特許第6000055号(P6000055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000055
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】間欠送受信システム
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20160915BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20160915BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20160915BHJP
   H03J 9/02 20060101ALI20160915BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20160915BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20160915BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20160915BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20160915BHJP
【FI】
   G08C17/00 Z
   G08C15/06 H
   H04Q9/00 311H
   H03J9/02
   H04M1/73
   H04M11/00 301
   H04W4/04 190
   H04W52/02 111
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-228662(P2012-228662)
(22)【出願日】2012年10月16日
(65)【公開番号】特開2014-81761(P2014-81761A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2015年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳也
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 元
(72)【発明者】
【氏名】東嶋 裕策
(72)【発明者】
【氏名】石原 健太郎
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−296065(JP,A)
【文献】 特開2010−211370(JP,A)
【文献】 特開2006−033717(JP,A)
【文献】 特開2009−245109(JP,A)
【文献】 特開平05−292569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/06,17/00
H03J 9/02
H04M 1/73,11/00
H04Q 9/00
H04W 4/04,52/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイミング制御信号に基づき、センサにより計測された計測情報を処理して送信する複数の情報送信装置と、
前記各情報送信装置に対して前記タイミング制御信号を間欠的に送信し、前記計測情報の送信を指示する送信指示装置と、
を備える間欠送受信システムにおいて、
前記送信指示装置は、
前記各情報送信装置に対応した前記タイミング制御信号を前記計測情報の収集時間間隔で間欠的に送信する制御を行う送信指示制御部を有し、
前記情報送信装置は、
電源から供給される電力により駆動され、受信した前記タイミング制御信号に基づき、前記計測情報を処理して前記送信指示装置に送信する制御を行う情報送信制御部と、
前記収集時間間隔と、前記タイミング制御信号が送信されてから前記計測情報の送信処理が完了するまでの送信処理時間とに基づいて待ち受け時間が設定され、前記情報送信制御部が前記計測情報の送信処理を完了した後、前記待ち受け時間の計時を開始するタイマと、
を備え、
前記情報送信制御部は、前記タイマが前記待ち受け時間を計時している間、前記電力の消費を必要最小限とする待ち受け状態に設定され、前記タイマが前記待ち受け時間の計時を終了すると、前記待ち受け状態が解除されることを特徴とする間欠送受信システム。
【請求項2】
請求項1記載の間欠送受信システムにおいて、
前記送信指示制御部は、前記計測情報を受信すると、前記計測情報を送信した前記情報送信装置に受信確認信号を送信し、
前記情報送信制御部は、前記受信確認信号を受信した後、待ち受け状態に設定されることを特徴とする間欠送受信システム。
【請求項3】
請求項1記載の間欠送受信システムにおいて、
前記送信指示制御部は、前記計測情報を正常に受信できない場合、前記計測情報を送信する前記情報送信装置に前記計測情報の再送指示信号を送信し、
前記情報送信制御部は、前記再送指示信号の有無に応じて待ち受け状態に設定されることを特徴とする間欠送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミング制御信号に基づき、センサにより計測された計測情報を処理して送信する複数の情報送信装置と、前記各情報送信装置に対して前記タイミング制御信号を間欠的に送信し、前記計測情報の送信を指示する送信指示装置と、を備える間欠送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、遠隔地に設置した情報送信装置により種々の計測情報を取得し、その計測情報を送信指示装置において監視するモニタリングシステムが広範に利用されている。このモニタリングシステムでは、送信指示装置から送信されるタイミング制御信号に基づいて情報送信装置が計測情報を取得し、所定の時間間隔で送信指示装置に送信する。
【0003】
ところで、モニタリングシステムでは、情報送信装置を駆動するための電力を確保する必要があるが、電力の供給が困難な場所に設置されている情報送信装置の場合、バッテリや太陽電池等の電源に頼らざるを得ない。しかしながら、これらの電源は、容量やコストの点から、長時間、充分な電力を情報送信装置に供給する構成とすることが困難である。
【0004】
そこで、間欠的に駆動させることで、電力の消費を少なくするように構成した情報送信装置が種々提案されている(特許文献1参照)。この情報送信装置では、計測情報の送信を指示するタイミング制御信号が送信指示装置から所定時間送信されないとき、情報送信装置の状態を、電力の消費が大きい受信可能状態から、電力の消費が少ない待ち受け状態に切り替える。そして、一定時間経過した後、情報送信装置の状態を、待ち受け状態から再び受信可能状態に切り替える。情報送信装置は、この処理を繰り返すことにより、電力の消費を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−245109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の情報送信装置では、送信指示装置からタイミング制御信号が送信されない期間であっても、受信可能状態と待ち受け状態とが一定時間毎に繰り返される。この場合、タイミング信号が送信されない期間に情報送信装置が受信可能状態に切り替わると、その間の電力が無駄に消費されてしまう。例えば、待ち受け状態の時間に対して、タイミング制御信号が送信される時間間隔が長い場合、タイミング制御信号が送信されない期間に受信可能状態となっている時間が長くなる可能性がある。一方、待ち受け状態の時間を長く設定した場合、待ち受け状態となっている間にタイミング制御信号が送信されると、その信号を受信できない事態が生じる。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電力の消費を抑制できるとともに、タイミング制御信号を確実に受信して計測情報を送信することのできる間欠送受信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る間欠送受信システムは、タイミング制御信号に基づき、センサにより計測された計測情報を処理して送信する複数の情報送信装置と、前記各情報送信装置に対して前記タイミング制御信号を間欠的に送信し、前記計測情報の送信を指示する送信指示装置と、を備える間欠送受信システムにおいて、前記送信指示装置は、前記各情報送信装置に対応した前記タイミング制御信号を前記計測情報の収集時間間隔で間欠的に送信する制御を行う送信指示制御部を有し、前記情報送信装置は、電源から供給される電力により駆動され、受信した前記タイミング制御信号に基づき、前記計測情報を処理して前記送信指示装置に送信する制御を行う情報送信制御部と、前記収集時間間隔と、前記タイミング制御信号が送信されてから前記計測情報の送信処理が完了するまでの送信処理時間とに基づいて待ち受け時間が設定され、前記情報送信制御部が前記計測情報の送信処理を完了した後、前記待ち受け時間の計時を開始するタイマと、を備え、前記情報送信制御部は、前記タイマが前記待ち受け時間を計時している間、前記電力の消費を必要最小限とする待ち受け状態に設定され、前記タイマが前記待ち受け時間の計時を終了すると、前記待ち受け状態が解除されることを特徴とする。
【0009】
前記間欠送受信システムにおいて、前記送信指示制御部は、前記計測情報を受信すると、前記計測情報を送信した前記情報送信装置に受信確認信号を送信し、前記情報送信制御部は、前記受信確認信号を受信した後、待ち受け状態に設定されることを特徴とする。
【0010】
前記間欠送受信システムにおいて、前記送信指示制御部は、前記計測情報を正常に受信できない場合、前記計測情報を送信する前記情報送信装置に前記計測情報の再送指示信号を送信し、前記情報送信制御部は、前記再送指示信号の有無に応じて待ち受け状態に設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の間欠送受信システムでは、送信指示装置から所定の収集時間間隔で送信されるタイミング制御信号に基づき、計測情報を処理して情報送信装置から送信指示装置に送信した後、前記収集時間間隔と、前記タイミング制御信号が送信されてから計測情報の送信処理が完了するまでの送信処理時間とに基づいて設定された待ち受け時間の間、情報送信装置が待ち受け状態に設定される。この場合、情報送信装置は、自己の情報送信装置に対してタイミング制御信号が送信されない期間、電力の消費を必要最小限とする待ち受け状態に設定されるため、その間の電力の消費を抑制することができる。
【0012】
また、情報送信装置は、前記待ち受け時間が経過した後、待ち受け状態が解除されて受信可能状態となるため、その後に送信されるタイミング制御信号を確実に受信して計測情報を送信指示装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る第1実施形態の間欠送受信システムの構成ブロック図である。
図2】第1実施形態の間欠送受信システムの処理フローチャートである。
図3】第1実施形態の間欠送受信システムのタイミングチャートである。
図4】本発明に係る第2実施形態の間欠送受信システムの構成ブロック図である。
図5】第2実施形態の間欠送受信システムの処理フローチャートである。
図6】第2実施形態の間欠送受信システムのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の間欠送受信システム10の構成ブロック図であり、図2は、第1実施形態の間欠送受信システム10の処理フローチャートであり、図3は、第1実施形態の間欠送受信システム10のタイミングチャートである。
【0016】
[間欠送受信システム10の構成の説明]
間欠送受信システム10は、情報送信装置12a〜12cと、送信指示装置14と、制御装置16と、センサ18a〜18cと、電源20a〜20c、22とを備える。情報送信装置12a〜12cは、タイミング制御信号に基づき、センサ18a〜18cにより計測された計測情報を処理して送信指示装置14に送信する装置である。送信指示装置14は、情報送信装置12a〜12cに対してタイミング制御信号を間欠的に送信し、計測情報の送信を指示する装置である。制御装置16は、送信指示装置14を制御して計測情報を収集する装置である。情報送信装置12a〜12cは、送信指示装置14から離れた場所に設置可能な装置であり、送信指示装置14と無線接続される。また、送信指示装置14と制御装置16とは、有線接続される。なお、送信指示装置14と制御装置16とは、無線接続されていてもよい。
【0017】
[情報送信装置12a〜12cの構成の説明]
情報送信装置12a〜12cは、情報送信制御部24、時刻検出部26、タイマ28、送信部30及び受信部32を備え、これらがバス34を介して相互に接続される。
【0018】
情報送信制御部24は、CPU、ROM、RAMを備え、情報送信装置12a〜12cの全体の制御を行う。時刻検出部26は、現在時刻を検出する。時刻検出部26は、例えば、電波時計、GPS受信機等により構成することができる。タイマ28は、待ち受け時間Twを計時する。送信部30は、センサ18a〜18cにより計測された計測情報を送信指示装置14に送信する。受信部32は、計測情報を計測するためのタイミング制御信号Ta〜Tcを送信指示装置14から受信する。
【0019】
情報送信装置12a〜12cに接続されるセンサ18a〜18cは、例えば、河川の水位、温度、湿度、雨量等の気象情報を計測情報として計測する。電源20a〜20cは、情報送信装置12a〜12cに電力を供給する。電源20a〜20cは、バッテリ、太陽電池等により構成することができる。
【0020】
[送信指示装置14の構成の説明]
送信指示装置14は、送信指示制御部36、時刻検出部38、タイマ40、送信部42及び受信部44を備え、これらがバス46を介して相互に接続される。
【0021】
送信指示制御部36は、CPU、ROM、RAMを備え、送信指示装置14の全体の制御を行う。時刻検出部38は、現在時刻を検出する。時刻検出部38は、例えば、電波時計、GPS受信機等により構成することができる。タイマ40は、収集時間間隔T1、送信時間間隔T2及びタイムアウト時間tを計時する。送信部42は、タイミング制御信号Ta〜Tcを情報送信装置12a〜12cに送信する。受信部44は、情報送信装置12a〜12cから計測情報を受信する。電源22は、送信指示装置14に電力を供給する。電源22としては、商用電源を利用することができる。
【0022】
[間欠送受信システム10の動作の説明]
次に、図2及び図3に基づき、間欠送受信システム10の動作について説明する。
【0023】
各情報送信装置12a〜12cは、所望の場所に設置された初期設定時において、電源20a〜20cがONとされ、情報送信装置12a〜12cに電力が供給される(ステップS1)。従って、情報送信装置12a〜12cは、送信指示装置14からタイミング制御信号Ta〜Tcを受信可能な状態に設定されるとともに、センサ18a〜18cによる計測情報の計測処理が可能な状態に設定される。
【0024】
送信指示制御部36は、タイマ40をリセットし、収集時間間隔T1、送信時間間隔T2及びタイムアウト時間tの計時を開始する(ステップS2、S3)。ここで、収集時間間隔T1は、情報送信装置12a〜12cの1つから計測情報を収集するためのタイミング制御信号Ta〜Tcの時間間隔である。送信時間間隔T2は、各情報送信装置12a〜12cに送信されるタイミング制御信号Ta〜Tc間の時間間隔である。タイムアウト時間tは、情報送信装置12a〜12cから計測情報を適切に受信できない場合の上限時間である。
【0025】
先ず、送信指示制御部36は、情報送信装置12aに計測情報の送信を指示するためのタイミング制御信号Taを生成する。生成されたタイミング制御信号Taは、送信先である情報送信装置12aを特定するためのID情報と、収集時間間隔T1と、時刻検出部38により検出されたタイミング制御信号Taの送信開始時刻tsとともに、送信部42から情報送信装置12aに送信される(ステップS4)。
【0026】
情報送信制御部24は、受信部32によりタイミング制御信号Taを受信すると(ステップS5)、自分のID情報と、受信したタイミング制御信号Taに含まれているID情報とを照合する(ステップS6)。情報送信制御部24は、受信したタイミング制御信号Taに含まれるID情報が自分のID情報ではないと判定した場合(ステップS7 NO)、自分のID情報を含むタイミング制御信号Taを受信するまで、ステップS5からの処理を繰り返す。
【0027】
一方、情報送信制御部24は、タイミング制御信号Taに含まれるID情報が自分のID情報であると判定した場合(ステップS7 YES)、センサ18aを制御して計測情報を取得する(ステップS8)。次いで、情報送信制御部24は、取得した計測情報を、自分のID情報とともに送信部30から送信指示装置14に送信する(ステップS9)。
【0028】
送信指示制御部36は、タイマ40が計時しているタイムアウト時間t以内に計測情報を受信できるか否かを判定する(ステップS10 NO、ステップS11 NO)。送信指示制御部36は、タイムアウト時間t以内に計測情報を受信した場合(ステップS10 YES)、計測情報を情報送信装置12aのID情報とともに送信部42から制御装置16に送信する(ステップS12)。計測情報を受信した制御装置16は、当該計測情報を収集して所定の処理を行う。
【0029】
また、送信指示制御部36は、タイムアウト時間tが経過しても計測情報を受信できない場合(ステップS11 YES)、制御装置16に対して、例えば、計測情報を受信できなかったことを報知する情報を送信し、又は、前回受信した計測情報を再度送信する(ステップS12)。
【0030】
一方、情報送信制御部24は、送信指示装置14に計測情報を送信すると(ステップS9)、タイミング制御信号Taに含まれている収集時間間隔T1と、タイミング制御信号Taが送信されてから計測情報の送信処理が完了するまでの送信処理時間T(図3参照)とに基づいて待ち受け時間Twを設定する(ステップS13)。なお、待ち受け時間Twは、電源20aの電力の消費を必要最小限とするため、タイマ28を除く情報送信装置12aの各手段を電力消費の少ない待ち受け状態に設定する時間である。
【0031】
この場合、送信処理時間Tには、計測情報が送信指示装置14に送信された後に、情報送信制御部24が動作状態と待ち受け状態とを切り替えるのに必要な切替時間Δtを含めてもよい。かかる場合においては、待ち受け時間Twは、例えば、タイミング制御信号Taの送信開始時刻をts、時刻検出部26により検出された計測情報の送信完了時刻をteとすると、
Tw=T1−((te−ts)+Δt)…(1)
として算出することができる。なお、((te−ts)+Δt)は、送信処理時間Tである。
【0032】
次いで、情報送信制御部24は、タイマ28をリセットし、算出された待ち受け時間Twの計時を開始する(ステップS14)。タイマ28が計時を開始すると、情報送信制御部24は、電源20aの電力の消費を必要最小限とする待ち受け状態(WAIT)に設定される(ステップS15)。
【0033】
この待ち受け状態では、次のタイミング制御信号Taが送信されるまでの間、タイマ28の駆動に一部消費される分を除き、情報送信制御部24と、情報送信制御部24を介して電力が供給される送信部30及び受信部32とにおける電力消費が必要最小限に抑えられる。また、情報送信制御部24を介してセンサ18aに電力が供給される構成である場合には、センサ18aによる電力消費も必要最小限に抑えることができる。情報送信装置12aは、待ち受け時間Twが経過するまで、待ち受け状態を継続する(ステップS16 NO)。
【0034】
情報送信制御部24は、待ち受け時間Twが経過すると(ステップS16 YES)、待ち受け状態が解除される(ステップS17)。そして、情報送信制御部24には、電源20aより再び電力が供給され、ステップS5からの処理が繰り返される。
【0035】
この場合、情報送信制御部24は、送信指示装置14から送信されるタイミング制御信号Taを受信可能な状態になっている。従って、情報送信制御部24は、次のタイミング制御信号Taが送信されると、その信号を確実に受信して、センサ18aにより計測された計測情報を送信指示装置14に送信することができる。
【0036】
一方、送信指示制御部36は、送信時間間隔T2が経過すると(ステップS18 YES)、ステップS3からの処理を繰り返し(ステップS19 YES)、タイミング制御信号Tbを次の情報送信装置12bに送信し、情報送信装置12bから計測情報を取得する処理を行う。情報送信装置12bに対する処理が終了すると、送信指示制御部36は、同様にして、情報送信装置12cにタイミング制御信号Tcを送信し、情報送信装置12cから計測情報を取得する処理を行う。
【0037】
送信指示制御部36は、情報送信装置12cに対する処理が終了し(ステップS19 NO)、収集時間間隔T1が経過すると(ステップS20 YES)、再び情報送信装置12aより計測情報を取得する処理を繰り返す(ステップS2)。
【0038】
<第2実施形態>
図4は、本発明に係る第2実施形態の間欠送受信システム50の構成ブロック図であり、図5は、第2実施形態の間欠送受信システム50の処理フローチャートであり、図6は、第2実施形態の間欠送受信システム50のタイミングチャートである。
【0039】
なお、以下の説明において、第1実施形態の間欠送受信システム10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0040】
[間欠送受信システム50の構成の説明]
間欠送受信システム50は、情報送信装置52a〜52cと、送信指示装置54と、制御装置16と、センサ18a〜18cと、電源20a〜20c、22とを備える。情報送信装置52a〜52cには、センサ18a〜18c及び電源20a〜20cが接続され、送信指示装置54には、電源22が接続される。制御装置16には、送信指示装置54が接続される。
【0041】
情報送信装置52a〜52cのバス34には、送信指示装置54に計測情報を送信する送信回数mをカウントする再送カウンタ56が接続される。また、送信指示装置54のバス46には、情報送信装置52a〜52cに計測情報の再送指示信号(NK信号)を送信する送信回数nをカウントする再送カウンタ58が接続される。NK信号は、計測情報を正常に受信できないことを示す応答信号である。
【0042】
[間欠送受信システム50の動作の説明]
次に、図5及び図6に基づき、間欠送受信システム50の動作について説明する。
【0043】
ステップS31〜S38は、第1実施形態のステップS1〜8と同様の処理である。
【0044】
すなわち、情報送信装置52a〜52cの電源20a〜20cがONとされる一方(ステップS31)、送信指示装置54のタイマ40が収集時間間隔T1、送信時間間隔T2及びタイムアウト時間tの計時を開始する(ステップS32、S33)。送信指示制御部36は、タイミング制御信号Taを情報送信装置52aに送信する(ステップS34)。なお、タイムアウト時間tは、情報送信装置52a〜52cから計測情報を受信できないときに、タイミング制御信号Taの送信からNK信号を情報送信装置52a〜52cに送信するまでの時間である。
【0045】
情報送信制御部24は、タイミング制御信号Taを受信し(ステップS35)、自分のタイミング制御信号Taであることを確認すると(ステップS36、ステップS37 YES)、センサ18aから計測情報を取得する(ステップS38)。
【0046】
再送カウンタ56は、計測情報を送信する送信回数mを1つ増加させる(初回の送信回数mは、1に設定される。)(ステップS39)。情報送信制御部24は、再送カウンタ56によりカウントされた送信回数mが上限回数M未満であれば(ステップS40 NO)、計測情報を送信指示装置54に送信する(ステップS41)。そして、情報送信制御部24は、計測情報を送信指示装置54に送信してから、送信指示装置54より後述する応答信号であるAK信号又はNK信号を受信するまでの時間を計時し、この時間が上限時間Tmaxを経過するか否かを判定する(ステップS42)。
【0047】
一方、送信指示制御部36は、タイムアウト時間t以内に計測情報を受信できるか否かを判定する(ステップS43 NO、ステップS44 NO)。送信指示制御部36は、タイムアウト時間t以内に計測情報を受信した場合(ステップS43 YES)、計測情報に誤りがないかどうかを判定する(ステップS45)。送信指示制御部36は、誤りが検出されない場合(ステップS45 NO)、計測情報を正常に受信できたことを示す受信確認信号(AK信号)を情報送信装置52aに送信する(ステップS46)。そして、送信指示制御部36は、受信した計測情報を制御装置16に送信する(ステップS47)。
【0048】
一方、タイムアウト時間tが経過しても計測情報を受信できず(ステップS44 YES)、又は、計測情報に誤りが検出された後(ステップS45 YES)、タイムアウト時間tが経過すると(ステップS44 YES)、送信指示制御部36は、NK信号を情報送信装置52aに送信する(ステップS48)。
【0049】
NK信号が情報送信装置52aに送信されると、再送カウンタ58は、NK信号を送信する送信回数nを1つ増加させる(初回の送信回数nは、1に設定される。)(ステップS49)。送信指示制御部36は、再送カウンタ58によりカウントされた送信回数nが上限回数N未満であれば(ステップS50 NO)、次の計測情報が送信されるのを待つ。一方、送信指示制御部36は、送信回数nが上限回数Nに達すると(ステップS50 YES)、制御装置16に対して、例えば、計測情報を受信できなかったことを報知する情報を送信し、又は、前回受信した計測情報を再度送信する(ステップS47)。
【0050】
情報送信装置52aは、計測情報を送信してから上限時間Tmaxが経過する前に、送信指示装置54からAK信号を受信すると(ステップS42 NO、ステップS51 YES)、タイミング制御信号Taに含まれている収集時間間隔T1と、タイミング制御信号Taが送信されてからAK信号を受信して計測情報の送信処理が完了するまでの送信処理時間T(図6参照)とに基づいて待ち受け時間Twを設定する(ステップS52)。この場合、送信処理時間Tには、情報送信制御部24がAK信号を受信した後に、情報送信制御部24が動作状態と待ち受け状態とを切り替えるのに必要な切替時間Δtを含めてもよい。かかる場合においては、待ち受け時間Twは、例えば、teをAK信号の受信時刻として、上述した(1)式に従って算出することができる。
【0051】
次いで、第1実施形態のステップS14〜S17の処理と同様の処理が行われる。すなわち、タイマ28が待ち受け時間Twの計時を開始し(ステップS53)、情報送信制御部24が待ち受け状態(WAIT)に設定される(ステップS54)。この場合、次のタイミング制御信号Taが送信されるまでの間、情報送信制御部24と、情報送信制御部24を介して電力が供給される送信部30及び受信部32とにおける電力消費が必要最小限に抑えられる。そして、待ち受け時間Twが経過すると(ステップS55 YES)、情報送信制御部24の待ち受け状態が解除される(ステップS56)。
【0052】
一方、情報送信装置52aは、計測情報を送信してから上限時間Tmaxが経過する前に、送信指示装置54からNK信号を受信すると(ステップS42 NO、ステップS51 NO)、ステップS39からの処理を繰り返す。すなわち、再送カウンタ56は、送信回数mを1つ増加させる(ステップS39)。情報送信制御部24は、送信回数mが上限回数M未満であれば(ステップS40 NO)、計測情報を送信指示装置54に再送する(ステップS41)。
【0053】
送信回数mが上限回数Mに達し(ステップS40 YES)、又は、計測情報を送信してから、AK信号又はNK信号を受信する前に上限時間Tmaxが経過すると(ステップS41、ステップS42 YES)、情報送信制御部24は、送信処理時間T及び収集時間間隔T1に基づいて待ち受け時間Twを設定する(ステップS52)。この場合、送信処理時間Tは、タイミング制御信号Taの送信から、送信回数mが上限回数Mとなるまでの時間、又は、タイミング制御信号Taの送信から、計測情報を送信して上限時間Tmaxが経過するまでの時間である。なお、送信処理時間Tには、送信回数mが上限回数Mとなった後に、又は、上限時間Tmaxが経過した後に、情報送信制御部24が動作状態と待ち受け状態とを切り替えるのに必要な切替時間Δtを含めてもよい。かかる場合においては、待ち受け時間Twは、例えば、teを、送信回数mが上限回数Mとなった時刻、又は、上限時間Tmaxが経過した時刻として、上述した(1)式に従って算出することができる。そして、情報送信制御部24は、待ち受け状態に設定される(ステップS54)。すなわち、情報送信制御部24は、NK信号の有無に応じて待ち受け状態に設定される。従って、情報送信装置52aは、送信指示装置54との間で信号の送受信に障害が発生した場合、又は、送信指示装置54に所定時間以内に計測情報を送信できない場合、待ち受け状態に設定されるため、電力が無駄に消費される事態を回避することができる。
【0054】
送信指示制御部36と情報送信装置52b、52cとの間では、第1実施形態のステップS18〜S20と同様の処理が行われる(ステップS57〜S59)。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0056】
例えば、計測情報の収集時間間隔T1は、緊急時等に対応して、送信指示装置14、54により任意に変更することが可能である。この場合、情報送信装置12a〜12c、52a〜52cは、変更された収集時間間隔T1に基づいて待ち受け時間Twを算出し、タイマ28を除く各手段を待ち受け状態に設定することにより、電力の消費を適切に抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態の間欠送受信システム10、50は、3台の情報送信装置12a〜12c、52a〜52cを有するものとしているが、これに限定されるものではなく、2つ以上の情報送信装置を備える間欠送受信システム10、50であれば、同様に適用することができる。
【0058】
また、情報送信装置12a〜12c、52a〜52cは、送信指示装置14、54と無線接続される構成としたが、有線接続される場合にも適用することができる。
【0059】
計測情報を計測するセンサ18a〜18cは、河川の水位、温度、湿度、雨量等の気象情報に限定されるものではない。センサ18a〜18cが計測できる計測情報としては、例えば、移動体の位置、移動速度、傾斜角度等の情報、電気、ガス、水道等のメータ情報、放射線量、音声、画像等の情報を挙げることができる。
【符号の説明】
【0060】
10、50…間欠送受信システム
12a〜12c、52a〜52c…情報送信装置
14、54…送信指示装置
16…制御装置
18a〜18c…センサ
20a〜20c、22…電源
24…情報送信制御部
26、38…時刻検出部
28、40…タイマ
30、42…送信部
32、44…受信部
34、46…バス
36…送信指示制御部
56、58…再送カウンタ
図1
図2
図3
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図5
図6