【課題を解決するための手段】
【0009】
本目的は、請求項1の前提部分に係る電気的に加熱可能な既製の媒体ラインにおいて、パイプライン
部分と電気伝導手段は、パイプライン部分にそらされている接続手段
の端部にまで又はその近傍にまで伸びているか、または接続輪郭の近傍、前面または内部に延在することによって達成される。請求項12の前提部分に係る方法に関して、その目的は、少なくとも1つの一体化された電気伝導導体を有するパイプライン部分を製造し、パイプライン部分の少なくとも1つの終端領域において、一体化された伝導手段を露出し、接続手段により、後者と電気的に接触し、電気エネルギー源への接続のためのパイプライン部分の外側の上に、接続手段を案内することによって達成される。
【0010】
結果として、電気的に加熱可能な既製の媒体ラインまたはその製造方法が提案される。接続手段のための分離されたヒータは、もはや設けられる必要はない。なぜなら、電気伝導手段に設けられたパイプライン部分は、接続手段の終端にまで又は少なくともその終端の近傍まで伸びているか、又は発電装置、例えば発電装置のプラグの上にある接続輪郭の近傍、前面または内部に延在する。このことは、さらなる加熱導体を接続手段の外側に設ける必要がない接続手段の完全な加熱性を可能にする。
【0011】
パイプの壁の中に埋め込まれた加熱導体と、パイプの壁の中に設けられた伝導材料の中に埋め込まれた電気伝導体とが一体化された電気伝導手段として、ここでは理解される。埋め込まれた加熱導体において、パイプラインの部分を加熱するための加熱源は、加熱導体であり、伝導材料の中に埋め込まれた電気伝導体において、
極として作動する電気伝導体の間に
おいて電流を運
ぶ伝導材料は加熱源である。後者の実施例において、それゆえ、電気導体は、PTC伝導体であり、第1のケースにおける加熱導体は熱導体である。
【0012】
パイプラインの部分の終端領域において、流体接続を確立するための接続手段を生成するために、接続輪郭は
一次成型によって生成されているか、または接続輪郭は付け加えられている。それゆえ、接続手段は、特にシース、ゲート、キャスト、レーザ溶接、摩擦溶接または接着結合を通じて、
一次成型及び/または材料結合により、パイプライン部分の終端領域の上に、またはそこに付加されている。結果として、接続手段の輪郭は、お客様の望みまたは特定の標準化された形に基づいて設計されることができる。これにより、媒体ラインを製造するための既知の方法では、不可能である様々な変形例を作ることが可能になる。媒体ラインは、さらにいかなる追加の支出も伴わずに、様々な用途に基づいた任意の長さに製造されることができる。なぜなら、特に接続手段の領域において、追加の加熱導体は必要ではないからである。埋め込まれた電気伝導手段を有するパイプラインの部分の形で、1つの加熱可能な要素のみを提供することは十分である。このことは、材料の支出、それよりも媒体ラインの製造コストも著しく減少させることができる。なぜなら、特に、パイプライン部分
と接続手段とを圧着するときに、さもなければ従来の加熱可能な媒体ラインにおいて生じる
切り落としが、もはや遭遇しないからである。むしろ、パイプライン部分は、媒体ラインの所望の全体の長さを反映する寸法に切断され、所望の接続輪郭は、パイプライン部分の終端の上に配置されるか、あるいは留められており、または電気伝導手段が接続輪郭の中に、その上に、または少なくともその前面に伸びているような態様で、それに付加されている。結果として、接続手段の間における媒体ラインのみが設計上加熱可能であるだけでなく、後者もまた同様である。
【0013】
特にパイプライン部分の露出された一体化された伝導手段が、接続手段に接触する領域も覆うことにより、接続領域も、いかなる問題もなく封止されることができる。
一次成型または材料の結合を通じて作られる接続輪郭の外に有利に突き出て、そして一体化された伝導手段に結合される接続要素は、接続プラグに嵌め込まれること、または特に接続プラグが挿入される接続手段に付加されることにより、電気エネルギー源に留められることが可能となる。対応する窪みは、そのような接続プラグまたは接続手段を接続輪郭に挿入するために有利に設けられている。接続プラグは、特に封止部材を用いて、そのような窪みの中へ挿入されることができ、接続輪郭から突き出る接続要素は、相応に封止されることができる。それゆえ、少なくとも1つの接続要素は、接続手段または輪郭の外部にまで、電気伝導手段から有利に延在する。
【0014】
接続手段または輪郭をパイプライン部分の終端領域の上に
一次成型をすること、またはそれをレーザ溶接、摩擦溶接、または材料の結合を生成する何らかの他の工程のような材料の結合する工程で結合させることの代わりに、
加熱が接続手段のために
与えられていない、または異なるように生じることを意図している限り、後者はパイプライン部分の終端に付加されることも可能である。
【0015】
パイプライン部分は、電気的に加熱可能な多層のプラスチックパイプであってもよい。パイプライン部分の中間層は、少なくとも1つの伝導要素で満たされたプラスチック材料からなり、特に伝導性のあるカーボンブラック、金属粉またはカーボン・ナノチューブで満たされたプラスチック材料からなる。パイプライン部分は、さらに少なくとも2個、特に2〜4個、好ましくは2個の単一の押し出された電気伝導体または加熱導体を有利に示す。導体または加熱導体は、ワイヤ、撚り糸及び/または非絶縁導体として設計されることができる。電気伝導プラスチック材料が設けられているため、熱は、パイプ材料またはパイプライン部分の壁の内部で、そしてパイプの外側に配置されている、熱伝導体を介さずに生成される。なお、他の点では、例えばEP1985908A1のように従来技術とおおよそ同じである。とりわけ、伝導要素で満たされたプラスチックの材料の応用は更に、パイプライン部分の周囲及びその延在する縦方向に渡って、熱出力の均一な分布を生じさせる。伝導層の内部にある少なくとも2つの電気伝導体または熱伝導体は、パイプライン部分の全体に渡って熱出力を均質に分布させる働きをする。すでに述べたように、電気伝導体が設けられた場合、後者は、伝導要素で満たされた、プラスチック材料を通じて、電流がその間を流れる極を形成する。
【0016】
電気導体または加熱導体は、急な勾配で、特に20〜150mmの勾配で延在する。パイプラインの形成及び屈折を可能または容易にすることができるように
、パイプライン部分の
基管又は内部層の周り
に巻回されている。それゆえ、電気伝導体または熱伝導体は、急な勾配で
基管の周り
に巻回されている。そのため、そのような巻回を有しない配置とは反対に、低い曲げ半径で、望むようにパイプライン部分を形成し、曲げること、それゆえ、その形状の観点から、それをそれぞれの設置空間に調整することが可能となる。
【0017】
一体化された電気伝導手段、特にパイプライン部分の壁の内側に配置された電気導体または加熱導体は、レーザ切断を通じて有利に露出されることが可能となる。パイプライン部分の壁の内側に配置された、巻回された導体または加熱導体のそれぞれの位置は、パイプライン部分の外側から、かなりうまく確認されることができる。なぜなら、勾配が既知である場合、その位置はパイプライン部分の終端において可視可能な導体または加熱導体の端部に基づいて決定されることができるからである。それゆえ、パイプライン部分は、所定の配列にすることなく、そのようなレーザ切断装置の中に挿入されることも可能となる。プログラミングが正確であれば、内部の導体または加熱導体の位置は決定されることができ、レーザは、
導体又は加熱導体を最初に露出させ、それか
ら接触させるように所望の場所に位置づけられることが可能となる。それゆえ、押し出しを通じて、内蔵された導体または加熱導体を露出する、レーザ切断技術の使用のそのような工程は、きわめて容易に自動化されることができる。独国102006051413B4または独国102005037183B3に開示されている方法のように、従来技術の方法では、このことは可能ではない。なぜなら、これらは、未加工の材料の中にブレードが切り込み、そしてそれに接触する絶縁された区域を有する留め金具を使用する連続した接触、またはそのようなパイプライン部分の終端層を取り除くために、剥がし取ることを要求するからである。レーザ切断において、パイプライン部分の壁の材料の表面の部分は、伝導体または加熱導体の領域において取り除かれる。このことは、レーザービームによって材料を燃焼させることによって、達成することができ、レーザービームは、垂直にパイプライン部分の外側の表面を実質的に照射する。あるいは、レーザービームがパイプライン部分の外側の表面を
折線方向に照射する間に、レーザービームは材料をパイプライン部分の壁から吹き飛ばす。
【0018】
結果として、内部の導体または加熱導体を露出させる工程のみならず、接続輪郭を端部に設ける工程まで自動化することが可能となり、これにより、関連するコストを節約することが可能となる。
【0019】
特に電気伝導体または加熱導体の形である、内部が一体化された伝導手段が露出された後、パイプライン部分の終端領域
に接続輪郭
が設けられた後、それらの外部側に外へ突出する接続要素に、後者は結合される。接続プラグまたは接続手段は、すでに述べたようにそこで結合されるようになる。特に、露出された電気伝導手段は、例えば誘導はんだづけのようなはんだづけ、または例えばパルス溶接のような溶接により、接続要素に接触される。他の結合工程も基本的には可能である。
【0020】
パイプライン部分に対して絶縁効果を生成するために、後者は、絶縁または保護パイプまたはシースによって、少なくとも部分的に包まれることが可能であり、絶縁効果は、絶縁空気隙間が、絶縁または保護パイプまたはシースと、パイプライン部分との間の絶縁空気隙間によって生成されるか、またはパイプライン部分は、絶縁層、特に絶縁効果を有する外部層を示す。接続手段又は輪郭は、パイプライン部分またはシー
スを包む保護または絶縁パイプ
、例えば波形パイプを
受け入れる、少なくとも1つの受けみぞを
含む。後者は、熱絶縁のために設けられ、パイプライン部分を任意の1つの接続手段から他の接続手段まで有利に包む。接続輪郭とのとりわけ良好な接続を提供する能力を持つために、保護または絶縁パイプ、またはシースの終端
と係合する、そのような受けみぞを設けることは有利であることが判明した。接続輪郭をパイプライン部分の終端領域に設ける間に、後者は直接的に型に入れられて、製造されることができる。少なくとも1つの封止部材、特に2つの部分からなるガスケットを一体化または付加することも可能である。しかしながら、代替案として、Oリングのような分離された封止部材を接続手段の上に配置されることも可能である。
【0021】
パイプライン部分は、4mmまで、または2〜4mm、特に1.5mm又はそれ未満、例えば、1mmまたはそれ未満の壁の厚みを有する。保護または絶縁パイプ、またはシースのいずれも設けられず、むしろパイプライン部分の外側層が絶縁手段として同時に役割を果たす場合、良好な絶縁効果が、4mm或いは潜在的にそれ未満の厚みの壁で達成される。少なくとも2つの導体または加熱導体をパイプライン部分の周辺にわたって
ずらすこと、特に10〜360度の角度で、好ましくは180度の角度で
ずらすことが特に可能である。電気導体または加熱導体の直径は、0.5mm未満、特に0.4m
mと評価できる。電気導体または加熱導体は、特に20〜60mm好ましく
は40mmまで離れて配置された巻線を有し、互いに離れて配置されたパイプライン部分の周り
に巻回されることができる。
【0022】
パイプライン部分は、同一の材料から全てなる異なる層を
示すことができ、少なくとも1つの中間層は、電気伝導性を
示すように修正された。例えば、パイプライン部分は、媒体
耐性電気絶縁材料、特に脂肪族
ポリアミド、特にPA12またはPA11のような
フッ化ポリビニリデン(PVDF)またはポリアミドからなる内部層を
示すことができる。内部層は0.1〜0.3mmの厚みを有することができる。とりわけ、このことがその用途に特化して有利であれば、他の寸法も基本的に可能である。内部層は、その上に中間層を位置付けることができる。とりわけ、PA12またはPA11のような
導電性脂肪族
ポリアミドからなる。導体または加熱導体は、特に0.4mmの直径で中間層の中に埋め込まれている。例えば、中間層は、上述した伝導カーボンブラック、金属粉またはカーボン・ナノチューブなどのような伝導要素を示す。中間層は、外部層によって包まれている。それは、特にPA12、PA11または他のポリアミド、とりわけ脂肪族
ポリアミドからなる。外部層は、レーザで機械加工されることができるもの除いて、非熱及び非電気伝導または絶縁層であることが有利である。後者は、絶縁効果の観点から保護または絶縁パイプまたはシースと置き換えることができる。したがって、外部層は、特に
0.4mm、あるいはそれを超える厚みを有することができる。中間層及び外部層及び/または中間層及び内部層はさらに、障害層をそれらの間に配置させることができる。電気導体または加熱導体を露
出させるレーザ加工の工程において、それは、レーザ加工の間に、とりわけ内部層が穴を開けられることを防止するための防止手段として作用する。それは、パイプライン部分の内部から媒体が流出するという懸念を生じさせるであろう。
【0023】
電気伝導手段が、一方の端部側の接続手段の遠い端から他方の接続手段の遠い端まで連続して伸びているため、電気的に加熱可能な既製の媒体ラインは、低い電力消費と高い水準の効率とを可能にする。電力供給源を媒体ラインの電気伝導手段に留めること以外に、いかなる他の接続も要求されないからである。とりわけ、高い水準の効率は、パイプライン部分がその周辺の全体にわたって加熱され、それゆえパイプライン部分の周辺全体にわたって均一な熱出力の分布を可能にできるという事実に基づく。
【0024】
発明をより詳細に説明するために、後者の例示的な実施形態は図面に基づいて下記で説明される。