を流すことで、電流波形を電圧波形に近づけて、力率を改善する。
【0018】
第2フィルタ44は、第1スイッチング回路43のオン/オフによって発生する高周波成分を軽減(抑制)する。すなわち、第2フィルタ44は、低域通過フィルタ(LPF)である。
【0019】
力率制御回路45は、交流電源3の電圧波形(正弦波波形)を検知するMULT信号、トランス42からゼロクロスタイミングを検知するゼロクロス(ZCD(Zero-Crossing Determination))信号、第1スイッチング回路43に流れる電流を検知する電流検知信号、第2フィルタ44の出力電圧を検知する電圧検知信号を受信し、第1スイッチング回路43のオン/オフを制御する信号を送信する。
すなわち、力率制御回路45は、電流検知信号で検知される電流波形がMULT信号で検知される電圧波形に近づくように、第1スイッチング回路43をオン/オフさせるタイミング(オンになっている期間)を制御する。
なお、力率制御回路45は、一つの集積回路(PFC(Power Factor Correction) IC)として構成されていてもよい。
【0020】
なお、力率を改善しない場合は、力率制御回路45を備えなくともよい。
【0021】
(出力部50)
出力部50は、第2スイッチング回路51、電流検出回路52、第3フィルタ53、出力電流制御回路54及び電源回路55を備えている。第2スイッチング回路51が他のスイッチング手段及び第2のスイッチング手段の一例、第3フィルタ53が第2のフィルタ手段及び他のフィルタ手段の一例である。
第2スイッチング回路51は、出力電流制御回路54によって、オン/オフが制御される。これにより、発光ダイオードアレイ1に供給される電圧及び電流が制御される。
電流検出回路52は、発光ダイオードアレイ1に供給される電流を検知し、出力電流制御回路54に送信する。
第3フィルタ53は、第2スイッチング回路51のオン/オフによって発生する高周波成分を抑制(除去)する。
【0022】
出力電流制御回路54は、電流検出回路52が検出した電流に応じて、発光ダイオードアレイ1に供給する電流が予め定められた値になるように、第2スイッチング回路51をオン/オフする比率(デューティ比)を設定する。
電源回路55は、後述する駆動電源部60から供給される駆動電圧を、出力電流制御回路54に供給する。なお、電源回路55は、立ち上げ時に、出力電流制御回路54に駆動電圧を供給するため、第2スイッチング回路51の入力側にも接続されている。
出力部50は、発光ダイオードアレイ1に予め定められた電流を供給する定電流電源として機能する。
【0023】
(駆動電源部60)
駆動電源部60は、波形整形部40におけるトランス42の二次巻線に接続されている。そして、力率制御回路45による第1スイッチング回路43のオン/オフにより生じた交流成分をトランス42の二次巻線で取り出して整流する。
駆動電源部60は、整流した電圧を力率制御回路45に駆動電圧として供給する。また、出力部50の電源回路55を介して、出力電流制御回路54に駆動電圧として供給する。
なお、駆動電源部60は、立ち上げ時に、力率制御回路45に駆動電圧を供給するため、整流部30の出力側にも接続されている。
【0024】
(電源回路2の動作)
次に、電源回路2の全体としての動作を説明する。
交流電源3から供給された交流は、サージアブソーバ10、EMCフィルタ20を経由して、整流部30に入力する。整流部30は交流を整流する。
そして、整流された波形が、波形整形部40で整形される。まず、波形整形部40の第1フィルタ41で、脈流が軽減される。次いで、力率制御回路45の制御による第1スイッチング回路43のオン/オフにより、電流波形が電圧波形に近づけられる。
次いで、出力部50における出力電流制御回路54の制御による第2スイッチング回路51のオン/オフにより、出力部50から出力される電圧及び電流が制御される。なお、出力電流制御回路54は、出力される電流を検知して、電流が予め定められた値になるように制御する。
【0025】
発光ダイオードアレイ1の順方向電圧は、温度によって変化する。温度が高くなると、順方向電圧は低くなる。しかし、出力電流制御回路54により、発光ダイオードアレイ1に流れる電流が予め定められた値に制御されるため、光量の変動が抑制される。
【0026】
以下では、整流部30、波形整形部40及び出力部50について詳述する。
図2は、整流部30及び波形整形部40を説明する回路図の一例である。波形整形部40については、主要部分を示している。
【0027】
整流部30は、ダイオードD1〜D4から構成されるダイオードブリッジによる全波整流器である。整流部30の2個の入力端子は、EMCフィルタ20及びサージアブソーバ10を介して交流電源3に接続されている。整流部30の2個の出力端子は、一方が高圧配線71に、他方が基準配線72に接続されている。基準配線72は、接地電位(GND)などの基準電位に設定され、整流部30、波形整形部40、出力部50で共通である。
なお、整流部30は、半波整流器であってもよい。
【0028】
波形整形部40の第1フィルタ41は、コンデンサC1、C2、リアクトル(コイル)L1を備えている。コンデンサC1は、リアクトルL1より上流側(交流電源3に近い側)において、高圧配線71と基準配線72との間に設けられている。リアクトルL1は、高圧配線71に設けられている。コンデンサC1、C2が、第1のコンデンサの一例である。
なお、ここでは、リアクトルL1の前後の配線をそれぞれ区別することなく、高圧配線71と表記する。そして、リアクトルL1は、高圧配線71に設けられていると表現する。他の場合も同様とする。
【0029】
コンデンサC2は、リアクトルL1より下流側(発光ダイオードアレイ1に近い側)において、高圧配線71と基準配線72との間に設けられている。
リアクトルL1は、高周波成分に対して抵抗として働き、コンデンサC1とで、第1スイッチング回路43で発生した電圧波形の低域通過フィルタ(LPF)として動作する。
コンデンサC1、C2は、それぞれフィルムコンデンサであって、例えば、定格電圧450V、容量0.22μFである。
【0030】
次に、トランス42は、一次側が高圧配線71に設けられている。二次側は、駆動電源部60及び力率制御回路45に接続されている。
第1スイッチング回路43は、FET(電界効果型トランジスタ)1と抵抗R1とを備えている。FET1は、ドレインが高圧配線71に接続され、ソースが抵抗R1を介して基準配線72に接続されている。そして、ゲートが力率制御回路45に接続されている(
図1参照)。
FET1は、例えば、パワーFETである。
【0031】
第1スイッチング回路43では、FET1がオン/オフすることにより、高圧配線71から基準配線72に電流を流す。これにより、電流波形を電圧波形に近づけて、力率を改善する。
抵抗R1は、FET1がオンのときに流れる電流を検知する(
図1参照)。
【0032】
FET1のドレインの電圧、すなわち、第1スイッチング回路43が接続された高圧配線71の部分は、例えば、交流電源3の電圧が85〜265Vの範囲内の場合、400Vに設定されている。そして、第1スイッチング回路43のオン/オフの繰り返し周波数は、例えば、数10kHzと、交流電源3の周波数より高く設定されている。この繰り返し周波数が大きいほど、電流波形を電圧波形に近づけられる。
【0033】
トランス42の二次側は、第1スイッチング回路43のオン/オフの繰り返し周波数の交流成分を取り出す。交流成分の電圧は、約50V(ピーク電圧)である。駆動電源部60は、この交流成分を整流して、18Vの駆動電圧を発生する(
図1参照)。
【0034】
第2フィルタ44は、高圧配線71と基準配線72との間に並列に設けられた複数のコンデンサC3〜C6を備えている。コンデンサC3〜C6は、例えば、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサ、例えばフィルムコンデンサであって、それぞれが定格電圧450V、容量0.47μFである。ここでは、4個のコンデンサC3〜C6を用いたが、容量の大きいフィルムコンデンサを用いて個数を減らしてもよい。コンデンサC3〜C6が、第3のコンデンサ及びコンデンサの一例である。
ここでは、ライフタイムとは、データシートに記載されたライフ(寿命)又は一般に知られているライフ(寿命)をいう。
【0035】
なお、トランス42のサイズ制限がある場合は、一次側のインダクタンスを分割する目的で、トランス42と第1スイッチング回路43との間の高圧配線71にリアクトルをさらに設けてもよい。
【0036】
図3は、出力部50を説明する回路図の一例である。ここでは、出力部50の主要部である第2スイッチング回路51、電流検出回路52及び第3フィルタ53を示している。
第2スイッチング回路51は、FET2とダイオードD5とを備えている。FET2は、ドレインが高圧配線71に接続され、ソースがダイオードD5を介して基準配線72に接続されている。そして、ゲートが出力電流制御回路54に接続されている(
図1参照)。そして、FET2のソースに出力配線73が接続されている。
FET2も、例えば、FET1と同様にパワーFETである。
ダイオードD5は、基準配線72から、FET2のソースに向かって電流が流れる方向に接続されている。ダイオードD5は、帰還ダイオードである。
【0037】
第2スイッチング回路51は、出力電流制御回路54からの信号がゲートに与えられることにより、オン/オフを繰り返す。オンの期間とオフの期間との比であるデューティ比により、出力配線73の電圧及び電流が制御される。
出力電流制御回路54からの信号は、例えば、繰り返し周波数が約100kHzであって、デューティ比により、出力配線73の電圧及び電流が設定される。
【0038】
電流検出回路52は、例えば、抵抗R2である。抵抗R2は、出力配線73に設けられている。
抵抗R2の両端子が出力電流制御回路54に接続されている(
図1参照)。抵抗R2の両端子間の電圧により、出力配線73に流れる電流が検出される。出力電流制御回路54は、この電流に基づいて、第2スイッチング回路51をオンにする期間を設定し、出力配線73を流れる電流を予め定められた電流に設定する。
【0039】
第3フィルタ53は、出力配線73に設けられたリアクトルL2と、出力配線73と基準配線72との間に設けられたコンデンサC7とを備えている。リアクトルL2は、高周波成分に対して抵抗として働く。
コンデンサC7は、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサ、例えばフィルムコンデンサであって、例えば、定格電圧100V、容量1μFである。コンデンサC7が、第2のコンデンサ及び他のコンデンサの一例である。
【0040】
出力部50が発光ダイオードアレイ1に供給する電圧及び電流は、例えば、約80V及び約214mAに設定されている。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、第1フィルタ41、第2フィルタ44、第3フィルタ53が備えるコンデンサC1〜C7を、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサ、例えば、フィルムコンデンサとしている。このため、後述するように、電源回路2のライフタイムが、電解コンデンサを用いた場合に比べて、長い。
しかし、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサの容量は、同じ体積において、電解コンデンサに比べて小さい。よって、電解コンデンサを用いた場合と同じ容量とすると、体積が大きくなり、回路が大きくなってしまう。
【0042】
そこで、本実施の形態では、出力部50から出力される電圧(出力電圧)を、第3フィルタ53のコンデンサC7の代わりに電解コンデンサを用いて構成する場合に比べ、高くしている。例えば、電解コンデンサを用いた場合に一般に用いられる48Vに対して、80Vにしている。コンデンサに蓄積される電荷量は、電圧と容量との積であるので、電圧を高くするほど、容量が小さくてすむ。
さらに、本実施の形態では、発光ダイオードアレイ1に供給する電圧を、第2スイッチング回路51、すなわち、降圧回路により生成している。これは、第2スイッチング回路51への入力電圧(例えば、400V)と、第2スイッチング回路51からの出力電圧(例えば、80V)との差が小さいため、第2スイッチング回路51のデューティ比により容易に設定可能であるためである。
【0043】
一方、第2スイッチング回路51からの出力電圧を、例えば48Vに設定しようとすると、第2スイッチング回路51のデューティ比を小さく(オンの期間を短く)設定することになり、制御が難しくなる。
このため、第2スイッチング回路51の代わりに、トランスを設けて、電圧をさげることが行われる。この場合、トランスの一次側と二次側との間で結合損失が発生し、効率が低下する。
すなわち、本実施の形態では、トランスを用いない(トランスレス)構成としているので、トランスの占める体積が削減できるとともに、効率が高い。
【0044】
さらに、本実施の形態では、出力部50の第2スイッチング回路51のオン/オフの周波数を、例えば、約100kHzに設定している。高周波成分(高調波を含む)は、周波数が高いほど、コンデンサにより取り除きやすい。そして、この周波数は、フリッカとして視認し難い。
【0045】
以上のことから、出力部50における第3フィルタ53のコンデンサC7の容量を小さく、例えば、容量1μFとしている。この値は、コンデンサC7に電解コンデンサを用いた場合の、例えば、容量680μFに比べて、極めて小さい。
すなわち、出力部50における第3フィルタ53のコンデンサC7を、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサ、例えば、フィルムコンデンサとしても、小さい容量で済ませることができるので、電源回路2における体積の増加を生じにくい。
【0046】
また、波形整形部40の第1フィルタ41のコンデンサC1、C2についても、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサ、例えば、フィルムコンデンサとしている。そして、波形整形部40の第1フィルタ41のコンデンサC1、C2を、例えば、それぞれ容量0.2μFとしている。これは、電解コンデンサを用いて構成した場合における、例えば、容量680μFに比べて、極めて小さい。
このため、波形整形部40の第1フィルタ41から出力される電圧波形に脈流が残っても、出力部50の第2スイッチング回路51への入力電圧を、例えば、約400Vと高くし、第2スイッチング回路51のオン/オフの周波数を、例えば、約100KHzと高くするとともに、出力電圧を、例えば、約80Vと高くしたことにより、脈流の出力部50からの出力される電圧波形への影響が抑制されている。
【0047】
次に、電源回路2のライフタイムを、フィルムコンデンサを用いて構成した場合と、電解コンデンサを用いて構成した場合とで、シミュレーションした結果を説明する。
定格電圧450Vの105℃品の電解コンデンサは、データシートによるとライフタイムが2000時間である。この電解コンデンサを用いた電源回路2を80℃において電圧380Vで使用したとすると、ライフタイムは47000時間であった。ライフタイムは、故障率が0.01%となる時間である。
次に、電解コンデンサとして、ライフタイムが8000時間である定格電圧450Vの105℃品(長寿命品)を用いたとして、80℃において電圧380Vで使用したとすると、上記のライフタイムは、92000時間であった。
【0048】
これに対して、ライフタイムが200000時間である定格電圧400Vの85℃品のフィルムコンデンサを用いた電源回路2を、80℃において電圧380Vで使用したとすると、上記のライフタイムは、449000時間であった。
【0049】
一方、発光ダイオードアレイ1を構成するLEDは、輝度が初期の70%に低下する時間が40000時間である。
すなわち、電解コンデンサを用いた電源回路2は、LEDが点灯可能な期間内において、故障が発生する確率が高い。このため、発光ダイオードアレイ1を構成するLEDを点灯可能な期間において使用するには、電源回路2を交換することが必要となる。このため、発光ダイオードアレイ1と電源回路2とを一体に構成することが難しい。例え、発光ダイオードアレイ1と電源回路2とを一体に構成したとしても、電源回路2を交換する作業が発生してしまう。
一方、フィルムコンデンサを用いた電源回路2は、LEDが点灯可能な期間内において、故障が発生する確率が極めて低い。よって、発光ダイオードアレイ1と電源回路2とを一体に構成することが可能になる。すなわち、電源回路2を交換することを要しない。
【0050】
以上説明したように、電源回路2に用いられるコンデンサを、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサとすることで、電解コンデンサを用いた場合に比べて、電源回路2のライフタイムを長くできる。
【0051】
なお、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサとして、フィルムコンデンサとしたが、他のコンデンサ、例えば、セラミックコンデンサなど、極性を有する電解コンデンサ以外のコンデンサであればよい。また、フィルムコンデンサとしては、フィルムにポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルファイドなどを用いうる。
また、本実施の形態で示したコンデンサに加え、電解コンデンサよりライフタイムが長いコンデンサをさらに備えていてもよい。
【0052】
さらに、本実施の形態で示した数値は、一例であって、これらに限定されないことは明らかである。
【0053】
本実施の形態では、発光ダイオードアレイ1を負荷としたが、他の電子部品を負荷としてもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。