(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駆動構成部材(20)が、ピストンロッド(12)と駆動構成部材(20)の間の相対的な軸方向運動が可能とされるように、ピストンロッド(12)と係合される、請求項2又は3に記載の駆動アセンブリ。
第一及び第二の駆動部分(71、72)の少なくとも一つが、回転部材(21)及び停止部材(26)の少なくとも一つとの係合のため歯をつけること(22、28)を含む、請求項1〜4の何れかに記載の駆動アセンブリ。
停止部材(26)及び駆動構成部材(20)が、ハウジング(17)に対して第一の方向(44)における停止部材(26)と駆動構成部材(20)の間の相対的な回転運動を妨げるように、そしてハウジング(17)に対して第二の方向(47)における停止部材(26)と駆動構成部材(20)の相対的な回転運動を可能にするように構成される第一の一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結される、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0006】
この文脈において、用語「ハウジング」は、如何なる外部ハウジング、内部ハウジン又は外部ハウジング若しくは内部ハウジンに固定される部分をも意味するものとする、それによって、この部分と外部又は内部のハウジングの間の相対的な動きが妨げられる。ハウジングは、薬物送達デバイス又はその機構の如何なるものの安全で、正確でそして快適な取り扱いを可能にするように設計され得る。それは、薬物送達デバイスの如何なる内部構成部材、例えば、駆動アセンブリ、カートリッジ、ピストン、ピシトンロッドをも収容し、固定し、保護し、案内死及び/又はそれと係合するように設計され得る。ハウジングは、チューブ状又は非チューブ状の形の一体の又は複数部分の構成部材であり得る。
【0007】
用語「遠位端」は、薬物送達デバイスの投与端の最も近くにある、又は配置されることになる、薬物送達デバイス又はその構成部材の端部を示す。用語「近位端」は、薬物送達デバイスの投与端から最も遠く離れている、又は配置されることになる、デバイス又はその構成部材の端部を示す。従って、用語「遠位方向」は、近位端から遠位端に向かう方向
を示し、そして用語「近位方向」は、遠位端から近位端に向かう方向を示す。
【0008】
薬物送達デバイスは、注射デバイスであり得る。薬物送達デバイスは、ペン型のデバイス、特に、ペン型の注射器であり得る。デバイスは使い捨てできる又は再使用できるデバイスであり得る。デバイスは、使用者が用量のサイズノ選択ができない固定された用量のデバイスであり得る。ここで、投与されるべき用量の絶対サイズは、デバイスの設計によって事前に定められる。デバイスは、投与されるべき各用量が同じサイズを有するように、又は用量のサイズが変わるように構成され得る。または、デバイスは、投与されるべき用量の絶対サイズが使用者によって選択できる可変用量デバイスであり得る。特に、使用者は異なる用量サイズの間で選択できる。薬物送達デバイスは手動で、特に、非電気的に駆動されるデバイスであり得る。
【0009】
停止部材と駆動構成部材の、特に、停止部材と第二の駆動部分の機械的相互作用は、第一の方向へのハウジングに対する、特に、用量の設定中の停止部材に対する、駆動構成部材の回転運動を妨げ得る。このように、用量設定中の駆動構成部材の回転は避けられ得る。例として、そのような機械的相互作用には、第一の方向への回転部材の回転中のインターロック、係合、及び/又は隣接が含まれ得る。一例として、第二の回転部分は、停止部材との係合のための歯部を含み得る。
【0010】
駆動アセンブリは、薬物の用量を送達するために、遠位方向に変位するように構成され、そして駆動構成部材の第二の回転方向への回転運動が、ハウジングに対して遠位方向へのピストンロッドの動きに少なくとも部分的に変換されるように構成されるピストンロッドを含む。
【0011】
用語「ピストンロッド」は、好ましくは、ハウジングを通して/その内で操作するように適合される、そして薬物送達デバイスを通して/その内を、好ましくは、駆動構成部材からピストンに向かって遠位方向に向かって、例えば、注射できる製品を排出/投与する目的で、その軸方向運動を伝えるように設計され得る構成部材を意味するものとする。該ピストンロッドは柔軟であり得るか又はそうでなくてもよい。それは単純なロッド、親ねじ、ラックアンドピニオンシステム、ウォームギヤシステムなどであり得る。用語「ピストンロッド」は、円形又は非円形の断面を有する構成部材を更に意味するものとする。それは、当業者に公知の如何なる適する材でも作られ得て、そして一体の又は複数部分の構造のものであり得る。
【0012】
駆動構成部材は、第二の方向への駆動構成部材の回転運動を、ハウジングに対するピストンロッドの遠位での動きに少なくとも部分的に変換するように、ピストンロッドに連結され得る。駆動構成部材は、ピストンロッドと駆動構成部材の間の相対的な軸方向運動が可能とされ、そして相対的な回転運動が妨げられるように、ピストンロッドと係合され得る。特に、駆動構成部材、例えば、第一の駆動構成部材及び第二の駆動構成部材の少なくとも一つはピストンロッドと係合され得る。駆動構成部材はピストンロッドとスプライン係合状態にあり得る。
【0013】
駆動構成部材はまた、第一の方向への駆動構成部材の動きがハウジングに対して近位方向へのピストンロッドの動きに少なくとも部分的に変換されるように、ピストンロッドに連結され得る。従って、用量設定中にピストンロッドが近位方向に動かされるリスクが、用量設定中の第一の回転方向への駆動構成部材の回転運動を妨げることによって低減され得る。ピストンロッドの意図しない近位での動きは用量の正確さの低下をもたらし得る。その結果、用量の正確さは、用量設定中にハウジングに対する駆動構成部材の回転を妨げることによって改善され得る。
【0014】
好ましい実施態様によれば、駆動部材及び回転部材は共通の回転軸の回りに回転できる。ピストンロッドは、回転軸に沿ってハウジングに対して遠位方向に変位され得る。回転軸はピストンロッドに沿って、特に、ピストンロッドの伸びの主方向に沿って走行(run
)し得る。
【0015】
駆動構成部材、特に、第一の駆動部分及び第二の駆動部分は、停止部材と回転部材の間に配置され得る。
【0016】
第二の方向への駆動構成部材の回転運動は、ハウジングに対するピストンロッドの回転運動に、特に、同じ方向への及び/又は同じ角度だけの回転運動に、そして遠位方向へのハウジングに対するピストンロッドの動きに少なくとも部分的に変換され得る。この目的のために、ピストンロッドはハウジングにねじで連結、特に、ねじで係合され得る。
【0017】
別の実施態様によれば、駆動構成部材の回転運動は、遠位方向へのピストンロッドの純粋な直線運動に変換される。従って、ピストンロッドは、ハウジングに対して回転することなく遠位方向へ動かされ得る。この目的のために駆動構成部材が、ピストンロッドと係合するための歯車の歯を含むことは特に適切である。
【0018】
駆動アセンブリは用量部材を含み得る。用量部材は、例えば、用量の設定中及び送達中に、好ましくは、ハウジングに対して可動である。用量部材は、用量を設定するためにハウジングに対して近位方向に可動であり得る。用量部材は、設定された用量を送達するためにハウジングに対して遠位方向に可動であり得る。ハウジングに対する用量部材の動きは、ハウジングに対する回転部材の回転運動に変換され得る。用量を設定するための用量部材の動きは、第一の方向へのハウジングに対する回転部材の回転運動に変換され得る。設定された用量を送達するための用量部材の動きは、第二の方向へのハウジングに対する回転部材の回転運動に変換され得る。用量部材は、ハウジングに対する回転運動に抗して固定され得る。用量部材は、例えば、ハウジングにスプラインされ得る。用量部材は、回転部材に対して可動であり得る。回転運動に対する用量部材の動きは、回転部材の回転運動に変換され得る。
【0019】
用量部材及び回転部材は係合され得て、好ましくは、ねじで係合され得る。一例として、回転部材の回転運動は、用量部材の直線的な動きを、ハウジングに対する回転部材の回転運動に変換し得る、ねじによる係合によって達成され得る。
【0020】
好ましい実施態様によれば、第一の駆動部分は、用量の設定及び投与のために、回転部材の回転運動中に、好ましくは、恒久的に回転部材と隣接及び/又は係合する。第二の駆動部分は、用量の設定及び投与のために、回転部材の回転運動中に、好ましくは、恒久的に呈す部材と隣接及び/又は係合し得る。好ましい実施態様において、第一の駆動部分は回転部材と恒久的に隣接し、そして第二の駆動部分は停止部材と恒久的に隣接する。
【0021】
好ましい実施態様によれば、駆動アセンブリは、第一及び第二の駆動部分の少なくとも一つを、回転部材及び停止部材の少なくとも一つと隣接状態に保持すべく、第一及び第二の駆動部分の少なくとも一つの上に力を供するための付勢部材を含む。好ましくは、付勢部材は、第一の駆動部分を回転部材と隣接状態に、そして第二の駆動部分を停止部材と隣接状態に保持するために、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の両者の上に力を供する。一例として、付勢部材はばね部材であり得る。好ましくは、付勢部材は、各駆動部分上に力を供するために、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の少なくとも一つと隣接する。
【0022】
好ましくは、そうすることによって、用量の設定中及び投与中に、特に、第一の回転方向及び第二の方向への回転部材の回転運動中に、第一の駆動部分は回転部材と恒久的な隣
接状態に保持され、そして第二の駆動部分は停止部材と恒久的な隣接状態に保持される。
【0023】
付勢部材は第一の駆動部分と第二の駆動部分の間に置かれ得る。ここで、第一の駆動部分の少なくとも一部は、付勢部材の一端、例えば、その近位端に置かれ、そして第二の駆動部分の少なくとも一部は、付勢部材の反対の端、例えば、その遠位端に置かれる。付勢部材は、駆動構成部材が第一の駆動部分と第二の駆動部分を含み、そして付勢部材が駆動アセンブリの他の構成部材内に噛合できる事前に組立てられる構成部材として供されるように、駆動構成部材内に統合され得る。そうすることによって、駆動アセンブリの別々の構成部材の数は低減され得て、そして駆動アセンブリの組立プロセスは改善され得る。
【0024】
付勢部材は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の少なくとも一つと隣接、好ましくは、恒久的に隣接し得る。好ましくは、付勢部材は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の両方と隣接する。好ましくは、付勢部材は、それが第一の駆動部分及び第二の駆動部分の回転運動に従動するように構成され得る。
【0025】
好ましくは、付勢部材は、反対の軸方向に第一の駆動部分及び第二の駆動部分と面する。そうすることによって、第一の駆動部分は、回転部材上に無理やり置かれ、そして第二の駆動部分は、停止部材上に無理やり置かれる。
【0026】
一つの実施態様によれば、停止部材は、ハウジングに対する回転運動に抗して固定される。一つの好ましい実施態様によれば、停止部材は、ハウジングに対する軸方向運動及び回転運動の両者に抗して固定される。
【0027】
例として、停止部材はハウジングに恒久的に固定され得て、例えば、ハウジングの内側に固定されるインサートとして設計され得て、又はハウジングの統合部分であり得る。
【0028】
一つの好ましい実施態様において、駆動構成部材及び停止部材は、一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結、好ましくは、恒久的に連結される。好ましくは、第一の駆動部分及び回転部材は、一方向性摩擦クラッチ機構によって連結される。この摩擦クラッチ機構は、用量の設定のための回転部材の動きの最中に、回転部材と駆動構成部材の間の相対的な回転運動を可能にするように、そして用量の送達のための回転部材の動きの最中に、回転部材と駆動構成部材の相対的な回転運動を妨げるように構成され得る。
【0029】
一つの好ましい実施態様において、駆動構成部材及び停止部材は、一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結、好ましくは、恒久的に連結される。好ましくは、ここで、第二の駆動部分及び呈す部材は、一方向性摩擦クラッチ機構によって連結される。この摩擦クラッチ機構は、用量の設定のための回転部材の動きの最中に、停止部材と駆動構成部材の間の相対的な回転運動を妨げるように、そして用量の送達のための回転部材の動きの最中に、呈す部材と駆動構成部材の相対的な回転運動を可能にするように構成され得る。
【0030】
一つの好ましい実施態様によれば、駆動構成部材、停止部材、回転部材及び用量部材の少なくとも一つはスリーブとして形成され得て又はそれを含み得る。回転軸を画成するロッド、例えば、ピストンロッド又は軸ロッドは、駆動スリーブ、停止スリーブ、回転スリーブ及び用量スリーブの一つ、それより多く、又は全てを通して伸び得る。
【0031】
好ましくは、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の少なくとも一つはスリーブを含む。ピストンロッドはスリーブを通して伸び得る。一つの好ましい実施態様において、両方の駆動部分はスリーブを含む。スリーブの一つは、他のスリーブを少なくとも部分的に囲む。スリーブは滑り得るように互いに連結され得る。一例として、第一の駆動部分のスリーブは、第二の駆動部分のスリーブを部分的に囲み得る。
【0032】
駆動構成部材は、第一の駆動部分と第二の駆動部分の軸方向の分離を制限するための保持手段を含み得る。保持手段は、駆動構成部材が駆動アセンブリの他の構成部材と組み立てられていない状態において、第一の駆動部分と第二の駆動部分の完全な分離が妨げられ得るように構成され得る。
【0033】
例として、保持手段は、第一の駆動部分と第二の駆動部分の一つ又は両方に配置され得る。保持手段は、他の駆動部分上の第二の停止面と隣接するように配置される、駆動部分の一つ上の第一の停止面を含み得る。停止面は、駆動部分の画成された軸方向の分離の際に、停止面が隣接し、そうすることによって駆動部分の更なる分離を妨げるように設計され得る。
【0034】
更なる態様によれば、上述の通り、駆動アセンブリにおいて使用するための駆動構成部材が供され、ここで、駆動構成部材は、駆動アセンブリを構築するために回転部材、停止部材及びハウジングを有するアセンブリのための事前に組立てられた構成部材として供される。駆動構成部材は、第一及び第二の駆動部分の相対的な回転運動が妨げられ、そして相対的軸方向運動が可能とされるように、互いに連結される第一の駆動部分及び第二の駆動部分を含む。第一の駆動部分は第一の係合手段、例えば、歯部を含み得る。第一の係合手段は、第一の方向への第一の駆動部分の回転運動を妨げるように、そしてはめ合っている第一の係合手段、例えば、かみ合い歯部に対して第二の方向への第一の駆動部分の回転運動を可能にするように適合されそして構成される一方向性摩擦クラッチ機構を確立するように構成される。第二の駆動部分は、第一の方向への第二の駆動部分の回転運動を妨げるように、そして第二のはめ合い係合手段に対して第二の方向への第二の駆動部分の回転運動を可能にするように適合されそして構成される一方向性摩擦クラッチ機構を確立するための第二の係合手段、例えば歯部を含む。第一の駆動部分は、駆動アセンブリの回転運動との係合のために構成され、そして第二の駆動部分は、駆動アセンブリの停止運動との係合のために構成される。
【0035】
特に、駆動構成部材は、駆動構成部材が駆動アセンブリの更なる構成部材を用いて組立てられる前の状態において、駆動構成部材からその構成部材の如何なる構成部材も完全に分離すること、例えば、部分が離れて落ちることが妨げられるように構成され得る。この目的のために、駆動構成部材は、保持手段、例えば、前述のような保持手段を含み得る。保持手段は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の完全な分離を妨げ得る。
【0036】
一つの実施態様によれば、第一及び第二の係合手段は、互いに対して反対方向に向くように構成される。
【0037】
第一の係合手段は、複数の歯を含んでいる第一の歯部を含み得る。第二の係合手段は、複数の歯を含んでいる第二の歯部を含み得る。第一の歯部は第二の歯部と比べて反対に配置され得る。
【0038】
第一のはめ合い係合手段は、複数の歯を含んでいる第一のかみ合い歯部を含み得る。第二のはめ合い係合手段は、複数の歯を含んでいる第二のかみ合い歯部を含み得る。第一のかみ合い歯部は第二のかみ合い歯部と比べて反対に配置され得る。
【0039】
一つの実施態様によれば、駆動構成部材は付勢部材、例えば、圧縮ばねを含む。付勢部材は、第一及び第二の駆動部分を強制して反対の軸方向に互いから離す傾向にある力を供するように適合され得てそして配置され得る。
【0040】
付勢部材は、送達操作中に、第一の駆動部分が回転部材と係合状態に保持されるように
構成され得る。付勢部材は、送達操作中に、第二の駆動部分が停止部材と係合状態に保持されるように構成され得る。
【0041】
一つの好ましい実施態様において、駆動構成部材は、事前に組立てられた構成部材の部分である前述のような付勢部材を含む。付勢部材は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の少なくとも一つの上に力を供し得る。付勢部材は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分を、反対の軸方向に強制して離し得る。好ましくは、駆動構成部材は、第一の駆動部分及び第二の駆動部分の少なくとも一つから付勢部材が完全に分離されること、例えば、離れて落ちることが妨げられるように構成される。例として、付勢部材は第一の駆動部分と第二の駆動部分の間に置かれ得て、そして第一の駆動部分及び第二の駆動部分によって定位置に保持され得る。追加的に又は代替的に駆動構成部材は、付勢部材が完全に分離されること、例えば、離れて落ちることを妨げるための更なる保持手段を含み得る。
【0042】
駆動アセンブリ及び駆動構成部材に関連した上述の及び下記の特徴は、事前に組立てられる構成部材として供される対応する駆動構成部材に対しても適用され得る。
【0043】
例として、第一の駆動構成部材及び第二の駆動構成部材の少なくとも一つは、停止部材及び回転部材の少なくとも一つとの係合のために歯部を含み得る。
【0044】
好ましくは、第一の駆動構成部材及び第二の駆動構成部材の両者は歯部を含む。例として、第一の駆動部分はその近位端で歯部を含み得て、そして第二の駆動部分はその遠位端で歯部を含み得る。
【0045】
更なる態様によれば、薬物送達デバイスが供され、ここで薬物送達デバイスは少なくとも一つの駆動アセンブリ及び上述の駆動構成部材を含む。デバイスは薬物リザーバを取り付けるための手段を含み得る。薬物リザーバは、デバイスのハウジングに恒久的に又は取り外し可能に取り付けられ得る。
【0046】
本明細書で使用する用語「薬物」は、好ましくは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0047】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又は
Alaで代替され、そして、B28位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0048】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−
N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0049】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意
味する。
【0050】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく
;
【0051】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2;
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2;
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0052】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドト
ロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0053】
多糖類としては、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体などのグルコアミノグリカン、又は硫酸化された、例えば、上記多糖類のポリ硫酸化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0054】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は
互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基;場合により置換されるC2〜C6アルケニル基;場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark
Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0055】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0056】
更なる特徴、改良及び便宜は、図面と関連した例示的な実施態様の以下の記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】薬物送達デバイスの例示的実施態様の部分的側部断面図を模式的に示す。
【
図2】用量の設定中のエレメントの模式的に示された動きを有する駆動アセンブリの斜視断面図を模式的に示す。
【
図3】
図2の一部のより詳細な側面図を模式的に示す。
【
図4】用量の送達中のエレメントの模式的に示された動きを有する駆動アセンブリの斜視断面図を模式的に示す。
【
図5】
図4の一部のより詳細な側面図を模式的に示す。
【
図6】
図2及び4の一部のより詳細な図を模式的に示す。
【0058】
図において、類似のエレメント、同じ種類のエレメント及び実質的に同等に作用するエレメントには同じ参照符号が供され得る。
【0059】
図1は、遠位端7及び近位端8を有する薬物送達デバイス1を示す。デバイス1はカートリッジ部分2及び駆動部分3を含む。カートリッジ部分2は薬物5、好ましくは、液体薬物を留めているカートリッジ4の形態をした薬物リザーバを含む。カートリッジ4は、好ましくは、薬物5の複数の用量を含む。薬物5は、例えば、インスリン、ヘパリン又は成長ホルモンを含み得る。カートリッジ4は、その遠位端に出口6を有する。薬物5は、出口6を通してカートリッジから投与され得る。
【0060】
デバイス1はペン型のデバイス、特に、ペン型の注射器であり得る。デバイス1は使い捨てできる又は再使用できるデバイスであり得る。デバイス1は、使用者が異なる容量サイズノ間で選択できない固定された用量のデバイス、又は使用者が異なる容量サイズノ間で選択できる可変用量のデバイスであり得る。デバイス1は、針を含む又は針の無いデバイスであり得る。デバイス1は注射デバイスであり得る。
【0061】
出口6は膜9によって覆われ得て、それはカートリッジの保存中に薬物5を外部の影響から保護する。薬物の送達のために、膜9は開けられ得て、例えば、突き刺され得る。例えば、膜9は(明示されていない)針ユニットによって突き刺され得る。針ユニットはカートリッジ部分2の遠位端に、取り外し可能に取り付けられ得る。針ユニットはカートリッジ4の内部からカートリッジの外側へと出口6を通して液体連通を供し得る。
【0062】
ピストン10はカートリッジ4内に保持される。ピストン10はカートリッジに対して可動である。ピストン10はカートリッジ内で薬物5をシールし得る。ピストン10はカートリッジ4の内部を近位で都合よくシールする。遠位方向へのカートリッジ4に対するピストン10の動きによって、薬物5が、デバイスの操作中に出口6を通してカートリッジ4から投与されることになる。
【0063】
カートリッジ部分2は、その中にカートリッジ4が留められるカートリッジ保持部材11を更に含む。カートリッジ保持部材11はカートリッジ4を少なくとも部分的に収容し得る。カートリッジ保持部材11にはカートリッジ部分2を駆動部分3に取り付けるための(明示されていない)固定部材が供され得る。
【0064】
カートリッジ部分2及び駆動部分3は互いに固定され、好ましくは、取り外し可能に固定される。駆動部分3に取り外し可能に固定されるカートリッジ部分2は、例えば、カートリッジ4の交換を可能にするために駆動部分3から取り外され得る。例として、もし、カートリッジ4中に留められた薬物の全ての用量が投与されたならば、カートリッジ4は取り外さ得て、そして新しいカートリッジが駆動部分3に固定され得る。カートリッジ保持部材11は、例えば、ねじを介して、駆動部分3に取り外し可能に固定され得る。または、カートリッジ保持部材11は省略され得る。この場合、頑丈なカートリッジ4を適用し、そしてカートリッジを直接、駆動部分3に取り付けることは特に都合がよい。
【0065】
駆動部分3は、駆動アセンブリの部分であり得るハウジング13を含む。カートリッジ部分2の近位端側14は、例えば、ねじによる連結を介して、ハウジング13の遠位端側15で駆動部分3に固定される。ハウジング13、カートリッジ4及び/又はカートリッジ保持部材11はチューブ状の形を有し得る。
【0066】
駆動部分3は、遠位方向にカートリッジ4に対してピストン10を変位するために、力、好ましくは、使用者によってかけられる力、特に好ましくは、手動でかけられる力をピストン10に移すように構成される。薬物5の用量はこのようにしてカートリッジ4から投与され得る。薬物5のサイズは、ピストン10が遠位方向にカートリッジ4に対して変位される距離によって定められ得る。
【0067】
駆動部分3はピストンロッド12を含んでいる駆動アセンブリを含む。ピストンロッド12はピストン10に力を移し、そうすることによってピストンをカートリッジ4に対して遠位方向に変位するように構成される。ピストンロッド12の遠位端面はピストン10の近位端面に隣接するように配置される。(明示されていない)支持部材はピストン10を前進するために、好ましくは、ピストン10の近位端面を隣接するために配置され得る。支持部材は、ピストン10とピストンロッド12の間に置かれ得る。支持部材は、ピストンロッド12又は別の部材に固定され得る。もし、ピストンロッド12が、例えば、用量の送達の際にデバイス1の操作中に回転するように構成されるならば、支持部材を供することは特に都合がよい。ベアリング部材は、ピストンロッド12と一緒にハウジング13に対して移され得る。ピストンロッド12は、ベアリング部材に対して回転することができ得る。このようにして、回転しているピストンロッド12がピストン10内に穴を開け、そしてそのことによってピストン10を損傷するリスクは低減される。従って、ピストン12がハウジング13に対して回転しそして移される一方、ベアリング部材は移されるのみであり、つまり、それは回転しない。ピストンロッド12にベアリング部材によって拘束され得る。
【0068】
駆動部分3は用量部分16を含む。用量部分16はハウジング13に対して可動である。用量部分16は、送達されるべき薬物5の用量を設定するために、ハウジング13に対して近位方向に可動であり得て、そして設定された用量を送達するために、ハウジング13に対して遠位方向に可動であり得る。用量部分16は、好ましくは、ハウジング13に連結される。用量部分16はハウジング13に対する回転運動に抗して固定され得る。用量部分16は、用量を設定するためにハウジング13に対する遠位端位置から近位端位置に、そして用量を送達するために近位端位置から遠位端位置に変位され得る(明示されていない)。用量の設定中に用量部分16がハウジング13に対して変位される距離によって用量のサイズが定められ得る。近位端位置及び遠位端位置は、ハウジングに対する用量部分16の近位の又は遠位の走行を制限し得る各停止機構によって定められ得る。用量部分16は、使用者によって掴まれ得る用量ノブを含み得る。用量ノブ41は、用量部分16の近位端で用量部分16に配置され得てそして連結され得る。用量ノブ41及び用量部分16は一体の構成部材であり得る。
【0069】
デバイス1は手動で、特に、非電気的に駆動されるデバイスであり得る。用量部分16がハウジング13に対して遠位方向に用量送達のために動かされる原因となる使用者がかけた力は、駆動アセンブリの他の部分によってピストンロッド12に変位され得る。駆動アセンブリは、好ましくは、用量を設定するために用量部分16が、例えば、ハウジング13に対して近位方向に動かされるとき、ハウジング13に対するピストンロッド12の動きを妨げるように構成される。
【0070】
上述の通り薬物送達デバイス1において供されるのに適する駆動アセンブリの実施態様が以下により詳細に述べられる。
【0071】
図2は、デバイス1の駆動部分3の駆動アセンブリ70の斜視断面図を示す。
図6は、
図2の一部のより詳細な図を示す。
図3は、
図2の駆動アセンブリ70の一部を示す。
【0072】
駆動アセンブリ70はハウジング部分17を含む。ハウジング部分17は近位端18及び遠位端19を有する。ハウジング部分17は、
図1において示される、駆動部分3の外部ハウジング13、その一部又はハウジング13内のインサートであり得る。そのインサートは、ハウジング13に対する回転運動及び軸方向運動に抗して固定される。ハウジング部分17は、例えば、インサートスリーブであり得る。インサートスリーブはハウジング13に、例えば、スナップ噛合されるか又か接着され得る。ハウジング部分17はチューブ状の形を有し得る。ハウジング部分17は、(明示されていない)外部固定エレメント、例えば、ハウジング部分17をハウジング13に固定するためのスナップ噛合エレメントを含み得る。
【0073】
ピストンロッド12はハウジング13の中に、特に、ハウジング部分17内に保持される。ピストンロッド12は用量送達中にハウジング部分17に対して遠位方向に駆動される。
【0074】
駆動アセンブリ70は、ハウジング部分17内に留められる駆動構成部材20を更に含む。駆動構成部材20は、力、好ましくは、トルクをピストンロッド12に移すよう構成される。移された力によって、用量送達のために、ピストンロッド12がハウジング3に対して遠位方向に変位されることになる。
【0075】
駆動構成部材20は、互いに対する相対的な回転運動が不可能とされ、そして互いに対する相対的な軸方向運動が可能とされるように互いに連結される第一の駆動部分71及び第二の駆動部分72を含む。例として、第一の駆動部分71は第二の駆動部分72とスプライン係合状態にあり得る。ここで、第一及び第二の駆動部分71、72の一方は、軸方向に走行している案内スロット77を有し得て、ここに他方の第一及び第二の駆動部分71、72の係合機能79、例えば、案内ラグ(lug)が案内され得る(
図6を参照)。
【0076】
第一及び第二の駆動部分71、72の各々はスリーブを含み、ここに、第二の駆動部分72のスリーブが第一の駆動部分71のスリーブ内に部分的に挿入される。第一及び第二の駆動部分71、72の両者はハウジング部分17に対して軸方向に変位できる。互いに対する、そしてハウジング13に対する第一及び第二の駆動部分71、72の軸方向運動は、操作中に駆動アセンブリ70の構成部材間の遊びを補正し得る。
【0077】
駆動構成部材20はらせんばね部材、特に、圧縮ばねの形での付勢部材73を含む。付勢部材73は駆動アセンブリ70の薬物送達操作中に付勢される。付勢部材73は、第一及び第二の駆動部分71、72を反対の軸方向に互いから強制して離す力を供する。
【0078】
付勢部材73は第二の駆動部分72の遠位端でのフランジ74と第一の駆動部分71のスリーブの遠位端面75の間に置かれる。付勢部材73は第二の駆動部分72のスリーブの周りに捲きつけられ、そうすることでスリーブを部分的に取り囲む。付勢部材73は第二の駆動部分72のフランジ74と隣接し、そして第一の駆動部分71のスリーブの遠位端面75と隣接し、そしてそうすることによって第一及び第二の駆動部分71、72上に分離力を供する。
【0079】
更なる実施態様において、付勢部材73は、第一及び第二の駆動部分71、72上に分離力を供するために第一及び第二の駆動部分71、72に異なる方法で連結され得る。一例として、付勢部材73は第一及び第二の駆動部分71、72の少なくとも一つの内側に
配置され得る。この場合、付勢部材73は第二の駆動部分72の遠位内部端面と隣接し得る。
【0080】
駆動構成部材20は第一及び第二の駆動部分71、72の相対的な軸方向の分離を制限している保持手段76(
図6を参照)を含み得る。特に、第一及び第二の駆動部分71、72はクリップ機構又は他の保持機構を含み得る。例として、停止面78は第一の駆動部分71における案内スロット77の遠位端に置かれ得て、ここに第二の駆動部分72の係合機能79が案内される。係合機能79が停止面78にそこで隣接する第一及び第二の駆動部分71、72の軸方向の分離の際に、第一及び第二の駆動部分71、72の更なる相対的な分離は妨げられ得る。
【0081】
一つの好ましい実施態様において、駆動構成部材20は、それが駆動アセンブリの他の構成部材内に噛合される前に、事前に組立てられる構成部材としてそれが供されるように構成される。好ましくは、駆動構成部材20は、互いからの分解が妨げられるように互いに連結される付勢部材73、第一の駆動部分71及び第二の駆動部分72を含む。
【0082】
第一及び第二の駆動部分71、72及び付勢部材73を含む駆動構成部材20はハウジング部分17に対して回転可能である。駆動構成部材20、例えば、第一及び第二の駆動部分71、72の少なくとも一つは、ピストンロッド12と係合する。そうすることによって、駆動構成部材20の回転運動、例えば、第二の方向への回転運動は、ハウジング13に対するピストンロッド12の遠位での動きに変換される。これは後でより詳細に説明される。
【0083】
駆動アセンブリ70は回転部材21を更に含む。回転部材21は、特に、薬物の用量を設定するために第一の方向に、そして特に、設定された用量を送達するために第二の方向にハウジング部分17に対して回転できる。第二の方向は第一の方向に対して反対である。例えば、デバイス1の近位端から見て、第一の方向は反時計回りであり得て、そして、第二の方向は反時計回りであり得る。
【0084】
駆動構成部材20の第一及び第二の駆動部分71、72、回転部材21及びピストンロッド12は、共通の回転軸の回りに回転できるように構成される。回転軸は、駆動構成部材20、回転部材21及びピストンロッド12を通って伸び得る。回転軸は、ピストンロッド12の主縦軸である。回転軸は、ハウジング部分17の近位端と遠位端の間を走行する。
【0085】
回転部材21は、一方向性クラッチ機構、例えば、摩擦クラッチ機構によって、駆動構成部材20、特に、駆動構成部材20の第一の駆動部分71に連結される。このクラッチ機構は、ハウジング部分17に対して第一の方向に回転部材21が回転するときに、第一の駆動部分71に対する回転部材21の回転運動を可能にする。クラッチ機構は、ハウジング部分17に対して第二の方向へ回転部材が回転するときに、第一の駆動部分71に対する回転部材21の回転運動を妨げる。第一及び第二の駆動部分71、72の連結故に、第一及び第二の駆動部分71、72はこのように、このようにハウジング部分17に対して第二の方向への回転部材21の回転運動に従動し得る。
【0086】
第一の駆動部分71は回転部材21を係合するように、そして特に、回転部材21を隣接するように配置される。第一の駆動部分71は歯部22、例えば、歯部を含む。第一の駆動部分71は歯部22をその近位端に含む。回転部材21は、第一の対になる歯部23、例えば、歯部を含む。回転部材21は歯部23を、第一の駆動部分71と面するその遠位端で含む。歯部22は複数の歯24を含む。歯部23は複数の歯25を含む。歯部22及び23は互いに対になるように構成される。
【0087】
歯24及び/又は歯25の各歯は、特に、回転軸から見て方位角方向に沿って傾斜路した形である。各歯の傾斜路はその歯の険しい端面、つまり、回転軸と平行に走行する、又はこの軸上に突き出るとき、回転軸と共に、この軸上に突き出るときの傾斜路より小さい角度を含む歯の面によって角度方向に限定される。険しい端面には次の歯の傾斜路が続く。
【0088】
第一の駆動部分71の歯24は、第一の駆動部分71上で、特に、回転部材21に面する第一の駆動部分71の端部で周囲に配列され得る。歯25は、回転部材21上で、特に、第一の駆動部分71に面する回転部材21の端部で周囲に配列され得る。
【0089】
二つの歯の険しい端面が隣接し、そして回転部材21が第二の方向にさらに続いて回転するとき、険しい側部は隣接状態に留まり、そして駆動部分71、ひいては第二の駆動部分72も回転部材21の回転に従動する。回転部材21が第一の方向に回転するとき、歯の傾斜路(ここで、傾斜路は、特に、回転軸に対して斜めに走行する)は互いに沿って滑り、その結果、回転部材21は駆動部分71、ひいては第二の駆動部分72に対しても回転する。
【0090】
駆動アセンブリ70は停止部材26を更に含む。駆動構成部材20は停止部材26と回転部材21の間に配置される。停止部材26は、用量の設定中に、つまり、回転部材21が第一の方向に回転するとき、ハウジング部分17に対する第一の方向への駆動構成部材20の回転運動を妨げるように構成される。このようにして、回転部材21はハウジング部分17に対して第一の方向に回転し得て、一方、駆動構成部材20及び停止部材26は回転を妨げられる。
【0091】
停止部材26は、別の一方向性クラッチ機構、特に、摩擦クラッチ機構によって、駆動構成部材20の第二の駆動部分72に連結される。このクラッチ機構は、ハウジング部分17に対して第一の方向に回転部材21が回転するときに、停止部材26に対する第二の駆動部分72ひいては駆動構成部材20の回転運動を妨げる。クラッチ機構は、ハウジング部分17に対して第二の方向へ回転部材21が回転するときに、第二の駆動部分72ひいては停止部材26に対する駆動構成部材20の回転運動を可能にする。
【0092】
このように、回転部材21は、用量の設定中に、第一の方向に駆動構成部材20及び停止部材26に対して回転し得て、ここで停止部材26とのその相互作用によって駆動構成部材20の回転が妨げられる。設定された用量の送達中に、回転部材21並びに駆動構成部材20は、第二の方向に停止部材26に対して回転し得る。
【0093】
停止部材26は、用量の設定中に、好ましくは、用量の送達中に、駆動構成部材20と隣接し及び/又は係合するように配置される。停止部材26は、はめ合っている第二の係合手段27、例えば、歯部を含む。停止部材26は、駆動構成部材20の第二の駆動部分72と面する一端、例えば、その近位端に歯部27を有する。歯は険しい側部とそれほど険しくない傾斜路を有する傾斜路形状である。歯は、停止部材に沿って、特に、停止部材の周囲上に方位角的に配列され得る。
【0094】
第二の駆動部分72は第二の歯部28、例えば、歯部を含む。第二の駆動部分72は、停止部材26と面する一端、例えば、その遠位端で歯部28を有する。駆動構成部材20の歯部22及び28は反対に配列される。歯部28は回転部材の歯部21に従って構成され得る、つまり、回転軸に対して同じ形及び同じ角度位置を有し得る。歯部22は回転部材の歯部27に従って構成され得る、つまり、回転軸に対して同じ形及び同じ角度位置を有し得る。歯部27及び28は、特に、歯の険しい側部は、ハウジング部分17に対する
、そして特に、第一の方向への停止部材26に対する駆動構成部材20の回転を妨げるために確かに協動し、例えば、隣接する。
【0095】
用量設定及び送達の操作中に、互いに対して又はハウジング13に対して第一及び第二の駆動部分71、72がその分だけ軸方向に移され得る距離は、駆動構成部材20の各歯部22又は28の歯の最大深さに対応し得る。または、その距離は、各歯部の歯の最大深さより大きくあり得る。
【0096】
停止部材26は、ハウジング部分17に対する回転運動及び軸方向運動の両方に抗して固定される。停止部材26はハウジング部分17と統合され得るか又はハウジング部分17にインサート固定されるインサートであり得る。回転部材21は、ハウジング部分17に対する軸方向運動に抗して固定され得る。
【0097】
駆動構成部材20の付勢部材73は駆動アセンブリ70の薬物送達操作中に付勢される。付勢部材73は、駆動構成部材20の第二の駆動部分72を停止部材26と隣接状態に保持し、そして駆動構成部材の第一の駆動部分71を回転部材21と隣接状態に保持するする傾向にある力を供する。特に、付勢部材73は第一及び第二の駆動部分71、72を、各々、回転部材21及び停止部材72に向かって反対の軸方向に強制して離す。
【0098】
弾力的操作部材73は、薬物の用量の設定及び送達中に、第二の駆動部分72及び停止部材26を互いに対して、恒久的な機械的接触状態、例えば、隣接状態に保持する。または、弾力的操作部材73は、薬物の用量の設定及び送達中に、第一の駆動部分71及び回転部材26を互いに対して、恒久的な機械的接触状態、例えば、隣接状態に保持する。
【0099】
駆動アセンブリ70は支持部材32を更に含む。支持部材32は、ハウジング部分17に対して軸方向運動及び回転運動に抗して都合よく固定されるか、又はハウジング部分17内に統合される。支持部材32は、突出、例えば、リング状の突出であり得る。回転部材21は支持部材32中の開口部を通して伸び、そして半径方向に外側に向かって突き出ている部材33、例えば、フランジ部分を含み得る。突き出ている部材33は、支持部材32、特に、支持部材32の遠位端側を隣接するために都合よく供される。支持部材32は、付勢部材73によって第一の駆動部分71上に、ひいては回転部材21上にかけられる力に対する抗力を遠位方向に供し得る。
【0100】
ハウジング部分17に対する軸方向運動に抗して固定される停止部材26は、付勢部材73によって第二の駆動部分72上ひいては停止部材26上にかけられる力に対する抗力を近位方向に供する。そうすることによって、薬物の設定中及び投与中の、回転部材21の第一の駆動部分71との恒久的な隣接、及び薬物の設定中及び投与中の、停止部材26の第二の駆動部分72との恒久的な隣接が助けられる。
【0101】
駆動アセンブリ703は用量部材34を更に含む。用量部材34は、
図1の用量部分16であり得るか又は用量部分16の一部であり得る。用量部材34は、用量を設定するために、そして用量を送達するために近位方向にハウジングに対して可動である。例えば、用量部材34は、用量設定中にハウジング部分17に対して近位方向に、そして用量送達中にハウジング部分17に対して遠位方向に動かされ得る。用量部材34はハウジング部分17又は、代替法として、(明示されていない)ハウジング13の別の部分と係合し得る。用量部材34は、好ましくは、ハウジング部分17に対する回転運動に抗して固定される。用量部材34は、各々ハウジング部分17又はハウジング13中に供される、別の案内機能、例えば、案内スロット又は案内ラグと係合する案内機能35、例えば、案内ラグ又は案内スロットを含み得る。
【0102】
用量部材34は回転部材21に対して近位方向にそして遠位方向に動かされ得る。用量部材34は、薬物の用量を設定するための、例えば、ハウジング部分17に対して近位方向への用量部材34の動きが、第一の方向への回転部材21の回転運動に変換され、そして用量を送達するための、例えば、ハウジング部分17に対して遠位方向への用量部材34の動きが、第一の方向と反対の第二の方向への回転部材21の回転運動に変換されるべく、回転部材21に、好ましくは、恒久的に連結される。
【0103】
回転部材21には雄ねじ36が備えられる。ねじ36は、用量部材34の一つ又は複数の係合部材42と係合される。各係合部材は、用量部材34の内部上に配置される。各係合部材は、例えば、ねじ又はねじの一部であり得る。このように、用量部材34及び回転部材21はねじ連結され得て、特に、ねじ係合される。別の実施態様において、回転部材21は用量部材34の外側に配置され得る。ねじの形態、特に、雄ねじ及び雌ねじの形態は各々交換され得る。
【0104】
回転部材21、第一の駆動部分71、第二の駆動部分72、停止部材26及び用量部材34は各スリーブを含む。ピストンロッド12は、スリーブを通して駆動されるように配置され、そして特に、駆動される。
【0105】
駆動構成部材20及びピストンロッド12は、ハウジング13に対する駆動構成部材20の回転運動が、ハウジング13に対するピストンロッド12の回転運動に変換されるように構成される。特に、駆動構成部材20の第一及び第二の駆動部分71、72の少なくとも一つは、ピストンロッド12と係合し、例えば、ピストンロッドとスプライン係合される。好ましくは、駆動部分71、72の両者は、ピストンロッドと係合する。ピストンロッド12は、回転軸に沿って走行する変位軸に沿って駆動構成部材20に対して変位することができる。
【0106】
ピストンロッド12は係合トラック37、好ましくは、外側上に二つの反対側に配列された係合トラック37を含む。(それぞれの)係合トラック37はねじ49を妨害し得る。(それぞれの)係合トラック37は、好ましくは、それに沿ってピストンロッド12がハウジング13に対して、特に、駆動構成部材20に対して変位くできる軸に沿って直線的に伸びる。
【0107】
第一の駆動部分及び第二の駆動部分71、72の少なくとも一つは、ピストンロッド12の係合トラック37と係合されるように構成され、軸方向に走行している対応する係合トラックを含む。対応する係合トラックは、第二の駆動部分72又は第一の駆動部分71の内面に置かれ得る。
【0108】
ピストンロッド12はハウジング13にねじで連結される。ピストンロッド12には、例えば、雄ねじ49が供され得る。ピストンロッド12は、ハウジング部分17と統合的に形成され得るハウジング部分の開口部において、ねじを通して伸び、そしてそれに係合され得て;それに固定されるハウジング部分であり得て;又はハウジング部分17からハウジング13に別々に固定されハウジング部分であり得る。描かれた実施態様において、停止部材26において開口部が形成される。そうすることによって、停止部材26はピストンロッド12とねじで係合される。
【0109】
ハウジング13に対する駆動構成部材20の回転運動は、このようにハウジング13に対するピストンロッド12の回転運動に変換され、そしてピストンロッド12の回転運動は、ピストンロッド12とハウジングの一部又はハウジングに固定された部分のねじによる係合のせいで、遠位方向へのハウジング13に対するピストンロッド12の動きに変換される。
【0110】
駆動アセンブリ70の遠位端に弾力的部材31が置かれる。弾力的部材31は停止部材26の遠位端面と隣接し、そして、カートリッジがデバイスのハウジングに固定されるとき、カートリッジ又はカートリッジ保持部材によって圧縮される。そうすることによって、弾力的部材31はカートリッジをカートリッジ保持部材の遠位端に向かって押す。
【0111】
以下において、
図1のカートリッジ4から薬物を送達するための駆動アセンブリ70の操作が述べられる。
【0112】
図2及び3は、用量設定操作中のそのエレメントの幾つかの示された動きを有する駆動アセンブリ70を示す。
【0113】
用量を設定するために、使用者は用量部材34をハウジング部分17に対して近位方向(矢印43)に手動で動かす。そうするために、使用者は用量ノブを掴み得て、そしてそれを近位方向に引っ張り得る。用量部材34は回転部材21に対して近位でも動く。回転部材21の近位での動きは、回転部材21の突き出し部材33と隣接する支持部材32によって妨げられる。従って、ハウジング部分17に対する用量部材34の近位での動きは、ハウジング部分17に対する第一の方向(矢印44)への回転部材21の、特に、用量部材34及び回転部材21のねじによる係合のせいでの回転運動に変換される。このように、回転部材21はハウジング部分13に対して第一の方向に(回転部材21の近位端から見て、反時計回りに)回転する。回転部材21は駆動構成部材20及び停止部材26に対しても回転する。駆動構成部材20の第一及び第二の駆動部分71、72は、停止部材26との相互作用、例えば、歯部27及び28のインターロックによって、第一の方向への回転を妨げられる。ピストンロッド12が駆動構成部材20に連結されるため、そして駆動構成部材20の第一の方向への回転によってピストンロッド12が近位方向に走行することになるであろう故に、ピストンロッド12は、停止部材26と駆動構成部材20の第二の駆動部分72の相互作用によって、近位方向に駆動されることが妨げられる。用量設定中にピストンロッド12が動くことを妨げることによって、用量の正確さが増大され得る。
【0114】
回転部材21が第一の方向に回転するとき、回転部材21の歯部23の歯の傾斜路は歯部22の歯1の傾斜路に沿って滑る。このように、回転部材の歯は、歯が駆動構成部材20の第一の駆動部分71の歯部22の次の歯の一つに係合するまで、回転軸の回りでインデックスを付け得る(index)。回転部材21の歯は駆動構成部材20の第一の駆動部分
71の歯の傾斜路に沿って滑る。この動きの最中に、第一の駆動部分71は、歯部23の歯が(全体的に)歯部22のその歯を係合解除する前に、歯部22の歯の深さによって、好ましくは、それに等しく定められる距離だけ、ピストンロッド12及びハウジング13に対して回転軸に沿って遠位方向に変位される。そうすることによって、第一の駆動部分71は、第二の駆動部分72に向かっても動く。その後、回転部材21の歯は歯部22の次の歯に係合し、そして付勢部材73によって供された力は駆動構成部材20の第一の駆動部分71を回転軸に沿って軸方向の出発位置へと戻るように動かす。駆動構成部材20の第一の駆動部分71の遠位方向への動き及び近位方向へと戻る調和する(according)
動きは、
図2及び3における二重矢印45によって示される。
【0115】
駆動構成部材20の第一の駆動部分71の次の歯と係合する回転部材21の歯は、使用者に対して聞き取れる及び/又は触れることができるフィードバックを引き起こし得る。
【0116】
駆動アセンブリ70は、固定された用量のデバイス又は可変用量のデバイスに適している。固定された用量のデバイスにおいて、送達されるべき薬物の固定された用量のサイズは、好ましくは、ピストンロッド12のねじ49のピッチ、並びに駆動構成部材20、回
転部材21及び停止部材26における、各歯部22、28、23、27の歯の数によって定められる。可変用量のデバイスにおいて、使用者によって変えられ得る用量における増分は、好ましくは、ピストンロッド12のねじ49のピッチ、並びに駆動構成部材20、回転部材21及び停止部材26における、各歯部22、28、23、27の歯の数によって定められる。回転部材21は使用者が設定できる用量のデバイスに対して駆動構成部材20の第一の駆動部分71の一つより多くの歯(用量増分)に亘って、及び固定された用量のデバイスに対してのみ一つの歯に亘って回転され得る。用量設定中に回転部材21がそれに亘って回転する駆動構成部材20の第一の駆動部分71における歯の数、及び歯の角度範囲のサイズによって、実際に送達される用量のサイズが定められる。用量部材34及び回転部材21は、回転部材21が、固定された用量のデバイスに対して一つの歯分だけのみ回転し得るべく、そして使用者が設定できる用量のデバイスに対して、一つより多くの歯分だけ回転し得るべく互いに対して適合され得る。
【0117】
図4及び5は、用量の送達操作中のそのエレメントの幾つかの示された動きを有する駆動アセンブリ70を示す。
【0118】
用量が設定された後、用量部分16及びそれと共に用量部材34は、使用者によってハウジング部分17に対して遠位方向(矢印46)に動かされる(押される)。このように、用量部材34はハウジング部分17に対して遠位方向に動かされる。従って、駆動部材21はハウジング部分17に対して、第一の方向とは反対である第二の方向(矢印47)へ回転する。駆動構成部材20の第一及び第二の駆動部分71、72は、第二の方向への回転部材21の回転運動に従動する。第二の方向への回転部材20の回転運動は、第二の方向へのピストンロッド12の回転運動に変換され、その動きは、次いで、遠位方向へのピストンロッド12の動きに変換される。従って、
図1のピストン10はカートリッジ4に対して遠位方向に変位され得て、そして薬物5の用量はカートリッジ4から投与され、その量は前に設定された用量に対応する。
【0119】
用量送達中に、第一の駆動部分71の歯部22及び回転部材21の歯部23はインターロックし、そして第二の駆動部分72の歯部28の歯の傾斜路は、停止部材26の歯部27の歯の傾斜路に沿って滑る。この動きは反対の回転方向を有する回転部材及び駆動構成部材の相対的な回転運動に対する上述のものと類似している。駆動部構成部材20の第二の部分72はそうすることによって、停止部材26における歯部27歯の深さに対応する距離だけ、停止部材26に対して近位方向に変位される。付勢部材73は、歯部28の次の歯が歯部27の各歯によって係合されるとき(二重矢印48)、第二の駆動部分72を軸方向の出発位置に戻るよう強いる。
【0120】
停止部材26の次の歯と係合する駆動構成部材20の第二の駆動部分72の歯は、使用者に対して聞き取れる及び/又は触れることができるフィードバックを引き起こし得る。