(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す概略構成図である。同図の通信システムはLTE−Aシステムを想定しており、セルを構成する基地局装置(基地局、送信局、下りリンク送信装置、上りリンク受信装置、eNodeB)101と端末装置(移動局、受信局、上りリンク送信装置、下りリンク受信装置、移動端末、UE;User Equipment)102とを含んで構成される。Cell#0とCell#1において送信される下りリンク送信信号103に対してMCS(Modulatio
n and Coding Scheme)やランクやプレコーダなどの送信パラメータを適応的に制御するに際し、端末装置102は基地局101から送信される下りリンク送信信号103に含まれる下りリンク参照信号(RS:Reference Signal)を参照して、好適な空間多重数を指定するランク指標RI(Rank Indicator)、好適なプレコーダ(Preferred Precoder)を指定する複数の部分プレコーダ情報PI(Precoder Information)、および好適な伝送レート(変調方式・符号化率・トランスポートブロックの長さなど)を指定するチャネル品質指標CQI(Channel Quality Indicator)などの受信品質情報を計算し、上りリンクのチャネル104を介して、基地局101に報告する。ここでは、部分プレコーダ情報PIとして、部分プレコーダ情報1(PI1、第1の部分プレコーダ情報)および部分プレコーダ情報2(PI2、第2の部分プレコーダ情報)を報告する場合について説明する。例えば、PI1としてmビットで表すことができるインデクスiと、PI2としてnビットで表すことができるインデクスjとを用いて、好適なプレコーダW(i,j)を指定する。あるいは、さらにランクrを用いて、好適なプレコーダW(r)(i,j)を指定する。ただし、W(i,j)はiとjにより一意に決定される行列であり、この決定方法(コードブック)は基地局装置と端末装置との間で共有されている。言い換えると、コードブックとは好適なプレコーダの複数の候補である。また、好適なプレコーダの算出方法としては、例えば、下りリンクの伝搬路を考慮した上で、下りリンクの受信信号電力が大きくなるようなプレコーダを算出するという方法などを用いることができる。
【0018】
図2は、本実施形態に係る下りリンクの無線フレーム構成の一例を示している。下りリンクはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)アクセス方式が用いられる。下りリンクでは、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH;Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH;Physical Downlink Shared Channel)などが割り当てられる。また、PDSCHの一部に下りリンク参照信号(RS;Reference Signal)が多重される。下りリンクの無線フレームは、下りリンクのリソースブロック(RB;Resource Block)ペアから構成されている。この下りリンクのRBペアは、下りリンクの無線リソースの割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯(RB帯域幅)及び時間帯(2個のスロット=1個のサブフレーム)からなる。1個の下りリンクのRBペアは、時間領域で連続する2個の下りリンクのRB(RB帯域幅×スロット)から構成される。1個の下りリンクのRBは、周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において7個のOFDMシンボルから構成される。物理下りリンク制御チャネルは、端末装置識別子、下りリンク共用チャネルのスケジューリング情報、上りリンク共用チャネルのスケジューリング情報、変調方式、符号化率、再送パラメータなどの下りリンク制御情報が送信される物理チャネルである。なお、ここでは一つのCCにおける下りリンクサブフレームを記載しているが、CC毎に下りリンクサブフレームが規定され、下りリンクサブフレームはCC間でほぼ同期している。
【0019】
図3は、本実施形態に係る上りリンクの無線フレーム構成の一例を示している。上りリンクはSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。上りリンクでは、物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)、物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)などが割り当てられる。また、PUSCHやPUCCHの一部に、上りリンク参照信号が割り当てられる。上りリンクの無線フレームは、上りリンクのRBペアから構成されている。この上りリンクのRBペアは、上りリンクの無線リソースの割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯(RB
帯域幅)及び時間帯(2個のスロット=1個のサブフレーム)からなる。1個の上りリンクのRBペアは、時間領域で連続する2個の上りリンクのRB(RB帯域幅×スロット)から構成される。1個の上りリンクのRBは、周波数領域において12個のサブキャリアから構成され、時間領域において7個のSC−FDMAシンボルから構成される。
【0020】
図4は、本実施形態に係る基地局装置のブロック構成の一例を示す概略図である。基地局装置は、下りリンクサブフレーム生成部401、OFDM信号送信部404、送信アンテナ(基地局送信アンテナ)405、受信アンテナ(基地局受信アンテナ)406、SC−FDMA信号受信部407、フィルタ部408、コードワード処理部412、上位層413を有する。下りリンクサブフレーム生成部401は、物理下りリンク制御チャネル生成部402、下りリンク参照信号生成部403を有する。フィルタ部408はフィードバック情報抽出部409を有する。
【0021】
図5は、本実施形態に係る端末装置のブロック構成の一例を示す概略図である。端末装置は、受信アンテナ(端末受信アンテナ)501、OFDM信号受信部502、下りリンクサブフレーム処理部503、上位層506、フィードバック情報生成部507、コードワード生成部508、上りリンクサブフレーム生成部509、SC−FDMA信号送信部511、送信アンテナ(端末送信アンテナ)512を有する。下りリンクサブフレーム処理部503は、下りリンク参照信号抽出部504、物理下りリンク制御チャネル抽出部505を有する。上りリンクサブフレーム生成部509は、上りリンク参照信号生成部510を有する。
【0022】
まず、
図4および
図5を用いて、下りリンクの送受信の流れについて説明する。基地局装置では、上位層413から送られてくるコードワード(物理層における送信データ系列)毎の送信データ(トランスポートブロックとも称す)は、下りリンクサブフレーム生成部401において、誤り訂正符号化、レートマッチング処理、PSK(Phase Shift Keying)変調やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調などの変調処理により、変調シンボル系列に変換される。変調シンボル系列は、変調シンボル系列のマッピング単位であるリソースエレメント(RE;Resource element)にマッピングされ、上位層により指示されたプレコーダによりプレコーディング処理が施される。なお、下りリンクにおけるREは、各OFDMシンボル上の各サブキャリアに対応して規定される。このとき、上位層413から送られてくる送信データ系列は、RRC(Radio Resource Control)シグナリング用の制御データを含む。また、物理下りリンク制御チャネル生成部402では、上位層413の指示により、物理下りリンク制御チャネルが生成される。ここで、物理下りリンク制御チャネルに含まれる制御情報は、下りリンクにおける送信パラメータ、上りリンクのリソース割り当て・上りリンクの送信パラメータ・CQIリクエストなどの情報を含む。下りリンク参照信号生成部403は、下りリンク参照信号DLRS(Down Link Reference Signal)が生成される。下りリンクサブフレーム生成部401は、物理下りリンク制御チャネルとDLRSとを、下りリンクサブフレーム内のREにマッピングする。下りリンクサブフレーム生成部401で生成された下りリンクサブフレームは、OFDM信号送信部404においてOFDM信号に変調され、送信アンテナ405を介して送信される。
【0023】
端末装置では、受信アンテナ501を介して、OFDM信号受信部502においてOFDM信号が受信され、OFDM復調処理が施される。下りリンクサブフレーム処理部503は、受信した下りリンクサブフレームから受信データを抽出して上位層506に送る。より具体的には、下りリンクサブフレーム生成部401における変調処理、レートマッチング処理、誤り訂正符号化に対応する復調処理、レートマッチング処理、誤り訂正復号化などが施される。下りリンク参照信号抽出部504は、下りリンク参照信号生成部403
において生成され、下りリンクサブフレーム生成部401においてマッピングされたDLRSを抽出し、フィードバック情報生成部507に送る。物理下りリンク制御チャネル抽出部505は、物理下りリンク制御チャネル生成部402において生成され、下りリンクサブフレーム生成部401においてマッピングされた物理下りリンク制御チャネルに含まれる制御情報を抽出し、上位層506に送る。
【0024】
ここで、基地局装置における下りリンクサブフレーム生成部401とOFDM信号送信部404と送信アンテナ405とにおける処理、および端末装置における受信アンテナ501とOFDM信号受信部502と下りリンクサブフレーム処理部503とにおける処理は、下りリンクのセル(CC)毎に行われる。また、フィードバック情報生成部507は、複数の下りリンクセルにおける受信品質情報(フィードバック情報)を生成する。
【0025】
次に、
図4および
図5を用いて、上りリンクの送受信の流れについて説明する。端末装置では、上位層506から送られてくるコードワード毎の送信データ(トランスポートブロックとも称す)は、コードワード生成部508において、誤り訂正符号化、レートマッチング処理などの処理により、コードワードCW(Code Word)に変換される。フィードバック情報生成部507は、上位層506の指示に従い、下りリンク参照信号抽出部507で抽出されたDLRSを用いて、RI・PI1・PI2・CQIなどの符号化してフィードバック情報を生成する。上りリンク参照信号生成部510は、上りリンク参照信号ULRS(UpLink Reference Signal)を生成する。上りリンクサブフレーム生成部509は、コードワード変調シンボル系列とフィードバック情報とを所定の方法で並び替えた後、上りリンク参照信号とともに、上りリンクサブフレームにマッピングする。SC−FDMA信号送信部511は、上りリンクサブフレームにSC−FDMA変調を施してSC−FDMA信号を生成し、送信アンテナ512を介して送信する。
【0026】
基地局装置では、受信アンテナ406を介して、SC−FDMA信号受信部407においてSC−FDMA信号が受信され、SC−FDMA復調処理が施される。フィルタ部503は、受信した上りリンクサブフレームからコードワードを抽出してコードワード処理部412に送る。コードワード処理部は、コードワードから受信データを抽出して上位層413に送る。より具体的には、コードワード生成部508におけるレートマッチング処理、誤り訂正符号化に対応するレートマッチング処理、誤り訂正復号化などが施すことにより受信データを抽出する。フィルタ部408内のフィードバック情報抽出部409は、フィードバック情報生成部507において生成され、上りリンクサブフレーム生成部401においてマッピングされたフィードバック情報を、上位層からの指示に従って抽出して復号化し、上位層413に送る。ここで、フィルタ部503が行うフィルタリング処理では、受信アンテナ406毎の受信信号に対して、ZF(Zero Forcing)やMMSE(Minimum Mean Square Error)やMLD(Maximum Likelihood Detection)などの方法を用いて、コードワード毎の信号を検出する。
【0027】
図6は、本実施形態に係るプロシージャの一例を示している。
図6に示したプロシージャは、RI・PI1・PI2・W−CQIを非周期的にフィードバックする非周期的フィードバックモード(第1のフィードバックモード)におけるプロシージャの一例である。まず、基地局はRRCシグナリングを介して、端末装置におけるフィードバックのパラメータを設定する(ステップS601)。次に、基地局は、非周期的なフィードバックを指示する情報であるCQIリクエストを端末装置に通知する(ステップS602)。また、フィードバック情報を同時に報告するリソース(例えば物理上りリンク共用チャネル)を割り当てる。非周期的なフィードバックを指示された端末装置は、設定されたフィードバックのパラメータに従いRI、PI1、PI2およびW−CQIを同時に(同じタイミン
グで)基地局装置に報告する(ステップS603)。S−CQIをフィードバックする非周期的フィードバックモードの場合は、さらにS−CQIを同時に報告する。ここで、端末装置は、複数の帯域BPのS−CQIを同時に報告する。なお、ここではステップS602における端末装置におけるCQIリクエストの通知を物理下りリンク制御チャネルを介した動的なシグナリングで行う例について説明するが、これに限るものではない。例えば、RRCシグナリングを介した準静的なシグナリングなどで、非周期的なフィードバックの指示を行うようにしても同様の効果を得ることができる。この場合、さらに報告するサブフレームを指定することが好ましい。
【0028】
次に、非周期的フィードバックモードにおけるフィードバック情報のマッピングについて説明する。
図7は、フィードバック情報のマッピングの一例を示している。
図7に示す並び替えとマッピングは、上りリンクで複数のCW(CW0とCW1)を送信する場合の例である。なお、ここでは、CW0とCW1は、それぞれレイヤ1とレイヤ2を用いて送信するものとして説明する。ここで、レイヤ(レイヤー)とは空間多重のインデクスであり、レイヤ数は空間多重数を示す。ULRSは、各レイヤの4番目と11番目のSC−FDMAシンボルにマッピングされる。RIを含むフィードバック情報と、それ以外のフィードバック情報(例えばW−CQIやPI1やPI2)は、
図7に示すような並び替えを行う。なお、ここでのパラメータは一例であり、これ以外のパラメータを用いることができるのは勿論である。例えば、CW0だけを送信する場合は、
図7のレイヤ1と同様のマッピングを行えばよい。
【0029】
より具体的には、CQIやPI1やPI2は、まずCW0と結合される。このとき、CQIやPI2を含むフィードバック情報、CW0の順で結合する。その後、結合されたシンボル系列は系列の先頭から順に、レイヤ1の1番目のSC−FDMAシンボルの最前方、レイヤ1の2番目のSC−FDMAシンボルの最前方、・・・、レイヤ1の14番目のSC−FDMAシンボルの最前方、レイヤ1の1番目のSC−FDMAシンボルの前方から2番目、・・・というように、CW0を送信するレイヤの各SC−FDMAシンボルの最前方から順次マッピングされるように並び替えが行われる。一方、CW1は系列の先頭から順に、レイヤ2の1番目のSC−FDMAシンボルの最前方、レイヤ2の2番目のSC−FDMAシンボルの最前方、・・・、レイヤ2の14番目のSC−FDMAシンボルの最前方、レイヤ2の1番目のSC−FDMAシンボルの前方から2番目、・・・というように、CW1を送信するレイヤの各SC−FDMAシンボルの最前方から順次マッピングされるように並び替えが行われる。RIは、すべてのレイヤにおけるULRSの近くのSC−FDMAシンボルの一部あるいは全部(例えば
図7に示すようにレイヤ1および2の2、6、9、13番目のSC−FDMAシンボルの後方)にマッピングされるように並び替えが行われる。すなわち、RIとCQI・PI1・PI2とを異なる空間多重数あるいはそれぞれ独立した空間多重方法・マッピング方法で送信(報告)する。
【0030】
これらの並び替えおよびマッピング処理は、上位層506の指示の下で、上りリンクサブフレーム生成部509で行われる。一方、基地局装置内のフィードバック情報抽出部409は、上位層413の指示の下で、上りリンクサブフレーム生成部509におけるマッピングに対応したデマッピング、上りリンクサブフレーム生成部509における並べ替えを元に戻すような並べ替え処理を行うことにより、フィードバック情報を取得する。
【0031】
ここで、PI1とPI2の算出に用いるコードブックについて説明する。前述したように、PI1としてmビットで表すことができるインデクスiと、PI2としてnビットで表すことができるインデクスjとを用いて、好適なプレコーダW(i、j)を指定する。この最大2m+n種類のW(i、j)を規定するものがコードブックである。非周期的フィードバックモードにおいては、コードブック内のW(i、j)の選択の自由度を高くすることにより、自由度の高いフィードバックが可能となる。
【0032】
図8は、本実施形態に係る周期的フィードバックモードにおけるプロシージャの一例を示している。
図8に示したプロシージャは、一つのセルにおけるRI・PI1・PI2・W−CQI(Wideband CQI)を周期的にフィードバックする周期的フィードバックモード(第2のフィードバックモード)におけるプロシージャの一例である。なお、W−CQIはシステム帯域幅(コンポーネントキャリア帯域幅)を代表する1つのCQIである。また、ここでいうフィードバックモードは、端末装置から基地局装置にフィードバックする受信品質情報のコンテンツの組み合わせ、それぞれのコンテンツの測定あるいは生成方法、およびそれぞれのコンテンツのフィードバック方法あるいはフィードバックに用いるリソースなどの設定を含む。まず、基地局はRRCシグナリングを介して、端末装置におけるフィードバックのパラメータを設定し、第2のフィードバックモードを指示する(ステップS801)。周期的なフィードバックを指示された端末装置は、設定されたフィードバックのパラメータに従いRIおよびPI1(ステップS802)とPI2およびW−CQI(ステップS803)とをそれぞれ周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。ここで、ステップS802の報告をフィードバックタイプ1A、ステップS803の報告をフィードバックタイプ1Bと称す。
【0033】
図9は、本実施形態に係る周期的フィードバックモードにおけるプロシージャの他の一例を示している。
図9に示したプロシージャは、一つのセルにおけるRI・PTI(Precoder Type Indication)・PI1・PI2・W−CQI・S−CQI(Subband−CQI)を周期的にフィードバックする周期的フィードバックモード(第3のフィードバックモード)におけるプロシージャの一例である。S−CQI(Subband−CQI)を周期的にフィードバックするフィードバックモードの場合は、さらにS−CQIを周期的に報告する。ここで、S−CQIは、システム帯域幅(コンポーネントキャリア帯域幅)を複数の狭帯域に分割し、分割された帯域BP(Bandwidth Part)を代表するCQIである。より具体的には、BPに含まれる一つ以上サブバンド(BPをさらに分割した帯域)のうちの一つのサブバンドにおけるCQIである。また、後述するように、PTIはフィードバックする内容を切り替えるための指標である。まず、基地局はRRCシグナリングを介して、端末装置におけるフィードバックのパラメータを設定し、第3のフィードバックモードを指示する(ステップS901)。周期的なフィードバックを指示された端末装置は、設定されたフィードバックのパラメータに従いRIおよびPTI(ステップS902)を周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。ステップ902において報告したPTIがサブバンド毎のPI2を報告するようなプレコーダタイプを示す場合、設定されたフィードバックのパラメータに従いPI1およびW−CQI(ステップS903)とPI2およびS−CQI(ステップS903)とをそれぞれ周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。ここで、PI2は、同時に送信するS−CQIに対応するサブバンドにおいて算出されたPI2である。一方、ステップ902において報告したPTIがシステム帯域幅(コンポーネントキャリア帯域幅)におけるPI2を報告するようなプレコーダタイプを示す場合、設定されたフィードバックのパラメータに従いPI2およびW−CQI(ステップS905)とS−CQI(ステップS906)とをそれぞれ周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。なお、この場合はPI1は報告せず、PI2のみで好適なプレコーダを指定するようなコードブックを用いる。ここで、ステップS902の報告をフィードバックタイプ2A、ステップS903の報告をフィードバックタイプ2B、ステップS904の報告をフィードバックタイプ2C、ステップS905の報告をフィードバックタイプ2D、ステップS906の報告をフィードバックタイプ2Eと称す。なお、フィードバックタイプ2Dはフィードバックタイプ1Bと同様の報告でもよし、PI2やW−CQIの算出方法をそれぞれ個別に設定することもできる。
【0034】
図10は、本実施形態に係る周期的フィードバックモードにおけるプロシージャの他の
一例を示している。
図10に示したプロシージャは、一つのセルにおけるRI・PI1・PI2・W−CQI・S−CQIを周期的にフィードバックする周期的フィードバックモード(第4のフィードバックモード)におけるプロシージャの一例である。まず、基地局はRRCシグナリングを介して、端末装置におけるフィードバックのパラメータを設定し、第4のフィードバックモードを指示する(ステップS1001)。周期的なフィードバックを指示された端末装置は、設定されたフィードバックのパラメータに従いRI(ステップS1002)を周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。次に、設定されたフィードバックのパラメータに従いPI1・PI2およびW−CQI(ステップS1003)とS−CQI(ステップS1003)とをそれぞれ周期的に基地局装置に物理上りリンク制御チャネルを介して報告する。ここで、ステップS1002の報告をフィードバックタイプ3A、ステップS1003の報告をフィードバックタイプ3B、ステップS1004の報告をフィードバックタイプ3Cと称す。なお、フィードバックタイプ3Cはフィードバックタイプ2Eと同様の報告でもよし、S−CQIの算出方法をそれぞれ個別に設定することもできる。
【0035】
図11は、本実施形態に係る上りリンク(UL)データ送信におけるプロシージャの一例を示している。まず、基地局は、物理層における上りリンクデータ送信用のチャネルである物理上りリンク共用チャネルの割り当てを示す割り当て情報を含む制御情報であるULグラントを端末装置に通知する(ステップS1101)。ULグラントを通知された端末装置は、割り当て情報により示された物理上りリンク共用チャネルを用いて、ULデータを送信する(ステップS1002)。
【0036】
周期的フィードバックモードにおいて、いずれかのフィードバック情報を報告(ステップS802、ステップS803、ステップS902、ステップS903、ステップS904、ステップS905、ステップS906、ステップS1002、ステップS1003、ステップS1004)は、通常は物理層における制御情報を報告するチャネルである物理上りリンク制御チャネルを介して行われる。しかし、ステップS1101により、これらいずれかのフィードバック情報を報告が行われるタイミングで、物理層におけるデータを送信するチャネルである物理上りリンク共用チャネルが割り当てられている場合、フィードバック情報は物理上りリンク共用チャネルを介して、ULデータと同時に報告される。なお、物理層における制御情報を物理上りリンク制御チャネルの代わりに物理上りリンク共用チャネルを介して報告する動作をピギーバックと称する。
【0037】
次に、周期的フィードバックモードにおけるピギーバック時のフィードバック情報のマッピングについて説明する。
図12は、フィードバック情報のマッピングの一例を示している。
図12に示す並び替えとマッピングは、上りリンクで複数のCW(CW0とCW1)を送信する場合の例である。なお、ここでは、CW0とCW1は、それぞれレイヤ1とレイヤ2を用いて送信するものとして説明する。ここでは、フィードバックタイプ1Aのピギーバック時のマッピングを示している。
【0038】
より具体的には、RIとPI1とを含むフィードバック情報は、すべてのレイヤにおけるULRSの近くのSC−FDMAシンボルの一部あるいは全部(例えば
図12に示すようにレイヤ1および2の2、6、9、13番目のSC−FDMAシンボルの後方)にマッピングされるように並び替えが行われる。すなわち、RI・PI1はULデータとは独立した空間多重方法(実質的に空間多重数を低くする方法)で安全に送信(報告)する。
【0039】
これらの並び替えおよびマッピング処理は、上位層506の指示の下で、上りリンクサブフレーム生成部509で行われる。一方、基地局装置内のフィードバック情報抽出部409は、上位層413の指示の下で、上りリンクサブフレーム生成部509におけるマッピングに対応したデマッピング、上りリンクサブフレーム生成部509における並べ替え
を元に戻すような並べ替え処理を行うことにより、フィードバック情報を取得する。
【0040】
ここで、周期的フィードバックモードのピギーバック時におけるPI1とPI2の算出に用いるコードブックについて説明する。コードブックとしては非周期的フィードバックモードにおけるコードブックと同様のコードブックを用いるが、周期的フィードバックモードにおいては、コードブック内のW(i、j)の選択の自由度を低くすることにより、フィードバック情報によるオーバヘッドの低減が可能となる。
【0041】
より具体的には、PI1としてmビットで表すことができるインデクスiの取り得る値を0、1、・・・、2m−1から一部抜き出し(サブサンプリングし)、PI1に要するビット数をmビットより小さい値にする。同様に、PI2に要するビット数をnビットより小さい値にする。PI1とPI2により表現可能なW(i、j)の種類を制限することにより、PI1とPI2のビット数を抑えることができる。
【0042】
以上のように、非周期的フィードバックモードにおいて、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1を報告する場合は、PI1を一つのCWに多重する。一方、周期的フィードバックモードにおけるピギーバック時に、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1を報告する場合は、PI1をすべてのCWに多重する。言い換えると、非周期的フィードバックモードにおいて、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1を報告する場合は、PI1をULデータと同様に空間多重して送信する。一方、周期的フィードバックモードにおけるピギーバック時に、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1を報告する場合は、PI1をULデータとは独立した空間多重方法(実質的に空間多重数を1とする方法)で送信する。
【0043】
これにより、物理上りリンク共用チャネルを介して受信品質情報を報告する際に、受信品質情報が誤り伝搬の原因となり得る場合は安全な方法で送信し、受信品質情報が誤り伝搬の原因とならない場合はオーバヘッドを抑えた方法で送信することができる。このため、効率的な受信品質情報のフィードバックを行うことができる。
【0044】
また、非周期的フィードバックモードにおいて、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1あるいはPI2を報告する場合は、PI1あるいはPI2のコードブックをサブサンプリングしない。一方、周期的フィードバックモードにおけるピギーバック時に、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1あるいはPI2を報告する場合は、PI1あるいはPI2のコードブックをサブサンプリングする。言い換えると、好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から好適なプレコーダを選択する。すなわち、非周期的フィードバックモードにおいて、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1あるいはPI2を報告する場合は、Xビットで表現できるPI1あるいはPI2を送信する。一方、周期的フィードバックモードにおけるピギーバック時に、物理上りリンク共用チャネルを介してPI1あるいはPI2を報告する場合は、Yビット(ただし、Y<X)で表現できるPI1あるいはPI2を送信する。
【0045】
これにより、物理上りリンク共用チャネルを介して受信品質情報を報告する際に、CQIリクエストを受けた場合は詳細な受信品質情報を送信し、CQIリクエストを受けなかった場合はオーバヘッドを抑えた方法で送信することができる。このため、効率的な受信品質情報のフィードバックを行うことができる。
【0046】
なお、以上の説明では、各フィードバックモードにおいてPI1を報告する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、基地局装置の送信アンテナ数が少ない場合に、PI1を報告しないようにしてもよい。この場合、好適なプレコーダはPI2のみから一意に決まるようなコードブックにしておけばよい。また、PI1を含むフィード
バックタイプは、PI1以外のコンテンツを報告するフィードバックタイプとすればよい。
【0047】
なお、基地局装置の全部または一部、あるいは端末装置の全部または一部との機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0049】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0050】
また、基地局装置の全部または一部と、端末装置の全部または一部との機能を集積回路に集約して実現してもよい。基地局装置、及び端末装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0051】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0052】
この発明の一態様においては、端末装置は、基地局装置と通信を行う端末装置であって、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法で報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法で報告することを特徴とする。
【0053】
また、本発明の一態様による端末装置は上記の端末装置であって、前記受信品質情報は、好適なプレコーダを指定する複数の部分プレコーダ情報のうちの一つの部分プレコーダ情報であることを特徴とする。
【0054】
また、本発明の一態様による端末装置は、基地局装置と通信を行う端末装置であって、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前
記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告することを特徴とする。
【0055】
また、本発明の一態様による基地局装置は、端末装置と通信を行う基地局装置であって、前記端末装置から、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法であるとして抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法であるとして抽出することを特徴とする。
【0056】
また、本発明の一態様による基地局装置は上記の基地局装置であって、前記受信品質情報は、好適なプレコーダを指定する複数の部分プレコーダ情報のうちの一つの部分プレコーダ情報であることを特徴とする。
【0057】
また、本発明の一態様による基地局装置は、端末装置と通信を行う基地局装置であって、前記端末装置から、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出することを特徴とする。
【0058】
また、本発明の一態様による通信システムは、基地局装置と端末装置との間で通信を行う通信システムであって、前記端末装置は、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法で報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法で報告し、前記基地局装置は、前記端末装置から、前記データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法であるとして抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法であるとして抽出することを特徴とする。
【0059】
また、本発明の一態様による通信システムは、基地局装置と端末装置との間で通信を行う通信システムであって、前記端末装置は、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告し、前記基地局装置は、前記端末装置から、前記データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出することを特徴とする。
【0060】
また、本発明の一態様による通信方法は、基地局装置と通信を行う端末装置における通信方法であって、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法で報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法で報告するステップを有することを特徴とする。
【0061】
また、本発明の一態様による通信方法は、基地局装置と通信を行う端末装置における通信方法であって、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に受信品質情報を報告するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を報告するステップを有することを特徴とする。
【0062】
また、本発明の一態様による通信方法は、端末装置と通信を行う基地局装置における通信方法であって、前記端末装置から、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法と同じ空間多重方法であるとして抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記受信品質情報を前記データの空間多重方法とは独立した空間多重方法であるとして抽出するステップを有することを特徴とする。
【0063】
また、本発明の一態様による通信方法は、端末装置と通信を行う基地局装置における通信方法であって、前記端末装置から、データ送信に用いるチャネルを介して、データと共に報告された受信品質情報を抽出するに際し、前記受信品質情報が非周期的に報告される受信品質情報である場合、好適なプレコーダの複数の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出し、前記受信品質情報が周期的に報告される受信品質情報である場合、前記好適なプレコーダの複数の候補のうちの一部の候補から少なくとも一つの候補を指定する部分プレコーダ情報を抽出するステップを有することを特徴とする。