特許第5998977号(P5998977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5998977交差点案内システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5998977
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】交差点案内システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20160915BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20160915BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G09B29/10 A
   G09B29/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-27721(P2013-27721)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-157070(P2014-157070A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100167254
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 貴亨
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
【審査官】 田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−014973(JP,A)
【文献】 特開平09−167297(JP,A)
【文献】 特開2007−206014(JP,A)
【文献】 特開2006−184007(JP,A)
【文献】 特開平07−063572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G08G 1/00 − 99/00
G09B 23/00 − 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点に対する進入道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、
前記進入道路の道路形状に基づいて、前記交差点内に基準位置を設定する基準位置設定手段と、
運転者が視認可能な視認可能範囲内に前記基準位置が移動した場合に、前記交差点の案内を開始する案内手段と、
を備える交差点案内システム。
【請求項2】
前記基準位置設定手段は、前記進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、前記交差点内の目標視認範囲における前記交差点の像の移動方向の反対側の端に前記基準位置を設定する、
請求項1に記載の交差点案内システム。
【請求項3】
前記基準位置設定手段は、前記進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、前記交差点内の目標視認範囲における前記進入道路の曲率中心側の端に前記基準位置を設定する、
請求項に記載の交差点案内システム。
【請求項4】
前記基準位置設定手段は、前記進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、前記交差点内の目標視認範囲における前記進入道路の曲率中心側の端から基準距離だけ前記進入道路の曲率中心の反対側に移動した位置へと前記基準位置を補正する、
請求項3に記載の交差点案内システム。
【請求項5】
道路形状取得手段が、交差点に対する進入道路の道路形状を取得する道路形状取得工程と、
基準位置設定手段が、前記進入道路の道路形状に基づいて、前記交差点内に基準位置を設定する基準位置設定工程と、
案内手段が、運転者が視認可能な視認可能範囲内に前記基準位置が移動した場合に、前記交差点の案内を開始する案内工程と、
を含む交差点案内方法。
【請求項6】
コンピュータを、
交差点に対する進入道路の道路形状を取得する道路形状取得手段と、
前記進入道路の道路形状に基づいて、前記交差点内に基準位置を設定する基準位置設定手段と、
運転者が視認可能な視認可能範囲内に前記基準位置が移動した場合に、前記交差点の案内を開始する案内手段、
として機能させる交差点案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点の案内を行う交差点案内システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
分岐点が運転者の可視範囲内に存在するか否かに応じて、分岐点を案内する画像を切り替える技術が知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、分岐点を運転者が視認できる状況と、分岐点を運転者が視認できない状況とのそれぞれに適した画像で分岐点を案内できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−181363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、分岐点を案内する画像を切り替えるタイミングが不適切となるという問題があった。分岐点に進入する進入道路上から視認されるため、分岐点の見え方は進入道路の道路形状に依存する。従って、進入道路の道路形状によっては分岐点を案内する画像を切り替えるタイミングが早く感じられたり、遅く感じられたりする場合があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、進入道路の道路形状に適したタイミングで交差点の案内を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明において、道路形状取得手段は、交差点に対する進入道路の道路形状を取得する。基準位置設定手段は、道路形状に基づいて、交差点内に基準位置を設定する。案内手段は、運転者が視認可能な視認可能範囲内に基準位置が移動した場合に、交差点の案内を開始する。前記構成において、進入道路の道路形状に基づいて設定された基準位置が視認できるようになったタイミングで交差点の案内を開始できる。従って、進入道路の道路形状に適したタイミングで交差点の案内を開始できる。
【0006】
道路形状取得手段は、進入道路の道路形状を取得すればよく、地図情報や車両前方の風景画像の画像認識等に基づいて進入道路の道路形状を取得すればよい。進入道路とは、車両が交差点に進入する際に走行する道路であり、案内する交差点に向かって車両が進行できるレーンのみで構成される道路である。交差点とは、少なくとも交差点において進入道路と当該進入道路に接続する2以上の接続道路とが交差している領域である進入領域を含む路面上の領域である。また、進入道路に対向道路が併設されている場合、交差点は、交差点において進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域と、交差点において対向道路と当該対向道路に接続する接続道路とが交差している領域とを含むこととなる。なお、対向道路とは、車両の進行方向が進入道路における車両の進行方向と反対となる道路であり、進入道路に併設された道路である。進入道路の道路形状とは、交差点から所定距離以内における進入道路の道路形状であってもよい。また、進入道路の道路形状とは、水平方向における進入道路の形状(湾曲形状、幅、レーン数等)であってもよいし、鉛直方向における進入道路の形状(勾配等)であってもよい。
【0007】
基準位置設定手段は、交差点の領域内に基準位置を設定すればよく、当該交差点の領域のうち進入道路の道路形状に基づいた位置を基準位置として設定すればよい。ここで、基準位置が視認可能範囲に移動するタイミングは、交差点の案内を開始するタイミングを意味する。従って、基準位置設定手段は、基準位置が視認可能範囲に移動するタイミングが、交差点の案内を開始させるべきタイミングとなるように基準位置を設定すればよい。例えば、基準位置設定手段は、基準位置が視認可能範囲に移動するタイミングが、運転者が交差点の形状を認識できるタイミングとなるように基準位置を設定してもよい。なお、視認可能範囲とは、運転者が視認可能な車両前方の範囲を意味し、実風景内で視認可能な範囲であってもよいし、車両前方の風景を映し出した画面上で視認可能な範囲であってもよい。案内手段は、視認可能範囲内に基準位置が移動したタイミングで案内を開始すればよく、音声での案内を開始してもよいし、画像での案内を開始してもよい。また、案内手段は、視認可能範囲内に基準位置が移動した場合に、交差点の像上に交差点の案内画像を重畳する案内を開始してもよい。これにより、基準位置が視認可能となっている状態の交差点の像に対して案内画像を重畳できる。
【0008】
また、基準位置設定手段は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、交差点内の目標視認範囲における交差点の像の移動方向の反対側の端に基準位置を設定してもよい。進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、車両が交差点に接近するにしたがって、もともと車両の進行方向に対して左側または右側に存在していた交差点が徐々に車両の正面に移動することとなる。従って、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、交差点の像は横方向に移動することとなる。また、目標視認範囲における交差点の像の移動方向の反対側の端は、目標視認範囲のうち最も遅れて視認可能範囲内に移動する位置となる。すなわち、目標視認範囲における交差点の像の移動方向の反対側の端が視認できるタイミングにおいて、目標視認範囲の全体が視認できるようになっていると見なすことができる。
従って、目標視認範囲における交差点の像の移動方向の反対側の端に基準位置を設定することにより、目標視認範囲の全体が視認できるタイミングで交差点の案内を開始することができる。なお、目標視認範囲とは、交差点のうち、当該交差点の案内を開始するタイミングにおいて運転者に視認させるべき目標の領域である。例えば、交差点に対して進入道路がどのように接続しているかが認識できるようになったタイミングで交差点の案内を開始できるように、交差点において進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域が目標視認範囲であってもよい。さらに、目標視認範囲は、進入道路の道路形状に依存する範囲であってもよいし、進入道路の道路形状に非依存の範囲であってもよい。
【0009】
また、基準位置設定手段は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、目標視認範囲における進入道路の曲率中心側の端に基準位置を設定してもよい。進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、車両が交差点に接近するにしたがって、もともと車両の進行方向を基準として進入道路の曲率中心側に存在していた交差点が徐々に車両の正面に移動することとなる。すなわち、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、交差点の像は進入道路の曲率中心と反対側に移動することとなる。従って、目標視認範囲における進入道路の曲率中心側の端に基準位置することにより、目標視認範囲における交差点の像の移動方向の反対側の端に基準位置を設定できる。
【0010】
ただし、基準位置設定手段は、必ずしも目標視認範囲の厳密な端の位置に基準位置を設定しなくてもよい。例えば、基準位置設定手段は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、目標視認範囲における進入道路の曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に基準位置を補正してもよい。目標視認範囲における曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に補正した位置に基準位置を設定することにより、目標視認範囲の全体が視認できるタイミングよりも、基準距離に応じた期間だけ早いタイミングで交差点の案内を開始できる。これにより、交差点の案内が遅れることを防止できる。基準距離は、進入道路の道路形状に依存した距離であってもよいし、進入道路の道路形状に非依存の距離であってもよい。
【0011】
ところで、地図情報において、進入道路と当該進入道路の対向道路とのそれぞれに対してリンクが1個ずつ設定される場合(進入道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合)と、進入道路と対向道路とからなる結合道路に対してリンクがまとめて1個設定される場合(進入道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合)とがある。一般に、交差点や進入道路の規模が大きくなるほど、進入道路と当該進入道路の対向道路とのそれぞれに対してリンクが1個ずつ設定される可能性が高くなる。進入道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、進入道路に対応するリンクの終点のノードは、交差点において進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域の中央位置に設定される。一方、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、進入道路を含む結合道路に対応するリンクの終点のノードは、交差点において結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している領域である全体領域の中央位置に設定される。従って、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合と、上下分離なしの場合とでは、リンクの終点のノードが設定される位置が異なることとなる。従って、進入道路に対するリンク設定態様に応じて、リンクの終点のノードの位置を起点として基準位置を設定する処理を切り替えてもよい。
【0012】
まず、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合における基準位置設定手段の処理例について説明する。この場合、基準位置設定手段は、結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している領域(全体領域)の中央位置を地図情報に基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ右方向に移動した位置に基準位置を設定してもよい。ここで、全体領域の中央位置は、結合道路に対応するリンクの終点のノードの位置であり、地図情報から取得できる。また、幅方向において、結合道路は進入道路と対向道路とでほぼ二等分されるとともに、対向道路は進入道路の右側に設けられる。従って、全体領域の中央位置は、進入領域の幅方向における右端付近に位置することとなる。従って、全体領域の中央位置から進入道路の幅だけ左方向に移動した位置は、進入領域の左方向の端の位置となる。また、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、左方向が湾曲中心側の方向となり、右方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、全体領域の中央位置から進入道路の幅だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ右方向に移動した位置を基準位置として設定することにより、進入領域の曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置として設定できる。従って、進入領域の幅方向の全体が視認できるタイミングよりも基準距離に応じた期間だけ早いタイミングで交差点の案内を開始できる。
【0013】
次に、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合における基準位置設定手段の処理例について説明する。この場合、基準位置設定手段は、進入道路と当該進入道路の対向道路とからなる結合道路と、当該結合道路に接続する接続道路とが交差している領域の中央位置を地図情報に基づいて取得し、当該中央位置から基準距離だけ左方向に移動した位置に基準位置を設定してもよい。上述のように、全体領域の中央位置は、進入領域の右端付近に位置することとなる。また、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、右方向が湾曲中心側の方向となり、左方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、全体領域の中央位置から基準距離だけ左方向に移動した位置を基準位置として設定することにより、進入領域の曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置として設定できる。従って、進入領域の幅方向の全体が視認できるタイミングよりも基準距離に応じた期間だけ早いタイミングで交差点の案内を開始できる。
【0014】
次に、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合における基準位置設定手段の処理例について説明する。この場合、基準位置設定手段は、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域(進入領域)の中央位置を地図情報に基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅の半分だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ右方向に移動した位置に基準位置を設定してもよい。ここで、進入領域の中央位置は、進入道路に対応するリンクの終点のノードの位置であり、地図情報から取得できる。また、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、左方向が湾曲中心側の方向となり、右方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、進入領域の中央位置から進入道路の幅の半分だけ左方向に移動した位置は、進入領域の湾曲中心側の端の位置となる。そのため、進入領域の中央位置から進入道路の幅の半分だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ右方向に移動した位置を基準位置として設定することにより、進入領域の曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置として設定できる。従って、進入領域の幅方向の全体が視認できるタイミングよりも基準距離に応じた期間だけ早いタイミングで交差点の案内を開始できる。
【0015】
さらに、進入道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合における基準位置設定手段の処理例について説明する。この場合、基準位置設定手段は、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域(進入領域)の中央位置を地図情報に基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅の半分だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ左方向に移動した位置に基準位置を設定してもよい。進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、右方向が湾曲中心側の方向となり、左方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、進入領域の中央位置から進入道路の幅の半分だけ右方向に移動した位置は、進入領域の曲率中心側の端の位置となる。そのため、進入領域の中央位置から進入道路の幅の半分だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離だけ左方向に移動した位置を基準位置として設定することにより、進入領域の曲率中心側の端から基準距離だけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置として設定できる。従って、進入領域の幅方向の全体が視認できるタイミングよりも基準距離に応じた期間だけ早いタイミングで交差点の案内を開始できる。
【0016】
また、案内手段は、視認可能範囲内に基準位置が移動した場合に、交差点についての第1案内を終了するとともに、交差点の案内であって第1案内と異なる案内態様の第2案内を開始してもよい。すなわち、視認可能範囲内に基準位置が移動するタイミング以前においても交差点の案内を行ってもよく、視認可能範囲内に基準位置が移動したタイミングで交差点の案内態様が遷移するようにしてもよい。これにより、交差点の案内を継続して行うことができるとともに、視認可能範囲内に基準位置が移動していない状態と、視認可能範囲内に基準位置が移動した状態とのそれぞれに適した案内態様で交差点の案内ができる。
【0017】
さらに、本発明のように進入道路の道路形状に基づいて交差点の案内を開始する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、ナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ナビゲーション装置のブロック図である。
図2図2A,2Bは道路の平面図である。
図3図3A,3Bは道路の平面図である。
図4図4A,4Bは前方画像を示す図である。
図5】交差点案内処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(2)交差点案内処理:
(3)他の実施形態:
【0020】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる交差点案内システムとしてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両に備えられている。ナビゲーション装置10は、制御部20と記録媒体30とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体30は、地図情報30aと位置変換テーブル30bとを記録する。
【0021】
地図情報30aは、道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータと、ノード同士を接続する道路に対応するリンクについての情報を示すリンクデータと、ノード同士を接続する道路の幅方向の中央線上に設定された形状補間点の位置等を示す形状補間点データとを含んでいる。3本以上のリンクが接続するノードは交差点に対応する。リンクデータは、道路上に設けられたレーンの数や幅を示す情報と、道路の幅を示す情報等を含む。
【0022】
図2A,2B,3A,3Bは、道路の平面図である。図2A,2Bと図3A,3Bとでは、道路に対するリンク設定態様が異なる。地図情報30aにおいて、道路と当該道路の対向道路とのそれぞれに対してリンクL(二点鎖線)が1個ずつ設定される場合(道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合:図2A,2B)と、道路と該道路の対向道路とからなる結合道路に対してリンクLがまとめて1個設定される場合(道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合:図3A,3B)とがある。なお、道路と当該道路の対向道路とでは、車両の進行方向が反対となる。
【0023】
図2A,2B,3A,3Bにおいて、黒太線が道路と当該道路の対向道路とを区画する中央分離帯Kを表し、白線が道路と道路外の部分とを区画する区画線Eを表す。なお、道路上に形成されたレーン同士を区画する区画線の図示は省略する。二重丸はノードNの位置を示し、白丸は形状補間点Mの位置を示す。同一の道路上において道路の方向に連続しているノードと形状補間点Mとを順に接続する折れ線は、リンクLを構成する。リンクLは、ノードNを始点および終点とし、道路の幅方向の中央線を表す。ノードNは交差点C内に設定されており、あるリンクLに対応する道路上を車両が走行している場合、当該リンクLの終点のノードNtの位置に存在する交差点Cが車両が次に走行する交差点Cとなる。道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、リンクLの両端のノードNのどちらがリンクLの終点(道路から車両が退出する地点)であるかがリンクデータに規定されている。また、道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、リンクデータは、道路と該道路の対向道路とからなる結合道路全体の幅を示す。また、リンクデータにおいて、リンクごとにリンク設定態様が対応付けられている。
【0024】
位置変換テーブル30bは、カメラ44の位置を基準とした視認可能範囲Z内の位置と、前方画像内の位置との対応関係を規定したテーブルである。視認可能範囲Zとは、車両の前方の実空間のうち、カメラ44が車両の前方風景を撮影する際の視野内の空間である。前方画像とは、カメラ44が前方風景を撮影することによって生成される画像である。位置変換テーブル30bは、カメラ44の光学的な仕様(画角、光軸方向、光学倍率等)に基づいて作成され、予め記録媒体30に記録されている。制御部20は、位置変換テーブル30bによって視認可能範囲Z内の任意の位置を変換することにより、当該任意の位置に存在する物体の像が前方画像内において投影される位置を取得する。反対に、制御部20は、位置変換テーブル30bによって前方画像内の任意の位置を変換することにより、当該任意の位置に像が投影される物体の視認可能範囲Z内の位置を取得する。
【0025】
車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とカメラ44とディスプレイ45とを備える。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の位置を算出するための信号を制御部20に出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を制御部20に出力する。ジャイロセンサ43は、車両に作用する角加速度に対応した信号を制御部20に出力する。
【0026】
カメラ44は、視認可能範囲Z内の風景を撮影し、当該視認可能範囲Z内の風景を表す前方画像を生成するイメージセンサである。カメラ44が生成した前方画像は、図示しないインタフェースを介して制御部20に出力される。カメラ44は、水平方向において光軸に関して対称な光学系を有する。カメラ44は、車両の幅方向の中央位置に備えられており、光軸が車両の進行方向Fと一致する。図2A,2B,3A,3Bに示すように、平面視における視認可能範囲Zは、黒三角で示す車両(カメラ44)の位置を基準とする範囲であり、車両の進行方向Fに延びる直線を基準とする左右の角度がそれぞれカメラ44の視野角Aの半分A/2以内となる範囲である。
【0027】
制御部20は、ジャイロセンサ43からの出力信号等に基づいて車両の進行方向Fを特定する。また、制御部20は、GPS受信部41、車速センサ42、及びジャイロセンサ43等から出力された信号に基づいてマップマッチング前の現在位置を取得する。さらに、制御部20は、車両の進行方向Fとマップマッチング前の現在位置とに基づいて車両が走行している道路である走行道路を特定する。例えば、制御部20は、車両の進行方向Fに対する平行度が所定基準以上(例えば角度差が10度以内)のリンクLのうち、マップマッチング前の現在位置に最も近いリンクLに対応する道路を走行道路として特定する。なお、図2A,2Bに示すように、道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、道路と当該道路の対向道路とが近い位置に存在する。この場合、制御部20は、終点のノードNtの位置に対してマップマッチング前の現在位置が接近しているリンクLに対応する道路を走行道路として特定すればよい。制御部20は、走行道路に対応するリンクL上の位置のうち、マップマッチング前の現在位置に最も近い位置、すなわちマップマッチング前の現在位置からリンクLに下ろした垂線上の位置を、マップマッチング後の現在位置Yとして特定する。以下、特に示さない限り、現在位置Yと表記した場合、マップマッチング後の現在位置Yを意味することとする。
【0028】
図2A,2B,3A,3Bにおいて、白三角は現在位置Yを示す。現在位置Yは、走行道路の幅方向の中央線上、すなわちリンクL上の位置となる。なお、車両は交差点Cよりも紙面下方に図示された走行道路上を上方に向けて走行していることとする。図2A,2Bに示すように、道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、結合道路を構成する道路の一方が走行道路として特定され、当該走行道路の幅方向の中央線上にてマップマッチング後の現在位置Yが特定される。一方、図3A,3Bに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、結合道路全体が走行道路として特定され、当該結合道路の幅方向の中央線上にてマップマッチング後の現在位置Yが特定される。走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、制御部20は、走行道路の両端のノードNのうち、現在位置Yが接近しているノードNを走行道路の終点のノードNtとして特定する。
【0029】
ディスプレイ45は、制御部20から出力された映像信号に基づいて前方画像および各種運転支援を行うための画像を出力する映像出力装置である。運転者はディスプレイ45にて前方画像を視認できるため、前方画像を撮影するカメラ44の視野は運転者が視認可能な視認可能範囲Zを構成する。
【0030】
制御部20はナビゲーションプログラム21を実行する。ナビゲーションプログラム21は、道路形状取得部21aと基準位置設定部21bと案内部21cとを含む。
道路形状取得部21aは、交差点Cに対する進入道路の道路形状を取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。進入道路とは、交差点Cに対して進入する際に車両が走行する道路である。図2A,2Bに示すように、走行道路のリンクの設定態様が上下分離ありの場合には、走行道路が進入道路と一致する。一方、図3A,3Bに示すように、進入道路のリンクの設定態様が上下分離なしの場合には、走行道路(結合道路)のうち、車両の進行方向Fを基準として左側の道路が進入道路となる。
【0031】
道路形状取得部21aの機能により制御部20は、走行道路上の形状補間点Mのうち、終点のノードNtから所定距離(例えば300m)以内に存在する形状補間点Mを取得する。そして、制御部20は、走行道路の終点のノードNtから所定距離以内に存在する形状補間点Mのそれぞれにおける道路の方向の変化角Bを取得し、当該変化角Bの平均値を取得する。変化角Bは、n番目の形状補間点Mから(n+1)番目の形状補間点Mに向かうベクトルである後方ベクトルと、(n+1)番目の形状補間点Mから(n+2)番目の形状補間点M(または終点のノードNt)に向かうベクトルである前方ベクトルとがなす角度である。nは、走行道路の終点のノードNtから所定距離以内の形状補間点Mを、走行道路の終点のノードNtから遠い順に数えた順番を表す自然数である。制御部20は、nに1をインクリメントしながら、順に変化角Bを取得していく。なお、平面視において、前方ベクトルが後方ベクトルに対して反時計回りに回転している場合には変化角Bを正とし(図2A,3A)、前方ベクトルが後方ベクトルに対して時計回りに回転している場合には変化角Bを負とする(図2B,3B)。
【0032】
道路形状取得部21aの機能により制御部20は、変化角Bの平均値が正の閾値(例えば10度)以上である場合には、走行道路の道路形状が左方向の湾曲形状であると判定する。一方、制御部20は、変化角Bの平均値が負の閾値(例えば−10度)以下である場合には、走行道路の道路形状が右方向の湾曲形状であると判定する。制御部20は、終点のノードNtから所定距離以内に形状補間点Mが存在しない場合、および、変化角Bの平均値が負の閾値よりも大きく、正の閾値よりも小さい場合に、走行道路の道路形状が直線状であると判定する。
【0033】
図2A,2Bに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、走行道路と進入道路とは一致する。従って、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、制御部20は、走行道路の道路形状を進入道路の道路形状として取得する。一方、図3A,3Bに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、走行道路のうち車両の進行方向Fを基準として左側の道路が進入道路となる。しかし、進入道路と対向道路とからなる結合道路(走行道路)の道路形状と、進入道路単独の道路形状とは同一と見なすことができるため、制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合も、走行道路の道路形状を進入道路の道路形状として取得する。
【0034】
基準位置設定部21bは、進入道路の道路形状に基づいて、交差点C内に基準位置Qを設定する機能を制御部20に実行させるモジュールである。具体的に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、交差点C内の目標視認範囲T(ハッチング)における交差点Cの像の移動方向の反対側の端に基準位置Qを設定する。より具体的に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端に基準位置Qを設定する。
【0035】
進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、車両が交差点Cに接近するにしたがって、もともと車両の進行方向Fを基準として進入道路の曲率中心側に存在していた交差点Cが徐々に車両の正面に移動することとなる。すなわち、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、交差点Cの像は進入道路の曲率中心と反対側に移動することとなる。そのため、目標視認範囲Tにおける交差点Cの像の移動方向の反対側の端は、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端を意味する。従って、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端に基準位置Qを設定することにより、目標視認範囲T(破線枠内)における交差点Cの像の移動方向の反対側の端に基準位置Qを設定できる。
【0036】
図2A,3Aに示すように、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、前方画像における交差点Cの像の移動方向は曲率中心の反対方向としての右方向となる。図4A図4Bは、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合の前方画像を示す。図4B図4Aよりも交差点Cに車両が接近した状態における前方画像を示す。図4A図4Bに示すように、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、車両が交差点Cに接近するのにしたがって、交差点Cの像が右方向に移動する。なお、図4Aにおいては、視認可能範囲Zよりも左側に存在し、前方画像に像が投影されていない領域の像も参考のため図示している。進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、視認可能範囲Zよりも左側に存在している領域の像も、車両の交差点Cに接近するにしたがって前方画像内に移動してくることとなる。一方、図2B,3Bに示すように、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、前方画像における交差点Cの像の移動方向は曲率中心の反対方向としての左方向となる。
【0037】
本実施形態において、図2A,2B,3A,3Bに示すように、目標視認範囲Tは、交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である進入領域である。具体的に、目標視認範囲Tは、進入道路の幅方向の両端の延長線と、当該進入道路に接続する接続道路の幅方向の両端の延長線とによって囲まれた範囲である。
従って、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端は、進入道路の曲率中心側の端の延長線上に位置することとなる。
【0038】
ただし、本実施形態では、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の厳密な端の位置に基準位置Qを設定するのではなく、進入道路の曲率中心側の端から補正した位置に基準位置Qを設定する。基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に基準位置Qを補正する。本実施形態において、基準距離Sは、平均的なレーンの幅よりも小さい所定値に設定されており、記録媒体30に記録されている。
以上においては、基準位置Qが、交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に補正した位置であることを、目標視認範囲Tの概念を用いて説明した。
【0039】
以下、基準位置Qを設定するための実体的な処理について説明する。基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路の終点のノードNtの位置を起点として基準位置Qを設定する。ここで、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合、走行道路(進入道路)の終点のノードNtは、交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域(目標視認範囲T)の中央位置に設定される。一方、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合、走行道路(結合道路)の終点のノードNtは、交差点Cにおいて結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している領域である全体領域V(図3A図3Bにおいて一点鎖線枠内)の中央位置に設定される。従って、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありの場合と、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしの場合とでは、走行道路の終点のノードNtが設定される位置が異なることとなる。また、進入道路の曲率中心の方向は、進入道路の湾曲方向に応じて異なることとなる。そこで、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路の終点のノードNtの位置を起点として基準位置Qを設定する実体的な処理を、走行道路に対するリンク設定態様と進入道路の湾曲方向との組み合わせに応じて、以下のように切り替える。
【0040】
まず、図3Aに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合における基準位置設定部21bの処理について説明する。この場合、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域Vの中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wだけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置に基準位置Qを設定する。
【0041】
ここで、全体領域Vの中央位置は、走行道路(結合道路)の終点のノードNtの位置であり、地図情報30aから取得できる。また、幅方向において、結合道路は進入道路と対向道路とでほぼ二等分され、対向道路は進入道路の右側に設けられる。従って、全体領域Vの中央位置は、目標視認範囲T(進入領域)の幅方向における右端付近に位置することとなる。従って、全体領域Vの中央位置から進入道路の幅Wだけ左方向に移動した位置は、目標視認範囲Tの左方向の端の位置となる。また、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、左方向が湾曲中心側の方向となり、右方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、全体領域Vの中央位置から進入道路の幅だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置を基準位置Qとして設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0042】
なお、制御部20は、走行道路(結合道路)の幅をリンクデータから取得し、当該走行道路の幅の半分の幅を進入道路の幅Wとして取得すればよい。ここで、基準位置Qを設定する際における右方向と左方向とは、交差点Cにおける走行道路(結合道路または進入道路)の方向を基準とする。具体的に、制御部20は、交差点Cにおける走行道路の方向から、平面視において、90度だけ反時計回りに回転した方向を左方向として特定する。反対に、制御部20は、交差点Cにおける走行道路の方向から、平面視において、90度だけ時計回りに回転した方向を右方向として特定する。なお、制御部20は、走行道路上の形状補間点Mのうち、走行道路の終点のノードNtに最も近い形状補間点Mから、走行道路の終点のノードNtに向かうベクトルの方向を、交差点Cにおける走行道路の方向として取得する。
【0043】
次に、図3Bに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合における基準位置設定部21bの処理例について説明する。この場合、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路と当該進入道路の対向道路とからなる結合道路と、当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域Vの中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置に基準位置Qを設定する。上述のように、全体領域Vの中央位置は、目標視認範囲Tの右端付近に位置することとなる。また、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、右方向が湾曲中心側の方向となり、左方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、全体領域Vの中央位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置を基準位置Qとして設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ進入道路の曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0044】
次に、図2Aに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合における基準位置設定部21bの処理例について説明する。この場合、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である進入領域(目標視認範囲T)の中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置に基準位置Qを設定する。目標視認範囲Tの中央位置は走行道路(進入道路)の終点のノードNtの位置と一致するため、制御部20は、目標視認範囲Tの中央位置を地図情報30aから取得できる。目標視認範囲Tの幅は進入道路の幅であるため、目標視認範囲Tの中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ左方向に移動した位置は、目標視認範囲Tの左端の位置となる。また、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合、左方向が湾曲中心側の方向となり、右方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、目標視認範囲Tの中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置を基準位置Qとして設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0045】
さらに、図2Bに示すように、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合における基準位置設定部21bの処理例について説明する。この場合、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である進入領域(目標視認範囲T)の中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置に基準位置Qを設定する。上述のように、目標視認範囲Tの中央位置は進入道路の幅方向における中央の位置となる。従って、目標視認範囲Tの中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ右方向に移動した位置は、目標視認範囲Tの右端の位置となる。また、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、右方向が湾曲中心側の方向となり、左方向が湾曲中心と反対側の方向となる。従って、目標視認範囲Tの中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置を基準位置Qとして設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0046】
案内部21cは、運転者が視認可能な視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した場合に、交差点Cの案内を開始する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、案内部21cの機能により制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したタイミングで案内を開始する。
【0047】
視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを判定するにあたり、案内部21cの機能により制御部20は、現在位置Yと前方画像の画像認識とに基づいてカメラ44の位置(図2A,2B,3A,3Bにおいて黒三角)を特定する。制御部20は、前方画像に対して公知の線認識手法やパターン認識手法を実行することにより、前方画像から進入道路の幅方向の右端または左端に存在する線の像を認識する。本実施形態において、制御部20は、図4A,4Bに示す前方画像において、進入道路の右端に存在する中央分離帯Kの下端の線の像を認識する。そして、制御部20は、前方画像の下辺と中央分離帯Kの下端の線との交点Rの位置を位置変換テーブル30bによって変換することにより、実空間における中央分離帯Kとカメラ44との距離Xを取得する。
【0048】
図3A図3Bに示すように走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしである場合、リンクL上の現在位置Yが中央分離帯K上に存在すると見なすことができるため、制御部20は、現在位置Yを通過し、リンクLに対して垂直な補助線G(破線)を生成し、当該補助線G上において現在位置Yから距離Xだけ左方向に移動した位置をカメラ44の位置として特定する。一方、図2A図2Bに示すように走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありである場合、リンクLの位置が進入道路の幅方向の中央線上の位置となるため、制御部20は、現在位置Yを通過し、リンクLに対して垂直な補助線Gを生成し、当該補助線G上においてリンクL上の現在位置Yから右方向に進入道路の幅Wの半分W/2だけ移動した位置を中央分離帯Kの位置として特定する。そして、制御部20は、補助線G上において中央分離帯Kの位置から距離Xだけ左方向に移動した位置をカメラ44の位置として特定する。以上においては、中央分離帯Kの位置を基準にカメラ44の位置を特定する手順を説明したが、進入道路の左端の区画線Eの像が前方画像に含まれている場合には、進入道路の左端の区画線Eの像の位置を基準にカメラ44の位置を特定してもよい。また、進入道路において複数のレーンを区画する区画線Eの像の認識結果に基づいて車両が走行している走行レーンを特定し、当該走行レーンに基づいてカメラ44の位置を特定してもよい。
【0049】
以上のようにしてカメラ44の位置を特定すると、制御部20は、カメラ44の位置から車両の進行方向Fへと延びる直線と、カメラ44の位置から基準位置Qへと延びる直線線とがなす角度の絶対値を算出し、当該角度の絶対値がカメラ44の視野角Aの半分A/2以下である場合に、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したと判定する。
【0050】
案内部21cの機能により制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した場合に、交差点Cについての第1案内を終了するとともに、交差点Cの案内であって第1案内と異なる案内態様の第2案内を開始する。すなわち、制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動するタイミング以前においても交差点Cの案内を行っておき、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したタイミングで交差点Cの案内態様が遷移させる。
【0051】
本実施形態において、第1案内の案内態様は、図4Aに示すように交差点Cにおける推奨の進行方向を示す矢印画像Uを交差点Cの像の上方に表示する案内態様である。一方、第2案内の案内態様は、図4Bに示すように矢印画像Uを交差点Cの像上に重畳して表示する案内態様である。案内部21cの機能により制御部20は、予め公知の経路探索手法によって走行予定経路を探索しておく。そして、制御部20は、進入道路が走行予定経路上の道路である場合に、車両が次に走行する交差点Cにおける推奨の進行方向を取得する。制御部20は、走行予定経路上の道路であって、交差点Cの次に車両が走行する予定の退出道路を取得し、進入道路から退出道路に進路を取った場合の進行方向を、推奨の進行方向として取得する。矢印画像Uは、進入道路における車両の進行方向を表す部分(縦方向の線状部分)と、退出道路における車両の進行方向を表す部分とが屈曲点U1にて屈曲した折れ線の矢印を表す。図4A,4Bは、推奨の進行方向が左折方向である場合の例を示す。なお、矢印画像Uは、進入道路における車両の進行方向に対する退出道路における車両の進行方向の角度ごとに記録媒体30に記録されている。
【0052】
視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動していない場合、制御部20は、矢印画像Uを背景画像J上に重畳する。背景画像Jは、矢印画像Uの高さと幅よりも所定量だけ大きい高さと幅を有する無地の画像であり、記録媒体30に記録されている。制御部20は、矢印画像Uが重畳された背景画像Jを前方画像における地平線よりも高い位置に重畳するとともに、上端が背景画像Jの下端に接続し、下端が交差点Cの像内の位置に接続する接続画像Iをさらに前方画像に重畳する。具体的に、制御部20は、目標視認範囲T内に設定された所定の重畳基準位置を位置変換テーブル30bによって変換することにより、当該重畳基準位置に対応する前方画像内の位置を特定し、当該特定した位置に接続画像Iの下端を重畳する。例えば、重畳基準位置は、目標視認範囲Tの幅方向の中央位置であってもよい。上下分離ありの場合、走行道路の終点のノードNtの位置を重畳基準位置として取得できる。上下分離なしの場合、走行道路の終点のノードNtの位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ左方向に移動した位置を重畳基準位置として取得できる。そして、制御部20は、矢印画像Uと背景画像Jと接続画像Iとが重畳された前方画像をディスプレイ45に表示させることにより、第1案内を行う。
【0053】
視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した場合、制御部20は、矢印画像Uをそのまま前方画像に重畳し、矢印画像Uが重畳された前方画像をディスプレイ45に表示させることにより、第2案内を行う。制御部20は、前方画像における交差点Cの像の位置を特定し、交差点Cの像上に矢印画像Uを重畳する。例えば、制御部20は、前記重畳基準位置に対応する前方画像内の位置に、矢印画像Uの屈曲点U1が重畳されるように、矢印画像Uを前方画像に重畳してもよい。
【0054】
前記構成において、進入道路の道路形状に基づいて設定された基準位置Qが視認できるようになったタイミングで交差点Cについての第2案内を開始できる。従って、進入道路の道路形状に適したタイミングで交差点Cについての第2案内を開始できる。目標視認範囲Tにおける交差点Cの像の移動方向の反対側の端は、目標視認範囲Tのうち最も遅れて視認可能範囲Z内に移動する位置となる。すなわち、目標視認範囲Tにおける交差点Cの像の移動方向の反対側の端が視認できるタイミングにおいて、目標視認範囲Tの全体が視認できるようになっていると見なすことができる。従って、目標視認範囲Tの全体が視認できるタイミングで交差点Cについての第2案内を開始することができる。また、目標視認範囲Tは交差点Cにおいて進入道路が接続している進入領域であるため、交差点Cに対して進入道路がどのように接続しているかが認識できるようになったタイミングで交差点Cについての第2案内を開始できる。上述のように、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、交差点Cの像は進入道路の曲率中心と反対側に移動することとなる。従って、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の端に基準位置Qすることにより、目標視認範囲Tにおける交差点Cの像の移動方向の反対側の端に基準位置Qを設定できる。
【0055】
さらに、目標視認範囲Tにおける進入道路の曲率中心側の厳密な端の位置に基準位置Qを設定するのではなく、目標視認範囲Tにおける曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に補正した位置に基準位置Qを設定することにより、目標視認範囲Tの全体が視認できるタイミングよりも、基準距離Sに応じた期間だけ早いタイミングで交差点Cの案内を開始できる。これにより、第2案内への遷移が遅れることを防止できる。本実施形態において、目標視認範囲Tは交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域であり、基準距離Sは平均的なレーンの幅よりも小さい所定値に設定されている。従って、基準位置Qが視認できるタイミングにおいて、交差点Cの手前における進入道路のレーン構成が認識できるようになった見なせる。そのため、交差点Cの手前における進入道路のレーン構成が認識できるようになったタイミングで、第2案内を開始できる。
【0056】
上述のように、走行道路に対するリンク設定態様と進入道路の湾曲方向との組み合わせがいずれであっても、走行道路の終点のノードNtの位置を起点として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置Qとして設定できる。従って、走行道路に対するリンク設定態様と、進入道路の湾曲方向との組み合わせがいずれであっても、交差点Cにおいて進入道路が接続している進入領域である目標視認範囲Tの全体が視認できるタイミングよりも、基準距離Sに応じた期間だけ早いタイミングで交差点Cの案内を開始できる。
【0057】
さらに、案内部21cの機能により制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した場合に、交差点Cについての第1案内を終了するとともに、交差点Cの案内であって第1案内と異なる案内態様の第2案内を開始する。これにより、交差点Cの案内を継続して行うことができるとともに、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動していない状態と、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した状態とのそれぞれに適した案内態様で交差点Cの案内ができる。特に、本実施形態では、基準位置Qが視認可能な状態となっている交差点Cの像に対して矢印画像Uを重畳できる。また、カメラ44の位置を前方画像の画像認識によって正確に特定しているため、カメラ44の位置を基準とする視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを正確に判定できる。
【0058】
(2)交差点案内処理:
図5は、交差点案内処理のフローチャートである。交差点案内処理は、所定の時間周期または走行距離周期ごとに実行される処理である。まず、道路形状取得部21aの機能により制御部20は、進入道路の道路形状を取得する(ステップS100)。具体的に、制御部20は、走行道路の終点のノードNtから所定距離(例えば300m)以内の形状補間点Mのうち、走行道路の終点のノードNtから遠い順に数えた順番がn番目の形状補間点Mから(n+1)番目の形状補間点Mに向かうベクトルである後方ベクトルと、(n+1)番目の形状補間点Mから(n+2)番目の形状補間点M(または終点のノードNt)に向かうベクトルである前方ベクトルとがなす角度である変化角Bの平均値に基づいて、走行道路の道路形状が、直線状であるか、左方向の湾曲形状であるか、右方向の湾曲形状であるかを判定する。走行道路に対するリンク設定態様に拘わらず走行道路の道路形状は進入道路の道路形状と同一と見なせるため、制御部20は、走行道路の道路形状を進入道路の道路形状として取得する。
【0059】
次に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様を取得する(ステップS105)。走行道路に対するリンク設定態様は地図情報30aのリンクデータに基づいて取得できる。以上によって、走行道路に対するリンク設定態様と進入道路の道路形状との組み合わせが得られたこととなる。以降の処理(ステップS100〜S145)において、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状に基づいて、交差点C内に基準位置Qを設定する。
【0060】
基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状であるか否かを判定する(ステップS110)。走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状であると判定した場合(ステップS110:Y)、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域Vの中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wだけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置に基準位置Qを設定する(ステップS115、図3A)。なお、制御部20は、走行道路(結合道路)の終点のノードNtの位置を、全体領域Vの中央位置として取得できる。以上のようにして基準位置Qを設定することにより、結果として、交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域である目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ進入道路の曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0061】
次に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状であるか否かを判定する(ステップS120)。走行道路に対するリンク設定態様が上下分離なしであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状であると判定した場合(ステップS120:Y)、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路と当該進入道路の対向道路とからなる結合道路と、当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域Vの中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置に基準位置Qを設定する(ステップS125、図3B)。以上のようにして基準位置Qを設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ進入道路の曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0062】
次に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状であるか否かを判定する(ステップS130)。走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状であると判定した場合(ステップS130:Y)、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である進入領域(目標視認範囲T)の中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ左方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置に基準位置Qを設定する(ステップS135、図2A)。なお、制御部20は、走行道路(進入道路)の終点のノードNtの位置を、目標視認範囲Tの中央位置として取得できる。以上のようにして基準位置Qを設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動(補正)した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0063】
次に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状であるか否かを判定する(ステップS140)。走行道路に対するリンク設定態様が上下分離ありであり、かつ、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状であると判定した場合(ステップS140:Y)、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している領域である進入領域(目標視認範囲T)の中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅Wの半分W/2だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置に基準位置Qを設定する(ステップS145、図2B)。以上のようにして基準位置Qを設定することにより、結果として、目標視認範囲Tの曲率中心側の端から基準距離Sだけ曲率中心の反対側に移動した位置を基準位置Qとして設定できる。
【0064】
以上のようにして、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合に基準位置Qを設定すると、案内部21cの機能により制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを判定する(ステップS150)。具体的に、制御部20は、現在位置Yと前方画像の画像認識とに基づいて特定したカメラ44の位置(図2A,2B,3A,3Bにおいて黒三角)から基準位置Qに延びる直線と、当該カメラ44の位置から車両の進行方向Fに延びる直線とがなす角度の絶対値がカメラ44の視野角Aの半分A/2以下である場合に、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したと判定する。
【0065】
視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したと判定した場合(ステップS150:Y)、案内部21cの機能により制御部20は、車両から交差点Cまでの残距離が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS155)。閾値(例えば300m)は記録媒体30に記録されている。制御部20は、マップマッチング後の現在位置Yと走行道路の終点のノードNtの位置との直線距離を残距離として取得する。
【0066】
車両から交差点Cまでの残距離が閾値以下であると判定しなかった場合(ステップS155:N)、案内部21cの機能により制御部20は、交差点Cについて第1案内を行う(ステップS160、図4A)。また、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したと判定しなかった場合(ステップS150:N)も、案内部21cの機能により制御部20は、交差点Cについて第1案内を行う。具体的に、制御部20は、交差点Cにおける推奨の進行方向を予め探索した走行予定経路に基づいて取得し、当該推奨の進行方向を示す矢印画像Uを記録媒体30から取得する。そして、制御部20は、矢印画像Uが重畳された背景画像Jを前方画像における地平線よりも高い位置に重畳するとともに、上端が背景画像Jの下端に接続し、下端が交差点Cの像内の位置に接続する接続画像Iをさらに前方画像に重畳する。さらに、制御部20は、矢印画像Uと背景画像Jと接続画像Iとが重畳された前方画像をディスプレイ45に表示させることにより、第1案内を行う。
【0067】
一方、車両から交差点Cまでの残距離が閾値以下であると判定した場合(ステップS155:Y)、案内部21cの機能により制御部20は、交差点Cについて第2案内を行う(ステップS165、図4B)。すなわち、案内部21cの機能により制御部20は、運転者が視認可能な視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動した場合に、交差点Cについての第2案内を開始する。具体的に、制御部20は、前方画像における交差点Cの像上に矢印画像Uを重畳する。以上の処理により、進入道路の道路形状が湾曲形状である場合、車両から交差点Cまでの残距離が閾値以下の状態において、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したタイミングで交差点Cの案内を第1案内から第2案内へと遷移させることができる。すなわち、交差点Cの手前における進入道路のレーン構成が認識できると見なせるタイミングで交差点Cの案内を第1案内から第2案内へと遷移させることができる。
【0068】
また、進入道路の道路形状が湾曲形状でない場合(ステップS110,S120,S130,S140のすべて:N)、案内部21cの機能により制御部20は、基準位置Qを設定する処理(ステップS115,S125,S135,S145)と、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを判定する処理(ステップS150)をスキップして、ステップS155を実行する。すなわち、進入道路の道路形状が直線状である場合、車両から交差点Cまでの残距離が閾値以下となったタイミングで交差点Cの案内を第1案内から第2案内へと遷移させる。
【0069】
(3)他の実施形態:
前記実施形態においては、地図情報30aの形状補間点Mデータに基づいて進入道路の道路形状を取得したが前方画像の画像認識等に基づいて進入道路の道路形状を取得してもよい。進入道路の道路形状とは、鉛直方向における進入道路の形状(勾配等)であってもよい。例えば、進入道路が上り勾配の道路形状を有する場合に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、交差点Cにおける進入道路の方向(前後方向)の所定位置に基準位置Qを設定してもよい。そして、案内部21cの機能により制御部20は、基準位置Qがカメラ44の鉛直方向の視野角内の高さに移動した場合に、交差点Cの案内を開始してもよい。また、進入道路の道路形状とは、進入道路の幅、レーン数等であってもよく、進入道路の幅、レーン数等に基づいて基準位置Qを設定してもよい。。
【0070】
基準位置設定部21bの機能により制御部20は、基準位置Qが視認可能範囲Zに移動するタイミングが、交差点Cの案内を開始させるべきタイミングとなるように基準位置Qを設定すればよい。例えば、制御部20は、基準位置Qが視認可能範囲Zに移動するタイミングが、運転者が交差点Cの形状が認識できるようになるタイミングとなるように基準位置Qを設定してもよい。具体的に、制御部20は、進入道路の曲率半径が小さいほど基準距離Sを小さく設定してもよい。すなわち、基準距離Sは、進入道路の道路形状に依存した距離であってもよい。ここで、進入道路の曲率半径が小さいほど、前方画像における交差点Cの像の形状がいびつとなり、交差点Cの形状の認識が困難となる。従って、進入道路の曲率半径が小さいほど、基準距離Sを小さく設定することにより、運転者が交差点Cの形状が認識できるタイミングが遅れるのに追従するように、基準位置Qが視認可能範囲Zに移動するタイミングを遅らせることができる。ところで、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、中央分離帯Kによって交差点Cの像が遮蔽され、運転者が交差点Cの形状が認識できるタイミングが遅れる可能性がある。従って、制御部20は、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合よりも、基準距離Sを小さく設定してもよい。また、目標視認範囲Tも進入道路の道路形状に依存する範囲であってもよく、進入道路の曲率半径が小さいほど、目標視認範囲Tの幅を小さくしてもよい。
【0071】
さらに、案内部21cの機能により制御部20は、視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したタイミングで交差点Cの案内を開始すればよく、音声での案内を開始させてもよい。また、交差点Cの案内とは、交差点Cについての情報を提示する案内であればよく、必ずしも交差点Cにおける進行方向を案内しなくてもよい。例えば、制御部20は、交差点Cや名称や接続道路の名称や接続道路の行き先や交差点Cの手前におけるレーン構成等を案内してもよい。なお、案内部21cの機能により制御部20は、前方画像の画像認識に基づいて特定したカメラ44の位置を基準として視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを判定したが、マップマッチング後の現在位置Yまたはマップマッチング前の現在位置を基準として視認可能範囲Z内に基準位置Qが移動したか否かを判定してもよい。
【0072】
さらに、目標視認範囲Tは、交差点Cにおいて進入道路と当該進入道路に接続する接続道路とが交差している進入領域でなくてもよく、結合道路と当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域V(図3A,3B)が目標視認範囲Tであってもよい。車両が右折する場合には、車両が対向道路側に進行することとなるため、制御部20は、全体領域Vの全体を目標視認範囲Tとして設定してもよい。
【0073】
前記実施形態では、前方画像を撮影するカメラ44の視野に基づいて視認可能範囲Zが設定されたが、制御部20は、運転者が実風景を視認する際の視野に基づいて視認可能範囲Zを設定してもよい。また、道路に対するリンク設定態様が、上下分離あり、または、上下分離なしのいずれかに統一されている地図情報30aを使用する場合、制御部20は、道路に対するリンク設定態様に応じて基準位置Qを設定する処理を切り替えなくてもよい。
【0074】
以上においては、いわゆる左側通行の道路において交差点Cの案内を行う場合の例を挙げたが、右側通行の道路において交差点Cの案内を行う場合でも、本発明を適用できる。基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状が左方向の湾曲形状である場合に、進入道路と当該進入道路の対向道路とからなる結合道路と、当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域Vの中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から基準距離Sだけ右方向に移動した位置に基準位置Qを設定することにより、右側通行の道路においても適切に基準位置Qを設定できる。同様に、基準位置設定部21bの機能により制御部20は、進入道路の道路形状が右方向の湾曲形状である場合に、進入道路と当該進入道路の対向道路とからなる結合道路と、当該結合道路に接続する接続道路とが交差している全体領域の中央位置を地図情報30aに基づいて取得し、当該中央位置から進入道路の幅だけ右方向に移動した位置を特定し、当該特定した位置から基準距離Sだけ左方向に移動した位置に基準位置Qを設定することにより、右側通行の道路においても適切に基準位置Qを設定できる。
【符号の説明】
【0075】
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…ナビゲーションプログラム、21a…道路形状取得部、21b…基準位置設定部、21c…案内部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…位置変換テーブル、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…カメラ、45…ディスプレイ、A/2…半分、B…変化角、C…交差点、E…区画線、F…進行方向、G…補助線、M…形状補間点、N…ノード、Q…基準位置、S…基準距離、T…目標視認範囲、U…矢印画像、Y…現在位置、Z…視認可能範囲。
図1
図2
図3
図4
図5