(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5999518
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】懸滴プレート
(51)【国際特許分類】
C12M 3/00 20060101AFI20160915BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20160915BHJP
C12N 5/0735 20100101ALI20160915BHJP
【FI】
C12M3/00 Z
C12Q1/02
C12N5/0735
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-555882(P2013-555882)
(86)(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公表番号】特表2014-506799(P2014-506799A)
(43)【公表日】2014年3月20日
(86)【国際出願番号】EP2012053588
(87)【国際公開番号】WO2012117083
(87)【国際公開日】20120907
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】11156741.8
(32)【優先日】2011年3月3日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512115852
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロッシュ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】特許業務法人 松原・村木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファッティンガー クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】イエザ パトリック
(72)【発明者】
【氏名】キスリング トム
(72)【発明者】
【氏名】フォーゲリン ディエター
(72)【発明者】
【氏名】ツムシュタイン トマス
(72)【発明者】
【氏名】マクギニス クラウディア
【審査官】
伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/031194(WO,A1)
【文献】
国際公開第2003/078700(WO,A1)
【文献】
特表2001−502057(JP,A)
【文献】
特開2004−254622(JP,A)
【文献】
特開2009−050194(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/123741(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 3/00
C12Q 1/00
C12N 5/00
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ液体の液滴(20,21;40,41,42;60,61,52,63,64)を受けることが可能な所定数の液滴区画(10;30;50;60;90)を含み、各液滴区画(10;30;50;60;90)が、円周微小流体湿潤バリア(102;302;502;702;902)を含み、当該円周微小流体湿潤バリアは、各凹部(100;500)を囲繞するように配置されるとともに、微小流体湿潤バリアを超えて液滴が広がるのを防ぐように構成された懸滴プレート(1;3;5;6;9)であって、
各液滴区画(10;30;50;60;90)は、閉塞した底部(101;501)と、少なくとも1つの追加の円周微小流体湿潤バリア(104;304,306;504,506,508,510;604,606;904,906)を含み、各追加の円周微小流体湿潤バリア(104;304,306;504,506,508,510;604,606;904,906)は、湿潤性領域(103;303,305;503,505,507,509)が2つの隣接して設けられた微小流体湿潤バリアの間に配置された状態で、前記円周微小流体湿潤バリア(102;302,304;502,504,506,508;604,606;904,906)を囲繞するように配置されていることを特徴とする懸滴プレート。
【請求項2】
前記各液滴区画がウェル(10;30;60;90)であることを特徴とする請求項1に記載の懸滴プレート。
【請求項3】
前記円周微小流体湿潤バリアは、円周縁部(102)を含み、
前記少なくとも1つの追加の円周微小流体湿潤バリアは、少なくとも1つの追加の円周縁部(104)を含み、各追加の円周縁部(104)は、前記湿潤性領域(103)が2つの隣接して設けられた円周縁部(102,104)の間に配置された状態で、前記円周縁部(102)を囲繞するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の懸滴プレート。
【請求項4】
2つの隣接する円周縁部(102,104)が、段状に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の懸滴プレート。
【請求項5】
前記円周微小流体湿潤バリアは、円周リム(302;502;602;902)を含み、
前記少なくとも1つの追加の微小流体湿潤バリアは、追加の円周リムを含み、各追加の円周リム(304,306;504,506,508,510;604,606;904;906)は、前記湿潤性領域(303,305;503,505,507,509)が2つの隣接して設けられた円周リムの間に配置された状態で、前記円周リム(302,304;502,504,506,508;602,604;902,904)を囲繞していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の懸滴プレート。
【請求項6】
前記隣接して設けられた円周リム(302,304,306;602,604,606;902,904,906)が、段状に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の懸滴プレート。
【請求項7】
前記懸滴プレートが、所定数の穴(610;910)を有する個別に製造されたプレート(61;91)と、液滴区画を形成する対応する所定数の個別に製造されたウェル(60;90)とからなり、個別に製造された各ウェル(60;90)が、前記個別に製造されたプレート(61;91)のそれぞれの穴(610;910)に圧入されることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の懸滴プレート。
【請求項8】
前記個別に製造されたウェル(60;90)が、前記プレート(6;9)における前記プレート(6;9)の外面(611,911)を形成する側から前記穴(610;910)に圧入されることを特徴とする請求項7に記載の懸滴プレート。
【請求項9】
24個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の懸滴プレート。
【請求項10】
前記円周リム(503,504,506,508,510)が、平面上に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の懸滴プレート。
【請求項11】
所定数の液滴区画(10;30;50;60,90)またはウェルを有する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の懸滴プレート(1;3;5;6;9)と、前記懸滴プレートの前記所定数の液滴区画(10;30;50;60;90)またはウェルに対応する数のウェル(70)を有する受けプレート(7)とを含み、
前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)と前記受けプレート(7)は、組み付けた状態で、前記受けプレートのウェル(70)が、前記懸滴プレートの前記液滴区画(10;30;50;60;90)またはウェルに位置合わせして配置されるように組み付けられることを特徴とする懸滴プレート組立体。
【請求項12】
細胞に対する毒性を調べるために物質を検査する方法であって、 a)それぞれが所定量の被検物質および液体培地と、複数の細胞(82)とを含んでいる所定数の液滴(20;40;64)を、懸滴プレート(1;3;5;6;9)の対応する数の液滴区画(10;30;50;60;90)に導入するステップと、 b)前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)を反転し、前記液滴が前記各液滴区画(10;30;50;60;90)から懸垂して、前記細胞(82)が各液滴(20;40;64)内で3次元細胞凝集体(83)を形成するように、前記懸滴プレートが前記液滴(20;40;64)を保持した状態で、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)を所定時間培養するステップと、 c)前記各液滴区画(10;30;50;60;90)内で、前記液滴(20;40;64)に追加の液体培地を供給して、3次元細胞凝集体(83)のさらなる成長を促進させるステップと、 d)前記被検物質が前記3次元細胞凝集体(83)に対して有毒であるかどうか評価するため、前記3次元細胞凝集体(83)を分析するステップと、を含み、 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の懸滴プレート(1;3;5;6;9)が使用され、 前記ステップc)は、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)を再反転し、追加の液体培地の液滴を前記3次元細胞凝集体を含む各液滴に付加して、前記各液滴区画(10;30;50;60;90)内にそれぞれ大きな液滴(21;41,42;65,66,67,68)を形成し、その後、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)を再度反転して、前記液滴区画(10;30;50;60;90)から懸垂する前記各大きな液滴(21;41,42;65,66,67,68)内で、前記3次元細胞凝集体(83)を成長させることで行われることを特徴とする方法。
【請求項13】
e)前記成長した3次元細胞凝集体(83)を、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)の前記液滴区画(10;30;50;60;90)から受けプレート(7)の対応する数のウェル(70)へと移動させるステップと、
f)前記3次元細胞凝集体(83)を含む前記ウェル(70)を備えた前記受けプレート(7)を、さらに所定時間培養するステップと、
g)培養後、前記被検物質が前記3次元細胞凝集体に対して有毒であるかどうか評価するため、前記3次元細胞凝集体を分析するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップe)は、前記受けプレート(7)の前記各ウェル(70)が、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)の前記各液滴区画(10;30;50;60;90)と対向して配置されるように、前記懸滴プレート(1;3;5;6;9)と前記受けプレート(7)を組み付けて、その後、当該組み付けたプレートを遠心分離にかけることで行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記細胞(82)が胚性幹細胞であり、前記3次元細胞凝集体(82)が胚様体であり、
前記被検物質が前記3次元細胞凝集体に対して有毒であるかどうか評価するため、前記3次元細胞凝集体(83)を分析するステップは、前記胚様体が心筋細胞を含むかどうか分析することにより行われることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立クレームに記載された懸滴プレートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
3次元構造で培養される細胞は、従来の2次元(単層)培養での細胞に比べて、例えば、創薬または毒性分析のような多数の適用や分析において生理学的により重要性が高いことが一般的に認められている。このような3次元細胞凝集体を形成するため、懸滴プレートが提案されている。懸濁細胞を有する細胞培地の液滴は、このようなプレートの培養区画またはウェル(well)内に載置された後、プレートが反転される。細胞が表面に付着できる利用可能な基質が存在しないので、細胞は懸滴の頂点に蓄積し、3次元細胞凝集体を形成する。胚性幹細胞(ES細胞; embryonic stem cells)を使用する場合、これらの幹細胞は液滴の頂点に沈下し、そこで幹細胞どうしが集まって、胚様体と呼ばれる3次元細胞凝集体を形成する。
【0003】
プレートの反転が不要な懸滴プレートが、国際公開パンフレットWO2010/031194に示されている。この参照文献に示されているプレートは、プレート本体と、第1および第2の平行な面と、本体全体を第1の(上)面から第2の(下)面に垂直に貫通する複数の導管とを含む。導管は、第1の(上)面に近接する位置に設けられた漏斗形状の入口区画と、第2の(下)面に近接する位置に設けられた逆漏斗形状の培養区画と、入口区画と培養区画との間に配置された毛細管部分とを含む。本体の第2の(下)面から突出して、各培養区画を囲繞する個別のリム形状を有するレリーフ構造が設けられている。これらのリムにより、液滴がリムを超えて広がることが防止される。
【0004】
細胞を含む液体は、入口区画と毛細管部分を介して導入される。一例として、幹細胞を含む液体培地が、このような方法で培養区画に導入され、液滴が懸垂したプレートを所定時間培養することで、細胞が凝集して3次元胚様体が形成される。しばらくした後に新しい液体培地を供給する必要がある場合には、入口区画と毛細管部分を介して「古い」液体培地を(例えば、ピペットにより)吸引して、その後、上述した方法で「新しい」液体培地を供給する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
WO2010/031194に記載されたプレートは、細胞を培養して3次元細胞凝集体を形成するには概ね適しているが、まだ改良の余地がある。例えば、入口区画と毛細管部分を介して古い液体培地を吸引するため、吸引装置(例えば、ピペット)が必要であり、吸引装置は、最適な吸引が行われるように、入口区画の壁に対してしっかりと嵌合するように構成されていなければならない。次に新しい液体培地を供給する場合にも、同様のことが言える。しかしながら、さらに重要な事として、各培養区画内で懸滴の安定性には限りがあることである。別の不利益としては、制御できない割合で、開口した入口区画を介して液体が蒸発することがあることである。
【0006】
したがって、本発明の目的は、懸滴の安定性と液体の蒸発に関する上述した問題を解決する懸滴プレートを提案することである。また、液体培地の追加供給または交換を簡単に行うことも必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明は、懸滴プレートに関する独立クレームの特徴によって特定されるような懸滴プレートを提案する。さらに、本発明による懸滴プレートの各実施例は、従属クレームの対象とする。
【0008】
特に、本発明は、それぞれ液体の液滴を受けることが可能な所定数の液滴区画を含む懸滴プレートを提案する。各液滴区画は、円周微小流体湿潤バリアを含み、当該円周微小流体湿潤バリアは、各凹部を囲繞するように配置されるとともに、微小流体湿潤バリアを超えて液滴が広がるのを防ぐ。さらに、各区画は、閉塞した底部と、少なくとも1つの追加の円周微小流体湿潤バリアを含み、各追加の円周微小流体湿潤バリアは、湿潤性領域が2つの隣接して設けられた微小流体湿潤バリアの間に配置された状態で、前記円周微小流体湿潤バリアを囲繞するように配置されている。
【0009】
特に、WO2010/031194に示された懸滴プレートと比較すると、培養区画の閉塞した底部構造と円周湿潤バリアが、各培養区画から懸垂する液滴の安定性を改善する役割を果たしており、これは、入口区画で空気接触がある構成を有するWO2010/031194の懸滴プレートとは対照的に、空気接触が存在しないことによるものと考えられる。また、空気接触が存在しないことにより、液体の蒸発が大幅に減少される。
【0010】
さらに、培養区画内にすでに含まれている液滴に追加の液体培地の液滴を供給して大きな液滴を形成するため、懸滴プレートを再反転する必要があるが、この再反転を簡単で便利な方法で行うことができる。これは、第1には液滴の優れた安定性に起因するものであり、第2には、液体培地の液滴を簡単に追加供給できる、追加の円周微小流体湿潤バリアと、当該追加の円周微小流体湿潤バリアと前記微小流体湿潤バリアとの間の湿潤性領域に起因するものである。このように形成された大きな液滴は、前記追加の微小流体バリアにより広がることが防止されるので、懸滴構成へとプレートが再度反転された後、大きな液滴の優れた安定性が維持される。追加の微小流体湿潤バリアの数は、一般的には限定されないが、実施例では、単に1つまたは2つの追加の微小流体湿潤バリアが存在してもよい。
【0011】
本発明による懸滴プレートの一実施例では、各液滴区画がウェルであることを特徴とする一方、別の実施例では、液滴区画を(それぞれ微小流体湿潤バリアで囲繞された)平面によって形成してもよい。
【0012】
本発明による懸滴プレートの他の実施例では、円周微小流体湿潤バリアが円周縁部を含み、少なくとも1つの追加の円周微小流体湿潤バリアが、少なくとも1つの追加の円周縁部を含む。各追加の円周縁部は、湿潤性領域が2つの隣接して設けられた円周縁部の間に配置された状態で、前記円周縁部を囲繞するように配置されている。この実施例の他の変形例では、2つの隣接する円周縁部が段状に配置されている。
【0013】
他の実施例では、本発明による懸滴プレートが、所定数の穴を有する個別に製造されたプレートと、液滴区画を形成する対応する所定数の個別に製造されたウェルとからなり、個別に製造された各ウェルが、個別に製造されたプレートのそれぞれの穴に圧入される。これにより、ポリスチレンまたは他の好適な材料から形成することができるプレートとウェルの両方を簡単に製造することができる。個別に製造されたプレートとウェルは、ウェルを穴に圧入することで簡単に組み付けることができる。一般的には、ウェルをプレートの内面に超音波溶着するという選択肢もある(この場合、プレートに穴を設けなくてもよいかもしれない)が、超音波溶着によりウェルに含まれる内容物の顕微分析がより困難になることもあるので、ウェルを穴に圧入することが望ましい。
【0014】
本発明による懸滴プレートの他の実施例では、個別に製造されたウェルが、プレートにおけるプレートの外面を形成する側から穴に圧入される。これにより、プレートとウェルの組み付けが簡単になり、組み付けを自動的に行ってもよい。好適な実施例では、本発明による懸滴プレートは、24個のウェル、96個のウェル、または384個のウェルを含んでもよい。
【0015】
本発明による懸滴プレートの別の実施例では、円周微小流体湿潤バリアが円周リムを含み、少なくとも1つの追加の微小流体湿潤バリアが追加の円周リムを含み、各追加の円周リムは、湿潤性領域が2つの隣接して設けられた円周リムの間に配置された状態で、前記円周リムを囲繞している。この実施例の一変形例では、隣接して配置された円周リムが段状に配置されていることを特徴とする一方、この実施例の別の変形例では、円周リムが平面上に配置されている。
【0016】
本発明の他の態様は、上述した本発明による懸滴プレートと、受けプレートとを含む懸滴プレート組立体に関する。懸滴プレートは、所定数の液滴区画またはウェルを有し、受けプレートは、懸滴プレートの所定数の液滴区画またはウェルに対応する数のウェルを有する。懸滴プレートと受けプレートは、組み付けた状態で、受けプレートのウェルが、懸滴プレートの液滴区画またはウェルに位置合わせして配置されるように組み付けられる。このような組立体により、組立体を遠心分離することで、3次元細胞凝集体を懸滴プレートから受けプレートのウェルまで簡単に移動することができる。
【0017】
本発明の別の態様は、細胞に対する毒性を調べるために物質を検査する方法に関する。この方法は、
a)それぞれが所定量の被検物質および液体培地と、複数の細胞とを含んでいる所定数の液滴を、懸滴プレートの対応する数の培養区画に導入するステップと、
b)懸滴プレートを反転し、液滴が各液滴区画から懸垂して、細胞が各液滴内で3次元細胞凝集体を形成するように、懸滴プレートが液滴を保持した状態で、懸滴プレートを所定時間培養するステップと、
c)培養区画内で、液滴に追加の液体培地を供給して、3次元細胞凝集体のさらなる成長を促進させるステップと、
d)被検物質が3次元細胞凝集体に対して有毒であるかどうか評価するため、3次元細胞凝集体を分析するステップと、を含む。
本発明によるこの方法では、上述した本発明による懸滴プレートが使用され、ステップc)は、懸滴プレートを再反転し、追加の液体培地の液滴を3次元細胞凝集体を含む各液滴に付加して、各培養区画内にそれぞれ大きな液滴を形成することで行われる。その後、懸滴プレートを再度反転して、培養区画から懸垂する各大きな液滴内で、3次元細胞凝集体を成長させる。この方法による利点は、本発明の懸滴プレートの利点を説明した際に既に言及している。さらに、追加の液体培地の供給等、少なくともいくつかの工程ステップを自動化することができる。
【0018】
本発明による方法の一実施例は、さらに、
e)成長した3次元細胞凝集体を、懸滴プレートの培養区画から受けプレートの対応する数のウェルへと移動させるステップと、
f)3次元細胞凝集体を含むウェルを備えた受けプレートを、さらに所定時間培養するステップと、
g)培養後、被検物質が3次元細胞凝集体に対して有毒であるかどうか評価するため、3次元細胞凝集体を分析するステップと、を含む。
本発明による方法のこの実施例の好適な変形例では、ステップe)は、受けプレートの各ウェルが、懸滴プレートの各培養区画と対向して配置されるように、懸滴プレートと受けプレートを組み付けて、その後、当該組み付けたプレートを遠心分離にかけることで行われる。これにより、好適且つ自動的に、3次元細胞凝集体を懸滴プレートから受けプレートの各ウェルまで移すことができる。
【0019】
本発明による方法の実施例では、細胞が胚性幹細胞であり、3次元細胞凝集体が胚様体である。被検物質が3次元細胞凝集体に対して有毒であるかどうか評価するため、3次元細胞凝集体を分析するステップは、胚様体が心筋細胞を含むかどうか分析することにより行われる。この実施例は、心筋細胞が鼓動を打つので、3次元細胞凝集体の中に心筋細胞が存在することを容易に検出できて便利である。
【0020】
本発明の他の有利な特徴は、図面を参照して示す各実施例の以下の詳細な説明により、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明による懸滴プレートの第1実施例の斜視図であり、一つのウェルが液滴を含み、別のウェルは追加の液滴が付加された液滴を含んでいる。
【
図3】
図3は、
図2のIII−III線に沿った断面図であり、懸滴プレートが再反転された状態を示す。
【
図4】
図4は、
図2のIII−III線に沿った断面図であり、懸滴プレートが反転された状態を示す。
【
図6】
図6は、
図1の懸滴プレートの実施例における一つのウェルの拡大図である。
【
図7】
図7は、本発明による懸滴プレートの第2実施例におけるウェルの断面図であり、ウェルが液滴を含んでいる。
【
図8】
図8は、懸滴プレートの第2実施例におけるウェルを示し、追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図9】
図9は、懸滴プレートの第2実施例におけるウェルを示し、さらに追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図10】
図10は、本発明による懸滴プレートの第3実施例の断面図であり、液滴区画が液滴を含んでいる。
【
図11】
図11は、本発明による懸滴プレートの第3実施例を示し、追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図12】
図12は、本発明による懸滴プレートの第3実施例を示し、さらに追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図13】
図13は、本発明による液滴プレートの第3実施例を示し、さらに追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図14】
図14は、本発明による液滴プレートの第4実施例を示し、さらに追加の液滴が付加された状態を示す。
【
図15】
図15は、本発明による懸滴プレートを使用した胚性幹細胞分析の具体例を示す。
【
図16】
図16は、本発明による24ウェル懸滴プレートの実施例における個別に製造されたウェルの斜視図である。
【
図18】
図18は、本発明による24ウェル懸滴プレートの実施例における個別に製造されたプレートの上面図であり、
図16に示す個別に製造されたウェルをその穴に挿入することができる。
【
図21】
図21は、24ウェル懸滴プレートの上面図であり、
図16のウェルが
図18のプレートの穴に挿入されている状態を示す。
【
図24】
図24は、
図22の断面図の細部を示し、一つの穴に挿入された一つのウェルを含んでいる。
【
図25】
図25は、
図21の24ウェル懸滴プレートを装着可能な(
図15に示す組立体と同様の)他の24ウェルプレートの実施例の斜視図である。
【
図29】
図29は、本発明による96ウェル懸滴プレートの実施例における個別に製造されたウェルの拡大斜視図である。
【
図31】
図31は、
図29のウェルの細部を示し、ウェルは微小流体湿潤バリアを形成する段状の円周リムを含んでいる。
【
図32】
図32は、本発明による96ウェル懸滴プレートの実施例における個別に製造されたプレートの上面図であり、
図29に示す個別に製造されたウェルをその穴に挿入することができる。
【
図35】
図35は、96ウェル懸滴プレートの上面図であり、
図29に示すウェルが
図32に示すプレートの穴に挿入されている状態を示す。
【
図38】
図38は、
図36の断面図の細部を示し、一つの穴に挿入された一つのウェルが示されている。
【
図39】
図39は、
図35の96ウェル懸滴プレートを装着可能な(
図15に示す組立体と同様の)他の96ウェルプレートの実施例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から
図6は、本発明の懸滴プレート1の第1実施例またはその詳細を様々な図で示す(上記参照)。プレート1は、ウェル10の形状を有する所定数の液滴区画を含む。図示した実施例は24ウェルプレートであるが、他の如何なる個数のウェルも考えられる。好適なプレートは、96ウェルプレートまたは384ウェルプレート等の標準マイクロウェルプレートに従って配列された標準化された個数のウェルを有する。
【0023】
一般的に、ウェルの異なる実施例が考えられるが、懸滴プレート1の実施例のウェル10は、
図6の拡大図に示すように実施される。ウェル10は、閉塞した底部101を有する第1凹部100を囲繞する尖った円周縁部102の形状の第1円周湿潤バリアを含む。第1円周縁部102は、第2の尖った円周縁部104で囲繞され、湿潤性領域103が第1円周縁部102と第2円周縁部との間に配置されている。
図6に示すように、これらの円周縁部は段状に配置されているが、このような配置は必須ではない。環状の切欠き105が、第2円周縁部104を囲繞するように設けられている。
【0024】
ウェル10がこのような幾何学形状を有する理由は、ウェル10に液滴を供給して、ウェル10から液滴を懸垂させる工程を表す
図3、
図4および
図5を参照することで、より明確になる。
図3では、懸滴プレート1が再反転位置、すなわちウェル10が上方を向いた状態で示されている。最も外側の左側位置に配置されたウェル10には、小さな液滴20を確認することができる。左側から2番目のウェルでは、大きな液滴21を確認することができ、この液滴は、大きな液滴21を形成するために液滴20に別の液滴を供給することで得られたものである。ウェル10に液滴を供給する場合、例えば、ピペットを用いて行うことができる。特にウェル10内への液滴の載置は、ピペッティングロボットを用いて行うことができるが、手作業で行うこともできる。ウェルから液体を吸引する場合(例えば、「古い」液体培地を「新しい」液体培地と交換することを意図する場合)、液滴に容易にアクセスできるので、簡単に行うことができる。
【0025】
図4は、小さな液滴20と大きな液滴21が各ウェル10から懸垂する位置にある懸滴プレート1を示し、この位置は、
図4の細部Vを示す
図5で最も良く見ることができる。小さな液滴20が最も外側の左側のウェル10から懸垂し、大きな液滴21が左側から2番目のウェル10から懸垂している。
【0026】
図5および
図6から、液滴20および大きな液滴21が縁部を超えて広がるのを防止する微小流体バリアとしての第1および第2円周縁部102,104の機能がより明確になる。したがって、第1および第2円周縁部102,104は、各ウェル10から懸垂する液滴の安定化に寄与する。第2円周縁部104に関しては、この効果が環状の切欠き105によって高められている。第1および第2円周縁部102,104の間に配置された湿潤性領域103(
図6参照)により、液滴20に追加の液滴を加えて大きな液滴21(
図4および
図5参照)を形成することが簡単に行える。ウェル10の閉塞した底部100は、底部を貫通する孔または溝を介して液体が蒸発することを防ぎ、「背面」空気が液滴を押圧することを防止したことで、ウェルから懸垂する液滴を安定させる役割も果たす。
【0027】
本発明の懸滴プレートの第2実施例を、それぞれ懸滴プレート3の単一のウェル30のみを示した
図7から
図9に示す。この実施例は、各微小流体バリアを超えて液滴が広がるのを防止する微小流体バリアの段状構成を含んでいる点において、すでに詳述した第1実施例と何らかの関係がある。しかしながら、第2実施例は、尖った縁部の代わりに、ウェル30が、凹部301を囲繞し、当該凹部を超えてウェル30の開放端部側に突出する第1円周リム302によって囲繞された閉塞底部300を有する凹部301を含む点において第1実施例と異なる。
図7は、ウェル30から懸垂する小さな液滴40を示す。液滴40は、微小流体バリアを形成する第1円周リム302によって、凹部301内に保持される。
【0028】
図8は、液滴40に別の液滴を加えて大きな液滴41を形成した点が
図7と異なっている。大きな液滴41は、第1円周リム302を囲繞する第2円周リム304によって保持され、第1円周リム302と第2円周リム304との間には湿潤性領域303が配置されている。第2円周リム304もまた、リム304を超えて大きな液滴41が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0029】
図9は、大きな液滴41にさらに別の液滴を加えて、さらに大きな液滴42を形成した点が
図8と異なっている。液滴42は、第2円周リム304を囲繞する第3円周リム306によって保持され、第2円周リム304と第3円周リム306との間には別の湿潤性領域305が配置されている。第3円周リム306もまた、リム306を超えてさらに大きな液滴42が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0030】
図10乃至
図14は、本発明による懸滴プレート5の第3実施例の単一の液滴区画50を示す。懸滴プレート5のこの実施例は、その区画50が段状構成の微小流体バリアを含まずに、円周リム形状の微小流体バリアが、プレート5の平らな下面に配置されている点で第1、第2実施例と異なる。区画50もまた、閉塞した底部500を含む一方、凹部501は、凹部501を囲繞してプレート5の下面から突出する第1円周リム502によって境界される。
図10は、区画50から懸垂する小さな液滴64を示す。液滴64は、微小流体バリアを形成する第1円周リム502によって、凹部501内に保持される。
【0031】
図11は、別の液滴を液滴64に加えて大きな液滴65を形成したかどうか(また、最初の工程として液滴区画50に大きな液滴41を導入することができるかどうか)の点において
図10と異なっている。大きな液滴65は、第1円周リム302を囲繞する第2円周リム504によって保持され、第1円周リム502と第2円周リム504との間には湿潤性領域503が配置されている。第2円周リム504もまた、リム504を超えて大きな液滴65が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0032】
図12は、第2円周リム504を囲繞する第3円周リム506によって保持されたさらに大きな液滴66を示し、さらに別の湿潤性領域505が第2円周リム604と第3円周リム506との間に配置されている。第3円周リム506もまた、リム506を超えて液滴66が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0033】
図13は、第3円周リム506を囲繞する第4円周リム508によって保持されたさらに別の大きな液滴67を示し、さらに他の湿潤性領域507が第3円周リム506と第4円周リム508との間に配置されている。第4円周リム508もまた、リム508を超えてさらに大きな液滴67が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0034】
最後に、
図14は、第4円周リム508を囲繞する第5円周リム510によって保持されたさらに大きな液滴68を示し、別の湿潤性領域509が第4円周リム508と第5円周リム510との間に配置されている。上述したものと同様に、第5円周リム510は、リム510を超えてさらに大きな液滴68が広がるのを防止する微小流体バリアとして作用する。
【0035】
図15では、胚性幹細胞分析の具体例を示し、本発明の懸滴プレートの上述した実施例のいずれも使用することができる本発明の方法の実施例を示している。以下の分析の説明では、本発明の懸滴プレート1の第1実施例を使用するものとする。分析のこの実施例では、胚様体に対する物質の毒性が検査される。このため、所定数の液滴が、対応する数の液滴区画またはウェル内に導入される。各液滴は、所定量の被験物質と、液体培地と、複数の幹細胞82とを含む。懸滴プレート1の第1実施例の場合、プレート1が再反転位置(
図4参照)にある間、対応するウェル10内に24滴の液滴20を導入してもよい。ウェル10に液滴20を導入した後、プレート1は反転され、懸滴プレート1のウェル10と対向して配された対応する数のウェル70を有する別のプレート7と組み付けられて、閉塞した組立体を形成する。ウェル70も培地を含んでいてもよい。このように形成された組立体は、既に詳述したように、液滴20がウェル10から懸垂するものであってもよい。このように形成された組立体(
図15の左上参照)は、所定時間、例えば3日間培養される。この培養期間の間、各液滴に含まれる幹細胞82は沈下して、各液滴20内の頂点、すなわち液滴20の最下点(
図15の右上参照)で、3次元胚様体83(より一般的には、3次元細胞凝集体)を形成する。
【0036】
第1培養期間の後、液滴20に追加の液体培地を供給して、胚様体83のさらなる成長を促進させることが必要になるかもしれない。このため、組立体を再度開いて、プレート1を再反転させる。この再反転位置で、追加の液体培地を各ウェル10内の各液滴20に供給して、大きな液滴21を形成する。大きな液滴21を形成するために追加の液体培地が供給されると、プレート1は再度反転され、別のプレート7と再度組み付けられる(別のプレート7のウェル70も新しい液体培地を含んでいてもよい)。このように形成された組立体は、さらに所定時間、例えば2日間培養され、胚様体をさらに成長させる。
【0037】
さらなる培養期間の後、当技術部分野で周知の遠心分離機を用いて遠心分離することで、胚様体83をプレート7(受けプレート)のウェルへ移動させてもよい。液体培地を含むプレート7のウェル70内に胚様体83を遠心分離した後、組立体を別の所定時間、例えば5日から7日間培養してもよい。胚様体83は、プレート7の各ウェル70の平坦な底部に沈下する。
【0038】
この培養期間の後、組立体を再度開き、被験物質が細胞に対して有毒であるかどうかについて、細胞凝集体を検査することができる。様々な種類の分析が考えられるが、一つの種類の分析として、顕微鏡を用いて細胞凝集体を分析することが挙げられる。細胞凝集体はプレート7のウェルの平坦な底部に溜まるので、顕微分析が可能である。例えば、細胞凝集体が心筋細胞を含むかどうか検査することができる。なぜなら心筋細胞のような細胞は収縮および膨張する(鼓動を打つ)ので、この種の細胞は顕微鏡下で簡単に特定できるからである。
【0039】
上述したように遠心分離によって胚様体または3次元細胞凝集体を別のプレート7のウェル70に移動させることは、任意である。代わりに、組立体を再度開き、遠心分離時に胚様体または3次元細胞凝集体が液滴の頂点からウェル10の底部101(
図6参照)へと移動するように、プレート1を遠心分離機に取り付けることができる。その後、胚様体がウェル10の底部101に配置されて、顕微分析用の安定したバックグラウンドを形成するので、顕微鏡を用いて胚様体をプレートのウェル10内で分析することができる。
【0040】
図16乃至
図24は、本発明の懸滴プレート6(
図21乃至
図23)の他の実施例を示す。この実施例は、個別に製造されたウェル60(
図16および
図17参照)を含み、これらのウェル60は、個別に製造されたプレート61(
図18乃至
図20参照)の穴610に圧入することができる。
図17に示す個別に製造されたウェル60の断面図から分かるように、ウェル60は、第1円周リム602と、第2円周リム604と、第3円周リム606とを含む。ウェルの構造と機能、第1、第2および第3円周リムの構造と機能については、
図7、
図8および
図9を参照して既に詳細を説明しているので、上述した説明のこれらの部分を参照することとする。図示した実施例では、ウェル60は、プレート61におけるプレート61の外面611を形成する側から、プレート61の穴610に圧入される。すべてのウェル60が穴610に圧入されると、ウェル60はプレート61に固定して取り付けられ、懸滴プレート6が完成する(
図21乃至
図24)。
【0041】
代わりに、個別に製造されたウェル60を(例えば、超音波溶着または接着により)プレート61の内面612に取り付けることも考えられる。この場合、プレート61は穴を含まないものでもよい。しかしながら、ウェル60をプレート61の内面612に超音波溶着または接着した箇所が見えてしまい、ウェルの中身を顕微分析することがより困難になる虞がある。したがって、ウェル60をプレート61の穴610に圧入することが望ましい。
【0042】
図25および
図26は、懸滴プレート6のウェル60の数と対応する数のウェル80を含む他のプレート8の実施例を示す。他のプレート8のウェル80も、懸滴プレート6のウェル60の配置と対応するように配置されている。
【0043】
図27および
図28に示すように、懸滴プレート6は、懸滴プレート6の各ウェル60が他のプレート8の対応するウェル80の上に配置されるように、他のプレート8の上に積層して取り付けることができる。このように組み立てる一つの目的は、
図15に関連して既に詳細を説明しているので、上述した説明のこれらの部分を参照することとする。
【0044】
図16乃至
図28を参照すると、24ウェルプレートまたは24ウェルプレートの組立体のみが記載されているが、以下で明らかになるように、96ウェルプレートに同様の構成を適用することも可能である。
【0045】
図29乃至
図38は、96ウェル懸滴プレートとして構成された、本発明の懸滴プレート9(
図35乃至
図37)のさらに別の実施例を示す。24ウェルの実施例と同様に、96ウェルの実施例は、個別に製造されたウェル90(
図29乃至
図31参照)を含み、これらのウェル90は、個別に製造されたプレート91(
図32乃至
図34参照)の穴910に圧入することができる。
図30および
図31に示す個別に製造されたウェル90の断面図から分かるように、ウェル90は、第1円周リム902と、第2円周リム904と、第3円周リム906とを含む。ウェルの構造と機能、第1、第2および第3円周リムの構造と機能については、
図7、
図8および
図9を参照して既に詳細を説明しているので、上述した説明のこれらの部分を参照することとする。図示した実施例では、ウェル90は、プレート91におけるプレート91の外面911を形成する側から、プレート91の穴910に圧入される。すべてのウェル90が穴910に圧入されると、ウェル90はプレート91に固定して取り付けられ、懸滴プレート9の形成が完成する(
図35乃至
図38)。
【0046】
図39乃至
図41は、懸滴プレート9のウェル90の数と対応する数のウェル920を含む他のプレート92の実施例を示す。他のプレート92のウェル920も、懸滴プレート9のウェル90の配置と対応するように配置されている。
【0047】
図41に示すように、懸滴プレート9は、懸滴プレート9の各ウェル90が他のプレート92の対応するウェル920の上に配置されるように、他のプレート92の上に積層して取り付けることができる。
【0048】
上述した各実施例は、本発明の方法および懸滴プレートの様々な用途の単なる一例に過ぎないことは言うまでもなく、これらの実施例により本発明を限定する意図はない。むしろ権利保護の範囲は、添付した特許請求の範囲によって決められることを意図している。