(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バッテリ(77,101)は、前記リヤフレーム(24)にバッテリ支持部材(76)を介して支持され、このバッテリ支持部材(76)は、前記バッテリ(77,101)を支持する複数の固定部(87,88)が設けられており、該固定部(87,88)は、前記バッテリ支持部材(76)に対して前記バッテリ(77,101)の取付け位置を変更可能に取付けられ、これらの固定部(87,88)によって、形状の異なる複数種類の前記バッテリ(77,101)に対応して支持可能であることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
前記バッテリ支持部材(76)は、前記固定部(87,88)に取付けられるブラケット(112)を介して前記バッテリ(115)を支持することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両。
前記バッテリ(77,101)は、前記リヤフレーム(24)に取付けられた前記バッテリ支持部材(76)と、このバッテリ支持部材(76)の側方を覆うカバー部材(75)とで構成されるバッテリケース(32)内に収納されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電動車両。
前記メインフレーム(22,182)の後端部の下方及び前記ジョイント部材(23,183)の下方に、前記駆動用モータ(13,134)を制御するパワードライブユニット(20)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電動車両。
前記バッテリケース(32)は、側面視で前記車輪(14)の一部に重なり、左右の前記バッテリケース(32)間を前記車輪(14)が上下動することを特徴とする請求項6に記載の電動車両。
前記バッテリケース(32)は、前記リヤフレーム(24)に取付けられたバッテリガードフレーム(33)により車幅方向外側から覆われ、このバッテリガードフレーム(33)は、シート(18)を支持するシートフレームを兼用することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の電動車両。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に示したように、電動車両の機種毎に駆動用バッテリの支持構造を設定すると、それぞれの機種で専用設計になってしまい、コストや生産性において更なる改良が求められる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、駆動用バッテリの支持構造を改良することでコスト削減及び生産性向上を図ることが可能な電動車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、駆動用モータ(13,134)に電力を供給するバッテリ(77,101,115)が車体フレーム(16,156)に支持される電動車両において、前記車体フレーム(16,156)は、その前部を構成するヘッドパイプ(21,181)から後方下方に延びるメインフレーム(22,182)と、このメインフレーム(22,182)の後方に配置されて後方上方に延びるリヤフレーム(24)と、前記メインフレーム(22,182)の後端部に前記リヤフレーム(24)の前端部を接続するジョイント部材(23,183)とを備え、前記ジョイント部材(23,183)は、前記メインフレーム(22,182)の後端部が嵌合及び接合されるメインフレーム嵌合部(23a,183a)と、このメインフレーム嵌合部(23a,183a)の後側に配置されて前記リヤフレーム(24)の下端部が嵌合及び接合されるリヤフレーム嵌合部(23b,183b)と、このリヤフレーム嵌合部(23b,183b)の後側に設けられたピボット軸支持部(23c,183c)とを一体に備え、前記ピボット軸支持部(23c,183c)は、前記駆動用モータ(13,134)で駆動される車輪(14,154)が取付けられたスイングアーム(31)を車幅方向に延びるピボット軸(28)を介して上下揺動自在に支持し、前記リヤフレーム(24)の左右側方に前記バッテリ(77,101,115)が配置され
、前記バッテリ(77,101,115)が収納されるバッテリケース(32)の底面に且つ前記スイングアーム(31)の上方に前記駆動用モータ(13,134)を制御するパワードライブユニット(188)が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、電動車両の機種が異なる場合でも、ジョイント部材を変更することで、メインフレームとリヤフレームとの組合せを変更可能として様々なバリエーションに対応することが可能となり、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。また、メインフレームとリヤフレームとを接続するジョイント部材でスイングアームの支持部材を兼ねることができ、特別にスイングアームの支持部材を設ける必要がなく、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。また、ピボット軸を支持する従来のような左右一対のピボットフレームが不要となり、ジョイント部材でピボットフレームを兼ねるため、部品点数を減らしてコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、バッテリケースとスイングアームとの間に出来る空間を有効利用してパワードライブユニットを配置することができる。また、路面から跳ね上げられた石や泥水等をスイングアームで阻止してパワードライブユニットに当たらないように保護することができる。
【0006】
上記構成において、前記バッテリ(77,101)は、前記リヤフレーム(24)にバッテリ支持部材(76)を介して支持され、このバッテリ支持部材(76)は、前記バッテリ(77,101)を支持する複数の固定部(87,88)が設けられており、該固定部(87,88)は、前記バッテリ支持部材(76)に対して
前記バッテリ(77,101)の取付け位置を変更可能に取付けられ、これらの固定部(87,88)によって、形状の異なる複数種類の前記バッテリ(77,101)に対応して支持可能であっても良い。この構成によれば、複数の固定部を備えることで、形状の異なった複数種類のバッテリに対応する固定部で支持することができ、複数種類のバッテリに対応してバッテリ支持部材をそれぞれ準備する必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、上記構成において、前記バッテリ(77,101)は、その長手方向が後上りになるように傾けられて配置されていても良い。この構成によれば、バッテリが後方上方に延びるリヤフレームにほぼ沿って配置されるため、リヤフレームの両側方の空間を効率良く利用してバッテリの全長を大きくすることができ、限られたスペースでバッテリ容量を増やすことができる。
【0007】
また、上記構成において、前記バッテリ支持部材(76)は、前記固定部(87,88)に取付けられるブラケット(112)を介して前記バッテリ(115)を支持するようにしても良い。この構成によれば、ブラケットを使用することで、同一のバッテリ支持部材を利用して、更に多くの種類のバッテリを支持することができる。
また、上記構成において、前記リヤフレーム(24)は、シート(18,158)を支持するシートフレームを兼ねるようにしても良い。バッテリを支持するリヤフレームでシートフレームを兼ねるので、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることがで
きる。
【0008】
また、上記構成において、前記バッテリ(77,101)は、前記リヤフレーム(24)に取付けられた前記バッテリ支持部材(76)と、このバッテリ支持部材(76)の側方を覆うカバー部材(75)とで構成されるバッテリケース(32)内に収納されるようにしても良い。この構成によれば、バッテリがバッテリケース内に収納されることで、バッテリを飛び石、土埃、雨水等から保護することができる。更に、カバー部材をバッテリ支持部材から取り外すことでバッテリを容易にメンテナンスすることができる。
また、前記メインフレーム(22,182)の後端部の下方及び前記ジョイント部材(23,183)の下方に、前記駆動用モータ(13,134)を制御するパワードライブユニット(20)が配置されていても良い。この構成によれば、一般にエンジンを搭載する自動二輪車において、エンジン、ピボット軸を支持するピボットプレート等が配置されるスペースに、本自動二輪車ではPDU20を配置することができ、自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。
【0009】
また、上記構成において、前記バッテリケース(32)は、側面視で前記車輪(14)の一部に重なり、左右の前記バッテリケース(32)間を前記車輪(14)が上下動するようにしても良い。この構成によれば、左右のバッテリケースを大型にしても車輪と干渉しないので、バッテリケースに大型のバッテリを収納することができる。
【0010】
また、上記構成において、前記バッテリケース(32)は、前記リヤフレーム(24)に取付けられたバッテリガードフレーム(33)により車幅方向外側から覆われ、このバッテリガードフレーム(33)は、シート(18)を支持するシートフレームを兼用するようにしても良い。この構成によれば、バッテリケース及びバッテリをバッテリガードフレームで側方から覆い、バッテリケース及びバッテリを保護することができるとともに、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品点数を減らすことができてコスト削減及び生産性向上を図ることがで
きる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、車体フレームが、その前部を構成するヘッドパイプから後方下方に延びるメインフレームと、このメインフレームの後方に配置されて後方上方に延びるリヤフレームと、メインフレームの後端部にリヤフレームの前端部を接続するジョイント部材とを備え、リヤフレームの左右にバッテリが支持されているので、電動車両の機種が異なる場合でも、ジョイント部材を変更することで、メインフレームとリヤフレームとの組合せを変更可能として様々なバリエーションに対応することが可能となり、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【0012】
また、バッテリは、リヤフレームにバッテリ支持部材を介して支持され、このバッテリ支持部材は、バッテリを支持する複数の固定部が設けられており、該固定部は、バッテリ支持部材に対して取付け位置を変更可能に取付けられ、これらの固定部によって、形状の異なる複数種類のバッテリに対応して支持可能であるので、複数の固定部によって、形状の異なった複数種類のバッテリに対応する固定部でバッテリを支持することができ、複数種類のバッテリに対応してバッテリ支持部材をそれぞれ準備する必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、バッテリは、その長手方向が後上りになるように傾けられて配置されているので、バッテリが後方上方に延びるリヤフレームにほぼ沿って配置されるため、リヤフレームの両側方の空間を効率良く利用してバッテリの全長を大きくすることができ、限られたスペースでバッテリ容量を増やすことができる。
【0013】
また、バッテリ支持部材は、固定部に取付けられるブラケットを介してバッテリを支持するので、ブラケットを使用することで、同一のバッテリ支持部材を利用して、更に多くの種類のバッテリを支持することができる。
また、リヤフレームは、シートを支持するシートフレームを兼ねるので、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、ジョイント部材は、駆動用モータで駆動される車輪が取付けられたスイングアームを上下揺動自在に支持するので、メインフレームとリヤフレームとを接続するジョイント部材でスイングアームの支持部材を兼ねることができ、特別にスイングアームの支持部材を設ける必要がなく、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【0014】
また、バッテリは、リヤフレームに取付けられたバッテリ支持部材と、このバッテリ支持部材の側方を覆うカバー部材とで構成されるバッテリケース内に収納されるので、バッテリを飛び石、土埃、雨水等から保護することができる。更に、カバー部材をバッテリ支持部材から取り外すことでバッテリを容易にメンテナンスすることができる。
また、メインフレームの後端部の下方及びジョイント部材の下方に、駆動用モータを制御するパワードライブユニットが配置されているので、メインフレームの後端部の下方及びジョイント部材の下方のスペースを有効に利用することができる。
【0015】
また、バッテリケースの底面に且つスイングアームの上方に駆動用モータを制御するパワードライブユニットが配置されているので、バッテリケースとスイングアームとの間に出来る空間を有効利用してパワードライブユニットを配置することができる。また、路面から跳ね上げられた石や泥水等をスイングアームで阻止してパワードライブユニットに当たらないように保護することができる。
また、バッテリケースは、側面視で車輪の一部に重なり、左右のバッテリケース間を車輪が上下動するので、左右のバッテリケースを大型にしても車輪と干渉しないので、バッテリケースに大型のバッテリを収納することができる。
【0016】
また、バッテリケースは、リヤフレームに取付けられたバッテリガードフレームにより車幅方向外側から覆われ、このバッテリガードフレームは、シートを支持するシートフレームを兼用するので、バッテリケース及びバッテリをバッテリガードフレームで側方から覆い、バッテリケース及びバッテリを保護することができるとともに、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品点数を減らすことができてコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、ジョイント部材は、車幅方向に延びるピボット軸を備え、このピボット軸にスイングアームが上下揺動自在に支持されるので、ピボット軸を支持する従来のような左右一対のピボットフレームが不要となり、ジョイント部材でピボットフレームを兼ねるため、部品点数を減らしてコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LEは車体左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を適用した自動二輪車10を示す斜視図である。
自動二輪車10は、車体前部にバーハンドル11で操舵される前輪12を備え、車体後部に電動モータ13で駆動される後輪14を備えた電動車両であり、車体フレーム16が車体カバー17で覆われ、後部上部にシート18が取付けられている。なお、符号20は車体フレーム16の下部に設けられたパワードライブユニット(以下、「PDU」(Power Drive Unit)と記す。)であり、図示せぬ駆動用バッテリに接続されて電動モータ13の駆動制御を行う。
【0019】
図2は、車体カバーが取り外された自動二輪車10を示す左側面図である。
自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム16を備える。車体フレーム16は、その前端部に備えるヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から後方斜め下方に延びるメインフレーム22と、このメインフレーム22の後端部に前ジョイント部材23を介して取付けられたリヤフレーム24とからなる。
【0020】
自動二輪車10は、詳しくは、ヘッドパイプ21に操舵自在に取付けられたフロントフォーク26と、このフロントフォーク26の下端部に車軸27を介して取付けられた前輪12と、フロントフォーク26の上端部に取付けられたバーハンドル11と、前ジョイント部材23にピボット軸28を介して上下揺動自在に取付けられたスイングアーム31と、このスイングアーム31の後端部に取付けられた電動モータ13と、この電動モータ13に駆動される後輪14と、電動モータ13に電力を供給する駆動用バッテリを収納するためにリヤフレーム24の左右側部に取付けられたバッテリケース32,32(手前側の符号32のみ図示)と、これらのバッテリケース32,32内の駆動用バッテリを側方から保護するためにリヤフレーム24に取付けられた側面視で三角形状のバッテリガードフレーム33と、リヤフレーム24の後端部に取付けられた後ジョイント部材34と、この後ジョイント部材34及びスイングアーム31後端部のそれぞれに渡された左右一対のリヤクッションユニット36,36(手前側の符号36のみ図示)と、リヤフレーム24の上部に取付けられたセンタラゲッジボックス37と、メインフレーム22の前部下部に設けられたフロントラゲッジボックス38とを備える。なお、符号41は前輪12を上方から覆うフロントフェンダ、42はシート18の後部に着座した同乗者が掴むグラブレール、43は後輪14を上方から覆うリヤフェンダである。
【0021】
電動モータ13は、後輪14を構成するホイール45の中央部に設けられたハブ45a内に一部が挿入されたホイールインモータであり、電動モータ13をコンパクトに配置することができる。
前ジョイント部材23は、それぞれ別体のメインフレーム22、リヤフレーム24及びスイングアーム31を接続する部材であり、前ジョイント部材23を変更することで、リヤフレーム24に、上記メインフレーム22やスイングアーム31とは形状の異なるメインフレーム、スイングアームを接続することが可能になり、更には、メインフレーム、リヤフレーム及びスイングアームの組合わせを容易に変更することができ、車体構成の自由度を増すことができる。
リヤフレーム24は、1本の丸パイプを折り曲げることで形成された部材である。
後ジョイント部材34は、リヤフレーム24の後端に嵌合し、溶接により接合されて組み付けられた部材であり、左右にリヤクッションユニット36の上端を揺動自在に連結するクッション連結部34a,34a(手前側の符号34aのみ図示)を備える。
図1及び
図2において、シート18は、センタラゲッジボックス37の前端部に開閉自在に取付けられ、シート18の後部は、閉状態ではバッテリガードフレーム33に支持されるとともにリヤフレーム24側に設けられた施錠機構によってロック可能である。
【0022】
図3は、自動二輪車の要部を示す左側面図である。
PDU20は、制御機能を有するPDU本体20Aと、このPDU本体20Aを収納するPUDケース20Bとからなり、サブフレーム51に支持されることで、PDU20がメインフレーム22及び前ジョイント部材23の下方に配置されている。一般にエンジンを搭載する自動二輪車では、メインフレームの後端部の下方にエンジン、ピボット軸を支持するピボットプレート等が配置されるが、本自動二輪車では、エンジン、ピボットプレート等が配置されるスペースにPDU20を配置することで、自動二輪車のスペースを有効に利用することができる。
メインフレーム22の後部下部には、PDU20を支持するサブフレーム51の一端が取付けられ、このサブフレーム51の後端がピボット軸28で支持されている。
サブフレーム51は、側面視L字形状に形成された左右一対のL字フレーム52,52(手前側の符号52のみ図示)と、これらのL字フレーム52,52のそれぞれの後端に車幅方向に延びるように取付けられたクロスパイプ53と、このクロスパイプ53から上方に延びて上端がピボット軸28に連結された左右一対の上方延出フレーム54,54(手前側の符号54のみ図示)と、クロスパイプ53から下方に延びる左右一対の下方延出プレート56,56(手前側の符号56のみ図示)と、これらの下方延出プレート56,56に渡された支軸57と、PDU20を取付けるためにL字フレーム52,52にそれぞれ設けられたPDU取付部58,58とからなる。
【0023】
サブフレーム51には、PDU20の他に、運転者用ステップ60、メインスタンド61、サイドスタンド62及び後輪14の制動に使用するブレーキペダル63が取付けられている。メインスタンド61及びブレーキペダル63は、支軸57に回動自在に支持され、ステップ60はL字フレーム52の下部中央部に支持され、サイドスタンド62はL字フレーム52の下部中央部に設けられたスタンド支持部材65に回動自在に支持されている。
サブフレーム51の前方には、サブフレーム51のL字フレーム52における縦フレーム部52aに沿うようにフロントラゲッジボックス38の後壁38aが近接している。エンジンを搭載する自動二輪車では、エンジンがメインフレーム22の下部に取付けられているが、本自動二輪車10(
図1参照)では、エンジンの配置される車体スペースを有効利用して、大型のフロントラゲッジボックス38を配置している。
【0024】
図4は、自動二輪車の要部を左下方から見た斜視図である。
メインフレーム22の下部にサブフレーム51を構成する左右一対のL字フレーム52,52の上端部が取付けられるとともに、ピボット軸28の左右にサブフレーム51の後部を構成する上方延出フレーム54,54が連結され、サブフレーム51に、運転者用ステップ60、メインスタンド61、サイドスタンド62及びブレーキペダル63が支持されている。
このように、サブフレーム51を設けることで、既存のガソリンを燃料とする自動二輪車の部品(運転者用ステップ、メインスタンド、サイドスタンド及びブレーキペダル等)をそのまま流用することができ、コストを低減することができる。
【0025】
図5は、自動二輪車の要部を示す斜視図である。
リヤフレーム24の左右にバッテリケース32,32が配置され、これらのバッテリケース32,32の側方(車幅方向外側)がバッテリガードフレーム33で覆われ、バッテリケース32,32の前面に沿うようにセンタラゲッジボックス37がリヤフレーム24に取付けられている。
バッテリガードフレーム33は、左ガードフレーム67と、右ガードフレーム68と、これらの左ガードフレーム67及び右ガードフレーム68の後端部同士を連結する連結フレーム69とからなり、左ガードフレーム67及び右ガードフレーム68は、三角形の3つの辺を構成する上パイプ71、前パイプ72及び傾斜パイプ73を備え、バッテリガードフレーム33でシート18(
図1参照)を支持するシートフレームを兼用している。
バッテリガードフレーム33の前部は、リヤフレーム24に設けられたバッテリガード取付け用のパイプ(不図示)に取付けられ、後部は、傾斜パイプ73に設けられたブラケットを介してクッション連結部34aに連結されている。
【0026】
図6は、
図5からバッテリガードフレーム及びバッテリケースが取り外された状態を示す斜視図である。
リヤフレーム24側からバッテリケース32、詳しくはバッテリケース32を構成するケースカバー75を取り外すと、リヤフレーム24に取付けられたベースプレート76に支持された駆動用バッテリとしての複数のバッテリモジュール77が現れる。バッテリモジュール77は、複数のバッテリセルが直列に接続されてケース内に収納されたものであり、各バッテリモジュール77は、電極同士(正極と負極)が導電性を有するバー78で直列に接続されている。上記の複数(4個)のバッテリモジュール77は、バッテリ集合体77Sを構成し、バッテリケース32内にバッテリ集合体77Sが収納される。
バッテリケース32は、リヤフレーム24に取付けられた平板状のベースプレート76と、このベースプレート76の縁に取付けられるケースカバー75とからなり、ケースカバー75は、車体側方に向いた底壁75aと、この底壁75aの縁から一体に立ち上げられた周壁75bとから構成されている。
【0027】
図7は、バッテリモジュール77の組付け状態を示す説明図であり、
図7(A)は車体フレーム16及びバッテリモジュール77を示す側面図、
図7(B)は複数のバッテリモジュール77の配列を示す側面図である。
図7(A)に示すように、バッテリケース32のベースプレート76は、略平行四辺形状のプレートであり、4個のバッテリモジュール77は、それぞれの長手方向が後上りとなるように後傾して隣接するようにベースプレート76に固定されている。バッテリモジュール77の水平に対する傾斜角は、ベースプレート76の前側斜辺76aの上部の傾斜角に一致している。
【0028】
図7(B)に示すように、バッテリモジュール77は、輪郭がほぼ平行四辺形状のモジュールケース77aと、このモジュールケース77aに内蔵された複数のバッテリセル(不図示)とからなる。
モジュールケース77aは、その長手方向の両端部にベースプレート76に固定するためにモジュールケース77aに一体に設けられたバッテリ側固定部77b、77bと、モジュールケース77aの外側面であってバッテリ側固定部77b,77bの近傍に取付けられた正極端子81及び負極端子82とを備える。
バッテリ側固定部77bは、バッテリモジュール77をベースプレート76に取付ける際にボルトを通すボルト挿通穴77dが開けられている。
モジュールケース77aに内蔵する直列に接続された複数のバッテリセルの正極及び負極にそれぞれ正極端子81及び負極端子82が接続され、更に、隣り合うバッテリモジュール77の正極端子81と負極端子82とがバー78で接続されることで複数のバッテリモジュール77が直列に接続され、4個のバッテリモジュール77からなるバッテリ集合体77S、又は左右のバッテリ集合体77S,77S(手前側の符号77Sのみ図示)で電動モータ(
図1参照)の定格電圧となるように構成されている。
【0029】
図8は、リヤフレーム24に取付けられたベースプレート76を示す説明図であり、
図8(A)は斜視図、
図8(B)は左側面図である。
図8(A)に示すように、リヤフレーム24は、その屈曲部24aの下方にリヤフレーム24を貫通して車幅方向に延びる丸パイプからなる下部パイプ84が取付けられ、屈曲部24aの後方にリヤフレーム24の上面に接合されて車幅方向に延びる丸パイプからなる上部パイプ85が取付けられている。これらの下部パイプ84及び上部パイプ85は、バッテリガードフレーム33(
図4参照)の前部左右が取付けられる部材である。
左右のベースプレート76,76は、リヤフレーム24を左右から挟むようにして、リヤフレーム24の側面、下部パイプ84及び上部パイプ85に取付けられている。
図8(B)に示すように、ベースプレート76は、外側面側に、複数の第1ナット87及び複数の第2ナット88が取付けられている。
図7(B)及び
図8(B)において、複数の第1ナット87は、各バッテリモジュール77のボルト挿通穴77d,77dに通されたボルトがねじ結合される部品であり、バッテリモジュール77の個数分(4個分)の第1ナット87がベースプレート76に設けられている。
また、第2ナット88は、後述する別のバッテリモジュール101(
図12参照)をベースプレート76に取付けるための部品である。
【0030】
図9は、前ジョイント部材23を示す斜視図である。
前ジョイント部材23は、メインフレーム22の後端部が内側に嵌合及び接合される筒状の前部嵌合部23aと、この前部嵌合部23aの後側に配置されてリヤフレーム24の下端部が内側に嵌合及び接合される筒状の上部嵌合部23bと、スイングアーム31を支持するピボット軸28が挿入される後部管部23cと、上部嵌合部23b及び後部嵌合部を連結する後部連結部23dとからなる一体成形品である。なお、符号23fは前部嵌合部23aの上面と上部嵌合部23bの前面とを一体に連結する前部補強部、23g,23g(手前側の符号23gのみ図示)は上部嵌合部23bと後部連結部23dと後部管部23cとを一体に連結する左右一対の側部補強部である。
このような前ジョイント部材23を使用することで、メインフレーム22、リヤフレーム24及びスイングアーム31の組合わせを、車体形状、車両の機種(いわゆる、カブタイプ、ネイキッドタイプ、スクータタイプ等)等に応じて他の組合わせに自由に変更することが可能になる。
【0031】
図10は、後ジョイント部材34を示す斜視図である。
後ジョイント部材34は、リヤフレーム24の後端部に嵌合及び接合される筒状の後端嵌合部34cと、この後端嵌合部34cの下部から両側方及び下方に延びる軸支持部34dと、この軸支持部34dに下方に延びるように設けられた左右一対の下方延出部34e,34eを貫通して車幅方向に延びるように取付けられたクロスパイプ34gと、このクロスパイプ34gの中空部に嵌合及び接合されたクロスシャフト34hとから構成され、後端嵌合部34cと軸支持部34dとは一体成形されている。
クロスシャフト34hのクロスパイプ34gから左右に突出した部分は、リヤクッションユニット36,36の上端部36a,36aが連結されるクッション連結部34a,34a(手前側の符号34aのみ図示)になる。
このような後ジョイント部材34を設けることで、左右に設けられるリヤクッションユニット36,36の車幅方向の間隔、リヤクッションユニット36の形状、あるいはリヤフレーム24(
図2参照)とリヤクッションユニット36の位置関係に応じて後ジョイント部材34を変更することで種々の車両に容易に対応することができる。
【0032】
図11は、バッテリモジュール77を説明する説明図であり、
図11(A)はバッテリモジュール77を示す斜視図、
図11(B)はバッテリモジュール77を車幅方向内側から見た側面図、
図11(C)はバッテリモジュール77からモジュールケースを取り外した状態を示す斜視図である。
図11(A)に示すように、モジュールケース77aは、バッテリ側固定部77b、77bが一体に形成されたケース本体77fと、このケース本体77fの開口部を塞ぐケースカバー77gとからなり、ケースカバー77gがケース本体77fに複数のビス91で取付けられている。
図11(B)はケース本体77fからケースカバー77g(
図11(A)参照)を取り外した状態を示し、
図11(C)はケース本体77fから取り出した3個のバッテリセル集合体93を示している。
図11(B),(C)において、ケース本体77f内には、輪郭がほぼ平行四辺形状の複数(ここでは3個)のバッテリセル集合体93が、ケース本体77fのほぼ平行四辺形状の内面77hに接するように密に配置されている。バッテリセル集合体93は、円柱状の複数(ここでは9個)のバッテリセル95と、これらのバッテリセル95の外側を覆うフィルム状の被覆部材96とから構成され、バッテリセル95同士が隣接するように配置され、被覆部材96によってバッテリセル集合体93の形状が維持されている。
【0033】
上記の
図2、
図7(A),(B)に示したように、駆動用モータとしての電動モータ13に電力を供給するバッテリモジュール77が車体フレーム16に支持される電動車両としての自動二輪車10において、車体フレーム16は、その前部を構成するヘッドパイプ21から後方下方に延びるメインフレーム22と、このメインフレーム22の後方に配置されて後方上方に延びるリヤフレーム24と、メインフレーム22の後端部にリヤフレーム24の前端部を接続する前ジョイント部材23とを備え、リヤフレーム24の左右にバッテリとしてのバッテリモジュール77が支持されていることを特徴とする。
この構成によれば、自動二輪車10の機種が異なる場合でも、前ジョイント部材23を変更することで、メインフレーム22とリヤフレーム24との組合せを変更可能として様々なバリエーションに対応することが可能となり、また、バッテリモジュール77を支持するリヤフレーム24を複数の機種に流用することも可能になり、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【0034】
また、
図7(A),(B)及び
図8(A),(B)に示したように、バッテリモジュール77は、リヤフレーム24にバッテリ支持部材としてのベースプレート76を介して支持され、このベースプレート76は、バッテリモジュール77,101を支持する複数の固定部としての第1ナット87及び第2ナット88が設けられており、第1ナット87及び第2ナット88は、ベースプレート76に対してバッテリモジュール77,101の取付け位置を変更可能に取付けられ、これらの第1ナット87及び第2ナット88によって、形状の異なる複数種類のバッテリモジュール77,101に対応して支持可能なので、複数の第1ナット87及び複数の第2ナット88を備えることで、形状の異なった複数種類のバッテリモジュール77,101に対応する第1ナット87又は第2ナット88で支持することができ、複数種類のバッテリモジュール77,101に対応してベースプレート76をそれぞれ準備する必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、バッテリモジュール77,101は、その長手方向が後上りになるように傾けられて配置されているので、バッテリモジュール77,101が後方上方に延びるリヤフレーム24にほぼ沿って配置されるため、リヤフレーム24の両側方の空間を効率良く利用してバッテリモジュール77,101の全長を大きくすることができ、限られたスペースでバッテリ容量を増やすことができる。
【0035】
また、
図13及び
図14(A)〜(C)に示したように、ベースプレート76は、第1ナット87又は第2ナット88にボルトで取付けられるブラケットとしてのバッテリ支持ブラケット112を介して駆動用バッテリ115を支持するので、バッテリ支持ブラケット112を使用することで、同一のベースプレート76を利用して、更に多くの種類の駆動用バッテリ115を支持することができる。
また、
図1及び
図2に示したように、リヤフレーム24は、シート18を支持するシートフレームを兼ねるので、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品数が少なくなってコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、前ジョイント部材23は、電動モータ13で駆動される車輪としての後輪14が取付けられたスイングアーム31を上下揺動自在に支持するので、メインフレーム22とリヤフレーム24とを接続する前ジョイント部材23でスイングアーム31の支持部材を兼ねることができ、特別にスイングアーム31の支持部材を設ける必要がなく、コスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【0036】
また、
図6及び
図7(A),(B)に示したように、バッテリモジュール77は、リヤフレーム24に取付けられたベースプレート76と、このベースプレート76の側方を覆うカバー部材としてのケースカバー75とで構成されるバッテリケース32内に収納されるので、バッテリモジュール77を飛び石、土埃、雨水等から保護することができる。更に、ケースカバー75をベースプレート76から取り外すことでバッテリモジュール77を容易にメンテナンスすることができる。
また、
図3及び
図4に示したように、メインフレーム22の後端部の下方及び前ジョイント部材23の下方に、電動モータ13を制御するPDU20が配置されているので、メインフレーム22の後端部の下方及び前ジョイント部材23の下方のスペースを有効に利用することができる。
また、
図2に示したように、バッテリケース32は、側面視で後輪14の一部に重なり、左右のバッテリケース32,32(手前側の符号32のみ図示)間を後輪14が上下動するので、左右のバッテリケース32,32を大型にしても後輪14と干渉しないので、バッテリケース32に大型のバッテリモジュール77(又はバッテリモジュール101(
図12参照))を収納することができる。
【0037】
また、
図1、
図5及び
図6に示したように、バッテリケース32は、リヤフレーム24に取付けられたバッテリガードフレーム33により車幅方向外側から覆われ、このバッテリガードフレーム33は、シート18を支持するシートフレームを兼用するので、バッテリケース32及びバッテリモジュール77をバッテリガードフレーム33で側方から覆い、バッテリケース32及びバッテリモジュール77を保護することができるとともに、特別にシートフレームを設ける必要がなく、部品点数を減らすことができてコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
また、
図5及び
図9に示したように、前ジョイント部材23は、車幅方向に延びるピボット軸28を備え、このピボット軸28にスイングアーム31が上下揺動自在に支持されるので、ピボット軸28を支持する従来のような左右一対のピボットフレームが不要となり、前ジョイント部材23でピボットフレームを兼ねるため、部品点数を減らしてコスト削減及び生産性向上を図ることができる。
【0038】
<第2実施形態>
図12は、バッテリモジュールの第2実施形態(バッテリモジュール101)の配列を示す側面図であり、
図7に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
複数(2個)のバッテリモジュール101は、それぞれの長手方向が後上りとなるように後傾して隣接するようにベースプレート76に固定されている。バッテリモジュール101の水平に対する傾斜角は、ベースプレート76の後側斜辺76cの傾斜角に一致している。バッテリモジュール101は、輪郭がほぼ平行四辺形状のモジュールケース101aと、このモジュールケース101aに内蔵された複数のバッテリセル(不図示)とからなり、モジュールケース101aの長手方向の両端部にベースプレート76に固定するためにモジュールケース101aに一体に設けられたバッテリ側固定部101b、101bと、モジュールケース101aの外側面であってバッテリ側固定部101b,101bの近傍に取付けられた正極端子81及び負極端子82とを備える。上記の複数(2個)のバッテリモジュール101は、バッテリ集合体101Sを構成し、バッテリケース32内にバッテリ集合体101Sが収納される。
【0039】
バッテリ側固定部101bは、バッテリモジュール101をベースプレート76に取付ける際にボルト102を通すボルト挿通穴が開けられている。複数のボルト102は、ベースプレート76の第2ナット88(
図8(B)参照)にねじ結合されている。
モジュールケース101aに内蔵する直列に接続された複数のバッテリセルの正極及び負極にそれぞれ正極端子81及び負極端子82が接続され、更に、隣り合うバッテリモジュール77の正極端子81と負極端子82とが導電性を有するバー103で接続されることで複数のバッテリモジュール101が直列に接続され、2個のバッテリモジュール101からなるバッテリ集合体101S、又は左右のバッテリ集合体101S,101S(手前側の符号101Sのみ図示)で電動モータ13(
図1参照)の定格電圧となるように構成されている。
【0040】
<第3実施形態>
図13は、駆動用バッテリ及びバッテリケースの第3実施形態を示す斜視図であり、
図5に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
車体後部のベースプレート76には、電動モータ13(
図1参照)に電力を供給する駆動用バッテリを収納するバッテリケース111がバッテリ支持ブラケット112を介して取付けられている。バッテリケース111は、バッテリ支持ブラケット112で支持されるバッテリケース本体111aと、このバッテリケース本体111aの開口を塞ぐバッテリケースカバー111bとからなる。
【0041】
図14は、バッテリケース111及び駆動用バッテリ115を説明する説明図であり、
図14(A)はバッテリケース111を示す斜視図、
図14(B)は駆動用バッテリ115を示す斜視図、
図14(C)はバッテリ支持ブラケット112を示す斜視図である。
図14(A)に示すように、バッテリケース111は、バッテリケース本体111aとバッテリケースカバー111bとからなり、これらのバッテリケース本体111aとバッテリケースカバー111bとから形成される上下2段に重ねられた上箱部111c及び下箱部111dのうちの上箱部111cが下箱部111dに対して車両後方にずれた位置に設けられた形状を有し、上箱部111cと下箱部111dとが、上箱部111cの底板となる仕切り壁111fで仕切られ、上箱部111c及び下箱部111dの内側にそれぞれ駆動用バッテリ115が収納されている。上記の2個の駆動用バッテリ115は、バッテリ集合体115Sを構成し、バッテリケース111内にバッテリ集合体115Sが収納される。
【0042】
図14(B)に示すように、箱形の駆動用バッテリ115は、板状の複数のバッテリセルが積層され、直列に接続されて内蔵されている。駆動用バッテリ115の上面には正極116及び負極117が設けられ、これらの正極116及び負極117の一方の電極(例えば負極117)がもう一つの駆動用バッテリ115(不図示)の電極(例えば正極116)に図示せぬ導線で直列に接続され、2個の駆動用バッテリ115からなるバッテリ集合体115S、又は左右のバッテリ集合体115S,115S(手前側の符号115のみ図示)が電動モータ13(
図1参照)の定格電圧となるように構成されている。
【0043】
図14(C)に示すように、バッテリ支持ブラケット112は、1枚の板材が折り曲げられて成形された上部支持プレート121と、この上部支持プレート121の下部に溶接にて取付けられた下部支持具122とからなる。
上部支持プレート121は、複数のボルト挿通穴121aが開けられた平坦部121bと、この平坦部121bの上縁から屈曲しつつ上方に延びる上部屈曲部121cと、平坦部121bの下縁から屈曲しつつ下方に延びる2つの下方屈曲部121d,121eとからなる。
平坦部121bは、複数のボルト挿通穴121aにそれぞれ挿入されたボルトがベースプレート76の第1ナット87及び第2ナット88にねじ結合されることでベースプレート76に取付けられる。
【0044】
上部屈曲部121cは、平坦部121bから折り曲げられて立ち上げられた上第1屈曲部121gと、この上第1屈曲部121gの縁部から上方に延びる上延出部121hと、この上延出部121hから折り曲げられて立ち上げられた上第2屈曲部121jとからなり、上第2屈曲部121jに複数のビス挿通穴121mが開けられ、これらのビス挿通穴121mにビス124(
図13参照)が挿入されてバッテリケース本体111a(
図13参照)の上面にねじ結合されることにより、バッテリ支持ブラケット112の上部でバッテリケース111(
図13参照)が支持される。
図14(C)において、下方屈曲部121dは、平坦部121bの下縁から屈曲しつつ立ち上げられた下第1屈曲部121nと、この下第1屈曲部121nから下方に延びる下第1延出部121pとからなる。下部屈曲部121eは、平坦部121bの下縁から屈曲しつつ立ち上げられた下第2屈曲部121qと、この下第2屈曲部121qから下方斜め後方に延びる下第2延出部121rとからなる。
【0045】
下部支持具122は、上端が上部支持プレート121の下第1延出部121pに取付けられたL字形状の第1ステー126と、上端が上部支持プレート121の下第2延出部121rに取付けられたL字形状の第2ステー127と、これらの第1ステー126及び第2ステー127のそれぞれの下部に渡されて取付けられたブリッジプレート128とからなる。ブリッジプレート128は、複数のビス挿通穴128aが開けられ、これらのビス挿通穴128aにビス(不図示)が挿入されてバッテリケース本体111a(
図13参照)の下面にねじ結合されることにより、バッテリ支持ブラケット112の下部でバッテリケース111(
図13参照)が支持される。
【0046】
<第4実施形態>
図15は、自動二輪車の第4実施形態を示す要部側面図であり、
図2に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
自動二輪車130は、スイングアーム31の後端部にパワーユニット131が取付けられ、このパワーユニット131の出力軸132に後輪14が取付けられた電動車両であり、パワーユニット131は、駆動源となる電動モータ134と、この電動モータ134の回転軸135に接続されるとともに上記の出力軸132を有する減速機構136とからなる。パワーユニット131の後端部にはリヤクッションユニット36の下端部が揺動自在に連結されている。
【0047】
<第5実施形態>
図16は、自動二輪車の第5実施形態を示す要部側面図であり、
図2に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
自動二輪車140は、ピボット軸28に上下揺動自在にパワーユニット141が取付けられ、このパワーユニット141の出力軸142に後輪14が取付けられた電動車両である。パワーユニット141は、その伝動ケース143内の後部に、駆動源となる電動モータ144と、この電動モータ144に接続された減速機構(不図示)とが配置され、伝動ケース143内の前部に、電動モータ144を駆動制御するPDU145が配置されている。伝動ケース143の後端部にはリヤクッションユニット36の下端部が揺動自在に連結されている。
【0048】
<第6実施形態>
図17は、自動二輪車の第6実施形態を示す斜視図であり、
図1に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
自動二輪車150は、車体前部にバーハンドル151で操舵される前輪152を備え、車体後部に電動モータ13で駆動される後輪154を備えたスクータ型の電動車両であり、車体フレーム156が車体カバー157で覆われ、後部上部にシート158が取付けられ、バーハンドル151とシート158との間の下方に運転者が足を載せるフロアステップ159が設けられている。
【0049】
車体カバー157は、車体前部を覆うフロントカバー161と、フロアステップ159と、このフロアステップ159の車幅方向両端部の下方を覆う左右一対のフロアサイドカバー162,162(手前側の符号162のみ図示)と、フロアステップ159の後端に連続するとともにシート158の前部の下方を覆うセンタカバー163と、フロアサイドカバー162,162及びセンタカバー163の各後縁に連続してシート158の側端部下方を覆う左右一対のボディサイドカバー165,165(手前側の符号165のみ図示)と、シート158の後方で左右のボディサイドカバー165,165を連結するリヤセンタカバー166とを備える。なお、符号171はヘッドランプ、172はバーハンドル151の中央部を覆うハンドルカバー、173は前輪152を上方から覆うフロントフェンダ、174はテールランプ、176は後輪154を上方から覆うリヤフェンダである。
【0050】
図18は、車体カバーが取り外された自動二輪車150を示す左側面図である。
自動二輪車150は、骨格となる車体フレーム156を備える。車体フレーム156は、その前端部に備えるヘッドパイプ181と、このヘッドパイプ181から下方斜め後方そして後方に延びるメインフレーム182と、このメインフレーム182の後端に前ジョイント部材183を介して取付けられたリヤフレーム24とからなる。
【0051】
自動二輪車150は、詳しくは、ヘッドパイプ181に操舵自在に取付けられたフロントフォーク185と、このフロントフォーク185の下端部に車軸186を介して取付けられた前輪152と、フロントフォーク185の上端部に取付けられたバーハンドル151(
図17参照)と、前ジョイント部材183にピボット軸28を介して上下揺動自在に取付けられたスイングアーム31と、このスイングアーム31の後端部に取付けられた電動モータ13と、この電動モータ13の回転軸(図示)を車軸として電動モータ13に駆動される後輪154と、電動モータ13に電力を供給する駆動用バッテリを収納するためにリヤフレーム24の左右側部に取付けられたバッテリケース32,32(手前側の符号32のみ図示)と、これらのバッテリケース32,32内の駆動用バッテリを側方から保護するためにリヤフレーム24に取付けられたバッテリガードフレーム33と、一方のバッテリケース32の下部に取付けられたPDU188と、リヤフレーム24の後端部に連結された後ジョイント部材34と、この後ジョイント部材34及びスイングアーム31後端部のそれぞれに渡された左右一対のリヤクッションユニット187,187(手前側の符号187のみ図示)と、リヤフレーム24の上部に取付けられたセンタラゲッジボックス37とを備える。
【0052】
即ち、自動二輪車150は、
図2に示した自動二輪車10に対してリヤフレーム24、スイングアーム31、バッテリケース32及びこのバッテリケース32に収納された駆動用バッテリ、バッテリガードフレーム33、後ジョイント部材34、電動モータ13、センタラゲッジボックス37等の電動車両主要部を流用し、PDU188、後輪154、リヤクッションユニット187,187が異なっている。PDU188は、図示せぬ駆動用バッテリに接続されて電動モータ13の駆動制御を行う。
【0053】
図19は、前ジョイント部材183を示す斜視図である。
前ジョイント部材183は、メインフレーム182の後端部が内側に嵌合及び接合される筒状の前部嵌合部183aと、この前部嵌合部183aの後側に配置されてリヤフレーム24の下端部が内側に嵌合及び接合される筒状の上部嵌合部183bと、この上部嵌合部183bから両側方及び後方に延ばされてピボット軸28を介してスイングアーム31を支持する後部延出部183cとからなる一体成形品である。なお、符号183fは前部嵌合部183aの上面と上部嵌合部183bの前面とを一体に連結する前部補強部、183g,183gは前部嵌合部183aと上部嵌合部183bと後部延出部183cとを一体に連結する左右一対の側部補強部である。
後部延出部183cは、両側面にピボット軸28を通すピボット軸挿通穴183h,183h(手前側の符号183hのみ図示)が開けられている。
【0054】
上記の
図18に示したように、バッテリケース32の底面に且つスイングアーム31の上方に電動モータ13を制御するパワードライブユニット(PDU)188が配置されているので、バッテリケース32とスイングアーム31との間に出来る空間を有効利用してPDU188を配置することができる。また、路面から跳ね上げられた石や泥水等をスイングアーム31で阻止してPDU188に当たらないように保護することができる。
【0055】
<第7実施形態>
図20は、自動二輪車の第7実施形態を示す斜視図であり、
図2、
図17に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
自動二輪車190は、電動車両であり、
図17に示した自動二輪車150に対してリヤクッションユニット191が一本になり、このリヤクッションユニット191を車体フレーム192とスイングアーム193とに取付ける構造が異なっている。
即ち、自動二輪車190は、前ジョイント部材183にピボット軸28を介して上下揺動自在に取付けられたスイングアーム193と、車体フレーム192及びスイングアーム193のそれぞれに渡されて取付けられたリヤクッションユニット191とを備える。
【0056】
図21は、車体カバーが取り外された自動二輪車の要部を示す左側面図である。
自動二輪車190(
図20参照)の車体フレーム192を構成するリヤフレーム196は、その屈曲部196aにリヤクッションユニット191の上端部を揺動自在に支持するフレーム側ブラケット197が取付けられた部材である。リヤフレーム196は、リヤフレーム24(
図2参照)とフレーム側ブラケット197とから構成され、このフレーム側ブラケット197に支軸195を介してリヤクッションユニット191の上端部が揺動自在に支持されている。
スイングアーム193は、その左右を前後方向に延びる一対のアーム198,198(手前側の符号198のみ図示)を備え、これらの左右のアーム198,198に車幅方向に延びるように支軸199が設けられ、この支軸199にリヤクッションユニット191の下端が揺動自在に支持されている。
【0057】
<第8実施形態>
図22は、自動二輪車の第8実施形態を示す要部左側面図であり、
図2に示した実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
自動二輪車200は、車体フレーム201の前端部を構成するヘッドパイプ202と、このヘッドパイプ202に操舵自在に取付けられたフロントフォーク203と、このフロントフォーク203の下端に車軸204を介して取付けられた前輪206と、ヘッドパイプ202から後方斜め下方に延びるメインフレーム207(車体フレーム201を構成する部材)と、このメインフレーム207の後部から上方斜め後方に延びるリヤフレーム208と、このリヤフレーム208にベースプレート211を介して取付けられた複数のバッテリモジュール77と、メインフレーム207の後端部にピボット軸212を介して上下揺動自在に取付けられたパワーユニット213と、このパワーユニット213の出力軸213aに取付けられた後輪214と、パワーユニット213内に内蔵された電動モータ216及びPDU217と、リヤフレーム208及びパワーユニット213のそれぞれに連結されたリヤクッションユニット218と、メインフレーム207の下部に取付けられたヘルメットボックス220とを備える。
【0058】
ヘルメットボックス220は、ガソリンを燃料とするエンジンを備えた自動二輪車において、エンジンが配置されていたメインフレーム207の下方のスペースに、フルフェイス型のヘルメット221を収納可能に配置されている。
ヘルメットボックス220の側面にはリッド220aが設けられ、このリッド220aを開閉することにより、ヘルメット221をヘルメットボックス220に出し入れすることができる。なお、符号223はリッド220aのヒンジ、224はリッド220aの開閉時に使用するノブである。
【0059】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、
図7(A)に示したメインフレーム22、リヤフレーム24、
図18に示したメインフレーム182を丸パイプとし、これらを接続する前ジョイント部材23,183を丸パイプの接続に適する形状にしたが、これに限らず、メインフレーム及びリヤフレームを、角パイプ、楕円形や長円形等のパイプとし、前ジョイント部材を角パイプ、楕円形や長円形等のパイプの接続に適する形状にしても良い。
更に、
図18及び
図20に示した第6実施形態、第7実施形態において、メインフレーム182に
図3に示したのと同様にサブフレーム51を取付け、このサブフレーム51でPDU20を支持することで、メインフレーム182の下方及び前ジョイント部材183の下方にPDU20を配置しても良い。
また更に、本発明は、自動二輪車に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。