(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の操作機能及び所定の表示機能を備えたタッチパネル部と、前記タッチパネル部への接触による操作入力を検出する検出手段と、演算手段と、を備えた操作端末の前記演算手段に対し、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記タッチパネル部の互いに離間した2つの操作箇所において前記操作入力が行われているか否かを判定する操作箇所判定手順と、
前記操作箇所判定手順で前記操作箇所が2箇所あると判定された場合、文字、記号、数字に関し、複数の設定可能項目のうち前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定可能項目、若しくは、前記複数の設定可能項目のそれぞれで設定可能な複数の設定態様のうち前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定態様、を前記タッチパネル部に表示する第1表示手順と、
前記操作箇所判定手順で前記2つの操作箇所で前記操作入力が行われていると判定された場合、前記2箇所の操作箇所のうち、一方を固定操作点、他方を移動操作点として決定する決定手順と、
前記決定手順で前記固定操作点及び前記移動操作点が決定された後、前記検出手段の検出結果に基づき、前記移動操作点が前記固定操作点を回転中心とした略円弧軌跡を描いたか否かを判定する円弧判定手順と、
前記円弧判定手順で前記移動操作点が前記略円弧軌跡を描いたと判定された場合、当該略円弧軌跡に対応した前記固定操作点まわりの回転角度を算出する角度算出手順と、
前記第1表示手順で前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定可能項目が表示されていた場合には、当該設定可能項目に関わる前記複数の設定態様のうち前記角度算出手順で算出された前記回転角度に対応した前記設定態様を前記タッチパネル部に表示し、前記第1表示手順で前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定態様が表示された場合には、前記角度算出手順で算出された前記回転角度に対応した前記設定可能項目を前記タッチパネル部に表示する、第2表示手順と、
を実行させるための、操作入力処理プログラム。
所定の操作機能及び所定の表示機能を備えたタッチパネル部と、前記タッチパネル部への接触による操作入力を検出する検出手段と、を備えた操作端末が実行する操作入力処理方法であって、
前記検出手段の検出結果に基づき、前記タッチパネル部の互いに離間した2つの操作箇所において前記操作入力が行われているか否かを判定する操作箇所判定手順と、
前記操作箇所判定手順で前記操作箇所が2箇所あると判定された場合、文字、記号、数字に関し、複数の設定可能項目のうち前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定可能項目、若しくは、前記複数の設定可能項目のそれぞれで設定可能な複数の設定態様のうち前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定態様、を前記タッチパネル部に表示する第1表示手順と、
前記操作箇所判定手順で前記2つの操作箇所で前記操作入力が行われていると判定された場合、前記2箇所の操作箇所のうち、一方を固定操作点、他方を移動操作点として決定する決定手順と、
前記決定手順で前記固定操作点及び前記移動操作点が決定された後、前記検出手段の検出結果に基づき、前記移動操作点が前記固定操作点を回転中心とした略円弧軌跡を描いたか否かを判定する円弧判定手順と、
前記円弧判定手順で前記移動操作点が前記略円弧軌跡を描いたと判定された場合、当該略円弧軌跡に対応した前記固定操作点まわりの回転角度を算出する角度算出手順と、
前記第1表示手順で前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定可能項目が表示されていた場合には、当該設定可能項目に関わる前記複数の設定態様のうち前記角度算出手順で算出された前記回転角度に対応した前記設定態様を前記タッチパネル部に表示し、前記第1表示手順で前記2箇所の操作箇所の離間距離に対応した設定態様が表示された場合には、前記角度算出手順で算出された前記回転角度に対応した前記設定可能項目を前記タッチパネル部に表示する、第2表示手順と、
を有することを特徴とする操作入力処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、操作端末で操作入力プログラムとしてラベル作成用プログラムの実行する場合を例にとって説明する。
【0016】
<操作端末及びラベル作成装置の概略構成>
図1に示すように、操作端末10は、被操作装置であるラベル作成装置20(後述の
図2参照)を操作するために用いられる。操作端末10は、操作者が操作可能な操作ボタン12と、例えば液晶ディスプレイ等を備えたタッチパネル部13と、を有する。
【0017】
図2に示すように、上記操作端末10によって操作されるラベル作成装置20は、例えば液晶ディスプレイからなり各種情報や各種メッセージを表示する表示部22と、操作者が各種操作を可能な操作部23と、装置本体21内に配設されたカッタ27(後述の
図4参照)を駆動するためのカットレバー24とを備えている。
【0018】
操作部23には、文字、記号、及び数字等を入力するための入力キー等を含む種々の機能キー23aが含まれている。
【0019】
<操作端末の機能的構成>
上記操作端末10の機能的構成を
図3に示す。操作端末10は、制御回路14と、各種情報を記憶するメモリ15と、通信制御部16と、操作検出部17(検出手段に相当)と、上記操作ボタン12と、上記タッチパネル部13とを有する。
【0020】
通信制御部16は、無線通信(又は有線通信)を介して接続された上記ラベル作成装置20との間で行われる、情報通信の制御を行う。
【0021】
制御回路14は、図示しないCPU(演算手段に相当)、RAM、及びROMを備えている。この制御回路14は、CPUの演算機能により、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された各種プログラムを実行する。この各種プログラムには、後述する
図14、
図15、
図16等に示す手順を実行するためのラベル作成用処理プログラム(操作入力処理プログラムに相当)が含まれている。また、制御回路14は、通信制御部16を介し、無線通信(又は有線通信)によりラベル作成装置20と接続されており、ラベル作成装置20と各種情報やデータの送受が可能となっている。
【0022】
メモリ15は、記憶内容の追加及び消去が可能な、例えばElectrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)等の不揮発性メモリ(記録媒体に相当)から構成されている。このメモリ15には、上記ラベル作成用処理プログラムを含む上記各種プログラムが記憶されている。
【0023】
タッチパネル部13は、所定の操作機能及び所定の表示機能を備えている。すなわち、タッチパネル部13は、操作者の操作部23を介した操作入力に基づく、印字ラベルに印字される文字列を表示する。またタッチパネル部13は、後述するように、操作者の2本の指の接触操作により、上記文字列を所望の態様に設定することができる。設定された文字列は、印字データとして上記メモリ15に格納されるとともに、印字ラベル作成時、通信制御部16を介してラベル作成装置20に送信される。
【0024】
<ラベル作成装置の機能的構成>
上記ラベル作成装置20の機能的構成を
図4に示す。
図4において、ラベル作成装置20は、制御回路25と、各種情報を記憶するメモリ26と、通信制御部28と、上記表示部22と、上記操作部23と、上記カットレバー24と、カートリッジホルダ32と、搬送装置29と、印字ヘッド30と、カッタ27とを有する。
【0025】
通信制御部28は、上記のように無線又は有線を介して接続された操作端末10との間で行われる、情報通信の制御を行う。
【0026】
制御回路25は、図示しないCPU、RAM、及びROMを備えている。この制御回路25は、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された各種プログラムを実行する。これにより、制御回路25は、ラベル作成装置20全体の制御を行う。また、制御回路25は、通信制御部28を介して操作端末10と接続されており、操作端末10とデータの送受が可能となっている。
【0027】
メモリ26は、記憶内容の追加及び消去が可能な、例えばElectrically Erasable Programmable Read−Only Memory(EEPROM)等の不揮発性メモリから構成されている。このメモリ26には、操作端末10から送信された印字データを格納可能となっている。
【0028】
カートリッジホルダ32は、テープ33(被印字媒体に相当)を供給可能なカートリッジ31を着脱可能に構成されている。カートリッジ31は、テープ33を図示しないリール部材の周りに巻回したテープロール34(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)を備えている。
【0029】
搬送装置29は、印字ヘッド30に対向して設けられている。この搬送装置29は、制御回路25により制御されて、カートリッジホルダ32に装着したカートリッジ31のテープロール34から繰り出されて供給される、テープ33を搬送する。
【0030】
印字ヘッド30は、制御回路25により制御されて、テープロール34から繰り出され搬送装置29により搬送されるテープ33に対し、所望の印字を形成する。
【0031】
カッタ27は、操作者によりカットレバー24が操作されることで、印字ヘッド30による印字が終了したテープ33を切断して、印字ラベル(図示せず)とする。
【0032】
<印字ラベルの作成手順>
図5に、印字ラベル作成時にラベル作成装置20の制御回路によって実行される制御手順の一例を示すフローチャートを示す。このフローに示す処理は、操作者が操作端末10によって、後述のように印字ラベルのイメージを編集した後に、ラベル作成装置20に対しラベル作成指示を出力することにより開始される。
【0033】
図5において、まずステップS10で、制御回路25は、搬送装置29に制御信号を出力し、カートリッジホルダ32に装着されたカートリッジ31のテープロール34からのテープ33の繰り出し、すなわちテープ33の搬送を開始させる。
【0034】
そして、ステップS20に移り、制御回路25は、テープ33が所定量だけ搬送されたかどうかを判定する。なお、この所定量とは、例えば、テープ33の図示しない印字領域の先端が、印字ヘッド30とほぼ対向する位置に到達するだけの搬送距離(いわゆる前余白用の搬送量)である。所定量搬送されるまでステップS20の判定が満たされず(S20:NO)、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS20の判定が満たされて(S20:YES)、ステップS30に移る。
【0035】
ステップS30では、制御回路25は、印字ヘッド30に制御信号を出力し、搬送装置29により搬送されるテープ33の印字領域に対し、メモリ26に格納された印字データの印字を開始させる。
【0036】
その後、ステップS40で、制御回路25は、上記ステップS30で開始した印字ヘッド30によるテープ33の印字領域への印字データの印字がすべて完了しているかどうかを判定する。印字がすべて完了するまでステップS40の判定が満たされず(S40:NO)、ループ待機し、印字がすべて完了したらステップS40の判定が満たされて(S40:YES)、ステップS50に移る。
【0037】
ステップS50では、制御回路25は、テープ33がさらに所定量(例えば印字領域のすべてがカッタ27を所定の長さ分越えるだけの搬送距離。いわゆる後余白用の搬送量)だけ搬送されたかどうかを判定する。所定量搬送されるまでステップS50の判定が満たされず(S50:NO)、ループ待機し、所定量搬送されたらステップS50の判定が満たされて(S50:YES)、ステップS60に移る。
【0038】
ステップS60では、制御回路25は、搬送装置29に制御信号を出力し、ステップS220で開始させたテープロール34からのテープ33の繰り出し、すなわちテープ33の搬送を停止させる。
【0039】
そして、ステップS70では、制御回路25は、表示部22に表示信号を出力し、カットレバー24を操作することによりテープ33を切断可能な状態である旨の表示を行わせる。その後、このフローに示す処理を終了する。上記表示に応じて操作者がカットレバー24を操作すると、カッタ27が作動してテープ33が切断される。このカッタ27による切断によって、テープ33から印字ヘッド30による印字が行われた部分が切り離されて、印字ラベルが作成される。
【0040】
<本実施形態の特徴>
上述したように、操作端末10のタッチパネル部13では、操作者の操作入力に基づく文字列が表示される。本実施形態の特徴は、上記タッチパネル部13への2本の指の接触操作により上記表示された文字列の態様を所望に設定できるようにしたことにある。詳細には、その態様の変更を行う項目(設定可能項目に相当。この例では後述のようにフォント種類、フォントサイズ、文字スタイル等がある)が上記接触操作により選択された後、その選択された項目についての具体的な設定態様がさらに上記接触操作により決定される。以下、その詳細を、
図6〜
図13により順を追って説明する。
【0041】
<文字列の態様変更の例>
タッチパネル部13に表示された文字列の態様の変更の例を
図6(a)〜(f)により説明図する。例えば、
図6(a)には、タッチパネル部13に表示可能な適宜の編集画面(図示せず)のラベルイメージM内に、フォントサイズ「12」のゴシック体で「重岡 宗太郎」の文字列Rが表示されている。
【0042】
上記
図6(a)の文字列Rが表示された状態で、フォント種類を明朝体に変更した場合を
図6(b)に示す(上記設定可能項目として「フォント種類」を選択し、当該フォント種類の設定態様のうちの「明朝体」を選択した場合に相当。詳細は後述)。図示のように、この場合、「重岡 宗太郎」の文字列Rが、フォントサイズ「12」の明朝体により表示される。
【0043】
上記
図6(a)の文字列Rが表示された状態で、フォントサイズを「10」に変更した場合を
図6(c)に示す(上記設定可能項目として「フォントサイズ」を選択し、当該フォントサイズの設定態様のうちの「10」を選択した場合に相当。詳細は後述)。図示のように、この場合、「重岡 宗太郎」の文字列Rが、フォントサイズ「10」のゴシック体により表示される。
【0044】
上記
図6(a)の文字列Rが表示された状態で、フォントサイズを「9」に変更した場合を
図6(d)に示す(上記設定可能項目として「フォントサイズ」を選択し、当該フォントサイズの設定態様のうちの「9」を選択した場合に相当。詳細は後述)。図示のように、この場合、「重岡 宗太郎」の文字列Rが、フォントサイズ「9」のゴシック体により表示される。
【0045】
上記
図6(a)の文字列Rが表示された状態で、文字スタイルを斜字に変更した場合を
図6(e)に示す(上記設定可能項目として「文字スタイル」を選択し、当該文字スタイルの設定態様のうちの「斜字」を選択した場合に相当。詳細は後述)。図示のように、この場合、「重岡 宗太郎」の文字列Rが、フォントサイズ「12」のゴシック体の斜字により表示される。
【0046】
上記
図6(a)の文字列Rが表示された状態で、文字スタイルを太字に変更した場合を
図6(f)に示す(上記設定可能項目として「文字スタイル」を選択し、当該文字スタイルの設定態様のうちの「太字」を選択した場合に相当。詳細は後述)。図示のように、この場合、「重岡 宗太郎」の文字列Rが、フォントサイズ「12」のゴシック体の太字により表示される。
【0047】
<タッチパネル部における設定可能項目の表示機能>
まず
図7を用いて、タッチパネル部13における、上記文字列Rに対する設定可能項目の表示機能を説明する。
図7において、この例では、操作者が例えば親指36と人差し指37(後述の
図8等参照)とによってタッチパネル部13の2点に接触すると、その接触した2点、すなわち接触点Aと接触点B(後述の例では点B1,B2,B3の3種類が存在する)との間の離間距離Lに応じて、3つの設定可能項目が表示可能である。すなわち、「フォント種類」表示部41と、「フォントサイズ」表示部42(図中では「サイズ」と略示)表示部42と、「文字スタイル」表示部43(図中では「スタイル」と略示)とが、この例ではタッチパネル部13において選択的に(すなわちいずれか1つが)表示される。
【0048】
図7の例では、例えば一方の指(例えば親指36)がタッチパネル部13の左下部に接触し、他方の指(例えば人差し指36)が高さ方向に離れた部分に接触した場合を例にとって示している。このような2点接触が行われた際、一方の指の接触点Aから他方の指の接触点B1までの離間距離Lが、比較的長いL1及びその近傍である場合、タッチパネル部13には、上記設定可能項目としてフォント種類を選択するための「フォント種類」表示部41が表示される。また、一方の指の接触点Aから他方の指の接触点B2までの離間距離Lが、中程度のL2及びその近傍である場合、タッチパネル部13には、上記設定可能項目として文字サイズを選択するための「フォントサイズ」表示部42が表示される。また、一方の指の接触点Aから他方の指の接触点B3までの離間距離Lが、比較的短いL3及びその近傍である場合、タッチパネル部13には、上記設定可能項目として文字スタイルを選択するための「文字スタイル」表示部43が表示される。
【0049】
<タッチパネル部における設定態様の表示機能>
次に、
図8を用いて、上記
図7のようにして設定可能項目が選択的に表示された後に、当該設定可能項目に対応した設定態様の表示機能を説明する。
図8において、この例では、上記離間距離Lだけ離間して接触点Aと接触点B1,B2,B3とが接触された後、上記離間距離Lに応じて選択的に表示された1つの設定可能項目に対し、その後の接触点A周りの所定の回転角度θに応じて、3つの設定態様が表示可能である。
【0050】
すなわち、この例では、タッチパネル13において図示下方に位置する一方の指(例えば親指)36の接触点Aが固定操作点に決定され、タッチパネル13において図示下方に位置する他方の指(例えば人差し指)37の接触点B(B1,B2,B3)が移動操作点に決定される。そして、上記人差し指37が、上記親指36の接触点Aを回転中心とした略円弧軌跡E1,E2,E3のいずれか1つを描くように移動したとき、上記接触点A周りの回転角度θの値に応じて、各設定可能項目に対し3つの設定態様のいずれか1つが選択的に表示される。
【0051】
例えば、上記離間距離LがL1又はその近傍であって前述のようにして設定可能項目として「フォント種類」表示部41が表示された場合には、上記移動により回転角θが0°から増大し15°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B1が略円弧軌跡E1とラインh1との交点又はその近傍となったとき)に、「ゴシック体」表示部41a(図中では「ゴシック」と略示)がタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し30°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B1が略円弧軌跡E1とラインh2との交点又はその近傍となったとき)には、「明朝体」表示部41b(図中では「明朝」と略示)がタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し45°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B1が略円弧軌跡E1とラインh3との交点又はその近傍となったとき)には、「丸文字体」表示部41c(図中では「丸文」と略示)が、タッチパネル部13において表示される。
【0052】
また例えば、上記離間距離LがL2又はその近傍であって前述のようにして設定可能項目として「フォントサイズ」表示部42が表示された場合には、上記移動により回転角θが0°から増大し15°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B2が略円弧軌跡E2とラインh1との交点又はその近傍となったとき)に、「9サイズ」表示部42a(図中では「9」と略示)がタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し30°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B2が略円弧軌跡E2とラインh2との交点又はその近傍となったとき)には、「10サイズ」表示部42b(図中では「10」と略示)がタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し45°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B2が略円弧軌跡E2とラインh3との交点又はその近傍となったとき)には、「12サイズ」表示部42c(図中では「12」と略示)が、タッチパネル部13において表示される。
【0053】
また例えば、上記離間距離LがL3又はその近傍であって前述のようにして設定可能項目として「文字スタイル」表示部43が表示された場合には、上記移動により回転角θが0°から増大し15°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B3が略円弧軌跡E3とラインh1との交点又はその近傍となったとき)に、「正字」表示部43aがタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し30°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B3が略円弧軌跡E3とラインh3との交点又はその近傍となったとき)には、「太字」表示部43bがタッチパネル部13において表示される。また、さらなる移動により回転角θが増大し45°又はその近傍となったとき(言い換えれば人差し指37による接触点B3が略円弧軌跡E3とラインh3との交点又はその近傍となったとき)には、「斜字」表示部43cが、タッチパネル部13において表示される。
【0054】
なお、移動する指は人差し指37以外の中指等としてもよい。また、親指36を移動する指とし、人差し指37若しくは中指等を固定する指としてもよい。また、固定操作点(接触点A)は、タッチパネル部13の左下部でなくてもよく、適宜の箇所とすることができる。離間距離L1,L2,L3は、L1>L2>L3の大小関係を満たせばよく、適宜の距離とすることができる。
【0055】
<操作入力の具体例>
上述したタッチパネル部13の2点接触による操作入力の具体例を
図9〜
図13により説明する。なお、
図9〜
図13では、図示の煩雑化を避けるために、上記操作端末10のうち、操作ボタン12等のタッチパネル部13以外の構成の図示を簡略化又は省略している。
【0056】
例えば、操作者が、
図9に示すように、手の親指36と人差し指37とを比較的短い距離(
図7及び
図8の上記離間距離L3に対応)で開き、親指36と人差し指37とでタッチパネル部13の2点を接触する。この2点の接触により、人差し指37が接触した位置(
図7及び
図8の接触点B3に相当)に、上記「文字スタイル」表示部43のハイライト表示(又は点滅表示等、他とは異なる態様の表示であれば足りる。以下同様)が行われる。このとき、「フォント種類」表示部41及び「フォントサイズ」表示部42は非表示(又は網掛け表示等の目立たない表示でもよい。以下同様)である。また、前述の「正字」表示部43a、「太字」表示部43b、「斜字」表示部43c、「9サイズ」表示部42a、「10サイズ」表示部42b、「12サイズ」表示部42c、「ゴシック体」表示部41a、「明朝体」表示部41b、「丸文字体」表示部41cも非表示(又は網掛け表示等の目立たない表示)となっている。
【0057】
上記の後、例えば、操作者が、そのタッチパネル部13の左下部付近に接触した親指36の接触状態を保ったまま、
図10に示すように、親指36に対し人差し指37を開いてピンチアウトし(図中白抜き矢印参照)、人差し指37と親指36との間を中程度の距離(
図7及び
図8の上記離間距離L2に対応)とする。すると、人差し指37が接触した位置(
図7及び
図8の接触点B2に相当)に、上記「フォントサイズ」表示部42のハイライト表示が行われる。これに伴い、上記「フォントスタイル」表示部43は、前述のハイライト表示から非表示に変わる。
【0058】
上記の後、例えば、操作者が、
図11に示すように、親指36に対し人差し指37をさらに開いてピンチアウトし(図中白抜き矢印参照)、人差し指37と親指36との間を比較的長い距離(
図7及び
図8の上記離間距離L3に対応)とする。すると、人差し指37が接触した位置(
図7及び
図8の接触点B3に相当)に、上記「フォント種類」表示部43のハイライト表示が行われる。これに伴い、上記「フォントサイズ」表示部43は、前述のハイライト表示から非表示に変わる。
【0059】
そして、上記のようにタッチパネル部13の左上部まで接触移動した人差し指37を、親指36を中心に略円弧軌跡E1を描くように移動を開始すると、上記設定可能項目としての「フォント種類」表示部41の選択が確定する。そして、略円弧軌跡E1と上記ラインh1との交点(又はその近傍)に「ゴシック体」表示部41aが表示され、略円弧軌跡E1と上記ラインh2との交点(又はその近傍)に「明朝体」表示部41bが表示され、略円弧軌跡E1と上記ラインh3との交点(又はその近傍)に「丸文字体」41cが表示される。なお、これら表示部41a,41b,41cについては、(上記ハイライト表示や点滅表示ではない)通常の点灯表示となっている。但し、ハイライト表示・点滅表示としてもよい。あるいは非表示のままとすることも考えられる。
【0060】
その後、略円弧軌跡E1を描く人差し指37が、
図12に示すように、既に表示された「ゴシック体」表示部41aの位置に到達すると、「ゴシック体」表示部41aはハイライト表示に変わる(このとき上記「フォント種類」表示は通常の点灯表示に変わっている。また「明朝体」表示部41b及び「丸文字体」表示部41cは非表示に変わっている)。操作者が人差し指37をこの「ゴシック体」表示部41aの位置で止めることで、文字列Rに対する設定態様としてゴシック体が選択される。
【0061】
そしてこの時点で、操作者が親指36と人差し指37とをタッチパネル部13から離すと、上記設定可能項目としての「フォント種類」の選択と上記設定態様としての「ゴシック体」の選択とが確定し、文字列Rに対する設定が完了する。そして、この時点で既に入力済みの上記文字列Rを、上記完了した設定に対応した内容で含む印字データが、上記ラベル作成装置20へと送信される。
【0062】
一方、操作者が親指36と人差し指37をタッチパネル部13から離さすことなく、略円弧軌跡E1を描く人差し指37が、
図13に示すように「ゴシック体」表示部41aを通り過ぎて「明朝体」表示部41bに到達すると、「明朝体」表示部41bがハイライト表示に変わる(このとき上記「ゴシック体」表示部41aは非表示に変わっている)。操作者が人差し指37をこの「明朝体」表示部41bの位置で止めることで、文字列Rに対する設定態様として明朝体が選択される。
【0063】
そしてこの時点で、操作者が親指36と人差し指37とをタッチパネル部13から離すと、上記設定可能項目としての「フォント種類」の選択と上記設定態様としての「明朝体」の選択が確定し、文字列Rに対する設定が完了する。そして、この時点で既に入力済みの上記文字列Rを、上記完了した設定に対応した内容で含む印字データが、上記ラベル作成装置20へと送信される。
【0064】
一方、上記同様、操作者が親指36と人差し指37をタッチパネル部13から離さすことなく、略円弧軌跡E1を描く人差し指37が、さらに「明朝体」表示部41bを通り過ぎて「丸文字体」表示部41cに到達すると、図示を省略するが、「明朝体」表示部41bがハイライト表示に変わる(このとき上記「明朝体」表示部41bは非表示に変わっている)。操作者が人差し指37をこの「丸文字体」表示部41cの位置で止めることで、文字列Rに対する設定態様として丸文字体が選択される。操作者が親指36と人差し指37とをタッチパネル部13から離すと、上記設定可能項目としての「フォント種類」の選択と上記設定態様としての「丸文字体」の選択が確定し、文字列Rに対する設定が完了する。そして、この時点で既に入力済みの上記文字列Rを、上記完了した設定に対応した内容で含む印字データが、上記ラベル作成装置20へと送信される。
【0065】
なお、上記のように設定可能項目として「フォント種類」が選択され、3つの設定態様のうちいずれかが選択されて設定完了した場合には、それ以外の設定可能項目である「フォントサイズ」「文字スタイル」の設定態様は、予め定められたデフォルト値、例えばフォントサイズが「サイズ12」で、文字スタイルは「正字」となる(
図6(b)のラベルイメージM参照)。
【0066】
なお、上記では、「フォント種類」表示部41により設定可能項目として「フォント種類」が選択された後、3つの設定態様のうちいずれかが選択されて設定完了した場合を例にとって説明した。そして、「フォントサイズ」表示部42により上記設定可能項目として「フォントサイズ」が選択された後、「9サイズ」表示部42a、「10サイズ」表示部42b、「12サイズ」表示部42c、のいずれかにより対応する設定態様が選択される場合も、上記同様の表示手法が実行される。この場合、それ以外の設定可能項目である「フォント種類」「文字スタイル」の設定態様は、予め定められたデフォルト値、例えばフォント種類が「ゴシック体」で、文字スタイルは「正字」となる(
図6(c)及び
図6(d)のラベルイメージM参照)。
【0067】
同様に、「文字スタイル」43表示部により設定可能項目として「文字スタイル」が選択された後、「正字」表示部43a、「太字」表示部43b、「斜字」表示部43c、のいずれかにより対応する設定態様が選択される場合も、上記同様の表示手法が実行される。この場合、それ以外の設定可能項目である「フォント種類」「フォントサイズ」の設定態様は、予め定められたデフォルト値、例えばフォント種類が「ゴシック体」で、フォントサイズは「12サイズ」となる(
図6(e)及び
図6(f)のラベルイメージM参照)。
【0068】
<制御手順>
上記の表示処理手法を実現するために、制御回路14が実行する制御手順を
図14により説明する。
図14の処理は、例えば操作者が操作端末10の電源をONすると開始する。
【0069】
図14において、まず、ステップS110で、制御回路14は、操作検出部17から入力される、タッチパネル部13への接触による操作入力の検出結果に基づき、タッチパネル部13への2点(上記接触点Aと接触点B)の接触が認識されたか否かを判定する。2点の接触が認識されない場合は判定が満たされず(ステップS110:NO)、判定が満たされるまでループ待機する。操作者が例えば親指36と人差し指37(中指等でもよい)との2本の指によってタッチパネル部13へ接触すると、タッチパネル部13の2点の接触が認識されて判定が満たされ(ステップS110:YES)、ステップS120に移る。
【0070】
ステップS120では、制御回路14は、操作検出部17から入力される、タッチパネル部13への接触による操作入力の検出結果に基づき、タッチパネル部13における上記2点の接触点(接触点A,B)が、さらにピンチイン又はピンチアウトされたか否かを判定する。操作者がタッチパネル部13へ接触した2本の指をいずれも移動せずピンチインもピンチアウトもしない場合は判定が満たされず(ステップS110:NO)、上記ステップS110に戻って同様の手順を繰り返す。操作者がタッチパネル部13へ接触した例えば親指36に対し人差し指37を動かして、親指36と人差し指37との間の距離が狭まるようにピンチインするか、親指36と人差し指37との間の距離が広がるようにピンチアウトした場合は、判定が満たされ(ステップS120:YES)、ステップS130に移る。
【0071】
ステップS130では、制御回路14は、上記2点の接触点A,Bのうち、上記ピンチイン・ピンチアウト時に位置が変動しなかったほう又は変動量がわずかであった接触点(この例ではタッチパネル13において図示下方に位置する、親指36に対応した接触点A。以下同様)を固定操作点(図中は「固定点」と略示)として決定し、残りの接触点(この例では人差し指37に対応した接触点B。以下同様)を移動操作点とする。なお、タッチパネル部13に接触した人差し指を動かさず、親指を動かした場合は、人差し指の接触点が固定操作点となり、親指の接触点が移動操作点となる。また、親指と人差し指との両方が動かされた場合に、後に動いた方の指の接触点を固定操作点とし、先に動いた方の指の接触点を移動操作点としてもよい。ステップS130が終了すると、ステップS140に移る。
【0072】
ステップS140では、制御回路14は、タッチパネル部13に制御信号を出力し、上記2点のうちの移動操作点(接触点B)の位置の近傍に、当該2つの接触点A,Bの間の離間距離Lに応じた上記設定可能項目を、ハイライト表示する(前述の
図9、
図10、
図11参照)。ステップS140が終了すると、ステップS150に移る。
【0073】
ステップS150では、制御回路14は、操作検出部17による操作入力の検出結果に基づき、移動操作点(接触点B。図中は「移動点」と略示))が固定操作点(接触点A)を中心とする略円弧軌跡E1(又は略円弧軌跡E2、若しくは略円弧軌跡E3)を描いているか否かを判定する。移動操作点が固定操作点を中心とする略円弧軌跡を描いていない場合は判定が満たされず(ステップS150:NO)、上記ステップS110に戻って同様の手順を繰り返す。移動操作点が固定操作点を中心とする略円弧軌跡を描いている場合は判定が満たされ(ステップS150:YES)、ステップS160に移る。
【0074】
ステップS160では、制御回路14は、操作検出部17による上記検出結果に基づき、固定操作点(接触点A)周りの移動操作点(接触点B)の回転角度θを算出する。ステップS160が終了すると、ステップS170に移る。
【0075】
ステップS170では、制御回路14は、上記ステップS160の回転角度θの算出結果に基づき、タッチパネル部13に制御信号を出力する。これにより、タッチパネル部13は、回転角度θに応じた設定態様をハイライトで表示する(
図12、
図13参照)。ステップS170が終了すると、ステップS180に移る。
【0076】
ステップS180では、操作検出部17による上記検出結果に基づき、タッチパネル部13に接触した2本の指が全部離れか否かを判定する。操作者がタッチパネル部13に接触した2本の指のうち少なくとも1本をそのまま接触させている場合は判定が満たされず(ステップS180:NO)、上記ステップS150に戻って同様の手順を繰り返す。操作者がタッチパネル部13に接触した2本の指を全部離すと判定が満たされ(ステップS180:YES)、上記ステップS140〜ステップS170により選択された設定可能項目及び当該設定可能項目に関わる設定態様が確定し、設定が完了する。その後、ステップS190に移る。
【0077】
ステップS190では、制御回路14は、通信制御部16に制御信号を出力し、この時点で既に入力済みの上記文字列Rが、上記完了した設定可能項目及び設定態様の内容で含まれた印字データを、上記ラベル作成装置20へと送信する。これにより、ラベル作成装置20は当該が印字データを用い、文字列Rを印字形成した印字ラベルLを作成する(
図5のステップS30等を参照)。ステップS190が終わると、このフローを終了する。
【0078】
なお、上記
図14のフローにおいて、上記ステップS110が、各請求項記載の操作箇所判定手順に相当し、上記ステップS120が、各請求項記載の遠近操作判定手順に相当し、上記ステップS130が、各請求項記載の第1表示手順に相当する。また、上記ステップS140が、各請求項記載の決定手順に相当し、上記ステップS150が、各請求項記載の円弧判定手順に相当し、上記ステップS160が、各請求項記載の角度算出手順に相当する。また、上記ステップS170が、各請求項記載の第2表示手順に相当し、上記ステップS180が、各請求項記載の消失判定手順に相当し、上記ステップS190が、各請求項記載の送信手順に相当する。
【0079】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、操作者が親指36と人差し指37の2本をタッチパネル部13に接触させると、その2つの指の接触点A,Bの離間距離Lに対応した設定可能項目(「フォント種類」表示部41、「フォントサイズ」表示部42、「文字スタイル」表示部43)がタッチパネル部に表示される。そして例えば親指36による接触点Aが固定操作点、人差し指37による接触点Bが移動操作点として決定される。その後、操作者が親指36をタッチパネル部13に接触させた状態で固定したまま、その親指36を回転中心として、人差し指37により略円弧軌跡E1,E2,E3を描くように回転させると、そのときの回転角度θに応じて、上記設定可能項目について予め定められた複数の設定態様のうちいずれか1つ(「フォントサイズ」であれば、「9サイズ」「10サイズ」「12サイズ」のいずれか)が、タッチパネル部13に表示される。これにより、操作者は、機械的なボタンやキー等を操作する場合に比べ、容易かつ手軽に文字列の態様を所望に設定することができる。また、上記のように固定操作点となる親指36を中心として移動操作点Bとなる人差し指37を回転させれば足りるので、タッチパネル部13に表示された円形の図形の外縁に沿って当該図形を回転させるように操作する必要がある従来手法に比べ、回転半径を大きくとることができる。この結果、操作者の指先による操作が楽になり、操作性を向上することができる。
【0080】
また、本実施形態では特に、タッチパネル部13において設定態様の表示若しくは設定可能項目の表示を行った後に2箇所の操作入力が消失したら、消失直前の固定操作点(接触点A)及び移動操作点(接触点B)の位置に対応した設定可能項目及び当該設定可能項目の設定態様を、ラベル作成装置20へ送信する(ステップS180及びステップS190参照)。これにより、操作者は、例えば親指36を中心として人差し指37を回転させて文字列に関わる設定可能項目及び設定態様の選択を行った後、それら2つの指36,37をタッチパネル部13から離すだけで、当該選択された設定可能項目及び設定態様をラベル作成装置20へと送信することができる。この結果、さらに操作者の操作性が向上し、利便性を向上することができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、タッチパネル13におけるピンチイン・ピンチアウト操作により変動する離間距離Lに対応した設定可能項目若しくは設定態様を、タッチパネル部13に表示する(ステップS120及びステップS140参照)。
【0082】
これにより、操作者が例えば親指36と人差し指37とによってタッチパネル部13の2箇所に接触を行った後にそれらの指36,37をスライドさせピンチイン・ピンチアウト操作を行うだけで、その両者間の離間距離に応じた設定可能項目を容易かつ円滑に選択し、対応する処理を行うことができる。この結果、さらに確実に操作性を向上することができる。
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0084】
(1)固定操作点に位置ずれ等が生じた場合の対応(その1)
すなわち、上述のタッチパネル13上での接触操作においては、例えば親指36を中心に人差し指37が回転移動することから、親指36の接触位置がずれたり、親指36がタッチパネル部13から離れたりしやすい場合がある。本変形例では、親指36の接触位置がずれたり、親指36がタッチパネル部13から離れたりした場合にも対応可能とする。本変形例におけるタッチパネル部13の接触操作時に制御回路14が実行する制御手順の一例を
図15に示す。
【0085】
図15のフローチャートは、
図14のフローチャートのステップS140とステップS180との間に、新たにステップS182とステップS184とを設けた点が異なる。
【0086】
図15において、ステップS110〜ステップS180は、
図14と同様である。上記ステップS180において、操作者がタッチパネル部13に接触した2本のうち少なくとも1本の指の接触を維持している場合は、判定が満たされず(ステップS180:NO)、新たに設けたステップS182に移る。
【0087】
ステップS182では、制御回路14は、操作検出部17による上記検出結果に基づき、固定操作点である接触点Aの検出がなくなったか(すなわち親指36がタッチパネル部13から離れたか)否かを判定する。なお、親指36がタッチパネル部13から離れなくても、親指36の接触位置がタッチパネル部13上でずれた(すなわち固定操作点の位置が移動した)場合には、上記の離れた場合と同様に取り扱ってもよい。親指36が離れることなく接触を維持していた場合は判定が満たされず(ステップS182:NO)、上記ステップS150に戻って同様の手順を繰り返す。親指36がタッチパネル部13から離れていた場合は判定が満たされ(ステップS182:YES)、ステップS184に移る。
【0088】
ステップS184では、制御回路14は、上記親指36の離れが生じる前の当初の固定操作点(接触点A)をみなし固定操作点として設定する。その後、上記ステップS150に戻って同様の手順を繰り返す。このときのステップS150では、上記みなし固定操作点(接触位置のずれ等が生じる前の当初の固定操作点)を回転中心として、移動操作点が略円弧軌跡を描いたか否かを判定し、上記ステップS160では、略円弧軌跡に対応した上記みなし固定操作点まわりの回転角度θを算出する。なお、上記以外の手順は
図14と同様であり、説明を省略する。
【0089】
なお、上記
図15のフローにおいて、上記ステップS184が、各請求項記載のみなし設定手順に相当する。
【0090】
本変形例では、2つの指の接触により固定操作点(接触点A)及び移動操作点(接触点B)が一旦決定された後は、移動操作点による略円弧軌跡を描いている途中で、誤って固定操作点となる指(上記の例では親指36)の位置がずれたりタッチパネル部13から離れたとしても、当初の固定操作点の位置(当初の接触点Aの位置)を用いてそのまま処理を続行することができる。この結果、操作者は、上記指の位置ずれや指離れを気にすることなく比較的ラフな感覚で接触操作を行うことができるので、さらに操作性を向上でき、利便性を向上することができる。
【0091】
さらには、上記のように固定操作点(接触点A)及び移動操作点(接触点B)が一旦決定された後は、意図的に固定操作点となる指(上記の例では親指36)をタッチパネル部13から離し、移動操作点となる残りの1本の指(上記の例では人差し指37)だけで操作することも可能である。この場合、さらに容易な操作が可能となり、利便性をさらに向上することができる。
【0092】
(2)固定操作点に位置ずれ等が生じた場合の対応(その2)
本変形例では、上記変形例(1)とは別の手法で、親指36の接触位置がずれたり、親指36がタッチパネル部13から離れたりした場合にも対応可能とする。本変形例におけるタッチパネル部13の接触操作時に制御回路14が実行する制御手順の一例を
図16に示す。
【0093】
図16のフローチャートでは、
図15のフローチャートのステップS184に代えて、新たにステップS186とステップS188とが設けられる。
【0094】
図16において、ステップS110〜ステップS182は、
図15と同様である。上記ステップS182において、例えば親指36がタッチパネル部13から離れた(又は親指36がタッチパネル部13上でずれた)場合には判定が満たされ(ステップS182:YES)、新たに設けたステップS186に移る。
【0095】
ステップS186では、制御回路14は、操作検出部17による上記検出結果に基づき、固定操作点である接触点Aの検出が再び現れたか(すなわち親指36がタッチパネル部13に再接触したか)否かを判定する。親指36のタッチパネル部13への再接触がない場合は判定が満たされず(ステップS186:NO)、判定が満たされるまでループ待機する。操作者が例えばタッチパネル部13から一旦離した親指36をタッチパネル部13に接触した場合は判定が満たされ(ステップS186:YES)、新たに設けたステップS188に移る。
【0096】
ステップS188では、制御回路14は、ステップS186で認識された新たな親指36の再接触位置を新たな固定操作点として設定し、当初の固定操作点(当初の接触点A)に代えて使用する。その後、上記ステップS150に戻って同様の手順を繰り返す。上記ステップS150では、ステップS188で設定した新たな固定操作点(再接触後の接触点A)を回転中心として、移動操作点(接触点B)が略円弧軌跡(上記略円弧軌跡E1,E2,E3と同等のもの)を描いたか否かを判定し、上記ステップS160では、当該略円弧軌跡に対応した上記新たな固定操作点まわりの回転角度θを算出する。なお、上記以外の手順は
図14と同様であるので、説明を省略する。
【0097】
本変形例によれば、2つの指の接触により固定操作点(接触点A)及び移動操作点(接触点B)が一旦決定された後に、移動操作点による略円弧軌跡を描いている途中で、誤って固定操作点となる指(上記の例では親指36)の位置がずれた場合には、そのずれた固定操作点の位置を用いて改めて処理が行われる。この結果、精度のよい接触検出によって、操作者が正確確実な操作を行うことができ、さらに操作性を向上できる。
【0098】
(3)タッチパネル部の特定箇所に設定可能項目等を表示する場合
以上においては、操作者の2つの指の接触点A,Bの離間距離Lに対応した設定可能項目(「フォント種類」表示部41、「フォントサイズ」表示部42、「文字スタイル」表示部43)のいずれか1つが接触点Bの位置の近傍に表示され、さらにその後の円弧軌跡E1,E2,E3に沿った接触点Bの移動により、対応する複数の設定態様のうちのいずれか1つ(例えば「9サイズ」「10サイズ」「12サイズ」等)が当該円弧軌跡E1,E2,E3上に表示された。しかしながら、これに限られず、上記のような接触点Bの位置に基づき選択的に1つ表示される設定可能項目の表示や設定態様の表示を、接触点Bの位置自体とは無関係なタッチパネル部13の特定部位(例えばタッチパネル部13の右上部領域)において表示してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0099】
(4)その他
上記実施形態及び変形例(1)(2)においては、複数の設定可能項目のうち固定操作点(接触点A)と移動操作点(接触点B)との離間距離Lに対応した1つの設定可能項目を表示した後に、当該1つの設定可能項目における複数の設定態様のうち上記回転角度θに対応した1つの設定態様を表示したが、これに限られない。すなわち、上記離間距離Lに対応した1つの上記設定態様を表示した後に、複数の設定可能項目のうち上記回転角度θに対応した1つの設定可能項目を表示してもよい。この場合も、上記同様、容易かつ手軽に文字列の態様を所望に設定でき、操作性を向上することができる。
【0100】
また、以上においては、操作端末10の操作対象となる電子機器がラベル作成装置20であり、操作入力処理プログラムとしてラベル作成用処理プログラムが適用される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、操作対象となる電子機器として、デジタルオーディオプレーヤに本発明の上記操作入力処理プログラムを適用してもよい。この場合、上記設定可能項目としては、例えば「選曲」「音量」「イコライザ」等が表示される。そして、「選曲」項目に関わる上記設定態様としては「Music1」「Music2」「Music3」等が表示され、「音量」項目に関わる上記設定態様としては「0」「1」・・「20」等の数値が表示され、「イコライザ」項目に関わる上記設定態様としては「Natural」「Rock」「PoP」「Classical」「Jazz」等が表示される。
【0101】
なお、以上において、
図3、
図4中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0102】
また、
図5、
図14、
図15、
図16に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0103】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0104】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。