(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6000473
(24)【登録日】2016年9月9日
(45)【発行日】2016年9月28日
(54)【発明の名称】基板上への電解金属の垂直堆積装置
(51)【国際特許分類】
C25D 17/00 20060101AFI20160915BHJP
C25D 17/12 20060101ALI20160915BHJP
C25D 21/00 20060101ALI20160915BHJP
C25D 7/12 20060101ALI20160915BHJP
C25D 17/06 20060101ALN20160915BHJP
【FI】
C25D17/00 J
C25D17/12 Z
C25D21/00 J
C25D7/12
!C25D17/06 C
【請求項の数】24
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-548333(P2015-548333)
(86)(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公表番号】特表2016-504500(P2016-504500A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2013075425
(87)【国際公開番号】WO2014095356
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年6月18日
(31)【優先権主張番号】12075142.5
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300081877
【氏名又は名称】アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Atotech Deutschland GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(72)【発明者】
【氏名】レイ ヴァインホルト
(72)【発明者】
【氏名】フェアディナント ヴィーナー
【審査官】
菅原 愛
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−127799(JP,A)
【文献】
特開2005−259942(JP,A)
【文献】
特開2006−225688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 5/00− 9/12
C25D13/00−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解金属の基板上への垂直堆積装置において、
互いに平行となるように垂直に配置された少なくとも1つの第1の装置要素および第2の装置要素を備え、
前記第1の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、
前記第2の装置要素が、処理する少なくとも1つの第1の基板を受容するように構成された少なくとも1つの第1の基板ホルダーを含み、前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、前記処理する少なくとも1つの第1の基板の受容後にその外枠に沿って、当該基板の少なくとも一部を囲んでおり、
前記第2の装置要素は、前記第1の装置要素の前記第1のアノード要素側に設けられており、前記少なくとも1つの第1の装置要素の前記第1のアノード要素と前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲であり、
前記第1の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通しており、
前記第1の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の表面上の垂線に関して0°〜80°の角度を有する直線の形態で当該第1のアノード要素を貫通しており、
前記第1の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路、および前記第1の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、前記基板の中心軸に関して対称に配置されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
垂直堆積する電解金属が銅であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記処理する少なくとも1つの第1の基板が、丸型、角型、または丸型および角型構造要素の混合であり、および/または
前記処理する少なくとも1つの第1の基板が、丸型構造の場合は50mm〜1000mmの範囲の直径を有し、角型構造の場合は10mm〜1000mmの範囲の辺長を有しており、および/または
前記処理する少なくとも1つの第1の基板が、プリント配線板、プリント配線箔、半導体ウェハ、太陽電池、光電セル、またはモニタセルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
第3の装置要素であって、前記第2の装置要素が前記第1の装置要素と当該第3の装置要素との間に配置されるように、当該第1の装置要素および当該第2の装置要素に平行となるように垂直に配置された、第3の装置要素をさらに備え、
前記第3の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、
前記第2の装置要素は、前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素側に設けられており、前記少なくとも1つの第3の装置要素の前記第1のアノード要素と前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲であり、
前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通しており、
前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の表面上の垂線に関して0°〜80°の角度を有する直線の形態で当該第1のアノード要素を貫通しており、
前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路、および前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、前記基板の中心軸に関して対称に配置されている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素が、複数の貫通管路を有し、当該第1の装置要素および/または当該第3の装置要素の前記少なくとも1つの第1のアノード要素に取り外し可能に接続されたマスキング要素をさらに備え、
前記マスキング要素の表面上における前記複数の貫通管路の分布が均等または不均等であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記マスキング要素は、前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記少なくとも1つの第1の支持要素にも取り外し可能に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素が、前記少なくとも1つの第1のアノード要素側の前面上に複数の突起をさらに備え、
前記第1の支持要素の前記突起が、当該突起の表面が前記第1のアノード要素の表面と整列するように、当該第1のアノード要素の前記貫通管路に嵌入しており、
前記第1の支持要素の前記貫通管路が、前記突起全体にわたって直線的に延びたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
一方側の前記第2の装置要素と他方側の前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素との間において、前記処理する基板の処理面と平行な方向の相対移動を生じさせる手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の装置要素および/もしくは前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素が、少なくとも外側のアノード部分と内側のアノード部分とを備え、各アノード部分が互いに独立して電気的に制御または調整可能であり、前記外側のアノード部分、前記内側のアノード部分、および/または前記第1のアノード要素の中心周りの領域が、貫通管路なしで構成されたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の表面上の垂線に関して10°〜60°の角度を有する直線の形態で当該第1のアノード要素を貫通することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素の前記複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の中心周りの同心円の形態で当該第1のアノード要素の表面上に配置されており、および/または
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路が、当該第1の支持要素の中心周りの同心円の形態で当該第1の支持要素の表面上に配置されたことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の支持要素の中心周りの同心円の内側の前記貫通管路が、異なる角度を有しており、および/または
前記第1の支持要素の中心周り近傍に配置された第1の同心円の内側の前記貫通管路が、当該第1の支持要素の中心周りの当該第1の同心円よりも外側にある少なくとも1つの第2の同心円の内側の当該貫通管路よりも小さな角度を有していることを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の支持要素の表面上の垂線に関して、隣の各貫通管路と反対の角度を有している第2の貫通管路が配置された同心円の部分を含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記同心円の第2の貫通管路がそれぞれ、前記支持要素の表面上の垂線に関して、隣の各貫通管路と反対の角度を有していることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の貫通管路より外部のすべての同心円の内側の前記貫通管路が、より大きな角度を有することを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の貫通管路より外部のすべての同心円の内側の前記貫通管路が、すべて同じ大きな角度を有することを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通しており、
前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路と対向する前記第1の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路の角度が、同一かまたは相違することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の装置要素および/または前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して25°〜50°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通していることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路と対向する前記第1の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路の角度が同一であることを特徴とする、請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°の角度を有する直線の形態で当該支持要素を貫通している複数の貫通管路を備えた前記第1の装置要素の当該第1の支持要素および前記第3の装置要素の当該第1の支持要素の両者が、当該第1の装置要素の当該第1の支持要素の当該複数の貫通管路が当該第3の装置要素の当該第1の支持要素の当該複数の貫通管路と同様かまたは別様に分布するように、互いに平行となるように垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置を用いた、電解金属の基板上への垂直堆積方法において、
i)互いに平行となるように垂直に配置された少なくとも1つの第1の装置要素および第2の装置要素を備え、
前記第1の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、
前記第2の装置要素が、処理する少なくとも1つの第1の基板を受容するように構成された少なくとも1つの第1の基板ホルダーを備え、前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、前記処理する少なくとも1つの第1の基板の受容後にその外枠に沿って、当該基板の少なくとも一部を囲んでおり、前記第2の装置要素は、前記第1の装置要素の前記第1のアノード要素側に設けられており、前記少なくとも1つの第1の装置要素の前記第1のアノード要素と前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置を用意する方法ステップと、
ii)前記第1の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路を通った後、当該第1の装置要素の前記第1のアノード要素の前記貫通管路を通り、前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーに受容された前記処理する少なくとも1つの第1の基板における当該第1の装置要素の当該第1のアノード要素のアノード表面側の面まで処理溶液の体積流を導く方法ステップと、
iii)前記処理する少なくとも1つの第1の基板の処理面と平行な2つの方向に前記第2の装置要素を移動させる方法ステップであって、当該処理する少なくとも1つの第1の基板を移動させる当該2つの方向が互いに直交しており、および/または前記処理する少なくとも1つの第1の基板を振動させる、方法ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
方法ステップi)において、第3の装置要素をさらに設け、前記第2の装置要素が前記第1の装置要素と当該第3の装置要素との間に配置され、当該第3の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、前記第2の装置要素は、前記第3の装置要素の前記第1のアノード要素側に設けられており、前記少なくとも1つの第3の装置要素の前記第1のアノード要素と前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲であり、
方法ステップii)において、前記第3の装置要素の前記第1の支持要素の前記貫通管路を通った後、当該第3の装置要素の前記第1のアノード要素の前記貫通管路を通り、前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーに受容された前記処理する少なくとも1つの第1の基板における当該第3の装置要素の当該第1のアノード要素のアノード表面側の面まで処理溶液の第2の体積流を導き、
方法ステップiii)において、前記第1の装置要素と前記第3の装置要素との間で、前記処理する少なくとも1つの第1の基板の処理面と平行な2つの方向に前記第2の装置要素を移動させ、当該処理する少なくとも1つの第1の基板を移動させる当該2つの方向が互いに直交しており、および/または前記処理する少なくとも1つの第1の基板を振動させる
ことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記処理する少なくとも1つの第1の基板を、当該基板の処理面と平行な円形パス上を移動させることを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
垂直堆積する電解金属が銅であることを特徴とする、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置に関する。本発明はさらに、このような装置を用いた、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハから半導体集積回路等の半導体デバイスを製造するには通常、ウェハ上に複数の金属層を形成することによって、集積回路の種々デバイスを電気的に相互接続する必要がある。電気メッキ金属としては通常、銅、ニッケル、金、および鉛が挙げられる。通常の電気メッキ装置においては、装置の反応器内の電気メッキ溶液に装置のアノード(消耗品または非消耗品)を浸すことにより、ワークピースの表面に所望の電位を発生させて金属堆積を実現する。これまで採用されているアノードは通常、大略ディスク状の構成であり、アノードの大略上方に間隔を空けて配置された穿孔拡散板を介して、アノードの周辺に電気メッキ溶液が案内される。電気メッキ溶液は、拡散板を通り、当該拡散器上の適所に保持された関連するワークピースに対して流れる。金属堆積の均一性は、表面上への金属の堆積に際してワークピースを回転駆動することにより向上する。
【0003】
電気メッキの後、通常の半導体ウェハ等のワークピースは、多数の個別の半導体コンポーネントに細分される。コンポーネントごとに所望のメッキ均一性を実現しつつ、各コンポーネントにおいて所望の回路構成を実現するには、ワークピースの表面全体で極力均一な厚さに各金属層を形成するのが望ましい。ただし、各ワークピースは通常、電気メッキ装置の回路 において、その周辺部で接合されている(通常、ワークピースがカソードとして機能する)ため、ワークピースの表面全体で電流密度を変化させることが必須となる。従来は、金属堆積の均一性を向上させる試みとして、拡散器等の流れ制御装置を電気メッキ反応器内に配置することにより、ワークピースに対して電気メッキ溶液の流れを案内および制御していた。
【0004】
ただし、市場においては依然として、電解金属の堆積、特に電解金属の垂直堆積のための改良された装置および当該改良された新たな装置を用いる方法の提供が強く求められている。
【0005】
通常、既知の装置および方法には、上記のような電解金属の不均一な堆積という大きな欠点がある。さらに、このような既知の装置および方法は一般的に、処理する基板の相互接続孔における電解金属の架橋を首尾よく効果的に行った後、短絡等の既知の技術的不都合を生じる閉鎖空隙、ガス、電解液等の発生なく孔を充填する機能が大きく制限されている。プリント配線板、ウェハ等の基板における止まり孔の充填に関しても同じ問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の従来技術を考慮して、本発明の目的は、既知の従来技術装置に関する上述の欠点がない、基板上への電解金属の垂直堆積装置を提供することにある。
【0007】
したがって、基板の少なくとも一方の面において、その表面全体に不均一な部分または厚さの勾配がないように均一に電解金属を堆積させる方法が必要である。
【0008】
また、本発明の別の目的は、基板の一方の面上への電解金属の堆積のみならず、当該基板中の止まり孔の充填も可能な装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的および明記はしていないが導入として本明細書に記載の関連性から直ちに導出または認識可能なその他の目的については、請求項1のすべての特徴を有する装置によって達成される。本考案装置の然るべき改良は、従属請求項2〜13において保護される。さらに、請求項14は、このような装置を用いた、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積方法を含み、本考案方法の然るべき改良は、従属請求項15に含まれる。
【0010】
したがって、本発明は、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置において、互いに平行となるように垂直に配置された少なくとも1つの第1の装置要素および第2の装置要素を備え、前記第1の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、前記少なくとも1つの第1のアノード要素および前記少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、前記第2の装置要素が、処理する少なくとも1つの第1の基板を受容するように構成された少なくとも1つの第1の基板ホルダーを備え、前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、前記処理する少なくとも1つの第1の基板の受容後にその外枠に沿って、当該基板の少なくとも一部、好適には全部を囲んでおり、前記少なくとも1つの第1の装置要素の前記第1のアノード要素と前記第2の装置要素の前記少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲であることを特徴とする装置を提供する。
【0011】
これにより、予見し得ない様態にて、既知の従来技術装置に関する上述の欠点がない、基板上への電解金属の垂直堆積装置を提供することができる。
【0012】
上記に加えて、本発明の装置は、基板の少なくとも一方の面において、その表面全体に不均一な部分または厚さの勾配がないように均一に電解金属を堆積させる方法を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、基板の一方の面上への電解金属の堆積のみならず、当該基板中の止まり孔の充填も可能な装置を提供する。
【0014】
また、本発明の装置は、少なくとも1つの第1のアノード要素および少なくとも1つの第1の支持要素の複数の貫通管路が、処理する基板の表面の中心から当該処理する基板の外縁に向かう可能な限り大きな処理溶液の一定の体積流量を生じる処理溶液、特に従来技術において既知の電解溶液の適当な一定の体積流量を生成するのに役立つ装置を提供する。
【0015】
また、本発明の目的、特徴、および利点については、添付の図面と併せて以下の説明を読むことにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の好適な一実施形態に係る第1の装置要素の第1のアノード要素の模式的な正面図である。
【
図2】本発明の好適な一実施形態に係る第1の装置要素の第1の支持要素の模式的な背面図である。
【
図3】本発明の好適な一実施形態に係る第1の装置要素の第1の支持要素の貫通管路の考え得る一分布を示した模式図である。
【
図4】本発明の好適な一実施形態に係る第1または第3の装置要素の両者の第1の支持要素を併せた第1のアノード要素の模式的な正面図である。
【
図5】本発明の好適な一実施形態に係る第1または第3の装置要素の両者の第1の支持要素を併せた第1のアノード要素の正面斜視図である。
【
図6a】本発明の好適な一実施形態に係る貫通管路の分布が均等なマスキング要素の正面図である。
【
図6b】本発明の好適な一実施形態に係る貫通管路の分布が不均等なマスキング要素の正面図である。
【
図7a】本発明の好適な一実施形態に係る複数の突起を備えた第1の支持要素の正面図である。
【
図7b】本発明の好適な一実施形態に係る複数の突起を備えた第1の支持要素の斜視図である。
【
図7c】本発明の好適な一実施形態に係る複数の突起を備えた第1の支持要素の斜視図の一部を示した分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書において、用語「電解金属」は、本発明に係る、基板上への電解金属の垂直堆積装置に適用する場合、このような垂直堆積方法に適することが知られた金属を表す。そのような電解金属としては、金、ニッケル、および銅が挙げられ、好ましくは銅である。
【0018】
なお、処理する基板に対する電解液の体積流量が一定となるように、少なくとも1つの第1のアノード要素の各貫通管路は、少なくとも1つの第1の支持要素の少なくとも1つの各貫通管路と整列している必要がある。
【0019】
本明細書において、用語「堅く接続」は、少なくとも1つの第1の支持要素と当該支持要素の前方にある少なくとも1つの第1のアノード要素とを大きな距離を隔てずに接続することを表す。無視できない程の大きな距離が存在すると、支持要素の貫通管路を通過してから第1のアノード要素の各貫通管路に到達するまでに電解液の流れが広がって、都合が悪い。
【0020】
堅く接続された第1の支持要素と第1のアノード要素との間のこのような距離は、50mm未満、好ましくは25mm未満、より好ましくは10mm未満であれば都合が良いことが分かっている。
【0021】
本発明の意味においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素の少なくとも一部、好ましくは全部が当該第1の装置要素および/または当該第3の装置要素の少なくとも1つの第1の支持要素に囲まれ、少なくとも1つの第1の支持要素の少なくとも1つの第1のアノード要素側の面が、当該少なくとも1つの第1の支持要素および当該少なくとも1つの第1のアノード要素の上縁が整列または非整列、好ましくは整列となるように当該少なくとも1つの第1のアノード要素を収容する空洞を有するのが好適であることが分かる。
【0022】
このような装置は、第1の支持要素および第1のアノード要素の上縁の好適な整列に基づいて、第1の装置要素の配置が非常にコンパクトとなる。このように、第1のアノード要素は、従来技術において知られているように第1の支持要素から間隔を空けた当該装置の別個の部品ではなく、装置が小型化されてコスト削減につながる均一な装置ユニットを表す。第1のアノード要素は、第1の装置要素全体の安定性にも対応する。
【0023】
本明細書において、第1のアノード要素と対向する基板ホルダーとの間の距離は、当該第1のアノード要素の表面から対向する当該基板ホルダーの表面まで延びた垂線の長さとして測定される。
【0024】
一実施形態において、少なくとも1つの第1のアノード要素は、チタンまたは酸化イリジウムで被覆した材料を含む不溶性のアノードである。
【0025】
一実施形態において、処理する少なくとも1つの第1の基板は、丸型、好ましくは円形、もしくは角型、好ましくは長方形、正方形、または三角形等の多角形、または半円等の丸型および角型構造要素の混合であり、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板が、丸型構造の場合は50mm〜1000mm、好ましくは100mm〜700mm、より好ましくは120mm〜500mmの範囲の直径を有し、角型、好ましくは多角形構造の場合は10mm〜1000mm、好ましくは25mm〜700mm、より好ましくは50mm〜500mmの範囲の辺長を有しており、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板が、プリント配線板、プリント配線箔、半導体ウェハ、ウェハ、太陽電池、光電セル、フラットパネルディスプレイ、またはモニタセルである。処理する第1の基板は、ガラス、プラスチック、成形化合物、またはセラミック等の1つの材料または異なる材料の混合物で構成可能である。
【0026】
さらに、本発明によれば、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の全体形状は、処理する基板および/または第2の装置要素の基板ホルダーの全体形状に適応させたものとすることも可能である。これにより、電解金属の堆積は、装置構成の所要条件を抑えることによって、より効率的かつ低コストにすることができる。
【0027】
本発明の別の実施形態において、この装置は、第3の装置要素であって、第2の装置要素が第1の装置要素と当該第3の装置要素との間に配置されるように、当該第1の装置要素および当該第2の装置要素に平行となるように垂直に配置された、第3の装置要素をさらに備え、当該第3の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、少なくとも1つの第1のアノード要素および少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、少なくとも1つの第3の装置要素の第1のアノード要素と第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲である。
【0028】
また、第1の装置要素と同じであるか、または異なり得るこのような第3の装置要素を設けることによって、驚くべきことには、既知の従来技術装置とは対照的に、本発明の装置が、第2の装置要素の処理する基板の両面上への金属、特に銅の堆積のみならず、第2の装置要素の処理する基板の相互接続孔における電解金属の架橋を首尾よく効果的に行った後、閉鎖空隙、ガス、電解液等の発生なく孔を充填するのにも適することが分かっている。
【0029】
好適な一実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素が、複数の貫通管路を有し、当該第1の装置要素および/または当該第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素、ならびに好ましくは当該第1の装置要素および/または当該第3の装置要素の少なくとも1つの第1の支持要素にも取り外し可能に接続されたマスキング要素をさらに備え、マスキング要素の表面上における複数の貫通管路の分布が均等または不均等である。
【0030】
第1および/または第3の装置要素の第1のアノード要素それぞれの前方に設置および配置されたこのようなマスキング要素は、第1のアノード要素から処理する基板に至る電界の分布および形成に影響を及ぼす。このように、マスキング要素は、使用を意図した処理する基板の種類に応じて、最も有効である所望の均一な電界分布が生成され、その結果として処理する基板の表面上に最も有効である均一な電解金属が堆積するように、上記電界に影響を及ぼすことができる。
【0031】
また、電解金属堆積プロセスにおいて、様々な所望の電解金属堆積密度領域を生成することにより、異なる密度の止まり孔および/または貫通接続ビアを備えた様々な領域を含む処理基板を取り扱うことも可能である。したがって、マスキング要素は、処理する基板の表面および/もしくは構造組成またはレイアウトに応じて個別に設計可能である。
【0032】
このような個別の設計は、一種の個別穿孔構造を有するマスキング要素の貫通管路の意図する特定の分布によって生み出すことができる。マスキング要素は、有効となるために第1のアノード要素と少なくとも同じ寸法のサイズを有することによって、望ましくない電界のエッジ効果を回避するものとする。
【0033】
本発明は、0.1〜30m/s、好ましくは0.5〜20m/s、より好ましくは1〜10m/sの範囲で処理溶液の体積流速を一定にした装置を提供する。
【0034】
処理する基板の中心の表面から当該処理する基板の外縁に流れる処理溶液の全体積は、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1の支持要素および少なくとも1つの第1のアノード要素の貫通管路を通って付加的な体積流が基板表面に到達し、基板の中心から外縁まで基板表面を既に通過した体積流と結合するという事実により、常に増加する。
【0035】
第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1の支持要素の総厚は、4mm〜25mm、好ましくは6mm〜18mm、より好ましくは8mm〜12mmの範囲である。一方、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素の総厚は、1mm〜20mm、好ましくは2mm〜10mm、より好ましくは3mm〜5mmの範囲である。
【0036】
第2の装置要素の処理する基板の各面と対向する第1および/または第3の装置要素の両者の少なくとも1つの第1の支持要素および少なくとも1つの第1のアノード要素の面が、当該第1および/または第3の装置要素の両者の当該少なくとも1つの第1の支持要素と当該少なくとも1つの第1のアノード要素との高さの違いの形態の障害なく均一な平坦表面を有するという事実に起因する当該第1および/または第3の装置要素の当該少なくとも1つの第1のアノード要素の総厚に関する上述の制限は、当該第1および/または第3の装置要素の両者の当該少なくとも1つの第1の支持要素および当該少なくとも1つの第1のアノード要素の上縁の整列によって対応される。
【0037】
本発明の好適な一実施形態において、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素の貫通管路は、導電性添加剤で被覆可能である。
【0038】
本発明の好適な一実施形態において、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路は、0.2mm〜10mm、好ましくは1mm〜8mm、より好ましくは2mm〜5mmの範囲で同じかまたは異なる平均直径を有し得る。
【0039】
本発明の好適な一実施形態において、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素および/または少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路は、同じかまたは異なる長さを有し得る。本発明の好適な一実施形態において、第1の装置要素と第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離は、2〜15mm、好ましくは3〜11mm、より好ましくは4〜7mmの範囲である。
【0040】
特許請求の範囲に含まれる、基板上への電解金属の垂直堆積装置は、第1および/または第3の装置要素の第1のアノード要素と第2の装置要素の処理する基板の表面との間の距離が当該第1および/または第3の装置要素の当該第1のアノード要素と当該第2の装置要素の基板ホルダーとの間の距離よりも大きい。以上から、外縁においては、第1および/または第3の装置要素の第1のアノード要素と第2の装置要素との間の距離が特に円錐状に縮まって、外縁側への体積流速が増大する。これにより、垂直配置された装置による高さの違いに起因する静圧の差は、処理溶液の体積流の圧力の動的部分と比較して、一般的に無視可能となる。
【0041】
本発明の別の実施形態において、第1の装置要素と第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離は、連続的に一定とならないように配置することも可能である。これにより、処理する基板の全体に、金属、特に銅の堆積厚さの勾配を意図的に作ることも可能である。
【0042】
さらに別の実施形態において、この装置は、一方側の第2の装置要素と他方側の第1の装置要素および/または第3の装置要素との間において、処理する基板の処理面と平行な方向の相対移動を生じさせる手段をさらに備える。
【0043】
このような振動運動によれば、第2の装置要素の処理する基板の表面上における電解金属、特に銅の全堆積厚さの分布がより均一化されるため都合が良い。このような振動運動を行わなければ、第2の装置要素の処理する基板の表面に処理溶液の体積流が貫通管路を介して直接到達しない当該第2の装置要素の当該処理する基板の表面の部位において金属、特に銅の堆積が少なくなるのに比べて、当該第2の装置要素の当該処理する基板の表面に処理溶液の体積流が貫通管路を介して直接到達する当該表面の部位においては、金属、特に銅の堆積が多くなることから、当該表面上における金属、特に銅の厚さが不均一となる最悪のシナリオが考えられる。上記のような振動運動を適用することによって、上述の悪影響を克服可能である。
【0044】
一実施形態においては、第1の装置要素および/もしくは第3の装置要素の第1のアノード要素が、少なくとも2つの部分を備え、アノード要素の各部分が互いに独立して電気的に制御および/もしくは調整可能であり、ならびに/またはアノード部分、好ましくは最も外側のアノード部分、および/もしくはアノード部分の内側、好ましくは当該最も外側のアノード部分の内側、の外部領域、および/もしくは第1のアノード要素の中心周りの領域が、貫通管路なしで構成される。ここで、これらのアノード部分間には、非導電層および/または中間空間が存在可能である。
【0045】
特に、最も外側の部分ならびに/または第1および/もしくは第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素のアノード部分の内側の最も外側の領域等、処理する基板の表面の所望部位における金属、特に銅の堆積を抑制するには、電流の制御および/または調整が好都合となる可能性がある。
【0046】
最も外側のアノード部分ならびに/または第1および/もしくは第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素の最も外側のアノード部分の内側のアノード領域は、アノード要素の全表面積の少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%の割合の表面積を含むことができる。
【0047】
最も内側のアノード部分ならびに/または第1および/もしくは第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素の最も内側のアノード部分の内側のアノード領域は、アノード要素の全表面積の少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%の割合の表面積を含むことができる。
【0048】
一実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1のアノード要素の複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の表面上の垂線に関して0°〜80°、好ましくは10°〜60°、より好ましくは25°〜50°、または0°の角度を有する直線の形態で当該第1のアノード要素を貫通している。第1のアノード要素の貫通管路は一般的に、丸型、好ましくは楕円形の断面、および/または長円孔の断面を有し、当該長円孔が好ましくは第1のアノード要素の中心から外側に配向可能である。
【0049】
第1または第3の装置要素の少なくとも1つの第1のアノード要素は、当該第1または第3の装置要素の当該少なくとも1つの第1のアノード要素および少なくとも1つの第1の支持要素を貫通する少なくとも1つの固定要素を備える。第1および/または第3の装置要素に2つ以上のアノード要素および/または2つ以上のアノード部分が設けられている場合は、当該第1および/または第3の装置要素のアノード要素および/またはアノード部分ごとに少なくとも1つの固定要素を独立して設けることが意図され得る。さらに、本発明の意味においては、これらの固定要素が同時に、第1および/または第3の装置要素の少なくとも1つのアノード要素および/またはアノード部分の電気コンタクト要素を提供することも意図され得る。
【0050】
一実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1のアノード要素の複数の貫通管路が、当該第1のアノード要素の中心周りの同心円の形態で当該第1のアノード要素の表面上に配置されており、および/または第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1の支持要素の複数の貫通管路が、当該第1の支持要素の中心周りの同心円の形態で当該第1の支持要素の表面上に配置されている。
【0051】
第2の装置要素の処理する基板が角型、好ましくは長方形、正方形、または三角形等の多角形、または半円等の丸型および角型構造要素の混合である場合は、第1および/または第3の装置要素の第1の支持要素および/または第1のアノード要素における上述の同心円の貫通管路のほかに特定の貫通管路を追加することによって、当該第2の装置要素の処理する基板の縁部および角部にも十分かつ有効な入射体積流を延長するのが好都合である。ここで特に、これらの付加的な貫通管路は、第1および/または第3の装置要素の第1の支持要素および/または第1のアノード要素の中心に関してそれぞれ点対称に配置される。
【0052】
一実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1の支持要素の複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°、好ましくは25°〜50°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通している。
【0053】
別の実施形態においては、第1の支持要素の中心周りの同心円の内側の貫通管路が、異なる角度を有し、好ましくは当該同心円の一部を含み、第2の貫通管路がそれぞれ、当該支持要素の表面上の垂線に関して先行する各貫通管路と反対の角度を有し、より好ましくは当該同心円の第2の貫通管路がそれぞれ、当該支持要素の表面上の垂線に関して先行する各貫通管路と反対の角度を有しており、および/または第1の支持要素の中心周り近傍に配置された第1の同心円の内側の貫通管路が、当該第1の支持要素の中心周りの当該第1の同心円よりも外側にある少なくとも1つの第2の同心円の内側の当該貫通管路よりも小さな角度を有し、好ましくは第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1の支持要素の貫通管路より外部のすべての同心円の内側の貫通管路が、より大きな角度、特にすべて同じ大きな角度を有する。第1の支持要素の貫通管路は一般的に、丸型、好ましくは円形の断面を有し得る。
【0054】
一実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1の支持要素の複数の貫通管路が、当該支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°、好ましくは25°〜50°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通しており、第3の装置要素の第1の支持要素の貫通管路と対向する第1の装置要素の第1の支持要素の貫通管路の角度が、同一かまたは相違し、好ましくは同一である。
【0055】
驚くべきことには、第3の装置要素の第1の支持要素の貫通管路と対向する第1の装置要素の第1の支持要素の貫通管路の角度が同一である場合に、処理する基板中の止まり孔の充填が最も効率的に作用して都合が良い一方、角度が相違する場合には充填の結果が不良となり、角度が最大限に相違する場合に充填も最悪となることが分かっている。
【0056】
一実施形態においては、第1の支持要素の表面上の垂線に関して10°〜60°、好ましくは25°〜50°の角度を有する直線の形態で当該第1の支持要素を貫通している複数の貫通管路を備えた第1の装置要素の当該第1の支持要素および第3の装置要素の当該第1の支持要素の両者が、当該第1の装置要素の当該第1の支持要素の当該複数の貫通管路が当該第3の装置要素の当該第1の支持要素の当該複数の貫通管路と同様かまたは別様に分布するように、互いに平行となるように垂直に配置されており、および/または第3の装置要素の第1の支持要素の複数の貫通管路に対する第1の装置要素の第1の支持要素の複数の貫通管路の特定配向を設定するため、上記垂直配置の平行平面の内側で当該第1の装置要素および当該第3の装置要素が互いに回転される。
【0057】
驚くべきことには、第1および/または第3の装置要素の第1の支持要素の貫通管路が円形の断面を有し、それぞれの第1のアノード要素の貫通管路が長円孔の断面を有し、当該長円孔が第1のアノード要素の中心から外側に配向している場合に特に都合が良いことが分かっている。このような幾何学的配置には、前方にある第1のアノード要素の下方における第1の支持要素の貫通管路から、当該第1のアノード要素の真っ直ぐな長円孔(角度0°)を通り、最終的に当該第1のアノード要素の長円孔から流出して、処理する基板の表面上に至る処理溶液の体積流を生成可能であるという利点がある。ここで、処理溶液の体積流は、支持要素の表面上の垂線に関して平行でも垂直でもなく、処理する基板の表面上に至る。
【0058】
より好適な別の実施形態においては、第1の装置要素および/または第3の装置要素の第1の支持要素が、少なくとも1つの第1のアノード要素側の前面上に複数の突起をさらに備え、第1の支持要素の突起が、好ましくは当該突起の表面が第1のアノード要素の表面と整列するように、当該第1のアノード要素の貫通管路に嵌入しており、第1の支持要素の貫通管路が、突起全体にわたって直線的に延びている。
【0059】
このような突起には、処理溶液源からの流体の流れが、前方にある第1のアノード要素の上方における第1の支持要素の貫通管路を始点とすることができるという利点がある。したがって、第1のアノード要素は、第1の支持要素の各突起の形態の貫通管路を備えることによって、当該突起が貫通管路に正確に嵌入できるようにする必要がある。
【0060】
このように、処理溶液の体積流は、第1および/または第3の装置要素の最終表面を直接出て、支持要素の表面上の垂線に関して平行でも垂直でもなく、処理する基板の表面上に至る。これは、このような突起がない場合よりも第1のアノード要素それぞれの貫通管路のサイズおよび寸法を小さく選定できるという事実から、特に都合が良い。以上から、このような突起を利用することによって、アノード表面の喪失を低減可能であり、理想的には最小化可能である。
【0061】
別の利点として、処理溶液の体積流のいわゆる「再循環領域」が第1のアノード要素の貫通管路の側壁によって減少することはない。従来技術においては一般的に、溶液の体積流の一部が逆流することによって、体積流自体が長くなり、その延長方向に集中することが知られている。第1のアノード要素の貫通管路の側壁等の障害物が処理溶液の体積流の再循環領域の妨げになると、体積流は、集中せずに広がって、処理する基板の表面に不確定に到達する可能性がある。これは、第1のアノード要素の貫通管路のサイズおよび寸法を大幅に増大することによってのみ克服可能であるが、逆に、必要なアノード表面が大幅に失われることになる。あるいは、上記突起を適用することによっても克服可能であり、第1のアノード要素の上面が当該突起の上面と整列する。
【0062】
さらに、本発明の目的は、上記のような装置を用いた、電解金属、好ましくは銅の、基板上への垂直堆積方法において、
i)互いに平行となるように垂直に配置された少なくとも1つの第1の装置要素および第2の装置要素を備え、第1の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、少なくとも1つの第1のアノード要素および少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、第2の装置要素が、処理する少なくとも1つの第1の基板を受容するように構成された少なくとも1つの第1の基板ホルダーを備え、少なくとも1つの第1の基板ホルダーが、処理する少なくとも1つの第1の基板の受容後にその外枠に沿って、当該基板の少なくとも一部、好ましくは全部を囲んでおり、少なくとも1つの第1の装置要素の第1のアノード要素と第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲である、先行請求項のいずれか一項に記載の装置を用意する方法ステップと、
ii)第1の装置要素の第1の支持要素の貫通管路を通った後、当該第1の装置要素の第1のアノード要素の貫通管路を通り、第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーに受容された処理する少なくとも1つの第1の基板における当該第1の装置要素の当該第1のアノード要素のアノード表面側の面まで処理溶液の体積流を導く方法ステップと、
iii)処理する少なくとも1つの第1の基板の処理面と平行な2つの方向に第2の装置要素を移動させる方法ステップであって、当該処理する少なくとも1つの第1の基板を移動させる当該2つの方向が互いに直交しており、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板を振動させて、好ましくは当該基板の処理面と平行な円形パス上を移動させる、方法ステップと、
を特徴とする方法によって達成される。
【0063】
本発明においては、処理溶液の流入が、可能であれば同一かまたは少なくとも相対的に同様の圧力で少なくとも1つの第1の支持要素の背面上の貫通管路の開口に到達することにより、同一かまたは少なくとも相対的に同様の体積流量および体積流速を有し、第1および/または第3の装置要素の両者について、第1に少なくとも1つの第1の支持要素の貫通管路を通り、第2に少なくとも1つの第1のアノード要素の貫通管路を通って、第2の装置要素の処理する基板の表面に到達する体積流量を一定にしたものであれば都合が良いことが分かっている。
【0064】
方法の好適な一実施形態において、この方法は、方法ステップi)において、第3の装置要素をさらに設け、第2の装置要素が第1の装置要素と当該第3の装置要素との間に配置され、当該第3の装置要素が、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1のアノード要素と、複数の貫通管路を有する少なくとも1つの第1の支持要素とを備え、少なくとも1つの第1のアノード要素および少なくとも1つの第1の支持要素が互いに堅く接続され、少なくとも1つの第3の装置要素の第1のアノード要素と第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーとの間の距離が2〜15mmの範囲であり、
方法ステップii)において、第3の装置要素の第1の支持要素の貫通管路を通った後、当該第3の装置要素の第1のアノード要素の貫通管路を通り、第2の装置要素の少なくとも1つの第1の基板ホルダーに受容された処理する少なくとも1つの第1の基板における当該第3の装置要素の当該第1のアノード要素のアノード表面側の面まで処理溶液の第2の体積流を導き、
方法ステップiii)において、第1の装置要素と第3の装置要素との間で、処理する少なくとも1つの第1の基板の処理面と平行な2つの方向に第2の装置要素を移動させ、当該処理する少なくとも1つの第1の基板を移動させる当該2つの方向が互いに直交しており、および/または処理する少なくとも1つの第1の基板を振動させて、好ましくは当該基板の処理面と平行な円形パス上を移動させる、
ことを特徴とする。
【0065】
この方法の別の利点として、電解液の体積流速、電流密度の調整および/もしくは制御ならびに/または電解液の選択により、処理する基板中の相互接続孔を閉塞する架橋プロセス(高電流密度[9Adm
2]および体積流速(第1の電解液))またはこのような架橋プロセス等により生成された止まり孔の充填プロセス(低電流密度[5Adm
2]および体積流速(第2の電解液))を促進することが可能である。
【0066】
以上のように、本発明は、電解金属、好適には銅の、基板上への垂直堆積装置およびこのような装置を用いた方法を提供することによって、従来技術に関する上述の欠点を首尾よく克服するという課題に対処している。
【0067】
以下の非限定的な例は、本発明の好適な実施形態を説明するために提供しており、第1の装置要素の第1のアノード要素が当該第1の装置要素の第1の支持要素に完全に囲まれ、第1の支持要素の第1のアノード要素側の面が、当該第1の支持要素および当該第1のアノード要素の上縁が整列となるように当該第1のアノード要素を収容する空洞を有する。
【0068】
ここで図面を参照して、
図1は、好適な一実施形態に係る第1または第3の装置要素の第1のアノード要素15の模式的な正面図であって、第1のアノード要素15の第1のアノード部分2と、第1のアノード要素15の第2のアノード部分3と、第1のアノード要素15の第1および第2のアノード部分2、3間の中間空間4とを備える。
【0069】
さらに、
図1は、第1のアノード部分2の内側に、第1のアノード要素15の当該第1のアノード部分2の4つの異なる固定・電気コンタクト要素5を示す一方、第1のアノード要素15の第2のアノード部分3の内側に、4つの異なる固定・電気コンタクト要素6を示している。ここで、これら4つの異なる固定・電気コンタクト要素6は、第1のアノード要素15の円形の第2のアノード部分3の外側に配置されているが、印加される電界の撹乱等のいくつかの不都合のため、本発明のより好適な一実施形態においては適用しないものとする。ただし、
図1に示す第1のアノード要素15については、本発明の主目的を満たすように首尾よく適用されている。
【0070】
また、
図1は、第1のアノード要素15の中心周りに円形に配置された当該第1のアノード要素15の第1のアノード部分2の複数の貫通管路7を示している。貫通管路は、長円孔の断面を有し、この長円孔は、第1のアノード要素の中心から外側に配向している。第1のアノード要素15の第1のアノード部分2の中心8および第1のアノード要素15の最も外側のアノード領域9(この場合は第2のアノード部分3に等しい)には、貫通管路が一切存在しない。
【0071】
図2は、好適な一実施形態に係る第1の装置要素の第1の支持要素10の模式的な背面図であって、第1の支持要素10の中心周りに円形かつ点対称に配置された貫通管路11と、固定要素12とを備える。貫通管路は、円形の断面を有する。さらに、他方側(支持要素10の前側)にある第1のアノード要素の第1のアノード部分の固定・電気コンタクト要素5’のほか、第1のアノード要素の第2のアノード部分6’の固定・電気コンタクト要素も認識できる。さらに特筆すべきこととして、第1の支持要素10の背面の中心には貫通管路が存在しないため、当然のことながら、前側にある第1の支持要素10の空洞(この図には示さず)に配置された隣接する第1のアノード要素の中心にも貫通管路は存在しない。
【0072】
図3は、好適な一実施形態に係る第1の装置要素の第1の支持要素10’の貫通管路11’の考え得る一分布を示した模式図であって、第1または第3の装置要素の第1の支持要素10’の内側に、当該第1の支持要素10’の固定要素12’と、当該第1の支持要素10’および第1のアノード要素の上縁が整列となるように当該第1のアノード要素を収容するのに適した空洞13とを備える。さらに、
図3は、第1の支持要素の表面上の垂線14を示しており、これは、当該垂線14に対する第1の支持要素10’の貫通管路11’の角度を測定するためのものである。これらの貫通管路11’は、支持要素10’の中心に最も近い位置で30°の角度を有し、その他の、より外側の貫通管路11’が40°を有していることが明示されている。ただし、これは、支持要素10’のある断面を図示したものである。すなわち、特に支持要素10’の中心周りの円形配置における隣の各貫通管路11’(
図3には示さず)は、
図3に示す貫通管路11’と同じかまたは異なる角度を有し得ることを意味する。
【0073】
図4および
図5は、好適な一実施形態に係る第1または第3の装置要素1、1’の両者の第1の支持要素10’’、10’’’を併せた第1のアノード要素の正面図および斜視図であって、第1のアノード要素の第1のアノード部分2’、2’’および第2のアノード部分3’、3’’を備え、当該第1のアノード要素の第1のアノード部分2’、2’’と第2のアノード部分3’、3’’との間に中間空間4’、4’’を有する。さらに、
図4および
図5は、第1のアノード要素の第1のアノード部分2’、2’’の固定・電気コンタクト要素5’’、5’’’と、第2のアノード部分3’、3’’の固定・電気コンタクト要素6’’、6’’’とを示している。
【0074】
また、
図4は、第1のアノード要素の第1のアノード部分2’の背後に配置され、当該第1のアノード部分2’の貫通管路7’の内側で交互に見られる第1の支持要素10’’の貫通管路11’’を示している。この表現「交互に」は、第1の支持要素10’’の中心周りの同心円の内側の第2の貫通管路11’’がそれぞれ、支持要素の表面上の垂線に関して、先行する各貫通管路11’’と反対の角度を有することを意味する。これに対して、
図5は、第1のアノード要素の第1のアノード部分2’’の貫通管路7’’のみを示している。
【0075】
図4および
図5は、第1のアノード要素の第1のアノード部分2’、2’’における貫通管路7’、7’’のない中心8’、8’’と、貫通管路のない第1のアノード要素の最も外側のアノード領域9’、9’’(この場合は第2のアノード部分3’、3’’に等しい)とをさらに示している。そして最後に、第1の支持要素10’’、10’’’の固定要素12’’、12’’’が存在する。本発明の本実施形態において、第1のアノード部分7’、7’’の貫通管路の最も外側の円は、処理溶液の入射体積流の生成および/または好影響の波及という目的を果たすことによって、第1のアノード要素の最も外側の領域(この場合は第2のアノード部分3’、3’’)であっても、電解金属、特に銅の堆積を適正に首尾よく行うことにより、特に第1の支持要素10’’、10’’’によって少なくとも一部、または本発明の好適な本実施形態のように全部が囲まれた第1のアノード要素の縁部まで処理溶液の入射体積流を導く。
【0076】
図6aおよび
図6bは、本発明の好適な一実施形態に係る貫通管路17、17’の分布が均等(
図6a)または不均等(
図6b)なマスキング要素16、16’の正面図である。さらに、
図6aおよび
図6bは、マスキング要素の固定要素18、18’を示している。
【0077】
図7aおよび
図7bは、複数の突起19を備えた本発明の好適な一実施形態に係る第1または第3の装置要素の第1の支持要素10’’’’の正面図および斜視図である。
図7aおよび
図7bは、第1のアノード要素の第1および第2のアノード部分間の中間空間4’’’をさらに示している(これらの図では、好適な第1の支持要素の前面を良好に図示するため、アノード部分を含んでいない)。さらに、第1のアノード要素の第1のアノード部分の固定要素および電気コンタクト要素5’’’’と、第1のアノード要素の第2のアノード部分の固定要素および電気コンタクト要素6’’’’とが存在する。したがって、第1の支持要素10’’’’は、複数の貫通管路11’’’、いくつかの固定要素12’’’’、および空洞13’を備える。
図7cは、複数の突起19を備えた本発明の好適な一実施形態に係る第1の支持要素10’’’’について、
図7bの斜視図の一部を示した分解図である。
【0078】
当然のことながら、本明細書に記載の実施形態はほんの一例に過ぎず、当業者は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、多くの変形および改良を行うことができる。このような変形および改良はすべて、上述したものも含めて、添付の特許請求の範囲に規定する本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0079】
1、1’ 第1または第3の装置要素
2、2’、2’’ 第1のアノード要素の第1のアノード部分
3、3’、3’’ 第1のアノード要素の第2のアノード部分
4、4’、4’’、4’’’ 第1のアノード要素の第1および第2のアノード部分間の中間空間
5、5’、5’’、5’’’、5’’’’ 第1のアノード要素の第1のアノード部分の固定要素および電気コンタクト要素
6、6’、6’’、6’’’、6’’’’ 第1のアノード要素の第2のアノード部分の固定要素および電気コンタクト要素
7、7’、7’’ 第1のアノード要素の第1のアノード部分の貫通管路
8、8’、8’’ 第1のアノード要素の第1のアノード部分における貫通管路のない中心
9、9’、9’’ 貫通管路のない第1または第3の装置要素の第1のアノード要素の最も外側のアノード領域
10、10’、10’’、10’’’、10’’’’ 第1/第3の装置要素の第1の支持要素
11、11’、11’’、11’’’ 第1の支持要素の貫通管路
12、12’、12’’、12’’’、12’’’’ 第1の支持要素の固定要素
13、13’ 第1の支持要素の内側の空洞
14 第1の支持要素の表面上の垂線
15 アノード要素
16、16’ マスキング要素
17、17’ マスキング要素の貫通管路
18、18’ マスキング要素の固定要素
19 第1の支持要素の突起