【文献】
Samsung,Preliminary evaluation of TDD UL-DL reconfiguration performance,3GPP TSG-RAN WG1#66,3GPP,2011年 8月26日,R1-112525
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
割当制御情報に対する上り通信を、上りに固定された1つ以上の通信サブフレームで行うか否かを指示すると共に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで、上り通信を行うか下り通信を行うかを指示するUL/DL通信サブフレーム切り替え情報を生成する制御手段と、
生成された前記UL/DL通信サブフレーム切り替え情報を端末装置に送信する送信手段と、
を具備する基地局装置。
前記端末装置において受信した下り回線データまたは下り制御情報に対応する、前記下り回線データに対する誤り検出結果または上り回線データを送信する上り通信サブフレームは、前記下り回線データまたは前記下り制御情報を送信した下り通信サブフレームの4サブフレーム以上後であり、かつ、最も早いタイミングにおける上りに固定された通信サブフレームである、請求項1に記載の基地局装置。
前記下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームは、SIBで通知されるUL-DL Configurationと、他のUL-DL Configurationである切り替え可能サブフレーム通知フォーマットとの組み合わせによって通知され、
前記切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、前記下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームのタイミングがSIBで通知されるUL-DL Configurationにより規定される上り通信サブフレームのタイミングのサブセットである、
請求項1に記載の基地局装置。
前記端末装置において受信した下り回線データまたは下り制御情報に対応する、前記下り回線データに対する誤り検出結果または上り回線データを送信する上り通信サブフレームは、前記下り回線データまたは前記下り制御情報を送信した下り通信サブフレームの4サブフレーム以上後であり、かつ、最も早いタイミングにおけるスペシャルサブフレームの1サブフレーム後の上り通信サブフレームである、請求項1に記載の基地局装置。
割当制御情報に対する上り通信を、上りに固定された1つ以上の通信サブフレームで行うか否かを指示すると共に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで、上り通信を行うか下り通信を行うかを指示するUL/DL通信サブフレーム切り替え情報を受信する受信手段と、
受信された前記UL/DL通信サブフレーム切り替え情報の指示に従って、マッピングを行うマッピング手段と、
マッピングされた信号を基地局装置に送信する送信手段と、
を具備する端末装置。
前記UL/DL通信サブフレーム切り替え情報を受信しない場合であって、前記下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームにおいて、上り通信の送信周期または送信データがある場合には、前記下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで送信を行い、上り通信の送信周期または送信データがない場合には、前記下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで受信を行う、請求項5に記載の端末装置。
割当制御情報に対する上り通信を、上りに固定された1つ以上の通信サブフレームで行うか否かを指示すると共に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで、上り通信を行うか下り通信を行うかを指示するUL/DL通信サブフレーム切り替え情報を基地局装置が生成する制御工程と、
生成された前記UL/DL通信サブフレーム切り替え情報を前記基地局装置から端末装置に送信する送信工程と、
を具備する送信方法。
割当制御情報に対する上り通信を、上りに固定された1つ以上の通信サブフレームで行うか否かを指示すると共に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで、上り通信を行うか下り通信を行うかを指示するUL/DL通信サブフレーム切り替え情報を基地局装置から端末装置が受信する受信工程と、
受信された前記UL/DL通信サブフレーム切り替え情報の指示に従って、送信信号をマッピングするマッピング工程と、
マッピングされた前記送信信号を前記端末装置から基地局装置に送信する送信工程と、
を具備する受信方法。
【背景技術】
【0002】
3GPP−LTE(3rd Generation Partnership Project Radio Access Network Long Term Evolution、以下、「LTE」という)では、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され、上り回線の通信方式としてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用されている(例えば、非特許文献1、2、3参照)。
【0003】
LTEでは、無線通信基地局装置(以下、「基地局」と省略する)は、システム帯域内のリソースブロック(Resource Block:RB)を、サブフレームと呼ばれる時間単位毎に無線通信端末装置(以下、「端末」と省略する)に割り当てることにより通信を行う。また、基地局は、下り回線データおよび上り回線データのリソース割当結果を通知するための割当制御情報(L1/L2制御情報)を端末へ送信する。この割当制御情報は、例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等の下り回線制御チャネルを用いて端末へ送信される。
【0004】
ここで、PDCCHをマッピングするリソース領域は規定されており、
図1に示すように、周波数軸方向では、システム帯域幅全体にわたり、時間軸方向では、1サブフレームの先頭1OFDMシンボルから3OFDMシンボルまでの間で可変である。PDCCHが時間軸方向にどのOFDMシンボルまで占めるかを示す信号が、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)によって基地局から端末に通知される。
【0005】
また、各PDCCHは、1つまたは連続する複数のCCE(Control Channel Element)で構成されるリソースを占有する。PDCCHでは、1個のCCEが36個のRE(Resource Element)で構成される。LTEでは、PDCCHが占有するCCE数(CCE連結数:CCE aggregation levelまたはAggregation level)としては、割当制御情報の情報ビット数または端末の伝搬路状態に応じて、1,2,4,8の中の1つが選択される。なお、LTEでは、システム帯域幅として最大20MHzの幅を持つ周波数帯域がサポートされる。
【0006】
また、基地局から送信される割当制御情報はDCI(Downlink Control Information)と呼ばれる。基地局は、1サブフレームに複数の端末を割り当てる場合、複数のDCIを同時に送信する。このとき、基地局は、各DCIの送信先の端末を識別するために、送信先の端末IDでマスキング(または、スクランブリング)したCRCビットをDCIに含めて送信する。そして、端末は、自端末宛ての可能性がある複数のDCIにおいて、自端末の端末IDでCRCビットをデマスキング(または、デスクランブリング)することにより、PDCCHをブラインド復号(ブラインドデコーディング、Blind decoding)して自端末宛のDCIを検出する。
【0007】
また、DCIには、基地局が端末に対して割り当てた、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)リソースおよびPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)リソースの情報(リソース割当情報(例えば、割当リソースブロック数))およびMCS(Modulation and channel Coding Scheme)(例えば、変調多値数や、割当リソースブロック数に対するトランスポートブロックサイズを示す情報など)等が含まれる。また、DCIには、上り回線用、下り回線MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信用、下り回線非連続帯域割当用等の複数のフォーマットがある。端末は、複数のフォーマットを有する、下り割当制御情報(下り回線に関する割当制御情報:DL assignment)および上り割当制御情報(上り回線に関する割当制御情報:UL grant)の両方を受信する必要がある。
【0008】
例えば、下り割当制御情報においては、基地局の送信アンテナ制御方法およびリソース割当方法等により、複数のサイズのフォーマットが定義されている。その複数のフォーマットのうち、連続帯域割当を行う下り割当制御情報フォーマット(以下、単に「下り割当制御情報」という)と、連続帯域割当を行う上り割当制御情報フォーマット(以下、単に「上り割当制御情報」という)とは同一サイズを有する。これらのフォーマット(DCIフォーマット)には、割当制御情報の種別(下り割当制御情報または上り割当制御情報)を示す種別情報(例えば、1ビットのフラグ)が含まれる。よって、端末は、下り割当制御情報を示すDCIのサイズと、上り割当制御情報を示すDCIのサイズとが同一であっても、割当制御情報に含まれる種別情報を確認することにより、下り割当制御情報または上り割当制御情報のいずれであるかを特定することができる。
【0009】
なお、連続帯域割当を行う上り割当制御情報が送信される際のDCIフォーマットは、DCI format0(以下、「DCI 0」という)と呼ばれ、連続帯域割当を行う下り割当制御情報が送信される際のDCIフォーマットは、DCI format1A(以下、「DCI 1A」という)と呼ばれる。なお、上述したようにDCI 0およびDCI 1Aは、同一サイズであり種別情報によって区別できるので、以下の説明では、DCI 0およびDCI 1Aを「DCI 0/1A」とまとめて表記する。
【0010】
また、上記DCIフォーマット以外にも、下り回線において、非連続帯域割当を行うDCI format1(以下、「DCI 1」という)および空間多重MIMO送信を割り当てるDCI format2および2A(以下、それぞれ「DCI 2」、「DCI 2A」という)等がある。
【0011】
ここで、DCI 1,2,2Aは、端末の下り送信モード(非連続帯域割当または空間多重MIMO送信)に依存して使用されるフォーマットであり、端末毎に設定されるフォーマットである。一方、DCI 0/1Aは、送信モードに依存せず、いずれの送信モードの端末に対しても使用できるフォーマット、つまり、全端末に対して共通に使用されるフォーマットである。また、DCI 0/1Aが用いられた場合には、デフォルトの送信モードとして1アンテナ送信または送信ダイバーシチが用いられる。
【0012】
また、LTEに対する後方互換性を有しつつ、LTEよりも更なる通信の高速化を実現する3GPP LTE−Advanced(以下、「LTE−A」という)の標準化が開始されている。LTE−Aでは、最大1Gbps以上の下り伝送速度および最大500Mbps以上の上り伝送速度を実現するために、40MHz以上の広帯域周波数で通信可能な基地局および任意のLTE−Aシステム対応の端末(以下、「LTE−A端末」という)が導入される見込みである。また、LTE−Aシステムは、LTE−A端末のみでなく、LTEシステムに対応する端末(以下、「LTE端末」という)を収容することが要求されている。
【0013】
LTE−Aシステムにおいては、LTEシステムにおける伝送速度の数倍もの超高速伝送速度による通信、および、LTEシステムに対する後方互換性(バックワードコンパチビリティー:Backward Compatibility)を同時に実現するために、LTE−Aシステム向けの帯域が、LTEシステムのサポート帯域幅である20MHz以下の「単位バンド」に区切られる。すなわち、「単位バンド」は、ここでは、最大20MHzの幅を持つ帯域であって、通信帯域の基本単位として定義される。
【0014】
FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、さらに、下り回線における「単位バンド」(以下、「下り単位バンド」という)は、基地局から報知されるBCHの中の下り周波数帯域情報によって区切られた帯域、または、下り制御チャネル(PDCCH)が周波数領域に分散配置される場合の分散幅によって定義される帯域として定義されることもある。また、上り回線における「単位バンド」(以下、「上り単位バンド」という)は、基地局から報知されるBCHの中の上り周波数帯域情報によって区切られた帯域、または、中心付近にPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)領域を含み、両端部にLTE向けのPUCCHを含む20MHz以下の通信帯域の基本単位として定義されることもある。なお、「単位バンド」は、3GPP LTE−Advancedにおいて、英語でComponent Carrier(s)またはCellと表記されることがある。また、略称としてCC(s)と表記されることもある。
【0015】
LTE−Aシステムでは、その単位バンドを幾つか束ねた帯域を用いた通信、所謂キャリアアグリゲーション(Carrier aggregation)がサポートされる。一般的に、上り通信に対するスループット要求と下り通信に対するスループット要求とは異なるので、LTE−Aシステムでは、LTE−A端末に対して設定される上り単位バンドの数と下り単位バンドの数が異なるキャリアアグリゲーション、所謂非対称キャリアアグリゲーション(Asymmetric Carrier aggregation)も検討されている。さらに、LTE−Aシステムでは、上り単位バンドの数と下り単位バンドの数が非対称であり、且つ、各単位バンドの周波数帯域幅がそれぞれ異なる場合も、サポートされる。
【0016】
ところで、TDD(Time Division Duplex)システムでは、下り単位バンドと上り単位バンドとが同一周波数帯域であり、時分割で下り回線と上り回線とを切り替えることによって、下り通信と上り通信とを実現する。そのため、TDDシステムの場合、下り単位バンドは、「単位バンドにおける下り通信タイミング」とも表現できる。上り単位バンドは、「単位バンドにおける上り通信タイミング」とも表現できる。
【0017】
下り単位バンドと上り単位バンドとの切り替えは、
図2に示すように、UL-DL Configurationと呼ばれるフレームフォーマットに基づく。UL-DL Configurationは、端末が基地局と通信を開始する時に、SIB(System Information Block)と呼ばれる報知信号によって端末に通知される。
図2に示すUL-DL Configurationでは、1フレーム(10msec)当たりの下り通信(DL:Downlink)と上り通信(UL:Uplink)とのサブフレーム単位(つまり、1msec単位)のタイミングが設定される。UL-DL Configurationは、下り通信サブフレームと上り通信サブフレームとの割合を変更することにより、下り通信に対するスループットおよび上り通信に対するスループットの要求に柔軟に対応できる通信システムを構築することができる。例えば、
図2は、下り通信サブフレームと上り通信サブフレームとの割合が異なるUL-DL Configuration(Config 0〜6)を示す。
図2において、下り通信サブフレーム(またはDLサブフレーム)を「D」で表し、上り通信サブフレーム(またはULサブフレーム)を「U」で表し、スペシャルサブフレームを「S」で表す。ここで、スペシャルサブフレームは、下り通信サブフレームから上り通信サブフレームへ切り替える時のサブフレームである。また、スペシャルサブフレームでは、下り通信サブフレームと同様、下り回線データ通信が行われる場合がある。なお、
図2に示す各UL-DL Configurationでは、2フレーム分(つまり、20サブフレーム分)を、2段に分けて表している。各UL-DL Configurationの上段において、ハッチングした上段の「D」および「S」は下り通信に用いられるサブフレームを示し、各UL-DL Configurationの下段において、ハッチングした下段の「U」は上り通信に用いられるサブフレームを示す。
【0018】
また、
図2において、下り通信サブフレームまたはスペシャルサブフレームと、上り通信サブフレームとを結ぶ実線は、端末に下り回線データを通知する下り通信サブフレームまたはスペシャルサブフレームと上述の下り回線データに対する誤り検出結果(例えば、ACK/NACK)を基地局に通知する上り通信サブフレームとをつないだものである。例えば、
図2のConfig 0において、#0の下り通信サブフレームで端末に下り回線データを通知した場合、その下り回線データに対する誤り検出結果は#4の上り通信サブフレームにて基地局に通知される。下り回線データに対する誤り検出結果は、当該下り回線データが割り当てられた下り通信サブフレームの4サブフレーム以上後の上り通信サブフレームで通知される。
【0019】
さらに、
図2において、下り通信サブフレームまたはスペシャルサブフレームと、上り通信サブフレームとを結ぶ破線は、端末が上り通信サブフレームで通知する上り回線データに対する上り割当制御情報(UL grant)が、どの下り通信サブフレームまたはスペシャルサブフレームで通知されるかを示したものである。1つの上り通信サブフレーム対して、必ず1つの下り通信サブフレームが存在し、上り回線データの割当を指示する上り割当制御情報は、上り回線データが割り当てられた上り通信サブフレームの4サブフレーム以上前、かつ、最も近いサブフレーム差となる下り通信サブフレームで通知される。
【0020】
なお、Config 0においては、上り回線データに対応する、当該上り回線データの割当を指示する上り割当制御情報は、サブフレーム#2、#4、#7、#9での上り回線データ送信に対して、それぞれ、6、4、6、4サブフレーム前の下り通信サブフレームで通知されるように対応付けられている。または、上り回線データの割当を指示する上り割当制御情報に含まれる2ビットの上り通信インデックス(UL index)に基づいて、サブフレーム#2、#3、#7、#8での上り回線データ送信に対して、それぞれ7サブフレーム前の下り通信サブフレームで通知されるように対応付けを切り替えることも可能である。また、両者の切り替えだけでなく、サブフレーム#2、#4、#7、#9での上り回線データ送信に対して、それぞれ、6、4、6、4サブフレーム前の下り通信サブフレームで通知されるように対応付けを行い、それと同時に、サブフレーム#2、#3、#7、#8での上り回線データ送信に対して、それぞれ7サブフレーム前の下り通信サブフレームで通知されるように対応付けることも可能である。
【0021】
図2に示したように、UL-DL Configurationでは、上り通信サブフレームと下り通信サブフレーム(スペシャルサブフレームを含む)の割合を、3:2から1:9まで選択することが可能である。しかし、UL-DL Configurationはセル内の全ての端末間で共通の設定であり、他システムへの干渉あるいは他システムからの変動を考慮して、実運用では一般的に切り替えを行わない。また、実運用における上り通信サブフレームと下り通信サブフレームの割合は、上り通信も下り通信も満遍なく行えるよう、3:2(Config 0)、2:3(Config 1)、1:1(Config 6)などが用いられる。Config 2やConfig 5のような、1:4や1:9などの下り通信に特化したUL-DL Configurationを設定するのは一般的ではない。
【0022】
LTE−Aシステムにおいては、
図3(a)に示すように、マクロ基地局がカバーする大きなセル(マクロセル)と、ピコ基地局またはフェムト基地局がカバーする小さなセル(ピコセルまたはフェムトセル)からなるヘテロジーニアスネットワークが構成される。マクロ基地局には多数の端末が接続し、ピコ基地局またはフェムト基地局には少数の端末が接続する。マクロ基地局では、上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合は、多数の端末間で平滑化されるため、短時間における上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合の変動が小さい。すなわち、マクロ基地局に接続する端末数が多いため、ある期間において、上り通信を行う端末もあれば、下り通信を行う端末もあり、上り通信のトラフィックと下り通信のトラフィックとの割合が、上り通信または下り通信のどちらか一方に大きく偏る可能性が低い。一方、ピコ基地局またはフェムト基地局では、少数の端末しか接続しないため、上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合が、上り通信または下り通信のどちらか一方に大きく偏る可能性が高くなる。
【0023】
そこで、LTE−Aシステムでは、
図3(b)に示すように、上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合の変動に合わせて、UL-DL Configurationを時間的に切り替えることが検討されている。
【0024】
切り替え方法としては、(1)SIBによってUL-DL Configuration設定を変更する方法、(2)RRCシグナリングでSIBによる設定とは異なるUL-DL Configurationを通知する方法、(3)サブフレーム単位で動的に上り通信サブフレームと下り通信サブフレームを切り替える方法、などが挙げられる。一般的に、(1)が最も切り替えに時間を要する。これに対して、(3)はサブフレーム単位での切り替えであり、最も遅延量の少ない切り替えが可能である。上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合の変動に対してより速く対処するためには、(3)サブフレーム単位で動的に切り替えるのが有効である。
【0025】
非特許文献4を参考に、上り通信トラフィックと下り通信トラフィックとの割合の変動に合わせてUL-DL Configurationを動的に切り替える例を
図4(a)および
図4(b)に示す。ここでは、Config 1が設定されたセルにおいて、サブフレーム#8の上り通信サブフレームを下り通信サブフレームに切り替える例を示す。サブフレーム#8の上り通信サブフレームで上り通信に対応した、下り通信サブフレーム(サブフレーム#4)における当該端末宛てのDCIがある場合(
図4(a))、対応するサブフレーム#8の上り通信サブフレームにおいて、端末は上り通信を行う。
【0026】
一方、サブフレーム#8の上り通信サブフレームで上り通信に対応した、下り通信サブフレーム(サブフレーム#4)における当該端末宛てのDCIがない場合(
図4(b))、対応するサブフレーム#8の上り通信サブフレームにおいて、端末は上り通信を行わない。全ての端末が上り通信を行っていなければ、基地局が、ある端末に対して下り通信を行ったとしても、当該端末は、他の端末からの上り通信による干渉を受けずに、下り通信を行うことができる。したがって、上り通信がスケジューリングされていない上り通信サブフレームにおいて、端末は下り通信サブフレームであると仮定して、PDCCHのブラインド復号を行う。これにより、基地局は、端末に対して明示的な情報を与えることなく、上り通信サブフレームを下り通信サブフレームとして用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
(一実施の形態)
[通信システムの概要]
本発明の一実施の形態に係る通信システムは、基地局100と端末200とを有する。基地局100はLTE−A基地局であり、端末200はLTE−A端末である。
【0038】
[基地局100の構成]
図6は、本発明の一実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図6において、基地局100は、設定部101と、制御部102と、サーチスペース設定部103と、PDCCH生成部104と、符号化及び変調部105,106,107と、割当部108と、多重部109と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部110と、CP(Cyclic Prefix)付加部111と、送信RF部112と、アンテナ113と、受信RF部114と、CP除去部115と、FFT(Fast Fourier Transform)部116と、抽出部117と、IDFT(Inverse Discrete Fourier transform)部118と、データ受信部119と、ACK/NACK受信部120とを有する。
【0039】
設定部101は、端末200向けのDCIの送信に利用するリソース領域を設定すると共に、端末200の上り回線および下り回線それぞれの送信モードを設定する。端末200向けのDCIの送信に利用するリソース領域は、そのDCIが示す下り回線データサイズに応じて設定される。ここでは、下り回線データサイズは、トランスポートブロックサイズとして定義される。リソース領域の設定および送信モードの設定は、設定対象の端末200毎に行われる。設定されたリソース領域および送信モードに関する設定情報は、サーチスペース設定部103および符号化及び変調部106へ出力される。また、設定されたリソース領域に関する設定情報は、制御部102へ出力される。
【0040】
具体的には、設定部101は、送信領域設定部131と、送信モード設定部132とを有する。
【0041】
送信領域設定部131は、端末200向けのDCIの送信に利用するPDCCH領域を、DCIが示す下り回線データサイズに基づいて設定する。
【0042】
送信モード設定部132は、端末200の上り回線および下り回線それぞれの送信モード(例えば、空間多重MIMO送信、ビームフォーミング送信、非連続帯域割当等)を設定する。
【0043】
なお、リソース領域および送信モードに関する設定情報は、上位レイヤの制御情報(RRC制御情報またはRRCシグナリング(RRC signaling)という)として、符号化及び変調部106等を介して各端末200へ通知される。
【0044】
制御部102は、設定部101から入力されたリソース領域に関する設定情報に基づいて、MCS情報、リソース(RB)割当情報、NDI(New Data Indicator)、および、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」等を含む割当制御情報を生成する。ここでは、リソース割当情報として、端末200の上り回線データを割り当てる上りリソース(例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))を示す上りリソース割当情報、および、端末200宛ての下り回線データを割り当てる下りリソース(例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel))を示す下りリソース割当情報を生成する。なお、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」の詳細については後述する。
【0045】
さらに、制御部102は、設定部101から入力されたリソース領域に関する設定情報に基づいて、端末200の上り回線の送信モードに応じた割当制御情報(DCI 0A,0Bのいずれか)、下り回線の送信モードに応じた割当制御情報(DCI 1,1B,1D,2,2Aのいずれか)、または、全端末共通の割当制御情報(DCI 0/1A)を、端末200毎に生成する。
【0046】
例えば、通常のデータ送信時には、制御部102は、スループット向上のために、各端末200に設定した送信モードでデータ伝送が行えるように、各端末200の送信モードに応じた割当制御情報(DCI 1,1B,1D,2,2A,0A,0Bのいずれか)を生成する。これにより、各端末200に設定した送信モードでデータ伝送が行えるので、スループットを向上することができる。
【0047】
しかし、急激な伝搬路状況の変化または隣接セルからの干渉の変化等によっては、各端末200に設定した送信モードでは、データの受信誤りが頻発する状況も起こり得る。この場合には、制御部102は、全端末に共通のフォーマット(DCI 0/1A)で、割当制御情報を生成し、ロバスト(Robust)なデフォルト送信モードを用いてデータを送信する。これにより、急激に伝搬環境が変動した場合であっても、よりロバストなデータ伝送が可能となる。
【0048】
また、伝搬路状況が悪化した場合に、送信モードの変更を通知するための上位レイヤの制御情報(RRC signaling)の送信時にも、制御部102は、全端末共通の割当制御情報(DCI 0/1A)を生成し、デフォルト送信モードを用いて情報を送信する。ここで、全端末共通のDCI 0/1Aの情報ビット数は、送信モードに依存するDCI 1,2,2A,0A,0Bの情報ビット数よりも少ない。このため、同じCCE数が設定された場合、DCI 0/1Aの方が、DCI 1,2,2A,0A,0Bよりも、低い符号化率の符号化を行い、送信することができる。したがって、伝搬路状況が悪化した場合に、制御部102がDCI 0/1Aを用いることにより、伝搬路状況が劣悪な端末でも良好な誤り率で割当制御情報(および、データ)を受信することができる。
【0049】
また、制御部102は、端末個別のデータ割当向けの割当制御情報の他に、報知情報およびページング(paging)情報等の複数の端末共通のデータ割当のための、共通チャネル向け割当制御情報(例えば、DCI 1C,1A)を生成する。
【0050】
そして、制御部102は、生成した端末個別のデータ割当向けの割当制御情報のうち、MCS情報、NDIおよび「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」をPDCCH生成部104に出力し、上りリソース割当情報をPDCCH生成部104および抽出部117に出力し、下りリソース割当情報をPDCCH生成部104および多重部109に出力する。下りリソース割当情報が多重部109へ出力されることにより、DCIのマッピング領域へのマッピングが制御される。また、制御部102は、生成した共通チャネル向け割当制御情報をPDCCH生成部104に出力する。
【0051】
サーチスペース設定部103は、設定部101から入力される設定情報の示す設定リソース領域に対応するサーチスペース設定ルールに基づいて、サーチスペースを設定する。各サーチスペース設定ルールは、サーチスペース設定部103の備えるメモリに、テーブルとして保持されている。サーチスペースには、共通サーチスペース(C−SS)および個別サーチスペース(UE−SS)が含まれる。共通サーチスペース(C−SS)は、全端末に共通のサーチスペースであり、個別サーチスペース(UE−SS)は、各端末に個別のサーチスペースである。
【0052】
PDCCH生成部104は、制御部102から入力される、端末個別のデータ割当向けの割当制御情報(つまり、端末毎の上りリソース割当情報、下りリソース割当情報、MCS情報、NDIおよび「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」等)を含むDCI、および、共通チャネル向け割当制御情報(つまり、端末共通の報知情報およびページング情報等)を含むDCIを生成する。このとき、PDCCH生成部104は、端末毎に生成する上り割当制御情報および下り割当制御情報に対してCRCビットを付加し、さらにCRCビットを端末IDでマスキング(または、スクランブリング)する。そして、PDCCH生成部104は、マスキング後の信号を符号化及び変調部105に出力する。
【0053】
符号化及び変調部105は、PDCCH生成部104から入力されるDCIをチャネル符号化および変調して、変調後の信号を割当部108に出力する。ここで、符号化及び変調部105は、各端末から報告されるチャネル品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)情報に基づいて、各端末で十分な受信品質が得られるように符号化率を設定する。例えば、符号化及び変調部105は、セル境界付近に位置する端末ほど(つまり、チャネル品質が悪い端末ほど)、より低い符号化率を設定する。
【0054】
割当部108は、符号化及び変調部105から入力される、共通チャネル向け割当制御情報を含むDCI、および、各端末に対する端末個別のデータ割当向けの割当制御情報を含むDCIを、サーチスペース設定部103から入力されるサーチスペース情報が示す、C−SS内のCCE、または、端末毎のUE−SS内のCCEに、それぞれ割り当てる。
【0055】
例えば、割当部108は、C−SS内のDCI割当領域候補群の中から1つのDCI割当領域候補を選択する。そして、割当部108は、共通チャネル向け割当制御情報を含むDCIを、選択したDCI割当領域候補内のCCEに割り当てる。
【0056】
また、割当部108は、その端末向けのDCIフォーマット(例えば、DCI 1,1B,1D,2,2A,0A,0B)の場合には、その端末に設定されたUE−SS内のCCEをDCIに対して割り当てる。一方、その端末向けのDCIフォーマットが、全端末共通のフォーマット(例えば、DCI 0/1A)の場合には、C−SS内のCCEまたはその端末に設定されたUE−SS内のCCEをDCIに対して割り当てる。
【0057】
ここで、1つのDCIに割り当てられるCCEの連結数は、符号化率およびDCIのビット数(つまり、割当制御情報の情報量)によって異なる。例えば、セル境界付近に位置する端末宛てのDCIの符号化率は低く設定されるので、より多くの物理リソースが必要である。従って、割当部108は、セル境界付近に位置する端末宛てのDCIに対して、より多くのCCEを割り当てる。
【0058】
そして、割当部108は、DCIに割り当てたCCEに関する情報を多重部109およびACK/NACK受信部120に出力する。また、割当部108は、符号化および変調後のDCIを多重部109に出力する。
【0059】
符号化及び変調部106は、設定部101から入力される設定情報をチャネル符号化および変調して、変調後の設定情報を多重部109に出力する。
【0060】
符号化及び変調部107は、入力される送信データ(下り回線データ)をチャネル符号化および変調して、変調後の送信データ信号を多重部109に出力する。
【0061】
多重部109は、割当部108から入力される符号化および変調後のDCI信号、符号化及び変調部106から入力される設定情報、および符号化及び変調部107から入力されるデータ信号(つまり、PDSCH信号)を時間軸上および周波数軸上で多重する。ここで、多重部109は、制御部102から入力される下りリソース割当情報に基づいて、PDCCH信号およびデータ信号(PDSCH信号)をマッピングする。多重部109は、多重信号をIFFT部110に出力する。なお、多重部109は、設定情報をPDSCHにマッピングしてもよい。
【0062】
IFFT部110は、多重部109から入力されたアンテナ毎の多重信号を時間領域の信号に変換し、CP付加部111は、この時間領域の信号にCPを付加することにより、OFDM信号を得て、送信RF部112に出力する。
【0063】
送信RF部112は、CP付加部111から入力されるOFDM信号に対して無線送信処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施し、アンテナ113を介して送信する。
【0064】
一方、受信RF部114は、アンテナ113を介して受信帯域で受信した受信無線信号に対して無線受信処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号をCP除去部115に出力する。
【0065】
CP除去部115は、受信RF部114から入力された受信信号からCPを除去し、FFT部116は、CP除去後の受信信号を周波数領域信号に変換する。
【0066】
抽出部117は、制御部102から入力される上りリソース割当情報に基づいて、FFT部116から入力される周波数領域信号から上り回線データを抽出し、抽出した上り回線データをIDFT部118に出力する。
【0067】
IDFT部118は、抽出部117から入力された周波数領域信号である上り回線データを時間領域信号に変換し、その時間領域信号をデータ受信部119およびACK/NACK受信部120に出力する。
【0068】
データ受信部119は、IDFT部118から入力される時間領域信号を復号し、復号後の上り回線データを受信データとして出力する。
【0069】
ACK/NACK受信部120は、IDFT部118から入力される時間領域信号のうち、下り回線データ(PDSCH信号)に対する各端末からのACK/NACK信号を抽出する。具体的には、ACK/NACK受信部120は、そのACK/NACK信号を、割当部108から入力される情報に基づいて、上り回線制御チャネル(例えば、PUCCH(Physical Uplink Control Channel))から抽出する。また、その上り回線制御チャネルは、その下り回線データに対応する下り割当制御情報の送信に用いられたCCEに対応付けられた上り回線制御チャネルである。
【0070】
そして、ACK/NACK受信部120は、抽出したACK/NACK信号のACK/NACK判定を行う。
【0071】
なお、ここでは、CCEとPUCCHとが対応付けられているのは、端末がACK/NACK信号の送信に用いるPUCCHを、基地局から各端末へ通知するためのシグナリングを不要にするためである。これにより、下り回線の通信リソースを効率良く使用することができる。従って、各端末は、この対応付けに従って、自端末への下り割当制御情報(DCI)がマッピングされているCCEに基づいて、ACK/NACK信号の送信に用いるPUCCHを判定している。
【0072】
[端末200の構成]
図7は、本発明の一実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。ここでは、端末200は、LTE−A端末である。
【0073】
図7において、端末200は、アンテナ201と、受信RF部202と、CP除去部203と、FFT部204と、分離部205と、設定情報受信部206と、PDCCH受信部207と、PDSCH受信部208と、変調部209,210と、DFT(Discrete Fourier Transform)部211と、マッピング部212と、IFFT部213と、CP付加部214と、送信RF部215とを有する。
【0074】
受信RF部202は、設定情報受信部206から入力される帯域情報に基づいて、受信帯域を設定する。受信RF部202は、アンテナ201を介して受信帯域で受信した無線信号(ここでは、OFDM信号)に対して無線受信処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号をCP除去部203に出力する。なお、受信信号には、PDSCH信号、DCI(割当制御情報)、および、設定情報を含む上位レイヤの制御情報が含まれている可能性がある。また、DCIは、端末200および他の端末に対して設定された共通のサーチスペース(C−SS)、または、端末200に対して設定された個別のサーチスペース(UE−SS)に割り当てられている。
【0075】
CP除去部203は、受信RF部202から入力される受信信号からCPを除去し、FFT部204は、CP除去後の受信信号を周波数領域信号に変換する。この周波数領域信号は、分離部205に出力される。
【0076】
分離部205は、FFT部204から入力される信号のうち、DCIを含む可能性のある成分(つまり、PDCCH領域から抜き出された信号)をPDCCH受信部207に出力する。また、分離部205は、設定情報を含む上位レイヤの制御信号(例えば、RRCシグナリング等)を設定情報受信部206に出力し、データ信号(つまり、PDSCH信号)をPDSCH受信部208に出力する。なお、設定情報を含む上位レイヤの制御信号がPDSCHを通して送信される場合には、分離部205は、PDSCH受信部208で受信した後の信号から、設定情報を抽出する。
【0077】
設定情報受信部206は、分離部205から入力される上位レイヤの制御信号から、以下の情報を読み取る。すなわち、自端末に設定された端末IDを示す情報、自端末に設定された、DCIの送信に利用するリソース領域を示す情報、自端末に設定された参照信号を示す情報、および自端末に設定された送信モードを示す情報である。
【0078】
そして、自端末に設定された端末IDを示す情報は、端末ID情報としてPDCCH受信部207に出力される。また、DCIの送信に利用するリソース領域を示す情報は、サーチスペース領域情報としてPDCCH受信部207に出力される。また、自端末に設定された参照信号を示す情報は、参照信号情報としてPDCCH受信部207に出力される。また、自端末に設定された送信モードを示す情報は、送信モード情報としてPDCCH受信部207に出力される。
【0079】
PDCCH受信部207は、分離部205から入力される信号をブラインド復号(モニタ)して、自端末宛てのDCIを得る。このブラインド復号処理は、サーチスペース設定ルールに規定されている復号対象単位領域候補(復号の対象となる単位領域の候補)に対して行われる。各サーチスペース設定ルールは、PDCCH受信部207の備えるメモリにテーブルとして保持されている。ここで、PDCCH受信部207は、全端末共通のデータ割当向けのDCIフォーマット(例えば、DCI 0/1A)、自端末に設定された送信モード依存のDCIフォーマット(例えば、DCI 1,2,2A,0A,0B)および全端末共通の共通チャネル割当向けのDCIフォーマット(例えば、DCI 1C,1A)のそれぞれに対して、ブラインド復号する。これにより、各DCIフォーマットの割当制御情報を含むDCIが得られる。
【0080】
PDCCH受信部207は、設定情報受信部206から入力されるサーチスペース領域情報の示す領域がPDCCH領域である場合には、サーチスペース設定ルールに基づいて、C−SSに対して、共通チャネル割当向けのDCIフォーマット(DCI 1C,1A)および全端末共通のデータ割当向けDCIフォーマット(DCI 0/1A)のブラインド復号を行う。すなわち、PDCCH受信部207は、C−SS内の各復号対象単位領域候補(つまり、端末200に割り当てられるCCE領域の候補)について、共通チャネル割当向けのDCIフォーマットのサイズ、および、全端末共通のデータ割当向けのDCIフォーマットのサイズを対象として、復調および復号を行う。
【0081】
PDCCH受信部207は、復号後の信号に対して、複数の端末の間で共通のIDによってCRCビットをデマスキングする。そして、PDCCH受信部207は、デマスキングの結果、CRC=OK(誤り無し)となった信号を、共通チャネル向けの割当制御情報を含むDCIであると判定する。
【0082】
また、PDCCH受信部207は、復号後の信号に対して、端末ID情報が示す自端末の端末IDによってCRCビットをデマスキングする。そして、PDCCH受信部207は、デマスキングの結果、CRC=OK(誤り無し)となった信号を、自端末向けの割当制御情報を含むDCIであると判定する。すなわち、PDCCH受信部207は、C−SSでは、端末ID(複数の端末の間で共通のID、または、端末200の端末ID)によって、DCI 0/1Aの割当制御情報が共通チャネル向けであるかまたは自端末向けのデータ割当向けであるかを区別する。
【0083】
PDCCH受信部207は、設定情報受信部206から入力される端末ID情報の示す自端末の端末IDを用いて、自端末のUE−SSを、各CCE連結数に対してそれぞれ算出する。PDCCH受信部207は、算出したUE−SS内の各ブラインド復号領域候補について、自端末に設定された送信モード(送信モード情報に示される送信モード)に対応したDCIフォーマットのサイズおよび全端末共通のDCIフォーマット(DCI 0/1A)のサイズを対象として、復調および復号を行う。PDCCH受信部207は、復号後の信号に対して、自端末の端末IDでCRCビットをデマスキングする。PDCCH受信部207は、デマスキングの結果、CRC=OK(誤り無し)となった信号を、自端末宛てのDCIであると判定する。
【0084】
また、PDCCH受信部207は、下り割当制御情報を受信した場合には、自端末宛てのDCIに含まれる下りリソース割当情報をPDSCH受信部208に出力し、上り割当制御情報を受信した場合には、上りリソース割当情報をマッピング部212に出力する。また、PDCCH受信部207は、自端末宛てのDCIの送信に用いられたCCE(CRC=OKとなった信号の送信に用いられていたCCE)のCCE番号(CCE連結数が複数の場合は先頭のCCEのCCE番号)をマッピング部212に出力する。
【0085】
さらに、PDCCH受信部207は、自端末宛てのDCIに含まれる「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」をマッピング部212に出力する。「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」の詳細については後述する。
【0086】
PDSCH受信部208は、PDCCH受信部207から入力される下りリソース割当情報に基づいて、分離部205から入力されるPDSCH信号を復号し、受信データ(下り回線データ)を得る。すなわち、PDSCH受信部208は、復号回路を有している。また、PDSCH受信部208は、取得した受信データ(下り回線データ)に対して誤り検出を行う。PDSCH受信部208は、誤り検出の結果、受信データに誤りがある場合には、ACK/NACK信号としてNACK信号を生成し、受信データに誤りが無い場合には、ACK/NACK信号としてACK信号を生成する。このACK/NACK信号は、変調部209に出力される。
【0087】
変調部209は、PDSCH受信部208から入力されるACK/NACK信号を変調し、変調後のACK/NACK信号をマッピング部212に出力する。
【0088】
変調部210は、送信データ(上り回線データ)を変調し、変調後のデータ信号をDFT部211に出力する。
【0089】
DFT部211は、変調部210から入力されるデータ信号を周波数領域に変換し、得られる複数の周波数成分をマッピング部212に出力する。
【0090】
マッピング部212は、PDCCH受信部207から入力される上りリソース割当情報および「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」に従って、DFT部211から入力される複数の周波数成分を、上り単位キャリアに配置されたPUSCHにマッピングする。また、マッピング部212は、PDCCH受信部207から入力されるCCE番号および「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」に従ってPUCCHを特定する。マッピング部212は、変調部209から入力されるACK/NACK信号を、上記特定したPUCCHにマッピングする。PUSCHにマッピングされた複数の周波数成分およびPUCCHにマッピングされたACK/NACK信号は、IFFT部213に出力される。
【0091】
IFFT部213は、PUSCHにマッピングされた複数の周波数成分およびPUCCHにマッピングされたACK/NACK信号を時間領域の信号に変換し、CP付加部214は、この時間領域波の信号にCPを付加して、送信RF部215に出力する。
【0092】
送信RF部215は、送信帯域を変更可能に構成されており、設定情報受信部206から入力される帯域情報に基づいて、送信帯域を設定する。送信RF部215は、CP付加部214から入力される信号に無線送信処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施して、アンテナ201を介して送信する。
【0093】
[基地局100および端末200の動作]
次に、以上の構成を有する基地局100および端末200の動作について説明する。
【0094】
基地局100において、制御部102は、下り割当制御情報(DL assignment)および上り割当制御情報(UL grant)に「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を付加する。「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」は、DL assignmentにより指示される下り回線データに対する誤り検出結果、および、UL grantにより指示される上り回線データを、予め規定された複数の上り通信サブフレームのうち、どのサブフレームで送信すべきかを端末200に指示する情報である。
【0095】
端末200において、PDCCH受信部207は、自端末宛てのDCIに含まれる「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」から、ブラインド復号を行うサブフレームを決定する。また、PDCCH受信部207は、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」をマッピング部212に出力する。マッピング部212は、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」に従って、下り回線データに対する誤り検出結果、および、上り回線データを、どの上り通信サブフレームにマッピングするかを決定する。
【0096】
[端末における処理の流れ]
以下、
図8、
図9を用いて、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」に対する端末における処理について詳述する。
図8の例は、SIBで通知されるUL-DL ConfigurationがConfig 1の場合のフレームフォーマットを示す。
図8において、サブフレーム#8、#13を「切り替え可能なサブフレーム」であるとする。また、サブフレーム#4の下り通信サブフレームに対応する、下り回線データに対する誤り検出結果および上り回線データは、切り替え可能なサブフレームであるサブフレーム#8、または、上りに固定された通信サブフレーム(下り通信サブフレームに切り替え不可能な上り通信サブフレーム)であるサブフレーム#12で通知されるよう、基地局および端末の間で予め規定されている。
【0097】
ここで、切り替え可能なサブフレームは、基地局と端末間で事前に共通の設定がなされており、その設定はRRCシグナリングにより行われてもよいし、SIBの通知により行われてもよい。
【0098】
なお、切り替え可能なサブフレームは、予め設定されなくてもよい。ただし、このとき端末は、スペシャルサブフレーム後の上り通信サブフレーム以外の全てのサブフレームが、切り替え可能であると仮定する。これにより、端末におけるブラインド復号の回数は増加するが、設定のためのシグナリングが不要となり、簡略化できるという効果がある。
【0099】
なお、以降では、上り通信サブフレームを下り通信サブフレームに切り替える場合を例にとって説明する。下り通信サブフレームを上り通信サブフレームに切り替える場合も同様であるため、この説明は割愛する。
【0100】
図9は、端末における処理フローを示す。以降、端末が、DL assignmentおよびUL grantで通知される「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を受信した場合、および、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を受信しなかった(つまり、DL assignmentおよびUL grantを共に受信しなかった)場合について、
図9を用いてそれぞれ詳述する。また、端末が「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を受信した場合に、受信した「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が「上り通信」を指示した場合、および「下り通信」を指示した場合についても、
図9を用いてそれぞれ詳述する。
図9において、ステップ(以下、「ST」と省略する)301では、端末200は「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合には、ST302に移行し、受信していない場合には、ST307に移行する。
【0101】
ST302では、端末200は、受信した「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」(例えば1ビットの情報)が上り通信を指示しているか否かを判定する。上り通信を指示している場合には、ST303に移行し、上り通信を指示していない、つまり、下り通信を指示している場合には、ST305に移行する。
【0102】
[上り通信の指示]
ST303では、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームを上り通信サブフレームであると判定する。
図8の例では、サブフレーム#4の下り通信サブフレームにおいて、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が「上り通信」を指示している場合、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームであるサブフレーム#8を上り通信サブフレームであると判定する。
【0103】
ST304では、当該サブフレームで下り回線データに対する誤り検出結果、および、上り回線データを送信する。
【0104】
[下り通信の指示]
ST305では、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームを下り通信サブフレームであると判定する。
図8の例では、サブフレーム#4の下り通信サブフレームにおいて、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が「下り通信」を指示している場合、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームであるサブフレーム#8を下り通信サブフレームであると判定する。当該サブフレームにおいて、自端末宛のDCIを検出するために、PDCCHをブラインド復号する。また、このとき、端末200は、上りに固定された通信サブフレームであるサブフレーム#12で、下り回線データに対する誤り検出結果、および、上り回線データを送信する。
【0105】
ST306では、端末200が下り通信サブフレームと判定したサブフレーム(
図8の例ではサブフレーム#8)において、自端末宛のDCIを検出した場合、そのDCI(つまり、DL assignmentおよびUL grant)に対応する下り回線データの誤り検出結果、および、上り回線データを、4サブフレーム以上後であり、かつ、最も早い、上りに固定された通信サブフレーム(つまり、切り替え可能ではない上り通信サブフレーム。
図8の例ではサブフレーム#12)で送信する。すなわち、ここでは、下り通信サブフレームに切り替えられたサブフレーム#8に対応する上り通信サブフレーム#12を新たに規定している。
【0106】
このように、サブフレーム#4の下り通信サブフレームにおける端末宛のDCIにおいて、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が「下り通信」を指示している場合、基地局100は、当該端末200に対して、サブフレーム#8の下り通信サブフレームにおいて受信動作(ブラインド復号)を指示する。加えて、基地局100は、当該端末200に対して、サブフレーム#4で当該端末200が受信した下り回線データに対する誤り検出結果、および、サブフレーム#4で当該端末200が受信した上り割当制御信号に対する上り回線データを、サブフレーム#12の上り通信サブフレームで送信するよう指示する。すなわち、ここでは、サブフレーム#4に対応する上り通信サブフレームをサブフレーム#12に切り替えている。この方法により、基地局100は1つの情報で端末200に対して同時に2つの指示を行えるため、端末200に通知する情報ビット数を削減することができ、制御情報を効果的に通知することができる。
【0107】
なお、上記のサブフレーム#4に対応する上り通信サブフレームを切り替えること、および、下り通信サブフレームに切り替えられているサブフレーム#8に対応する上り通信サブフレームを新たに規定することにより、その上り通信サブフレーム(
図8の例ではともにサブフレーム#12)において、複数の下り回線データに対する誤り検出結果が存在する場合がある。この場合、複数ビット間でバンドリング(ロジカルAND処理)を行ってもよいし、バンドリングを行わずに、全ての誤り検出結果を送信してもよい。同様に、ある上り通信サブフレームにおいて、複数の上り回線データが存在する場合は、いずれか1つの上り回線データを送信するよう、基地局100と端末200間で予め定められていてもよいし、全ての上り回線データを送信してもよい。基地局100は端末200に対して、複数の上り回線データを送信しないようにスケジューリングしてもよい。
【0108】
[UL/DL通信の指示なし]
【特許文献1】端末200がDCIの受信に失敗した場合、また、基地局100自体が端末200に対してDCIを通知しない場合には、端末200は、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を得ることができない。この場合、端末200は、ST307において、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで上り通信があるか、または、上り送信周期であるかを判定する。この条件に該当する場合には、ST303に移行し、この条件に該当しない場合には、ST308に移行する。
【0109】
ST308において、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームを、下り通信サブフレームであると推定して、当該サブフレームにおいて、自端末宛のDCIを検出するために、PDCCHをブラインド復号する。その後、上述したST306に移行する。
【0110】
ここで、ST307の条件について説明する。端末200は、基地局100により予め設定された送信周期で、上りリソースの割当要求を行うスケジューリングリクエスト(Scheduling Request)の送信と、周期的なチャネル品質情報(周期的CQI(periodic CQI))の送信を行うことができる。また、端末200は、上り割当制御情報を伴わない上り回線データ送信(セミパーシステントスケジューリング(Semi-Persistent Scheduling))を行うことができる。さらに、HARQインジケータチャネル(PHICH:Physical HARQ Indicator Channel)を用いて、端末200が送信した上り回線データに対する誤り検出結果としてNACKが端末200に通知された場合は、上り割当制御情報を伴わずに上り回線データを再送することができる。このような場合、端末200は、自端末宛のDCIの受信がなくとも、上り通信を行う可能性があるため、そのようなサブフレームにおいては、常に上り通信サブフレームと判定して上り送信を行う。
【0111】
なお、スケジューリングリクエストと周期的CQIについては、送信の有無によってではなく、送信周期であるか否かによって、端末200は、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームを上り通信サブフレームであると判定するか、下り通信サブフレームであると推定する。
【0112】
[下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームの詳細]
下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームは、SIBで通知されるUL-DL Configurationと、他のUL-DL Configuration(以下、「切り替え可能サブフレーム通知フォーマット」という)との組み合わせによって通知することができる。
【0113】
切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、
図10(a)に示すように、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームのタイミングが、SIBで通知されるUL-DL Configurationにより規定される上り通信サブフレームタイミングのサブセット(包含関係)になっている。この場合、基地局が端末に通知する切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、Config 0〜Config 6で表現され、SIBで通知されるUL-DL Configurationにおいて「U」のうち、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットにおいて「D」に対応するサブフレームが、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームとなる。
【0114】
図10(b)の場合、SIBで通知されるUL-DL ConfigurationをConfig 1としており、このとき、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、Config 1, 2, 4または5の中から選択される。例えば、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットとしてConfig 2が選択された場合、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームは、サブフレーム#3,#8と特定される。
【0115】
ただし、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、上記のConfig 0〜Config 6に限定されず、1フレーム内に少なくとも1サブフレームが上りに固定された通信サブフレーム(つまり、下り通信サブフレームに切り替え不可能な上り通信サブフレーム)となるように設定されていればよい。
【0116】
また、前述の通り、下り通信サブフレームにおける、DCIに含まれる「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が「下り通信」を指示している場合に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで送信するはずであったデータ(つまり、下り回線データに対する誤り検出結果または上り回線データ)は、上りに固定された通信サブフレームで通知される。このとき、当該下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームでないサブフレーム(つまり、上記における送信されなかった下り回線データに対する誤り検出結果または上り回線データを通知するためのサブフレーム)は、上りに固定された通信サブフレームの中で、最も早いタイミングの通信サブフレームであってもよい。切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、
図10に示すようにConfig 0〜6で表現される場合は、スペシャルサブフレームの次の上りに固定された通信サブフレームであってもよい(ただし、下り通信サブフレームの4サブフレーム以上後であること)。
【0117】
また、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、
図10に示すようにConfig 0〜6で表現される場合において、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームに対して、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」により「下り通信」が指示された場合、または、指示されない場合に、当該サブフレームで端末が受信するDCIに対応する上り送信を行う上り通信サブフレームは、スペシャルサブフレームの次の上りに固定された通信サブフレームであってもよい(ただし、下り通信サブフレームの4サブフレーム以上後であること)。
【0118】
または、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、
図10に示すようにConfig 0〜6で表現される場合において、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームに対して、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」により「下り通信」が指示された場合、または、指示されない場合に、当該サブフレームで端末が受信するDCIに対応する上り送信を行う上り通信サブフレームは、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットをSIBで通知されるUL-DL Configurationと見立てたときのUL-DL Configurationに対応する上り通信サブフレームであってもよい。すなわち、例えば、SIBで通知されるUL-DL ConfigurationがConfig 0であり、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、Config 6である場合、
図10(b)から、切り替え可能なサブフレームはサブフレーム#9である。当該サブフレームにおいて端末が受信するDCIに対応する上り送信を行う上り通信サブフレームは、
図2のConfig 6に示す、次のフレームのサブフレーム#4とする。これにより、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームにおいて、端末がDCIを受信する場合における、当該DCIに対応する上り送信を行うタイミングを、
図2のConfig 0〜6で予め規定された送信タイミング以外に新たに規定する必要がなくなり、基地局および端末における構成を簡略化することができる。
【0119】
なお、
図10において、SIBで通知されるUL-DL ConfigurationがConfig 1である場合、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、Config 0, 1または6から選択されると、当該切り替え可能サブフレーム通知フォーマットが、SIBで通知されるUL-DL Configurationにより規定される下り通信サブフレームタイミングのサブセットになる。したがって、このとき、当該切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、「上り通信サブフレームに切り替え可能な下り通信サブフレーム」の通知に用いることができる。すなわち、2つのUL-DL Configurationの組合せによって、「下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレーム」を表現することも、「上り通信サブフレームに切り替え可能な下り通信サブフレーム」を表現することもできる。
【0120】
下り通信サブフレームを上り通信サブフレームに切り替える場合は、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、常にSIBで通知されるUL-DL Configuration(
図10の例ではConfig 1)により規定される上り通信サブフレームタイミングのサブセットになるUL-DL Configuration(
図10の例ではConfig 1, 2, 4または5)のいずれかに設定される。一方、上り通信サブフレームを下り通信サブフレームに切り替える場合は、切り替え可能サブフレーム通知フォーマットは、常にSIBで通知されるUL-DL Configurationにより規定される下り通信サブフレームタイミングのサブセットになるUL-DL Configuration(
図10の例ではConfig 0, 1または6)のいずれかに設定される。そして、「下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレーム」と「上り通信サブフレームに切り替え可能な下り通信サブフレーム」とを同時に含むUL-DL Configurationの組合せ(Config 1と3、Config 2と3、および、Config 2と4)は設定されない。
【0121】
[「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」の詳細]
上記の説明では、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームに対応する、下り通信サブフレームにおける下り割当制御情報および上り割当制御情報が「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を含むとした。しかし、上りに固定された通信サブフレームに対応する、下り通信サブフレームにおける下り割当制御情報および上り割当制御情報が「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を含んでもよい。この場合、上りに固定された通信サブフレームに対する割当制御情報に対しても、DCIのビット数が増えてしまうため、DCI符号化率が増加する。一方で、DCIサイズが下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームに依存しなくなる。これにより、基地局と端末間で下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームの設定を変更する際に、変更の過渡状態(例えば、基地局と端末間の接続が安定していない状態など)における基地局と端末間における下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームの認識の不整合が発生する期間(ambiguity period)においても、端末は正しいDCIサイズでPDCCHをブラインド復号できるという効果がある。
【0122】
端末が下り割当制御情報および上り割当制御情報を受信する下り通信サブフレームが同じでも、下り回線データに対する誤り検出結果を送信する上り通信サブフレームと上り回線データを送信する上り通信サブフレームとが異なる場合がある。例えば、
図2において、Config 3は、サブフレーム#8で受信した下り割当制御情報および上り割当制御情報に対して、下り回線データに対する誤り検出結果をサブフレーム#13で送信し、上り回線データをサブフレーム#12で送信する。このとき、上り回線データを送信するサブフレーム#12が、上りに固定された通信サブフレームであり、下り回線データに対する誤り検出結果を送信するサブフレーム#13が、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームであるとする。このとき、基地局は、上りに固定された通信サブフレームで送信する上り回線データに対応する、上り割当制御情報に対しても、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」を通知してもよい。このとき、上りに固定された通信サブフレームに対する割当制御情報に対しても、DCIのビット数が増えてしまうため、DCI符号化率が増加する。一方で、下り割当制御情報および上り割当制御情報とで同じDCIサイズにすることができ、端末におけるブラインド復号回数を削減することができる。
【0123】
「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」は必ずしも1ビットの情報である必要はなく、また、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」が指示する下り通信サブフレームと上り通信サブフレームは必ずしも常に1つずつである必要もない。例えば、2ビットの「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」とすることにより、
図11に示すように、サブフレーム#4、#7、#8がそれぞれ上り通信サブフレームであるのか下り通信サブフレームであるのかを指示することもできる。
図11(a)では、サブフレーム#0において、サブフレーム#4に対して「上り通信」を指示しており、
図11(b)では、サブフレーム#0において、サブフレーム#4に対して「下り通信」を、サブフレーム#7に対して「上り通信」を指示している。また、
図11(c)では、サブフレーム#0において、サブフレーム#4に対して「下り通信」を、サブフレーム#8に対して「上り通信」を指示している。さらに、
図11(d)では、サブフレーム#0において、サブフレーム#4に対して「下り通信」を、サブフレーム#7および#8に対して「上り通信」を指示している。
【0124】
また、「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」は、上り通信インデックスのように、複数の上り通信サブフレームにおける上り通信を指示することもできる。要は、1ビット以上の「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」により、2つ以上のサブフレームに対して、上り通信サブフレームとして用いるか、下り通信サブフレームとして用いるかを指示することができる。
【0125】
以上のように、本実施の形態によれば、基地局から端末に下り通信サブフレームで通知するDCIに含まれる「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」によって、1つ以上の上りに固定された通信サブフレームでDCIに対する上り通信を行うか否かを指示すると共に、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームで、端末に上り通信を行うか下り通信を行うかを指示することができる。これにより、サブフレーム毎の動的な切り替え、つまり、上り通信サブフレームから下り通信サブフレームへの切り替えを可能にしつつ、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームにおける端末からの上り送信に対する、割当制御情報を通知する下り通信サブフレームを有効に利用することができる。また、基地局は1つの「UL/DL通信サブフレーム切り替え情報」で端末に対して2つの指示を同時に行えるため、端末に通知する情報ビット数を削減することができ、制御情報を効果的に通知することができる。
【0126】
なお、本実施の形態は、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation : CA)が適用されない場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、
図12に示すように、キャリア毎に異なるUL-DL Configurationが設定される場合においても適用可能である。一方のキャリア(周波数バンド)で上り通信サブフレーム、他方のキャリア(周波数バンド)で下り通信サブフレームとなるタイミングにおける、上り通信サブフレーム(
図12の例ではバンドAのサブフレーム#3、#8および#13)を、下り通信サブフレームに切り替え可能な上り通信サブフレームであるとしてもよい。要は、本発明は、SIBで通知されたUL-DL Configurationで指示される上り通信サブフレームを、動的に下り通信サブフレームとして使う場合に適用可能である。
【0127】
また、上記実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、コンピュータがプログラムを実行することで機能するソフトウェア、または、ソフトウェアとハードウェアとの連携により実現することも可能である。
【0128】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0129】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0130】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0131】
2011年11月7日出願の特願2011−243353の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。