(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5999810
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】トイレブース及びトイレブースの開口部構造
(51)【国際特許分類】
E06B 3/82 20060101AFI20160915BHJP
【FI】
E06B3/82
【請求項の数】6
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-162453(P2012-162453)
(22)【出願日】2012年7月23日
(65)【公開番号】特開2014-20170(P2014-20170A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2014年10月31日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建
(72)【発明者】
【氏名】森 謙之
【審査官】
渋谷 知子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−067435(JP,A)
【文献】
特開2008−207420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が片銀杏面(11)のドアパネル(10)と、表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が際丸面(21)の吊元パネル(20)とを必須とし、前記際丸面(21)の突出部(22)が、前記銀杏面(11)の曲面(12)とが対峙し、前記際丸面(21)の曲面(22)の前記片銀杏面(11)の曲面(12)方向の正射影面(27)が、前記片銀杏面(11)の曲面(12)を被覆しているとともに、前記曲面(12)と前記曲面(22)の曲率半径が2〜8Rであり、前記化粧材(5)は、3R(曲率半径:mm)の曲げ加工が可能な厚み0.3〜0.8mmの可撓性メラミン化粧板であることを特徴とするトイレブース。
【請求項2】
前記片銀杏面(11)の平面(13)と前記際丸面(21)の平面(23)の長さが1〜3mmであることを特徴とする請求項1記載のトイレブース。
【請求項3】
前記ドアパネル(10)と前記吊元パネル(20)は平面視面一であることを特徴とする請求項1又は2記載のトイレブース。
【請求項4】
トイレブースの開口部構造において、表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が片銀杏面(11)のドアパネル(10)と、表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が際丸面(21)の吊元パネル(20)とが対峙してなり、前記際丸面(21)の曲面(22)の前記片銀杏面(11)の曲面(12)方向の正射影面(27)が、前記片銀杏面(11)の曲面(12)を被覆されるとともに、前記曲面(12)と前記曲面(22)の曲率半径が2〜8Rであり、前記化粧材(5)は、3R(曲率半径:mm)の曲げ加工が可能な厚み0.3〜0.8mmの可撓性メラミン化粧板であることを特徴とするトイレブースの開口部構造。
【請求項5】
前記片銀杏面(11)の平面(13)と前記際丸面(21)の平面(23)の長さが1〜3mmであることを特徴とする請求項4記載のトイレブースの開口部構造。
【請求項6】
前記ドアパネル(10)と前記吊元パネル(20)は平面視面一であることを特徴とする請求項4又は5記載のトイレブースの開口部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレブース及びトイレブースの開口部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでより種々のパネル構造を有するトイレブースがあり、近年では、ドアパネルと吊元パネルの向かい合う端面を斜めに、或いは円弧状、曲面にして、外観がスッキリし、見栄えのよいものが知られ、表裏には化粧材を接着加工して、色、柄が豊富なものとなっている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−207420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表裏には化粧材が接着加工されているものの、端面を曲面、特に小さいR(曲率半径)にしようとすると化粧材の反発力が強くて曲げ加工が極めて難しいため、塗装を施していた。従って、化粧材と塗装による着色の色を統一するのが困難で、塗装に時間を要していた。また、塗膜が剥がれることがあった。更に表面と木口面を一連に化粧材で被覆するには化粧材が破損しないようにする高度の技術が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる状況に鑑み検討されたもので、表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が片銀杏面(11)のドアパネル(10)と、表面が化粧材(5)で被覆されるとともに側面が際丸面(21)の吊元パネル(20)とを必須とし、前記際丸面(21)の突出部(22)が、前記銀杏面(11)の曲
面(12)とが対峙し、前記際丸面(21)の曲面(22)の前記片銀杏面(11)の曲面(12)方向の正射影面(27)が、前記片銀杏面(11)の曲面(12)を被覆しているとともに、前記曲面(12)と前記曲面(22)の曲率半径が2〜8Rであ
り、
前記化粧材(5)は、3R(曲率半径:mm)の曲げ加工が可能な厚み0.3〜0.8mmの可撓性メラミン化粧板であることを特徴とするトイレブースである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドアパネル(10)の片銀杏面、吊元パネル(20)の際丸面に化粧材を用いているため耐久性に優れ、色調のバランスがよく、耐殺傷性に優れ、塗装のように塗料が剥がれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は本発明のパネル構造を有するトイレブースの要部拡大斜視図、
図2は要部平面図であり、ドアパネル(10)と吊元パネル(20)を必須とし、内開きタイプのトイレブースである。
【0009】
ドアパネル(10)は、開口側の端面を片銀杏面にした芯材(1)の表裏、片銀杏面(11)に同一の化粧材(5)が接着加工されており、吊元パネル(20)は開口側の端面を際丸面(21)にした芯材(1)の表裏、際丸面(21)にも同一の化粧材(5)が接着加工され、より一層色調のバランスが取れ見栄えのあるものとなっている。ドアパネル(10)に用いる化粧材と吊元パネル(20)に用いる化粧材は異なっていてもよい。ドアパネル(10)、吊元パネル(20)とも厚みは36〜40mmであり、この範囲であると耐久性が確保でき、軽量で取り扱いやすい。
【0010】
片銀杏面(11)が外側になるようにドアパネル(10)が取り付けられ、際丸面(21)の突出部(25)が片銀杏面(11)の曲面部12)の一部を覆いつつ、ドアパネル(10)が回動するように隙間Wを設けて対峙するように取り付けられるとともに、ドアパネル(10)と吊元パネル(20)は面一であり、そのため使用時に外部から見えないように、また、見栄えがあり、各々のパネルの段差を感じないようになっている。
【0011】
図3は要部拡大平面図である。前述の取り付けについて詳述すると、際丸面(21)の曲面(22)の正射影面(27)は、片銀杏面(11)の曲面(12)と交差し
、前記際丸面(21)の曲面(22)の前記片銀杏面(11)の曲面(12)方向の正射影面(27)が、前記片銀杏面(11)の曲面(12)を被覆している。交差しない、すなわち交線(30)がないと、隙間から中が見えてしまい不都合になる。曲面(12)、(22)の曲率
半径は2〜8R(
R:mm)、平面(13)、(23)の長さは1〜3mm程度が好ましい。
【0012】
芯材(1)としては軽量で組み立て作業が容易となるように紙製のハニカムコアやロールコア、アルミの如き金属製のハニカムコア、フェノール樹脂やウレタン樹脂の発泡体などの中空芯材と、合板、パーティクルボード、MDF(中密度繊維板)、集成板、LVLあるいはこれらの複合材などの木質系素材、更に表裏に板状基材が接着したいわゆるフラッシュドアの構成からなるものを用いている。
【0013】
板状基材としては合板、MDF(中密度繊維板)、あるいはこれらの複合材などの木質系素材の中から適宜選択して用いればよい。
【0014】
表層(表裏面、木口面)はメラミン樹脂化粧板、ジアリルフタレート樹脂化粧板、ポリエステル化粧板、オレフィン樹脂フィルム、塩化ビニールシート、天然木化粧材などの化粧材(5)で被覆される。本発明では耐衝撃性、耐殺傷性などの諸物性に優れる常温で3R(曲率半径:mm)の曲げ加工が可能な厚み0.3〜0.8mmの可撓性メラミン化粧板を用いている。
【符号の説明】
【0016】
1 芯材
5 化粧材
10 ドアパネル
11 片銀杏面
12 片銀杏面の曲面
13 片銀杏面の平面
20 吊元パネル
21 際丸面
22 際丸面の曲面
23 際丸面の平面
25 突出部
27 正射影面
30 交線
w 隙間