(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一つまたは複数の布要素を含み、かつ少なくとも腹部体幹部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された、人の胴体の少なくとも該腹部体幹部分を覆うための衣類構造物と、
該衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第一の領域を該腹部体幹部分中に少なくとも含み、かつ該衣類構造物の前面中央部分から少なくとも該衣類構造物の背面中央部分まで延在し、かつユーザの所望の動きを実質的に妨げる、変化させる、または影響することをしない、該腹部体幹部分で該衣類構造物と係合した第一の腹部体幹ポジションフィードバックシステムと
を含む、アパレル製品。
第一の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが、衣類構造物の前面中央部分に位置する第一端と、該衣類構造物の該前面中央部分に位置しかつ該第一端から離間している第二端と、該衣類構造物の背面中央部分の周囲に延在して該第一端および該第二端を接続する中間部分とを含む、請求項1記載のアパレル製品。
腹部体幹部分で衣類構造物と係合した第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムをさらに含むアパレル製品であって、該第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが、衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腹部体幹部分中に少なくとも含み、かつ該衣類構造物の前面中央部分に位置する第一端と、該衣類構造物の該前面中央部分に位置しかつ該第一端から離間している第二端と、該衣類構造物の背面中央部分の周囲に延在して該第一端および該第二端を接続する中間部分とを含む、請求項2記載のアパレル製品。
腹部体幹部分で衣類構造物と係合した第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムと、該腹部体幹部分で該衣類構造物と係合した第三の腹部体幹ポジションフィードバックシステムとをさらに含むアパレル製品であって、
該第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが、衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腹部体幹部分中に少なくとも含み、かつ該衣類構造物の前面中央部分に位置する第一端と、該衣類構造物の該前面中央部分に位置しかつ該第一端から離間している第二端と、該衣類構造物の背面中央部分の周囲に延在して該第一端および該第二端を接続する中間部分とを含み、
該第三の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが、該衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第三の領域を該腹部体幹部分中に少なくとも含み、かつ該衣類構造物の前面中央部分に位置する第一端と、該衣類構造物の該前面中央部分に位置しかつ該第一端から離間している第二端と、該衣類構造物の背面中央部分の周囲に延在して該第一端および該第二端を接続する中間部分とを含む、
請求項2記載のアパレル製品。
第一の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが第二および第三の腹部体幹ポジションフィードバックシステムから離間しており、かつ該第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが該第三の腹部体幹ポジションフィードバックシステムから離間している、請求項5記載のアパレル製品。
第一の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが、中央ベース区域と、該中央ベース区域から衣類構造物の前面中央部分まで延在する第一の脚部と、該中央ベース区域から該衣類構造物の背面中央部分まで延在する第二の脚部と、該中央ベース区域から該衣類構造物の背面中央部分まで延在する第三の脚部とを含み、該第一、第二および第三の脚部が互いに分離している、請求項1記載のアパレル製品。
第一の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが衣類構造物の第一の側面に位置し、かつ第二の腹部体幹ポジションフィードバックシステムが該衣類構造物の第二の側面に位置する、請求項9記載のアパレル製品。
第三の材料層をさらに含むボディポジションフィードバックシステムであって、該第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一つと係合し、該第二の材料層が該第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項13記載のアパレル製品。
第三の材料層が、ベース区域および該ベース区域から延在する複数の独立した脚部を含み、第一の層の複数の独立した脚部が、該第三の層の該複数の独立した脚部と重なり合う、請求項18記載のアパレル製品。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
以下の詳細な説明および添付図面は、本発明の例のボディポジションフィードバックシステム、アパレル製品ならびに当該システムおよび製品の製造方法の特徴を開示する。
【0016】
I. 本発明のボディポジションフィードバックシステムおよび方法の概説
上記のように、人は、通常の姿勢もしくはポジションにおける、および/または一般的な動きもしくは活動中の自分の体の様々な部分の位置を容易に「感じる」ことはできない。たとえば、人の背中側、特に腰は、「触覚」神経集団が相対的に希薄である。しかし、人体の体幹部、そのポジショニングおよびその動き(背中側を含む)は、多くの運動競技活動にとって非常に重要である。たとえば、体幹部は、ゴルフスイングにおいて回転およびパワー発生の中心点である。そのうえ、スイングの始まりおよびスイングの過程で繰り返し体を正しい姿勢に配し、かつ正しく体をポジショニングできることは、一貫した反復可能なスイングを展開する(そして、それにより、自分のゴルフゲームを改善する)ためにきわめて重要である。
【0017】
図1は、スイング中のゴルファー100を示す。スイングの始まりおよびスイングの過程における体のポジショニング(たとえば、アドレスポジションでの姿勢)が、達成される結果にとって非常に重要になることがある。
図1は、少なくともスイング中のあるときに、そのポジションが達成される結果にとって重要になることがある人体の様々なゾーンまたは区域を示す。ゴルフスイングの場合、これらの重要なゾーンは、手102、足および足首104、ふくらはぎ106、膝108、腕110、肩112、仙骨(腰)および体幹部114ならびに臀部116を含む。ゴルフスイング中の様々な時期(たとえばアドレス、スイングの過程における他の時期などにおける姿勢)でこれらのゾーンの一つまたは複数を正しくポジショニングする支援は、アスリートがスイングの過程で体を正しい姿勢に繰り返し配することを助けること、かつ正しく体をポジショニングすることを大きく支援することができる。ゴルフスイングに関連して例示されているが、本発明の局面は、たとえば上記のような多種多様な他の運動競技活動に拡張することができる。
【0018】
本発明の局面は、たとえば体の選択された部分における神経、関節機械的受容器および/または深層組織受容器の増強された刺激により、着用者が体の様々な選択された部分のポジショニングをより意識することを支援する衣類に関する。衣類は、
図1に関連して先に記した様々な区域またはゾーンの一つまたは複数に密着する(そして、場合によっては少なくとも部分的に巻き付く)ように設計されることができる。さらには、そのような衣類は、たとえば体の様々な部分に沿って、またはそれらの周囲に圧縮力を適用して(そして、引っ張り伸びに抵抗して)、衣類の増強されたフィードバック区域に隣接する体の様々な部分のポジションに関する体性感覚フィードバックを増強し、体のそれら様々な部分のポジションに関するユーザ「意識」を増強するボディポジションフィードバック増強構造物または領域を含むことができる。そのような改善された「意識」は、アスリートが自らをより良くポジショニングし、「筋肉記憶」を発達させ、より良いポジショニングを長く維持することを支援することができる。
【0019】
有利には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ボディポジションフィードバック構造物または領域は、圧縮力が適用される並置領域および圧縮力が適用されない領域を含む。隣接領域に適用される圧縮力の差が、それらの位置におけるボディポジションに関する装着者の感覚および意識を増強する傾向を示す。以下、隣接する位置に適用される圧縮力のこの差を生じさせる様々な構造物および方法を説明する。衣類は、体の区域の動きまたはポジショニングを支持する、またはそれに影響する必要はなく(たとえば固定支持具として作用する必要はない)、むしろ、単に、体のその領域のポジショニングに関する感覚意識を増大させることができる。
【0020】
上述したように、本発明の局面は、アパレル製品、たとえば胴体上部および/または胴体下部の衣服(たとえばシャツ、ブラウス、タンクトップ、レオタード、レギンス、形状適合性衣類、パンツ、ショーツ、スカート、下着など)、ソックスまたは人の足もしくは脚を少なくとも部分的に収容する他の衣類、手袋または人の手もしくは腕の少なくとも一部分を少なくとも部分的に覆う、または収容する他の衣類などとともに使用される、またはそれらに一体化されることができるボディポジションフィードバックシステムに関する。体の所望の部分を少なくとも部分的に収容する、またはその上もしくはそれに対して装着される特殊な衣類、たとえば脚または腕を挿入するためのスリーブまたはラップ、
図1に示す区域のいずれかを収容する、または覆うための衣類またはラップなどが提供されてもよい。
【0021】
A. 本発明の例のフィードバックシステム
ボディポジションフィードバックシステムおよび別個に係合したボディポジションフィードバックシステムを有する衣類構造物をさらに詳細に説明する。本発明のいくつかの例示的構造物において、アパレル製品と係合するボディポジションフィードバックシステムは、(a)第一の圧縮力適用能力を有する第一の材料層であって、該第一の材料層が、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、かつベース区域およびベース区域から延在する複数の独立した脚部を含み、該複数の独立した脚部沿いおよび該ベース区域中に連続的な第一の開口部が延在する、第一の材料層、ならびに(b)布またはポリマー材料でできており、第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有しており、第一の材料層と係合し、かつ第一の開口部を少なくとも部分的に覆う(場合によっては、第一の開口部を完全に覆う)第二の材料層を含むことができる。場合によっては、望むならば、フィードバックシステムはさらに、第三の材料層を含むことができ、第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一つと係合し、第二の材料層が第一の材料層と第三の材料層との間に挟まれている。第三の材料層の第二の面(第一の面とは反対側に位置する)は、第三の材料層を衣類構造物と係合させるための材料を含むことができる。第三の材料層(および第二の材料層)はまた、場合によってはタックルツイルタイプの外観を提供するために、第一の材料層と一致する形状であることもできる。
【0022】
第一の材料層(およびまた場合によっては第二および/または第三の材料層)の脚部は、ベース区域から離れて実質的に平行な方向または様々な方向に延在することができる。本発明のいくつかの例示的構造において、ベース区域は細長い長軸方向を含み、複数の独立した脚部は、このベース区域から離れて細長い長軸方向から離れる方向に延在する三つ〜六つの脚部を含む。本発明の他の例示的構造において、様々な材料層の複数の独立した脚部は、ベース区域から離れて延在する三つ(またはそれ以上)の脚部を含み、複数の独立した脚部の自由端が三角形(たとえば正三角形)の点として配設される。本発明を逸脱することなく、ベース区域および様々な脚部の他の配設が可能である。
【0023】
本発明の他のボディポジションフィードバックシステムにおいて、システムは、一つまたは複数の材料層を構成することができ、少なくとも一つの材料層が、システムが取り付けられる衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも大きい第一の圧縮力適用能力を有する。第一の材料層は、テキスタイルまたはポリマー材料で作られることができ、多様な形態をとることができる。たとえば、第一の材料層は、マトリックス構造、二つまたはそれ以上の交差する細長い材料細片(連続的または不連続な細片)などを構成することができる。本発明を逸脱することなく、材料層の他の構造物および配設が可能である。
【0024】
場合によっては、望むならば、本発明の例のボディポジションフィードバックシステムの少なくともいくつかの部分は、たとえば製編、製織または縫製プロセス中に、衣類構造物を構成する材料に一体に組み込まれる様々な材料、縫合、製編または製織構造物の形態をとることができる。いくつかのより具体的な例において、より高い圧縮力適用能力を提供する様々な領域または材料層は、たとえば、様々な材料(様々な弾性を有する材料)を衣類構造物の選択された位置に組み込むことにより、異なる縫合、製編または製織パターンを使用することにより、様々な材料厚さおよび/またはテクスチャリングを提供することなどにより、一体に提供されることもできる。
【0025】
B. 本発明の例のアパレル製品構造物
本発明のさらなる局面は、本発明の例のボディポジションフィードバックシステムの一つまたは複数を含むアパレル製品に関する。そのようなアパレル製品は、たとえば(a)一つまたは複数の布要素を含み、かつ胴体の少なくとも一部(たとえば腹部区域、肩区域、背中区域、胸部区域など)への密着を提供するように構造化されかつ配設された、人の胴体の少なくとも一部分(たとえば腹部区域、肩区域、背中区域、胸部区域など)を覆うための衣類構造物、および(b)衣類構造物と係合した第一のボディポジションフィードバックシステムを少なくとも含むことができる。第一のボディポジションフィードバックシステムは、(i)衣類構造物の最大の割合を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも大きい第一の圧縮力適用能力を有する第一の材料層であって、該第一の材料層が、布またはポリマー材料でできており、かつベース区域およびベース区域から延在する複数の独立した脚部を含み、該複数の独立した脚部沿いおよびベース区域中に連続的な第一の開口部が延在する、第一の材料層と、(ii)布またはポリマー材料でできており、第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有しており、第一の材料層と係合し、かつ第一の開口部を少なくとも部分的に覆う、第二の材料層とを含むことができる。個々の衣類構造物が、たとえば離間している状態および/または重なり合う状態で配設される一つより多いボディポジションフィードバックシステムを含むことができる。
【0026】
より高い圧縮力適用能力を提供する様々な領域または材料層は、任意の所望のやり方で、たとえば上記様々な方法で(たとえば、様々な材料(様々な弾性を有する材料)を衣類構造物の選択された位置に組み込むことにより、様々な縫合、製編または製織パターンを使用することにより、様々な材料厚さおよび/またはテクスチャリングを提供することなどにより)、衣類構造物の一部として一体に提供されることもできる。より高い圧縮力適用能力の多数の領域が一つの衣類構造物中に提供される場合、本発明を逸脱することなく、異なる領域が同じやり方または異なるやり方で構成されることができる。
【0027】
高い圧縮力性質を提供する材料層の配設および構造物の様々な例は、以下、図面の詳細な説明において提供する。
【0028】
C. 本発明の例示的方法
本発明のさらなる局面は、ボディポジションフィードバックシステムおよび/または一つまたは複数のボディポジションフィードバックシステムを含むアパレル製品を製造する方法に関する。たとえば、一つまたは複数の材料層を含むボディポジションフィードバックシステムは、構成されたのち、たとえば縫合または縫製により、接着剤またはセメントにより、機械的コネクタなどによって衣類構造物に取り付けられることができる。別の例として、上記のように、ボディポジションフィードバックシステムは、たとえば衣類構造物の縫製、縫合、製織または製編中に、衣類構造物に一体に組み込まれることができる。本発明を逸脱することなく、従来の衣類製造において使用される他の方法ステップを本方法に組み込むことができる。
【0029】
先に提供した本発明の様々な例および局面の概説を提供したところで、以下、本発明のボディポジションフィードバックシステム、衣類構造物および方法の様々な具体例のより詳細な説明を提供する。
【0030】
II. 本発明の例示的なボディポジションフィードバックシステム、アパレル製品および方法の詳細な説明
以下の説明および添付図面が本発明の様々な例示的ボディポジションフィードバックシステム、アパレル製品および当該製品を製造する方法を説明する。一つより多い図面において同じ参照番号が見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面において同じまたは同種のパーツを指すために一貫して使用される。
【0031】
図2Aおよび2Bは、本発明の二つの例示的なボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bを含む衣類構造物200の前面および背面をそれぞれ示す。この例示的構造物200において、ボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bは、体の腹部体幹、体側、腰および/または仙骨区域のポジショニングに関する情報を装着者に提供するように設計され、衣類構造物200中に配置されている。
【0032】
本発明を逸脱することなく、衣類構造物200は、一つまたは複数の布要素で、たとえば従来のやり方で、従来の材料で、かつ/または従来の構造で(たとえば、縫製または別の所望のやり方で係合される任意の所望の数の個々の布要素またはピース220を使用して)作られることができる。いくつかの例において、衣類構造物200は、少なくとも部分的にエラストマー材料、たとえばスパンデックス材料、または体もしくは少なくともボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bが配置される体の部分(この図示される例示的構造物200においては、腹部体幹、体側、腰および/または仙骨区域)への密着を提供する他の材料で作られることができる。一つのより具体的な例として、衣類構造物200の少なくとも一部の基布220は、NIKE, Inc.(Beaverton, Oregon)から市販されているタイプのDRI-FIT(登録商標)布材料であることができる。望むならば、基布220のすべてまたはいくつかの部分は、涼しく快適なフィットを提供するために、メッシュ材料または他の通気性材料で作られることもできる。
【0033】
この例示的構造物200におけるボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bは、背面中央区域に位置するベース区域204から延在するいくつかの垂直方向にずらせた脚部206、208、210、212および214を含む。脚部206、208、210、212および214は、衣類構造物200の背面中央区域から衣類の体側に広がって前面中央区域まで延在している。脚部206、208、210、212および214の少なくともいくつかを含むボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bは、衣類構造物200の最大の割合を構成する材料220もしくは構造物および/またはフィードバックシステム202aもしくは202bが覆う材料220もしくは構造物に関連する弾性率(たとえば伸び抵抗、圧縮力適用能力など)に比較して高い「弾性率」(たとえば伸び抵抗、圧縮力適用能力など)を有する。
【0034】
本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bは多種多様なサイズおよび形状をとることができるが、
図2Aおよび2Bの例示的構造物200に示すように、ボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bの少なくともいくつかの部分は、増強されたポジション感知が望まれる体の十分な部分の周囲に延在する(またはそれに巻き付く)ような方向に連続的な構造を有する。たとえば、
図2Aおよび2Bは、各脚部206、208、210、212および214が衣類構造物200の背面中央区域から衣類の体側に広がって前面中央区域まで延在することを示す。脚部206、208、210、212および/または214は、特定の標的体部分、たとえば一つまたは複数の椎骨または体の腹部、腰部もしくは体幹区域の他の区域に関するフィードバックを提供するように配設されることができる。所望の活動の間(たとえばゴルフボールアドレスポジション時、ゴルフスイング中、ボールを投げようと準備する時など)、腹部および/または腰(または体の他の部分)は、ボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bに関連する比較的高い伸び抵抗または圧縮力に抗して伸びる、または動く。より高い伸び抵抗のせいで、ボディポジションフィードバックシステム202aおよび202bの脚部206、208、210、212および214は、伸びまたは動きに対して何らかのレベルの圧縮または抵抗を生じさせ(所望の動きを実質的に妨げる、変化させる、または影響することなく)、それが、装着者の腹部および腰の深層組織局在神経または感覚受容器をより良く刺激することを支援する。この刺激が衣類着用者に感覚フィードバックを提供し、着用者に、体の標的部分のポジショニングをより良く意識させる。
【0035】
図3A〜3Cは、本発明のこの例のボディポジションフィードバックシステム202aのさらなる詳細を示す。
図3Aは、システム202a中の高い「弾性率」(たとえば伸び抵抗、圧縮力適用能力など)のすべてまたは大部分を提供することができる第一の材料層300を示す。
図3Aに示すように、この第一の材料層300は、共通のベース区域304および共通のベース区域304から平行な(または実質的に平行な、たとえば±10°の)方向に延在する五つの脚部306、308、310、312および314を含む。脚部306、308、310、312および314の自由端306a、308a、310a、312aおよび314aは、その長軸方向長手の大部分の幅寸法W
1に比較していくらか拡大した幅寸法W
2を有している。この例示的構造300においては共通のサイズとして示されているが、本発明を逸脱することなく、様々な脚部、それらの自由端などは、多種多様なサイズ、形状、位置などをとることができ、様々なサイズ、形状および相対位置は、所与の材料層構造物300内で異なることができる。
【0036】
第一の材料層300は、その中に画定された一つまたは複数の開口部302を含む。本発明を逸脱することなく、開口部302は多種多様な構成をとることができ、たとえば連続的、不連続、反復パターン、不規則パターンなどであることができる。この図示される例において、第一の材料層300は、ベース区域304を通過して脚部306、308、310、312および314の長さの大部分に沿って延在する、その中に画定された一つの連続的な開口部302を有する。開口部302は、あるならば、この例示的構造においては拡大した自由端306a、308a、310a、312aおよび314aの始端部で終端するように示されているが、本発明を逸脱することなく、ベース区域304および/または脚部要素306、308、310、312および314の任意の所望の量に延在することができる。すべてのボディポジションフィードバックシステムにおいて必要ではないが、開口部302は、いくぶん大きめの可撓性を第一の材料層300に提供し(曲げられたときの「ひだ形成」を減らす、またはなくすため)、第一の材料層300の周囲の区域における衣類構造物の熱滞留を減らすことを支援する。
【0037】
本発明を逸脱することなく、任意の所望のタイプの材料を第一の材料層300に使用することができる。この図示される例において、材料層300は、衣類構造物の他の部分を構成する布要素の弾性率に比較して(たとえば、衣類構造物200を構成するスパンデックス、綿、ポリエステルまたは他の布要素220の伸び抵抗または圧縮力適用能力に比較して)高い弾性率を有する(たとえば、引っ張り伸び力に対してより抵抗性である、および/またはより高い圧縮力を提供する)材料であることができる。いくつかのより具体的な例として、材料層300は、タックルツイル製造において一般に使用される材料、キャンバスタイプ材料、ポリエステルタイプ材料、熱可塑性ポリウレタン接着材などであることができる。いくつかの構造において、材料層300は、ボディポジションフィードバックシステム構築プロセス中、後ほど材料層300を別の材料に接合する(たとえば、積層プロセス、熱および/または圧力の適用、接着剤などによって)ことを可能にするのに適当な材料でできている、またはそれを含有する。
【0038】
望むならば、第一の材料層300中の開口部302は覆われてもよい。
図3Bは、ボディポジションフィードバックシステム202a(
図3Cに示す)を提供するために開口部302の上に適用することができる第二の材料層320の例を示す。望むならば、
図3Aおよび3Bに示すように、第二の材料層320は、第一の材料層部材300とほぼ同じサイズおよび形状を有することもできるが、望むならば、第二の材料層320は、いくぶん異なるサイズ(たとえばいくぶん小さめ)および/またはいくぶん異なる形状(たとえば、拡大した端部を有しない、短めなど)であってもよい。
【0039】
本発明を逸脱することなく、第二の材料層320は、衣類およびアパレル製造において従来から使用されている任意のタイプの材料を含む任意の所望の材料で作られることができる。本発明の少なくともいくつかの例において、第二の材料層320は、綿、ポリエステルなどのような可撓性材料で作られ、そして場合によっては、衣類構造物200の他の布要素220の少なくとも一つに含まれる同じ材料で作られる。いくつかの例示的構造物において、第二の材料層320は、衣類構造物200の最大の割合を構成する布要素よりも高い伸び抵抗もしくは高い圧縮力適用能力、および/または第一の材料層300よりも高い伸び抵抗もしくは高い圧縮力適用能力を有する材料で作られることができるが、この図示される例示的構造物において、第二の材料層320は、第一の材料層300と同じ、またはそれよりも低い伸び抵抗を有する。いくつかのより具体的な例として、第二の材料層320は、メッシュ材料、たとえば高性能発汗管理材料(たとえば、ポリエステルマイクロファイバ、ポリエステルマイクロファイバ/綿ブレンド、ポリエステルマイクロファイバ/綿/スパンデックスブレンド、ポリエステル/スパンデックスブレンドなどでできている、またはそれを含有する薄く軽量の布)、たとえばNIKE, Inc.(Beaverton, Oregon)から市販されている様々な製品に含まれているような「Sphere Dry」ポリエステルニット材料および/またはDri-FIT(登録商標)ポリエステル材料で作られることができる(この同じ材料または同様な材料は、衣類構造物200全体における他の布要素220として使用することもできる)。
【0040】
図3Cに示すように、高圧縮力適用領域202aの最大連続寸法(長さ寸法「L
1」)は、背面中央部を横切って前面中央部まで延在する脚部206、208、210、212および214の位置に対応する。各脚部206、208、210、212および214は別々の自由端領域(206a、208a、210a、212aおよび214a)を含み、脚部206、208、210、212および214は、この例示的構造物202aにおいて、共通のベース領域204によって互いに接続されている。脚部206、208、210、212および214と同様に、共通のベース領域204は、衣類構造物200の最大の割合を構成する布要素および/またはそれが覆う材料よりも高い伸び抵抗(または圧縮力適用能力)を有する材料で作られることができる。このベース領域204は、衣類構造物200の背面中央領域に、場合によっては衣類200の中心脊柱区域の片側に片寄らせて配置されることができる。本発明のすべてのボディポジションフィードバックシステムにおいて必要なわけではないが、ベース領域204が脚部206、208、210、212および214を合わせて保持し、それが、衣類200上のフィードバックシステム202aのポジショニングおよび衣類200全体の製造を支援することができる。
【0041】
上記のように、この図示される例示的構造物202aにおいて、脚部206、208、210、212および/または214の少なくとも一つは、体の所望の部分の周囲に延在する(この例においては背面中央区域から体側に広がって前面中央区域まで)のに十分な全長(脚部206、208、210、212および/または214の一方の自由端206a、208a、210a、212aおよび/または214aからベース区域204の反対側端部までの寸法「L
1」―
図3Cを参照)を有する。このようにして、脚部206、208、210、212および/または214は、伸びまたは動きに抵抗する力(または圧縮力)を体のその部分に適用する。この全長寸法「L
1」は、たとえば衣類サイズおよび/または収容される体の部分に依存して異なることができる(たとえば、少なくとも10cm、少なくとも15cm、少なくとも25cm、少なくとも30cmまたはそれを超える寸法)。そのうえ、少なくともいくつかの例示的構造物202aにおいて、この長さ寸法L
1は、対応する脚部206、208、210、212および/または214の中央区域における全幅寸法「W
1」、および/または脚部206、208、210、212および/または214の自由端部分206a、208a、210a、212aおよび/または214aの全幅寸法「W
2」よりも実質的に大きい。本発明の少なくともいくつかの例示的構造物において、L
1:W
1および/またはL
1:W
2比は少なくとも4であることができ、いくつかの構造物において、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12またはそれを超える比であることができる。同様に、共通のベース領域204を除いた実際の脚部長さ寸法L
2は、0.5L
1〜0.99L
1の範囲または0.75L
1〜0.95L
1もしくは0.85L
1〜0.95L
1の範囲内であることができる。
【0042】
図3Cはさらに、より高い圧縮力適用脚部206、208、210、212および214が互いから分離していることを示す。この分離が、圧縮力が異なるふうに適用されるいくつかの隣接区域を提供する(たとえば、圧縮力を適用される区域が圧縮力を適用されない区域に隣接する)。適用される力のこの「差」(または伸び抵抗における差)が、ボディポジションに関する装着者の「感覚」および意識をさらに増強することができる。本発明を逸脱することなく、任意の所望の分離距離または量を使用することができる。いくつかのより具体的な例として、脚部の長さの大部分に沿っての分離距離「S
1」(自由端部分206a、208a、210a、212aおよび/または214aを除く)は、0.25W
1〜2W
1の範囲内であることができ、いくつかの構造物において、0.5W
1〜1.5W
1またはさらに0.75W
1〜1.25W
1の範囲内であることができる。自由端206a、208a、210a、212aおよび/または214aは、望むならば、分離距離「S
2」を維持することができる。いくつかのより具体的な例として、望むならば、S
2は、0〜1.5W
1の範囲内であることができ、いくつかの例において、0〜1W
1またはさらに0〜0.5W
1であることができる。
【0043】
上述したように、本発明のボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造物に別個に取り付けられることもできるし(たとえば、従来のアパレル製品構造物の一つまたは複数の布要素に重ねることなどにより)、または衣類構造物の一部として一体に形成されることもできる。本発明を逸脱することなく、これらのタイプのボディポジションフィードバックシステムはいずれも、多種多様な形態および/または構造をとることができる。適当なボディポジションフィードバックシステム(たとえば
図2Aおよび2Bのシステム202aおよび202b)ならびにその構造およびアパレル製品構造物への組み込みの一例を、以下、
図4A〜4Fに関連してさらに詳細に説明する。
【0044】
本発明のこの例のボディポジションフィードバックシステムは、たとえば、
図4A〜4Fに示す方法によって構成されることができる。この例示的なボディポジションフィードバックシステムは、既存の衣類構造物(たとえばシャツ、タンクトップ、下着、レオタードなど)に別個に適用することができる多層構造である。
図4Aは、
図2Aおよび2Bの例示的なボディポジションフィードバックシステム構造物202aの第一の層300の製造を示す。図示するように、このステップにおいては、一つまたは複数の第一の層部材300を、より大きな材料316の半加工品(blank)またはピースから切り抜く。本発明を逸脱することなく、たとえば打ち抜き、レーザ切断、ハンドカットなどを含む任意の所望のタイプの切削処理を利用することができる。また、本発明を逸脱することなく、所望のタイプの材料316を使用することができる。この図示される例において、材料316は、衣類構造物の他の部分を構成する布要素の弾性率に比較して(たとえば、衣類構造物200を構成するスパンデックス、綿、ポリエステルまたは他の布要素220の伸び抵抗または圧縮力適用能力に比較して)高い弾性率を有する(たとえば、引っ張り伸び力に対してより抵抗性である、および/またはより高い圧縮力を提供する)材料であることができる。いくつかのより具体的な例として、材料316は、タックルツイル製造において一般に使用される材料、キャンバスタイプ材料、ポリエステルタイプ材料、熱可塑性ポリウレタン接着材などであることができる。いくつかの構造物において、材料層316は、ボディポジションフィードバックシステム構築プロセス中、後ほど第一の材料層300を別の材料に接合する(たとえば、積層プロセス、熱および/または圧力の適用、接着剤などによって)ことを可能にするのに適当な材料でできている、またはそれを含有する。追加的または代替的に、望むならば、本発明を逸脱することなく、より高い圧縮力適用材料層300は、接合された多数のピースで作られることができる(たとえば、縫製または縫合、接着剤またはセメント、機械的コネクタ(たとえばフック・ループファスナ)などによって接合)。
【0045】
この図示される例示的構造300は、
図2Aおよび2Bに示す構造物のように、共通のベース部材304(たとえば、この例においては、衣類構造物の背面中央区域に沿って延在する)によって接続された高伸び抵抗の複数の延長領域306、308、310、312および314を含む。この例示的構造物300の個々の延長領域それぞれ306、308、310、312および314は、その中に切り抜かれた開口部302を含む。望むならば、
図4Aに示すように、開口部302は共通のベース部材304に沿って延在することができる。
図4Aにおいて、開口部302は一つの連続的な開口部302として示されているが、望むならば、本発明を逸脱することなく、より高い圧縮力適用材料層300は、多数の分離した開口部を含むことができる(たとえば、各脚部306、308、310、312および314に沿って延在する別個の開口部として、など)。
【0046】
図4Bは、ボディポジションフィードバックシステムを製造するためのこの例示的プロセスにおける別のステップを示す。このステップは、
図4Aに関連して先に記したような材料322切り抜きステップであるが、この場合、材料322は、ボディポジションフィードバックシステム構造物202a全体の第二の層を形成する。本発明を逸脱することなく、
図4Aに関連して先に記したものを含む任意の所望のタイプの切削処理をこのステップに使用することができる。一般に、材料322は、第一の層部材300とほぼ同じサイズおよび形状を有する一つまたは複数の第二の層部材320にカットされるが、望むならば、部材320は、いくぶん異なるサイズ(たとえばいくぶん小さめ)および/またはいくぶん異なる形状であってもよい。
【0047】
本発明を逸脱することなく、第二の材料層320は、衣類およびアパレル製造において従来から使用されている任意のタイプの材料を含む任意の所望の材料322で作られることができる。本発明の少なくともいくつかの例において、第二の材料層320は、綿、ポリエステルなどのような可撓性材料で作られ、場合によっては、衣類構造物200の他の布要素220の少なくとも一つに含まれる同じ材料で作られる。いくつかの例示的構造において、第二の材料層320は、衣類構造物200の最大の割合を構成する布要素よりも高い伸び抵抗および/または第一の材料層300よりも高い伸び抵抗を有する材料で作られることができるが、この図示される例示的構造においては、第二の材料層320は、第一の材料層300と同じ、またはそれよりも低い伸び抵抗を有する。いくつかのより具体的な例として、第二の材料層320は、メッシュ材料、たとえば高性能発汗管理材料(たとえば、ポリエステルマイクロファイバ、ポリエステルマイクロファイバ/綿ブレンド、ポリエステルマイクロファイバ/綿/スパンデックスブレンド、ポリエステル/スパンデックスブレンド、高圧縮メッシュなどでできている、またはそれを含有する薄く軽量の布)、たとえばNIKE, Inc.(Beaverton, Oregon)から市販されている様々な製品に含まれているような「Sphere Dry」ポリエステルニット材料および/またはDri-FIT(登録商標)ポリエステル材料で作られることができる(この同じ材料または同様な材料は、衣類構造物200全体における他の布要素220として使用することもできる)。
【0048】
ひとたび材料層300および320がそれぞれの半加工品316および322から切り抜かれると、
図4Cに示すように、それらを互いに接合し、それにより、ボディポジションフィードバックベース部材324を構築することができる。本発明を逸脱することなく、たとえば、縫製または縫合、接着剤またはセメント、積層プロセスなどの一つまたは複数を含む、これらの層300および320を接合する任意の所望のやり方を使用することができる。いくつかのより具体的な例として、層300および320は、従来のタックルツイル構成および製造において使用されているやり方で互いに接合することができる。これらはまた、当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されているような加熱プレス技術を使用して接合することもできる。
【0049】
図4Cは、第二の層320の材料が第一の材料層300中の開口部302の上に延在し、それを覆うことを示す。可撓性で軽量および/または低圧縮力適用材料(材料層300と比較して)および/またはメッシュ材料を第二の材料層320として使用すると、
図4A〜4Fの方法によって構成されるタイプの多層ボディポジションフィードバックシステムを含む衣類構造物全体において特定の利点を提供することができる。たとえば、第二の材料層320のための軽量メッシュまたは他の材料は、第一の材料層300の存在のせいで生じるおそれのある過度な蓄熱を防ぐ、または減らすことを支援することができる(たとえば、第一の材料層300があまり通気性ではない場合)。追加的または代替的に、望むならば、材料層320のための軽量および/または可撓性材料の使用は、ボディポジションフィードバックベース部材324全体が装着者の体とともにより良好に動く、および/または撓む(少なくとも、高伸び抵抗材料領域の略長軸方向または長さ寸法以外の方向に)ことを支援することができ、それにより、不快なひだ、折れ曲がりなどを回避することを支援する。
【0050】
図4Bおよび4Cは、第一の材料層300と係合し、すべての開口部302を完全に覆うための一つの第二の材料層320を示す。これは必要条件ではない。それどころか、望むならば、複数の第二の材料層320を提供し、第一の材料層300に別々に取り付けることができる。たとえば、各第二の材料層ピース320が開口部302の一つだけまたは全部よりも少ない数を覆うことができ、多数の第二の材料層320が一つの開口部302を覆うことができる、などである。複数の第二の材料層320が存在する場合、本発明を逸脱することなく、それらは重なり合う、部分的に重なり合う、および/または互いに離れたままでいることができる。さらに別の例として、望むならば、層320を単に構造物から省くこともできる。
【0051】
図4Dは、本発明の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムに組み込むことができる別の材料層330の製造を示す。この層330、すなわちベース層は、上記技術と同じまたは同様な技術を使用して、第一の材料層300とほぼ同じサイズおよび形状(場合によっては少し大きい)に半加工品332から切り抜くことができる。本発明を逸脱することなく、ベース層330は、それが取り付けられるベース衣類材料よりも高い圧縮力適用能力を有する材料を含む任意の所望の材料332で作られることができる。そのうえ、望むならば、ベース層330は、ボディポジションフィードバックシステム全体の通気性を高めるために、その中に画定された開口部を含むこともできるし、またはメッシュ材料で作られることもできる。このベース層330の様々な例示的特徴は、以下、
図4Eおよび4Fに関連してさらに詳細に説明する。
【0052】
ベース層330は、他の層300と同じ形状でなくてもよい。たとえば、望むならば、ベース層330は、単に、様々なパーツを正確に並べる必要なしに他の層を容易に適用することができる(以下に説明する)相対的に大きな材料ブロックであってもよい。また、本発明を逸脱することなく、ベース層330のための多パーツ構造(多数のベース層パーツが一つの層300と係合)を使用することもできる。
【0053】
この図示される例示的手法の次のステップにおいて、
図4Eに示すように、一つまたは複数のベース層330を衣類構造物の一つまたは複数の布要素、たとえば
図2Aおよび2Bに関連して先に記した衣類構造物200の布要素220に適用する。本発明を逸脱することなく、ベース層330を布要素220に適用する任意のやり方を使用することができる。たとえば、望むならば、ベース層330の一つの面が、熱、圧力および/または他の接着剤硬化および/または積層技術を使用してベース層330を布要素220に適用することを可能にするための接着剤または他の材料を含む(または含むように処理される)ことができる。他の例として、ベース層330は、縫製または縫合により、機械的コネクタ(たとえばフック・ループファスナ)などによって布要素220と係合させることができる。ベース層330が適用された組み合わせ衣類構造物200は、
図4E中、参照番号340によって示されている。
【0054】
次に、
図4Fに示すように、ボディポジションフィードバックベース324をベース層330の上で衣類ベース構造物340と係合させて最終的な衣類構造物(たとえば、
図2Aおよび2Bに示す衣類構造物200のようなもの)を製造する。本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックベース324を衣類ベース構造物340上のベース層330と係合させる任意の所望のやり方を使用することができる。たとえば、望むならば、ベース層330の露出面は、熱、圧力および/または他の接着剤硬化および/または積層技術を使用してボディポジションフィードバックベース324をベース層330に適用することを可能にするための接着剤または他の材料を含む(または含むように処理される)ことができる。他の例として、ボディポジションフィードバックベース324は、縫製または縫合により、機械的コネクタ(たとえばフック・ループファスナ)などによってベース層330と係合させることができる。一つの例示的構造において、ベース層330および第一の材料層300(ベース324に含まれる)は、たとえば熱、圧力および/または積層プロセスを使用してそれらを係合させることを可能にする材料で作られる、および/または材料を含む。ベース層330および第一の材料層300はまた、Bemis Associates, Inc.(Shirley, Massachusetts, United States)から市販されているタイプの熱可塑性ポリマー材料で作られることができ、これらのBemis材料の接着性によって合わせて保持されることができる。また、熱可塑性ポリウレタン接着材、ゴリラグリップ材料および/またはFramis Italia SpA(Gaggiano, Italy)から市販されている材料をそのような多層化積層構造に使用することもできる。
【0055】
当業者は、本発明を逸脱することなく、上記様々な方法を有意に変更することができることを理解するであろう。たとえば、
図4A〜4Fに関連して様々な独立したステップが記載されているが、本発明を逸脱することなく、これらのステップは、順序変更される、組み合わせる、さらなる特徴を含む、同時に実施される、一つまたは複数の独立した当事者によって実行されるなどが可能である。たとえば、望むならば、多層化ボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造物から完全に独立して構成されたのち、その構成完了後(たとえばすべての層を含む)、単一の要素として衣類構造物に適用されることができる(たとえば、一つの積層、加熱および/またはプレスステップで、縫製によって、など)。別の例として、望むならば、衣類を初期ベース材料として使用してフィードバックシステム構造物全体を構築することもできる(たとえば、まずベース層330を衣類に適用し、第二の層320をベース層330に適用し、次いで第一の層300を第二の層の上に適用する)。さらに別の例として、望むならば、本発明を逸脱することなく、層の一つまたは複数(たとえばベース層330、第二の材料層312など)を省くこともできる。望むならば、一つの層(たとえば層330および/または層300)だけでボディポジションフィードバック構造物全体を形成することもできる。また、他の改変が可能である。
【0056】
ボディポジションフィードバックシステム全体が衣類構造物の他の布要素(フィードバックシステムに隣接する布要素を含む)よりも通気性が劣る場合、これは、有利な触覚効果を有することができる。より高い圧縮力適用領域の低下した通気性は、これらの区域でいくらかの局所的発汗を生じさせることができる。より高い発汗の区域における汗の存在によって生じる差が、示差的感覚、ひいては自分の体のこれらの部分に関する着用者の感覚および意識をさらに増強することができる。
【0057】
図5は、たとえば
図2A〜4Fに関連して先に記した多層タイプの本発明の取り付け可能なボディポジションフィードバックシステムの様々な例の断面図を示す。
図5の上の断面図は、第一の材料層300およびベース層330が実質的に同じサイズおよび形状であり、第二の材料層320がこれらの層の間に挟まれている、ボディポジションフィードバックシステム202aを示す。
図5の上部分に示すように、第二の材料層320は他の層よりもいくぶん小さく、それが第一の材料層300およびベース層330の外縁を露出させて、それらを互いに接合することができるようにしている(たとえば、接着剤またはセメントにより、積層技術により、縫合または縫製などにより)。他方、
図5の下の断面図は、第一の材料層300よりもいくぶん大きい(そして、第一の材料層300の縁を越えて延在する)ベース層330を示す。第一の材料層300は第二の材料層320よりもいくぶん大きい(そして、第二の材料層320が第一の材料層300とベース層330との間に挟まれている)。ここでもまた、本発明を逸脱することなく、
図5の上の断面部分に関連して先に記した方法を含め、様々な層を接合する任意の所望の方法を使用することができる。望むならば、この構造物を使用して、最終構造物においてタックルツイルタイプの外観を有するボディポジションフィードバックシステム202aを製造することができる。
【0058】
図5は、本発明の少なくともいくつかの例の衣類構造物および/またはボディポジションフィードバックシステムに含めることができる別のオプション的特徴を示す。
図5の下の断面図に示すように、ボディポジションフィードバックシステム202aの一つまたは複数の層は「テクスチャリング」特徴または要素を含むことができる。
図5において、テクスチャリングは、ベース層330の底から延在する隆起区域350によって示されている。このタイプのテクスチャリングは、ボディポジションフィードバックシステム202aの装着者の「感覚」をさらに増強する、神経および深層組織受容器をより良く刺激するなどができる。隆起区域350は、ボディポジションフィードバックシステム202aの任意の所望の面または層(および/またはその部分)に提供されることができ、所望のサイズまたは形状であることができる(たとえば、それらが含められる層(たとえば
図5の層330)のベース面レベルに対して少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mmまたはさらに少なくとも8mm隆起している)。隆起区域350は、層構造330の一部として一体に形成される(たとえばその中に成形またはエンボス加工される)こともできるし、別個の要素としてそれに適用される(たとえば、その上にプリントされる)こともできる(それに適用されたシリコーンドット要素、機械的ファスナ要素またはその部分(たとえばオス形スナップ要素)など)。テクスチャリング350は、材料の層全体に均一かつ均等に適用することができるが、それが適用される材料層の一つまたは複数の部分で多数の不連続な位置に存在させることを含め、特定の位置に集中させることもできる。
【0059】
本発明を逸脱することなく、本発明の局面は、任意の所望の衣類タイプまたはスタイルとともに使用することができる。ボディポジションフィードバックシステムを衣類構造物に含める様々な例が
図6A〜11Cに関連して示されている。これらの図を以下さらに詳細に説明する。
【0060】
図6Aは、体幹下部ポジションフィードバックシステム602を含む衣類構造物600を示す。
図2Aおよび2Bの体幹下部ポジションフィードバックシステムは、装着者の体の各側面に一つずつ配設された二つのフィードバックシステム202aおよび202b(衣類構造物の背面中央部分の側面に沿って延在する接続されたベース部材204とともに)を含むものであった。これらのフィードバックシステム202aおよび202bの自由アームは、衣類構造物のそれぞれのベース部材204から衣類側面に広がって前面中央部分まで延在するものであった。
図6Aおよび6Bにおいて、フィードバックシステム602は、衣類構造物600の一方の前面中央側面から他方の前面中央側面まで衣類構造物600をほぼ完全に取り巻いて延在する多数の分離したバンド602a〜602eを含む。望むならば、
図6Aに示すように、各バンド602a〜602eの自由端604と自由端604との間にギャップGが残ってもよい。
【0061】
本発明を逸脱することなく、1cm〜40cm、いくつかの例においては2cm〜20cmまたはさらに5cm〜15cmの範囲内のギャップを含む任意の所望のギャップ距離Gを維持することができる。バンド602a〜602eは、たとえば、
図3Aおよび3Cを参照して先に記した幅W
1およびW
2ならびに分離距離S
1およびS
2を含め、任意の所望の幅Wを有することができ、任意の所望の分離距離Sによって互いから分離していることができる。バンド602a〜602eはまた、任意の所望の全長L、たとえば、衣類サイズおよび所望の周範囲に依存して、15cm〜120cm、いくつかの例においては25cm〜100cmまたはさらに30cm〜75cmを有することができる。ギャップG、脚部幅W、分離距離Sおよび脚部長さLは、個々の衣類構造物600に提供される様々なフィードバック装置602内で一定であってもよいし、変化してもよい。
【0062】
望むならば、バンド602a〜602eは、個々のバンド602a〜602eの間に少なくともいくらかの分離を常に維持しながら、衣類構造物600を取り巻いて延在することができる。または、望むならば、本発明を逸脱することなく、バンド602a〜602eの少なくともいくつかが互いに交差し、かつ/または重なり合ったりしてもよい。また、望むならば、バンドは、衣類構造物600をほぼ半分しか巻かずに延在することもできる(たとえば、
図2Aおよび2Bに示すような、ただし個々の脚部を接続するベース部分204のない配設において)。バンド602a〜602eは、
図4A〜4Fの多層化構造に関して先に記した様々な材料を含む任意の所望の材料で作られることができ、さらに望むならば、バンド602a〜602eは、上記と同じやり方で衣類構造物600の材料と係合させることもできる。
【0063】
図7A〜7Dは、別のボディポジションフィードバック装置700および衣類構造物750へのその包含を示す。この例示的構造において、フィードバック装置700は、ベース区域702から延在する多脚構造物704を有する(たとえば、この図示される例においては三つの脚部704)。望むならば、脚部704およびベース区域702の内部区域は、その中に画定された一つまたは複数の開口部706を含むことができる。フィードバック装置700は、伸び抵抗および/または圧縮力適用能力を有する任意の所望の材料および構造で作られることができるが、望むならば、フィードバック装置700の少なくともいくつかは、たとえば
図4A〜4Fに関連して先に記したような多層化構造を有することができる(たとえば、望むならば、開口部706は、メッシュまたは他の材料によって覆われてもよい)。また、望むならば、フィードバック装置700は、先に記した同じやり方で衣類構造物750の材料と係合させることもできる。
図7Aは、実質的に同じ長さおよび外観の様々な脚部704を示すが、望むならば、脚部704は、異なる長さであってもよく、異なる構造を有してもよい(たとえば、実質的に水平な周方向に延在する脚部704が他の脚部704の一つまたは複数よりもいくぶん長くてもよい)。
【0064】
図7B〜7Dは、衣類構造物750上の複数のフィードバック装置700の例示的配設を示す。図示するように、この例示的構造においては、様々なフィードバック装置700の二つの脚部が衣類構造物750の中央背面側に沿って互いに重なり合って、それにより、中央背骨の各側に沿って実質的に連続的なベース区域752を提供している。複数の個々の脚部704が、このベース区域752から実質的に水平に、衣類構造物750の実質的水平方向の周囲を取り巻いて延在している。重なり合うベース区域752は、大きな圧縮力適用能力および伸び抵抗を提供すると同時に、脚部704およびそれらの自由端を互いに分離した状態にして、良好な触感差およびボディポジションフィードバック感覚情報を提供する。
【0065】
本発明を逸脱することなく、たとえば
図2A〜4Fに関連して先に記したギャップ、幅(幅W
1およびW
2を含む)、分離距離(分離距離S
1およびS
2を含む)および脚部長さL(脚部長さL
1およびL
2を含む)を含む任意の所望のギャップ距離G、幅W、分離距離Sおよび脚部長さLを提供することができる。ギャップ距離G、脚部幅W、分離距離Sおよび脚部長さLは、個々の衣類構造物750に提供される様々なフィードバック装置700内で一定であってもよいし、変化してもよい。
【0066】
フィードバック装置700は、
図4A〜4Fの多層化構造に関して先に記した様々な材料を含む任意の所望の材料で作られることができる。さらに、本発明を逸脱することなく、フィードバック装置700を衣類構造物750と係合させる任意のやり方を使用することができるが、望むならば、フィードバック装置700は、上記と同じやり方で衣類構造物7500の材料と係合させることもできる。
【0067】
図7A〜7Dのフィードバック装置700は、体幹下部(腰および/または腹部)領域における使用に限定されない。それどころか、
図8Aおよび8Bに示すように、この同じ一般的なフィードバック装置構造物700は、装着者の背中、肩および胸のポジショニングに関して増強されたフィードバックが提供される衣類800を提供するために使用することもできる。本発明を逸脱することなく多様な構成が可能であるが、この図示される例においては、衣類800上に、四つのフィードバック装置700が、各肩に二つずつ、一つは前面に、一つは背面に取り付けられている。フィードバック装置700は多数の脚部(たとえば三つの脚部)を有し、同じ一般的サイズおよび形状である(しかし、所与の衣類構造物800におけるフィードバック装置700は、同じ一般的サイズおよび/または形状を有する必要はない)。図示される例示的衣類800において、二つの背面フィードバック装置700それぞれは、背面中央領域に向かって実質的に水平に延在する脚部704を有し、二つの前面フィードバック装置700それぞれは、胸中央領域に向かって実質的に水平に延在する脚部704を有する。装置700の他の脚部704は一般に、垂直方向に肩の頂部に向かって、また、衣類構造物800の脇の下区域に向かって延在している。衣類構造物800は、活動の過程で装着者の腕および肩のポジショニングに関する優れたフィードバックを提供する。
【0068】
図7Aのボディポジションフィードバック装置は、腰、腹部および/または肩区域における使用に限定されない。それどころか、望むならば、同様な構造物は、衣類製品上、体の他の部分、たとえば足首、ふくらはぎ、膝、大腿部、腰、臀部、腕、肘、手首、首などの近くに配置することもできる。
【0069】
図9は、衣類構造物900上の別のボディポジションフィードバック装置902を示す。このフィードバック装置902は、背中および肩区域に配設され、一方の肩区域から他方の肩区域まで背中を横切って連続的に延在する。この例示的構造900において、フィードバック装置902は、複数のバンド904が構造物902上を実質的に斜め方向に延在するマトリックスの形態にある。圧縮力適用能力または伸び抵抗を有する材料で作られることができるバンド904は互いに交差してマトリックスタイプ構造物を創製する。バンド904間の区域が、上記の触感「差」を生じさせ、装着者が肩および背中のポジショニングをより良好に「感じる」ことを可能にすることを支援する。
【0070】
本発明を逸脱することなく、バンド904間の任意の所望の間隔を維持することができるが、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ほぼ平行なバンド904は、少なくとも2cm、いくつかの例においては、2cm〜16cmの範囲内またはさらに4cm〜10cmの範囲内の距離によって離間していることができる。
【0071】
本発明を逸脱することなく、所与の衣類構造物900内のバンド904は、同じまたは異なる圧縮力適用能力または伸び抵抗を有することができる。いくつかの例として、圧縮力適用能力は、フィードバック装置構造物902の区域で変化することもできるし、一つの方向に延在するバンド904が、別の方向に延在するバンド904とは異なる圧縮力適用能力または伸び抵抗を有することもできる。
【0072】
本発明を逸脱することなく、フィードバック装置902は、単層構造(たとえば、衣類構造物の所望の位置に直接設けられる一つのウレタンフィルム積層)または多層化構造(たとえば先に記したもの)を含む任意の所望の構造を有することができる。また、本発明を逸脱することなく、フィードバック装置902は、先に記した様々なやり方を含む任意の所望のやり方で下着材料と係合させることができる。
【0073】
図10は、衣類構造物1000の肩区域のための別のボディポジションフィードバック装置配設を示す。このフィードバック装置配設は、二つの部分、すなわち、一方の肩に提供される一つの部分1002aおよび他方の肩に提供される別の部分1002bを含む。望むならば、これら二つの部分1002aおよび1002bは、別々に維持することもできるし、背中部分でつなぎ合わせることもできる(たとえば
図9に示すもののような配設で)。ここでもまた、この例示的構造において、フィードバック装置1002aおよび1002bは、複数のバンド1004が構造物1002aおよび1002b上を実質的に斜め方向に延在するマトリックスの形態にある。圧縮力適用能力または伸び抵抗を有する材料で作られることができるバンド1004は互いに交差してマトリックスタイプ構造を創製する。バンド1004間の区域が、上記の触感「差」を生じさせ、装着者が肩および背中のポジショニングをより良好に「感じる」ことを可能にすることを支援する。
【0074】
本発明を逸脱することなく、バンド1004間の任意の所望の間隔を維持することができるが、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ほぼ平行なバンド1004は、少なくとも2cm、いくつかの例においては、2cm〜16cmの範囲内またはさらに4cm〜10cmの範囲内の距離によって離間していることができる。
【0075】
本発明を逸脱することなく、所与の衣類構造物1000内のバンド1004は、同じまたは異なる圧縮力適用能力または伸び抵抗を有することができる。いくつかの例として、圧縮力適用能力は、フィードバック装置構造物1002aおよび1002b全体の区域で変化することもできるし、一つの方向に延在するバンド1004が、別の方向に延在するバンド1004とは異なる圧縮力適用能力または伸び抵抗を有することもできる。
【0076】
本発明を逸脱することなく、フィードバック装置1002aおよび1002bは、先に記したように単層構造または多層化構造を含む任意の所望の構造を有することができる。本発明を逸脱することなく、フィードバック装置1002aおよび1002bは、別々の装置である場合、同じものでも異なるものでもよい。また、本発明を逸脱することなく、フィードバック装置1002aおよび1002bは、先に記した様々なやり方を含む任意の所望のやり方で下着材料と係合させることができる。
【0077】
バンド904および1004は、一つのマトリックス構造物902および1002内で個別に形成され、互いに分離していることができるが(たとえば、共通の周部材に接合されている)、それぞれ、他の構造物が可能である。たとえば、望むならば、本発明を逸脱することなく、装置902および1002全体が単一ピースとして形成されることもできる。
【0078】
図11A〜11Cは、本発明にしたがって衣類構造物1100に含めることができるボディポジションフィードバックシステム1102のさらなる例を示す。これらの例におけるフィードバックシステム1102は一般に十字形である(たとえば、四つの脚部1106が中央ベース区域1104から延在する)。
図11Aに示すように、これらのボディポジションフィードバックシステム1102は衣類構造物1100の肩区域に配設されて、二つの脚部1106が肩上区域から袖まで延在し、二つの脚部1106がベース区域1104で第一の二つの脚部1106と交差して横方向に延在している。任意の所望の脚部構造1106が可能であるが、図示される例においては、脚部1106の二つ(肩から袖に延在する脚部)が連続的であり、脚部1106の二つが不連続である。任意の中央ベース区域1104構造物が可能であるが、これらの例示的構造物1102において、中央ベース区域1104は個々の脚部1106の間に不連続部を構成している。
図11Bのフィードバックシステムと
図11Cのフィードバックシステムとの主な違いは脚部1106のテーパ状の側壁に関する。
【0079】
脚部1106は、圧縮力適用能力または伸び抵抗を有する材料で作られることができる。脚部1106の間の区域、開放した中央ベース区域1104および脚部1106の不連続部(あるならば)が、上記の触感「差」を生じさせ、装着者が肩および腕のポジショニングをより良好に「感じる」ことを可能にすることを支援する。本発明を逸脱することなく、所与の衣類構造物1100内の脚部1106は、同じまたは異なる圧縮力適用能力または伸び抵抗を有することができる。いくつかの例として、圧縮力適用能力は、二つの肩で異なることもできるし、垂直方向の脚部1106は、水平方向の脚部1106とは異なる圧縮力適用能力または応力抵抗性を有することもできる。
【0080】
本発明を逸脱することなく、フィードバック装置1102は、先に記したように単層構造または多層化構造を含む任意の所望の構造を有することができる。また、本発明を逸脱することなく、フィードバック装置1102は、先に記した様々なやり方を含む任意の所望のやり方で下着材料と係合させることができる。
【0081】
図10および11Aは、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって衣類構造物において提供することができる別の特徴を示す。これらの図に示すように、フィードバック装置1002a、1002bおよび1102は、それが取り付けられる衣類構造物1000および1100の部分とは対照的な色を有することができる。この特徴は、装着者がフィードバック装置1002a、1002bおよび1102をより良好に目視することを支援することができ、それが、装着者が同じ姿勢またはボディポジショニングに繰り返し戻ることを支援する視覚的手がかりまたは視覚的情報を提供することができる。たとえば、圧縮力適用または伸び抵抗によって体のポジショニングを触覚的に感じる局面に加えて、色の対比は、装着者が、体のポジションの特徴、たとえば胴体の回転、肩のロールなどをより良く見ることを支援することができる。
【0082】
図2A〜11Cに関連して先に記した圧縮力適用区域または伸び抵抗区域は、既存の衣類構造物とは別個に形成する、および/または既存の衣類構造物に別個に取り付けることができるタイプである。これは必要条件ではない。本発明の他の例示的なボディポジションフィードバックシステムは、たとえば、衣類を形成する際に使用される製編、製織または縫製プロセス中に、衣類構造物を構成する材料に一体に組み込まれる様々な材料、様々な縫合配設、様々な製編構造および/または様々な製織構造の形態をとることができる。いくつかのより具体的な例において、より高い圧縮力適用能力または伸び抵抗を提供する様々な領域または材料層は、たとえば、様々な材料(様々な弾性を有する材料)を衣類構造物の選択された位置に組み込むこと、様々な縫合、製編または製織パターンを使用することにより、様々な材料厚さおよび/またはテクスチャリングを提供することなどにより、一体に提供されることもできる。
【0083】
III. 結び
本発明を、添付図面において、多様な例示的構造、特徴、要素ならびに構造、特徴、および要素の組み合わせを参照して先に説明した。しかし、本開示によって果たされる目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明に関連する様々な特徴および概念の例を提供することである。当業者は、請求の範囲によって画定される発明の範囲を逸脱することなく、上記態様に対して数多くの変形および改変を加えることができることを理解するであろう。たとえば、本発明を逸脱することなく、
図1〜11Cに関連して先に記した様々な特徴および概念を個々におよび/または任意の組み合わせもしくは副組み合わせで使用することができる。
【0084】
さらには、本発明の局面は、他の衣類構造物および体の様々な標的区域(たとえば、
図1に示すゾーンのいずれか)に関するフィードバック情報を提供するように設計された衣類構造物との使用に拡張することもできる。いくつかのより具体的な例として、本発明の局面は、手、足、足首、ふくらはぎ、膝、腕、肘、肩、腹部、仙骨または背、体幹、臀部、首などの他の部分の少なくとも一部分のポジショニングに関するポジションフィードバック情報を装着者に提供するように特異的に設計され、調整された衣類構造物との使用に拡張することもできる。体のこれらの部分の一つまたは複数に密着する、それらを巻く、かつ/またはそれらを少なくとも部分的に収容する任意のタイプの衣類構造物を本発明の例にしたがって提供することができる。また、本発明の局面を組み込む衣類構造物は、正しい体の姿勢、動きおよび/またはポジショニングがパフォーマンスに影響することができる、および/または「筋肉記憶」の発達がパフォーマンスを向上させることができる任意の活動を含め、多種多様なスポーツ、運動競技パフォーマンスおよび/または他の活動における使用のために開発されることができる。そのようなスポーツおよび/または活動の例は、ゴルフ、野球、ソフトボール、クリケット、バスケットボール、フットボール、ホッケー、スキー、スノーボード、ボート競技、ヨット競技、重量挙げ、スプリント、ランニング、ジョッギング、ウォーキング、体操、サイクリング、スケートボード、サッカー、水泳、ダイビング、テニス、ヨガ、ダンス、バレーボール、ボブスレー、リュージュ、ラクロスなどを含むが、これらに限定されない。