(54)【発明の名称】気相に対する液相の高い体積比及び/又は高い圧力での、均一触媒を用いた、第一級アミンを得るための、アンモニアによる第一級アルコールの高選択的な直接アミノ化法
【文献】
Angew. Chem. Int. Ed,2008年,47,pp.8661-8664
【文献】
Angewandte Chemie International Edition,2010年 8月 2日,Vol.49, No.44,P.8126-8129
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一級アルコールが、共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
前記第一級アルコールの脂肪族アルキル基が、少なくとも4つの炭素原子を含む直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
前記第一級アルコールが、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、トリプロピレングリコール又はアンヒドロヘキシトールから選択されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
工程段階B)で、液体若しくは超臨界のアンモニア及び/又は溶媒に溶けたアンモニウム塩の溶液を用いることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【背景技術】
【0002】
酸素含有官能基から窒素含有官能基への変化は、多数の有機化合物の合成にとって極めて重要な転換を表す。これに関して、文献及び専門技術において多数の古典的な方法が知られている。大多数の刊行物中では、第一級又は第二級アルコールが第一級又は第二級有機アミンと反応させられている。それに対して、下記に示す反応スキームにおける第一級又は第二級アルコールをアンモニアと直接反応させて第一級アミンを得る手法は、特別な方法条件、触媒の使用下でのみ、そして、いくつかの少量のアルコールを用いてのみ行われることが記載されている。
【0003】
全ての公知の方法は、第一級アミンに対する高い選択率を目標に掲げており、それというのも、これらはアンモニアより求核性であり、それゆえ有利には、より高級なアミンを形成しながら反応し得るからである。単離されたヒドロキシル官能基からアミノ官能基への変化は、ほぼ熱的中性に行われる一方で、第二級及び第三級アミンの形成は、そのつど約30kJ/molで発熱をともない、それゆえ第一級アミンの形成と比べて熱力学的にも有利である。
【0004】
気相中での直接アミノ化
ヒドロキシル基を持つ炭素原子の酸化状態を維持しながら、アンモニアにより第一級又は第二級ヒドロキシル基を第一級アミンへと一段階で直接変化させる手法は、容易に蒸発し得る低級アルコールの場合には、主として気相反応に限られている。この場合、相応するアルコールが蒸発させられ、かつ適した条件(圧力、温度、水素分圧及び場合により不活性ガス分圧)下で、主として不均一触媒上で反応させられる。この手法は、例えば、刊行物US4314084、US5530127、US5932769、FR1347648、US3270059、US4111840、US4123462、DE1667193、Fischer他(J.Catal.,1999,182,289−291)又はJenzer他(Catal.Lett.,1999,61,111−114)に記載される。不均一触媒を用いた大部分の気相法の欠点は、(400℃に至るまでの)高い温度及び(300バールに至るまでの)高い圧力の使用であり、その結果、所望の第一級アミンに加えて、より高級なアミン、アルケン及びアルカンの顕著な量が頻繁に生じる。そのうえ、気相反応の特徴的な圧力条件及び温度条件に応じて、損失なしに蒸発及び反応させることができる(若しくは、その際、アミンは、損失なしに凝縮若しくは再昇華され得る)基質しかアミンへと経済的な収率で反応させることができない可能性がある。それゆえ、かかる条件下で分解する基質、若しくはそれらの相応するアミンは、文献及び専門技術においては液相合成で反応させられている。
【0005】
還元アミノ化
液相中でアルコールから第一級アミンを製造するための還元アミノ化による当業者に公知の方法は、多段階の処理法を利用しており、これには、ヒドロキシル基を持つ炭素原子の酸化状態の変化がともない得る。ヒドロキシル基を持つ炭素原子の酸化状態の変化のもと(還元アミノ化)、アルコールが古典的な手法で、相応するカルボニル化合物への酸化、アミン成分(第一級、第二級アミン又はアンモニア)との反応によるイミンの続く形成及び水素による該イミンの均一触媒若しくは不均一触媒を用いた引き続く還元によって製造されることができる。しかしながら、カルボニル化合物を単離しながらのこの二段階の処理法には時間と費用が掛かる。
【0006】
特別な多段階プロセス
ヒドロキシル基を持つ炭素原子の酸化状態を維持しながら(直接アミノ化)、アルコールが多段階の置換反応によってアミンへと変えられることができる。中間生成物を単離する手間に加えて、相応する方法の場合、これと関連して頻繁に適用される爆発性かつ毒性のアジドが悪影響を及ぼす。ヒドロキシル基を持つ炭素原子の酸化状態を維持しながらアルコールを直接アミノ化するための多段階の処理法の例外を、例えば、第一級アルコールとジアルキルアゾジカルボキシレート、ビス−t−ブチルイミノジカーボネート及び固定化トリフェニルホスファンとの一連の反応が表し、これは、Sun他(Tetrahedron Lett.,2007,48,7745−7746)によれば、トリフルオロ酢酸の添加後に、中間生成物を予め単離することなく第一級アミンを直接入手することを可能にする。Fabiano他(Synlett,1987,1987,190−192)は、同じ目的で、ビス−t−ブチルイミノジカーボネートの代わりに毒性の窒化水素酸を用いている。
【0007】
アルコールの直接的な液相アミノ化
場合により多価の第一級アルコールの直接的な一段階のアンモニアによる液相アミノ化は、学術文献及び特許文献中に、すでに久しく記載されている。いくつかの事例において、記載された方法は、適用されるプロセス条件に基づき、気相法又は液相法として一義的に分類されることはできない。
170℃の温度及び200バールの圧力にて、DE19507007によれば、エタノールアミンが、酸化物担持ルテニウム触媒上でエチレンジアミンへとアミノ化されることができ、その際、達成可能な収率は40%を下回ったままである。
場合により官能化された一価の第一級アミンを、場合により官能化された相応する一価の第一級アルコールから高い収率で製造することは、Gunanathan他の著作物に記載される(Angew.Chem.Int.Ed.,2008,47,8661−8664)。この中では、7.5バール及び135〜180℃の反応温度にて溶媒中での過剰のアンモニアとの12〜36時間の反応による、部分的にヘテロ原子で置換された第一級脂肪族及びベンジル型のアルコールの直接的な一段階のアミノ化が記載される。触媒として、空気安定性のアクリジニル系ピンサー錯体カルボニルクロロヒドリド−[4,5−(ジ−i−プロピルホスフィノメチルアクリジノ)ルテニウム(II)]が用いられる。しかしながら、この方法において明らかなのは、脂肪族第一級アルコールの反応が、殊にヘテロ原子置換基のない場合及び/又は分子内の線状炭素鎖の割合が上昇する場合にますます悪化することである。そのため、共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有するアルコールの場合、54〜82%の僅かな収率しか得られない。それゆえ、前述の出発材料のいずれも高い選択率で相応する第一級アミンに転化し得ないことが前提としてあり、なぜなら、イミン形成若しくは第二級アミン形成が高まるからである。
そのうえまた、WO2010018570には、比較可能な収率をともなうキノリニル系ピンサー配位子の使用が記載されるが、しかしながら、同じように短鎖の基質を用いたものしか記載されていない。
【0008】
官能化された、場合により多価のアルコールのアンモニアによる直接的な一段階の液相アミノ化を、均一触媒及び不均一触媒上で行うことが記載されていた。エーテル−ジオールジエチレングリコールは、DE3903367の中で、種々の二酸化ジルコン担持Cu−Co−Ni触媒上で液体アンモニアにより200℃にて30バールの水素雰囲気中でアミノ化されていた。しかしながら、反応生成物としてエーテルジアミンは一切単離されておらず、単に副生成物のアミノエトキシエタノール及びモルホリンが単離されていた。
【0009】
アルコール基質の鎖長が増大するにつれて第一級アミン形成の選択率が減少することが、官能化された第二級アルコールの場合において文献公知である。Imm他(S.Imm,S.Baehn,L.Neubert,H.Neumann,M.Beller,Angew.Chem.2010,122(44),8303−6)は、3−フェニル−2−プロパノールの代わりに4−フェニル−2−ブタノールがRu均一触媒上でアミノ化される場合に76%から58%へと第一級アミンに対する選択率が著しく減少することを記載している。同じように、2−ノナノールの場合の脂肪族第二級アルコールのアミノ化に際しては、低級同族体2−オクタノール(67.1%)の場合より明らかに低いアミン収率(51.2%)を観察することができる(D.Pingen,C.Mueller,D.Vogt,Angew.Chem.2010,122(44),8307−10)。それゆえ、より高級で、かつ場合により付加的に官能化されたアルコールは、この手法では、相応するアミンへと高い収率で転化させることはできないことが前提として考えられる。
【0010】
95.8%に至るまでの高い収率で、DE1570542によれば、反応が240℃でラネーニッケル触媒の存在下で行われる場合、ポリエーテルジオール、例えばポリプロピレングリコールが相応するジアミンへと直接変えられることができる。しかしながら、この処理法も、熱不安定な基質の反応には適していない。
【0011】
Co−Cu−Zn触媒の使用下で、US4153581によれば、ポリエーテルアミンの製造に成功しているが、しかしながら、早くも140℃で、水素の存在が必須であることが教示されている。
【0012】
上述の例からは、典型的に、殊にどちらかと言えば線状の脂肪族アルコール(入手困難かつ毒性の補助物質の化学量論使用をともなわずとも)並びに水素の活性化を達成する方法が必要であることが明らかである。そのうえ、これまで直接的な液相アミノ化のために適した全ての方法の重大な欠点は、合成シーケンスにおいて生じる中間体の取得及び場合により必要とされる単離及び精製のために、付加的な時間と費用の掛かる作業工程を実施しなければならないことである。
【0013】
記載した従来技術によれば、第一級アルコール、殊に共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有するアルコールを、アンモニアで直接的な一段階の水素不含の液相アミノ化を行って温和な反応条件で高い収率において第一級アミンを得るプロセスは知られていない。
【0014】
それゆえ、本発明の課題は、第一級アルコール、殊に共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有するアルコールから出発して第一級アミンを製造するための、上記欠点の少なくとも1つを回避し、かつ経済的に好ましい形で実施可能である方法を提供することであった。
【0015】
本発明の説明
ここで、意想外にも、均一触媒の存在下でアンモニアを用いた、第一級アルコール、殊に共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有するアルコールの高い収率における直接アミノ化を可能にし、その際、該アルコールの第一級ヒドロキシル基をアミノ化する方法が見出された。
【0016】
それゆえ、本発明の対象は、殊にアミノ化されるヒドロキシル基を基準として超化学量論量のアンモニアを用いた、有利には水素の不在下での、第一級アルコール、殊に共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有するアルコールの直接的な均一触媒による液相アミノ化を可能にする方法であり、その際、高いプロセス圧力及び/又は、有利には気相に対する液相の高い体積比の適用によって選択率の上昇が実現される。
【0017】
本発明による方法の1つの利点は、反応に際して通常は必須とされる中間生成物の単離及び精製が回避されることである。もう一つの利点は、例えばアジドといった問題を抱える助剤の使用を回避できる点にある。さらに付け足される利点は、本発明による方法によって副産物(Koppelprodukten)の形成がなくなり、かつ副生成物の形成をプロセス条件の的確な選択によって低い割合に下げることができる点にある。
【0018】
さらに好ましい点は、アルコールが溶解された状態で反応させられることである。もう一つの利点は、アルコールのアミノ化が中間生成物若しくは中間体の単離及び/又は精製なしに実行されることである。
【0019】
第一級アミンを製造するための本発明による方法は、以下の工程段階:
A)液体の、気体ではない相で第一級アルコールの溶液を準備する工程、
B)該相を、遊離アンモニア及び/又は少なくとも1種のアンモニア放出性化合物及び均一触媒と接触させる工程、並びに場合により
C)工程段階B)で形成された第一級アミンを分離する工程
を包含し、かつ工程段階Bにおける気相の体積に対する液相の体積の体積比が0.05より大きいこと、有利には0.1より大きいこと、殊に0.2より大きいこと、及び/又は
工程段階Bを、10バールより大きい圧力、有利には15バールより大きい圧力、殊に20バールより大きい圧力で実施することを特徴としている。
【0020】
"第一級アミン"との用語は、本発明と関連して、同様にその塩並びに該アミン及び/又はその塩の混合物と解される。"第一級アルコール"との用語は、本発明と関連して、少なくとも1つの第一級ヒドロキシ基(R−CH
2(OH))−ここでR=有機基又はHである−を有する有機化合物と解される。
【0021】
"第四級炭素原子"との用語は、4つの炭素原子に対してそのつど共有単結合を形成している炭素原子と解される。
【0022】
本発明に従って有利な方法は、工程段階Bにおける気相の体積に対する液相の体積の体積比が0.05より大きいこと、有利には0.1より大きいこと、殊に0.2より大きいこと、及び工程段階Bを、10バールより大きい圧力、有利には15バールより大きい圧力、殊に20バールより大きい圧力で実施することを特徴としている;殊に、工程段階Bにおける気相の体積に対する液相の体積の体積比は0.2バールより高く、かつ工程段階Bにおける圧力は20バールより大きい。
【0023】
本発明に従って有利なのは、アンモニアを、工程段階Bにおいて、第一級アルコールのヒドロキシル基に対して、少なくとも5対1、有利には50対1、特に有利には500対1のモル比で用いることである。アンモニア過剰量は、より迅速な反応とより高い選択率をもたらす。
【0024】
本発明による方法において用いられるアルコールは、第一級ヒドロキシ基のほかに、更なるヒドロキシ基も有してよく、そのため少なくとも1つの第一級ヒドロキシ基を有するポリオールも同様に、本発明の意味においては"第一級アルコール"である。該アルコールは、そのうえ分子中になお更なるヘテロ原子を有していてもよい。かかるアルコールの例は、脂肪族の非分枝若しくは分枝アルコール(例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール・・・)又はそれにベンジル型アルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ニコチニルアルコール・・・)の群から選択されていてよい。
【0025】
本発明による方法は、カルボキシ基又はエステル基、殊にカルボキシ基を有する第一級アルコールにも同様に好ましくは用いられる。
【0026】
意想外にも、該反応条件下でこれらの基質を用いて、有利には第一級OH基上でのみ変性が行われることが確かめられ、それというのも、該方法は高選択性だかである。
【0027】
有利なカルボキシ基含有第一級アルコールは、殊にω−ヒドロキシカルボン酸、殊に脂肪酸由来のものである。かかる脂肪酸の例示的な起源は、ヤシ油、核油又はヒマシ油のカットであってよい。かかるカルボキシ基含有第一級アルコールの例は、6−ヒドロキシヘキサン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸又は12−ヒドロキシドデカン酸の群から選択されていてよい。有利なエステル基含有第一級アルコールは、殊にω−ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル及びイソプロピルエステルの群から、殊に6−ヒドロキシヘキサン酸メチルエステル、11−ヒドロキシウンデカン酸メチルエステル又は12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステルの群から選択されている。
【0028】
本発明による方法においてさらに有利には用いられるアルコールは、共有結合で互いに結合した少なくとも3つの炭素原子を含み、かつ第四級炭素原子を含まない少なくとも1つの脂肪族アルキル基を有する。殊に、該アルコールは、有利にはヘテロ原子を有さない。殊に、本発明による方法においては、該脂肪族アルキル基が、少なくとも4つ、有利には少なくとも6つ、殊に少なくとも9つの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であることを特徴とするアルコールも用いられる。特に有利には用いられるアルコールに包含されるのは、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、トリプロピレングリコール及びアンヒドロヘキシトールであり、殊にトリプロピレングリコールが包含される。
【0029】
本発明による方法において用いられる例示的なアルコール濃度は、液相を基準として0.1〜10000mmol/Lの範囲で、有利には0.1〜1000mmol/L、特に有利には0.1〜100mmol/Lの範囲で変動する。
【0030】
本発明による方法において用いられる均一触媒として、アミノ化されるOH基を持つ炭素原子のC−H結合を活性化させることができる当業者に公知の全ての均一触媒が考慮に入れられる。かかる触媒の例に包含されるのは、アルカリ金属アルコキシド、アルミニウムアルコキシド及びランタニドアルコキシド、貴金属の無機化合物(例えば[RuCl
3・nH
2O]、IrCl
3)、元素のルテニウム(例えば[RuCl
2(PPh
3)
3)]、[RuH
2(PPh
3)
4]、Shvo触媒([η
4−C
4PH
4CO)Ru(CO)
3]
2)、[Ru(cod)(cot)]、[(PPh
3)
2Ru(CH
3CN)
3Cl]BPh
4、[Ru(p−cymene)Cl
2]
2、Ru(p−cymene)Cl
2]
2/DPEphos、[Ru(PPh
3)
3(CO)H
2]、[Ru
3(CO)
12]、[Ru
3(CO)
12]/N−フェニル−2−(PCl
2)ピロール、[RuCl
2(dmso)
4])、ロジウム(例えばウィルキンソン触媒([RhCl(PPh
3)
3])、[RhH(PPh
3)
3])、イリジウム(例えば[IrCl
3(dmso)
3]、[Cp・IrCl
2]
2、[Ir(cod)Cl]
2/(dppp)/Cs
2CO
3、[IrCl
2H(cod)]
2、KOH活性化フェナントロリンイリジウム錯体)及びパラジウム([Pd(PPh
3)
4)]、[PdCl
2(dppe)]、[Pd(OAc)
2])並びに他の白金属及び鉄から選択される1種以上の貴金属の単金属性若しくは多金属性の、単核若しくは多核性の配位化合物である。
本発明に従って有利な方法は、均一触媒として、カルボニルクロロヒドリド−[4,5−(ジ−i−プロピルホスフィノメチルアクリジノ)ルテニウム(II)]、カルボニルクロロヒドリド−[2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピリル)ルテニウム(II)]、カルボニルクロロヒドリド−[2−(ジ−1−アダマンチルホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピリル)ルテニウム(II)]、カルボニルクロロヒドリド−[2−(ジイソプロピルホスフィノ)−1−フェニル−1H−ピリル)ルテニウム(II)]、並びにCataCXium
(R)P型の配位子を有するルテニウム化合物から成る群から選択された化合物を用いる。
【0031】
本発明による方法の更なる有利な実施形態においては、工程B)において、ヒドロホルミル化のための触媒として当業者に知られている触媒が用いられる。これに関して、一般式H
xM
yM'
y'(CO)
zL
nの遷移金属カルボニル化合物が用いられることができ、ここで、n=0("改質されていないヒドロホルミル化触媒")若しくはn≠0("改質されたヒドロホルミル化触媒")であってよく、かつ、その他の点ではx、y及びzは整数値をとる。単金属触媒が用いられる場合、y'は0であってよく、又は二元金属触媒が使用される場合、y'は正の整数値をとってよい。M及びM'は、同じか又は異なっていてよい。遷移金属M及びM'として、ロジウム、コバルト、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、白金、パラジウム、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン又はマンガンを用いてよい;有利には、ロジウム、コバルト、イリジウム、ルテニウム、オスミウム又は白金が使用される。配位子Lは、ホスファン、ホスファンオキシド、ホスファイト、アミン、アミド、イソニトリル、アルサン又はスチバンから選択されていてよい;例示的な代表物は、トリフェニルホスファン、トリフェニルホスファンオキシド、トリフェニルホスファントリスルホン酸ナトリウム塩、トリフェニルアミン又はトリフェニルアルサンである。例示的なヒドロホルミル化触媒は、HCo(CO)
4、HCo(CO)
3PBu
3、HRh(CO)(PR
3)
3、Rh
4(CO)
12、RH
6(CO)
16、Rh
2(CO)
4Cl
2、CORh(CO)
7、Co
2Rh(CO)
12、HRh(CO)
3を包含する群から選択されている。
【0032】
有利なヒドロホルミル化触媒と関連して、一般式1の少なくとも1つのキサントホス配位子及び遷移金属化合物を有する触媒系が用いられる。
"キサントホス配位子"との用語は、本発明と関連して、一般式1
【化1】
[式中、
R
1a、R
2a、R
3a及びR
4aは、互いに無関係に、同じであるか又は異なっており、フェニル、t−ブチル及びイソプロピルを含む群から、有利には前述のものから成る群から選択されており、かつAは、−C(CH
3)
2−、−CH
2CH
2−、−Si(CH
3)
2−、−S−、−O−、−C(C(CH
3)
2)−及び
【化2】
を含む群から、有利には前述のものから成る群から選択されている]の化合物と解される。
有利には、R
1=R
2=R
3=R
4=フェニルかつA=−C(CH
3)
2−のキサントホス配位子が用いられる。
有利には代替的な実施形態において、R
1=R
2=R
3=R
4=フェニルかつA=
【化3】
(DPEphosとしても知られている)のキサントホス配位子が用いられる。
【0033】
遷移金属は、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム及び白金並びにその他の白金属及び鉄を含む群から、有利には前述のものから成る群から有利には選択されている。特に有利には、遷移金属は、ルテニウム、イリジウム及びパラジウムから成る群から選択されている;特に有利にはルテニウム及びイリジウムから成る群から選択されており、殊にルテニウムから選択されている。
触媒を形成する記載した元素からの選択した組合せに依存して、これは電荷を有し、かつ相応する対イオンによって形成された塩の形で用いられることを言及しておく。
【0034】
特に有利な実施形態において、触媒はキサンテン系配位化合物カルボニルクロロヒドリド−[9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテノ]ルテニウム(II)]である:
【化4】
カルボニルクロロヒドリド−[9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテノ]ルテニウム(II)]
【0035】
触媒を形成する記載した元素からの選択した組合せに依存して、これは電荷を有し、かつ相応する対イオンによって形成された塩の形で用いられることを言及しておく。
【0036】
工程段階A)で用いられる液相は、溶媒又はプロセス条件下で液化状態若しくは超臨界状態で存在するガス、殊にアンモニア、又は上述の成分からの混合物より形成されていてよい。
【0037】
溶媒として、これと関連して、水、又は有機溶媒又はそれらの混合物を用いてよく、該混合物は、均一溶液又はエマルジョンであってもよい。特に有利なのは、少なくとも1種の有機溶媒の使用である。以下のものに制限されるわけではないが、適した有機溶媒の選択肢として、ベンゼン、トルエン、キシレン異性体、メシチレン、ジオキサン、THF、ジメトキシエタン、アニソール、シクロヘキサン及びt−ブチルアルコールが包含される。
【0038】
工程段階B)で用いられるアンモニア又はアンモニア放出性化合物は、本発明と関連して、殊に液体アンモニア若しくは超臨界アンモニア及び/又は溶媒中のアンモニウム塩溶液(例えば水中の水酸化アンモニウムも)とも解される。
有利には、工程段階B)では遊離アンモニアとしてガス状若しくは液化されたアンモニアが用いられる。
【0039】
工程段階B)は、大気圧を基準として超過圧で実施される。本発明による方法の工程段階B)における例示的な圧力は、20〜1000バールの範囲、有利には20〜500バールの範囲、特に有利には20〜100バールの範囲にある。該圧力は、アンモニア及び/又は更に別のガス、殊に不活性ガス、例えば窒素又はアルゴンの圧入によって形成されることができ、その際、双方のガス混合物による圧力形成が有利である。
【0040】
工程段階B)における本発明による方法を表す温度は、熱負荷に基づき副生成物の形成につながる、第一級アルコール、第一級アミン及び該方法の過程で生じる更なる全ての中間体の分解反応を最小限に留める範囲内で変動する。例示的に、該温度は、液相中で測定して、80〜220℃、有利には90〜200℃、特に有利には100〜170℃の範囲内で変動する。
【0041】
本発明に従って有利なのは、該方法が水素の不在下で実施されることであり、ここで、水素の不在下とは、水素が付加的に反応に供給されないことと解される;場合により空気中に含まれる微量の水素は、本発明の意味においては"水素がないこと"と見なされる。
【0042】
例
例1:低いVFl/VGasにてルテニウム均一触媒上でのアンモニアによる1−ヘキサノールの一段階の直接アミノ化(比較例、本発明によらないVFl/VGas=0.05)
アルゴン雰囲気下で、1−ヘキサノール1.022g(10mmol)、触媒としてカルボニルクロロヒドリド−[4,5−ジ−i−プロピルホスフィノメチルアクリジノ)ルテニウム(II)]0.006g(0.01mmol)、溶媒として水1mL及びジオキサン2mLを、90mLのフィッシャーポーター社製反応器に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、アンモニアを7.5バールの圧力までオートクレーブに注入し(総じてV
Fl/V
Gas=0.05となる)、該反応器を135℃に加熱し、かつこの温度で30時間維持した。室温への冷却後、反応器を開き、そして反応生成物をガスクロマトグラフィーにより分析した。1−ヘキシルアミンが79.7%の収率で得られる(転化率99%)。
【0043】
例2:低いVFl/VGasにてルテニウム均一触媒上でのアンモニアによるフルフリルアルコールの一段階の直接アミノ化(比較例、本発明によらないVFl/VGas=0.05)
アルゴン雰囲気下で、フルフリルアルコール0.098g(1mmol)、触媒としてトリルテニウムドデカカルボニル0.0128g(0.02mmol)及び2−(デシクロヘキシルホスファニル)−1−フェニル−1−H−ピロール0.0204g(0.06mmol)並びに溶媒として2−メチル−2−ブタノール1mLを、50mLの鋼管に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、該容器をドライアイスで冷却し、かつアンモニア0.6g(1mL、35.3mmol)を凝縮させて入れた(総じてV
Fl/V
Gas=0.05となる)、該反応器を150℃に加熱し、かつこの温度で20時間維持した。室温への冷却後、反応器を開き、溶媒を回転蒸発器で取り除き、そして残留物をメタノール溶解後にガスクロマトグラフィーにより分析した。フルフリルアミンが71%の収率で得られる(転化率99%)。
【0044】
例3:高い圧力及び大きいVFl/VGasにてルテニウム均一触媒上でのアンモニアによるトリプロピレングリコールの一段階の直接アミノ化(本発明によるVFl/VGas=0.3)
アルゴン雰囲気下で、トリプロピレングリコール0.961g(5mmol)、触媒としてカルボニルクロロヒドリド−[4,5−(ジ−i−プロピルホスフィノメチルアクリジノ)ルテニウム(II)]0.0305g(0.05mmol)及び溶媒として2−メチル−2−ブタノール25mLを、100mlのハステロイオートクレーブのガラスインサートに入れた。該オートクレーブを閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧し、そして新たに15バールのアルゴンで圧入した。その後、液体アンモニア2g(2.95mL;117mmol)をオートクレーブに注入した(総じてV
Fl/V
Gas=0.3となる)。該反応混合物を、室温で10分間撹拌し(600rpm)、引き続き撹拌下で内部温度170℃に加熱し、かつこの温度で48時間維持し、その際、45バールの圧力が生じた。室温への冷却、バッチの慎重な放圧及び20バールのアルゴンの3回の圧入(放圧を次にともなう)後、オートクレーブを開け、反応混合物をケイ藻土で濾過し、そして該濾過物を、溶媒除去のために真空中で回転蒸発器により濃縮した。得られた粗生成物を、球管式蒸留によって真空中で精製した。トリプロピレングリコールのジアミンが理論量の91%の収率で得られる(沸点範囲:10ミリバールで90〜95℃の空気浴温度)。
【0045】
例4:ルテニウム均一触媒上でのアンモニアによる1−ヘキサノール(アルコール)の一段階の直接アミノ化(圧力及びVFl/VGasの変動)
アルゴン雰囲気下で、1−ヘキサノールm
Hg、触媒として[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]m
Rug及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンm
Pg並びに溶媒として2−メチル−2−ブタノールV
LMを、50mLの鋼管に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、該容器をドライアイスで冷却し、そしてアンモニアm
Agを凝縮して入れた。更にpバールのアルゴンの差圧分の圧入後、反応器を130℃に加熱し、かつこの温度で20時間維持した。室温に冷却後、該反応器を放圧して開き、溶媒を回転蒸発器で除去し、そして残留物をメタノール溶解後にガスクロマトグラフィーで分析した。反応パラメーター並びに転化率及び所望の反応生成物1−ヘキシルアミンに対する選択率は、以下の表に示している。これらの結果が示すのは、目標生成物に対する選択率を、V
Fl/V
Gasの比の上昇によっても、圧力の上昇並びに双方のパラメーターを同時に上昇させることによっても高めることが可能なことである。
【0046】
【表1】
1:1−ヘキサノールの質量;2:[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]の質量;3:キサントホスの質量;4:溶媒の体積;5:アンモニアの質量;6:反応条件下で生じる圧力;7:気相体積に対する液相体積の比;8:1−ヘキサノールの転化率;9:1−ヘキシルアミンに対する選択率
【0047】
例5:ルテニウム均一触媒上でのアンモニアによる12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステル(ヒドロキシ酸)の一段階の直接アミノ化(圧力及びVFl/VGasの変動)
アルゴン雰囲気下で、12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステルm
Hg、触媒として[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]m
Rug及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンm
Pg並びに溶媒として2−メチル−2−ブタノールV
LMを、50mLの鋼管に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、該容器をドライアイスで冷却し、そしてアンモニアm
Agを凝縮して入れた。更にpバールのアルゴンの差圧分の圧入後、反応器を130℃に加熱し、かつこの温度で20時間維持した。室温に冷却後、該反応器を放圧して開き、溶媒を回転蒸発器で除去し、そして残留物をメタノール溶解後にガスクロマトグラフィーで分析した。反応パラメーター並びに転化率及び所望の反応生成物12−アミノドデカン酸メチルエステルに対する選択率は、以下の表に示している。これらの結果が示すのは、目標生成物に対する選択率を、V
Fl/V
Gasの比の上昇によっても、圧力の上昇並びに双方のパラメーターを同時に上昇させることによっても高めることが可能なことである。
【0048】
【表2】
1:12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステルの質量;2:[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]の質量;3:キサントホスの質量;4:溶媒の体積;5:アンモニアの質量;6:反応条件下で生じる圧力;7:気相体積に対する液相体積の比;8:12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステルの転化率;9:12−アミノドデカン酸メチルエステルに対する選択率
【0049】
例6:高いVFl/VGasでのルテニウム均一触媒及びキサントホス上でのアンモニアによるアルコール及びヒドロキシ酸の一段階の直接アミノ化(本発明による)
アルゴン雰囲気下で、出発材料m
Eg、触媒として[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]m
Rug及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンm
Pg並びに溶媒として2−メチル−2−ブタノールV
LMを、50mLの鋼管に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、該容器をドライアイスで冷却し、そしてアンモニアm
Agを凝縮して入れた。反応器をT℃に加熱し、かつこの温度で20時間維持した。室温に冷却後、該反応器を放圧して開き、溶媒を回転蒸発器で除去し、そして残留物をメタノール溶解後にガスクロマトグラフィーで分析した。反応パラメーター並びに転化率及び所望の反応生成物12−ヒドロキシドデカン酸メチルエステルに対する選択率は、以下の表に示している。これらの結果が示すのは、多数の異なるヒドロキシ官能化された基質を上記方法によりアミノ化できることである。
【0050】
【表3】
1:出発材料の質量;2:[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]の質量;3:キサントホスの質量;4:溶媒の体積;5:アンモニアの質量;6:反応温度;7:気相体積に対する液相体積の比;8:出発材料の転化率;9:生成物に対する選択率
【0051】
例7:ルテニウム均一触媒及びキサントホス上でのアンモニアによるグリコール酸及グリコール酸アニリドの一段階の直接アミノ化(VFl/VGasの変化)
アルゴン雰囲気下で、出発材料m
Eg、触媒として[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]m
Rug及び9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンm
Pg並びに溶媒として2−メチル−2−ブタノールV
LMを、50mLの鋼管に入れた。この容器を閉じ、3回そのつど20バールのアルゴンで圧入及び放圧した。その後、該容器をドライアイスで冷却し、そしてアンモニアm
Agを凝縮して入れた。反応器を140℃に加熱し、かつこの温度で20時間維持した。室温に冷却後、該反応器を放圧して開き、溶媒を回転蒸発器で除去し、そして残留物をメタノール溶解後にガスクロマトグラフィーで分析した。反応パラメーター並びに転化率及び所望の反応生成物に対する選択率は、以下の表に示している。これらの結果が示すのは、双方の基質にてV
Fl/V
Gasの比を高めることによって所望の生成物に対する選択率の上昇が可能なことである。
【0052】
【表4】
1:出発材料の質量;2:[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]の質量;3:キサントホスの質量;4:溶媒の体積;5:アンモニアの質量;6:気相体積に対する液相体積の比;7:出発材料の転化率;8:第一級アミノグリコール酸(−誘導体)に対する選択率
【0053】
例8:ルテニウム均一触媒及びキサントホス上でのアンモニアによる2−メチルチオエタノールの一段階の直接アミノ化(VFl/VGasの変化)
アルゴン雰囲気下で、2−メチルチオエタノールm
Mg、触媒として[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]m
Rug、キサントホスm
pg及び溶媒として2−メチル−2−ブタノールV
LMを、314mlのハステロイオートクレーブのガラスインサートに入れた。該オートクレーブを閉じ、5barの窒素を圧入し、放圧し、そして−70℃に冷却する。その後、液体アンモニアm
Agをオートクレーブに凝縮して入れる。反応混合物を、引き続き室温で10分間撹拌し(600rpm)、次いで撹拌下で内部温度170℃に加熱し、かつこの温度で48時間維持した。室温への冷却、バッチの慎重な放圧及び5バールの窒素の圧入(放圧を次にともなう)後、オートクレーブを開け、反応混合物をガスクロマトグラフを用いて分析する。反応パラメーター並びに転化率及び所望の第一級アミン2−メチルチオエチルアミンに対する選択率は、以下の表に示している。これらの結果は、目標生成物に対する選択率を、V
Fl/V
Gasの比を高めることによって上昇可能であることを示す。
【0054】
【表5】
1:2−メチルチオエタノールの質量;2:[カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスファン)ルテニウム(II)]の質量;3:キサントホスの質量;4:溶媒の体積;5:アンモニアの質量;6:気相体積に対する液相体積の比;7:2−メチルチオエタノールの転化率;8:2−メチルチオエチルアミンに対する選択率