(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サンプルとして用いられるガラス板上の着色層の境界上に複数の検査点を設定し、前記設定された検査点と隣接する両側の検査点とを結ぶ2本の線分で形成される角度を測定し、前記測定された角度をティーチングデータとして記憶する第4のステップと、
前記検査対象のガラス板において測定された角度と、当該角度に対応するティーチングデータとを比較し、当該測定された角度が当該ティーチングデータより小さい場合、前記着色層に欠陥を検出したと判定する第5のステップと、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査方法。
前記第5のステップは、前記測定された角度の頂点となる検査点と前記ティーチングデータを与える検査点とを所定の座標において重畳させ、前記二つの検査点の距離が所定の許容範囲内である場合、当該角度と当該ティーチングデータとが対応すると判定するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【背景技術】
【0002】
自動車の窓に取り付けられるガラス板は、その周縁部に黒色被覆層が設けられることがある。この黒色被覆層は、低融点ガラスの粉末と顔料とをペースト状にしたセラミックペーストを、ガラス面上にスクリーン印刷した後、焼き付けることによって形成される黒色で帯状の層である。
【0003】
例えば、特許文献1には、スクリーン印刷によってガラス板上に黒色被覆層を形成することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、散乱光を用いて印刷物を照明し、印刷物の複数の画像を散乱光が透過する側からCCDカメラで撮像し、該画像を合成して検査用画像とし、該検査用画像を暗部と明部とに2値化処理し、明部を面積の大きい順に順序づけし、面積の大きさが(m+1)番目以下(mは非印刷部の個数)となる明部を印刷欠陥とし、暗部を面積の大きい順に順序づけし、面積の大きさが(n+1)番目以下(nは印刷部の個数)となる暗部を印刷汚れとする検査方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、検査用のしきい値の標準値を要素半田印刷部の種類と関連づけて作成されたしきい値標準データを予め準備しておき、印刷検査対象の基板の要素半田印刷部のそれぞれについて、しきい値標準データに基づき当該要素半田印刷部の種類に応じたしきい値を設定する印刷検査方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、電極に印刷される単位印刷部の形状および位置を示す単位形状・位置データをグループ化条件に従って括ることによってデータ群に分類して作成された検査用データと撮像手段による基板の撮像結果を比較することにより印刷状態を判定する印刷検査方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献2に記載された技術では、ピンホールや印刷汚れを検出することができるものの、黒色被覆層のエッジの欠けを検出することはできない。
【0009】
また、特許文献4に記載された技術では、小さなクリーム半田を認識するためのものであり、縦横の大きさが1mを超える大きなガラス板の周縁部に印刷された黒色被覆層に生じた小さな欠けを判別することはできない。
【0010】
さらに、スクリーン印刷によって形成された黒色被覆層は、その境界部が滲むことから、滲みと区別して欠けを検出する必要がある。
【0011】
本発明は、黒色被覆層の欠けを的確に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、ガラス板上に形成された着色層の欠陥を検査する方法であって、検査対象のガラス板の画像を用いて、前記着色層の境界上に複数の検査点を設定する第1のステップと、前記設定された検査点と隣接する両側の検査点とを結ぶ2本の線分で形成される角度を測定する第2のステップと、前記測定された角度と所定の検査検出角とを比較し、前記測定された角度が前記検査検出角より小さい場合
に前記着色層に欠陥を検出したと判定
し、前記測定された角度が前記検査検出角より大きい場合に当該箇所の前記着色層には欠陥を検出しないと判定する第3のステップと、を含むことを特徴とする検査方法である。
【0013】
また、本発明は、さらに、前記第2のステップでは、設定された検査点の位置を測定し、前記測定された位置と前記測定された角度とを関連付けて記憶し、前記第3のステップでは、前記欠陥を検出した検査点の位置の情報を出力することを特徴とする検査方法である。
【0014】
また、本発明は、さらに、サンプルとして用いられるガラス板上の着色層の境界上に複数の検査点を設定し、前記設定された検査点と隣接する両側の検査点とを結ぶ2本の線分で形成される角度を測定し、前記測定された角度をティーチングデータとして記憶する第4のステップと、前記測定された角度と、当該角度に対応するティーチングデータとを比較し、前記測定された角度が当該ティーチングデータより小さい場合、前記着色層に欠陥を検出したと判定する第5のステップと、を含むことを特徴とする検査方法である。
【0015】
また、本発明は、さらに、前記第5のステップは、前記測定された角度の頂点となる検査点と前記ティーチングデータを与える検査点とを所定の座標において重畳させ、前記二つの検査点の距離が所定の許容範囲内である場合、当該角度と当該ティーチングデータとが対応すると判定するステップを含むことを特徴とする検査方法である。
【0016】
また、本発明は、さらに、前記第1のステップでは、前記検査点を設定する前に、前記画像の2値化処理を行うことを特徴とする検査方法である。
【0017】
また、本発明は、さらに、前記第1のステップでは、前記検査点を設定する前に、前記画像中の輪郭を円滑化する処理を行うことを特徴とする検査方法である。
【0018】
また、本発明は、さらに、ガラス板上の着色層の欠陥を検査する検査装置であって、前記ガラス板の画像を取得するカメラと、前記ガラス板に光を照射する光源と、前記取得した画像を解析する計算機と、を有し、前記計算機は、前述したいずれかの検査方法によって、前記ガラス板を検査することを特徴とする検査装置である。
【0019】
また、本発明は、さらに、着色層が表面上に形成されるガラス板の製造方法であって、前記ガラス板上に着色部材を塗布する工程と、前記塗布された着色部材によって形成された着色層を、前述したいずれかの方法によって検査する工程と、前記塗布された着色部材を前記ガラス板上に定着させる工程とを含むガラス板の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の代表的な一実施形態によれば、黒色被覆層の欠けを的確に検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1Aは、本発明の実施形態の検査装置で検査されるガラス板1の平面図であり、
図1Bは、ガラス板1のA部の拡大図である。
【0023】
図示したガラス板1は、自動車の窓に取り付けられるガラス板であり、その周縁部に黒色被覆層が設けられる。黒色被覆層は、低融点ガラスの粉末と顔料とをペースト状にしたセラミックペーストを、ガラス面上にスクリーン印刷した後、焼き付けることによって形成される通常黒色で帯状の層である。
【0024】
この黒色被覆層は、スクリーン印刷で形成されるので、
図1Bに示すように、滲み11や欠け12が境界部分に生じる。本発明の実施形態の検査装置は、この黒色被覆層の滲みと欠けとを判別して、欠けを的確に検出する。
【0025】
図2は、本発明の実施形態の検査装置の構成を示すブロック図である。
【0026】
本実施形態の検査装置は、検査対象のガラス板1を搬送するコンベア10、搬送されるガラス板1を撮影するカメラ20、カメラ20によって撮影されるガラス板1に光を照射するランプ30、コンベア10上のガラス板1を検出するセンサ40、及び、カメラ20が撮影した画像を解析する検査システム100を有する。
【0027】
カメラ20は、搬送されるガラス板1を撮影し、ガラス板の白黒画像を得る撮像装置で、例えばCCDラインセンサを用いることができる。カメラ20にラインセンサを用いた場合、ガラス板1の搬送に従って連続して画像(例えば、動画像)を取得することによって、検査対象のガラス板の平面画像を得ることができる。なお、一次元に撮像素子が並んでいるラインセンサではなく、二次元(平面状)に撮像素子が並んでいるCCDカメラや、CMOSセンサを用いてもよい。
【0028】
本実施形態の検査装置は、撮影した画像の解像度を向上させるため、複数のカメラ20を有する。カメラ20が撮影した画像は、検査システム100に入力される。
【0029】
ランプ30は、カメラ20によって撮影されるガラス板1に、コンベア10の裏面側(カメラ20の反対側)から光を照射する発光素子で、例えば蛍光灯ランプを用いることができる。ランプ30がコンベア10の裏面側から光を照射することによって、コントラストが高い画像を得ることができる。なお、ランプ30は、カメラ20の撮影間隔より早い周期で動作する高周波蛍光灯を用いるとよい。
【0030】
センサ40は、コンベア10上を搬送されるガラス板1がセンサ40上に乗った(すなわち、カメラ20による撮影に適した位置に到達した)ことを検出するセンサで、例えば、光電スイッチを用いることができる。センサ40が出力した信号は、検査システム100に入力される。検査システム100は、センサ40から出力された信号によって、カメラ20が取得した画像を取り込む。
【0031】
本実施形態の検査システム100は、プロセッサ(CPU)101、メモリ102、記憶装置(HDD)103、入力装置104、出力装置105及びインターフェース106を有し、これらの構成がバス107で接続された計算機である。
【0032】
プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラムを実行する処理装置である。
【0033】
メモリ102は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶装置であり、オペレーティングシステム(OS)及びアプリケーションプログラムを格納する。プロセッサ101が、オペレーティングシステムを実行することによって、計算機の基本機能が実現され、アプリケーションプログラムを実行することによって、計算機が提供する機能が実現される。具体的には、メモリ102は、
図5に示すティーチングデータ取得処理及び
図6に示す欠け検出処理を実行するためのプログラムを格納する。
【0034】
記憶装置103は、例えば、磁気記憶装置、フラッシュメモリ等の大容量かつ不揮発性の記憶装置であり、プロセッサ101によって実行されるプログラム及びプログラム実行時に使用されるデータを格納する。なお、プログラムは、記憶装置103から読み出され、メモリ102にロードされて、プロセッサ101によって実行される。
【0035】
入力装置104には、キーボード107、マウス108などのユーザインターフェースが接続される。出力装置105には、ディスプレイ装置109、プリンタなどのユーザインターフェースが接続される。なお、入力装置104及び出力装置105は、USB、光ディスクドライブなどのデータを入出力できるインターフェースでてもよい。
【0036】
インターフェース106は、検査システム100をカメラ20及びセンサ40に接続する。なお、インターフェース106は、他の装置との通信を制御する通信インターフェースを含んでもよい。
【0037】
検査システム100は、物理的に一つの計算機上に構築されても、物理的には一つ又は複数の計算機上に構成された論理区画上に構築されてもよい。
【0038】
なお、プロセッサ101によって実行されるプログラムは、不揮発性の記憶媒体又はネットワークを介して計算機に提供される。このため、計算機は、記憶媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)を読み込むインターフェースを備えるとよい。
【0039】
図5は、本発明の実施形態のティーチングデータ取得処理のフローチャートである。このティーチングデータ取得処理は、検査システム100のプロセッサ101が実行する。
【0040】
まず、製造されるガラス板を目視で検査し、良好と判定できるガラス板の画像データ(ティーチングデータ)を取得する(S101)。なお、ティーチングデータ取得用のガラス板に黒色被覆層の欠けが見つかった場合、他のガラス板を用いてティーチングデータを取得する。
【0041】
その後、黒色被覆層の境界線をスムージングする拡縮処理を行う(S102)。なお、拡縮処理は複数回行うとよい。拡縮処理の回数が少ないと、滲みによる黒色被覆層の境界の凹凸が粗くなり、欠け検出処理における誤検出の可能性が高くなるからである。また、拡縮処理ではない、線をスムージングする円滑化処理を行ってもよい。円滑化処理を行うことによって、黒色被覆層の滲みによる境界の凸凹を円滑化して、正確なティーチングデータを取得し、欠けの誤検出を減らすことができる。
【0042】
なお、拡縮処理の前に、取得した画像データを2値化処理を行って黒色被覆層の境界を明確化してもよい。拡縮処理の前に2値化処理を行うことによって、以後の処理を高速化することができる。また、2値化処理に代えて、画像中の輝度の変化が大きい箇所を境界であると判定してもよい。このようにすると、黒色被覆層の境界線が薄い場合でも正確に境界を定めることができる。
【0043】
その後、黒色被覆層の境界上に複数の検査点(
図3の点A〜E)を設定し、各検査点の座標と、当該検査点と隣接する検査点とを結ぶ線分で形成される角度(
図3において、線分BCと線分CDによって形成される角θ)を測定する(S103)。また、検査点の設定には、所定のアルゴリズム、例えば、ダグラス・ポイカーアルゴリズム、コーン交差法などを用いることができる。
【0044】
その後、予め設定したティーチング検出角と測定された検査点の角度とを比較する(S104)。
【0045】
その結果、検査点の角度がティーチング検出角より小さい場合、測定された検査点の角度が通常の黒色被覆層の境界の形状であると判定し、当該検査点の座標及び測定された角度をティーチングデータとしてメモリ102に記憶する(S105)。一方、検査点の角度がティーチング検出角以上である場合、測定された検査点の角度は異常値であると判定し、ステップS103に戻り、次の検査点の角度を測定する。
【0046】
その後、全ての検査点の角度の測定が終了しているかを判定し(S106)、全ての検査点の角度の測定が終了していれば、ティーチングデータ取得処理を終了する。一方、角度の測定が終了していない検査点があれば、ステップS103に戻り、次の検査点の角度を測定する。
【0047】
次に、本発明の実施形態の欠け検出処理を含むガラス板の製造工程について説明する。
(1)製造されたガラス板を所望の形状に切断する。
(2)低融点ガラスの粉末と顔料とをペースト状にしたセラミックペーストを、ガラス面上にスクリーン印刷する。
(3)印刷されたセラミックペーストをガラス板に焼き付ける。
(4)黒色被覆層を検査する(
図6参照)。
(5)必要に応じて、銀ペーストを印刷し、焼き付け、デフォッガ熱線やアンテナを形成する。
(6)ガラス板を所定の曲率に曲げる。
(7)ガラス板と中間膜とを合わせる。
(8)ガラス板間を脱気する予備接着を行う。
(9)オートクレーブで加熱・加圧し、中間膜を圧着する仕上げ接着を行う。
(10)ガラス板からはみ出ている中間膜を切断する。
【0048】
なお、通常のガラス板では、工程(1)〜(5)のみでよく、(6)以後は、合わせガラスの場合に必要となる工程である。また、強化ガラスであれば、熱処理や化学処理の工程が追加される。
【0049】
前述した製造工程は、検査工程(4)を除いて通常の工程の単なる例示であり、検査工程(4)以外は明細書に記載した工程と異なるものでもよい。
【0050】
図6は、本発明の実施形態の欠け検出処理のフローチャートである。
【0051】
まず、検査対象のガラス板1と同じ型番のガラス板のティーチングデータを取得し、そのティーチングデータを確認する(S201)。
【0052】
その後、黒色被覆層の境界線をスムージングする拡縮処理を行う(S202)。なお、拡縮処理は複数回行うとよい。拡縮処理の回数が少ないと、滲みによって黒色被覆層の境界の凹凸が粗くなり、誤検出の可能性が高くなるからである。また、拡縮処理ではない、線をスムージングする円滑化処理を行ってもよい。円滑化処理を行うことによって、黒色被覆層の滲みによる境界の凸凹を円滑化して、欠けの誤検出を減らすことができる。
【0053】
なお、拡縮処理の前に、取得した画像データを2値化処理を行って黒色被覆層の境界を明確化してもよい。拡縮処理の前に2値化処理を行うことによって、以後の処理を高速化することができる。また、2値化処理に代えて、画像中の輝度の変化が大きい箇所を境界であると判定してもよい。このようにすると黒色被覆層の境界線が薄い場合でも正確に境界を定めることができる。
【0054】
その後、黒色被覆層の境界線上に最初の検査点を定め(S203)、複数の検査点(
図4の点A〜E)を設定し、各検査点の座標と、当該検査点と隣接する検査点とを結ぶ線分で形成される角度(
図4において、線分BCと線分CDによって形成される角θ)を測定し、測定した検査点の座標と角をメモリ102に記憶する(S204)。また、検査点の設定には、また、検査点の設定には、所定のアルゴリズム、例えば、ダグラス・ポイカーアルゴリズム、コーン交差法などを用いることができる。
【0055】
その後、設定された検査点と、ティーチングデータ取得処理で得られたティーチングデータの点とを同じ座標で重畳し、各検査点から最も近いティーチングデータの点を探索して、各検査点に対応するティーチングデータの点を判定する(S205)。具体的には、検査点とティーチングデータの点との距離が、予め定めた位置許容長より小さい場合、当該検査点と当該ティーチングデータの点とが対応すると判定する。なお、位置許容長に複数の点が含まれる場合、最も近い点を選択する。
【0056】
例えば、
図4に示すように、検査対象のガラス板1の上の検査点Cとティーチングデータの点C’とを対比した場合、点Cと点C’との距離は位置許容長Lより短い。よって、検査点Cとティーチングデータの点C’とが対応すると判定することができる。
【0057】
そして、検査点とティーチングデータの点との距離が、予め定めた位置許容長より小さい場合(S206でYes)、検査点の角度と対応するティーチングデータの点の角度とを比較する(S207)。その結果、検査点の角度が対応するティーチングデータの点の角度より小さい場合、欠けが検出されたので、欠けが検出された点の座標をメモリ102に記録する(S209)。一方、検査点の角度がティーチングデータの対応点の角度以上である場合、欠けは検出されないと判定する。
【0058】
一方、検査点とティーチングデータの点との距離が、予め定めた位置許容長以上である場合(S206でNo)、当該検査点に対応するティーチングデータが存在しないので、検査点の角度と予め定めた検査検出角とを比較する(S208)。その結果、検査点の角度が検査検出角より小さい場合、欠けが検出されたので、欠けが検出された点の座標をメモリ102に記録する(S209)。一方、検査点の角度が検査検出角以上である場合、欠けは検出されないと判定する。
【0059】
その後、全ての検査点の処理が終了したかを判定し(S210)、処理が終了していない検査点があれば、ステップS203に戻り、次の検査点について処理をする。一方、全ての検査点の処理が終了していれば、検出結果を出力し(S211)、欠け検査処理を終了する。
【0060】
検査結果の出力は、例えば、欠けが検出されたガラス板の画像上で、欠けが検出された箇所の座標に所定のマークを重畳し、ディスプレイ装置109に表示する。また、欠けが検出された場合、スピーカから音(音声、警告音など)を出力して、作業者に知らせてもよい。また、欠けが検出されたガラスを回収するためのコンベアの分岐を設け、欠けが検出されたガラスを、分岐した回収ラインに流してもよい。
【0061】
また、本実施の形態の欠け検査方法について、黒色被覆層の内側の輪郭における処理を説明したが、黒色被覆層の外側の輪郭についても同じ処理を実行することができる。
【0062】
また、TV受像機やスマートフォンに用いられる液晶表示装置のカバーガラスに付される着色膜は、前述した黒色被覆層の形成と同様の工程で形成され、本発明の検査方法を適用することができる。
【0063】
以上に説明したように、本発明の実施形態によると、ガラス板上に形成された黒色被覆層の境界上に設定された検査点の角度が検査検出角より小さい場合、前記黒色被覆層に欠陥を検出したと判定するので、黒色被覆層の滲みと欠けとを判別することができる。また、各検査点において欠けの有無を判別するので、黒色被覆層の形成範囲が大きい場合(例えば、ガラス板の周囲に印刷された黒枠)でも、欠けを的確に検出することができる。
【0064】
また、各検査点の位置を測定し、欠けを検出した検査点の位置を出力するので、黒色被覆層において欠けがある場所を知ることができる。
【0065】
また、サンプルとして用いるガラス板の黒色被覆層からティーチングデータを取得して、検査点の角度とティーチングデータとを比較して、欠陥の有無を判定するので、欠けを的確に検出することができる。
【0066】
また、検査点とティーチングデータを与える点との距離が所定の位置許容長内である場合に、検査点の角度とティーチングデータとを比較して、欠陥の有無を判定するので、検査点とティーチングデータとを的確に対応付けることができる。
【0067】
また、検査点を設定する前に、ガラス板の画像の2値化処理を行うので、黒色被覆層の境界を明確にすることができ、以後の処理を高速化することができる。
【0068】
また、検査点を設定する前に、画像中の輪郭を円滑化する処理を行うので、黒色被覆層の滲みによる境界の凸凹を滑らかにして、誤検出を減らすことができる。