(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記境界と、前記第1金属層端と、の間の前記第1方向に沿った長さは、前記第1部分の前記下面と、前記第2部分の前記下面と、の間の、前記主面に対して垂直な第2方向に沿った距離の0.1倍以上1.5倍以下である請求項1記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1(a)〜
図1(d)は、第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式図である。
図1(a)は、模式的斜視図である。
図1(b)は、発光装置の一部を例示する模式的平面図である。
図1(c)は、発光装置に含まれる金属コネクタの部分を拡大した模式的斜視図である。
図1(d)は、発光装置に用いられる配線を例示する模式的斜視図である。
【0010】
図1(a)に表したように、本実施形態に係る発光装置110は、セラミック基板10と、発光素子20と、金属膜11と、金属コネクタ40と、を含む。
【0011】
セラミック基板10は、主面10uを有する。主面10uは、セラミック基板10の上面である。
【0012】
セラミック基板10の主面10uに対して垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向とX軸方向とに対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0013】
図1(b)に表したように、この例では、セラミック基板10の平面形状は、略矩形である。この例では、セラミック基板10の1つの辺の延在方向が、X軸方向に対応し、他の辺の延在方向が、Y軸方向に対応している。実施形態において、辺と軸方向との関係は任意である。さらに、実施形態において、セラミック基板10の平面形状は任意である。
【0014】
発光素子20は、セラミック基板10の主面10u上に設けられる。発光素子20には、半導体発光素子(例えばLED)などが用いられる。この例では、高い光出力を得るために、複数の発光素子20が設けられている。
図1(b)においては、図を見易くするために、発光素子20は省略されている。
【0015】
金属膜11には、例えば、銅層が用いられる。銅層の上に、さらに、ニッケル層と、ニッケル層の上に設けられた金層と、金層の上に設けられたパラジウム層と、を含む積層膜をさらに設けても良い。この構成により、高い導電率と共に、高い光反射性が得られる。光の損失が抑制でき、高い効率が得られる。さらに、高い腐食性が得られ、高い信頼性が得られる。
【0016】
金属膜11は、複数のパターン部12を含む。複数のパターン部12の一部の上に、発光素子20が配置される。
【0017】
本願明細書において、上に設けられる状態は、直接接して設けられる状態に加え、間に別の要素(空間も含む)が挿入されている状態も含む。
【0018】
複数のパターン部12の他のいずれかの少なくとも一部の上に、金属コネクタ40が設けられる。この例では、2つの金属コネクタ40が設けられている。すなわち、金属コネクタ40は、セラミック基板10の主面10uの上に設けられる。
【0019】
2つの金属コネクタ40として、第1金属コネクタ45と、第2金属コネクタ46と、が設けられている。例えば、第1金属コネクタ45は、アノード側コネクタ及びカソード側コネクタのいずれか一方である。第2金属コネクタ46は、アノード側コネクタ及びカソード側コネクタのいずれか他方である。
【0020】
この例では、電子部品48がさらに設けられている。電子部品48は、金属膜11による複数のパターン部12のいずれかの上に配置されている。電子部品48は、例えば、キャパシタである。
【0021】
例えば、第1金属コネクタ45及び第2金属コネクタ46に、配線が接続され、金属膜11を介して、発光素子20に電流が供給される。これにより、発光素子20から光が放出される。
【0022】
第2金属コネクタ46の構造は、第1金属コネクタ45の構造に類似しているので、以下では、第1金属コネクタ45について説明する。
【0023】
図1(c)に表したように、セラミック基板10の主面10uの上に、第1金属層51及び第2金属層52が設けられている。これらの金属層は、金属膜11(パターン部12)の一部である。
【0024】
第1金属層51は、発光素子20と電気的に接続される。例えば、発光素子20に接続された配線パターン54が、第1金属層51に接続される。配線パターン54は、金属膜11の一部である。
【0025】
本願明細書において、電気的に接続されている状態は、2つの導電体が物理的に接触している状態、2つの導電体が別の導電体により接続されている状態、及び、2つの導電体の間に電子素子(例えば電子部品48)等が設けられ、電子素子を介して、2つの導電体の間を電流が流れる状態が形成可能な状態を含む。電子素子(電子部品48など)には、例えば、キャパシタ、抵抗、インダクタ、スイッチング素子、ダイオード(半導体発光素子も含む)などが含まれる。
【0026】
第2金属層52は、セラミック基板10の主面10u上において、第1金属層51と離間している。第2金属層52は、第1金属層51と電気的に接続されている。この例では、第1金属層51と第2金属層52とが、中間配線パターン53により電気的に接続されている。中間配線パターン53は、金属膜11の一部である。
【0027】
この例では、第1金属層51から第2金属層52に向かう方向がY軸方向とされている。第1金属層51のX軸方向に沿う幅、及び、第2金属層52のX軸方向に沿う幅のそれぞれは、中間配線パターン53のX軸方向に沿う幅よりも広い。
【0028】
第1金属層51及び第2金属層52の上に、第1金属コネクタ45の少なくとも一部が配置される。
【0029】
図1(c)においては、図を見易くするために、第1金属コネクタ45は、第1金属層51及び第2金属層52から分離して描かれている。
【0030】
図1(c)に表したように、第1金属コネクタ45(金属コネクタ40)は、コネクタ部43と、第1延出部41と、第2延出部42と、を含む。
【0031】
コネクタ部43は、セラミック基板10の主面10u上に設けられる。コネクタ部43は、主面10uと離間している。コネクタ部43は、発光素子20に供給される電流が流れる配線と接続される。この例では、コネクタ部43の上面には、開口部44が設けられている。
【0032】
第1延出部41は、コネクタ部43の一端43aから延出する。第1延出部41の少なくとも一部は、第1金属層51の上に設けられる。第2延出部42は、コネクタ部43の他端43bから延出する。第2延出部42の少なくとも一部は、第2金属層52の上に設けられる。
【0033】
コネクタ部43、第1延出部41及び第2延出部42には、金属が用いられる。この金属には、例えば、鉄とクロムとを含む合金などが用いられる。この金属は、さらにニッケルを含んでも良い。第1金属コネクタ45(金属コネクタ40)には、例えば、ステンレス鋼などが用いられる。
【0034】
図1(d)は、発光素子20に供給される電流が流れる配線80を例示している。
図1(d)に表したように、配線80は、ワイヤ81と、ワイヤ81の先端に設けられた挿入端子83と、を含む。挿入端子83の側面には、突起部84が設けられている。挿入端子83が、第1金属コネクタ45のコネクタ部43に挿入される。コネクタ部43は、挿入端子83が挿入される空間を有している。挿入端子83がコネクタ部43に挿入されている状態において、挿入端子83の突起部84が、コネクタ部43の開口部44に噛合する。これにより脱落が抑制される。
【0035】
第1金属層51と第1延出部41との接続、及び、第2金属層52と第2延出部42との接続は、例えば、はんだなどにより行われる。
【0036】
図2は、第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的断面図である。
図2は、金属コネクタ40(第1金属コネクタ45)の部分を拡大した模式的断面図である。
第1延出部41の少なくとも一部が、第1金属層51の上に設けられ、第2延出部42の少なくとも一部が、第2金属層52の上に設けられている。
【0037】
発光装置110においては、第1接合部材61及び第2接合部材62がさらに設けられている。これらの接合部材には、例えば、はんだが用いられる。
【0038】
第1接合部材61は、第1延出部41の少なくとも一部と、第1金属層51と、を接合する。第2接合部材62は、第2延出部42の少なくとも一部と、第2金属層52と、を接合する。
【0039】
第1金属コネクタ45は、第1延出部41及び第2延出部42により、セラミック基板10の主面10u上に固定される。一方、コネクタ部43は、主面10uと離間している。コネクタ部43と、主面10uとの間に空間が形成される。これにより、動作時に発生する熱により第1金属コネクタ45に応力が加わった場合においても、応力が緩和され、第1金属コネクタ45の良好な接合が維持できる。
【0040】
以下、本実施形態に係る発光装置110に関して、第1延出部41における接合状態の例に関して説明する。以下の第1延出部41に関する説明は、第2延出部42にも適用できる。
【0041】
図3は、第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的断面図である。
図3は、第1金属コネクタ45の第1延出部41の部分を拡大した模式的断面図である。
図3に表したように、例えば、第1延出部41は、コネクタ部43から、X−Y平面に対して実質的に平行に延出した後、下方に屈曲し、その後、X−Y平面に対して実質的に平行に延出し、第1端部41eに至る。このような形状を有する第1延出部41が、第1接合部材61により、第1金属層51に接続されている。
【0042】
第1接合部材61は、コネクタ部43側の側面61sを有している。さらに、第1接合部材61は、第1金属層51と接する下面61lを有している。
【0043】
本実施形態においては、第1接合部材61のコネクタ部43側の側面61sのうちの下側部分61slと、第1接合部材61の第1金属層51に接する下面61lと、の間の角度(第1角度θ1)は、90度以下である。例えば、第1接合部材61の側面61sの下側部分61slは、順テーパ状である。
【0044】
図3に例示したように、この例では、第1接合部材61のコネクタ部43側の側面61sは、曲面状である。このとき、側面61sの傾斜は、第1金属層51からの距離によって変化する。本実施形態においては、側面61sのうちの下側部分61slの上端61slhの、第1金属層51の上面51u(すなわち第1接合部材61の下面61l)からの高さは、側面61sのZ軸方向に沿った長さ(後述する第2高さh2)の1/5の位置とする。
【0045】
一方、側面61sと第1金属層51とが接する部分は、微視的に観察すると、断面形状が安定していないこともある。本実施形態においては、側面61sのうちの下側部分61slの下端61sllの第1金属層51の上面51uからの高さは、側面61sのZ軸方向に沿った長さ(第2高さh2)の1/50の位置とする。
【0046】
側面61sのうちの下側部分61slの上端61slhと下端61sllとの間において、側面61sの傾斜が変化するときにおいても、側面61sのそれぞれの位置において下面61lとの間の第1角度θ1が定義できる。それぞれの第1角度θ1は、90度以下である。便宜的に、側面61sのそれぞれの位置における側面61sと下面61lとの間の角度の平均を第1角度θ1として用いても良い。
【0047】
第1角度θ1を90度以下とすることで、第1接合部材61の下面61lと、第1金属層51の上面51uと、の間での剥離が抑制できる。
【0048】
一方、第1延出部41は、コネクタ部43とは反対側の第1端部41eを有している。第1端部41eにおいては、第1端部41eのうちの、第1延出部41の厚さT1の3分の2以上の厚さの部分が、第1接合部材61により覆われている。第1端部41eの厚さは、実質的に第1延出部41の厚さT1と同じである。すなわち、第1端部41eが、第1端部41eの厚さの3分の2以上において、第1接合部材61により覆われる。例えば、第1端部41eの厚さ方向の全てが、第1接合部材61により覆われても良い。
【0049】
例えば、第1接合部材61は、第1延出部41の第1端部41eと接する上端61cuを有している。上端61cuは、第1端部41eの下端41elから、第1延出部41の厚さT1の3分の2の位置と同じ高さ、または、上方である。例えば、第1接合部材61の第1端部41eと接する上端61cuと、第1金属層51の上面51uと、の間の距離(Z軸方向に沿った距離であり、第1高さh1)は、第1端部41eの下端41elから第1延出部41の厚さT1の3分2の位置と、第1金属層51の上面51uと、の距離(Z軸方向に沿った距離)以上である。
【0050】
第1端部41eが、厚さの3分の2以上の厚さにおいて第1接合部材61により覆われることで、第1接合部材61による第1端部41eと第1金属層51との接合が強固となり、高い信頼性が得られる。
【0051】
実施形態においては、高出力で発生する熱が多量であり、熱負荷が大きくなる。実施形態においては、このときにおいても、接合部材における高い接合信頼性が得られる。接合部分の強度が高いため、熱により大きな応力が発生した場合においても、接合部分の不良が抑制できる。特に、発光装置を点滅したときにおいては、大きなヒートショックが接合部分に加わる。このときにも高い信頼性が維持できる。実施形態においては、金属コネクタ40の接合部分(延出部)と金属層との間を接合するはんだの形状(すなわち、濡れ性に基づく形状)を特殊な形状に規定する。これにより、熱応力を低減し、機械的強度が向上できる。
【0052】
図4(a)〜
図4(d)は、参考例の発光装置を例示する模式的断面図である。
これらの図は、第1延出部41の接合状態を例示している。
図4(a)に例示したように、第1参考例の発光装置119aにおいては、第1接合部材61のコネクタ部43側の側面61sのうちの下側部分61slにおいて、第1角度θ1は、90度を超えている。すなわち、側面61sの下側部分61slは、逆テーパ状である。
【0053】
このため、
図4(b)に例示したように、コネクタ部43側の側面61sにおいて、第1接合部材61の下面61lと、第1金属層51の上面51uと、が剥離し易い。この現象は、特に、高出力で発生する熱が多量であり、熱負荷が大きくなるときに、発生し易い。発光装置を点滅し大きなヒートショックが加わったときに、特に生じ易い。
【0054】
一方、
図4(c)に例示したように、第2参考例の発光装置119bにおいては、第1延出部41の第1端部41eが、第1接合部材61に覆われている高さは、第1延出部41の厚さの3分の2未満である。
【0055】
このため、
図4(d)に例示したように、第1端部41eの側において、第1接合部材61の下面61lと、第1金属層51の上面51uと、が剥離し易い。この現象は、特に、高出力で発生する熱が多量であり、熱負荷が大きくなるときに、発生し易い。発光装置を点滅し大きなヒートショックが加わったときに、特に生じ易い。特に、第1金属コネクタ45に配線80を接続する作業中に、第1金属コネクタ45に機械的な力が加わり、この力により、第1接合部材61または第1接合部材61の界面部分に損傷が生じたときに、特に発生しやすい。
【0056】
本願発明者は、第1金属層51及び第1延出部41の種々の形状に関して、第1接合部材61の材料(例えばはんだ)の量および形成条件(例えば、はんだ温度、時間およびコネクタ抑え荷重)を変えて、第1角度θ1と、第1端部41eが第1接合部材61に覆われる高さと、を変えた試料(発光装置)を作製した。そして、その試料に関して、動作及び点滅の試験を行った。この試験においては、ヒートショックが印加される。このような試験の結果により、第1角度θ1が90度以下であり、かつ、第1端部41eが第1接合部材61に覆われる高さが第1延出部41の厚さの3分の2以上であるときに、良好な接合が得られることが分かった。実施形態に係る上記の構成は、この実験結果に基づくものである。
【0057】
本実施形態に係る発光装置110は、高出力の発光装置である。本実施形態においては、得られる光束発散度は、例えば、10lm/mm
2以上である。なお、光束発散度は、発光装置の光量として得られる光束(lm)を、その発光装置においてその光量が出射する面積で割った値である。その光量が出射する面積は、例えば、複数の発光素子20を覆うように形成される蛍光体を含んだ樹脂で構成された波長変換層の出光面の面積の総和(mm
2)に対応する。このように高出力の発光装置においては、発生する熱が多量であり、熱負荷が大きい。このため、高い放熱性を得るために、発光素子20が実装される基板として、セラミック基板10が用いられる。これにより、良好な絶縁性と共に高い放熱性が得られる。さらに、セラミック基板10の上に設けられるコネクタとして、金属コネクタ40が用いられる。コネクタとして、例えば樹脂を含むコネクタと用いると、樹脂が、発光素子20から放出される強い光により劣化する。本実施形態においては、金属のコネクタを用いることで、強い光が照射されても劣化が実質的に生じない。
【0058】
例えば、樹脂を用いるコネクタを用いる場合には、応力が発生したとしても、樹脂の柔軟性により、応力が緩和され易い。一方、本実施形態のように、高出力の発光装置において特別に用いられる金属コネクタにおいては、樹脂コネクタに比べて、大きな応力が金属コネクタに加わり易い。このような大きな応力が加わった状態で、動作及び点滅により、高温及びヒートショックが、金属コネクタ40と金属層とを接合する接合部材に加わる。
【0059】
このような、高出力の発光装置における特殊な条件においても、安定した接合を維持して高い信頼性を実現することが必要となる。このような新しい課題を、本実施形態は解決できる。本実施形態においては、第1角度θ1を90度以下とし、かつ、第1端部41eが第1接合部材61に覆われる高さを第1延出部41の厚さの3分の2以上とすることで、高出力で高信頼性の発光装置を提供することができる。
【0060】
本実施形態においては、金属コネクタ40(第1金属コネクタ45)は独特の構造を有している。すなわち、コネクタ部43と、コネクタ部43から延出する第1延出部41及び第2延出部42が設けられている。これらの延出部が金属層と接合され、コネクタ部43は、セラミック基板10から上方に、セラミック基板10から離間して固定される。これにより、動作時に金属コネクタ40の温度が上昇したときにおいても、例えば、金属コネクタ40と金属層(またはセラミック基板10)との熱膨張係数の差に起因する応力を緩和し易い。特に、点滅時の大きなヒートショックが発生した場合でも、応力が抑制され、安定した接合を維持し易い。
【0061】
第1延出部41の構造の例について、さらに説明する。
図3に表したように、第1延出部41は、第1端部41eに加えて、第1部分41aと、第2部分41bと、第3部分41cと、境界41dと、をさらに含む。
【0062】
既に説明したように、第1端部41eは、コネクタ部43とは反対側の端である。第1部分41aは、第1端部41eと、コネクタ部43と、の間に設けられる。第1部分41aは、コネクタ部43に接続されている。第1部分41aと、セラミック基板10の主面10uとの距離を第1距離d1とする。第1距離d1は、第1部分41aの下面41alと、主面10uと、の間のZ軸方向に沿う距離である。例えば、第1距離d1は、実質的に、コネクタ部43と主面10uとの間の距離に相当する。
【0063】
第2部分41bは、第1端部41eと、第1部分41aと、の間に設けられる。第2部分41bと主面10uとの距離を第2距離d2とする。第2距離d2は、第1距離d1よりも短い。すなわち、第2部分41bは、第1部分41aよりも下方に位置する。
【0064】
第3部分41cは、第1部分41aと第2部分41bとの間に設けられる。第3部分41cは、第1部分41aと第2部分41bとを接続する。
境界41dは、第1部分41aと第3部分41cとの間の部分である。
【0065】
第2部分41bは、X−Y平面に対して実質的に平行に延在する。この例では、第1部分41aも、X−Y平面に対して実質的に平行に延在する。第3部分41cは、X−Y平面に対して傾斜している。主面10uに対して平行な平面(X−Y平面)と、第1部分41aの延在方向と、との間の角度を第1角度とする。その平面(X−Y平面)と、第2部分41bの延在方向と、の間の角度を第2角度とする。その平面(X−Y平面)と、第3部分41cの延在方向と、の間の角度を第3角度とする。第3角度は、第1角度よりも大きく、第2角度よりも大きい。例えば、第1角度は、20度未満であり、第2角度も20度未満である。これに対して、第3角度は、例えば、20度以上である。すなわち、第3部分41cは、屈曲部分である。
【0066】
第1部分41aは、コネクタ部43に接続される部分であり、この例では、コネクタ部43の延在方向と実質的に平行に延びる。第1部分41aが、X−Y平面に対して実質的に平行であることにより、コネクタ部43もX−Y平面に対して平行になる。コネクタ部43がX−Y平面に対して実質的に平行に配置されることで、コネクタ部43は、第1延出部41と第2延出部42とにより、安定した状態で、主面10uの上に配置される。第1部分41aは、X−Y平面に対して交差する方向に延在しても良い。
【0067】
第2部分41bは、主面10u上に設けられる第1金属層51の上に配置される部分である。第2部分41bが実質的にX−Y平面に対して平行であることにより、第2部分41bにおける第1接合部材61による接合強度が高くなる。
【0068】
コネクタ部43は、主面10uの上方において、主面10uから長い距離(第1距離d1)によって、主面10uと離間する。一方、主面10u上に設けられる第1金属層51に接続される第2部分41bは、第1部分41aよりも下方に配置される。そして、第1部分41aと第2部分41bとが第3部分41cにより接続されている。
【0069】
このような構成により、第1金属コネクタ45と第1金属層51(及びセラミック基板10)との熱膨張係数の差に起因する応力が緩和され易い。特に、点滅時の大きなヒートショックが発生した場合でも、応力が抑制され、安定した接合を維持し易い。
【0070】
この例では、第1部分41a、第2部分41b及び第3部分41cは、1つの金属辺を折り曲げることにより形成される。第1部分41aの厚さ(Z軸方向に沿う厚さ)は、第2部分41bの厚さ(Z軸方向に沿う厚さ)と、実質的に同じである。例えば、第1部分41aの厚さは、第2部分41bの厚さの0.8倍以上1.2倍以下である。第3部分41cの厚さ(第3部分41cの延在方向に対して垂直な方向の厚さ)は、第2部分41bの厚さと同じである。
【0071】
以下、第1延出部41と第1金属層51とに関して、Y軸方向に関する位置関係の例について説明する。Y軸方向は、第1金属層51から第2金属層52に向かう方向である。Y軸方向は、第1延出部41から第2延出部42に向かう方向に対応する。
【0072】
X−Y平面に投影したときに、第2部分41b及び第3部分41cは、第1金属層51と重なる。例えば、X−Y平面に投影したときに、第1金属層51は、コネクタ部43の側の第1金属層端51aと、第1金属層端51aとは反対側の第2金属層端51bと、を有する。X−Y平面に投影したときに、第1金属層端51aと第2金属層端51bとの間に、第2部分41b及び第3部分41cが配置される。
【0073】
第1部分41aから第1端部41eに向かう方向を、延出方向とする。X−Y平面に対して平行で、延出方向に対して平行な方向を第1方向D1とする。この例では、第1方向D1は、Y軸方向に対して平行である。
【0074】
第1方向D1に沿う、第1端部41eの位置は、第1金属層端51aと、第2金属層端51bと、の間に位置する。
【0075】
さらに、X−Y平面に投影したときに、第1金属層51は、第1部分41aの少なくとも一部と重なる。すなわち、第1部分41aと第3部分41cとの境界41dの、第1方向D1に沿う位置は、第1金属層端51aと第2金属層端51bとの間に位置する。
【0076】
例えば、第1接合部材61は、第1金属層51の上面51uを覆う。例えば、第1接合部材61は、第1金属層端51aに接し、第2金属層端51bに接する。第1接合部材61は、第1金属層端51aと、第1延出部41の第1部分41aと、の間を接合する。すなわち、第1接合部材61は、第1部分41aの下面41alの少なくとも一部と、第1金属層51と、を接合する第1接合部分61aを含む。この例では、第1接合部分61aは、第1金属層端51aに接している。第1接合部分61aは、第1金属層端51a付近の端面、すなわち第1接合部材61の第1接合部分61a側における側面に接していてもよい。第1接合部分61aは、第3部分41cの下面41clと、第1金属層51と、をさらに接合する。
【0077】
さらに、第1接合部材61は、第2部分41bと第1金属層51とを接合する。すなわち、第1接合部材61は、第2部分41bの下面41blと、第1金属層51と、を接合する第2接合部分61bをさらに含む。
【0078】
さらに、第1接合部材61は、第1端部41eと第1金属層51とを接合する。すなわち、第1接合部材61は、第1端部41eと第1金属層51とを接合する第3接合部分61cをさらに含む。
【0079】
このように、第1接合部材61は、第1部分41aの下面41alの少なくとも一部と、第2部分41bの下面41alと、第3部分41cの下面41clと、第1端部41eと、を、第1金属層51に接合する。
【0080】
この構成により、第1延出部41と、第1金属層51と、の間が、安定して接合される。これにより、高い信頼性が得られる。
【0081】
既に説明した、第1接合部材61の第1端部41eと接する上端61cuは、第1接合部材61のうちの第3接合部分61cの第1端部41eと接する上端に対応する。第3接合部分61cの第1端部41eと接する上端61cuと、第1金属層51の上面51uと、の間のZ軸方向に沿った距離が、第1高さh1となる。既に説明したように、第1高さh1は、第1延出部41の厚さT1の3分の2以上である。第1端部41eの上端または下端の形状が安定していない場合がある。このため、第1延出部41の厚さT1は、便宜的に、第2部分41bのZ軸方向に沿った厚さとする。
【0082】
既に説明した第2高さh2(第1接合部材61の側面61sのZ軸方向に沿った長さ)は、第1部分41aの下面41alと、第2部分41bの下面41blと、の間の、Z軸方向(セラミック基板10の主面10uに対して垂直な第2方向D2)に沿った距離に対応する。
【0083】
第1角度θ1が90度以下であり、かつ、第1端部41eが第1接合部材61に覆われる高さを第1延出部41の厚さの3分の2以上とするために、第1延出部41及び第1金属層51のY軸方向に関する位置に適切な関係が存在することが、実験から明らかになった。
【0084】
すなわち、上記のように、実施形態においては、第1方向D1に沿う、第1端部41eの位置は、第1金属層端51aと、第2金属層端51bと、の間に位置する。すなわち、コネクタ部43から見て、第2金属層端51bは、第1端部41eよりも、突出している。
【0085】
例えば、第1方向D1に沿う第2金属層端51bの位置が、第1端部41eと第1金属層端51aとの間に配置される参考例においては、第1端部41eが第1接合部材61に十分に接触することが困難である。このため、十分な接合強度が得られない。
【0086】
本実施形態のように、第1方向D1に沿う、第1端部41eの位置を、第1金属層端51aと、第2金属層端51bと、の間に配置することで、良好な接合が得られる。
【0087】
さらに、第2金属層端51bの突出量に適正な値がある。
第2金属層端51bと第1端部41eとの間の第1方向D1に沿う長さ(第2長さL2)は、第1延出部41の厚さT1(例えば、第2部分41bの厚さ)の0.5倍以上3倍以下であることが好ましい。
【0088】
第2長さL2が、厚さT1の0.5倍未満の場合は、第1接合部材61(第3接合部分61c)における接合強度が不十分になる。このため、例えば、コネクタ部43に配線80を挿入する際の力、または、熱によって生じる応力より、接合部が損傷を受け易い。
【0089】
一方、第2長さL2が厚さT1の3倍を超えると、第1接合部材61の材料(はんだ)が溶融時に流れて、第1端部41eが第1接合部材61に覆われる高さを第1延出部41の厚さの3分の2以上とすることが困難になる。すなわち、第2長さL2が厚さT1の3倍を超えると、第1接合部材61の形成工程において、所望の形状を得るための、溶融時における第1接合部材61の量、流動性または温度の制御の精度が非常に厳しくなる。このため、所望の形状を得ることが実質的に困難になる。
【0090】
さらに、強い接合強度を得るために、第1接合部材61(例えば、はんだ)の光反射率が、セラミック基板10の主面10uの反射率よりも低くなる場合がある。この場合において、第2長さL2を過度に大きく(例えば厚さT1の3倍を超える)設定すると、反射率が過度に低下する。
【0091】
実施形態においては、第2金属層端51bと第1端部41eとの間の第1方向D1に沿う長さ(第2長さL2)を、第1延出部41の厚さT1の0.5倍以上3倍以下に設定することで、強い接合強度と共に、高い反射率を得ることができる。
【0092】
一方、上記のように、実施形態においては、第1部分41aと第3部分41cとの境界41dの、第1方向D1に沿う位置は、第1金属層端51aと第2金属層端51bとの間に配置される。これにより、第1角度θ1が90度以下に設定することが容易になる。
【0093】
例えば、第1金属層端51bの第1方向D1に沿う位置が、境界41dと第2金属層端51bとの間に配置される場合は、第1角度θ1が90度以上になる。第1接合部材61の溶融状態においては、第3部分41bの下面41blと、第1部分41aの下面41alの少なくとも一部と、が、溶融状態の第1接合部材61に覆われる。このとき、溶融状態の第1接合部材61の側面の形状は、第1金属層端51bの第1方向D1における位置に依存する。このとき、第1金属層端51aを、第1延出部41が屈曲する境界41dよりも、コネクタ部43の側に突出させる。すなわち、境界41dの第1方向D1に沿う位置を、第1金属層端51aと第2金属層端51bとの間に配置する。これにより、第1角度θ1を90度以下に設定することが容易になる。
【0094】
さらに、第1金属層端51aの突出量に、適正な値がある。
第1金属層端51aと境界41dとの間の第1方向D1に沿う長さ(第1長さL1)は、第2高さh2の0.1倍以上1.5倍以下であることが好ましい。第2高さh2は、第1部分41aの下面41alと、第2部分41bの下面41blと、の間の、Z軸方向(セラミック基板10の主面10uに対して垂直な第2方向D2)に沿った距離である。
【0095】
第1長さL1が、第2高さh2の0.1倍未満の場合は、例えば、溶融状態の第1接合部材61の量を調整しても、第1角度θ1を90度以下に設定することが困難である。このため、接合強度が不十分になり易い。
【0096】
第1長さL1が、第2高さh2の1.5倍を超えると、例えば、溶融状態の第1接合部材61が第1金属層51を覆うように流れ、例えば、第1接合部分61aの高さ方向の中心部の幅が狭くなり、接合強度が低くなり易い。そして、第1長さL1が、第2高さh2の1.5倍を超えると、シートショックが加えられた場合に、第1金属コネクタ45の熱収縮による応力により、第1接合部材61(及びその界面)において、破壊が生じ易くなる。すなわち、高い信頼性の接合が得られない。
【0097】
実施形態においては、第1長さL1を、第2高さh2の0.1倍以上1.5倍以下に設定するこことで、第1接合部材61の形状を高信頼性が得られる形状に制御し易くなる。これにより、高出力で高信頼性の発光装置を得易くなる。
【0098】
例えば、第3接合部分61cの第1端部42eとは反対側の端における第3接合部分61cの側面61csは、順テーパである。例えば、第3接合部分61cの側面61csと、第1接合部材61の下面61lと、の間の角度(第2角度θ2)は、5度以上60度以下である。
【0099】
例えば、第1接合部材61のコネクタ部43側の側面61sのうちの上側部分61shは、順テーパである。すなわち、第1接合部材61のコネクタ部43側の側面61sのうちの上側部分61shと、第1部分41aの下面41alとの間の角度(第3角度θ3)は、5度以上60度以下である。
【0100】
例えば、第1方向D1において、第1金属層端51aは、境界41dと、第1接合部材61のコネクタ部43の側の端61aeと、の間に位置する。
【0101】
例えば、第1方向D1において、第1接合部材61のコネクタ部43の側の端61aeは、第1金属層端51aとコネクタ部43との間に位置する。
【0102】
例えば、第1延出部41の厚さT1(例えば第2部分41bのZ軸方向に沿った厚さ)は、150μm以上300μm以下である。
第1高さh1は、厚さT1の3分の2倍以上である。
第2高さh2は、例えば、300μm以上1000μm以下、望ましくは350μm以上650μm以下である。
第1距離d1は、例えば、350μm以上1050μm以下、望ましくは400μm以上700μm以下である。
【0103】
第2距離d2(すなわち、第2部分41bの下面41blと第1金属層51の上面51uとの間の距離)は、10μm以上50μm以下、望ましくは20μm以上40μm以下である。第2距離d2は、第2部分41bの下面41blと、第1金属層51の上面51uと、の間における第1接合部材61(第2接合部分61b)のZ軸方向に沿う厚さに相当する。
【0104】
第1長さL1は、例えば、50μm以上1000μm以下、望ましくは100μm以上300μmである。
第2長さL2は、例えば、350μm以上450μm以下である。
【0105】
第1接合部材61のコネクタ部43の側の端61aeと、境界41dと、の間の第1方向D1に沿った距離(第1幅w1、
図3参照)は、例えば、350μm以上550μm以下である。
【0106】
例えば、第3部分41cと、第1接合部材61のコネクタ部43の側の側面61sと、の第1方向D1に沿った距離(例えば第2幅w2、
図3参照)の最小値は、200μm以上400μm以下である。第2幅w2は、例えば、第1金属層51の上面51uと、第1部分41aの下面41alと、の中心を通るX−Y平面内において、第3部分41cと側面61sとの第1方向D1に沿った距離に、実質的に対応する。すなわち、実施形態において、例えば、第1金属層51の上面51uと、第1部分41aの下面41alと、の中心を通るX−Y平面内の、第3部分41cと側面61sとの距離は、200μm以上300μm以下である。
【0107】
例えば、境界41dと、第2部分41bのコネクタ部43の側の端41baと、の第1方向D1に沿った距離(例えば第3幅w3、
図3参照)は、400μm以上600μm以下である。
【0108】
このような形状により、高出力で高信頼性の発光装置が得られる。
上記の第1金属コネクタ45に関する構成は、第2金属コネクタ46にも適用できる。これにより、第2金属コネクタ46に関して高い信頼性が得られ、高出力で高信頼性の発光装置が得られる。
【0109】
(第2の実施形態)
本実施形態は、電子部品48の接合に係る。本実施形態に係る発光装置は、セラミック基板10と、発光素子20と、金属膜11と、金属コネクタ40と、に加え、電子部品48をさらに含む。本実施形態においては、セラミック基板10、発光素子20、金属膜11及び金属コネクタ40の構成は、第1の実施形態に関して説明した構成が適用できる。以下では、電子部品48の構成の例について説明する。
【0110】
図5は、第2の実施形態に係る発光装置を例示する模式的断面図である。
図5は、電子部品48の部分を拡大した模式的断面図である。セラミック基板10の主面10uの上に、第1電子部品金属層55と、第2電子部品金属層56と、が設けられている。第2電子部品金属層56は、第1電子部品金属層55と離間している。第1電子部品金属層55及び第2電子部品金属層56は、金属膜11の一部である。
【0111】
電子部品48は、第1端子48aと、第1端子48aから離間した第2端子48bと、第1端子48aと第2端子48bとの間に設けられた素子部分48cと、を含む。電子部品48は、例えば電解コンデンサである。電子部品48においては、例えば、外囲器が金属である。外囲器が樹脂の場合は、光による劣化が生じる。金属の外囲器を用いることで、光による劣化が抑制できる。
【0112】
第1端子48aの少なくとも一部は、第1電子部品金属層55の上に配置される。第2端子48bの少なくとも一部が、第2電子部品金属層56の上に配置される。この例では、第1端子48aから第2端子48bに向かう方向がY軸方向に設定されている。Y軸方向は、第1電子部品金属層55から第2電子部品金属層56に向かう方向に対応する。
【0113】
第1端子48aと第1電子部品金属層55とが、第1電子部品接合部材65(例えば、はんだ)により接合される、第2端子48bと第2電子部品金属層56とが、第2電子部品接合部材66により接合される。
【0114】
電子部品48を除去した場合には、第2電子部品金属層56は、第1電子部品金属層55と、絶縁される。
【0115】
本実施形態においては、第1端子48aが第1電子部品接合部材65により覆われる部分のZ軸方向に沿う長さ(第3高さh3)は、第1端子48aの厚さT2の3分の2以上である。第2端子48b第2電子部品接合部材66により覆われる部分のZ軸方向に沿う長さは、第2端子48bの厚さの3分の2以上である。第2端子48bの厚さは、例えば、第1端子48aの厚さT2と同じである。例えば、第1端子48aの厚さT2は、例えば、5000μm以上10000μm以下である。
【0116】
第2端子48bにおいても、第1端子48aと同様な構成が適用される。このような構成により、動作時及び点滅時のヒートショックが生じた際に、熱応力に対する高い耐性と、高い機械的強度が得られる。これにより、電子部品48の安定した接合が得られる。これにより、高出力で高信頼性の発光装置が得られる。
【0117】
本実施形態において、第1電子部品金属層55のY軸方向の一端55aと、第1電子部品金属層55のY軸方向の他端55bと、の間に、第1端子48aの端48aeが配置される。一端55aは、第1電子部品金属層55の、素子部分48cの側の端である。他端55bは、第1電子部品金属層55の、一端55aとは反対側の端である。第1端子48aの端48aeは、第1端子48aの素子部分48cとは反対側の端である。
【0118】
第1電子部品金属層55の他端55bと、第1端子48aの端48aeと、の間のY軸方向に沿った距離(第3長さL3)は、例えば、500μm以上1000μm以下である。第2端子48bと第2電子部品金属層56とにおいても、第1端子48aと第1電子部品金属層55との同様の構成が適用できる。
【0119】
第1端子48aと第1電子部品金属層55との間の距離、すなわち、それらの間に設けられる第1電子部品接合部材65の厚さは、例えば、15μm以上40μm以下である。同様に、第2端子48bと第2電子部品金属層56との間の距離、すなわち、それらの間に設けられる第2電子部品接合部材66の厚さは、例えば、15μm以上40μm以下である。
【0120】
本実施形態においては、電子部品48の安定した接合が得られ、高出力で高信頼性の発光装置が得られる。
【0121】
(第3の実施形態)
本実施形態は、セラミック基板10に係る。本実施形態に係る発光装置は、セラミック基板10と、発光素子20と、金属膜11と、金属コネクタ40と、を含む。本実施形態においては、発光素子20、金属膜11及び金属コネクタ40の構成は、第1の実施形態に関して説明した構成が適用できる。以下では、セラミック基板10の構成の例について説明する。
【0122】
図6は、第3の実施形態に係る発光装置を例示する模式的斜視図である。
図6に表したように、本実施形態においては、セラミック基板10の外縁10rに沿って複数の切り込み71が設けられている。例えば、セラミック基板10は、大きな面積のセラミックの板を分割することで形成される。この分割に、例えば、レーザスクライブが用いられる。セラミックの板に、複数のスポットのレーザを照射し、セラミックの板に複数の孔を形成する。複数の孔は、セラミック基板10の外縁10rに沿う形状で並ぶ。複数の孔を形成した後に、セラミックの板に応力を印加する。これにより、複数の孔が並ぶ方向に沿って、セラミックの板が複数の部分に分断される。分断された複数の部分のそれぞれが、セラミック基板10となる。
【0123】
このような方法によってセラミック基板10を形成すると、セラミック基板10の外縁10rに沿って、レーザスクライブ工程で形成された孔の痕跡が残る。セラミックの板の分断において、孔も分断されるため、セラミック基板10の外縁10rに実際に形成されるのは、切り込み71となる。
【0124】
このように、本実施形態に係るセラミック基板10は、レーザスクライブを用いて、セラミックの板が分割されて形成される。
【0125】
本実施形態においては、複数の切り込み71のそれぞれの、セラミック基板10の外縁10rに沿う方向の長さLLは、40μm以上60μm以下である。長さLLは、セラミック基板10の主面10u上での値である。
【0126】
複数の切り込み71のそれぞれの深さdLは、セラミック基板10の厚さT3の0.04倍以上0.30倍以下である。例えば、セラミック基板10の厚さT3は、約620μm以上650μm以下である。このとき、例えば、複数の切り込み71のそれぞれの深さdLは、220μm以上280μm以下である。
【0127】
複数の切り込み71のピッチpLは、例えば、45μm以上55μm以下である。
【0128】
セラミックの板の分割を行う際に、レーザスクライブの条件(径、ピッチ及び深さなど)によっては、レーザスクライブによって形成される切り込み71部分から、クラックが生じる可能性があることが分かった。このクラックは、例えば、高い出力での動作により、セラミック基板10及び他の部品の温度が高まったときに特に生じ易い。さらに、点滅により大きなヒートショックが加わった場合に、特に生じやすいことが分かった。
【0129】
本願発明者は、レーザスクライブによる切り込み71(すなわち、レーサにより形成される孔)の形、ピッチ及び深さなどを変えた試料を作製し、それらの試料を動作試験、及び点滅試験を行うことで、切り込み71に適正な条件が存在することを掴んだ。
【0130】
複数の切り込み71のそれぞれの、セラミック基板10の外縁10rに沿う方向の長さLLを、40μm以上60μm以下とすることで、クラックが抑制できる。
【0131】
さらに、複数の切り込み71のそれぞれの深さdLを、セラミック基板10の厚さT3の○倍以上○倍以下とすることで、良好な分断性を得つつ、クラックの発生を抑制できる。さらに、複数の切り込み71のピッチを、45μm以上55μm以下とすることで、さらに良好な分断性を得つつ、クラックの発生をさらに抑制できる。
【0132】
本実施形態においては、セラミック基板10は、セラミックの板を分断することで形成される。この分断は、例えば、セラミック基板10の上に発光素子20及び金属コネクタ40の少なくともいずれかを実装した後に、行われる。これにより、高い生産性が得られる。この分断は、例えば、セラミック基板10の上に発光素子20及び金属コネクタ40の少なくともいずれかを実装する前に実施しても良い。
【0133】
図6に例示したように、セラミック基板10の主面10uに溝72が設けられる場合がある。この溝72は、例えば、レーザマークである。所定の形状の溝72が形成されることにより、セラミック基板10に所望の記号などが付与できる。レーザマークとなる溝72は、セラミック基板10の裏面(主面10uとは反対側の件)に設けても良い。
【0134】
(第4の実施形態)
本実施形態は、セラミック基板10の溝72に係る。本実施形態に係る発光装置は、セラミック基板10と、発光素子20と、金属膜11と、金属コネクタ40と、を含む。本実施形態においては、発光素子20、金属膜11及び金属コネクタ40の構成は、第1の実施形態に関して説明した構成が適用できる。以下では、セラミック基板10の溝72の構成の例について説明する。
【0135】
図7は、第4の実施形態に係る発光装置を例示する模式的斜視図である。
図7は、
図6のC1−C2線断面に相当する断面図である。
図7に表したように、セラミック基板10の例えば主面10uに溝72が形成されている。溝72、例えば、CO
2レーザにより形成される。
【0136】
溝72の幅wmは、例えば、130μm以上170μm以下である。溝72の幅wmは、溝72の延在方向に対して垂直な方向における溝72の幅である。溝72の壁面がテーパ状である場合は、幅wmは、溝72の上端(すなわち、主面10u上の位置)における溝72の幅とする。
【0137】
一方、溝72の深さdmは、セラミック基板10の厚さT3の0.31倍以上0.63倍以下である。セラミック基板10の厚さT3は、例えば、500μm以上1000μm以下である。セラミック基板10の厚さT3が約635μmのときには、溝72の深さdmは、例えば20μm以上40μm以下に設定される。
このような溝72により、クラックの発生が抑制できる。これにより、高出力で高信頼性の発光装置が提供できる。
【0138】
本実施形態において、溝72の部分には、レーザが照射されたことにより、セラミック基板10となる材料(例えば酸化アルミニウム)の結晶化が進行する。結晶化が進行すると、結晶粒のサイズが大きくなる。このため、その部分の光透過率が部分的に高まる。
【0139】
このように、溝72の部分、及び、溝72の部分の近傍においては、他の部分の光透過率よりも高い透過率が得られる。そして、溝72の部分、及び、溝72の部分の近傍における結晶の粒径は、他の部分の結晶の粒径よりも大きい。
【0140】
第1〜第4の実施形態に係る発光装置は、例えば、投光機などの照明装置などの光源として利用することができる。
(第5の実施形態)
図8は、第5の実施形態に係る照明装置を例示する模式的斜視図である。
図8に表したように、本実施形態に係る照明装置210は、上記の実施形態に関して説明した発光装置と、その発光装置のセラミック基板に接続された基体150と、を含む。この例では、第1の実施形態に関して説明した発光装置110が用いられている。本実施形態において、上記の実施形態に関して説明した発光装置または、その変形の発光装置を用いることができる。
【0141】
基体150として、放熱性の高い金属などの材料が用いられる。照明装置210においても、高出力で信頼性の高い照明装置が提供できる。
【0142】
実施形態によれば、高出力で高信頼性の発光装置及び照明装置が提供される。
【0143】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0144】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光装置に含まれるセラミック基板、金属層、金属コネクタ及び接合部材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0145】
その他、本発明の実施の形態として上述した発光装置及び照明装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての発光装置及び照明装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0146】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。