特許第6000168号(P6000168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000168
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】触媒コンバータ付きマフラ
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/08 20060101AFI20160915BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20160915BHJP
【FI】
   F01N1/08 K
   F01N1/08 L
   F01N3/24 J
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-47813(P2013-47813)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-173520(P2014-173520A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】八十科 紗耶佳
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0293462(US,A1)
【文献】 特開2004−150328(JP,A)
【文献】 特開平5−256129(JP,A)
【文献】 特開平2−55820(JP,A)
【文献】 特開2006−46264(JP,A)
【文献】 特開2000−8842(JP,A)
【文献】 特許第3237333(JP,B2)
【文献】 実開平1−149512(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00−1/24,13/00−13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マフラボックス(22)と,このマフラボックス(22)に設けられてエンジン(E)に接続される排気入口管(33)と,同マフラボックス(22)に設けられて大気に開口する排気出口管(34)と,前記マフラボックス(22)内で前記排気入口管(33)及び排気出口管(34)間を連通する排気経路に介装される触媒コンバータ(35)とを備える,触媒コンバータ付きマフラにおいて,
前記マフラボックス(22)を,互いに開放面を突き合わせて結合される第1及び第2ボックス半体(23,24)と,これら第1及び第2ボックス半体(23,24)間に重ねて介装されてマフラボックス(22)内を第1及び第2消音室(28,29)に仕切ると共に,相互間に第3消音室(30)を画成する第1及び第2隔壁板(25,26)とより構成し,前記触媒コンバータ(35)を収容して保持する円筒状の保持筒(36)の一端開口部を前記排気入口管(33)に接続し,前記一対の隔壁板(25,26)により前記保持筒(36)を,その外周面を包むようにして支持し,前記保持筒(36)の他端開口部を,前記第1,第2及び第3消音室(28〜30)を順次介して前記排気出口管(34)に連通したことを特徴とする,触媒コンバータ付きマフラ。
【請求項2】
請求項1に記載の触媒コンバータ付きマフラにおいて,
前記第1隔壁板(25)に,前記保持筒(36)の他端開口部を第1消音室(28)に開放する開口部(37)を設け,前記第1及び第2隔壁板(25,26)の少なくとも一方に,前記第1及び第2消音室(28,29)間を連通する第1消音孔(39)を設け,また前記第2隔壁板(26)に,前記第2及び第3消音室(29,30)間を連通する第2消音孔(40)を設けると共に,前記第3消音室(30)に前記排気出口管(34)を接続したことを特徴とする,触媒コンバータ付きマフラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,マフラボックスと,このマフラボックスに設けられてエンジンに接続される排気入口管と,同マフラボックスに設けられて大気に開口する排気出口管と,前記マフラボックス内で前記排気入口管及び排気出口管間を連通する排気経路に介装される触媒コンバータとを備える,触媒コンバータ付きマフラの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
かゝる触媒コンバータ付きマフラは,例えば特許文献1に開示されるように,既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3237333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のこの種の触媒コンバータ付きマフラでは,マフラボックス内で触媒コンバータを安定良く支持するために,相互に比較的広い間隔をあけて触媒コンバータの軸方向両端部を支持する一対の隔壁を備えており,これら隔壁が相互に大きく間隔をあけて配置されることでマフラが大型化している。このようなマフラの大型化は,特に各種作業機と結合される汎用エンジンでは,マフラの他物との干渉を招き易くなり,好ましくない。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,マフラボックス内で一対の隔壁により触媒コンバータを安定良く,且つコンパクトに支持し得るようにした前記触媒コンバータ付きマフラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために,本発明は,マフラボックスと,このマフラボックスに設けられてエンジンに接続される排気入口管と,同マフラボックスに設けられて大気に開口する排気出口管と,前記マフラボックス内で前記排気入口管及び排気出口管間を連通する排気経路に介装される触媒コンバータとを備える,触媒コンバータ付きマフラにおいて,前記マフラボックスを,互いに開放面を突き合わせて結合される第1及び第2ボックス半体と,これら第1及び第2ボックス半体間に重ねて介装されてマフラボックス内を第1及び第2消音室に仕切ると共に,相互間に第3消音室を画成する第1及び第2隔壁板とより構成し,前記触媒コンバータを収容して保持する円筒状の保持筒の一端開口部を前記排気入口管に接続し,前記一対の隔壁板により前記保持筒を,その外周面を包むようにして支持し,前記保持筒の他端開口部を,前記第1,第2及び第3消音室を順次介して前記排気出口管に連通したことを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1隔壁板に,前記保持筒の他端開口部を第1消音室に開放する開口部を設け,前記第1及び第2隔壁板の少なくとも一方に,前記第1及び第2消音室間を連通する第1消音孔を設け,また前記第2隔壁板に,前記第2及び第3消音室間を連通する第2消音孔を設けると共に,前記第3消音室に前記排気出口管を接続したことを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1の特徴によれば,マフラボックスを,互いに開放面を突き合わせて結合される第1及び第2ボックス半体と,これら第1及び第2ボックス半体間に重ねて介装されてマフラボックス内を第1及び第2消音室に仕切ると共に,相互間に第3消音室を画成する第1及び第2隔壁板とより構成し,触媒コンバータを収容して保持する円筒状の保持筒の一端開口部を排気入口管に接続し,一対の隔壁板により保持筒を,その外周面を包むようにして支持し,保持筒の他端開口部を,第1,第2及び第3消音室を順次介して排気出口管に連通したので,触媒の保持筒を支持すべく第1及び第2隔壁板間を広げる間隔は,保持筒の直径に対応する比較的狭いもので済み,これにより触媒コンバータ付きマフラのコンパクト化を図ることができる。また一対の隔壁板が保持筒の外周面を包むことで,保持筒を強固に支持することができる。また第1及び第2隔壁板が保持筒の全周にわたって溶接ができることから,排ガスが漏れなく触媒コンバータに導かれることになる。
【0009】
しかも,万一,触媒コンバータで発火が生じても,その火炎は,第1,第2及び第3消音室を通過する間に消炎され,火炎が排気出口管から外部に排出することを防ぐことができる。
【0010】
本発明の第2の特徴によれば,第1隔壁板に,保持筒の他端開口部を第1消音室に開放する開口部を設け,第1及び第2隔壁板の少なくとも一方に,第1及び第2消音室間を連通する第1消音孔を設け,また第2隔壁板に,第2及び第3消音室間を連通する第2消音孔を設けると共に,第3消音室に排気出口管を接続したので,触媒コンバータで発生した火炎は,前記開口部,第1消音室,第1消音孔,第2消音室,第2消音孔及び第3消音室よりなる比較的長い排気経路を通過する間に確実に消炎することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る汎用エンジンの側面図。
図2図1の2−2線拡大断面図で触媒コンバータ付きマフラを示す。
図3図1の3−3線拡大断面図で触媒コンバータ付きマフラを示す。
図4図2の4矢視図で第2隔壁板を示す。
図5図4の5−5線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を添付図面に基づいて以下に説明する。
【0013】
先ず図1において,発電機その他の各種作業機を駆動するための汎用エンジンEは,下端に据え付けフランジ1aを有するクランクケース1と,このクランクケース1の上部に連設されてクランクケース1の一側方へ傾斜するシリンダブロック2と,このシリンダブロック2の上端に連設されるシリンダヘッド3とを備える。シリンダヘッド3の,吸気ポートが開口する一側面には気化器4が取り付けられ,この気化器4の空気入口に,エンジンEの吸気を濾過するエアクリーナ8が接続される。上記据え付けフランジ1aは,エンジンEを支持する作業機のフレームF上に取り付けられる。
【0014】
またシリンダヘッド3の他側面に突設される排気管5には,触媒コンバータ付きのマフラ6の排気入口管33が接続され,このマフラ6は,シリンダブロック2の一側方に配置される。
【0015】
マフラ6の排気入口管33の一側部には2次空気導入管10の下流端が接続され,この2次空気導入管10の上流端には,一方向弁11を介して専用のエアフィルタ12が接続される。2次空気導入管10の中間部は,ステー45を介してマフラ6に連結される。
【0016】
エアフィルタ12は,それが有するブラケット13をシリンダブロック2又はシリンダヘッド4にボルトで締結することで固定されると共に,エンジンEのクランクケース1とシリンダブロック2の下面との間のスペースに配置される。このエアフィルタ12は,その空気入口12aがマフラ6の排気出口管34の開口方向と同じ方向を指向するように構成される。
【0017】
一方向弁11は,排気脈動に敏感に応動するリード弁で構成され,エンジンEの排気脈動の正圧を受けると閉弁し,負圧を受けると開弁するようになっている。この一方向弁11は,エアフィルタ12の一側壁に取り付けられる。
【0018】
前記2次空気導入管10は銅製であって,その上流端は,一方向弁11の出口管16にゴムチューブ17を介して接続される。このようにゴムチューブ17をジョイントとして使用するので,2次空気導入管10の一方向弁11への接続を容易に行うことができる。この2次空気導入管10は,一方向弁11からマフラ6の上方へ延び,そして蛇行して排気入口管33に達するように配管され,これにより2次空気導入管10の管長が極力長く設定される。
【0019】
一方向弁11又はその近傍に,周囲温度が所定値以上となることを検出してエンジンEの運転を停止させる感温センサ18が付設される。また一方向弁11には,2次空気導入管10の内壁に結露して流下する水滴を外部に排出するドレーン口19が設けられ,それは通常,ドレーンボルト20により閉鎖される。而して,蛇行する2次空気導入管10の各部は,その内壁に結露した水滴が停滞しないよう,水平に,もしくは下り勾配を付して配置される。
【0020】
次に,図2図5により,マフラ6の構造について説明する。
【0021】
マフラ6は,その側面に溶接したブラケット21が作業機のフレームFにボルトで締結,固定される。マフラ6の主体をなすマフラボックス22は,互いに開放面を突き合わせる第1及び第2ボックス半体23,24と,これら第1及び第2ボックス半体23,24間に挟持される,互いに外周端部を重ね合わせる第1及び第2隔壁板25,26の四者をかしめ結合して構成され,そのかしめ結合に用いられるかしめ縁部27は,第1及び第3ボックス半体23,24の一方の外周端に,他方の外周端と第1及び第2隔壁板25,26の外周端とを包み込むように断面U字状に形成される。第1ボックス半体23及び第1隔壁板25間には第1消音室28が,また第2ボックス半体24及び第2隔壁板26間には第2消音室29が,さらに第1及び第2隔壁板25,26間には第3消音室30がそれぞれ画成される。
【0022】
マフラボックス22の一角でかしめ縁部27が切欠かれると共に,第1及び第2隔壁板25,26間がパイプ状に押し広げられ(図2参照),そのパイプ状に押し広げられた部分31の内周面に繋ぎ管32が嵌挿され,さらに繋ぎ管32の内周面に排気入口管33が嵌挿され,これら繋ぎ管32及び排気入口管33は,マフラボックス22に溶接される。
【0023】
繋ぎ管32は,マフラボックス22内で漏斗状に拡径した拡径部32aを有し,その拡径部32aには,触媒コンバータ35を収容保持する円筒状の保持筒36の一端開口部が嵌合して溶接される。この保持筒36は第1及び第2隔壁板25,26により支持されるもので,保持筒36の外周面が第1及び第2隔壁板25,26によって半径方向両側から包み込まれる(図5参照)。そして,第1隔壁板25には,保持筒36の他端開口を第1消音室28に開放する開口部37(図2参照)が設けられる。
【0024】
また第1及び第2隔壁板25,26の,第1及び第2消音室29間を仕切る部分では,第1及び第2隔壁板25,26の一方に開口38(図4及び図5参照)が設けれら,その他方には,上記開口38において第1及び第2消音室28,29間を連通する多数の第1消音孔39,39…が穿設される。
【0025】
さらに第2隔壁板26には,第2及び第3消音室29,30間を連通する多数の第2消音孔40,40…が穿設される(図3参照)。
【0026】
上記第3消音室30は,排気出口管34により大気に開放されるもので,その排気出口管34は,第1隔壁板25及び第1ボックス半体23間にわたって溶接される出口管外筒42により支持される。排気出口管34には,出口管外筒42内に向かって開口する多数の第3消音孔41,41…が穿設され,排気出口管34内には,第3消音孔41,41…に臨むグラスウール等の吸音材43が充填される。
【0027】
またマフラボックス22の内面には,第1及び第2消音室28,29にそれぞれ臨む断熱・吸音材44が張り付けられる。
【0028】
次に,この実施形態の作用について説明する。
【0029】
エンジンEの運転中,その排気管5から排気入口管33に排出された排ガスは,マフラ6内を次のように通過する。即ち,繋ぎ管32,触媒コンバータ35,開口部37,第1消音室27,第1消音孔39,39…,第2消音室29,第2消音孔40,40…,第3消音室30,及び第3消音孔41,41…付きの排気出口管34を順次通過して消音され,大気に放出される。その間,触媒コンバータ35において,排ガス中のHC及びCO2 は酸化反応により無害化され,NOxは還元反応により無害化されるもので,それらの無害化反応を促進すべく,エンジンEの排気脈動を利用して2次空気が上記排ガス中に次のように供給される。
【0030】
エンジンEの排気行程で排気入口管33内で発生する排気脈動の正圧が2次空気導入管10を経て一方向弁11に伝達すると,一方向弁11は閉弁して,その正圧のエアフィルタ12側への伝達を阻止する。次に,排気脈動の負圧が,2次空気導入管10を経て一方向弁11に伝達すると,一方向弁11は開弁して,エアフィルタ12へ伝達し,それに伴ない大気がエアフィルタ12に引き込まれ,濾過され,一方向弁11及び2次空気導入管10を通して排気入口管33内に吸入され,排気入口管33内で排ガスと良好に混合した上で触媒コンバータ35に供給されることになり,前記無害化反応を効果的に促進することができる。
【0031】
ところで,排ガスに混入する2次空気は,エンジンEのエアクリーナ8から独立する専用のエアフィルタ12で濾過されるので,エンジンEの吸気脈動と排気脈動とが相互干渉することを防ぎ,エンジンEの吸気脈動や慣性効果を利用した出力性能を充分に発揮することができると共に,排気脈動を利用した2次空気の排ガスへの供給を確実に行うことができる。
【0032】
しかも,エアフィルタ12は,エンジンEのクランクケース1とシリンダブロック2の下面との間に配置されるので,エンジンEのクランクケース1とシリンダブロック2の下面との間の本来デッドスペースとなる箇所をエアフィルタ12の設置に有効利用することになり,その設置によるエンジンE全体の外形の大型化を抑制することができる。
【0033】
その上,シリンダブロック2の下方に配置されるエアフィルタ12に付設した一方向弁11と,シリンダヘッド3に接続される排気入口管33との間の距離が比較的長いこと,一方向弁11と排気入口管33とを接続する2次空気導入管10がマフラ6の上方で蛇行するように配管されることにより,2次空気導入管10の全長を充分長く確保することができ,負圧による2次空気の吸気慣性を効果的に利用して,排ガスへの2次空気の供給を確実にし,触媒コンバータ35での前記無害化反応を,より効果的に行わせることができる。
【0034】
万一,一方向弁11が故障して開き放しとなり,このため,排ガスが2次空気導入管10を経てエアフィルタ12側まで侵入してきて,エアフィルタ12の空気入口12aから大気に放出されることが生じても,その空気入口12aは,マフラ6の排気出口管34の排気出口と同方向を向いており,一般的にマフラ6の排気出口には障害物を対置させていないから,上記空気入口12aから放出される排ガスも障害物に触れるようなことはない。
【0035】
また排ガスの一方向弁11側への侵入により,一方向弁11が所定温度以上に過熱すると,一方向弁11又はその近傍に設置した感温センサ18が作動して,エンジンEの運転を停止するので,上記過熱による周辺機器の故障を防ぐことができる。
【0036】
エンジンEの運転停止後,2次空気導入管10の内壁で結露が生じ,それによる水滴が一方向弁11まで流下して溜まったときには,ドレーン口19を開けば,上記水滴をドレーン口19から外部に排出することができる。
【0037】
触媒コンバータ35付きマフラ6においては,マフラボックス22を,互いに開放面を突き合わせて結合される第1及び第2ボックス半体23,24と,これら第1及び第2ボックス半体23,24間に重ねて介装されてマフラボックス22内を第1及び第2消音室28,29に仕切ると共に,相互間に第3消音室を画成する第1及び第2隔壁板25,26とより構成し,触媒コンバータ35を収容して保持する円筒状の保持筒36の一端開口部を排気入口管33に接続し,一対の隔壁板25,26により保持筒36を,その外周面を包むようにして支持し,保持筒36の他端開口部を,第1,第2及び第3消音室29〜30を順次介して排気出口管34に連通したので,触媒コンバータ35の保持筒36を支持すべく第1及び第2隔壁板25,26間を広げる間隔は,保持筒36の直径に対応する比較的狭いもので済み,これにより触媒コンバータ付きマフラ6のコンパクト化を図ることができる。また一対の隔壁板25,26が保持筒36の外周面を包むことで,保持筒36を強固に支持することができる。また第1及び第2隔壁板25,26が保持筒36の全周にわたって溶接ができることから,排ガスが漏れなく触媒コンバータ35に導かれることになる。
【0038】
しかも,万一,触媒コンバータ35で発火が生じても,その火炎は,第1,第2及び第3消音室29〜30を通過する間に消炎され,排気出口管34から外部に排出するには至らない。
【0039】
特に,第1隔壁板25に,保持筒36の他端開口部を第1消音室28に開放する開口部37を設け,第1及び第2隔壁板25,26の少なくとも一方に,第1及び第2消音室28,29間を連通する第1消音孔39,39…を設け,また第2隔壁板26に,第2及び第3消音室29,30間を連通する第2消音孔40,40…を設けると共に,第3消音室30に排気出口管34を接続したので,触媒コンバータ35で発生した火炎は,前記開口部37,第1消音室27,第1消音孔39,39…,第2消音室29,第2消音孔40,40…及び第3消音室30よりなる比較的長い排気経路を通過する間に確実に消炎することができる。
【0040】
尚,本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
E・・・・・エンジン
6・・・・・マフラ
22・・・・マフラボックス
23・・・・第1ボックス半体
24・・・・第2ボックス半体
25・・・・第1隔壁板
26・・・・第2隔壁板
28・・・・第1消音室
29・・・・第2消音室
30・・・・第3消音室
33・・・・排気入口管
35・・・・触媒コンバータ
36・・・・保持筒
37・・・・開口部
39・・・・第1消音孔
40・・・・第2消音孔
図1
図2
図3
図4
図5